チェコ中銀、外貨準備にビットコイン保有検討 FT報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29DWY0Z20C25A1000000/
『2025年1月30日 5:10 (2025年1月30日 6:39更新)
チェコ中銀は外貨準備でビットコインの購入を検討=ロイター
【ロンドン=大西康平】チェコ国立銀行(中央銀行)のアレシュ・ミフル総裁は29日、外貨準備として暗号資産(仮想通貨)のビットコインの保有を検討すると明らかにした。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
30日の理事会で外貨準備の多様化を目的として、ビットコインを購入する計画を提案する予定だ。理事会が承認すれば、外貨準備全体の1400億ユーロ(約22兆6000億円)相当のうち5%程度にあたる数十億ユーロを充てる可能性があるという。
チェコは欧州連合(EU)に加盟するが単一通貨のユーロ圏には入らず、チェコ中銀による独自の金融政策を手がける。
外貨準備は政府や中央銀行が保有する資産で、通貨を安定させるための為替介入や他国への債務返済などに充てる。主に国債などで構成する。政府は犯罪摘発の押収でビットコインを保有するケースはあるが、中央銀行が外貨準備として購入するのは珍しい。
FTの取材に対し、ミフル氏は2024年にビットコイン上場投資信託(ETF)の登場による投資家の関心の高まりや、米トランプ政権での規制緩和にも言及した。ビットコインの流通促進への期待が高まるなか「外貨準備のポートフォリオを多様化させるのにビットコインは適切だ」と語っている。
トランプ氏は、ビットコインを念頭にしたデジタル資産の国家備蓄の創設検討を大統領令に盛り込んだ。
世界の中央銀行の外貨準備は米ドル一極集中からの分散が進む。国際通貨基金(IMF)によると、中銀の外貨準備に占める米ドルの通貨別シェアは16年末の65%から24年6月に58%に下がった一方、人民元が1%から2%と徐々に増えている。
外貨準備の分散は22年のロシアによるウクライナ侵略が後押しした。日米欧は経済制裁としてロシア中銀のドル建てなどの外貨準備を凍結したためだ。中銀は特定の国と結びつかない「無国籍通貨」として金の保有を増やしており、チェコ中銀のビットコイン保有検討もその一環とみられる。
もっともビットコインは実物資産の裏付けを欠くために価格変動が大きく、急落するリスクもある。
これまで主要中銀はビットコインとは距離を置きつつ、中銀自身が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれる電子上の通貨の研究を進めてきた。
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