【速報】首相、防衛増税は「将来世代への責任」
https://www.47news.jp/politics/9160821.html
『岸田文雄首相は衆院本会議で、防衛財源確保のための増税措置について「今を生きるわれわれの将来世代への責任としてご協力をお願いしたい」と重ねて理解を求めた。』
【速報】首相、防衛増税は「将来世代への責任」
https://www.47news.jp/politics/9160821.html
『岸田文雄首相は衆院本会議で、防衛財源確保のための増税措置について「今を生きるわれわれの将来世代への責任としてご協力をお願いしたい」と重ねて理解を求めた。』
【速報】5年間で緊急的な防衛力強化が不可欠と首相
https://www.47news.jp/politics/9160741.html
『岸田文雄首相は6日の衆院本会議で防衛財源確保の特別措置法案に関して答弁し「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しており、今後5年間で緊急的に防衛力を強化していくことが不可欠だ」と強調した。』
防衛費増額の財源法案が審議入り 税外収入4.6兆円を活用
https://www.47news.jp/politics/9160669.html
『防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案が6日、衆院本会議で審議入りした。「防衛力強化資金」を創設し、2023年度予算に計上した4兆5919億円の税外収入を複数年度にわたって活用する措置を盛り込んだ。立憲民主、共産両党は法案に反対する方針。与野党には政府が年内の詳細決定を目指す防衛増税にも異論が強い。反撃能力(敵基地攻撃能力)の行使を可能とする安全保障政策の転換の是非とあわせ、激しい論戦が展開される見通しだ。
本会議には岸田文雄首相が出席。質疑に先立ち、鈴木俊一財務相が法案の趣旨説明を行い「わが国の防衛力の抜本的な強化や安定的な防衛力の維持に充てる」と述べた。
政府は昨年末、23~27年度の5年間で防衛力を抜本的に強化し、総額43兆円程度の防衛費を投じる方針を決めた。現行水準から増やす17兆円程度の財源は、歳出改革で3兆円強、決算剰余金で3兆5千億円程度、税外収入で4兆6千億円程度~5兆円強を捻出し、残りを増税や建設国債などで賄う方針だ。
共同通信 』
北朝鮮ミサイル計画「劇的加速」 暗号資産の窃取対策要請―国連報告書
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023040600371&g=int
『【ニューヨーク時事】対北朝鮮制裁決議の履行状況を調べる国連安全保障理事会の制裁委員会の専門家パネルは5日、年次報告書を公表した。北朝鮮による弾道ミサイル計画が「劇的に加速している」と警告したほか、暗号資産(仮想通貨)の窃取阻止に向け、関係当局にセキュリティー強化を促した。 』
同志国に防衛装備品供与、日本政府が新たな枠組み
https://www.epochtimes.jp/2023/04/144641.html
『[東京 5日 ロイター] – 政府は5日に国家安全保障会議(NSC)を開き、同志国に防衛装備品などを供与する新制度「政府安全保障能力強化支援」(OSA)の実施方針を決めた。政府開発援助(ODA)とは別の無償による資金協力の枠組みで、相手国の軍の能力向上を支援する。
松野博一官房長官は5日午前の記者会見で、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなっていると説明。一方的な現状変更を抑止し、特にインド太平洋地域の平和と安定を確保し、望ましい安保環境を創出するには、日本の防衛力強化に加えて「同志国の抑止力を向上させることが不可欠だ」と語った。』
(※ 無料は、ここまで。)
「同志国」軍支援の新制度決定
https://jp.reuters.com/article/idJP2023040501000462
『政府は5日、日本の安全保障環境の改善に生かすため、法の支配といった価値観を共有する「同志国」の軍に資機材などを提供し、能力向上を支援する無償資金協力の新たな制度を決定した。昨年改定した国家安全保障戦略に基づく措置。フィリピンやマレーシアなどを対象国として想定している。複数の政府関係者が明らかにした。
関係者によると、国家安全保障会議(NSC)の9大臣会合を持ち回りで開き、決定した。
新制度の名称は「政府安全保障能力強化支援(OSA)」。開発途上国を対象とするが、非軍事分野に限定してきた政府開発援助(ODA)とは別枠で新設した。通信衛星システムやレーダーなどの供与を想定している。
【共同通信】』
「もはや日本は中国への敵意を隠さなくなってきた」日中外相会談を中国はどう報じたのか
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3c375a9996c0cf446a3e0aa31a2269a919dea53
『約3年ぶりとなった日本の外務大臣の中国訪問。今回の林外務大臣の訪中の主な目的について、日本メディアでは、中国が尖閣諸島を含む東シナ海など日本周辺で軍事活動を活発化させていることへの強い懸念の表明や、中国国内で拘束された日本の大手製薬会社の男性の早期解放を訴えることなどが報じられている。
【動画】首輪と鎖につながれた中国“現代の奴隷”
一方、中国メディアは今回の林外務大臣の訪中をどのように報じているのだろうか。
日本は軍拡に走っている
「悪人の手先となって悪事を働かないことが日本の対中外交の前提となるべきだ」──強い見出しともに今回の日中外相会談を振り返ったのは中国共産党の機関紙「環球時報」(電子版)だ。
悪人とは「米国」を指しており、記事では林大臣の出発前に日本が対中半導体規制の実施を表明したことを念頭に、「米国に協力して、中国の科学技術に圧力を加えたり、中国とのデカップリングを図ったり、これらは“悪人の手先となって悪事を働く”という行為を拡大したものである」と強い論調で非難している。
また、先日中国国内で拘束された日本の大手製薬会社の男性については、「(男性は)中国でスパイ活動に従事していた疑いが強いために捉えられた」との認識を示したうえで、日本の世論に対して、次のように“反論”する。
「注目すべきは、日本の世論が林芳正の今回の訪中の最大の注目点は、スパイ活動に従事していたと思われる、拘束された日本国民の一件にあるということだ。なかには『男を“救出”するのではないか』といった声もあれば、中国は『人質外交を展開している』などと攻撃するものもいる」
「中日間の個別的な案件を拡大して、わざと大げさに言いふらし、事実を捻じ曲げる。これは日本の世論の常套手段である。日本の世論が狭い視野で物事を理解し、中日関係を説明することによって、多くの日本人の対中認識は袋小路に導かれている」
さらに記事は、近年の日本の安全保障政策について、“軍拡に走っている”としたうえで、次のように釘を刺す。
「外交と軍事の面において、日本は中国への敵意をもはや隠すことも抑制することもしなくなった」
「平和憲法の拘束から逃れたいという日本の衝動はますます強烈になっており、それに応じで行動の度合いもますます大きくなっている。“中国脅威論”を唱えるだけでは、周辺国はおろか日本国民の疑念さえ打ち消すことはできない」
「日本は軍拡と戦争準備のために、積極的に域外の力を取り入れており、そのことによって周辺地域の安全環境は著しく悪化している。中国は日本の軍国主義の最大の被害者であり、日本には中国に対して(そうした行動をとる意味を)説明する義務がある」
COURRiER Japon 』
カードなしに拘束日本人解放を要求し、「脱中国化はしない」と誓った林外相
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20230403-00344077
『訪中した林外相は、カードを持たずに口頭でのみ拘束日本人解放を要求。中国にはいかなる効果もない。加えて李強首相には「決して脱中国化はしない」と誓っている。友情を深めただけのような訪中を中国側発表から読み解く。
◆カードなしに拘束日本人解放を求めても応じるような中国ではない
4月2日、日本の林芳正外相は中国の秦剛(しんごう)外交部長兼国務委員と会い、ワーキングランチも含めれば4時間近くにわたって会談したようだ。しかし、最大の目的であるはずの拘束された日本人解放を要求するに当たり、「交換条件」というか「切り札」のような「カード」を持たずに、ただ「強く抗議する」とか「直ちに解放せよ」などと言ったところで、そんなことを聞くような中国ではないことは百も承知のはずだ。
そもそもスパイ容疑といったところで、2015年10月2日のコラム<中国「反スパイ法」の具体的スパイ行動とは?――日本人心得メモ>に書いたように、「反スパイ法」の「第五章 附則」第三十九条には「本法が言うところのスパイ行為とは、以下のような行為を指す」とある。具体的に何をスパイ行為とみなすかが列挙してはあるが、その最後には【(五)その他のスパイ活動をおこなうこと。】とあるので、どんなことでも理由になる。
要は、誰かを「逮捕しなければならない状況」がくれば、誰かに適宜目を付けて逮捕し、それらしい理由を付けることが可能だということだ。だから「気を付けろ」と当該コラムで書いた。
今般、日本人が拘束されたという情報が公表されたのは3月25日で、中国外交部が定例記者会見で日本人拘束を認めたのが27日だ。
その前に何が起きたか。
言わずと知れた岸田首相のウクライナ電撃訪問とゼレンスキー大統領との対面会談だ。今年3月30日のコラム<岸田首相訪ウで頓挫した習近平・ゼレンスキーのビデオ会談と習近平の巻き返し>に書いたように、その日はまさに習近平国家主席がモスクワで華々しくプーチン大統領に会い、ウクライナ戦争を終わらせるための「和平案」に関して話し合っていた晴れの舞台に照準を合わせていた。しかも3月30日当該コラムの【図表1:日ウ共同声明の中にある対中批難部分(赤文字で表示)】にあるように、ウクライナは建国後初めて対中非難を行った。
そのために華麗に展開するはずだった習近平とゼレンスキーのオンライン会談の流れは頓挫してしまった。つまり岸田首相は習近平が唱えている「和平案」の実行を阻止してしまったのだ。
そんな日本を中国が許すはずがない。
かと言って正面切って批判するのも沽券(こけん)にかかわるだろう。
結果、スパイ容疑で日本人を拘束するという行動に出たと考えるのが筋ではないのか。容疑など、どうでもいいのだ。「反スパイ法」の「第五章 附則」第三十九条の【(五)その他のスパイ活動をおこなうこと。】がありさえすれば「法に則(のっと)って」と言い張ることができるようになっている。
そのような中国の動きも見えず、「道義的に許されないので、即時釈放を!」と百万回言ったところで、ビクとも動かない中国であることを日本政府は肝に銘じるべきだ。
カードは秦剛の言葉の中にある。
中国外交部のウェブサイトによれば、秦剛は「アメリカはかつて残忍な手段を用いて日本の半導体産業を潰し、今では中国に対して同様の策略で抑圧しようとしている。自分が望まないことは、他人にも押し付けるべきではない。日本は未だにアメリカによる日本半導体産業抑圧によって深い傷を負っているではないか。虎の威を借る狐であってはならない。(日本と違い)中国への封鎖は中国の自立自強を促進するだけだ」と居丈高に言っている。
したがって、この場合、日本が用いることのできる「カード」は二枚ある。
一枚目は「中国が最も困っている半導体製造装置の輸出規制を緩めるので、拘束日本人を釈放してくれ」と懇願するやり方だ。
二枚目はその逆で「拘束日本人を今ただちに釈放しないのなら、半導体製造装置の輸出規制をもっと厳しくするぞ!」という脅迫である。
中国としては前者を引き出したかっただろうし、われわれ日本人としては後者のカードを使って毅然としてほしかったが、林外相はそのどちらも使っていない。
秦剛がさらに「日本はG7のメンバーであり、アジアの一員でもある。会議の基調と方向性を正しく導き、地域の平和と安定に有益なことをすべきだ」と主張したのは、日本がNATOのアジア化の仲介役を果たし、日ウ共同声明でウクライナに対中批判をさせたことを指していることに、どうやら日本政府は気が付いていないようだ。
このようなことで、外交交渉などできるはずがない。
◆李強首相との会談では「(日本は)脱中国化はしない」と誓った林外相
通訳を交えてわずか40分間ほどの会談だったが、2日午後、林外相は李強首相とも会談した。通り一遍の挨拶の中で、李強は「日中は重要な経済貿易のパートナーであり、デジタル経済やグリーン化発展、財政金融、医療養老などの分野で互いに協力し合い、アジアにおける安心材料となる二大国家でなければならない」と、実に李強らしい実務的な協力を呼び掛けた。
それに対して林外相の回答を、中国外交部のウェブサイトは、以下のように記録し発表している。
――昨年は日中国交正常化50周年、今年は日中平和友好条約調印45周年で、日中にとっては重要な分岐点にある。日中両国は幅広い分野で大きな協力の可能性を秘めており、日本は中国との協力を促進することに全力を尽くし、決して「脱中国化」を採用したりなどしない。日本側は中国側とともに協力し、条約締結45周年を契機に、両国首脳の重要な共通認識を実行に移し、ハイレベルの交流を維持し、絶えることなく対話と意思疎通を継続していき、建設的で安定した日中関係を構築したいと望んでいる。(外交部の引用はここまで)
あーあ・・・・。
終わってしまった・・・。
それが率直な感想だ。
◆中国外交トップ・王毅政治局委員との会談
林外相は昔から仲良しの王毅政治局委員とは夕食を交えて和やかな雰囲気の中、会談を行った。握手する表情も、昔ながらの仲間という、はち切れんばかりの喜びを隠し切れずにいる。日中ともに公開していない台湾の「中天新聞」の動画から切り取った下の写真をご覧いただきたい。
出典:台湾の「中天新聞」の動画
王毅は「中日関係は現在、全体としては安定しているが、時折雑音や干渉入る。その根本原因は日本の中の台米追随者がアメリカの間違った対中政策に惑わされ、アメリカが中国の核心的利益に内政干渉してくる策略に乗っかるからだ」と述べた。
それに対して林外相は、「今年は日中平和友好条約締結45周年で、日中は肝心な分岐点を迎える。日中両国は広範囲における巨大な協力潜在力を持っており、同時にいくつかの解決しなければならない課題にも面している。日本は中国と協力して共に努力し、日中両国リーダーが達成した重要なコンセンサスを実行に移し、建設的で安定的な日中関係を構築し、ウィン-ウィンとマルチ・ウィンを実現したい」と述べたと、中国外交部の情報にはある。
もちろん林外相は他の事も主張しただろうとは思うが、少なくとも中国側が公表した言葉を「言わなかった」ということはないものと判断される。
言ってないことを「言った」として中国外交部の正式ウェブサイトに掲載したら、日本は明確に「そんなことは言ってない」と抗議する権限を持っている。抗議してないところを見ると、言うのは言ったのだろう。
◆会談中も尖閣諸島周辺の日本の領海に中国船が侵入
日本の領土領海である尖閣諸島周辺に、中国海警局の船が3月30日から会談中の4月2日までの4日間にわたり侵入を続けた。海上保安庁の発表によれば連続侵入時間は80時間36分となり、これまでの最長記録を更新した。
そのような中、林外相が中国側に抗議したところで、1992年2月に中国が領海法(中華人民共和国領海及び接続水域法)を制定し、尖閣諸島(中国名、釣魚島)を中国の領土とし、その周辺海域をも中国の領海と決議したのに、日本は文句の一つも言わず、同年10月の天皇陛下訪中を実現させて、中国の主張を黙認してしまったではないか。
その大きな過ちを反省することもなく、「遺憾に思う」をくり返したところで何にもならない。この過誤を日本政府は正視し、真正面から勝負すべきだ。
そのようなことをスルリ、スルリと見て見ぬふりをしてやり過ごしてきた日本政府の責任の無さが、今回の不甲斐ない林外相訪中に如実に表れている。
おまけに昨年11月17日にタイのバンコクで習近平と会った時の岸田首相の習近平に対する卑屈なまでの姿勢。これに関しては拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』のp.268に【すでに負けている――習近平を前に焦る岸田首相】で詳述したが、その岸田首相が外務大臣に任命したのが自民党切っての親中派である林芳正氏だ。
どんなにバイデン政権の言う通りに動いていても、本音は隠せない。
なお、台湾問題に関しては秦剛、李強ともに、これは中国の核心中の核心問題であるため「内政干渉を絶対にするな」という姿勢を一歩たりとも譲っていない。
日本はかつて先を争って「中華民国」台湾と国交を断絶し、中共中国「中華人民共和国」を「唯一の中国」として「一つの中国」原則を中国に誓い、中国の国連加盟へと積極的に動いた国の一つだ。したがって中国は中華人民共和国憲法に、「台湾は中国の不可侵の領土」と明記してある。
それを覆したいのなら、国連で勝負すべきだろう。
台湾有事を煽って、戦争で決着を付けるべきではない。
失われるのは台湾人と日本人の命であることを忘れるな。
記事に関する報告
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』
習近平の訪露によるウクライナ侵攻仲介と多極化構築
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/29888
『2023年4月4日 平野 聡 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
「一部の日本側指導者は、いわゆる《秩序》を大いに語っている。ならばわれわれはそれをビリビリに引き裂いてやる! 今日の世界秩序は世界反ファシスト戦争の勝利の上に築かれており、それに挑戦する歴史修正主義を中国は絶対に受け入れない!」
「米国側のいう米中関係のセーフガードや衝突回避とは、中国側を縛って転倒させ手足も出させず、罵られるままに口ごたえもさせないようにすることだ。しかしそうはさせるものか! 米国が偉大であるならば、別の国が発展するのを受け容れる雅量を持て!」
王毅氏に代わって新たな中国の外交部長に就任した秦剛氏は、去る3月8日に催された記者会見の場で、およそ職業外交官の洗練とはかけ離れた表現で、「開かれたインド太平洋戦略」を通じた日本の役割拡大と対中批判、ならびに国際的な連帯を説く米国の戦略を切り捨てた (中国外交部公式HP所載全文の語感をそのまま直訳した)。
このことは、昨今の日米をはじめとした西側諸国による規制強化の結果、今般の全国人民代表大会(以下、全人代)での政府活動報告が示した「さらなる外資・外国技術の導入によって中国の自立・自強を進め、高度科学技術における争奪戦に勝利し、サプライチェーン自立を強靭化し、製造強国を実現する」という方針に暗雲が垂れ込め、中国経済そのものの再起にも問題が山積しているという吐露に他ならない。
ロシアによるウクライナ侵攻から1年を経て、習近平国家が訪露した意図とは(ロイター/アフロ)
その「中国の秩序は認めよ。外国が示す秩序は受け入れられないし、かつての振る舞いを忘れて正義ぶった者が示す秩序はなおさら受け入れられない。ただ単純に貿易の自由は認めよ。強き者は競争相手に少しは手加減せよ」という狼狽は、あたかも20世紀の世界史でいつか見た光景である。
しかし習近平思想は、内外におけるさまざまな強権への批判を「国情」の名において決して受け入れないばかりか、ごく当たり前な人間の尊厳をも「反人権」と切り捨てるものであり、現在進行形で世界の姿を確実に不安定なものにしている。しかも中国は、「自立・自強」と「多極化」の名において囲い込んだ「圏域」「共同体」によって、既存のグローバリズムを圧倒しようとしている。
その可能性に米国をはじめ西側が次第に気付き、しかもロシアのウクライナ侵攻に対して中国が明確な立場を示さないことが、西側の危機感を強めていることの意味を、中国は真剣に考えるべきであろう。
とは言え筆者の見るところ、「中国中心の多極化グローバリズム」を掲げる習近平思想の立場は、ロシアのウクライナ侵略1周年を機に、ロシアと西側の間で逡巡するのを止めたのかも知れない。習近平政権は西側への憎悪、そして「多極化した新型国際関係」における同志国ロシアの戦略的立場への配慮のため、何一つ侵略されたウクライナの側には立っていない。しかも「侵略戦争は許されない」という、そもそも中国自身が(特に日本に対して)掲げている規範を自ら損ねつつある。』
『反西側言説・多極化世界構想としてのロシア支持
2月24日に習近平政権が発表した「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」では、「各国の主権・独立と領土の一体性は切実に保障されるべきである」という。しかし、各国の独立のありようや領土が具体的にどのような状況・範囲を指すのかについて、習近平政権は一切説明しない。さらに中国は「一国の安全は、他国の安全を代価とすることはできない」「地域の安全は軍事集団を強化し、拡張することによっては保障されない」という。
要するに習近平思想は、ウクライナ南東部を強奪して得られた「新領土」を含む「ロシアの一体性」を尊重するかたちでの「平和的」な解決が望ましいとみている。そして習近平思想は、ウクライナの安全保障を求めるウクライナや北大西洋条約機構(NATO)の立場は、ロシアの利益を毀損するため認められない、と暗に言いたいのである。
しかし、NATOのストルテンベルグ事務局長が「中国はあまり信用されていない」とコメントした通り、ある意味当然のように「立場」の評判が芳しくないためであろうか、3月7日に記者会見を行った秦剛外相は、ウクライナ危機をめぐって次のように述べ、事態の責任を米国とNATOに転嫁した。
「ウクライナ問題の本質は、欧州における安保ガバナンスの矛盾が大爆発したものである。見えざる手(=米国とNATO)が衝突の引き伸ばしと悪化を仕掛け、ウクライナ危機を通じて地政学的な利益を得る陰謀を試みている。ウクライナ危機における各方面の合理的な安全への関心は全て尊重されるべきだ。中国は独立自主で判断し、和平と対話を重視している。危機の製造者・当事者ではないし、武器供与もしない。何を根拠に中国に責任をなすりつけ、制裁や威嚇を加えるのか?」
しかしそもそも、徹頭徹尾ロシアの側に立ち続けていることこそが習近平政権の責任である。結局は習近平思想における反西側言説・多極化世界構想こそが最優先であり、プーチン・ロシアは得難い協力者だということなのであろう。
習近平氏がモスクワを訪問し、伝えられるところによると10時間以上にわたって緊密な会話を交わし、パートナーシップを大々的に誇示したことは、そのような態度表明に他ならない。昨年9月の上海協力機構・サマルカンド首脳会談の際に、プーチンを前にして習近平氏が示した今ひとつれない態度とは全く対照的である。
この時はまだ、中共第20回党大会における習近平3選の前であり、西側とロシアの双方を睨んで中国の立ち位置を測りかねていたか、それとも自らの3選を前に外交上明確すぎる態度を示すのを先送りしたかのいずれかであろうが、少なくとも方針が明確にならなければ、かくも大々的で記念すべきモスクワ訪問にはならないはずである。』
『ウクライナを犠牲にする中国
実際、3月21日に発表された「中露新時代の全面戦略的協力パートナーシップの深化に関する共同声明」は、目下のところ習近平政権の発展観・文明観・グローバル観の集大成の一つとなっている。要約すると、以下のように言う。
多極化された国際秩序が加速度的に形成され、新興国と途上国の地位が増強され、グローバルな影響力を増している。その中から、自国の正当な権益を断固として守ろうとする地域大国が増え、米欧中心の覇権主義・一方的なやり方・保護主義の横行に反対するのは当然である。
「法の支配に基づいた秩序」なるものによって、一般的な国際法の原則にとって代わることは受け入れられない。
「民主主義が権威主義に対抗する」という西側の言説は虚偽である。(筆者注:ゼレンスキー政権もまたこのような言説によりウクライナ国民を鼓舞している以上、習近平思想はウクライナとの対立を暗に覚悟したことを意味する)
各国の歴史・文化・国情は異なり、いずれも自主的に人権と発展の道を選択する権利がある。他者よりも抜きん出た「民主」は存在しない。だからこそ世界の多極化を実現し、国際関係を民主化すべきである。中露両国はその実現のためのパートナーである。
総じて習近平思想はプーチンとともに、これまで人類社会がさまざまな摩擦や葛藤を繰り返しながらも次第に確認しあってきた普遍的価値を否定し、力を持つ者が自らの論理を内外で強め、物質的発展と勢力圏拡大を目指すという事実こそが普遍的であると言わんとしている。そのような国々が互いに一目置きパワーシェアリングすれば「多極化された国際社会の民主化」だという。
したがって習近平氏が、自らの強権や誤った政策のために苦しむ人々の声に耳を傾けることはないし、侵略されたウクライナの痛みを共にするとも思えない。
既に習近平氏は国内において、「これこそが中華民族共同体意識であり、中国の人権と発展観念である。外部勢力の干渉を拒否して中国の正しい声を受け入れれば誰もが幸せになれる」と称して人々を動員・参加させてきた。そして反発する人々に対しては「外部勢力の影響を受けた分裂主義者・極端主義者への打撃」と称して、一切の容赦なき鉄槌を下してきた。
そしてプーチン・ロシアも「東スラブ民族の共同体意識」を説き、ウクライナが「米国やNATOの悪影響から脱し、ロシアの声を受け入れれば幸せになれる」と称して侵略を続けている。
このように、習近平・プーチン思想は、彼らが影響力を持つと称する範囲において、過酷なガバナンスを通じて思想を統一するという点でも、多極化した世界において西側の影響を排除した「圏」を確立するという点でも、極めて似通っている。
習近平思想の立場は、仮にロシアに対して直接の軍事支援はしないとしても、プーチン思想を擁護し放置し続けることによって、ウクライナの永続的な犠牲と引き換えに成り立つ「多極化世界」を享受しようとしている。少なくとも、ロシアの侵略が引き続くことになれば、西側とロシア双方が莫大な戦費を使うことになり、相対的にみて中国の軍事的プレゼンスに寄与する。また、ロシアは確かに資源を擁する大国であり、完全に衰退する可能性は恐らくない中、それでも今後は中国に依存しながら生きる「弱小な極」であり続けるならば、中国主導の多極化世界構築と「国際関係の民主化」にとって有利である。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、岸田文雄首相のキーウ電撃訪問で日本の強い支持を得たのを受けて、習近平をウクライナに招待した。しかし恐らく、習近平氏はウクライナ国民一般に響く言葉を持たないはずである。』
『日本がとるべき選択
この先にあるのは、ユーラシア大陸にくすぶる剥き出しの強権がグローバルな規模で広がり続け、彼らなりの「国情」を振りかざしつつ、規範に基づく国際秩序を揺るがす混沌の世界である。それは、文明や文化を異にする他者どうしが時間をかけて共通の規範を見出し共有しようとしてきたこれまでの人類社会の知的営為の否定であり、グローバリズムの深刻な危機・敗北を意味する。
その中で習近平思想は具体的に、多極化世界における自らの足元たる東アジア、そしてアジア・西太平洋地域を自らの「圏」と見なし、その中心にいるのはかつての「反ファシスト戦争」の勝者にして、今や「西側にも勝った」中国であるという姿勢をいっそう強めよう。そして、ウクライナに対するロシアの発想と同じく、「米国や西側ではなく中国との協力・中国の恩恵があってこそ、真正の日本の繁栄がある」と称して、日本の政策決定の余地を狭めようとするであろう。
それが好ましくないと思うのであれば、日本は一層、開かれたアジア太平洋秩序、法の支配に基づく国際秩序の擁護に向けて、志を同じくする国々やNATOなどの組織との一層緊密な協力を打ち立てつつ、日本自身の経済と社会の質と魅力を盛り返すことが喫緊の課題と言える(とりわけ中国は「グリーン経済」を掲げ、莫大な投資を続けている)。そして中国に対しては、「現状の内政と外交では中国の将来の可能性を狭めるだけであり、他国を圧倒する世界観ではなく、誰もが受け入れられる共通の規範のもとで相互尊重の関係を築く」ことを求め続けるべきである。
このような意味において、日本が秦剛新外相から「日本のいう秩序などビリビリに引き裂いてやる!」と罵られたのは、実は日本が普遍的価値観に照らして適切な方向を歩んでいるということであり、この上もない名誉なのである。
その秦剛外相は、去る4月2日に開催された林芳正外相との会談の場で、「平和共存、友好協力が中日両国にとって唯一の正しい選択だ」と強調しつつも、同時に経済的な規制をめぐって「矛盾や分岐をめぐって一部の国々と結託して(拉幇結派)、大声を叫んで圧力をかけるだけでは問題は解決せず、相互の溝を深めるだけだ」と牽制した。中国は、自国の市場の巨大さという魅力と、それが中国自身の「自立・自強」のために日本を排除したものになる可能性を目の前にちらつかせ、改めて日本に対して「米国・西側を選択して低迷するのか、それとも多極化世界における弱小な極として自立しつつ、中国との協力によって生きる道を選ぶのか」と暗に迫ったと言える。
しかし、そのような交渉を前にして日本人ビジネスパーソンを拘束することと、プーチン・ロシアに従わないウクライナを侵略し「ナチからの解放」を掲げることと、発想において一体何が異なるのだろうか。中露両国を日本単独で牽制できないのであれば、やはり開かれた規範を重んじる国々との協力により、中国自身の変化を待つ以外にない。』
中国外相、半導体規制に反発 台湾問題「介入許さない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd7ade042520ca6effd8ff0a02aa35f6e0e338f1
『【北京=三塚聖平】中国外務省によると、中国の秦剛(しんごう)国務委員兼外相は2日、林芳正外相との会談で、米国が主導する対中半導体規制を念頭に「封鎖は、中国の自立自強の決意をさらに呼び起こすだけだ」と述べ、日本に米国と連携しないよう求めた。
【写真】中国の秦剛国務委員兼外相と握手する林外相
秦氏は「日本はG7(先進7カ国)のメンバーであり、加えてアジアの一員でもある。会議の基調と方向性を正しく導き、地域の平和と安定に有益なことをすべきだ」と呼び掛けた。G7議長国を務める日本にクギを刺した。
秦氏は「矛盾や不一致に対し、徒党を組んで圧力を加えることは問題解決の助けにはならず、お互いの隔たりを深めるだけだ」と発言。米中対立を背景に、G7メンバー国などが対中圧力を深めていることを暗に批判した。
秦氏は、台湾問題について「中国の核心的利益の核心だ」と改めて主張。台湾との台湾との連携を進めている日本に対し、「台湾問題への介入は許されず、どのような形であれ中国の主権を損なってはならない」と警告した。
日本政府が春以降の開始を見込む東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出については、秦氏は「人類の健康、安全にかかわる重大な問題で、日本は責任ある態度で処理すべきだ」と注文を付けた。
日本の製薬大手・アステラス製薬の現地法人幹部男性の拘束については、「中国は法に照らして処理する」と主張した。また、秦氏は日本側に「実務協力を推進し、人文交流を増進することを望む」などと発言した。
中国外務省によると、会談では日中韓協力や朝鮮半島情勢、国連安全保障理事会改革などについても意見交換を行った。』
「人質外交」は中共のお家芸 日中外相会談前の日本人拘束が意味するものとは?
https://www.epochtimes.jp/2023/04/144129.html
『訪中した林芳正外相は2日、北京で中国の秦剛外相と会談を行った。秦外相は中国へのハイテク製品の輸出規制を巡り、米国を虎にたとえて「人食い虎を手助けするような行いをすべきではない」と日本をけん制をした。さらに、日本が議長国を務める今年5月予定のG7サミットでも、中国批判に議論が傾かないようにと注文をつけた。
日本側は、中国で拘束された日本の製薬大手・アステラス製薬の幹部社員の件を巡り、中国側へ抗議をするとともに、早期解放を要求した。これに対して中国側は「法律に基づき処理する」と述べただけで、具体的な進展はなかった。』
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