カテゴリー: 中国の戦略
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習近平、「台湾統一」は2035年まで待つ
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20211203-00270958
『中国の台湾武力攻撃が近づいていると思う人が多いが、習近平は実は2035年まで動かない。それまでに福州と台北を高速鉄道でつなぐ計画を進めている。中国では≪2035年に(高速鉄道で)台湾に行こう≫という歌が大流行だ。
◆2035年までに「福州―台北」高速鉄道を含めた公路を完成
2021年2月、中共中央と国務院は「国家総合立体交通網計画綱要」(以下「綱要」)を発布した。「綱要」では、2021年から2035年までの国家総合立体交通網の布陣が書いてある。それによれば、2035年までに「(福建省)福州市から台北市」をつなぐ高速鉄道を含めた公路が完成することになっている。
2020年12月30日、中国政府の通信社である新華社の電子版「新華網」は、福建省で建設中の鉄道・公道併用の平潭(へいたん)海峡公鉄大橋が正式に開通したと報道した。これは中国初の公共鉄道による海を渡る橋となる。この建設工事は2013年10月30日から始まっており、上層は時速100キロの高速道路6車線、下層は時速200キロの高速鉄道で福平鉄道(福州‐平潭県)の重要プロジェクトとなっている。
平潭は台湾と中国大陸との間では、台湾に最も近い海壇島を含む島嶼から成る県で、もともと橋梁を建築する計画があった。習近平はそれを含めて「綱要」を作成し、台湾統一の足掛かりとする戦略を動かしている。
大陸と台湾を結ぶ計画は、北ルート、中ルート、南ルートなどがあるが、今般の「福州-台北」ルートは北ルートに分類される。南ルートは、長年議論されてきた「金門-厦門(アモイ)跨線橋」を含む「厦門-金門」、「金門-澎湖-嘉義」のルートを指す。
これらのルート開通によって何をするかのヒントの一つとして、南ルートの場合を説明すると、金門と福建省には「新4通」(水、天然ガス、電気、橋)という課題がある。インフラ整備は生活と交易に直接関係しており、たとえば孤立した小さな離島などは「真水」を必要としているため、金門と福建はすでに「水」ではつながっている。天然ガスに関しては金門の酒造工場蒸留所の発電に重要な役割を果たすことなどから一定の交易関係があり、両地の住民が船に乗って相手側の商品を買いに行くなど庶民レベルの交流もある。
しかし電気や橋梁の建設となると、台湾政府が承諾しなければ成立するものではない。それでも「綱要」は「台湾通道(台湾海峡回廊)」を「やれる限りのギリギリのところまで」着々と進めていくつもりだ。今年11月24日になると、大陸側の国務院台湾弁公室の朱鳳蓮報道官は、定例記者会見で記者の質問に答える形で「綱要」の進捗状況に関して発表した。
それによれば、「台湾通道」プロジェクトに関してさらなる進展があり、平潭海峡における公道鉄道両用大橋の平潭区間は、公道鉄道ともに既に完全に開通したとのこと。また、福建省の関係部門は(台湾の)金門・馬祖との橋梁の初歩的技術計画を完成させており、「綱要」の「福州-台北間の支線建設」は既に計画段階を終えたようだ。
これは何を意味しているかというと、2035年にはおそらく確実に中国のGDPがアメリカを抜いているので、その時なら「統一」を図ってもアメリカは抵抗できまいという、習近平の長期的戦略を示している。
経済的にアメリカを凌駕していれば国防費もその分だけ多く注ぐことができ、少なくとも東アジア領域では中国の軍事力もまたアメリカを凌駕していることになると構えているのだ。
習近平はその日まで待つつもりでいることを、この「綱要」は語っている。
◆台湾企業への締め付け
この「綱要」を完遂するには台湾側の同意が必要だが、そのための準備も着々と進めている。もともと台湾の交易の多くは中国大陸が相手だが、さらに最近では台湾独立を叫ぶ政治家への政治献金などをした企業に関しては罰則を科し、大陸寄りの台湾企業や個人は支援するという戦略で動いている。香港で結局のところ国家安全維持法を通して民主党派を追い出したのと同じように、じわじわと真綿で絞めるようなやり方を実行しているわけだ。
たとえば11月24日、国務院台湾弁公室は記者会見で、中国大陸に複数の拠点を持つ台湾企業「遠東集団」に対し、上海市、江蘇省、江西省、湖北省、四川省などの関係部門が、4.74億元(約85億円)の罰金と追徴金を科したと報じた。遠東集団が台湾の一部の与党議員(たとえば蘇貞昌行政院長=首相)に対して過去に政治献金をしていたことを「独立分子を支援した」とみなしたからだ。
それに対して遠東集団の徐旭東会長は11月29日、台湾メディアの「聯合報」に対し「台湾の独立に反対し、“一つの中国”原則を支持する」との声明を送付している。中国はこのような形で「台湾独立勢力」への制裁を行い、中国寄りの台湾企業を増やそうとしている。
◆≪2035台湾へ行こう≫という歌が大流行
こういった流れを作るのに、歌を利用するのは中国の常套手段だ。
「綱要」が発布されたのは今年の2月だが、9月18日には≪2035去台湾(2035年には台湾へ行こう)≫という歌が出てきて、いま中国で大流行している(作詞作曲は孟煦東)。歌詞の冒頭は以下のようなものだ(翻訳は筆者)。
あの高速鉄道に乗って台湾に行こう
あの2035年の年に
あのおばあちゃんの澎湖湾を見に行こう
あの二組半の足跡がきっとあるよ
この歌詞には説明が必要で、二組半の足跡は、「自分とおばあちゃんと、おばあちゃんがついていた杖」の「5つの足跡」のことを指す。
実は1979年に台湾で流行った≪おばあちゃんの澎湖湾≫という歌が大陸でも大流行したことがある。いわゆる1980以降に生まれた「80后(バーリンホウ)」たちが小さい頃に盛んに聞いた曲だ。今は30を過ぎた青年たちが、深い郷愁を以て聞くことができるように、今般の≪2035台湾に行こう≫の歌詞が創られている。
台湾で生まれた若者にとっては「おじいちゃん」や「おばあちゃん」は1949年に解放戦争で共産党軍に敗れて台湾に逃げてきた国民党軍の兵士とその家族が多い。大陸は、おじいちゃんやおばあちゃんにとって故郷で、「中国は一つ」ということを表したいために出てきた歌だった。当時の中国共産党は台湾の親中派としっかり連携していたので、1979年1月の米中国交正常化の一環として作曲されたものだ。
この≪2035台湾へ行こう≫という歌は、今年11月に入るとウェイボー(微博)やTikTokに掲載されて一気に広がっていった。
果たして当局の依頼を受けてプロパガンダのために作詞作曲されたのか、それとも2月に発布された「綱要」を見て、「これはいける」と判断した作者(孟煦東)がビジネスチャンスと捉えて作詞作曲したのかは定かでないが、少なくとも孟煦東は、「綱要」に刺激されたと語っている。
◆習近平にはいま台湾武力攻撃の意思はない
今年7月10日のコラム<「バイデン・習近平」会談への準備か?――台湾問題で軟化するアメリカ>にも書いたように、6月17日、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は米議会下院軍事委員会の公聴会で「近い将来に台湾武力侵攻が起きる可能性は低い」と述べた。これは今年3月9日にアメリカのインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官が米議会公聴会で、「中国(大陸)は6年以内に台湾を武力攻撃する」と指摘していたことを否定した発言である。
しかし日本の一部のチャイナ・ウォッチャーが、デービッドソンの「6年以内台湾武力攻撃説」に飛びついたまま情報刷新を行っておらず、未だに「2027年には中国大陸は台湾を武力攻撃するだろう」と主張したりするものだから、日本の政界の一部も多少の影響を受けて一回り遅れの言動をしている。
中国(大陸)は今、台湾の独立派に対する威嚇をするために軍事演習を活発化させているだけで、武力攻撃をする気などない。なぜなら、戦争になどなったら、逆に中国国内における社会不安を招き、一党支配体制が危うくなるからだ。また国際社会からも強烈な非難を受けるのを知っているので、そういう選択はしない。
もっとも、台湾政府が独立を宣言した場合は別だ。国際関係など考慮しておられず、2005年に制定した「反国家分裂法」が火を噴くだろう。
しかし台湾も、政府として独立を宣言することは避けており、バイデン政権も「台湾の独立は支持しない」と中国側との対話で明言しているので、結局は習近平の思惑通り「2035」まで待つことになるだろう。2035年には「満を持して」という戦略が実現しているにちがいない。
日本が警戒すべきはむしろこの長期戦略なのに、そのようなことに全く気付かない岸田内閣は、習近平がこの上なく喜ぶ方向にしか動いていない。
そこには日本のメディアや中国研究者の責任もある。日本の読者や視聴者に迎合して真相を見ることを避け怠慢しているからだ。
岸田内閣の対中姿勢に関しては別途論じたい。』
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中国首相「預金準備率、適時引き下げ」 景気減速に対応
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM040LD0U1A201C2000000/
『【北京=川手伊織】中国の李克強(リー・クォーチャン)首相は3日、中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率について「適時引き下げる」と述べた。コスト高や景気減速で収益の悪化が続く中小零細企業の資金繰りを支援する狙いがある。
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事とのオンライン協議で明らかにした。中国経済は「複雑な環境と新たな下押し圧力に直面している」と言及した。緩和的な金融政策を継続し「資金調達コストを安定的に引き下げていく」と強調した。
中国は7月に預金準備率を0.5%下げた。準備率を下げると市中銀行が人民銀行に預けるお金が減り、貸し出しなどに回すお金が増える。人民銀行によると、7月の引き下げで計1兆元(約18兆円)の長期資金が市場に放出された。』
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米国務長官「台湾侵攻は悲惨な決断」 中国に警告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040580U1A201C2000000/
『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は3日、中国が台湾を侵攻するシナリオについて「それは潜在的に悲惨な決断だ」と語った。中国が武力による中台統一を目指さないよう警告する発言だ。
ブリンケン氏がロイター通信のイベントにオンラインで参加した。台湾をめぐり「中国が数年間にわたり現状を変えようとしてきた」と指摘。「多くの人々や中国をはじめとする誰の利益にもならない恐ろしい結末につながる危機を起こさないように中国の指導者にはとても慎重に考えてほしい」と述べた。
バイデン米政権は2022年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を検討している。ブリンケン氏は各国と五輪への対応について話しているとしつつ「各国が近く判断を下すと思う」と語り、結論を各国に委ねる考えを示唆した。
11月末に再開したイラン核合意の再建交渉をめぐり「イランは現時点で(合意の)再履行に向けて必要な行動を真剣に考えていないようだ」と批判した。イランは米国に対して経済制裁の全面解除を求めるが、米国は一部を残す考えで溝が深い。
ブリンケン氏は「再履行の道が行き詰まれば別のオプションを考えると我々は主張してきた」と語り、交渉が決裂した場合にも備える考えを改めて強調した。』
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中国、大都市も不動産値下げ制限 地方財政悪化に危機感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM303DP0Q1A131C2000000/

『【北京=川手伊織】中国で住宅価格の下落が広がり、大都市でも不動産市場の救済に乗り出す動きが出てきた。新築物件の値下げ幅を制限したり、不動産融資の規制を緩めたりする。マンションなどの価格が下がると、地方政府に入る用地の売却収入が減りかねないためだ。人口流出などで景気回復が遅れ気味の中小都市だけでなく、大都市も警戒感を強めている。
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「不動産会社と(投機を除く)住宅購入者の相応の資金需要は(満たされるよう)保障する」。四川省の省都、成都市は11月23日、不動産金融の規制緩和を発表した。開発資金の融資や住宅ローンの上限を緩め、速やかに融資を実行する。重点企業には融資期間の延長や金利負担の軽減も認める。
中央政府が直轄する天津市は11月、不動産会社を集めた会議で、値下げ幅を制限するよう指示した。同市政府の関係者によると、新築物件を当局に事前に届け出た価格より15%超値引きすることを禁じる。大規模なセールを行う際も担当部局への報告を義務付けた。
中国メディアによると、江蘇省の省都、南京市も値引き販売をした開発業者に市場をかき乱す行為をやめるよう命じた。今年夏以降、すでに20以上の都市が値下げ制限に踏み切った。値下げ制限はこれまで、大都市に比べて経済成長の速度が鈍く、マンションの在庫が高止まりしやすい中小都市が軸だった。
政府の住宅ローン規制などをうけ、住宅価格が下落する都市はこの夏、一気に増えた。中国国家統計局がまとめた主要70都市の新築マンション価格をみると、5月に前月より下がったのは5地域だけだったが、10月には52地域と10倍以上になった。2015年2月以来の多さだ。
都市の規模別でみると、中小都市で先行して価格が下がり始め、大都市にも波及しつつある傾向がわかる。成都市、天津市、南京市は省都レベルの2級都市のなかでも規模が大きい「新1級都市」と呼ばれる。新1級都市の平均価格は10月、前月比0.1%の下落に転じた。北京市、上海市、広東省広州市、同省深圳市の1級都市は9月に上昇が止まった。このうち広州市と深圳市はすでに値下がりしている。
マンションの値下がりは、住宅ローンの審査厳格化で購入需要が落ち込んだことだけが理由ではない。政府の規制強化で不動産会社の資金繰りが悪化したことも影を落とす。開発する会社のほか、各社から代金でなく、不動産の現物を受け取った施工業者が現金化を急ぎ、値引き販売に拍車をかけた。
中国の土地は国有制で、地方政府が土地の使用権を不動産開発業者に売り渡し、業者がマンションや商業施設を建てて販売する。売却収入は地方政府の重要財源の1つだ。マンションが値下がりすれば「仕入れ」にあたる土地の価格にも響く。
底堅い需要を見込める優良な土地を売り出す動きもある。北京市は11、12月の競売で市中心の天安門から車で20分ほどの土地を売り出す。浙江省杭州市も中心市街地の区画を増やしたという。
政府は不動産バブルが金融リスクを高めていると警戒してきた。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んで経済の正常化を進めつつ、不動産規制を強めた。だが、中国恒大集団など不動産大手の経営が揺らぐと、金融監督当局の中国人民銀行(中央銀行)などは方針を微修正した。不動産融資の過度な絞り込みの是正を銀行に求めた。
人民銀は11月、10月末時点の住宅ローン残高が1カ月で3481億元(約6兆2000億円)増えたと発表した。増加幅は9月より1000億元ほど多い。四半期ごとに公表してきた住宅ローン残高を単月で示すのは異例だ。不動産規制の微修正を強調する狙いだとみられる。
それでも、1月に始めた住宅ローンなど不動産融資の総量規制は維持している。すでに融資が規制の上限に達し、新規の貸し出しを見送る銀行も目立つ。』
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習指導部、情報統制を優先 中国・滴滴が米上場廃止へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0363G0T01C21A2000000/

『【北京=多部田俊輔】中国の配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)は3日、米国上場を廃止すると発表した。来年の共産党大会を控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は国家安全上の理由から同社に圧力をかけており、6月末の上場から異例の短期間での廃止となる。海外資金調達をテコにした技術革新よりも、国内の統制強化を優先する習指導部の姿勢が一段と鮮明になってきた。
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・滴滴出行、米上場廃止へ手続き 香港上場を準備 ・米SECが新規則、「検査拒否」中国勢は24年上場廃止も
滴滴は3日、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」の公式アカウントで「慎重な検討の結果、ニューヨーク証券取引所(NYSE)からの上場廃止手続きの開始と、香港での上場に向けた準備に入った」と発表した。滴滴は6月末にNYSEに上場したが、米国への情報流出の懸念を持つ中国当局が国家安全上の理由で同社を調査し、アプリの新規ダウンロードの停止を命令した。
「上場先を米国から香港に切り替えることで、米当局からの要求に基づく中国国内からの情報流出の恐れはほぼなくなる」。中国の地方政府幹部は指摘する。中国の経済情勢や個人情報にかかわるデータの流出懸念が念頭にある。
中国企業の米国上場が難しくなったとしてもマネーの流れが完全に途絶えるとの見方は少ない。「外国の投資家の資金回収を円滑にサポートするためには、香港上場への変更が落としどころだった」。北京の金融関係者は打ち明ける。パソコン大手のレノボ・グループや騰訊控股(テンセント)なども香港に上場し、海外投資家の資金を受け入れている実績がある。
習指導部が重視するのは国家や企業の競争力を左右するデータの統制だ。2017年に施行したインターネット安全法に続き、今年9月にはデータ安全法、11月には個人情報保護法を相次ぎ施行。3本の法律で中国国内の重要データの海外流出を防ぐ体制を固めた。
中国はもともと「ネットの長城」と呼ばれるネット監視システムを構築。10年までにグーグルやフェイスブックなどの米国企業の多くを排除し、アリババやテンセントなど中国の民間企業を育成してきた。新型コロナウイルス対策で監視カメラ最大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)なども業容を拡大している。
習指導部は、米中で分断された自国のネット空間で中国企業を伸ばすことに自信を持つ。政府系機関によると、中国のデジタル経済の規模を25年に1000兆円規模まで引き上げる計画だ。20年比で5割以上の成長を見込んでおり、その大部分は中国企業が担う構想を描く。
習氏は指導部メンバーを刷新する5年に1度の党大会を来年に控え、異例の3期目に向けて足場固めを急ぐ。鄧小平時代の先に豊かになれるものを富ませる「先富論」から、格差縮小に向けて分配を重視する「共同富裕(共に豊かになる)」に路線転換した。
共同富裕は、巨額の収益を上げるネット大手に対して利益を還元させる圧力となる。これまでに多くのネット企業や経営者が貧困支援や「脱炭素」などの取り組みをアピール。滴滴も河南省や山西省などの被災地に寄付をして当局の意向に沿う姿勢を示していた。
アリババは約1年前に傘下の金融会社アント・グループの上場が延期になり、本業も勢いを失って1年間で時価総額の半分が吹き飛んだ。滴滴の時価総額も上場時の半分程度で推移し、政府系機関の調査でも中国の上場ネット企業の9月末時点の時価総額は3カ月前に比べ3割近く減った。
中国では巨大ネット企業などのプラットフォーマーに「データ税」を導入するとの観測も浮上している。IT(情報技術)に詳しい研究者は「海外とのつながりが減る傾向が続けば、ネット企業の長期的な技術進歩を阻害する恐れもある」と指摘する。』
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中国恒大、外貨建て債務再編案を債権者と協議へ
広東省政府が監督チーム
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM03CRI0T01C21A2000000/
『【上海=土居倫之】巨額の債務を抱えて経営難に陥っている中国恒大集団は3日、外貨建て債務の再編案をつくるために債権者と協議に入ると発表した。債務の返済について「十分な資金があるかどうか不確定」なためだ。恒大が本社を置く広東省政府は同日夜、恒大に監督チームを派遣すると発表した。
中国人民銀行(中央銀行)も同日、広東省政府や関係部門と協力し、問題解決に努めると発表した。今後は広東省政府と人民銀行が経営再建に向けて重要な役割を担うことになる。中国では多額の外貨建て債務を抱えていた海航集団が資金繰り難に陥り、海南省政府が経営に関与する形で企業破産法の手続きのもと、債務再編を進めた。
広東省政府は恒大トップの許家印董事局主席と3日夜面談した。恒大の求めに応じる形で、恒大社内に経営監督・指導のためのワーキンググループを派遣することで合意。リスク処理や内部管理体制の強化につなげるという。銀行保険監督管理委員会も「国内外の監督管理部門が法に従って公平公正に処理すると信じる」とのスポークスマンのコメントを公表した。
恒大は3日、債権者から2億6000万ドル(約300億円)の保証履行請求通知を受け取ったと発表。恒大は保証を履行できない場合「債権者から返済の繰り上げを要求される可能性がある」という。中国メディアによると対象は米ドル建ての私募債で、債権者からの要請に対応できないと実質的な債務不履行(デフォルト)とみなされる可能性がある。
恒大は債務再編案の協議について「公平性と法の原則のもと、すべてのステークホルダー(利害関係者)の利益になる形で再編案を策定するため、積極的に海外債権者と話し合う」としている。詳細は明らかにしていないが、外貨建て債務の返済期限の延長や返済額の削減などを求める可能性がある。ただ海外債権者は国内債権者と同等の返済条件を求める可能性が高く、協議は難航が予想される。
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・中国、大都市も不動産値下げ制限 地方財政悪化に危機感 ・世界経済を揺るがすインフレと中国リスク 』
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習指導部、ボイコット論に危機感 北京五輪まで2カ月
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM024LL0S1A201C2000000/※ 今日は、こんなところで…。
※ もう、「あと2か月」か…。
※ オミクロン株騒動で、どうなるものか…。
※ ある程度、その感染力、重症化率、死亡率、旧来のワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、J&J)の効力の度合い、ブレークスルー感染の率…、といったデータが揃ってこないと、判断のしようが無いだろう…。
※ 「各国の要人」なんてのは、「お年寄り」が多い…。
※ ましてや、「冬の大会」だ…。寒い中、出席を望む人は、いるのか…。
※ 大気汚染の具合も、気になるしな…。
※ 西側は、各国ともに、「課長・局長クラス」の出席でお茶を濁す可能性が高いのでは…。
※ 日本では、室伏スポーツ庁長官の名前が、挙がっているようだ…。

『【北京=羽田野主】2月4日に開幕する北京冬季五輪まで約2カ月に迫り、中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が「外交的ボイコット」に危機感を募らせている。米欧が新疆ウイグル自治区などの人権問題に懸念を深めているうえに、中国の女子テニス選手の安否問題も重なり、中国への反発が強まっているためだ。
「スイスは国際オリンピック委員会(IOC)機構の所在地だ。スポーツの政治問題化に反対し、国際競技イベントに健全な環境を提供すべきだ」。中国外務省によると、王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は27日、スイス外相と電話協議し、こう強調した。
中国側の発表によると、スイス外相は「五輪の準備作業が順調に進んでいることをお祝いする。大会が成功を収めると信じている」と応じた。王氏は25日にハンガリーの外相と、24日にはイランの外相と協議し、それぞれ五輪への参加や支持表明を受けたと発表している。
「ロシアのプーチン大統領、北京冬季五輪の開会式に出席へ」。11月23日、中国国営の新華社など中国メディアが一斉に速報を流した。
じつはプーチン氏の出席は9月に新華社がごく短く伝えていた。ここにきて各国が五輪を支持していると宣伝を強化しているのは、米欧でボイコット論が盛り上がりをみせており、五輪の円満な開催に「黄信号」がともっているためだ。
米議会などはウイグルやチベットでの人権侵害、香港での民主化勢力の弾圧を問題視してきた。バイデン米大統領は11月、北京冬季五輪の外交的ボイコットを「検討している」と表明した。
中国外務省の汪文斌副報道局長は11月29日の記者会見で「米国など一部の人間は、政府高官の冬季五輪派遣を人権問題と結びつけている。スポーツに政治を持ち込むものだ」と反発した。
中国は主要国への個別の働きかけを強めている。王氏は11月18日の林芳正外相との電話協議で北京冬季五輪への支持を求めた。自民党内でボイコット論が浮上すると中国外務省の趙立堅副報道局長は「中国はすでに東京五輪の開催を全力で支持した。日本も基本的信義を守るべきだ」と非難した。
11月25日には外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員が韓国の張夏成駐中国大使と会談。新華社によると、張氏は「北京冬季五輪の大成功を祈っている」と表明している。
中国外交筋によると、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の開会式への招待を検討している。米欧など主要先進国と中国のはざまに立つ韓国に狙いを定めて取り込む戦術とみられる。』
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米当局が新規則、「検査拒否」中国勢は24年上場廃止も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030DH0T01C21A2000000/※ 容赦ないな…。


『【ニューヨーク=宮本岳則】米証券取引委員会(SEC)は2日、米国に上場する外国企業向けの新規則をまとめた。当局による監査状況の検査を受け入れない場合、早ければ2024年にも上場廃止になる可能性がある。これまで検査を拒んできた中国企業を念頭に置いた措置だ。貿易やテクノロジー分野に続き、資本市場でもデカップリング(分断)が進むことになる。
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・滴滴出行、米上場廃止へ手続き 香港上場を準備 ・米中覇権争い、技術からマネーへ 米議会向け報告が波紋 ・中国勢の米IPO、8月ゼロに 米中の市場分断が加速
米議会の諮問機関「米中経済安全保障再考委員会(USCC)」によると、米国に上場する中国企業は5月末時点で248社、時価総額は2.1兆ドル(約235兆円)に達する。電子商取引(EC)大手のアリババ集団や、ネット検索最大手の百度(バイドゥ)など有力企業も多く、米機関投資家から個人まで幅広く保有されている。実際に上場廃止手続きが始まれば、影響は大きい。
SEC傘下の上場企業会計監視委員会(PCAOB)は米上場企業を担当する監査法人を検査し、適切な会計監査が行われているか確認している。不正会計から投資家を守るのが狙いだ。ところが中国企業を担当する中国の監査法人については、中国政府が米当局による検査を拒んでいる。中国企業の米上場誘致に熱心な米金融界の後押しもあり、「検査拒否」でも上場が認められてきた。
SECの新規則では特例を認めない。20年12月18日以降に始まった事業年度で3期連続で検査を拒んだ場合、上場廃止になる。12月期決算企業であれば、早ければ24年にも米国で売買ができなくなる。中国企業が国内の規制を迂回して海外に上場する仕組み「変動持ち分事業体(VIE)」についても情報開示の強化が盛り込まれた。外国政府による経営所有権のレベルについても開示を求めた。
ゲンスラーSEC委員長は2日の声明で「歴史的に見て2つの国・地域は(PCAOBによる)検査を行っていない。それは中国と香港だ」と指摘した。一方、50以上の国と地域がPCAOBに協力しているという。新規則は米国に上場する全ての外国企業に適用されるが、事実上中国勢を狙い撃ちする内容になっている。
今回の新規則はトランプ前政権下の20年に成立した法律に基づいている。共和・民主両党の議員が上場ルールの厳格化を提案し、超党派の賛同を集めた。バイデン政権がこれを引き継ぎ、SECが最終規則化にこぎつけた。SECと中国の証券当局は水面下で協議を続けていたとされるが、妥協に至らなかった。米国内で、党派を問わず対中強硬路線への支持が広がっている証左といえる。
米議会やSECが上場ルールの厳格化にカジをきったのは、中国カフェチェーン大手のラッキンコーヒーの不正会計問題がきっかけだった。20年に売上高の水増しが発覚し、米ナスダック市場から退場を迫られた。米国の投資マネーが中国人民解放軍と関わりを持つハイテク企業の資金調達を支えることで、安全保障上の脅威が増すとの問題意識も広がっていた。
決定打は中国の配車アプリ大手、滴滴出行(ディディ)の株価急落問題だ。6月のニューヨーク上場直後に、中国政府が国家安全上の理由で同社に対する審査に入り、アプリの新規ダウンロードの停止を命じる事態となっていた。その後もIT(情報技術)企業や教育関連企業への規制強化によって株価が急落する場面があり、透明性の向上と投資家保護を求める声が高まった。
滴滴出行の上場問題も規制強化論の強まるきっかけに=AP今後は中国当局の出方が焦点となる。滴滴出行は3日、米国での上場廃止と香港市場への新規上場を準備していると公表した。ブルームバーグ通信は11月下旬、中国当局が国外への情報流出を懸念し、滴滴出行に対して株式の非公開化か、上場先の変更を要求していると報じていた。
中国当局は滴滴出行以外の海外上場企業への締め付けも強めており、データ管理などの監督を強化する方針を示していた。米PCAOBは検査対象の監査法人に対し、監査済みの財務諸表や、そのベースとなる帳簿の閲覧を求めるため、中国当局が受け入れる可能性は低いとみられる。
アリババと百度はすでに米国と香港の重複上場を果たしている。上場予備軍は今後、主に中国本土や香港の取引所を目指すことになりそうだ。米国市場では実際、中国勢の新規上場が急減している。資本市場におけるデカップリングが進めば、貿易とテクノロジー分野に続き、経済的な結びつきは弱まる。米中対立のエスカレートに歯止めがかかりにくくなる恐れがある。』
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滴滴出行、米上場廃止へ手続き 香港上場を準備
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM031HX0T01C21A2000000/

『【上海=土居倫之】中国の配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)は3日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場を廃止する手続きを始めると発表した。同社は6月末に米市場に上場したばかり。異例の短期間での上場廃止となる。滴滴を巡っては、中国政府が国家安全上の理由で同社に対する審査に入り、アプリの新規ダウンロードの停止を命じる事態となっていた。
滴滴は3日、微博(ウェイボ)の公式アカウントで「慎重な検討の結果、NYSEからの上場廃止手続きの開始と、香港での上場に向けた準備に入った」との声明を発表した。
滴滴によると、米市場に上場している米国預託株式(ADS)はほかの証券取引所で自由に取引できる株式に転換するという。また一連の手続きを決議するのに必要な株主総会を今後開催する。
中国政府は7月6日に中国企業による海外上場の規制強化を発表し、すでに海外上場した企業も含めてデータ管理などの監督を強化する方針を示していた。
政府による統制強化に加えて、出前アプリ大手の美団の配車事業などとの激しいシェア獲得競争が影響し、滴滴の株式時価総額は急減していた。時価総額は2日時点で376億ドル(約4兆3000億円)と、上場初日(約682億ドル)の半分近くとなっている。
滴滴を巡っては米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが7月末に株式の非公開化を検討していると報じていた。滴滴側は当時、報道を否定していた。米ブルームバーグ通信は11月26日、中国の規制当局が滴滴に対して、米国での上場廃止を要請したと報じた。米国への情報流出を懸念する中国政府の強い意向を受けて米市場での上場維持方針を転換したとみられる。
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白井さゆりのアバター 白井さゆり 慶應義塾大学総合政策学部 教授 コメントメニュー
ひとこと解説
ディディは今年6月にニューヨーク証券取引所に上場し多額の資金調達をしたばかりだが上場廃止はその直後から予測されていた。
中国政府は共同富裕政策というよりもデータセキュリティ観点から中国顧客データを多く保有している新興ネット企業で米国に上場する企業に規制強化をしている。
これまで新興ネット企業はより多額の資金調達がしやすい米国で上場する傾向があったが、今後は米中対立激化のもとで香港や中国本土での上場へ転換していくであろう。
外国投資家も米国から本土・香港における中国株投資の動きを加速させるとみられる。世界最大の経済大国になる見通しの中国への海外投資家の投資意欲が損なわれたわけではないようだ。
2021年12月3日 12:21 (2021年12月3日 12:42更新)
今村卓のアバター
今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
コメントメニュー分析・考察
滴滴など米上場を実現できるまで成長し、グローバル化しつつあった中国企業が、激化する米中対立に翻弄されています。
米国の投資銀行の積極的な支援を受けて米上場に漕ぎ着けたのに、一転して今や米国政府と中国政府の両方から上場廃止を求められる苦しい立場に追い込まれました。
米国政府は情報開示の不足、中国政府は情報流出の懸念、理由は異なりますが対立国への警戒・対抗意識は共通です。
これまで米中対立が強まっても米国の投資銀行や資産運用会社は積極的な中国進出を続けてきました。しかし滴滴の米上場廃止をきっかけに今後は各社とも戦略転換を余儀なくされ、金融面からの米中のデカップリングが進む可能性が高いと思います。
2021年12月3日 18:24
桃井裕理のアバター
桃井裕理
日本経済新聞社 中国総局長
コメントメニューひとこと解説
中国では生活に必要なあらゆる行為がスマホ上で完結します。私も中国赴任後、一度も現金を使ったことがありません。あらゆる行動は把握されています。
そして滴滴の配車シェアは約9割。いつ誰がどこを移動したかという膨大なデータが集まります。政府や党、軍の要人も例外ではありません。車内の会話も録音しているといわれ、機密情報を持つ可能性もあります。
米国で昨年「外国企業説明責任法」が成立するなど、米国上場企業への情報開示圧力は強まっています。これは中国にとっては重大な安全保障上の問題です。
IT企業への締め付けや起業家いじめという文脈ではなく、今後も中国のネット企業の海外上場廃止や取りやめの動きは続くでしょう。
2021年12月3日 14:22
木村恭子のアバター
木村恭子
日本経済新聞社 編集委員
コメントメニューひとこと解説
中国政府は1日に個人情報保護法を施行し、インターネット安全法(2017年施行)、データ安全法(21年9月施行)の3法でデータ統制を徹底する方針です。
Didiについては、記事にもある米ブルームバーグ通信によると、NY証取上場前に政府が「待った」をかけたにもかかわらず決行したので当局が Didiにquickly launched multiple investigations(多角的な調査を即座に開始)し、a range of unprecedented penalties(前例のない罰則)を検討したとのこと。
傘下のファンドがDidi株21.5%を所有するソフトバンクにも関心が集まっています。
2021年12月3日 13:29 (2021年12月3日 13:36更新)
梶原誠のアバター
梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
コメントメニューひとこと解説
中国企業が上場先を米国から香港に移す最新事例です。
人やモノと比べて国境を超えやすいマネーの世界でも米中デカップリングが進みます。
もう一つの視点として、香港がアジアを代表する国際金融市場から、中国企業と中国マネーのための「大いなるローカル市場」に変わっていく事を示すニュースです。
2021年12月3日 11:22 (2021年12月3日 11:25更新)』









































