2019年の日中貿易 総額、輸出額、輸入額とも軒並み減少

2019年の日中貿易
総額、輸出額、輸入額とも軒並み減少
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/7a3c80fbbd73f456.html

2020年4月7日

ジェトロが財務省貿易統計と中国海関(税関)統計を基に、2019年の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ、総額は前年比3.7%減の3,407億3,296万ドルとなり、3年ぶりに減少に転じた(表1参照、注1、注2)。

表1:日中貿易の推移(双方輸入ベース)(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
年月 輸出額
(日本→中国) 伸び率 輸入額
(中国→日本) 伸び率 総額 伸び率 貿易収支
2010年 176,225,091 34.8 153,424,723 25.2 329,649,814 30.2 22,800,368
2011年 194,296,265 10.3 184,128,640 20.0 378,424,904 14.8 10,167,625
2012年 177,649,842 △ 8.6 188,450,182 2.3 366,100,025 △ 3.3 △ 10,800,340
2013年 162,114,236 △ 8.7 180,840,622 △ 4.0 342,954,857 △ 6.3 △ 18,726,386
2014年 162,512,019 0.2 181,038,865 0.1 343,550,884 0.2 △ 18,526,847
2015年 142,689,642 △ 12.2 160,624,606 △ 11.3 303,314,248 △ 11.7 △ 17,934,964
2016年 144,996,448 1.6 156,631,816 △ 2.5 301,628,264 △ 0.6 △ 11,635,368
2017年 164,865,658 13.7 164,542,081 5.1 329,407,739 9.2 323,577
2018年 180,234,250 9.3 173,598,618 5.5 353,832,868 7.4 6,635,632
2019年 171,514,651 △ 4.8 169,218,304 △ 2.5 340,732,955 △ 3.7 2,296,347
2019年
1月 13,747,142 △ 0.8 16,878,411 7.6 30,625,553 3.7 △ 3,131,270
2019年
2月 11,089,137 0.4 11,514,954 △ 17.6 22,604,090 △ 9.7 △ 425,817
2019年
3月 14,084,386 △ 13.8 13,482,278 5.9 27,566,664 △ 5.2 602,108
2019年
4月 15,539,523 1.4 13,901,148 2.2 29,440,672 1.8 1,638,375
2019年
5月 13,176,426 △ 15.9 14,016,072 △ 1.1 27,192,497 △ 8.9 △ 839,646
2019年
6月 14,002,763 △ 4.8 12,750,127 △ 3.5 26,752,891 △ 4.2 1,252,636
2019年
7月 14,594,818 △ 12.6 14,899,782 5.9 29,494,600 △ 4.1 △ 304,964
2019年
8月 14,365,561 △ 8.9 13,352,861 △ 4.3 27,718,422 △ 6.8 1,012,699
2019年
9月 15,158,135 △ 6.7 15,063,598 3.3 30,221,733 △ 2.0 94,537
2019年
10月 14,139,802 △ 7.3 14,737,797 △ 11.8 28,877,599 △ 9.6 △ 597,995
2019年
11月 15,294,766 △ 0.1 14,498,883 △ 13.0 29,793,648 △ 6.8 795,883
2019年
12月 16,322,194 16.4 14,122,393 △ 0.8 30,444,587 7.7 2,199,801

注1:輸出額は中国の通関統計による対日輸入額、輸入額は日本の財務省貿易統計による対中輸入額。
いずれも貿易データベースGlobal Trade Atlas(ドルベース)を基に作成。
注2:伸び率は前年比および前年同月比。
注3:機械処理の関係上、他の統計とは計数の値が異なる場合がある。
注4:暦年の数値は確定値。各月の数値は速報値を使用。
参考:為替レート(円/ドル):2014年 105.74、2015年 121.05、2016年108.66、2017年112.10、2018年110.40、2019年109.02(米国連邦準備制度理事会発表)。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

輸出(中国の対日輸入、以下同じ)は4.8%減の1,715億1,465万ドル、輸入は2.5%減の1,692億1,830万ドルとなった。その結果、日本の中国に対する貿易収支は22億9,635万ドルと、3年連続の黒字を維持したが、前年より黒字幅は大きく縮小した。

輸出:米中貿易摩擦などを背景に、4年ぶりにマイナスに
輸出は前年比4.8%減の1,715億1,465万ドルと2015年以来4年ぶりに減少に転じた。構成比で最大品目の電気機器は集積回路が増加したものの、全体では減少した(表2参照)。

表2:2019年の日本の対中輸出(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
全品目 171,514,651 △ 4.8 100.0 —
第85類 電気機器およびその部分品 43,619,638 △ 1.9 25.4 △ 0.5
階層レベル2の項目8542 集積回路 17,291,186 9.2 10.1 0.8
階層レベル2の項目8536 電気回路の開閉用、保護用または接続用の機器 3,704,298 △ 7.3 2.2 △ 0.2
階層レベル2の項目8541 ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池を含む) 3,688,862 △ 13.2 2.2 △ 0.3
階層レベル2の項目8532 コンデンサー 3,611,126 3.3 2.1 0.1
階層レベル2の項目8504 トランスフォーマー、スタティックコンバーターおよびインダクター4 2,029,338 7.0 1.2 0.1
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 36,417,826 △ 10.5 21.2 △ 2.4
階層レベル2の項目8486 半導体、集積回路またはフラットパネルディスプレーの製造用機器 8,928,891 △ 14.1 5.2 △ 0.8
階層レベル2の項目8479 機械類(固有の機能を有するものに限る) 3,702,752 △ 3.8 2.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8443 印刷機、その他のプリンター、複写機およびファクシミリ 2,124,302 △ 4.8 1.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8481 コック、弁 1,791,811 0.6 1.0 0.0
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 17,921,778 △ 1.5 10.5 △ 0.1
階層レベル2の項目8703 乗用自動車その他の自動車 10,989,964 9.1 6.4 0.5
階層レベル2の項目8708 自動車の部分品および付属品 6,761,153 △ 15.0 3.9 △ 0.7
第90類 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器および医療用機器 15,170,060 △ 4.3 8.8 △ 0.4
階層レベル2の項目9013 液晶デバイス、レーザーおよびその他の光学機器 2,926,052 △ 23.9 1.7 △ 0.5
第39類 プラスチックおよびその製品 9,672,298 △ 1.5 5.6 △ 0.1
第29類 有機化学品 6,505,860 △ 12.3 3.8 △ 0.5
階層レベル2の項目9001 光ファイバー、光ファイバーケーブル、偏光材料製のシートおよび板並びにレンズ 2,523,073 5.9 1.5 0.1
階層レベル2の項目9031 測定用または検査用の機器および輪郭投影機 2,064,428 △ 3.5 1.2 △ 0.0
第72類 鉄鋼 4,712,135 △ 17.3 2.8 △ 0.5
第33類 精油、レジノイド、調製香料および化粧品類 3,711,681 34.7 2.2 0.5
第38類 各種の化学工業生産品 3,484,813 △ 1.0 2.0 △ 0.0
第74類 銅およびその製品 3,105,536 △ 17.0 1.8 △ 0.4
第73類 鉄鋼製品 2,296,522 △ 10.2 1.3 △ 0.1
注1:上2桁分類で構成比1.0%以上を抽出し、金額降順で記載。
注2:太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
出所::Global Trade Atlasからジェトロ作成

品目別の特徴

電気機器(第85類、伸び率マイナス1.9%、構成比25.4%、寄与度マイナス0.5)は、全体の39.6%を占める集積回路(8542)が9.2%増と堅調に推移した。一方、光電性半導体デバイスおよび発光ダイオード(854140)をはじめとする半導体デバイス(8541)が13.2%減、電気回路の閉鎖用、保護用または接続用の機器が7.3%減となるなどして、電気機器全体では1.9%減となった。

機械類(第84類、伸び率マイナス10.5%、構成比21.2%、寄与度マイナス2.4)は、米中貿易摩擦などを受けた中国の設備投資の需要減を背景に10.5%減となった。製造用機器(8486)が14.1%減の2ケタ減となっており、うち、フラットパネルディスプレー製造用の機器(848630)が28.3%減で、最大の押し下げ要因となった。半導体デバイス・集積回路製造用の機器(848620)は2月を除いて8月まで前年同月比マイナスが続いたが、9月以降はプラスに転じ、通年で金額は2.4%増、数量は14.5%減となった。

車両(第87類、伸び率マイナス1.5%、構成比10.5%、寄与度マイナス0.1)のうち、乗用車(8703)は、ハイブリッド車(870340)および排気量1,500cc超3,000cc以下の乗用車(870323)の輸出がそれぞれ116.3%増、9.5%増と好調だった。一方、排気量3,000cc超の乗用車(870324)の輸出が23.9%減へと落ち込み、乗用車全体では9.1%増となった。自動車部品(8708)は、全体の66.9%を占めるギヤボックス・同部品(870840)が19.5%減となり、自動車部品全体では15.0%減となった。

精密機器(第90類、伸び率マイナス4.3%、構成比8.8%、寄与度マイナス0.4)は、液晶デバイスなど(9013)が23.9%減となり、精密機器全体では4.3%減となった。

化粧品(第33類、伸び率34.7%、構成比2.2%、寄与度0.5)は、全体の84.5%を占める美容用、メーキャップ用または皮膚の手入れ用の調製品など(3304)が35.1%増と好調だった。

輸入:電気機器や衣類・同付属品の減少で3年ぶりのマイナス

輸入は前年比2.5%減の1,692億1,830万ドルと3年ぶりに減少に転じた。品目別では、スマートフォンなどの携帯電話端末の大幅減で電気機器が減少し、また、衣類・同付属品のASEANシフトがより一層進み、減少が目立った(表3参照)。

表3:2019年の日本の対中輸入(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
全品目 169,218,304 △ 2.5 100.0 —
第85類 電気機器およびその部分品 46,275,146 △ 4.0 27.4 △ 1.1
階層レベル2の項目8517 電話機およびその他の機器 18,157,690 △ 9.4 10.7 △ 1.1
階層レベル2の項目851712 携帯回線網用その他の無線回線網用の電話 13,247,177 △ 13.0 7.8 △ 1.1
階層レベル2の項目851762 その他の機器(音声、画像その他のデータを受信、変換、送信または再生するための機械) 3,569,589 7.7 2.1 0.1
階層レベル2の項目8528 モニターおよびビデオプロジェクター 2,580,493 14.7 1.5 0.2
階層レベル2の項目8541 ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池を含む) 2,575,090 △ 0.1 1.5 △ 0.0
階層レベル2の項目8544 電気絶縁をした線、ケーブルおよび光ファイバーケーブル 2,054,494 △ 6.2 1.2 △ 0.1
階層レベル2の項目8504 トランスフォーマー、スタティックコンバーターおよびインダクター 1,915,276 1.2 1.1 0.0
階層レベル2の項目8542 集積回路 1,837,382 △ 2.2 1.1 △ 0.0
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 31,834,066 3.6 18.8 0.6
階層レベル2の項目8471 自動データ処理機械 13,170,502 11.5 7.8 0.8
階層レベル2の項目8443 印刷機、その他のプリンター、複写機およびファクシミリ 2,352,481 0.9 1.4 0.0
階層レベル2の項目8473 事務用機器などに専らまたは主として使用する部分品および付属品 2,213,443 5.4 1.3 0.1
階層レベル2の項目8415 エアコンディショナー 1,932,988 △ 3.4 1.1 △ 0.0
第61類 衣類および衣類付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものに限る) 8,068,011 △ 5.3 4.8 △ 0.3
第62類 衣類および衣類付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものを除く) 7,830,011 △ 7.6 4.6 △ 0.4
第94類 家具、寝具 5,022,258 2.7 3.0 0.1
第90類 光学機器精密機器および医療用機器 4,955,022 1.3 2.9 0.0
第39類 プラスチックおよびその製品 4,919,470 △ 2.7 2.9 △ 0.1
第95類 玩具、遊戯用具および運動用具 4,623,653 △ 7.2 2.7 △ 0.2
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 4,298,102 △ 3.8 2.5 △ 0.1
第73類 鉄鋼製品 4,188,206 2.0 2.5 0.0
第29類 有機化学品 3,638,703 △ 6.3 2.2 △ 0.1
第63類 紡織用繊維のその他の製品 2,740,377 △ 0.3 1.6 △ 0.0
第28類 無機化学品および貴金属、希土類 2,610,735 △ 12.7 1.5 △ 0.2
第42類 革製品、ハンドバッグ 2,604,731 0.2 1.5 0.0
第64類 履物およびゲートル 2,550,098 △ 7.9 1.5 △ 0.1
第16類 肉、魚または甲殻類、軟体動物もしくはその他の水棲無脊椎動物の調製品 2,512,432 △ 2.6 1.5 △ 0.0
第76類 アルミニウムおよびその製品 2,026,270 △ 1.0 1.2 △ 0.0
第00類 特殊取扱品 1,700,668 △ 8.0 1.0 △ 0.1
注1:上2桁分類で構成比1.0%以上を抽出し、金額降順で記載。
注2:太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

品目別の特徴

電気機器(第85類、伸び率マイナス4.0%、構成比27.4%、寄与度マイナス1.1)は、全体の39.2%を占める電話機(8517)が前年比9.4%減と1割近く減少した。このうち、主要品目であるスマートフォンなどの携帯電話端末(851712)は単価低下と数量減少により、前年の増加から13.0%減に転じ、金額ベースで2012年以来の低水準となった(数量ベースでも同様)。一方、モニターやプロジェクターなどの受像機器(8528)は数量が2桁増となり、金額ベースで14.7%増となった。

機械(第84類、伸び率3.6%、構成比18.8%、寄与度0.6)は、全体の41.4%を占める自動データ処理機械(8471)が11.5%増となった。このうち、主要品目であるノートパソコン(847130)は数量の増加もあり、全体で16.4%増となった。また、全体の6.1%を占めるエアコンディショナー(8415)は猛暑の影響で好調だった前年の2桁増から3.4%減に転じた。

衣類・同付属品(第61類、伸び率マイナス5.3%、構成比4.8%、寄与度マイナス0.3、第62類、伸び率マイナス7.6%、構成比4.6%、寄与度マイナス0.4)について、第61類(メリヤス編みまたはクロセ編みのもの)は5.3%減となり、全世界からの輸入に占める構成比は59.0%と1996年以来初めて6割を割り込んだ。第62類(メリヤス編みまたはクロセ編み以外のもの)は7.6%減で、全世界からの輸入に占める構成比は54.7%と前年(57.7%)に続き減少した。

家具、寝具(第94類、伸び率2.7%、構成比3.0%、寄与度0.1)のうち、全体の36.0%を占める椅子(9401)は3.8%増、全体の25.3%を占める家具(9403)は4.4%増となった。椅子のうち、回転タイプのものは12.0%増となった。

無機化学品(第28類、伸び率マイナス12.7%、構成比1.5%、寄与度マイナス0.2)について、全体の20.9%を占める主要品目の金属酸化物(2825)の数量が3割以上増加し、金額ベースでも22.0%増となったものの、そのほかの主要品目の単価が1~2割と大幅に減少したことにより、全体でマイナスとなった。

日本の輸出額に占める中国の構成比が減少し2位に

財務省の貿易統計によると、日本の貿易における中国の構成比は、輸出が19.1%で前年比0.4ポイント縮小した(表4、表5、図1参照、注3)。一方、輸入は23.5%で0.3ポイント拡大した(表6、図2参照)。その結果、貿易総額に占める中国の構成比は21.3%と、前年比0.1ポイント縮小した(図3参照)。

表4:2019年の日本の貿易相手上位5カ国・地域およびASEAN・EU(財務省統計)
(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値、-は値なし)

輸出

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 705,528 △ 4.4 100.0 —
米国 139,798 △ 0.2 19.8 △ 0.0
中国 134,690 △ 6.4 19.1 △ 1.3
韓国 46,250 △ 11.9 6.6 △ 0.8
台湾 43,002 1.5 6.1 0.1
香港 33,626 △ 3.1 4.8 △ 0.1
ASEAN 106,207 △ 7.2 15.1 △ 1.1
EU 82,116 △ 1.6 11.6 △ 0.2

輸入

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 720,738 △ 3.7 100.0 —
中国 169,218 △ 2.5 23.5 △ 0.6
米国 79,083 △ 3.1 11.0 △ 0.3
オーストラリア 45,447 △ 0.6 6.3 △ 0.0
韓国 29,613 △ 7.9 4.1 △ 0.3
サウジアラビア 27,625 △ 18.2 3.8 △ 0.8
ASEAN 107,764 △ 4.0 15.0 △ 0.6
EU 89,097 1.3 12.4 0.1

総額

国・
地域名 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 1,426,266 △ 4.1 100.0 —
中国 303,909 △ 4.3 21.3 △ 0.9
米国 218,880 △ 1.3 15.4 △ 0.2
韓国 75,862 △ 10.4 5.3 △ 0.6
台湾 69,863 0.5 4.9 0.0
オーストラリア 59,935 △ 4.6 4.2 △ 0.2
ASEAN 213,971 △ 5.6 15.0 △ 0.9
EU 171,213 △ 0.1 12.0 △ 0.0
注1:EUは28カ国として計算。
注2:伸び率は前年比。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

表5:日本の輸出に占める中国、米国の構成比 (財務省統計)(単位:100万ドル、%)

年 対世界 対中国 対米国
金額 伸び率 金額 伸び率 構成比 金額 伸び率 構成比
2010年 770,046 32.7 149,679 36.6 19.4 118,675 26.8 15.4
2011年 823,544 6.9 162,013 8.2 19.7 126,075 6.2 15.3
2012年 798,447 △ 3.0 144,174 △ 11.0 18.1 140,096 11.1 17.5
2013年 714,866 △ 10.5 129,093 △ 10.5 18.1 132,400 △ 5.5 18.5
2014年 690,824 △ 3.4 126,459 △ 2.0 18.3 128,785 △ 2.7 18.6
2015年 624,889 △ 9.5 109,236 △ 13.6 17.5 125,819 △ 2.3 20.1
2016年 645,052 3.2 113,890 4.3 17.7 130,102 3.4 20.2
2017年 698,329 8.3 132,839 16.6 19.0 134,811 3.6 19.3
2018年 738,143 5.7 143,962 8.4 19.5 140,100 3.9 19.0
2019年 705,528 △ 4.4 134,690 △ 6.4 19.1 139,798 △ 0.2 19.8
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

表6:日本の輸入に占める中国、米国の構成比 (財務省統計)(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)

年 対世界 対中国 対米国
金額 伸び率 金額 伸び率 構成比 金額 伸び率 構成比
2010年 694,297 25.8 153,425 25.2 22.1 67,443 14.4 9.7
2011年 856,046 23.3 184,129 20.0 21.5 74,485 10.4 8.7
2012年 885,838 3.5 188,450 2.3 21.3 76,237 2.4 8.6
2013年 832,628 △ 6.0 180,841 △ 4.0 21.7 69,825 △ 8.4 8.4
2014年 812,954 △ 2.4 181,039 0.1 22.3 71,386 2.2 8.8
2015年 648,084 △ 20.3 160,625 △ 11.3 24.8 66,590 △ 6.7 10.3
2016年 607,728 △ 6.2 156,632 △ 2.5 25.8 67,459 1.3 11.1
2017年 672,096 10.6 164,542 5.1 24.5 72,155 7.0 10.7
2018年 748,487 11.4 173,599 5.5 23.2 81,586 13.1 10.9
2019年 720,738 △ 3.7 169,218 △ 2.5 23.5 79,083 △ 3.1 11.0
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図1:日本の輸出に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の輸出に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国19.4 米国15.4 ASEAN14.7 EU11.3、 2011年 中国19.7 米国15.3 ASEAN15.0 EU11.6 、 2012年中国18.1 米国17.5 ASEAN16.2 EU10.2、 2013年米国18.5 中国18.1 ASEAN15.5 EU10.0、 2014年米国18.6 中国18.3 ASEAN15.2 EU10.4 、 2015年米国 20.1中国17.5 ASEAN15.2 EU10.6、 2016年 米国20.2 中国17.7 ASEAN14.8 EU11.4、 2017年米国19.3 中国19.0 ASEAN15.2 EU11.1、 2018年中国19.5 米国19.0 ASEAN15.5 EU11.3、 2019年米国19.8、中国19.1 ASEAN15.1 EU11.6だった。この間の日本の輸出額は、2010年 7,700億ドル、2011年 8,235億ドル、2012年 7,984億ドル、2013年 7,149億ドル、2014年 6,908億ドル、 2015年 6,249億ドル、2016年 6,451億ドル、2017年 6,983億ドル、2018年 7,381億ドル、2019年 7,055億ドルであった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図2:日本の輸入に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の輸入に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国22.1 米国9.7 ASEAN14.6 EU9.6、 2011年 中国21.5 米国8.7 ASEAN14.6 EU9.4、 2012年中国21.3 米国8.6 ASEAN14.6 EU9.4、 2013年中国21.7 米国8.4 ASEAN14.1EU9.4、 2014年中国22.3 米国8.8 ASEAN14.3 EU9.5、 2015年中国24.8 米国10.3 ASEAN15.1EU11.0、 2016年中国25.8 中国11.1 ASEAN15.2 EU12.3、 2017年中国24.5 米国10.7ASEAN15.3 EU11.6、 2018年中国23.2 米国10.9 ASEAN15.0 EU11.8、 2019年中国23.5、中国11.0 ASEAN15.0 EU12.4だった。 この間の日本の輸入総額は、2010年6943億ドル、2011年 8560億ドル、2012年8858億ドル、2013年8326億ドル、2014年8130億ドル、2015年6481億ドル、2016年6077億ドル、 2017年6721億ドル、2018年7485億ドル、2019年7207億ドルだった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

図3:日本の貿易総額に占める主要地域の構成比(グラフ)

日本の貿易総額に占める主要地域の構成比は、 2010年 中国20.7 ASEAN14.6 米国12.7 EU10.5、 2011年 中国20.6 ASEAN14.8 米国11.9 EU10.5、 2012年 中国19.7 ASEAN15.3 米国12.8 EU9.8、 2013年 中国20.0 ASEAN14.8 米国13.1 EU9.7、 2014年中国20.4 ASEAN14.7 米国13.3 EU9.9、 2015年中国21.2 ASEAN15.2 米国15.1 EU10.8、 2016年 中国21.6 ASEAN15.0米国15.8 EU11.9、 2017年中国 21.7ASEAN15.1 米国15.2 EU11.3、 2018年中国21.4 米国14.9 ASEAN15.2 EU11.5、 2019年中国21.3 米国15.3 ASEAN15.0 EU12.0 だった。 この間の日本の貿易総額は2010年1兆4643億ドル、2011年1兆6796億ドル、2012年1兆6843億ドル 、2013年1億5475億ドル、2014年1兆5038億ドル、2015年1兆2730億ドル、2016年1兆2528億ドル、2017年1兆3704億ドル、2018年1兆4866億ドル、2019年1兆4263億ドル だった。
出所:Global Trade Atlasからジェトロ作成

日本の対世界貿易において、中国は輸出額で2018年に2012年以来6年ぶりに米国を上回り第1位となったが、2019年は再び第2位だった。日本の対世界輸出の減少(4.4%減)に対する寄与度(マイナス1.3ポイント)は最大だった。一方、貿易総額と輸入額では引き続き第1位となった。それぞれ2007年以降13年連続、2002年以降18年連続で第1位となっている。

表7:(参考)日中貿易の推移(財務省統計)(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)

年 輸出額 伸び率 輸入額 伸び率 総額 伸び率 貿易収支
2010年 149,678,986 36.6 153,424,723 25.2 303,103,709 30.6 △ 3,745,737
2011年 162,013,144 8.2 184,128,640 20.0 346,141,784 14.2 △ 22,115,496
2012年 144,173,787 △ 11.0 188,450,182 2.3 332,623,970 △ 3.9 △ 44,276,395
2013年 129,092,691 △ 10.5 180,840,622 △ 4.0 309,933,313 △ 6.8 △ 51,747,930
2014年 126,459,184 △ 2.0 181,038,865 0.1 307,498,049 △ 0.8 △ 54,579,681
2015年 109,236,224 △ 13.6 160,624,606 △ 11.3 269,860,831 △ 12.2 △ 51,388,382
2016年 113,889,670 4.3 156,631,816 △ 2.5 270,521,485 0.2 △ 42,742,146
2017年 132,839,145 16.6 164,542,081 5.1 297,381,226 9.9 △ 31,702,936
2018年 143,962,135 8.4 173,598,618 5.5 317,560,753 6.8 △ 29,636,483
2019年 134,690,414 △ 6.4 169,218,304 △ 2.5 303,908,718 △ 4.3 △ 34,527,890
2019年
1月 8,793,757 △ 15.9 16,878,411 7.6 25,672,168 △ 1.8 △ 8,084,654
2019年
2月 10,320,010 3.2 11,514,954 △ 17.6 21,834,964 △ 9.0 △ 1,194,944
2019年
3月 11,739,813 △ 13.5 13,482,278 5.9 25,222,091 △ 4.1 △ 1,742,465
2019年
4月 11,044,266 △ 9.7 13,901,148 2.2 24,945,414 △ 3.4 △ 2,856,882
2019年
5月 10,442,839 △ 10.0 14,016,072 △ 1.1 24,458,911 △ 5.1 △ 3,573,233
2019年
6月 11,529,717 △ 8.4 12,750,127 △ 3.5 24,279,844 △ 5.9 △ 1,220,410
2019年
7月 11,350,259 △ 6.6 14,899,782 5.9 26,250,041 0.1 △ 3,549,523
2019年
8月 11,302,203 △ 8.1 13,352,861 △ 4.3 24,655,064 △ 6.1 △ 2,050,658
2019年
9月 10,945,040 △ 2.8 15,063,598 3.3 26,008,638 0.6 △ 4,118,558
2019年
10月 12,235,578 △ 6.5 14,737,797 △ 11.8 26,973,375 △ 9.5 △ 2,502,219
2019年
11月 12,035,165 △ 1.5 14,498,883 △ 13.0 26,534,048 △ 8.1 △ 2,463,718
2019年
12月 12,951,766 3.7 14,122,393 △ 0.8 27,074,159 1.3 △ 1,170,627
注1:2019年1~12月は確報値。2018年以前は確定値。
注2:伸び率は前年比および前年同月比。
出所:Global Trade Atlasよりジェトロ作成

注1:
この分析は、日本の対中輸出を中国の輸入統計でみる「双方輸入ベース」となっている。貿易統計は輸出を仕向け地主義、輸入を原産地主義で計上しており、香港経由の対中輸出(仕向け地を香港としている財)が日本の統計では対中輸出に計上されない。中国の輸入統計には日本を原産とする財が全て計上されていることから、日中間の貿易は、いずれかの国の貿易統計より、日中双方の輸入統計をみた方が実態に近いと考えられる。このため、日本の対中輸出は中国の通関統計による対日輸入を、対中輸入は日本の財務省統計による対中輸入を使用している。なお、2018年の日中貿易は、調査レポート参照。
注2:
財務省貿易統計の円ベース(輸出確報、輸入9桁速報)では、総額が33兆1,273億円(前年比5.6%減)、輸出が14兆6,827億円(7.6%減)、輸入が18兆4,446億円(3.9%減)となった。
注3:
この分析は貿易総額、輸出額、輸入額の全て、財務省貿易統計に基づいている。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
方 越(ほう えつ)
2006年4月、ジェトロ入構。展示事業部海外見本市課、金沢貿易情報センターを経て2013年6月から現職。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
森 詩織(もり しおり)
2006年4月、ジェトロ入構。海外調査部中国北アジア課、ジェトロ広島、ジェトロ・大連事務所を経て、2016年9月から現職。

ミャンマー政変なぜ起きた? やさしい3分解説

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM094UN0Z00C21A4000000/

『東南アジアのミャンマーで国軍によるクーデター発生からもうすぐ3カ月となります。国軍は反発する国民に容赦なく銃口を向ける一方、自制を求める周辺各国の思惑が入り乱れ、混乱に拍車がかかっています。日本企業の主戦場であるアジアの政治情勢への理解はビジネスに欠かせません。ゆっくりながらも着実に民主化の道を歩んでいたと思われていたミャンマーで何が起きているのか。やさしく解説します。

Q:ミャンマーってどんな国?

インドシナ半島西部に位置します。面積は日本の約1.8倍にあたる68万平方キロメートルほどで、推計約5600万人の人口を抱えています。「建国の父」として今も国民の尊敬を集める故アウン・サン将軍(1947年に暗殺)の指導のもと、48年に英国の植民地から独立しました。当初は民主制を採用しましたが、62年に国軍がクーデターで政権を掌握し、89年には国名をビルマからミャンマーに変更しました。

ミン・アウン・フライン総司令官率いるミャンマー国軍はクーデターに抗議する民衆に銃口を向ける(3月27日、ネピドー)=ロイター

軍事政権下で経済成長が遅れ、民主化後は「アジア最後のフロンティア」として外国の投資を集めています。繊維産業などが育っていますが、日用品やガソリンなど多くの物資を輸入に依存しています。仏教徒が9割近くを占める一方、多民族国家でイスラム教徒の少数民族ロヒンギャへの迫害が国際問題になっています。

Q:なぜまたクーデターが起こったの?

民主化の流れが強まり国軍が影響力の低下に危機感を持ったからとみられています。軍事政権は民主化を求める国内外の声に押され、2010年に20年ぶりの総選挙を実施しました。当初、民主化運動の指導者、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)は国軍が主導した選挙をボイコットしましたが、15年総選挙に参加して圧勝、政権を獲得しました。20年11月の総選挙で、NLDはさらに議席を伸ばし、国軍系政党の不人気を浮き彫りにしました。焦った国軍は「選挙の不正」を理由にクーデターに打って出ました。

Q:アウン・サン・スー・チーさんはどんな人?

アウン・サン将軍の娘で、当初は英国で研究生活を送り、英国人男性と結婚して家庭を築くなど政治の表舞台からは離れて暮らしていました。軍事政権下、1988年に学生を中心に民主化運動に火がつくと、帰国していたスー・チー氏が先頭に立ち、NLDを結成しました。90年の総選挙でNLDは圧勝しましたが、軍は政権移譲を拒否し、民主化運動を弾圧し続けました。

スー・チー氏は89年から計3度、15年間自宅軟禁されました。その間、91年にノーベル平和賞を受賞しました。2015年の総選挙後、NLDは政権を握り、軟禁を解かれていたスー・チー氏は外相兼国家顧問として事実上、国のトップに就きました。軍事政権が08年に制定した憲法の規定で、英国籍の息子がいるスー・チー氏は大統領になれません。

抗議デモに参加する民衆と治安当局の衝突で煙が上がるミャンマー北部のタゼ。国軍のデモ弾圧でこれまでに全土で700人以上が死亡した(4月7日、タゼ)=ロイター

Q:日本を含む国際社会とのかかわりは?

映画「ビルマの竪琴」が描いたように、旧日本軍は第2次世界大戦中、当時のビルマを占領していた時期があります。戦後、日本は政府開発援助(ODA)を通じて積極的に国家建設を支援し関係を強めました。スー・チー氏も1980年代に京都大で研究経験があります。
97年、ミャンマーは東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟を果たしました。近年では中国が広域経済圏構想「一帯一路」の一環のインフラ支援などを通じて急速に影響力を強めています。中国とインド洋をつなぐ安全保障上の要衝だからです。

Q:弾圧は止められないの?これからの展望は?

国軍はクーデターに抗議する国民に武力による弾圧を続けています。死者は700人以上に達したとされ、事態は悪化の一途をたどっています。ASEANは盟主を自任するインドネシアが主導して対話による解決をめざしていますが、ASEAN内でも軍事政権の流れを組むタイや共産党独裁のベトナムなどは、内政不干渉の原則を持ち出して、静観を続け、一枚岩ではありません。国連は安全保障理事国内で米英仏と中ロの対立を抱え十分機能していないうえ、東南アジアへの影響力を確保しようとする大国の利害が絡み、ミャンマーの民主主義の回復への道筋は描けていません。=おわり

(ジャカルタ=地曳航也)』

日米首脳会談で菅首相が踏んだ踏み絵の意味

日米首脳会談で菅首相が踏んだ踏み絵の意味
米議会は超党派で「戦略競争法案」提出、後戻りできない日本
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64976?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

高濱 賛のプロフィール
Tato Takahama 米国在住のジャーナリスト

1941年生まれ、65年米カリフォルニア大学バークレー校卒業(国際関係論、ジャーナリズム専攻)。67年読売新聞入社。ワシントン特派員、総理官邸キャップ、政治部デスクを経て、同社シンクタンク・調査研究本部主任研究員。1995年からカリフォルニア大学ジャーナリズム大学院客員教授、1997年同上級研究員。1998年パシフィック・リサーチ・インスティテュート上級研究員、1999年同所長。

『出されたのはハンバーグ・ランチのみ

 菅義偉総理大臣とジョー・バイデン米大統領による初めての日米首脳会談が行われた。
 異例だらけの日米首脳会談で両首脳は何を話し、どんな約束をしたのか。菅氏は記者会見では「やり取りの詳細については外交上、明かさない」と突っぱねた。

 表に出ては国民向けにも中国向けにも支障が出るような発言や密約があるのだろうか。機密文書は30年経たねば解禁されない。ということは30年間国民は知らされないことになる。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックス禍で公式の昼食会も晩餐会もなし。ジル・バイデン夫人も顔を見せなかった。

 両首脳は2人だけでハンバーグ・ランチを食べた。

 異例と言えば、菅氏は大統領に会う前にカマラ・ハリス副大統領をホワイトハウスに隣接するアイゼンハワー行政府ビルの副大統領室に表敬訪問したことだ。

 何やら外国訪問など外交面でのハリス氏の今後の積極的な活動を暗示している。

 首脳だけのテタテ(1対1)会談、外務閣僚らを入れた少人数会議、拡大会合を合わせると2時間50分。

 会談後に発表された共同声明(U.S-Japan Joint Leaders’ Statement:”U.S.-Japan Global Partnership for a New Era”)は英文で2500字の長文。実務事項びっしりの外交文書だ。

 共同声明は共同宣言に次ぐ国家間の最重要文書だ。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2021/04/16/u-s-japan-joint-leaders-statement-u-s-japan-global-partnership-for-a-new-era/

 これだけ詳細な実務事項を盛り込むには、事前に閣僚、事務レベルでの綿密なすり合わせがあったといっていい。

 内容は台湾海峡に始まり新疆ウイグル自治区…』

『内容は台湾海峡に始まり新疆ウイグル自治区、香港、尖閣諸島、半導体サプライチェーン、気候変動、東京五輪、普天間米空軍基地の辺野古移転まで、今後5年、10年の日米間の約束事を網羅している。

 首脳会談直前まで日本メディアの外交通と称する連中はこう見ていた。

「ウイグルや台湾、ミャンマーといった厄介な問題に深入りするのを避けて、半導体サプライチェーンや気候変動問題などで日米同盟が強固なことを世界(中国)にアピールすることでお茶を濁せるだろう」

 ところがどっこい。舞台裏では、米側は日本側に「中国の脅威」に対する危機感を大いに煽った。危機感は生半可なものではなかった。

 中国の脅威、特に台湾海峡周辺で中国が繰り広げている軍事威嚇行動に米国は神経をとがらせてきた。一触即発の危険性すらあるとみている。

 今回の共同声明では「台湾」は対中戦略の主軸となる最重要なパーツ(部品)だった。

 バイデン政権の外交当局者とは密接な関係にある主要シンクタンクの研究員、T氏は筆者にこう指摘している。

「バイデン氏が『台湾明記』に自信を深めたのは3月中旬だった。対中スタンスでは慎重な日本も乗って来ると確信したのは、3月16日の2プラス2(日米安全保障協議委員会)での日本の外務・防衛閣僚の対応だった」

「『台湾海峡の平和と安定の重要性についての認識を共有する』ことに合意したからだ。閣僚レベルでの合意事項が首脳同士で覆されることはあるまい、というわけだ」

「共同声明に『(台湾海峡)両岸問題の平和的解決を促す』という文言を入れるよう要求したのは日本側だが、これに米国が異議を申し立てる正当な理由はなかった」

「挑発しているのは中国なのだから、中国が矛を収めればこれに越したことはない」

人権、対中制裁は煙幕…』

『人権、対中制裁は煙幕
 もう一つは、菅氏を迎え入れたバイデン氏のきめ細かい受け入れ態勢だった。

 バイデン政権の最優先議題になっている人権問題をめぐっては米メディアは菅政権の対応に厳しい目を向けてきた。

 バイデン政権は、新疆ウイグル自治区での中国のウイグル族抑圧を「ジェノサイド」だとまで言い切り、制裁措置に踏み切っていた。欧州共同体(EU)はじめG7加盟国は日本以外全員が制裁に同調した。

 こうした中で、バイデン政権は政府高官による記者向けの事前説明などで日本には対中経済依存度などデリケートな理由があることを指摘するなど異例の根回し工作までしていた。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/press-briefings/2021/04/15/background-press-call-by-a-senior-administration-official-on-the-official-working-visit-of-japan/

 首脳会談後の記者会見も極端に記者の人数を制限するなど、通常の米国式記者会見とは趣を異にしていた。米記者団からは人権に対する質問は一切なかった。

 なぜ、そこまでバイデン氏は気を使ったのか。

 それよりも何よりもバイデン氏が菅氏をホワイトハウスに招き入れる最初の外国首脳に選んだ理由は何だったのか。

 ブルッキングス研究所東アジア政策研究センター所長のミレヤ・ソリス博士はこう指摘している。

「バイデン政権としては、日本が地域的、世界的なチャレンジに立ち向かう不可欠な同盟国としての地位を確固たるものにし、インド太平洋戦略が日本にとって最優先議題であることを再確認させようとした」

「日米は同盟関係を深化させており、責任分担する準備も整ってきた。中国のチャレンジを戦略的に抑え込むことでも両国は収斂している」

 先の2プラス2で日本が中国の独断的行動が国際秩序を不安定化させているという米国に同調、特に台湾海峡の安定の重要性を強調したことは多くの人々を驚かした」

https://www.brookings.edu/blog/order-from-chaos/2021/04/13/suga-biden-summit-to-rekindle-can-do-spirit-of-the-us-japan-alliance/

 外交専門家の間には、これまで国際政治を動…』

『外交専門家の間には、これまで国際政治を動かしてきた米国と中国を指す「G2」(Group of Two)という表現はいよいよ米国と日本に当てはまると主張する者も現れている。

https://www.japantimes.co.jp/opinion/2021/04/15/commentary/japan-commentary/china-u-s-quad-indo-pacific-development-aid/

 佐藤(栄作)・(リチャード・)ニクソン時代から日米首脳外交をフォローしてきた在米日系ジャーナリストG氏はこう見ている。

「日本人が日本重視を買いかぶりと失笑するかどうか。かつて日本は自分のことをを米国の『サイレント・パートナー』(日本語英語で何も言わずに黙ってついていくパートナーという意味)などと自虐的に言っていた時期がある」

「だが今や日本は米国の『ポジティブ・パートナー』(積極的に参画するパートナー)になった。今回の首脳会談はそれを再確認するターニング・ポイントになった」

「『台湾明記』はただ中国を激怒させただけでなく、米国、そして世界に日本の存在の大きさを見せつけたと言っていいかもしれない」

 バイデン政権が欲しかったのは、新疆ウイグル自治区でのウイグル族や香港の人権問題でも、そのための対中制裁措置でもなかった。

 どうしても日本に台湾問題について米国の危機感を共有してもらいたかったのだ。その「証文」が欲しかった。

 日本はその「証文」に判を押した。

香港は台湾併合シナリオのタイムライン… 』

『香港は台湾併合シナリオのタイムライン
 米国がいかに台湾海峡情勢に危機感を抱いているか。その好例が米議会の超党派の対中スタンスだ。

 上院外交委員会は中国に対応するための包括法案を4月24日に採択し、直ちに本会議に上程、可決・成立させる。

「米議会の認識」(Sense of Congress)を示すという位置づけで、法的拘束力はないが、バイデン政権の対中政策に少なからぬ影響を及ぼすことは間違いない。

 法案名は「2021年戦略的競争法案」(Strategic Competetion Act of 2021)。

 ボブ・メネンデス外交委員長(民主、ニュージャージー州選出)とジェームズ・リッシュ筆頭委員(共和、アイダホ州選出)が共同提案した民主、共和両党が超党派で提出する初の本格的な対中政策法案だ。

https://www.foreign.senate.gov/imo/media/doc/DAV21598%20-%20Strategic%20Competition%20Act%20of%202021.pdf

 同法案は台湾については、こう指摘している。

「中国の香港での人権弾圧は、台湾併合に向けたシナリオのタイムラインを実践している。台湾防衛は今やより緊急を有する優先事項だ」

「台湾防衛は、①台湾の人々を守り②中国軍を対米防衛線である第1列島線内に抑止し③日本の領土保全を防衛④中国軍の広範囲にわたる軍事的野望を阻止し⑤台湾の自由市場体制と民主的価値観を守る擁護者としての米国に対するクレディビリティ(信頼性)を堅持する――といった目的にとって死活的に重要である」

 本法案には何と「台湾」が47回も出てくる。

民間の軍事技術開発を促進、日米基金構想… 』

『民間の軍事技術開発を促進、日米基金構想
 2プラス2を受けて首脳会談で合意した「台湾海峡の平和と安定の重要性」について認識を共有したバイデン大統領と菅首相。

 台湾情勢が緊迫し、在日米軍が出動すれば、日本は何をするのか。日本も安全保障関連法に基づき、米軍の後方支援を行うことになる。

 日本が米軍に補給できる「重要影響事態」の要件は、日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす状況だ。

 前述の「2021年戦略的競争法案」には、日本に何を期待するかについての記述がある。バイデン政権が今後、具体的にどのような対日要求をしてくるか、を示唆している。

一、インド太平洋戦略での米国のパートナーシップを強化するステップとして、日本が以下の分野での自主開発を促進させることをサポートする。

①長距離精密火力(LRPF)

②弾薬

③対空、対ミサイル防衛能力

④全領域での米軍とのインターオペラビリティ

⑤インテリジェンス・偵察・索敵能力

二、日米安全保障目的のために資する民間セクターによる新技術開発を促進させる「日米技術刷新基金」の創設。

 菅バイデン首脳会談で署名された共同声明の文言の行間には、「40年来の米国の曖昧な対中戦略に終止符を打ち、中国に力で対抗すべきだ」(リチャード・ハース外交問題評議会会長)とする米国の意気込みがにじみ出ているとみるべきだろう。

https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/american-support-taiwan-must-be-unambiguous)』

日米韓外相会談見送りへ 関係悪化が長期化、失われる改善機運

https://news.yahoo.co.jp/articles/1692a92ee51d15161f682306cb32d78bee63b2ac

『4月下旬にワシントンでの開催を調整していた日米韓外相会談が見送られる見通しとなった。複数の政府関係者が15日、明らかにした。3カ国会談を機に実現を模索していた日韓外相会談のめどが立たなかったためとみられる。日本側が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決定したことを韓国政府は強く批判しており、日韓関係改善の機運は失われている。

 関係悪化が長期化する日韓両国は、外相レベルの協議も困難な状況となっている。茂木敏充外相は韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)外相が2月に就任した後、電話協議を含めて一度も会談していない。バイデン米政権は北朝鮮問題などへの対応で日米韓3カ国による連携を重視しており、自然な形で両外相が向き合えるよう、3カ国会談の開催を呼び掛けていた。

 しかし、日本側は徴用工問題などで受け入れ可能な措置を講じない韓国政府への不信感が強い。鄭氏が3月31日の記者会見で、日韓外相会談の早期開催に意欲を示すと、外務省幹部は「日本を悪者にしようとする韓国国内向けのアピールだ」として、協議ができない責任を日本に押し付けていると不快感を示していた。

 一方、韓国側は今夏に予定している東京オリンピック・パラリンピックを舞台にした南北関係改善を狙い、対日関係の修復も図っていた。ところが北朝鮮は4月5日付の記事で、五輪不参加を表明。13日に日本政府が処理水の海洋放出を決定すると、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は法的措置を講じるよう指示した。こうした現状で会談しても非難の応酬となるとみて、双方とも当面会談は見送るべきだと判断した模様だ。【佐藤慶】』

「すべて米国同調ではない」日本、対中国「距離感」に腐心 日米首脳会談

https://mainichi.jp/articles/20210417/k00/00m/010/284000c

『菅義偉首相とバイデン米大統領による初の日米首脳会談で、両国は緊張が高まる台湾情勢を明記した共同声明をまとめた。安全保障から経済分野まで台頭する中国に対する警戒感がにじむ。

 バイデン氏は会談後の共同記者会見で「日米は中国からの挑戦に力を合わせて立ち向かう」と述べ、「日米はこの地域の強い民主主義国だ」と強調した。首相も「世界の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について真剣に議論を行った」と歩調を合わせた。

 共同声明では「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。3月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書に盛り込まれた「台湾海峡の平和と安定の重要性」を踏襲した。

 米国は香港の統制強化を着々と進めた中国が台湾周辺で軍事的行動を強めたことで危機感を強めている。急速に軍事力を拡大する中国に対し、民主主義国との連携で対抗する姿勢を打ち出した。日米同盟をその中心に据えた形で、声明で台湾に言及することで、日本と一体で台湾情勢に関与する姿勢を鮮明にした。

 日本にとっても、沖縄県・尖閣諸島周辺への進出を強める中国への警戒感は強く、米国との同盟強化は喫緊の課題だった。声明で明記した日米安全保障条約第5条(米国の日本防衛義務)の尖閣への適用は日本の要望によるものだ。その一方で米側が強く求める台湾情勢への関与は応じざるを得なかったのが実情だ。

 だが、日本にとって隣国・中国とは経済面を中心につながりが深まっている。中国が「核心的利益」と位置づける台湾情勢に米国と足並みをそろえて関与を強めれば、中国を強く刺激し大きな影響を受けかねない。政府高官は「米国より中国に距離が近く、経済的な影響も大きい。日本がすべてで米国に同調できるわけではない」と漏らした。

 声明で盛り込まれた「両岸問題の平和的解決を促す」の文言は、05年と11年の2プラス2の「対話を通じた(台湾問題の)平和的解決を促す」の文言がベースだ。過去…

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中国が日本を「特別扱い」する理由とは

https://www.epochtimes.jp/p/2021/04/71704.html

『日中間の強い経済的な繋がりは日本の対中政策の足枷になっている。しかし、両国の経済が依存関係にあっても、それは双方向なものである。強いて言えば、中国の日本に対する依存度は、日本の中国に対する依存度よりも大きい。日本はこの問題を戦略的な観点から理解できれば、対中政策を大胆に転換させることが可能になる。

「日本の衰退」「失われた30年」「『日本は技術的には成功したが市場では失敗した』という呪縛から抜け出すには、日本は中国と協力するしかない」といった説が中国のメディアやネット上に氾濫しており、多くの人がそれを信じている。

しかし、これらは中国が意図的に仕組んだ精巧な嘘に過ぎない。中国当局の対日政策は、これとは違うものだ。

例えば、2016年に米国は最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」を韓国に配備することを決めた。その際、反発する中国は米国には何もしなかったが、韓国に経済的制裁を科した。

中国は、限韓令(韓流コンテンツ禁止令)、ロッテグループへのボイコット、旅行禁令などの制裁を通じて、文在寅(ムン・ジェイン)政権にサードの追加配備しないことを約束させ、妥協を引き出すことに成功した。

しかし、このケースと対照的な、別の物語もある。2017年12月、日本政府はミサイル攻撃への防衛のため陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基の導入を決定した。(2020年6月25日に配備計画の停止を正式に発表している)

ただ、韓国のサード配備と違って、日本は自主的に導入を決めた。中国は日本の動きを東アジアの戦略的バランスへの破壊だと批判したが、経済的制裁は日本に科していない。

なぜだろうか?

近年、中国は「戦狼外交」を展開し各国に牙をむいている。上述の韓国のケースに加え、今進行中の別のケースもある。中国の人権問題を批判し、国際社会で初めて中共ウイルス(新型コロナウイルス)の源の独自調査を率先して提案したオーストラリアに対して、中国は激しく打撃を加えている。

ならば、なぜ中国は日本だけを「特別扱い」するのだろうか。実際、中国は何も日本だけを特別視しているわけではない。中国はただ単に弱者に苦しみを与え、強者には媚びへつらっているだけである。つまり、日本に対する特別扱いは、熟考の末にそう選択せざるを得なかっただけである。

実際、1995年以降、日中関係は常に摩擦が絶えなかった。中国の対日政策の基本措置の一つは「政治と経済の分離」であり、政治的理由で両国間の経済協力を干渉しないことを常に強調してきた。その主な原因の一つは、中国が経済的に日本に依存しているからだ。

これはある意味、日本経済の強さを証明している。つまり、中国経済は共産党が宣伝しているほど強くないこと、そして日本経済は決して衰退しているわけではない、ということだ。

もちろん、日本経済には深刻な問題が存在している。しかし、中国経済は日本以上に致命的な欠陥を抱えている。現在の傾向が続けば、予見可能な将来において日本経済は、より良く発展する可能性があるが、しかし中国経済はいつでも崩壊する可能性がある。つまり、中長期的には、日中の経済的対比は、必ずしも中国が勝利するとは限らない。

1990年代に、日本のバブル経済が崩壊し、それ以来、日本は変革を求め困難な道を歩んできた。

日本の経済的付加価値は2000年以降、足踏み状態だが、世界範囲から見れば日本企業は各業界のコア技術をほぼ支配している。また先端技術の十数の分野において、日本は常にトップ3に入っていることだ。さらに、日本は科学技術業界では18年連続でノーベル賞受賞者を出している。

日本企業の収益規模は1980年代と比べれば、それほど変化していないかもしれないが、日本の技術力は着実に強くなり、またその底力も充実している。言い換えれば、過去20年は、日本経済がソフトランディングに成功した20年であり、また日本が経済変革を成し遂げ、産業をアップデートさせ、内なる強さを増強した20年だったとも言える。

この結論に関しては、日中貿易の観点からも検証できる。「2000~18年までの中国関連分野の公式データ」と「2019と20年の中国海関総署の関連データ」に基づいて分析を試みた。

2019年の日中貿易総額は前年比3.9%減の3150億ドルで、うち中国の対日輸出は1432.3億ドル、日本からの輸入は1717.6億ドル、貿易赤字は285.3億ドルとなっている。

2020年の日中貿易総額は前年比0.8%増の3175.38億ドルで、うち中国の対日輸出は1426.64億ドル、日本からの輸入は1748.74億ドル、貿易赤字は322.1億ドルである。

上のデータから次のことがわかる。

第一に、中国は10年以上にわたって日本最大の貿易相手国であるが、日中貿易は2011年に3429億ドルのピークに達した後、2012年に尖閣諸島問題をめぐって関係が悪化し、今も完全に回復していない。

第二に、2015年、中国の対日赤字が73億ドルに減少した後、徐々に増加し、2018年には335億ドルに達していることからも、中国の輸出能力が年々減少していることを示している。

中国が日本から輸入している商品をカテゴリー別に分析してみた。2018年のトップ5の輸入商品はそれぞれ、機械・電気機器および部品が852億ドル(47.2%)、精密化学製品(肥料、化粧品など)が203億ドル(11.2%)、車両・船舶などの輸送設備が187億ドル(10.4%)、光学・医療機器が165億ドル(9.1%)、ベースメタル製品(金属製機械など)は149億ドル(8.3%)となっている。

この5項目だけで全体のほぼ9割近くを占めている。全体的に見れば、いずれも科学技術系製品のパーツ、または精密生産設備となっている。

一方、日本が中国から輸入している主な商品は「機械・電気製品」「繊維品・原材料」「家具・玩具」などとなっており、2018年の輸入額はそれぞれ、789億ドル、218.8億ドル、107.5億ドルで、日本の中国からの輸入総額の45.5%、12.6%、6.2%を占めている。

また、日本は同時に「機械・電気製品」の輸入および輸出大国でもある。日本は技術的含量の高い精密機械・電気製品を多く輸出しているが、同時に中国から一部の低価格で技術的含量が少ない製品も輸入している。日本はそれを利用したり、または加工して輸出している。

この分析結果からも、中国よりも日本のほうが経済的・技術的な優位性を持っていることは明らかである。

長年にわたって、日中関係は常に摩擦が絶えないにもかかわらず、中国は経済技術協力の強化と「政治と経済の分離」を常に強調してきた。その意図は明白である。

中国の虫のいい計算によれば、全面的に日中関係と経済協力を強化すれば、少なくとも2つの利点があるとしている。

1つは、現段階で米国から入手できなくなったコア技術のほとんどを日本から得ることができる。

2つは、日中経済貿易協力を強化すれば、米国に圧力をかけることができる。(中国は、あらゆる手段を講じて日米同盟の仲を裂き、分離、弱体化させようとしている。そのため、中国は、日本が米国の影響力から抜け出したいと吹聴している)

中国の企みを日本は当然、理解している。日本はその備え持つ経済的、技術的優位性を生かして、また、外交においても、中国に効果的に対抗できると筆者は考える。外交分野についてまた別稿に譲る。

(大紀元日本ウェブ編集部)』

2020年までの日中貿易公式データの分析と日中関係

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:2020年までの日中貿易公式データの分析と日中関係
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/5253984.html

『中国税関総署が2021年4月13日発表した2021年1~3月の貿易統計(ドル建て)によると、過去の1~3月と比べて輸出入ともに過去最高となった。輸出はマスクやパソコン、ワクチンなど新型コロナウイルス関連がけん引した。輸入は資源のほか化粧品など最終製品も伸びた。新型コロナの打撃で落ち込んだ世界貿易の復調ぶりを映している。輸出は前年同期比49%増の7099億ドル(約77兆円)、輸入は28%増の5936億ドルだった。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は1163億ドルとなり、新型コロナの感染拡大で輸出が急減した前年の9倍に膨らんだ。

2019年の日中貿易総額は前年比3.9%減の3150億ドルで、うち中国の対日輸出は1432.3億ドル、日本からの輸入は1717.6億ドル、貿易赤字は285.3億ドルで、2020年の日中貿易総額は前年比0.8%増の3175.38億ドルで、うち中国の対日輸出は1426.64億ドル、日本からの輸入は1748.74億ドル、貿易赤字は322.1億ドルである。

FireShot Webpage Screenshot #356 – ‘【今日の学び】日中貿易これまで中国は10年以上にわたって日本最大の貿易相手国であるが、日中貿易は2011年に3429億ドルのピークに達した後、2012年に尖閣諸島問題をめぐって関係が悪化し、今も完全に回復していない。2015年、中国の対日赤字が73億ドルに減少した後、徐々に増加し、2018年には335億ドルに達していることからも、中国の輸出能力が年々減少している。参照記事

中国が日本から輸入している商品をカテゴリー別に分析すると、2018年のトップ5の輸入商品はそれぞれ、機械・電気機器および部品が852億ドル(47.2%)、精密化学製品(肥料、化粧品など)が203億ドル(11.2%)、車両・船舶などの輸送設備が187億ドル(10.4%)、光学・医療機器が165億ドル(9.1%)、ベースメタル製品(金属製機械など)は149億ドル(8.3%)となっている。この5項目だけで全体のほぼ9割近くを占めている。全体的に見れば、いずれも科学技術系製品のパーツ、または精密生産設備となっている。

一方、日本が中国から輸入している主な商品は「機械・電気製品」「繊維品・原材料」「家具・玩具」などとなっており、2018年の輸入額はそれぞれ、789億ドル、218.8億ドル、107.5億ドルで、日本の中国からの輸入総額の45.5%、12.6%、6.2%を占めている。また、日本は同時に「機械・電気製品」の輸入および輸出大国でもある。日本は技術的含量の高い精密機械・電気製品を多く輸出しているが、同時に中国から一部の低価格で技術的含量が少ない製品も輸入している。日本はそれを利用したり、または加工して輸出している。この分析結果からも、中国よりも日本のほうが経済的・技術的な優位性を持っていることは明らかである。

p1長年にわたって、日中関係は常に摩擦が絶えないにもかかわらず、中国は経済技術協力の強化と「政治と経済の分離」を常に強調してきた。その意図は明白で、中国の虫のいい計算によれば、全面的に日中関係と経済協力を強化すれば、少なくとも2つの利点があるとしている。1つは、現段階で米国から入手できなくなったコア技術のほとんどを日本から得ることができる。2つ目は、日中経済貿易協力を強化すれば、米国に圧力をかけることができる。(中国は、あらゆる手段を講じて日米同盟の仲を裂き、分離、弱体化させようとしている。そのため、中国は、日本が米国の影響力から抜け出したいと吹聴している)中国の企みを日本は当然、理解し、日本は備え持つ経済的、技術的優位性を生かして、また、外交においても、中国に効果的に対抗できると見ていると分析されている。

67fa28b3-s、、、、日中首脳会談が終わり、日米が共同で防衛上も中国へ対抗していくことが明確になったが、今のところ、中国は想像通りの対日非難に留まっているようだ。果たして中国は本音はどうなのか?少なくても日本が、自由主義陣営の中では中国より、はるかに信用度が高いと言う現実と、韓国の様には脅しが効かない事を再認識したのではないだろうか?

1990年代に、日本のバブル経済が崩壊し、それ以来、日本は変革を求め困難な道を歩み、日本の経済的付加価値は2000年以降足踏み状態だが、世界範囲から見れば日本企業は各業界のコア技術をほぼ支配している。また先端技術の十数の分野において、日本は常にトップ3に入っている。この事を中国が再認識したとしても、もう遅しである。

https _imgix-proxy.n8s.jp_DSKKZO7079077007042021PP8000-2確かに中国の「一帯一路」の決断と手腕はすごかったが、行き詰るのも早かった。危機感を持った日本はすでにクワッドやCPTPPの様な、国際的経済投資、貿易、防衛に於いて、あらたな関係を提言し構築した。参照記事

rcep右で日中韓自由貿易協定(FTA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、CPTPP(アジア太平洋地域における経済連携協定)で、CPTPPに対し、米国は保留中だが、英国が2021年1月に加盟申請を出し、台湾が2月に加盟申請を検討中と報道されている。この2カ国の動きが、特に台湾の動きが日米首脳会談の結果で加速される可能性があり、中国にとっては大きな節目となるのでは?日米首脳会談を終え、日本はこれから具体的な実施に突き進む。関ヶ原の戦いはこれからだ。 参照記事』

エジプトで列車脱線、11人死亡 カイロ近郊、100人負傷

https://this.kiji.is/756532751040757760?c=39546741839462401

『【カイロ共同】エジプトの首都カイロ近郊で18日、列車の車両4両が脱線し、保健省によると、18日夜までに死者が少なくとも11人、負傷者は約100人に上った。シシ大統領は原因究明を指示した。政府系紙アルアハラムが伝えた。

 列車はカイロから北部マンスーラに向かっていた。

 エジプトでは列車の事故がたびたび発生している。南部ソハーグ近郊でも3月26日、衝突事故があり、少なくとも18人が死亡した。』

菅首相を支える「秘密結社」にほころび 息を潜める派閥

菅首相を支える「秘密結社」にほころび 息を潜める派閥
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岡村夏樹、山下龍一

2021年4月18日 10時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP4K75DQP4GUTFK008.html?iref=com_rnavi_arank_nr02

『米大統領との会談に向けて日本を発った菅義偉首相の傍らに、自民党衆院議員の坂井学官房副長官の姿があった。

 内閣官房副長官は2人の政治家と1人の官僚経験者からなり、首相の政権運営を支える。とりわけ政務担当は首相外交への同行や、官邸と与党の連絡役としての重責を担う。

 首相側近としてこのポストを得た坂井氏が失態を演じたのは、4月1日のことだった。

 首相支持の自民党無派閥議員でつくる「ガネーシャの会」の面々が坂井氏の呼びかけで官邸に集まり、定例の会合を開いたのだ。コロナ感染防止策として、計13人が三つの部屋に分かれて弁当を食べ、マスク姿で意見交換したという。

 行政府のトップが執務する「公務」の場を、派閥的な活動に利用するのは異例中の異例だ。加藤勝信官房長官が厳重注意し、坂井氏ものちに陳謝したが、当初は記者団からの追及に「何が問題なのか」と応じるなど、質問の意図を理解できていない口ぶりだった。

 前代未聞の出来事に、与野党から批判が相次ぎ、首相に近い自民党の佐藤勉総務会長でさえ、「ひいきの引き倒しと見られてもしょうがない。私の政治生活で聞いたことがない。副長官としての認識を改めて頂くことが必要ではないか」と苦言を呈した。

首相が漏らしていた「一番信頼しているのは坂井だ」
 事実上初めて誕生した無派閥出…

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ログインして全文を読む』 https://digital.asahi.com/rd/lgck2.html?jumpUrl=https%3A%2F%2Fdigital.asahi.com%2Farticles%2FASP4K75DQP4GUTFK008.html%3F_requesturl%3Darticles%2FASP4K75DQP4GUTFK008.html%26pn%3D8

踏み込む日米、中国猛反発「台湾に手を出す意味考えよ」

踏み込む日米、中国猛反発「台湾に手を出す意味考えよ」
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北京=冨名腰隆 台北=石田耕一郎 北京=高田正幸

2021年4月18日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP4K71J7P4KUHBI02T.html

『日米首脳の共同声明に「台湾」が明記された。中国の台頭に強い危機感を抱く米国に引きずられるように、日本が足並みをそろえるとのメッセージを発信する形になった。人権侵害に示した「懸念」を含め、中国側は猛反発しており、関係諸国に与える今後の影響は、見通せない。

 「米日の発言はすでに二国間関係の正常な発展という範囲を完全に超えており、第三者の利益を損ない、地域国の相互理解と信頼を損ない、アジア太平洋の平和と安定を損なっている」。在米中国大使館の報道官は日米首脳会談を受けた談話を発表し、「強い不満と断固反対」を表明した。在日中国大使館も同様の談話で「台湾、新疆ウイグル自治区などの問題は中国内政であり干渉は許さない。日米が何を言っても、何をしても釣魚島(尖閣諸島の中国名)が中国に属する客観的事実は変えられない」と続いた。

 今回の会談で、中国が重く見るのが台湾への言及だ。建国以来、中台統一は共産党政権の悲願であり、歴代指導者の課題だった。とりわけ台湾海峡を隔てて台湾と向き合う福建省や浙江省で政治キャリアを積んだ習近平(シーチンピン)国家主席にとって、統一は「最大の使命」(党関係者)とも言える重要テーマだ。

 習氏は2015年、当時の馬英九(マーインチウ)総統と中台分断後初となる首脳会談に臨み、「一つの中国」原則を確認。翌年の総統選で中国と距離を置く民進党の蔡英文(ツァイインウェン)氏が当選した後も、19年の演説で包括的な台湾政策を打ち出し「一国二制度」の導入を正式に呼びかけた。台湾への武力的な圧力を強める現在でも、この方針は変更していない。

 それだけに習指導部にとって、日米が台湾情勢への関与を示した点は重い。特にこれまでの政治文書で「台湾は中国の不可分の領土」とする中国の立場に理解を示し、「専守防衛」の方針からも中台問題に深く関わってこなかった日本の変化に不満を抱いている。

 党機関紙・人民日報系の環球…

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残り:1581文字/全文:2392文字』

「台湾有事」と経済安保 米中新冷戦時代の新常態

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1403P0U1A410C2000000/

『日米首脳の共同声明に「台湾」が明記された。中国の台頭に強い危機感を抱く米国に引きずられるように、日本が足並みをそろえるとのメッセージを発信する形になった。人権侵害に示した「懸念」を含め、中国側は猛反発しており、関係諸国に与える今後の影響は、見通せない。

 「米日の発言はすでに二国間関係の正常な発展という範囲を完全に超えており、第三者の利益を損ない、地域国の相互理解と信頼を損ない、アジア太平洋の平和と安定を損なっている」。在米中国大使館の報道官は日米首脳会談を受けた談話を発表し、「強い不満と断固反対」を表明した。在日中国大使館も同様の談話で「台湾、新疆ウイグル自治区などの問題は中国内政であり干渉は許さない。日米が何を言っても、何をしても釣魚島(尖閣諸島の中国名)が中国に属する客観的事実は変えられない」と続いた。

 今回の会談で、中国が重く見るのが台湾への言及だ。建国以来、中台統一は共産党政権の悲願であり、歴代指導者の課題だった。とりわけ台湾海峡を隔てて台湾と向き合う福建省や浙江省で政治キャリアを積んだ習近平(シーチンピン)国家主席にとって、統一は「最大の使命」(党関係者)とも言える重要テーマだ。

 習氏は2015年、当時の馬英九(マーインチウ)総統と中台分断後初となる首脳会談に臨み、「一つの中国」原則を確認。翌年の総統選で中国と距離を置く民進党の蔡英文(ツァイインウェン)氏が当選した後も、19年の演説で包括的な台湾政策を打ち出し「一国二制度」の導入を正式に呼びかけた。台湾への武力的な圧力を強める現在でも、この方針は変更していない。

 それだけに習指導部にとって、日米が台湾情勢への関与を示した点は重い。特にこれまでの政治文書で「台湾は中国の不可分の領土」とする中国の立場に理解を示し、「専守防衛」の方針からも中台問題に深く関わってこなかった日本の変化に不満を抱いている。

 党機関紙・人民日報系の環球時…

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台湾海峡をめぐる「有事」の可能性が盛んに指摘され始めた。16日の日米首脳会談でも台湾海峡の平和と安定の重要性を確認した。

それでは実際に台湾有事が発生したら、日本の経済や社会にどのような事態が起こり得るのだろうか。

まず東シナ海や南シナ海で米中がにらみあい商業船の航行が難しくなる状況が考えられる。それが半年間続いたら……? 燃料や食料など様々な物資のサプライチェーンが断絶され日本経済は大混乱しかねない。

日本の石油備蓄は石油危機を経て約250日分を確保する。問題は発電燃料として需要が急増した液化天然ガス(LNG)。比率は約4割に達するが、超低温貯蔵が必要で長期在庫が持てない。輸入元もオーストラリアや東南アジア、中東など南シナ海経由に偏る。

航路を急きょ切り替えれば急場はしのげるが世界的にも物流の混乱が予想される。新型コロナウイルス禍でマスクの調達すらままならなかった日本にそんな芸当ができるのか。今年1月には厳冬で日本のLNG在庫が底をつきかけ「あわや停電」という状況に追い込まれた。スポット市場での緊急調達もできなかった。

日本の食料自給率は4割以下。米や小麦の備蓄は2~3カ月分あるが様々な食品で需給が逼迫し買い占めも起きかねない。日本の製造業は中国から東南アジアへサプライチェーンの分散を進めているが、南シナ海も「火薬庫」となるならばなお打撃は避けられない。中国や台湾の事業も継続が難しくなるかもしれない。

危機下に物資を確保するにはどんな手段があり、平時にどのように備えておくべきか。カナダのようにシーレーンの異なる国に貿易を分散した場合、コストはどの程度増大するのか。世界で台湾有事の可能性を議論している今こそ、国と企業が協力し、日本の経済や社会を維持するシナリオを構築する好機といえる。

「日本は戦略の立案や判断に際してエビデンス(裏付け)のある情報を重視するが、経済安全保障におけるインテリジェンスの考え方は違う」。ルール形成戦略研究所(CRS)所長を務める国分俊史多摩大院教授は強調する。「事実や臆測、噂も含めた情報を基に不透明な未来に判断を下すのがインテリジェンスだ」

CRSは最近、関係企業にある警告を出した。きっかけは半導体不足下にルネサスエレクトロニクスの工場で起きた火災だ。前提としてCRSは昨年から世界の重要工場で相次ぐ火災に留意していた。ネットには過電流でブレーカーに火災を起こす方法も出ていた。

そこでサイバーチームが分析したところ、実際に過電流の操作が可能だとわかった。これを受け、関係企業に工場のサイバー防衛を見直すよう注意喚起した。

荒唐無稽な陰謀論といってしまえばそれまでの話だが、CRSはそれをリスクを洗い出す起点とした。

国分氏は「政府のインテリジェンス部門と企業がこうした小さな変異を放置せずに情報共有し、調査し、データを蓄積していけば、新たにみえてくるものがあるかもしれない」と語る。

日本には危機を直視するのを歓迎しない風潮がある。最悪の事態を想定すればコストもかかり、様々な事業の実現性も低下する。

それでもかつては石油危機や食料安保が盛んに議論されたが、冷戦終結以降、危機を意識せずに生きていられる希少な時代に突入した。隣国が「一大生産地かつ巨大市場でありながらそれほど脅威ではない」という幸運に恵まれたためだ。

純粋に合理性、効率性のみを追求できた幸せな時代は過ぎ去った。非効率と共に生きる――。これが米中新冷戦時代の新常態となる。少なくとも福島第1原子力発電所の事故や新型コロナ禍で常に後手に回った過ちは二度と繰り返してはならない。(桃井裕理)

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中国、日米共同声明に反発 台湾や香港「内政問題」
防衛相「台湾の安定重要」 最西端の与那国島視察

中国、日米共同声明に「断固とした反対」表明 対日圧力強化へ

中国、日米共同声明に「断固とした反対」表明 対日圧力強化へ
2021年04月17日15時42分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041700412&g=int

『【北京時事】中国の在米大使館報道官は17日、「台湾」に言及した日米首脳共同声明に「強烈な不満と断固とした反対を表明する」との談話を発表した。習近平政権は、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況にも「深刻な懸念」を示した共同声明に反発しており、菅義偉政権に対し強硬な態度に転じる可能性がある。

 談話は「台湾、香港、新疆ウイグル自治区に関する問題は中国の内政であり、東・南シナ海は中国の領土主権に関わり、干渉は受け入れられない」と強調。沖縄県・尖閣諸島周辺や南シナ海への強引な海洋進出を含め、中国が関係する問題を幅広く取り上げた共同声明を「2国間関係の正常な発展の範囲を逸脱しており、第三国の利益や地域の相互理解と信任、アジア太平洋の平和と安定を損なう」と指弾した。

 また、「中国は国家主権、安全、発展の利益を確実に守る」と述べ、日米に対抗していく構えを示した。』

歴史的な寒波によりヨーロッパ各地で農産物に回復不能のカタストロフ的被害

歴史的な寒波によりヨーロッパ各地で農産物に回復不能のカタストロフ的被害。フランスではワイン用の作物のほとんどが失われ、スロベニアでは過去100年で4月として最低の気温を記録
投稿日:2021年4月14日
https://indeep.jp/catastrophic-damage-to-agricultural-products-across-europe-due-to-historic-cold/

『21世紀にも20世紀にも経験したことのない欧州の被害
先週書きました記事「4月に入り過去最大の感染確認数を記録する国が続出…」の冒頭で、ヨーロッパが「過去の歴史にないような 4月の寒波に見舞われる可能性がある」ことにふれました。

通常なら北極の上空を循環している極めて冷たい大気が、気圧の異常な配置により一気にヨーロッパに流れることによるものです。

その後、予測されていた寒波がヨーロッパにやってきたのですけれど、その気温の低さは桁外れであり、ヨーロッパ各地で、農産品や果樹などが徹底的に破壊されたことが報じられていました。

4月8日 イタリア・パラゼッタで凍結したリンゴの木を見つめる生産者

Piero Cruciatti AFP

国や地域によっては、過去数十年、あるいは過去 100年などで経験したことのない春の寒波であり、しかも「第二弾がこれから来る」のです。

これらの寒波は、今年のヨーロッパの食糧生産の状況に大きく関わるものとなりそうで、この数年少しずつ破壊され続けている世界の食糧の問題とも直結する話にもなりそうです。

今回はそのヨーロッパの寒波について取り上げます。

いろいろな国が被害を受けていると思われますが、フランスは特に大きな被害を受けたようです。ワイン用のブドウが地域的に「最大 90%が霜により破壊された」ことが報じられています。

以下は、4月11日のユーロニュースの報道です。

「歴史的な」厳寒の攻撃がフランスのワインメーカーの収穫を破壊した
‘Historic’ bout of frost decimates French winemakers’ harvest
euronews.com 2021/04/11

凍結からブドウ畑を守るためにワラに火をつける生産者。4月7日 フランス・トゥレーヌ

フランスの果物生産者たちとワインメーカーは、今年の収穫の大部分が今週の凍結で失われたと警告している。

フランス農業組合連盟(FNSEA)は以下のように強調した。

「今回の凍結で、ビート、アブラナ、オオムギ、ブドウの木、果樹などの被害を免れた地域はフランスにはありません。生産者たちに対してのあらゆる種類の支援を緊急に活性化する必要があります」

この週を通して、フランス中の生産者たちはたいまつとロウソクで畑で火を燃やすことによって、凍結から収穫を救おうとしたが、その努力は報われなかった。

ドロームとアルデーシュの南東部では、4月7日の夜に気温が -8°Cまで下がった。その前の週は、ヨーロッパは温暖な気温に恵まれていたため、たった 10日間で、この地域の気温は 33℃低下した。

地元のワインメーカーと果物生産者たちは、収穫量の約 90%を失ったとフランス農業組合連盟に報告した。

ローヌワインで知られるフランス南部のローヌのワイン生産者協会の会長であるフィリップ・ペラトン氏は、「今年は、過去 40年間で最低の収穫になるはずだ」と述べる。

ペラトン氏は、この地域の約 68,000ヘクタールのブドウ畑のうちの約「 80パーセントから 90パーセント」が凍結で失われたと推定している。

ペラトン氏は、昨年以来の、ブレグジット、アメリカの関税の問題、COVID-19 パンデミックなど、最近フランスのブドウとワインの生産者たちが対処しなければならなかった複数の問題を強調し、そのすべてが販売と輸出に圧力をかけていた。

ワインで著名な地域のひとつであるブルゴーニュには、28,841ヘクタールのブドウ畑があるが、「少なくとも 50パーセント以上の被害を受けた」と、地域の代表者は述べる。

この地域の権威あるシャブリの原産地も荒廃した。シャブリの原産地防衛連盟事務所のフレデリック・ゲグエン氏は、「 80から 90パーセント被害を受けた」と推定している。そして、ゲグエン氏は以下のように懸念している。

「今後回復する見込みのない農場があるのではないかと心配しています」

ブルゴーニュの南部も -8°Cの気温を記録した。

フランス南西部のボルドー地域のワインメーカーも警鐘を鳴らしている。

ボルドーワイン貿易評議会によると、凍結はボルドーのブドウ園の広大な地域を「激しく襲い」、気温が -5°Cを下回ることもあり、111,000ヘクタールのブドウ畑すべてに影響を及ぼした。これは、フランスのブドウ園の 15%に相当する。

ドルドーニュでは、有名なモンバジャックを含むベルジュラックとデュラスのブドウ園があるが、「被害を免れた生産者は一人もいない」と、地元のワイン連盟の会長であるエリック・チャドゥーン氏は述べる。「被害の程度はさまざまだが、芽の 5%から 100%が被害を受けている」と付け加えた。

フランスでは、他の果実も影響を受けており、リンゴとナシのフランス全国協会の会長は、寒波により「今年は桃、ネクタリン、アプリコットが店舗の棚に並ぶことはほとんどないだろう」と述べた。

フランス農業相は、この遅い時期の凍結の例外的な影響を受けた生産者たちに政府は「必要な支援を提供するために完全に動員されている」と述べている。

ここまでです。

「 2021年産のフランス産ワインというものは、ほぼ存在しない」ことが確定的になったようです。

被害を受けた生産者に対して、フランス政府からの補償はなされるようですが、補償はともかく「生産品自体がない」ということになり、ブドウをはじめとするフランス産の果樹全般が今年は流通する見込みはなさそうです。

フランスは、ワインの著名な生産国であるので、このような報道がなされていましたが、実際には「このような凍結と寒波がヨーロッパの広範囲を襲った」ということが問題であり、4月はさまざまな農作物の植え付けなども始まった時期であり、その被害はヨーロッパ全体に広がっているとみられます。

たとえば、他のヨーロッパでも以下のような状態となっていました。

ベルギーでは、ブリュッセルを含む多くの都市の住民が本物の猛吹雪を目撃した。ベルギーの一部の地域では、20cm以上の雪が振った。

バルカン半島もまた 「4月の真冬」を経験した。西ヨーロッパを襲った北極圏の大気は、さらに南東に広がり、ブルガリアとルーマニアの山々での 4月9日の夜、気温は -17°Cにまで下がった。 (iceagenow.info)

スロベニアでは、4月として、過去 100年で最も低い気温が記録されました。

4月7日、スロベニアの多くの地域は、過去 100年で最も寒い 4月の朝を向かえた。公式の気象観測所の記録で、最低気温は -20.6°Cに達し、観測史上で 4月で最も低い気温記録を樹立した。中央および西ヨーロッパの他の地域でも多数の極寒の記録があり、深い凍結と朝の霜は破壊的なものだった。

スロベニアでは、同日、レッジェ市にある気象観測所で -26.1°Cの気温が記録されたが、この観測所は非公式の気象観測であるため、公式な記録にはならない。

過去のスロベニアの公式の最低気温の記録は、1956年4月9日に標高約1350 m にあるポクルジュカで記録された -20.4°Cだった。 (severe-weather.eu)

以下は、そのスロベニアのノバ・バスという場所で -20.6℃が記録された時の、ヨーロッパの気温分布ですが、スペイン、ポルトガルやギリシャなどを除けば、ヨーロッパの全域とも言える地域が、極大の寒波にさらされていたことがわかります。

2021年4月7日のヨーロッパの最低気温の分布

severe-weather.eu

フランスの壊滅的な農産物の被害からですと、他のヨーロッパ諸国も、地域的には壊滅的な被害となっている場所もあると見られます。

しかも、「次の同じような寒波が今、ヨーロッパにやってきている」のです。

ヨーロッパの主要な気象メディア「シビア・ウェザー・ヨーロッパ」は、4月12日の記事で、またも前回の同じような地域に同じような凍結と寒波が襲う事を報じています。

長い記事ですので、その一部をご紹介します。

原文タイトルの最初に「 Oh no (オーノー)」という文字が含まれる記事でした。』

日米首脳会談へ…焦点は「中国」

https://news.yahoo.co.jp/articles/fdcbb9af5c88e72559a28705317a0d287592f125

『菅首相とバイデン大統領の日米首脳会談が、まもなく始まります。コロナワクチンや東京オリンピックなど気になることはいろいろありますが、一番の焦点は中国への対応です。ワシントンの山崎記者に聞きます。

    ◇

Q.中国をめぐってどのような話し合いになりそうですか?

注目の台湾問題については首脳会談の共同文書に「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記される見通しです。

台湾問題は中国がかねて、「核心的利益」と位置づけ最も重要で敏感な問題だとしています。

それだけに日本としては1972年の日中国交正常化以来、首脳会談の共同文書に台湾を明記することを避けてきました。

しかし、バイデン政権は台湾情勢に強い懸念を示していて、先月行われた日米の外務・防衛閣僚協議に続いて、今回の首脳会談でも共同文書に台湾を明記することを求めてきました。

日本の外務省内では、「閣僚と首脳の共同文書は重みが違う」として、共同文書には明記せず会見で台湾について発言する案などを検討していましたが、結局、アメリカ側に押し切られた形で明記することになりました。外務省幹部も「最後は政治判断だった」と話しています。

    ◇

Q.中国が反発していますが、今後の日中関係への影響は?

外務省幹部は「日米が毅然とした態度で発信する」と話しています。

ある政府関係者が「経済的な報復も十分考えられる。日系企業が多く進出しているので、どういう影響が出るのか」と懸念を示すなど、政府内には中国が何らかの報復措置に出るのは確実との見方が広がっています。

外務省幹部は「中国の反発を受けて態度を変える方がよくない。今後、海上保安庁の体制の拡充など、日本が具体的な行動をとれるかが重要だ」と指摘しています。

こうした中、菅首相はさきほど、ケネディ元駐日大使と朝食会を行いました。

ケネディ氏とは菅首相が官房長官時代から定期的に面会をする気心しれた関係で、首脳会談に臨むにあたり意見交換をしたものとみられます。

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日米首脳会談 半世紀ぶり“異例”の言及へ 』

緊迫高まる台湾問題、「対処措置はたくさんある」=日本自衛隊制服組トップ

https://www.epochtimes.jp/p/2021/04/71680.html

『インド外務省およびシンクタンクORFが開催する多国間フォーラム「ライシナ・ダイアローグ(Raisina Dialogue)2021」は13〜16日の日程でオンライン形式で行われた。緊迫が高まる台湾問題に対して、参加者の間で懸念が広がっている。

会議に参加した自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は15日、「台湾周辺で生じるいかなる不測の事態も日本の防衛に影響が出る」とし、「日本に対処措置はたくさんある」と述べた。

山崎幕僚長は、中国による台湾への嫌がらせについて、「東シナ海、尖閣諸島海域、台湾海域および南シナ海など、近年の日本周辺での中国(共産党)の行動は航行の自由の原則に違反している」と述べたうえ、「中国が今年から施行した『海警法』は国際法を弱体化させ、日本をはじめとする各国の利益を侵害し続けている」と指摘した。

また「中国による現状変更を試みるこれらの行動は非常に危険で、インド太平洋地域の不安定性をもたらすため、日本としては非常に懸念している。まったく容認できないことだ」と述べた。

さらに、中国は日本をはじめとするインド太平洋地域の国々の正当な利益を認めず、一方的に国際秩序を変え、地域の緊張を高めている」と中国側の行動を非難した。

「インド太平洋地域の安定のためには、ルールベースの秩序強化が必要だ。志を同じくする国々が協力しあい、(中共の)「グレーゾーン戦術」に反撃する必要があるため、日本は米、印、豪と協力している」と山崎幕僚長は述べた。

中国が台湾に対してどのような行動を取れば日本の「レッドライン」に触れるのかとの質問に対して、「台湾周辺で生じるいかなる不測の事態も日本の防衛に影響が出る」とし、「日本に対処措置はたくさんあるが、詳細は説明できない」と答えた。

同氏は、「台湾問題は中台自身で解決しなければならないが、日本もインド太平洋地域のメンバーとして、ルールに基づく国際秩序とインド太平洋地域の安定の維持に努めていく」としている。

山崎幸二統合幕僚長のほか、印国防参謀長ビピン・ラワット(Bipin Rawat)陸軍大将と豪国防軍司令官アンガス・キャンベル(Angus Campbell)陸軍大将、米ロッキード・マーティン社ティム・ケーヒル(Tim Cahill)上席副社長らも会議に出席した。

豪国防軍司令官のキャンベル氏は、「民主主義の時代では、衝突は最後の手段である」とし、「中台の将来は必ず平和的に解決されなければならない」と同国政府の立場を表明した。

キャンベル氏はまた、中国の「グレーゾーン戦術」が「領土を蚕食する」方法であると呼び、南シナ海で見られるそのような状況に対し、衝突せずに対応するのは、非常に困難だ」と明かした。

インド国防参謀長のラワット氏は、「私の(中国への)やり方に従え、さもなくば、他の方法はない」というメッセージを発し、世界秩序の再構築を試みる中国を批判した。

同氏はまた、「中国はハイテク技術の優位性を利用して、他の国を脅して、服従させようとしている」と指摘した。中国はネットを麻痺させたり、銀行、電力網、交通輸送、通信システムを崩壊させることが可能だとしている。

「中国は、インドがその技術的優位性の圧力に屈すると考えていたが、そうはならなかった。インドは(中国との)国境をしっかり守っている」と述べた。

(大紀元日本ウェブ編集部)』

首相「台湾海峡、平和解決を最優先」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA170EJ0X10C21A4000000/

『【ワシントン=重田俊介】訪米中の菅義偉首相は16日夜(日本時間17日午前)、台湾海峡や尖閣諸島をめぐる情勢について言及した。「厳しい状況が続いているのは事実だ。平和裏に解決することを最優先にしていく」と述べた。

「中国に対して言うべきことははっきり言っていく。地域の安定と平和に寄与していきたい」と強調した。ワシントンで記者団の質問に答えた。

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バイデン氏、対ロ強硬姿勢をアピール 首脳会談も探る

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN164YE0W1A410C2000000/

『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は15日の演説で、ロシアによる選挙介入やサイバー攻撃に対して追加制裁を警告した。対ロ強硬姿勢をアピールし、政権の理念である民主主義の防衛に向けて譲れない一線を明確にした。米ロ首脳会談も探り、決定的な対立を避けたい思惑が透ける。

バイデン氏は15日、ホワイトハウスで演説し「ロシアが我々の民主主義への介入を続けるのであれば追加の対抗措置の用意がある」と強調した。「それは大統領としての責務だ」とも語り、民主主義に反する選挙介入や武力による国境線の変更に断固として対抗する方針を示した。ロシアの対応次第では、15日公表した制裁にさらに追加する意向を示した発言だ。

これに先立ち、米財務省は15日、2020年11月の米大統領選での工作活動を理由にロシアなどの16個人・16団体に制裁を科した。工作活動を担う連邦保安局や軍参謀本部情報総局が関与する団体を制裁対象とした。財務省によると、連邦保安局とつながりのある団体が運営するサイト「サウスフロント」は大統領選後に選挙不正があったとの見方を拡散した。

ロシアが14年にウクライナ領クリミア半島を併合したことに関連しても、5個人・3団体を制裁対象に指定した。ロシア軍がウクライナとの国境付近に部隊を最近増強しており、新たな武力行使をけん制する効果を狙った。制裁対象の一部には欧州連合(EU)や英国、カナダ、オーストラリアも最近、制裁を科しており国際社会との協調も演出した。

バイデン氏は民主主義防衛という明確な政策目標を示し、そこから逸脱したロシアの行動に一貫して制裁を科している。ロシアとの融和姿勢が目立ったトランプ前大統領の方針から軌道修正している。

トランプ氏はロシアの選挙介入を一時否定した。クリミア併合についても当時のオバマ米大統領の弱腰姿勢が原因だとして、ロシアの責任を曖昧にすることがあった。こうした言動が議会やメディアから痛烈な批判を招き、結果的に対抗措置を発動したが「首尾一貫しないトランプ氏の姿勢がロシアに対する抑止力を弱めている」(元ホワイトハウス高官)との見方があった。

一方、バイデン氏は演説で「いまこそ緊張を緩和するときだ」とも訴えた。今夏に欧州で米ロ首脳会談を調整していると説明し、対話のシグナルを鮮明にした。核軍縮などを議論する「戦略的安定に向けた対話」を呼びかけ、イラン政策や北朝鮮政策、気候変動対策も協力分野にあげた。

米政府高官によると、バイデン氏は13日のロシアのプーチン大統領との電話協議で、制裁措置を講じることを通告した。米国の想定を超えてロシアが反発し米ロ対立が制御不能にならないよう配慮したものだ。

金融制裁では、米金融機関に対してロシアの中央銀行や財務省のルーブル建て新発債券の購入を禁じたが、発行済み債券の取引禁止には踏み込まなかった。国際的な決済ネットワークの国際銀行間通信協会(SWIFT)からの排除も見送った。市場では「想定の範囲内」として、制裁発表後にロシア国債は買われた。

ロシアとの決裂回避は米政権が最大の脅威とみなす中国への対抗を進めるうえでも必要だ。米国では「中国やロシアと同時に戦争はできない」(共和党関係者)との見方が多い。仮にロシアがウクライナへ再び侵攻すれば米軍は欧州で大幅な戦力増強が必要になる。

ロシアは新たな対ロ制裁を発表した米国への反発を強めている。外務省は「対抗措置をとる」と通告した。プーチン政権は米ロ関係が悪化するなかでウクライナとの緊張をあおり、バイデン米大統領の反応を探ってきた。バイデン氏が制裁強化で応じたことで、同氏が提案した首脳会談にむけて揺さぶりを強めることも予想される。

「しかるべき対抗措置が発動されるだろう」。米政権が新たな対ロ制裁を発表した15日、スルツキー下院外交委員長はこう警告した。

米ロ首脳は13日に電話でウクライナ情勢を協議したばかりだ。同国東部ではロシアが支援する親ロ派武装勢力との紛争が続き、ロシアが国境付近に軍を集めて緊張が高まっていた。バイデン氏が米ロ首脳会談を呼びかけ、ロシアが米国を対話の場に引き出すのに成功したと目された直後の追加制裁となった。

ロシアは制裁は「想定の範囲内」だと主張する。今回購入が禁じられたのはロシア財務省や中央銀行が新規に発行する債券だけが対象で、影響は限定的だとの指摘がある。ただ制裁の長期化で、外国からの直接投資は低迷し、経済は停滞している。

ロシアは対ロ制裁のさらなる強化を防ぐため、かねて米国との対話を探ってきた。米中対立が激しくなるなか、米国と対等な「大国」としてのロシアの存在感が薄れることへの警戒もある。米ロ首脳会談をにらみ、ロシアに歩み寄る必要性を認めさせようと、ウクライナ情勢で緊張緩和に応じない可能性も出てくる。

ロシアはバイデン政権の外交課題であるアフガニスタンやイラン情勢にも一定の影響力を持つ。プーチン氏は米国が22、23日に主催する気候変動に関するオンラインの首脳会合の招待を受けるかも明らかにしていない。米ロ首脳会談にむけて、駆け引きが一段と激しくなりそうだ。

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日米首脳 「台湾」有事へ協力探る 軍事挑発の中国抑止

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA155EY0V10C21A4000000/

『菅義偉首相とバイデン米大統領の16日午後(日本時間17日未明)の会談で台湾海峡の安定が主要議題の一つになる。北東アジアの軍事バランスは中国優位が鮮明になってきた。台湾で軍事的な挑発を続ける中国の抑止を念頭に、日本政府は有事に備えた米軍との協力のあり方を探る。

台湾は日本最西端の沖縄県与那国島から110キロ、同県尖閣諸島から170キロに位置する。不測の事態が起これば日本への影響は避けられない。…

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バイデン氏が就任後初めて対面で会談する相手に首相を選んだ背景には威圧的に振る舞う中国に近い日本の戦略的価値の高まりがある。

中国は台湾への威嚇を続ける。12日に中国軍の戦闘機など25機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入した。台湾国防部が中国機の動向を公表し始めてから最多だった。

台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は15日、訪台した米国のアーミテージ元国務副長官らと会談した。挑発行為の阻止へ米国と連携する考えを表明した。

アーミテージ氏は共和党のブッシュ政権(第43代)で国務副長官を務め、北東アジア情勢に精通する。民主党のバイデン氏が超党派で台湾問題に臨む姿勢を明確にした。

岸信夫防衛相は16日の記者会見で「台湾は地理的にも日本に非常に近い。台湾海峡の情勢を高い関心を持って注視したい」と述べた。

中国が台湾で力による現状変更の試みをエスカレートさせれば、尖閣周辺を含む東シナ海での領海侵入や軍事演習などを一段と活発化させる恐れがある。最近も実施している日米の訓練が中国の行動に歯止めをかけているとは言い難い。

台湾海峡を巡っては、1996年の中国のミサイル訓練を発端に中台の軍事的緊張が高まった。米政権が空母を派遣して危機が収まった当時と比較すると中台の軍事バランスは様変わりした。

96年時点で中台の国防費はほぼ同規模だった。2000年代に入ると、中国は経済成長をテコに急増させた。20年は公表ベースで中国が台湾の16倍を投じている。

各国が主力と位置づける「第4世代」以降の戦闘機や近代的な駆逐艦の保有数は00年時点で台湾が大きく優勢だった。足元では戦闘機、駆逐艦の数ともに中国が台湾の3倍に達する。

台湾で軍事的緊張が発生すれば米軍も最前線に立つ。中国軍とアジア前方に展開する米軍との戦力も開く一方だ。

米国は中国が台湾を射程に収める短距離弾道ミサイルを750~1500発保有すると分析する。95年には50発ほどしか持っていなかったとされる。中国は空母建造に動き、現在は2隻を保有する。米領グアムを射程に入れる中距離弾道ミサイルの増備も進める。

半導体の最大の生産地である台湾で有事が起きればサプライチェーン(供給網)が混乱し、電子機器や自動車の生産に支障をきたす。台湾への依存リスクも米政権が焦りを募らせる要因だ。

台湾有事に日本はどう対処するのか。15年に成立した安全保障関連法に基づき米軍を補助する役割を米国から要請される可能性がある。

政府は日本の安全を脅かす状況になった際は「重要影響事態」に認定する。自衛隊は米艦への補給など後方支援ができるようになる。

土屋貴裕京都先端科学大准教授は「シーレーン(海上交通路)の重要な場所にある台湾で緊張が長期化すれば、日本経済の大きな打撃になる」と話す。重要影響事態の認定はあり得ると見る。

米艦が攻撃を受けるなど危機の度合いが高まれば「存立危機事態」の認定も選択肢になる。安保法は日本と密接な関係にある他国が攻撃を受け、日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合と定める。集団的自衛権の限定的な行使ができる。

政府は14年に集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更をした際、具体的な対処事例を一つ示した。有事の際、危険地域から邦人を輸送する米艦を自衛隊が防護するケースだ。台湾有事でも排除はされない。

安保法成立後の17年には当時の小野寺五典防衛相が北朝鮮が米領グアムに向け撃ったミサイルの対処に言及した。存立危機事態に認定し、イージス艦で迎撃することは法的に可能だとの認識を示した。

政府は国会などで北朝鮮や中東のケースを中心に見解を示した。中国による台湾攻撃が現実になれば、重要影響事態や存立危機事態を迅速に認定できるか懸念が残る。土屋氏は「実務レベルや日米間のオペレーションの整理が必要だ」と語る。

(安全保障エディター 甲原潤之介)

GM、米にEV電池の第2工場 韓国LGと2500億円投資

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16E4C0W1A410C2000000/

『【ニューヨーク=中山修志】米ゼネラル・モーターズ(GM)は16日、米南部テネシー州に第2の車載電池工場を建設すると発表した。韓国・LGグループと合弁で約23億ドル(約2500億円)を投資し、2023年から電気自動車(EV)用のリチウムイオン電池を生産する。EVシフトへ電池の量産体制を整える。

新工場はLG化学の車載電池部門を引き継いだLGエナジーソリューションと折半出資で設立する。23億ドルの投資額は両社が米オハイオ州で建設中の電池工場とほぼ同じ規模。1300人を雇用し、LGとGMが共同開発したEV用リチウムイオン電池「アルティウム」を生産する。

生産能力は標準的なEVの60万台分に相当する30ギガワット時程度となる見通し。高級車ブランド「キャデラック」のEVを生産するテネシー州の完成車工場に電池を供給する。LGエナジーソリューションの金鐘現(キム・ジョンヒョン)社長は同日、「テネシーはEVと電池の重要拠点になる。研究開発から原材料の調達、生産までを担う強固で安定したサプライチェーン(供給網)を構築できる」とコメントした。

GMは25年末までに世界でEV30車種を発売し、うち約20車種を北米市場に投入する計画。米国に11ある完成車工場のうちテネシー州とミシガン州の3工場をEVの主力工場と位置づけ、22年以降の本格生産に向けて電池の供給体制も整える。

米国ではGMやフォード・モーターに加え、複数の新興メーカーがEV市場への参入計画を打ち出している。バイデン米大統領は2月、半導体などとともにEV向け電池のサプライチェーンの整備を命じる大統領令に署名した。韓国のSKイノベーションも南部ジョージア州で電池工場の建設計画を進めている。

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