



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62730900X10C20A8PP8000/


『政府は東南アジア諸国連合(ASEAN)の新型コロナウイルス対策を支援する。茂木敏充外相が8月に各国を訪問し、医療機器や物資の供給協力を提案する。コロナ支援を通じ、中国に傾斜しないよう米国とくさびを打つ。
茂木氏は12日からまずシンガポールとマレーシアを訪れた。20日からはパプアニューギニア訪問に続いて、カンボジア、ラオス、ミャンマーの東南アジア3カ国に足を延ばす。既に医療用の病床や救急車などを供与すると決めている。
この3カ国にタイとベトナムを加えた「メコン地域5カ国」とは7月、医療機材など総額116億円相当を支援すると合意した。茂木氏は支援の方針を改めて伝える。
コロナ対策で各国との往来を規制して以降、これ以外の海外出張は英国のみ。東南アジアを中心に選んだのは中国を意識した結果だ。
外務省幹部は「ASEANを日本や米国の側につなぎ留めなくてはいけない」と説明する。
中国はコロナ対策で医師団や医療物資を送る「マスク外交」を展開する。ASEANは重点地域の一つだ。医療体制が脆弱で海外からの支援を必要とする国は多い。経済だけでなく医療でも中国への依存を深めて影響力を高める狙いがある。
たとえば王毅(ワン・イー)外相は7月30日、インドネシアのルトノ外相と電話し、コロナのワクチン開発協力を約束した。東南アジアで感染者が多いインドネシアにとっては重要な支援となる。ミャンマーやラオス、カンボジアはもともと中国と近い関係にある。
日本政府が見据えるのは9月のASEAN地域フォーラム(ARF)から始まる一連のASEAN関連の国際会議だ。
ポンペオ米国務長官が7月に南シナ海での中国の主張を「完全に違法」と断じる声明を出した後、初めて日米中などの外相や首脳が南シナ海問題を協議する場となる。
ASEAN外交筋によると、7月に開いたテレビ会議による次官級の準備会合で米中は早くも火花を散らした。スティルウェル米国務次官補が南シナ海問題で国際法の順守を訴えると、中国の羅照輝外務次官は「米国は国連海洋法条約に入ってから批判すべきだ」と切り返した。
ASEANは南シナ海問題で一枚岩ではない。中国と領有権問題を抱えるフィリピンでさえ「米中いずれとも対峙するつもりはない」(ドゥテルテ大統領)と等距離を保つ。米中にとってASEAN各国の支持をどう取りつけるかが、南シナ海問題で優位に立つために重要になる。
コロナ対策と経済回復への協力は有効な外交手段となる。フィリピンやインドネシアではコロナの感染拡大が止まらず収束の見通しが立たない。
2020年4~6月期は多くの国でマイナス成長に陥るなど経済の落ち込みも深刻だ。それだけに米国は中国のコロナ支援を警戒し、日本などの友好国と連動してASEANを支援する。
ポンペオ氏は3日、インドネシアのルトノ氏との電話協議で、中国と同様にワクチンの開発協力を呼びかけた。南シナ海問題に関し国際法を尊重する方針も確認した。
シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンのASEAN各外相と立て続けに電話し、中国に対抗する姿勢を鮮明にした。米国の同盟国であるオーストラリアも6月末、ASEANとの外相会議を開いて経済支援を約束した。
日本にとってASEANとの外交は特別な意味がある。米国から遠い東南アジアで影響力を持つことが日本の価値を高めるカードになってきた。
岸信介元首相や第2次政権での安倍晋三首相は初の外遊先に東南アジアを選び、米国と付き合う土台とした。11月の米大統領選でトランプ氏とバイデン氏のどちらが勝利したとしても、東南アジアとの関係は日本外交の武器となる。』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62716160X10C20A8EA2000/
『【ワシントン=中村亮】トランプ米政権が中国の脅威を「冷戦期のソ連以上」とみなして警戒している。中国は核兵器を含め大幅に軍備の拡張を続け、積極的な海洋進出も見せている。ソ連と異なり成長力も高く、強い経済を背景に今後も軍事力の増強が続く見通しだ。偶発的な衝突のリスクへの不安も出ている。
米国とロシアは17日からウィーンで核軍縮をめぐる高官級協議を開く。
これまでの米ロ核軍縮協議で、米国は中国が保有する核弾頭は現在の数百発から2020年代のうちに倍増以上になると訴えてきた。最新鋭のミサイルや戦略爆撃機の配備も踏まえ、中国を加えた核軍縮の枠組みが必要だと主張している。
同協議で米国の交渉責任者を務める国務省のマーシャル・ビリングスリー大統領特使(軍備管理担当)は14日、日本経済新聞のインタビューに応じた。中国の軍拡について「ロシアにとっても懸念のはずだ」と指摘し、中国に軍縮を促すようロシアに秋波を送った。
将来の核軍縮の枠組みをまず米ロで固めた上で、その後に中国に参加を迫る「2段階方式」にも言及した。「とても賢い手法だ」と述べ、米ロで中国に軍縮を迫る方法を模索する考えを示した。
米国では冷戦を戦ったソ連より中国の方が脅威だ、との見方も広がる。
ポンペオ米国務長官は12日、訪問先のチェコで演説した。ソ連を引き合いに出して「中国共産党の脅威に対抗するのはより困難だ」と強調した。
7月下旬にはレーガン元大統領がかつての対ソ戦略で「信頼せよ、しかし確かめよ」の方針だった、と紹介した。その上で「中国に関していえば『信頼するな、そして確かめよ』になる」と、ソ連以上の不信感で中国に臨むべきだと訴えた。
冷戦下の経済競争に敗れたソ連と異なり、いまの中国は近い将来、米国を経済面で追い抜く勢いだ。豊富な資金を軍事力に投入している。ソ連に比べると海軍力の強化も目立つ。空母や潜水艦などの展開力が高まれば、米国本土が戦闘機やミサイルの脅威にさらされる懸念も出てくる。
米国は軍事面で次々と手を打つ。米海軍は2月、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に「小型核弾頭の実戦配備を始めた」と明らかにした。
小型核は通常型に比べて爆発力が小さく、敵国の軍事施設や重要インフラを局所的に攻撃できる。「使いやすい核」といわれ、米軍は抑止力強化につながると説明する。配備先は公開していない。中国の周辺であるインド太平洋地域が有力だといわれている。
空軍は4月から、米領グアムに戦略爆撃機のB52、B1、B2を交代で継続的に配備する運用をやめた。04年から続けてきたやり方をやめ、米本土から機動的に派遣するよう切り替えた。
規則的に運用すれば作戦を見抜かれやすい。元国防総省高官は「運用の不確実性を高めて中国をけん制する」と話しており、中国の脅威に敏感になっている。米メディアによると14日には台湾に戦闘機F16の最新型を66機売却すると発表。原子力空母も南シナ海に派遣して演習をしている。
ビリングスリー大統領特使は14日、開発中の中距離ミサイルについて日本がアジアでの配備候補地になると語った。日本が「敵基地攻撃能力」の保有を検討していることにも支持を表明した。いずれも北朝鮮だけでなく、中国の脅威も念頭に置いたものだ。
一方で米中では偶発的な衝突のリスクもある。元国防総省高官は「ロシアに比べて中国との対話ルートは細い」と懸念を示す。米ロには冷戦期から不測の事態に備えた意思疎通の仕組みがあった。米ロが駐留するシリアでは軍当局者が綿密に連絡を取り合う。米中にはこうした枠組みは乏しい。エスパー国防長官は年内の訪中を探っており、米中の軍当局者間の関係を強化する狙いがある。』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62737270X10C20A8MM8000/
『【ワシントン=鳳山太成】米商務省は17日、中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表した。米国技術が関わる半導体やソフトがファーウェイにわたるのを完全に遮断する。同社の経営への打撃は一段と広がり、米中対立が激しくなるのは必至だ。
商務省は5月、外国製の半導体でも、米国の製造装置や設計ソフトを使っていればファーウェイに輸出するのを禁じた。今回は禁輸対象の定義を拡大し、第三者を使って半導体を調達し続けることを不可能にする。声明で「ファーウェイが米国の規制を迂回する試みを阻止する」と強調した。
さらに事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」にファーウェイの関連会社38社を加えた。13日が期限となっていた禁輸の例外措置も打ち切ると明言した。同社製のスマートフォンや携帯電話の保守に関わる取引も今後は原則認めない。
トランプ政権は2019年5月に制裁を発動したが、ファーウェイは規制の「抜け穴」を使ってスマホや通信基地局の事業継続をめざしてきた。米国が締め付けを強めたことで中国が報復に出る可能性がある。貿易など米中が対立する他の分野にも影響が及びかねない。
■5Gスマホ開発に支障 迫られる内製化
米国による華為技術(ファーウェイ)への制裁のさらなる強化によって、同社は今後次世代通信規格「5G」対応などの高度なスマートフォンが計画通りにつくれなくなる可能性が出てきた。日本を含めた部品メーカーにも影響が及びそうだ。
米商務省が5月に発表した制裁には、米国製の製造装置を使ったり、ファーウェイが設計に関与したりする半導体の同社への輸出を禁じる内容が盛り込まれた。これにより、ファーウェイはスマホ半導体製造の多くを頼っていた台湾積体電路製造(TSMC)との取引が難しくなった。TSMCは米国の製造装置を使っているからだ。
ただ、この場合、第三者企業が設計し、TSMCが製造する半導体の使用は禁止できない。17日発表の追加制裁には、こうした「迂回」(商務省)を防ぎ、ファーウェイに米国の技術がからんだ半導体が供給されることを徹底的に封じる狙いがある。
商務省高官は17日の電話会見で具体的な企業名は挙げられないとしながらも、記者団に「韓国サムスン電子や台湾メディアテックなどが設計し、米国技術を使って製造された製品も規制対象となるか」との質問に「そうだ」と答えた。
ファーウェイにとって残された策は半導体の国内調達だ。同社は「中国版TSMC」とも呼ばれる中芯国際集成電路製造(SMIC)に半導体製造を委託し、スマホ向け半導体を確保しようとしている。だが、TSMCに比べ生産技術が2世代古いとされ、包囲網が強まれば、特に高性能のスマホで使う最新の半導体確保が厳しくなる。9月中旬に、制裁が実際に発動となれば、ファーウェイ製のスマホ生産への影響は必至だ。
ファーウェイは日本のサプライヤーとも幅広く取引がある。ソニーがカメラ用センサーを納めているほか、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)もメモリーを供給している。制裁がまだ発動していない現状では需要減は小幅にとどまっているが、国内のサプライヤーからは「制裁の悪影響はこれからが本番だ」(幹部)と不安視する声が広がっている。』
中国、インドとの係争地に兵士用建物 領土問題なお
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62690920V10C20A8EA3000/
豪、外資の買収規制を強化 中国念頭、事後適用も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62703150X10C20A8FFE000/
NZ、総選挙を延期 10月17日実施へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62699880X10C20A8EAF000/
中国ワクチン、国主導で台頭 外交利用の思惑も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62693800V10C20A8EA2000/



中国、尖閣周辺の休漁終了 船が爆竹鳴らし続々出港
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62697950W0A810C2000000/
中国船の尖閣大量接近を警戒 16日に漁解禁
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62692740V10C20A8EA3000/
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23413507.html
※ 机上空間さんのサイトからだ…。
※ 読んでおくべきと考えるので、全文を引用させていただきます…。
『中国共産党が施行する国家安全維持法によって、香港の自治に制限が加えられたの対して、アメリカは制裁処置として、先日施行された香港自治法案に基づいて、香港・中国で、香港自治の侵害にかかわった高官11名を制裁対象に指定しました。
この制裁は、直接本人に下される処置というのは、アメリカへの入国禁止や、アメリカに持つ資産の凍結といった内容で、いわゆる泥亀族といわれる、中国国内に利権を持つ中国高官には、何の効力も無いように見えます。
しかし、制裁というのは、相手が困ってこそ意味があるものです。そんな内容の無い制裁処置で済むはずもなく、同時に発効している「香港の自治を脅かす人物や企業と取引をする銀行にも制裁を課す」という条項が効いてきます。
具体的には、条文にひっかかる銀行へは、米ドルの供給を止めるという事です。これが、何を意味するかと言えば、その銀行は、国際送金業務を行えなくなり、事実上、世界の金融市場から締め出される事を意味します。
これは、米ドルが世界の基軸通貨であるからできる事です。実際にマネー・ロンダリングに加担した海外の銀行では、規模の大小に関わらず、この制裁処置をくらって廃業に追い込まれた銀行は存在します。まともな預金者保護の仕組みの無い国では、銀行の廃業と一緒に預金者の預金も消滅しています。とばっちりも良いところですが、中東の銀行を使用する場合、これは覚悟しないといけないリスクの一つです。
これが、中国高官とどう結びついてくるかと言えば、既に所持している口座の停止・口座作成の拒否という形で影響が出てきます。中国国内の銀行であっても、国際決済業務が行えなければ、ほぼ銀行としては死んだも同然ですので、強制力として働くのです。実際、香港で活動するHSBCや、国内大手の中国銀行などは、既に制裁にひっかかる顧客リストの洗い出しを始めています。
また、アメリカからの退去・入国禁止処置も、まったく効力が無いわけではありません。香港の行政長官である林鄭月娥氏の息子は、アメリカの大学で数学博士号を取得しており、今年卒業する予定でした。制裁の対象は家族にも及ぶので、このままだと卒業できずに終わる可能性があります。また、最近、香港・マカオ事務弁公室主任に任命された夏宝竜氏は、泥亀族と言われる国内利権しか持たない習近平氏の側近です。つまり、アメリカから制裁されても平気なように、人事に影響を与える程の効力はあるわけです。
アメリカのドルが基軸通貨である限り、金融制裁に対する抵抗力は皆無に等しいので、中国では仮想通貨の世界でデジタル元で覇権をとろうと、全力で注力しています。中国で仮想通貨が盛んだったのは、殆どが錬金術的な価値の暴騰に魅せられた民間人が市場に参加したからですが、その基幹技術であるブロック・チェーンと、それを稼働させるインフラについての研究は、しっかり国費を投じて行っています。
かつて、ベネズエラの故・チャベス大統領が、原油の決済を巡って米ドルの覇権にたてついたように、立場を利用して時に横暴な米ドル支配に批判的な勢力も、発展途上国を中心に多いのです。』

※ 上記は、Edraw Maxというソフトで、テンプレを利用して作成したものだ。3つの価値が三方から、せめぎ合っている…、という感じを出したかったんだが、そういう感じが出ているだろうか…。
※ 思考を図形化する作画ソフトは、いろいろあって、Edraw Maxはその一つだ…。10日間は、無料のお試し期間なんで、有料版を購入するかどうかは、その後で考えよう…。
※ 肝心なのは、思考、分析、考察を深めることで、「見栄えの良い図形」を作画することでは無い…。
※ 何のために図を描くのかと言うと、「イメージや発想・着想が、雲の如く湧いてくる」ということの助けにするためだ…。
※ そういう目的のためには、かえって「ラフなスケッチ」の方が、妙に「発想を刺激する」ことが、よくある…。

※ こういうものは、あまり整ってはいないが、囲んでいる線(黒の色鉛筆によるものだ…)や、ケチって印刷済みの紙の再利用による裏写りすら、妙に「発想を刺激して来る」…。
※ ただ、プレゼンなんかで、どうしても「整ったもの」が必要だというケースもあろうから、紹介しておく…。
AI開発でも世界に亀裂 異なる道を行く中国
編集委員 太田泰彦
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62380610W0A800C2I00000/



『人工知能(AI)にも「お国柄」がある。判断の基準をマシンに教える側の人間社会に考え方の違いがあるからだ。同じ問題を解くのでも、開発した国や組織が異なれば別々の答えを導き出すことがある。
6月末、米政府の独立機関であるAI国家安全保障委員会が「コロナ危機対応とAI技術の役割」と題する白書を公表した。全米の病院や企業が臨床データを共有し、AIでワクチン開発を急ぐ案など10項目の提言からなる。
同委員会によるAIと新型コロナウイルス対策に関する白書は、5月以来、実に3冊目だ。プライバシーやソフト開発者の責任など根本的な倫理問題の見解について、議会と国民に明確に示す必要があるからだ。政府の予算を使う以上、いくら切羽詰まった状況でも民主主義の手続きは省けない。
中国ではAI導入のスピードが速かった。人の流れを監視するための個人の識別や感染経路の予測など、現場で活用が進んでいるのは事実だろう。
人口100万人あたりの感染者数(8月15日時点)を比べると、米国とブラジルが1万5千人を超えている。数字に信頼性の問題はあるが、ウイルス発生地とされる中国は62人にとどまる。個人情報の保護より監視データの収集を優先する社会の方が、感染対策で有利であるのは明らかだ。
コロナは国ごとの価値観の差異を浮き彫りにした。「機械ではなく人間が中心のAI社会を、どの国が築けるか」。社会と技術の関わりを研究する青山学院女子短期大の河島茂生准教授は、世界史の分岐点が来たとみる。
違いは研究開発の姿勢にも如実に表れている。「XAI」と呼ばれる研究分野が象徴的だ。
「X」は「説明できる(Explainable)」の意味。人間の言葉や画像を使って推論の筋道を分かりやすく説明できる能力を備えた次世代型のAIだ。この分野では米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が世界の最先端を行く。
機密が多いはずの軍事部門が透明性を高めようとするのは、自律的なロボット兵器や作戦行動の自動立案が、既に米国で実用化されているからだ。機械が人命に関わる判断を下すなら、その判断の理由を説明する責任が軍にはある。「AIが決めたから」では済まされないのだ。
機械学習の原理をみると、AIの「思考」の中身がブラックボックスであるという問題が浮かび上がってくる。
たとえば画像に映る動物が、猫なのか犬なのか判断するAIをつくるとしよう。それには人間が教師となり、1枚ごとにAIに正誤を教えていく。最初はハズレが多くても、教育を数千万回と繰り返せば、アタリの率は限りなく高まる。
だが、耳が三角だから猫と判断したのか、ヒゲが短いから犬なのか。理由は外部からは一切わからない。結果が正しいというだけである。機械学習とは、原理的に不透明な技術なのだ。
異なる社会では、異なるAIが育つ。膨大なデータによって、中国製のAIは今後さらに賢くなっていくだろう。人間にたとえればIQ(知能指数)だけが高くなるようなものだ。
中国では医療分野でのAI活用が進んでいる(写真は広東省・深圳の碼隆科技=マーロン・テクノロジーズ=の脳疾患診断システム
特許庁の7月末の調査によると、中国のAI特許の出願数は2017年に6858件に上り、それまで圧倒的な首位だった米国(5954件)を追い抜いた。毎年2倍のペースで増え続け、中国はAI大国の地位を着実に築きつつある。
中国での出願のほとんどは実用的な機械学習の特許だ。ブラックボックス化を防ぐ「XAI」の研究はみあたらない。思考の中身が分からない機械が医療や自動運転、裁判、組織人事などで、世界に先駆けて実用化されていくかもしれない。倫理と切り離して猛進する中国技術には、危うさがないだろうか。
欧州連合(EU)の欧州委員会は昨年4月、非差別、説明責任など7項目の「AI倫理指針」をまとめた。日米ではグーグル、ソニー、富士通などの企業が、競うように自主倫理規範を導入している。ユーザーに信用されなければAIビジネスが成り立たないからだ。
中国でも昨年6月、国家次世代AIガバナンス専門委員会が、8つのAI原則を公表した。プライバシー尊重も項目の一つだが、果たしてどれほどの効力があるだろう。
美しい言葉を並べて倫理規範をつくっても、形だけに終わる恐れがある。極言すれば、人間の尊厳を軽んじる社会からは人間を大切にするAIは生まれない。』


『米中対立が激化する中、台湾への米国官僚の公式訪問を巡り、中国に動揺が走っているようです。トランプ大統領が習近平主席に対して「台湾との友好というカード」を切ってきた理由と意図はどこにあるのでしょうか。元国連紛争調停官で国際交渉人の島田久仁彦さんは今回、自身のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』でその背景を解説するとともに、トランプ大統領が台湾の蔡英文総統に送ったとされる「親書」の内容を紹介。さらに米中間の緊張は「破裂寸前の状況にまで高まっている」と分析しています。』
『もう後戻りはできない。激化する米中対立
これまで3週間にわたってお話ししているように、米中対立の激化が止まらず、すでに引き返せない一線(Point of No Return)を越えてしまったような雰囲気さえ漂います。
対立を煽っているのはトランプ大統領のアメリカなのか?それとも、習近平国家主席が率いる中国なのか?
その答えは見方によって変わってきますが、確実に言えることは【双方とももう退くに退けないところまで来てしまった】ということでしょう。
一部メディアの報道を見ていると「もしバイデン氏が次の大統領に選ばれたら…」という希望的な観測の論調もありますが、すでに米国内では超党派で対中強硬姿勢を強めていますし、ビジネスも国民も、“中国離れ”を加速させていますので、次の大統領が誰であろうと、アメリカが中国批判と追及の手を弱めることはなさそうです。そのことは、すでに北京の政府、特に中国共産党内でもシェアされているようで、「アメリカに対して甘い顔をすべきではない」とか「これ以上、中国やアジアを欧米の好きなようにはさせない」との論調にも押され、中国側も対米強硬策の手を緩めることが出来なくなってきています。
3年以上続いている米中貿易戦争に加え、南シナ海での威嚇行為を巡る対峙などは、Business as Usualと言えますが、コロナウイルスのパンデミックを機に、アメリカの中国批判は「経済・安全保障問題」から「中国共産党を悪とみなすイデオロギー戦争」に発展しました。それに応酬するかのように、中国も強硬策がより強化されていくという悪循環に陥っています。
トランプが選ぶ「戦場」は香港、そして台湾
その米中対立が国際情勢に大きな影響を与える火種になりそうなのが、香港における香港国家安全維持法施行による【香港の中国化への動きに伴う一国二制度の終わり】と【国家安全維持法による外国人および民主派の取り締まり】と、【台湾を巡る攻防】、そして【南シナ海で中国が主張する領有権を巡る周辺国を巻き込んだ戦い】です。
南シナ海を巡る対峙は、これまでこのコーナーでも触れてきましたが、アメリカ政府の対中強硬策に込めた“覚悟”を見せるという意味で、中国が建設した人工島と軍事施設に対する攻撃が行われ、それに中国も、国内対策とともに、One Asia構想の進展のために反撃を行う可能性が高いかと考えますが、今後の対立の“真の核”になりそうなのが【台湾を巡る米中の攻防】です。
台湾は、中国共産党と北京政府にとっては、習近平国家主席の言葉を借りると【核心的関心であり、中国の不可分の国家の一部】との認識で、1979年に米中国交正常化とアメリカによる台湾との国交断絶以降、アメリカの歴代政権も米中接近のシンボルとして、台湾との公的な人的交流を避けてきました。
しかし、トランプ政権になり、その“対中忖度”は消え去り、アメリカは対中強硬策の有効なカードとして【台湾との友好というカード】を切るようになりました。2018年9月には台湾旅行法を制定し米台間の公的交流を推進する動きを見せ、ついに今週、その法を適用してアザー米厚生長官が台湾を公式訪問しました。北京政府の外交筋曰く、これは【アメリカ・トランプ政権による対中宣戦布告に近い】と表現されるほどのショック(Body Blow)だったようで、「アザー長官の台湾公式訪問は中国に対する著しい侮辱」とコメントするなど動揺しているようです。
アメリカ政府としては、表向きは「コロナ対策で非常に功を奏した台湾政府の封じ込めについて学び、米台間で協力を深めたい」との理由が掲げられていますが、それは暗に中国の情報隠蔽を暗に糾弾し、また5月に米中対立のネタにもなったWHO総会への台湾の参加の後押しとそのための戦略策定という目的もあったようです。』
『トランプが蔡英文総統に送った「親書」の本気度
そして表には出てきませんが、習近平国家主席が自らの政権任期内で成し遂げたいゴールNo.1である“台湾併合”を中国政府が実行しようとした場合、具体的にアメリカとアメリカ軍がどのような行動を取るのかという内容にまで議論は及んでいるようです。
アメリカ政府側の首席代表はアザー長官でしたが、この訪問にはホワイトハウス、ペンダゴン、国務省などからも幹部が帯同しており、情報によると、アザー長官はトランプ大統領からの“親書”(外交関係がないので、呼称については要チェック)を蔡総統に手渡し、有事の際のアメリカのフルコミットメントについて言及したのではないかと推察できます。
この【台湾トリガー】をトランプ大統領とアメリカ政府に弾かせたのは、国際世論(注:欧米の見解)を無視して進められる香港国家安全法に基づく中国政府による民主派勢力に対する弾圧です。
先週にはアップルデイリーのジミー・ライ氏が逮捕・拘束され、その後、Next Digital本社への強制捜査の実施を行うことで、香港社会が欧化してきた報道・言論の自由を踏みにじり、最近では“民主化・学民の女神”と呼ばれ民主化運動の中心的人物であった周庭(アグネス・チョウ)女史を拘束して、再度盛り上がる民主化運動に対して冷や水を浴びせる動きを取りました。ある情報筋の言葉を借りれば「民主化運動と民主派に対する強力なパンチ」を見舞ったと言えます。
これに対してトランプ政権は、キャリー・ラム香港政府行政長官をはじめとする11名を制裁対象にし、それに応酬する形で中国はMarco Rubio・Ted Cruise両上院議員を含む11名を制裁対象にするという【11人制裁の応酬】を行いましたが、トランプ政権にとっての“主戦場”は、香港ではなく、カードを切ることで台湾に設定されたと言えます。
時を同じくして、中国全人代は公式に「香港立法会選挙の1年延期」を決議しましたが、大方の予想に反して民主派議員の排除は行わず、議員全員の任期を1年延長するというsurpriseを行いました。これは実際には、台湾問題カードを突き付けてきたトランプ政権の動きを受け、「これ以上、アメリカを刺激すると確信的利益と位置付ける台湾問題の“解決”(注:中国にとっての)を困難にし、台湾を舞台にアメリカとの正面衝突に繋がりかねない」との懸念から、「アメリカに対して弱腰の態度はとれないが、あまり今は刺激したくない」との習近平国家主席の“苦悩”が見て取れますが、米中間にすでに生じている様々な緊張を緩和する効果があるかどうかは不明です。
香港や台湾という中国にとっての核心的関心事項での直接的な衝突を避けたいとの思惑からか、それともピュアな覇権的、そして地政学的な関心からか、中国は“欧米諸国から制裁措置を受ける国々”を次々と取り込み、世界全体を舞台にして、何とか米欧と力のバランスを取りに行こうという動きが見えます。
アメリカの裏庭でナイフを突きつける中国
先日、スピード合意したカンボジアと中国のFTAもそうですが、中国はラオス、ミャンマー、パキスタンに経済的な支援をテコに取り込みを始めていますし、アメリカが“敵対する”イランとは現在、中国からのインフラ支援の見返りとして25年にわたりイランから原油の供給を受けるという合意を行おうとしています。
加えて、ベネズエラのMaduro政権を全面的に擁護してアメリカの裏庭である中米地域でアメリカの喉元にナイフを突きつけようとしています。
結果、6月末の国連人権理事会で行われた香港国家安全維持法の是非についての議論では、53か国の途上国が中国支持を行い、先進国27か国の中国批判を大きく上回るという成果まで取り付けました。
世界銀行の調査では、すでに一帯一路政策やコロナ支援と題した支援は68か国に提供されており、国際社会での中国の影響力拡大の規模と戦略が透けて見えます。
米欧が制裁を盾に言うことを聞かせようとする中、困っている対象国を背後から経済的にフルサポートするという巧みな戦術で支持を拡大しています(とはいえ、年率3.5%ともいわれる高利子での貸し付けが多く、債務の罠との噂もありますが)。
確実に米中を軸とした2ブロック化が進められていることが、ここからも分かります。』
『自業自得か。習近平政権が払わされる「大きなツケ」
この2ブロック化は、コロナ禍にあえぐ新興国・途上国の経済を蝕む結果になってきています。以前、このコーナーでもお話ししたように、多くの新興国がデフォルトの危機と言われるほど、COVID-19は途上国経済に壊滅的な影響を与えつつありましたが、アメリカFRBによる措置が功を奏して、世界のドル不足を緩和したことで新興国経済は力強く回復したように見えます。
ここで皮肉なのが、その恩恵を最も受けたのが、そのアメリカと戦う中国の経済です。世界銀行やIMFの最新の分析によると、恐らく今年中には中国のGDPはBefore Coronaのレベルにまで回復する見込みとのこと。もちろん米中開戦など、大きな事態が起こらなければという条件付きではありますが。
ただこの中国経済の“復活”は、東南アジア諸国の経済回復を力強く後押ししている模様です。
しかし、実際には新興国・途上国経済の完全な回復は今後も見込めないと考えます。
理由としては、日本も例外ではないのですが、COVID-19の感染拡大が止まっていない、もしくは再拡大が進行していることで、経済活動と移動の自由の本格的な再開が見込めないことがあります。
また、今回のパンデミックは先進国・途上国の別なく、世界的に大打撃を与えており、今後、長い期間にわたってと上位国に対する海外投資が回復してこないだろうとの見解が強くなってきています。
戦争か?平和か?岐路に立つ世界
さらに、コロナ禍で若者の教育が世界的に中断されており、特に途上国では、家庭の生計を立てるために若者がpart-timeで働くことを余儀なくされ、それがコロナによるDrop out、そして教育の中断の恒常化を招くのではないかとの懸念が、UNESCO(国連教育科学文化機関)の最新のレポートで述べられています。その結果、労働生産性が低下することになり、途上国経済は一般的に将来にわたって稼げる能力を失うことを意味すると言えます。
そこに加えて激化する米中対立が生む世界の2ブロック化は、国際協調の鈍化に繋がり、これまで数十年間続いてきた経済成長モデルの構造を根本から変える可能性を帯び、サプライチェーンが変質することで、途上国にとっての“成長パターン”が無くなる可能性も生まれます。
先進国も例外なく、今回の新型コロナウイルスのパンデミックの打撃を被っており、自国経済の再建に必死であるため、途上国の救済にまで手が回らず、中長期的な危機を誘発する可能性もあるでしょう。
そのような中、米中が互いに自らのブロックに各国を迎え入れるために様々な手を講じようとしていますが、中国にとって、この覇権争いでアメリカや欧州と対抗するには、一帯一路政策の下、膨れ上がらせた支援国の重度の債務超過にどのように対応できるかが問われているようです。
債務放棄要請に応じるのか、それとも減額や支払い期限延長などの限定的な対応に留まるのか。経済で支配を広げてきたそのツケに今、中国政府は直面しています。
欧米諸国も同じく自国内・地域内の復興が先決であるため、中国の苦悩の隙を突けずにいます。
その突破口となり、世界の力の趨勢を決めるのはどのような出来事でしょうか?
南シナ海での米中の武力衝突、尖閣諸島周辺で日本や台湾も交えた衝突、米イラン(そしてイスラエル)の中東での紛争勃発、ロシアやトルコが仕掛ける国際社会への“挑戦”、そして、朝鮮半島における開戦…という戦争を介したネガティブなトリガーなのか、「新型コロナウイルスに対する有効なワクチンの開発と普及の拡大」というポジティブなトリガーを米中どちらの勢力が弾くことになるのかという戦いなのか。
残念ながら私には分かりませんが、世界は確実に米中を軸に動き、そして両国間の緊張は、まるで破裂する直前の風船のように、高まっていると言えます。
皆さんはどう思われますか?』
https://www.excite.co.jp/news/article/EpochTimes_60872/



『米Washington Examinerは8月11日の記事で、マーク・エスパー米国防長官は同日、ディエゴガルシア島にB-2爆撃機を3機配備し、それは中国当局への明確なメッセージだと述べた。
ディエゴガルシア島(Diego Garcia)はインドの南1000マイル(1609km)のインド洋に位置し、元はイギリスの軍事基地だった。この基地は主に米軍の後方支援や攻撃の拠点として機能している。2003年、B-2爆撃機専用のシェルターとして改修された。
ニュースサイト、Washington Examinerに掲載された政治ジャーナリスト、トム・ローガン(Tom Rogan)氏の分析によると、「米軍は同島に駐留することで、B-2爆撃機の南シナ海への飛行時間が短縮されるというメリットがある」という。
仮にB-2がミズーリ州のホワイトマン空軍基地から出発した場合、最速でも南シナ海に到達するには12時間かかる。しかし、同島からだと飛行時間はわずか5時間である。
トランプ政権が南シナ海をめぐる中国の所有権主張を拒否していることを受けて、両国の緊張が高まっている。同氏は空軍の公式発表とB-2の作戦上の性格から、今回の配備は中国を対象としていることは明らかだと分析した。
さらに、「中国の地上指揮統制センターを攻撃する用意ができていることを中国に示した。戦略レベルでは『核の三本柱』(地上、潜水艦、爆撃機)を展開する準備も整っているとのメッセージを送った」という。
同氏は、「今回の配備は北京への警告であり、戦争が差し迫っていることを示すものではない」と分析した。
B-2の戦時任務は、幾重にも重なる防空網と敵の要塞の奥深くに侵入するように設計されており、人工的に作られた南シナ海の島々にある中国の指揮統制網を破壊することが可能だ。一方、米海軍の空母打撃群に対する中国の弾道ミサイルの脅威に直面して、「B-2はさらに重要性を増している」と同氏は指摘する。
また、中国はこれらのB-2を中国本土の軍事司令部に対する脅威と見なしている。香港のすぐ隣の広州市に中国軍南部戦区司令部がある。中国が本土への攻撃を非常に敏感にとらえ、米国本土に対する相互行動を正当化するものと考え、「ここでの国防総省のメッセージは明らかに中国政府を揺さぶることを意図している」と同氏はみている。
今年の夏、米軍は記録的な数の軍用機を送り込み、南シナ海とその周辺地域で複数回の軍事演習を行った。
中国共産党のシンクタンク、「南海戦略態勢感知計画(SCSPI)」の記録によると、「米軍は1日に3~5機の偵察機を南シナ海に派遣し、7月の最初の3週間だけでも50回以上だ」という。
一方、香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は11日、中国は南シナ海で米軍と対立した際、「最初の一発を発射しない」と軍に命じたと報道した。
(大紀元日本ウェブ編集部)