ロシア機による領空侵犯について
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2021/09/12b.pdf

『日 時:令和3年9月12日(日)
① 午前9時37分頃
② 午前9時58分頃
場 所:北海道知床岬の領海上空
国籍・機種等:ロシアAn-26×1機
通告・警告:通告・警告を実施
緊急発進:航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させる等して対応した。』
ロシア機による領空侵犯について
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2021/09/12b.pdf

『日 時:令和3年9月12日(日)
① 午前9時37分頃
② 午前9時58分頃
場 所:北海道知床岬の領海上空
国籍・機種等:ロシアAn-26×1機
通告・警告:通告・警告を実施
緊急発進:航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させる等して対応した。』
潜没潜水艦及び中国海軍艦艇の動向について
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2021/09/12a.pdf
『9月10日(金)午前、海上自衛隊は、奄美大島(鹿児島県)の東の海域(接
続水域外)を潜没潜水艦が北西進していることを確認し、その際、その付近を航
行する中国海軍艦艇ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻も確認しました。当該潜没
潜水艦については、その後の同日午前、奄美大島の東の海域(接続水域内)を北
西進し、12日(日)午前には、横当島(鹿児島県)の西南西の海域(接続水域
外)を西進していることを確認しました。
防衛省としては、当該潜没潜水艦の付近を中国海軍艦艇が航行していたこと等、
これまでに得られた様々な情報を総合的に勘案して、当該潜没潜水艦が中国のも
のであると推定しております。
本件について、防衛大臣からは、「緊張感をもって、情報収集・警戒監視に万全
を期すこと」との指示がありました。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第1航空群所属「P-1」(鹿屋)、第4航空群
所属「P-1」(厚木)及び第5航空群所属「P-3C」(那覇)、第4護衛隊所属
護衛艦「さざなみ」(呉)、第2護衛隊所属護衛艦「はるさめ」(佐世保)により、
所要の情報収集・警戒監視を行いました。』
最近の北朝鮮の動き
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB131GP0T10C21A9000000/
『最近の北朝鮮の主な動きは次の通り。
2017年11月 新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」発射。金正恩朝鮮労働党委員長が「国家核戦力完成」を宣言
18年6月 シンガポールでトランプ米大統領と金正恩氏が史上初の米朝首脳会談
19年2月 ベトナム・ハノイで米朝首脳再会談、決裂
20年10月 軍事パレードで新型ICBM公開
21年1月5~12日 党大会。金正恩氏が米国は「最大の主敵」と演説。党総書記に就任
14日 軍事パレードで新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)公開
20日 バイデン米大統領が就任
3月21日 巡航ミサイル2発を発射
25日 弾道ミサイル2発を発射
8月10~26日 米韓合同軍事演習
9月9日 建国73年。民間防衛組織がパレード
13日 11、12両日に新型長距離巡航ミサイル実験に成功と報道
(北京=共同)』
北朝鮮、新型巡航ミサイルの発射「成功」 朝鮮中央通信
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1305Y0T10C21A9000000/

『【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、兵器の開発機関である「国防科学院」が11、12両日に新型長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと伝えた。ミサイルは上空に設定した「楕円および8の字型の軌道」に沿って2時間6分20秒間にわたり1500キロメートル飛行し、目標に命中したとしている。
北朝鮮のミサイル発射が確認されたのは約6カ月ぶり。今年3月21日に巡航ミサイル、25日に短距離弾道ミサイルをそれぞれ発射した。
発射実験には朝鮮労働党の朴正天(パク・ジョンチョン)書記が立ち会い「1月の党大会で示された戦争抑止力の目標を達成し成果を勝ち取らねばならない」と強調した。
報道によると、巡航ミサイルは数十回のエンジン噴出実験や操縦試験など2年間の開発期間を経た。今回の実験で、新たに開発した「ターボファンエンジン」の推進力や、命中の正確性などが設計上の要求を満たしたとしている。
北朝鮮
北朝鮮、新型巡航ミサイルの発射「成功」 朝鮮中央通信(8:02 更新)
年内の目標達成を呼び掛け 北朝鮮党機関紙(12日 22:50)』
中国政策で岸田氏を警戒する米国、希望は河野太郎首相
菅政権崩壊を“予測”していたワシントン、安倍再登板にも期待
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66808

『日米共同声明という「羅針盤」は残る
米国の対日専門家たちは、菅義偉首相(自民党総裁)の退陣表明について総じてこう見ている。
「菅氏は、新型コロナウイルス禍が好転せず、局面打開を狙った東京五輪の強行開催は国民の反発を招いた」
「局面打開を懸けて探った衆院解散、人事刷新という延命策も成就せず、万策尽きたためだ」
「ジョー・バイデン政権発足後、最初に対面会談の外国首脳として菅氏をホワイトハウスに招いたのも菅氏個人というよりも最重要同盟国・日本の首相だったからだ」
「その結果、米国の最重要課題になっている対中戦略、特に台湾海峡に対する現状認識の共有を共同声明に明記するなど日本を巻き込んだ」
「菅政権下で強固な日米関係はより制度化された(Institutionalized)わけだ」
「つまり、菅政権下で安倍晋三前政権の対米路線を引き継ぐ日本政府の外交安保当局のスタンスが推進された。菅・バイデン両首脳は共同声明という『羅針盤』を残したからだ」
ホワイトハウス報道官は、こう述べている。
「バイデン大統領は、新型コロナウイルスや気候変動、北朝鮮、中国、台湾海峡の平和と安定の維持など日米の共通の課題に対する菅首相の指導力に感謝している。日米同盟は強固であり、今後も添い合い続ける」
米国にとって、菅氏は安倍政権の忠実な継承者としてありがたい存在だった。米有力シンクタンクの日本専門家の一人はこう米国の本音を吐露する。
「菅氏は、Backroom Dealer(縁の下の力もち)であり、とてもではないがMass Leader(大衆を引き付けるリーダー)ではないと見られていた」
「米政府内外の日本専門家たちは、菅氏はあくまでも安倍氏の空席を短期的に埋める『中継ぎ投手』として見ていた。いずれ「本格派投手」に交代することを予測していた」
「その時期が若干早かったか、予測通りだったか。いずれにしても想定外のことではなかった」』
『米情報調査機関:対米戦略公約は弱体化
その「本格派投手」とは誰なのか。次期自民党総裁、内閣総理大臣は誰なのか。
全世界の政治、外交、経済などの動きを事前に予測する民間の情報調査機関、「レイン・ネットワーク」(RANE Network)の傘下プロジェクト、「ストラットフォー」*1(Stratfor)は9月3日時点で今後の政局を以下のように予測・分析をしている。
*1=ストラットフォーは、テキサス州プラトノに本社を置く米情報調査機関。全世界に情報網を持っており、各国政府機関、大企業、シンクタンクを顧客にしている。その情報、予測、分析は高く評価されている。
一、菅氏の後任を狙う政治家は数人いるが、そのほかに安倍晋三前首相の再出馬のミステリーがくすぶっている。同氏が総裁選に立候補すれば選ばれることは間違いない。
二、立候補が確実視されている河野太郎改革担当相は、党内でも強力な派閥(麻生太郎副総理兼財務相を領袖とする麻生派、国会議員53人)に属している。安倍内閣の外相として安倍氏の政策に深く関与してきた。有権者にも支持者が多い。
三、ハト派の元外相、岸田文雄・前自民党政調会長(宏池会・岸田派、国会議員46人)はいち早く立候補を表明している。だが世論調査では有権者の支持は芳しくない。
岸田氏は日本は対米、対中関係でバランスをとるべきだと考えている。2020年の安倍氏退陣の際、安倍氏は岸田氏を推したと信じられている。
四、超タカ派で対中強硬派・無派閥の高市早苗・前総務相も立候補を目指しているが、立候補に必要な国会議員数20人を得るのは難しい状況にある。
五、元防衛相の石破茂氏は世論調査では高い支持率を得ている。貧富の格差是正を唱えているからだ。だが今回もまだ立候補するかどうか態度を留保している。
六、安倍氏の立候補については今のところ噂の域を出ていない。しかし党内での広範囲な支持があることを考えると、出れば容易に選出されるだろう。
七、菅氏の後継者(総選挙で自民党は議席を失うため)が総理・総裁になった場合は、政権運営は極めて難しく、公明党に対する依存度は増大する。
八、前述の候補者が総理・総裁になっても長期的に政権を維持することは困難で、かつてのような「次から次と首相が変わる回転ドア」のような時代」(the era of revolving-door prime ministers)の再来になりそうだ。
九、その結果、長引く経済のスタグフレーション、激化する中国との競争関係に直面している日本の内政・外交政策は不安定化する可能性がある。
これを防ぐには党内三大派閥が菅政権をサポートしてきたように後継者を一致協力して支える以外にない。日本が一貫性のある内政、外交政策を堅持するにはこれしかない。
十、誰が菅氏の後継者になろうとも11月29日に衆院議員の任期が切れ、同日か、それ以前に総選挙が実施される。自民党(現在276議席)が衆院議席の絶対過半数を割ることになれば、(今まで以上に)公明党(現在29議席)との連立を組む以外にない。
十一、公明党は反核、反武装対立を主張してきた。公明党への依存度が強まれば、自民党はこれまで菅政権が堅持し推進してきた米台の戦略的協力関係の是認や中国の南シナ海、東シナ海への海洋進出、台湾に対する脅威に対抗するための軍事力強化といったスタンスを弱めざるを得なくなるかもしれない。
(https://worldview.stratfor.com/)』
『自民党内に世代交代の波
菅氏が政権運営に行き詰まった要因について外交問題評議会の、シーラ・スミス上級研究員は、ブログでこう指摘している。
「一向に好転しない新型コロナウイルスによるパンデミック禍に打つ手なしの菅政権に対するフラストレーションは極限に達していた。病棟が不足したから自宅療養を奨励するに至って国民世論の堪忍袋の緒は切れてしまった」
「自民・公明連立政権には、次から次とスキャンダルが襲い掛かった」
「選挙違反で有罪判決を受けた元法相の補欠選挙では野党候補に負け、パンデミック禍の最中には公明党議員が禁じられていた会食に出席、最後のとどめは菅氏が地元・横浜市長選に推薦した候補の惨敗だった」
さらに同氏は自民党内にくすぶっている世代交代論が菅氏の延命工作を封じてしまったとみている。
「世間一般の通念からすると、これら挑戦者たちはまだ身をかがめて総裁選の行方を見守っている」
「ワクチン接種普及を担当する河野太郎・行革担当相(58)は職務に専念しているように見えるが、いつ総裁選に立候補するか世間の目は彼に注がれている。同氏の新著『日本を前に進める』は各書店の店頭に山積みされている」
「若いが人気抜群の自民党のスター、小泉進次郎・環境相(40)は、次期内閣では重要閣僚として入閣するとのうわさが流れている」
「安倍氏や麻生氏と近い甘利昭・元経産相(72)は(二階俊博氏=82=の後任の)幹事長に色気を見せているらしいし、茂木敏充外相(65)も次は党幹部のポストを狙っている」
「この秋の日本の政治は予想以上に流動化し、面白くなってきた」
(https://www.cfr.org/blog/politics-heat-tokyo)』
『優柔不断な親中派の岸田氏に警戒心
米国では共通しているのは、今のところフロントランナーの岸田氏に対するネガティブな評価だ。
同氏は、2012年12月から17年8月まで4年8カ月、安倍第2次、第3次、第3次1次改造、第2次改造時の外相を務め、米政界や国務省関係者にも友人、知人が数多くいるはずなのに、米国の外交・安保関係者からは敬遠されているのだ。
なぜか。米上院外交委員会関係者の一人はこう指摘する。
「所属する派閥、宏池会は元々、親中派が多く、岸田氏が特に親中派の古賀誠元会長の側近だったことが災いしているのではないか」
ブルームバーグ通信社のイサベル・レイノルズ記者は岸田氏の対中認識を質した。岸田氏はこう答えている。
「時代は大きく変化している。中国も変わった。中国は今や国際社会で大きな存在になっている。私は中国の権威主義的な態度に懸念している」
「台湾は、米中関係行き詰まりのフロントラインになっている。香港(中国による民主化運動弾圧)や新疆ウイグル(少数民族抑圧)の状況を見ると、台湾海峡は次の大きな問題になるだろう」
「台湾有事は日本にとっても重大な影響を与える。日本はそうした脅威に備えるために防衛費を引き続き増やしている」
「(台湾有事の際に日本はどうするか、との質問には)法律に照らして行動するだけだ」
レイノルズ記者は岸田氏の答えにこうコメントをつけている。
「麻生副総理は『台湾危機に際して日米はともに台湾を防衛せねばならない』と言った。また岸信夫防衛相の『台湾防衛は日本の防衛に直接リンクしている』と述べていた」
(https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-09-03/top-contender-to-lead-japan-warns-taiwan-is-next-big-problem)』
『岸田氏の答えは、明らかに4月、菅首相とバイデン大統領とが署名した共同声明に明記された「台湾海峡の平和と安全の重要性」に対する認識から後退している印象を受ける。
参考:日米声明「台湾海峡」明記 初の会談、中国の威圧に反対: 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE170BH0X10C21A4000000/)
岸田氏、河野氏、石破氏の中で米国は誰に首相になってもらいたいのか。
日本政治に精通する元外交官の一人は「内政干渉はしたくないが」と言いつつ、こう言い切っている。
「岸田氏は長いこと外相だったからワシントンでは名前も顔も売れている。その一方で中国問題など主要な政策では岸田氏はソフトで、煮え切らないというか、決断力に欠けるという評価があった。ある種の警戒心がある」
「誰がどう言ったというわけではないが、私の感覚では、米国では岸田氏よりも河野氏の方が好かれている。ベストな首相候補だ」
「その理由は同氏のバックグラウンド(ジョージタウン大学卒、防衛相、外相歴任)。抜群の英語力。明快な発言。若いし、ルックスもいい」
「米議会やシンクタンクのタカ派は(防衛問題に強い)石破氏が好きなようだが、総裁選の立候補に必要な推薦人を集められるかどうかだ」
河野氏については、官僚に対するパワハラ疑惑やら閣議決定をタテに官僚の作成した政策素案の撤回を求めるなど物議をかもしているようだ。
また総裁候補選びでは、選挙基盤の弱い若手議員が「選挙の顔」を求めて、派閥幹部の意向に応じない構えを見せている。情勢は流動化、複雑化している。
本稿は、あくまでも米国の対日問題専門家たちの「総理・総裁候補評定」を書き留めたもの。
そこには、誰が首相になっても不安定化する政権が、今後の日米関係に暗い影を落としかねないという米国の危惧の念が感じ取られることは間違いない。』
「菅氏は信頼できる同志」 ハガティ前駐日米大使
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090400166&g=int

『【ワシントン時事】菅義偉首相の官房長官時代を知る前駐日米大使のハガティ上院議員は3日、菅氏の退陣表明を受けて声明を出し「信頼できる同志であり、パートナーであり、『課題解決者』だった。共に仕事をする中で、どんな困難も過大ではなかった」と振り返った。
米政権「強固な同盟変わらず」 日本の不安定化懸念の報道も―菅首相退陣
ハガティ氏は在任中、沖縄県の在日米軍基地問題などをめぐって菅氏と頻繁に面会し、信頼関係を構築してきた。声明では、インド太平洋地域で中国や北朝鮮、ロシアの脅威が増していると指摘した上で「(菅氏は)かつてないほど強化された日米の戦略的関係に今後も多大な貢献を続けると確信している」と期待を示した。』
米政権「強固な同盟変わらず」 日本の不安定化懸念の報道も―菅首相退陣
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090300724&g=int
『【ワシントン時事】米ホワイトハウスの報道担当者は3日、退陣を表明した菅義偉首相について「バイデン大統領は新型コロナウイルスや気候変動、北朝鮮、中国、台湾海峡の平和と安定の維持など、共通の課題に対する指導力に感謝している」と語った。その上で「日米同盟は強固であり、今後もそうあり続ける」と強調した。
菅首相退陣で株価急伸 日経平均500円超高
米メディアは菅氏の表明を相次いで速報した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は、菅氏が政権発足からわずか1年で退陣することに触れ、「米国にとって最も重要な同盟国の一つで再び政権が不安定化する」と懸念を示した。
ワシントン・ポスト紙(電子版)は、新型コロナ対策の失敗が内閣支持率の急落につながったと分析。ニューヨーク・タイムズ紙(同)は安倍政権で長く官房長官を務めた菅氏を「陰の権力者」と表現し、「公の場では常に気まずそうだった」と評した。』
Sam LaGrone 記者による2021-9-1記事「U.S. Marine F-35Bs to Operate off Largest Japanese Warship Later This Year」
『海兵隊司令官のデイヴィッド・バーガー大将は水曜日、海兵隊のF-35Bが今年11月に海自の『いずも』上から作戦すると語った。
またその直後には海兵隊のF-35Bが英海軍の空母『QE』(R08)上にもお邪魔する予定だと。
『いずも』と『かが』は艦首の最上甲板が不等片四角形であったのを長方形に改装する。工事は『いずも』で先行している。
2023年度以降、自衛隊にF-35Bが42機納入され、艦上機となる。
※尖閣を守るためだけなら空母は要らない。「クワッド」を構成して四国連合艦隊で台湾、比島、ボルネオ島を防衛したいというのが、米軍上層の希望だろう。
米国最上層からの要望は財務省をオーバーライドするがゆえに自衛隊にとっても都合がいい。先島群島上に点々とF-35B用の臨時予備基地を平時から準備しておこうとしても、反日諸政党の妨害活動に遭って、話が進むわけがない。空母の方が千倍も話は早いのである。』
※ 韓国の「軽空母」も、この延長線上にあるんだろう…。
邦人救出、アフガンの教訓 台湾有事にも出遅れ懸念
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA308IM0Q1A830C2000000/



『政府は8月31日、アフガニスタンから邦人や現地協力者を退避させるために派遣した自衛隊機に撤収命令を出した。各国が数百~十数万人を国外へ輸送したなかで自衛隊は15人どまり。法律や慣習の制約による出遅れは台湾海峡や朝鮮半島で起こり得る有事に備える教訓となる。
「わが国の組織で働く現地の従業員もファミリーだ」。岸信夫防衛相は23日、自衛隊に出動命令を出し、記者団にこう述べた。邦人だけでなく日本大使館などに勤務していたアフガン人協力者も救うのが任務だと強調した。
現地には数人の邦人と最大500人のアフガン人協力者が残る。イスラム主義組織タリバンがカブールを制圧し、外国人や協力者に危険が及ぶ恐れがある。希望者を国外へ避難させるのが国家としての使命だという判断があった。
実際に運べたのは邦人1人と米国のアフガン人協力者14人だけ。500人を25台ほどのバスに乗せて空港へ運ぶ予定だった26日、空港周辺で起きた自爆テロで計画が崩れた。米軍が撤収すると日本が輸送するすべはなくなった。
米国は12万人、英国は1万人以上を国外へ出すのに成功した。ドイツやフランスは数千人、韓国も390人で日本の少なさが際立つ。派遣を決めるのに時間がかかりテロの前に運べなかったのが響いた。日本以外の主要7カ国(G7)は15日前後に着手していた。
決定の遅れを招いた要因の一つは日本の法的な制約だった。自衛隊が邦人らを救うには2つの方法がある。一つは騒乱が起きた国の外へ連れ出す「輸送」。もう一つは場合によっては武器も使いながら救出にあたる「保護」だ。
今回は輸送だけの対応にとどめた。自衛隊法84条の4は「安全に実施できると認めるとき」に限ると規定する。絶対条件とされた空港の安全確認に時間がかかった。自衛隊の海外派遣はこれまで世論を二分してきた。外務省幹部は「首相官邸や与野党に大丈夫と言い切る根拠がなければ決断できなかった」と語る。
政府が現地と交渉して人々を空港に送る手段を探すのにも手間取った。空港外の活動は危険とみなされて任務から外れ、自衛隊は市街地に残る邦人や協力者を運ぶことができなかった。
救出を含む保護に関する自衛隊法84条の3を適用しなかったのはなぜか。保護のためなら任務遂行の妨害行為を排除するのに武器を使え、空港外で活動しやすくなる。
壁となったのは輸送よりも厳しい制約だ。84条の3が明記する①当該国の権限ある当局による秩序維持②当該国の同意③当該国当局との連携――の3要件を満たさなかった。
タリバンによる統治の見通しは不透明で、同意を取り付けるべき明確な相手が存在しない状態だったためだ。
治安が悪化した地域から日本の民間人を退避させることは自衛隊の重要な任務の一つとなる。日本周辺で想定される危機でも出遅れかねないとの見方がある。
朝鮮半島や台湾海峡での有事は、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」とみなせば自衛隊の防衛出動による武力を使った邦人救出が可能になる。この場合も派遣先の国の同意が前提となる。
半島有事で自衛隊が邦人を保護する場合に想定する相手は韓国だ。韓国は植民地支配の記憶があり、自衛隊の受け入れに慎重になりがちだ。防衛省には「邦人保護の目的でもスムーズに派遣できるかわからない」との懸念がある。
中国が台湾を攻撃した場合はより複雑になる。中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を日本は尊重する立場だ。防衛省幹部は「攻めてくる中国側の同意が必要という奇妙な状況に陥りかねない」と話す。
慶大の鶴岡路人准教授は「自衛隊機を出す決定が遅かったのは否定しようがない。どういうときにどういう対応を取るか政府内でリアルな準備をしておく必要がある」と指摘する。
<記者の目>「戦後の宿題」考えるとき
「多くの外国軍は『やってはいけないこと』を法律で定めている。自衛隊は『やっていいこと』だけを法律に書いている」。防衛省でよく聞く言葉だ。活動に制約が多く迅速に対応しにくいという問題意識がある。
自衛隊は戦争の反省や憲法9条を踏まえて活動に枠をはめてきた。1995年の阪神大震災では自主的に動きにくく救助活動が遅れた。この教訓を基に出動要件を簡略化したように時代に合わせた法律や運用の見直しはあってしかるべきだろう。
世界各地でテロや紛争が頻発し、邦人の犠牲者が出る事例も相次ぐ。危機に直面してからでは間に合わない。自衛隊にどこまでの活動を任せるべきか。政府や与野党だけでなく社会全体で「戦後の宿題」を考えるときが来ている。(安全保障エディター 甲原潤之介 』
アフガン退避、2度の計画断念 幻に終わった救出劇
想定外の早期陥落、テロで移動困難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA31BR20R30C21A8000000/
※ 相当に「裏話」にまで、踏み込んだ記事だ…。
※ これが、現状だ…。
※ 「カントリー・リスク」ある地域に進出する民間企業は、そういう現状を覚悟で現地に行く必要がある…。
※ 「イザと言う時には、どこからも”援助”は来ない…。」「日本の自衛隊は、手足を縛られていて、活動できない。」という覚悟で…。


『アフガニスタンから邦人や日本大使館の現地職員らを退避させる政府の作戦が8月31日に終わった。結果は邦人1人と米政府の協力者であるアフガン人14人の移送にとどまった。最大500人の救出を想定し、外務省が練った2度のプランは想定外の事態に断念を迫られた。
「早期退避を検討してください」。イスラム主義組織タリバンが支配地域を着々と広げていた8月上旬、アフガニスタンの日本大使館は在留邦人に警戒を呼びかけていた。多くの人は従ったが、仕事や家族など様々な事情から出国を留保する人もいた。
東京では外務省が4日から水面下で、邦人と大使館の現地職員を含むアフガン人協力者の退避を検討し始めた。10日前後には「90日以内にタリバンが首都カブールを制圧する」との米情報機関の分析をメディアが報じた。
民間チャーター機を手配し、18日にカブール空港から飛び立つ――。外務省は14日、1度目の救出計画を立てたが、翌15日、カブールは想定外の早さで陥落した。空港への民間機の離着陸は不可能になった。第1の計画は失敗に終わった。
外務省は大使館の邦人職員12人の退避に忙殺され、アフガン人職員ら協力者への対応は後回しになった。市街地では刑務所から囚人が逃げ、銃撃戦も始まった。
米国からは大使館の撤収を促す連絡が入った。米軍からは「退避が遅れたら安全を保証できない」と迫られた。大使館は米軍と覚書を結び、撤収への協力を要請した。
大使館員は空港を目指したが、移動もままならなかった。森健良外務次官はシャーマン米国務副長官に電話し、米軍ヘリによる車両の保護を求めた。出国には英国の軍用機の力も得て17日、ドバイに逃れた。
まだアフガンに残る500人ほどのアフガン人協力者をどう救出するか。「救出を引き受けてくれないか」。外務省は翌18日からアフガンにすでに軍を展開していた米欧各国に打診した。19日まで続けたものの、各国とも自国の協力者の救助が精いっぱいで確約は得られなかった。
万策尽きた外務省が防衛省に自衛隊派遣を打診したのは20日朝。防衛省は1日で作戦をまとめ、岸信夫防衛相が21日に部隊出動を決断した。菅義偉首相の了承を得て、23日、自衛隊に派遣命令を出した。
外務省には「自衛隊の派遣は最後の手段」という考え方が根強い。過去の派遣で野党などの追及を受けてきたからだ。争乱状態のアフガンに自衛隊を送ることへの懸念から判断が遅れた。
外務省は2度目の救出プランを練った。大使館職員らが第三国からアフガンに戻って25台ほどのバスを手配し、希望者を乗せて検問をくぐり抜ける計画だ。タリバン幹部へ退避対象者リストを渡して検問通過の合意に見込みをつけると、26日に希望者を集めてバスに乗り込んだ。
タイミング悪く26日午後に空港周辺での自爆テロが起きた。混乱から検問所は100台に及ぶバスの列ができ、検問でのタリバンの規制は急激に厳しくなった。テロの再発のリスクも考慮し出発を断念した。
自国民の保護すら危ぶまれる事態を受け、茂木敏充外相は23日に会談したばかりのカタールのムハンマド副首相兼外相に急きょ接触。カタールは求めにこたえ、渋滞でも動きやすい10人乗りの小型バスを用意した。
テロで態度を硬化したタリバンが「外国人」の出国のみを認める方針に転換し状況はさらに悪くなった。外務省は残る数人の邦人に出国の意向を最終確認し、希望した共同通信の通信員1人のみが空自輸送機「C130」でカブールを脱出した。
自爆テロの前日の25日、韓国は300人超の退避に成功した。成否を分けたのは「1日」だった。政府高官は「自衛隊出動があと1日、早ければ……」と悔やむ。
災害やテロ、戦争など有事のオペレーションは判断の遅れが成否を分ける。さらに協力者を救出できなかったことはこれからの日本の外交力にも影響を与えかねない。
「今回のオペレーションの最大の目標は邦人保護だった。そういう意味では良かった」。首相は1日、首相官邸で記者団の質問に笑顔なく答えた。 』