中庸という事の大事さ。偏りは幸せを生まない。
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『ロシアで7歳と11歳の兄弟が、「ウクライナに栄光あれ」と叫んだとして、近隣から密告が当局に入り、親が処罰されるという事件が起きましたね。中国では、相変わらず、自分の評価システムのポイントを上げる為に、授業中に教師の講義を録音して、日本を褒めたり、共産党の主張に疑問を呈するような事を言うと、速攻で通報されます。密告が評価される監視社会です。
なぜ密告が評価されるかと言うと、市民をお互いに監視させた方が、正当な後ろ盾の無い政権にとって、自身に害が及ぶのを防ぐ事ができるからです。エネルギーが社会よりも、極めて身近な周辺の些事に集中して、結果的に盲目的に政権に従うようになります。
これは、欧州の植民地政策に大いに採用されました。複数の部族が存在する地域を統治する場合、特定の民族を贔屓するわけです。何から何まで待遇に差を付けて、他の部族から羨まがらせるようにします。大概は、それまで少数であり、何かと存在を無視されがちだった部族を優遇します。
すると、優遇された部族は選民意識が生まれ、それ以外の部族には、その部族に対する憎悪が生まれます。本来は、無理やり植民地として統治してきた西洋人に向かう敵意が、現地人同士の紛争になって、憎悪の矛先がズレるのですね。
エネルギーが自分達に向かないので、結果として言いなりに植民地を操る事ができます。現在、アフリカ各地で、武力紛争が起きていますが、その種を撒きまくって、殺し合いが普通の社会を招いたのは、そもそも欧州の宗主国です。しかも、紛争が激化して、武力衝突が起きると、武器まで売って商売を始めました。今でこそ、「アフリカを救え」とか言ってますが、高値で武器を売りまくって、部族間闘争を煽っていたのは、他でもない欧州各国です。なので、彼らが、その後始末で、大量流入する難民の対策に苦慮するのは、因果応報でもあるのですね。
自己の政権に正統性が無いと自覚している国では、これを必ずやります。
ロシアには、選挙が一応ありますが、プーチン政権に楯突くような候補は、事前のチェックではねられますし、それでも立候補した場合、家族を含めて脅しが入ります。実際、命の危険を感じて、国外へ亡命した家族もいます。更には、毒殺や事故を装った暗殺で、対立候補自体を存在しなくします。なので、密告が盛んなのです。自分の得になる制度があれば、他者を蹴落として、用意された階段を駆け上がろうとする者は、必ずいます。ナチス・ドイツでも、密告は愛国行為でした。
そして、中国では、評価システムという形で、露骨に利益や不利益を個人が受けるので、あらゆる機会を捉えて、他人を密告して、それを踏み台に社会で有利な位置を確保しようとする人が出てきます。中国共産党は、そうする事で、共産党という何の正統性も無い政権を維持しているのです。
ちなみに、人民解放軍というのは、中国の国軍ではなくて、あくまで共産党の私兵軍隊です。なので、制圧の対象は、共産党に反抗する人民も含まれます。共産党を守る為に、人民に銃を向ける事は、その成り立ちからして、まったく矛盾していない存在です。
まぁ、こういう話をすると、「うぁー、独裁は恐ろしい。個人の権利を弾圧するなんて、なんて野蛮なんだ」という事になるのですが、逆に全振りすると、アメリカのカリフォルニア州みたいになります。「麻薬をやるやらないは、個人の自由だよね」「貧困者でも生きる権利はあるから、10万円までの窃盗は処罰する必要は無いよね」と、暴走するリベラルの為、警察が機能せず、犯罪天国になった結果、都市やカリフォルニア州自体から人が逃げ出しています。なにせ、ホームレスですら、危険を感じて、夜はサンフランシスコを離れて、郊外で野宿をして、昼に戻ってくるそうです。自家用車に鍵をかけておくと、車上荒らしが堂々とハンマーでウィンドウを割って物色するので、車内には何も置かず、鍵は開け放しにして、盗むものがないですよアピールをするのが、最大の防犯になっています。
ようは程度の問題なんで、一つの方向に全振りしたから、それだけ社会が良くなるものではないです。場合によっては、法制化なんかせず、道徳を高める事の方が大事な事もあります。法にするという事は、強制力が働くという事なので、法で守らないと社会が成立しないくらい、秩序が乱れる原因になったりします。法律が多いから、進んだ素晴らしい社会とイコールではありません。実は、法なんて無いほうが、大概の場合は幸せなのです。特に道徳を規定するような事を法制化すると、世の中が捻れて、衰退する原因になったりします。
結果として、「住みづらい崩壊した社会」というゴールにおいて、ロシアもアメリカも中国も、最も傾向が顕著な地域は、まるで三つ子かと思うくらい似てきます。その住みづらさの原因が違うだけで、ブレーキをかけずにアクセルを踏み抜いた結果、日々の生活すら脅かされる危険な社会になりつつあるという事です。
ちなみに、BLM運動(ブラック・ライブズ・マター)が拡大するキッカケになった、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官から暴行を受けて死亡した事件ですが、結果として事件で有名になった街で、警官の応募が無くなり、他所の署からも応援を拒否された結果、最後の警察署長が退職したので、今、警官がゼロの街が誕生しています。しばらくの間、保安官が職務を代行するらしいですが、先の事は判らないようです。一部界隈では、「勝利」なんでしょうが、法で取り締まる機関が無い街が、人々の自主的な道徳と規律で成立し続けられるのか見ものです。 』








