月: 2022年5月
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世界景気、物価高で減速 日米欧の成長下振れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA162T00W2A510C2000000/



『世界景気の減速懸念が強まっている。ロシアのウクライナ侵攻で拍車がかかる物価高が重荷となり、新型コロナウイルス禍からの回復シナリオは見直しを迫られる。日米欧とも1~3月の成長率が低下し、4~6月期以降の見通しも下方修正が相次ぐ。中国のゼロコロナ政策が供給網の混乱要因となり、米国の利上げが金融市場の火種になるリスクもくすぶる。
【関連記事】
・1~3月GDP1.0%減、2期ぶりマイナス コロナ制限響く
・米GDP予想外の1.4%減 需要健在、利上げ路線に影響薄コロナワクチンの普及や行動制限の緩和で各国経済は正常化が進んできた。2月のロシアによる侵攻は、その流れを断ちかねないショックだった。
主要国・地域の1~3月期の実質国内総生産(GDP)は回復の鈍化が鮮明になった。米国は感染拡大当初の2020年4~6月期以来、日本は2四半期ぶりのマイナス成長に沈んだ。ユーロ圏や中国も伸び率が縮んだ。
欧州最大の経済大国ドイツではロシアからのパイプラインを通じたガス輸送が全面的に止まる懸念が強まっている。無視できないのがドイツ経済を支える製造業だ。ガス輸入の3~4割をロシアに依存しており、化学や鉄鋼などは工場の生産停止に追い込まれかねない。
欧州委員会が16日公表した最新の経済見通しによると、ユーロ圏の22年の実質成長率は天然ガスの調達が不安定になった場合に2%以上押し下げられる。ドイツ銀行協会のゼービング会長(ドイツ銀行最高経営責任者)は4月、ロシアからのガス・石油の供給が止まれば「独経済は深刻な景気後退に陥る」との見方を示した。
かねて世界経済の不安要因と指摘されてきた中国のゼロコロナ政策のリスクも顕在化している。上海の都市封鎖(ロックダウン)で4月の中国の統計指標は軒並み悪化した。工業生産は前年同月比2.9%減り、社会消費品小売総額(小売売上高)は11.1%も落ち込んだ。
上海の封鎖が今後解除されても、ゼロコロナ政策が続く限り、感染状況次第で他の都市の封鎖に動く可能性は消えない。08年のリーマン危機の後に世界経済を支えた中国は今、むしろ波乱の種だ。
「世界の工場」である中国の変調は各国に波及する。トヨタ自動車は部品不足などで5月16~21日に国内8工場14ラインを停止し、5月の世界生産計画75万台から70万台程度に見直す。先進国の需要回復にもかかわらず、供給網の混乱から日本の鉱工業生産指数は19年の水準をなお下回る。
ロシアや中国に端を発する供給不安は、世界を覆う物価上昇圧力を高め、内需の柱の個人消費にブレーキをかける。経済協力開発機構(OECD)がまとめた4月の消費者信頼感指数を21年12月と比べると、英国が5.7ポイント低下するなど欧州の落ち込みが目立つ。
イングランド銀行(中央銀行)はインフレによって22年の家計の実質所得が前年より1.75%縮むと予測する。この通りなら統計を遡れる1964年以来で過去2番目の減少率になる。ベイリー総裁は「多くの市民とりわけ低所得層に困難をもたらす」と懸念する。
旺盛な需要がけん引する米景気もインフレが影を落とす。米ミシガン大学が13日発表した5月の消費者態度指数は前月比6.1ポイント下がり、10年9カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。米ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「消費者に明るい材料を見いだすのが難しい」と指摘する。
物価と金利の連鎖的な上昇はとりわけ住宅市場への逆風となる。米市場の9割を占める中古の販売件数は3月、前月比3%減の577万戸(年率換算)となった。厳しい移動制限で販売が急減していた20年6月以来の低水準となった。米抵当銀行協会(MBA)によると、新規購入向け住宅ローンの週間申請件数は前年同期比10%前後の減少で推移する。
コロナ後の経済の持ち直しの基調が崩れたわけではない。米ゴールドマン・サックスが14日まとめた4~6月期の米GDPの予測は前期比年率2.5%増。従来比0.4ポイントの下方修正ながら堅調な数字だ。
17日発表の4月の米小売売上高は前月比0.9%増と高インフレの下で4カ月連続で伸びた。セントルイス連銀のブラード総裁は「23年くらいまで消費は強い」とみる。本格的な景気悪化には至らないとの声が市場には多い。米失業率は足元で3.6%。半世紀ぶりの低水準だったコロナ前の3.5%に近づく。日本も4~6月期は行動制限緩和などでプラス成長に戻るとみられている。
今後の世界経済の回復シナリオを左右する大きな材料は米金融政策だ。米国が利上げを急げば緩和マネーの収縮ペースが速まり、金融市場の混乱要因になる。既に新興国の株価指数は22年に入って13%落ち込んでいる。ドル高が進むと、ドル建ての債務を抱える新興国や途上国の負担も増す。
インフレ下で景気の底割れを防ぐカギは国際協調だ。「我々は輸出に関するいかなる不当な制限措置もとらないようにする」。主要7カ国(G7)の農相は14日、食料価格の高騰をけん制する共同声明を採択した。
その陰で同日、インドが小麦の輸出停止を発表した。「国内の食料価格を抑制し、食料安全保障を強める」。先進国が中心の国際秩序は限界も透けてみえる。世界景気が安定した回復軌道に戻れるかはなお見通せない。
(ベルリン=南毅郎、ロンドン=篠崎健太、ニューヨーク=大島有美子、マクロ経済エディター 松尾洋平)
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
永浜利広のアバター 永浜利広 第一生命経済研究所 首席エコノミスト コメントメニュー
ひとこと解説
日米とも1-3月期はマイナス成長となりましたが、詳細を見ると、全く状況が異なります。
というのも、米国は個人消費をはじめ内需が旺盛な中で、外需や民間在庫の大幅押下げによりマイナス成長となっていることから、完全に需要が旺盛な中での供給不足によるマイナス成長です。
一方の日本は、行動制限で個人消費が低迷する中で民間在庫もプラス寄与となっていることから、完全に需要不足によるマイナス成長です。
こうしたことからすれば、景気過熱の米FRBが金融を引き締める一方で、景気低迷から日銀が金融緩和を続けることでドル高円安となるのは自然な結果といえるでしょう。
2022年5月19日 8:27 (2022年5月19日 8:28更新)
田中道昭のアバター
田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授
コメントメニューひとこと解説
世界全体のGDPの約4分の1を占める米国経済。
1-3期は前期比年率▲1.4%だった一方、その主因は輸入急増と輸出減少や民間在庫の伸び鈍化によるもの。
米国経済の約7割を占める個人消費は+2.7%、住宅投資も+2.1%と堅調でした。
その一方、4月までを含んだ今週の小売企業決算では消費鈍化を示す数値が頻発、昨日発表4月住宅着工・建設許可も減少に転じました。
同数値は景気先行指標です。ウォルマート決算でマクミロンCEOは(米国での景気指標である)ガソリンがガロン当り4ドルを超える状況では当社のワンストップ購買の優位性は高まると発言、実際には同社も原油価格高騰の影響を受けています。2Qがより懸念されます。
2022年5月19日 6:58 』
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雑報によると、イランで大規模な食糧暴動が発生中。
https://st2019.site/?p=19582『雑報によると、イランで大規模な食糧暴動が発生中。同国の食糧はウクライナとロシアから多く輸入されている。それが戦争で入らなくなり、穀物価格が騰貴している。』
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スリランカ、迫る債務不履行 国債利払い猶予期限に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1870N0Y2A510C2000000/※ おそらく、「債務の全容」が見えてこないんで、「返済計画」の立案の方策が立たないんだろう…。
※ 某国の「融資」は、そういう「秘密条項」が多いんで、当事者以外の第三者は、手の出しようがなくなる…。
※ 某国の「世界戦略」からすれば、かっこうの「見せしめ」だろうしな…。
※ 最後は、「国有資産(領土を含む)」の切り売り(貸し出し)か…。
※ ハンバントタが、それだったな…。
『【ムンバイ=花田亮輔】経済危機のスリランカがデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が強まっている。18日は一部国債の利払いの猶予期限だったが、支払いは確認されていない。支援を巡る国際通貨基金(IMF)などとの交渉は長期化するおそれがあり、現時点で支払いのメドは立っていない。
米格付け大手S&Pグローバルは4月下旬、スリランカの外貨建て国債の信用格付けを「部分的なデフォルト」にあたる「選択的デフォルト(SD)」に引き下げていた。スリランカは一部国債の利払いを期日の4月18日までに実施できなかった。30日間の猶予期間が設けられたが、S&Pは期間内の支払いは困難だとみていた。
ロイター通信によると、ウィクラマシンハ首相は16日の国民への演説で「今後の数カ月が人生で最も困難な時期になる」と述べた。財政立て直しに向けて、国営のスリランカ航空の売却なども検討しているという。
スリランカは慢性的な経常赤字に加え、新型コロナウイルスの発生によって外貨獲得の主要な手段である観光業低迷に直面した。4月末時点の外貨準備高は約18億ドル(約2300億円)と、19年末の76億ドルから大幅に減少している。
同国の対外債務は21年末時点で500億ドルを超えている。スリランカ財務省は4月中旬、IMFなどとの協議による経済再建策がまとまるまで債務の支払いを一時停止すると表明していた。IMFとの協議は現在も断続的に続いているが、具体的な支援策が早期にまとまる見通しはたっていない。
足元では輸入品を中心とした生活必需品の値上がりが国民生活を直撃している。4月のコロンボ消費者物価指数は前年同月比29.8%増という記録的な水準だった。政権への抗議デモが続き、政権支持者との衝突などによる死傷者も出ている。
政権の要職を親族で独占してきたゴタバヤ・ラジャパクサ大統領らへの批判が高まるなか、5月に入って兄のマヒンダ・ラジャパクサ首相が辞任した。ゴタバヤ氏は挙国一致内閣の設立を訴え、12日に野党の統一国民党(UNP)総裁のウィクラマシンハ氏を新首相に任命した。ラジャパクサ兄弟が親中派と目されてきたのに対し、ウィクラマシンハ氏は親インド・欧米派とされる。』
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米、途上国に食糧追加支援 国務長官「侵攻で危機悪化」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN190070Z10C22A5000000/『【ニューヨーク=白岩ひおな】ブリンケン米国務長官は18日にニューヨークの国連本部で開いた食糧安全保障に関する会合で、新興・途上国への食糧支援に追加で2億1500万ドル(約275億円)を投じると表明した。「プーチン大統領の選んだ戦争が危機を悪化させた」と述べ、ウクライナ侵攻に伴う穀物価格高騰に対する協力を各国に求めた。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、米国は穀物価格高騰の影響を受ける各国への食糧支援にこれまで23億ドル超を投じている。ブリンケン氏は「米議会が人道支援と食糧安全保障に向けた約55億ドルの追加支出をまもなく承認すると期待している」とも述べた。米国の肥料生産の強化へ5億ドルの拠出も予定する。
「穀物や肥料を大量に備蓄する国や資金力のある国は迅速に手を打つべきだ」と呼びかけた。有数の小麦生産国であるウクライナには「推定2200万トンの穀物が眠っている」と指摘した上で「陸路や海路で出荷できるよう、各国政府と国際機関が回廊の設置をロシアに強制すべきだ」とも述べた。
ロシアとウクライナは世界の小麦供給の3分の1を担っており、ウクライナ侵攻に伴い穀物価格や肥料価格が高騰している。小麦生産で世界2位のインドが国内価格の上昇で輸出の一時停止を決めたことで、価格高騰に拍車がかかる恐れもある。
グテレス国連事務総長は「輸出を制限してはならず、余剰分は最も必要とする人々に提供すべきだ」とクギを刺した。「ウクライナでの戦争で数千万人が食糧難に陥り、飢饉(ききん)など何年も続く危機に陥る可能性がある」と警告した。価格高騰がコメなど他の食品にも及び「何十億人もの人々に影響を与えうる」とも述べた。
19日には米国が5月の議長を務める安全保障理事会の会合を開き、食糧安全保障への影響と対応を議論する。ブリンケン氏は会合後にグテレス氏と会談し、ウクライナや周辺地域での人道支援などについて協議する。』
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グアテマラ大統領、米州首脳会議に欠席 米と政治対立
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1905Y0Z10C22A5000000/

『【メキシコシティ=清水孝輔】中米グアテマラのジャマテイ大統領は17日、米国が6月に開く米州首脳会議に出席しない考えを示した。ジャマテイ氏が再任したグアテマラの検事総長に対し、米政府が汚職疑惑を批判したのが理由だとみられる。グアテマラが欠席すれば移民問題をめぐる協議に影響が出る可能性がある。
ジャマテイ氏はグアテマラ国内で開かれたイベントに出席し、「米国は私をどうせ招待しないだろう。行くつもりはないと(米国側にメッセージを)送った」と述べた。米国務省は16日、グアテマラのコンスエロ・ポラス検事総長を汚職リストに加えて米国への入国を制限すると発表していた。
米税関・国境取締局(CBP)によると、2021年10月~22年4月にはグアテマラ出身の不法移民の拘束者が約13万4000人と全体の1割を占めた。メキシコ南部と国境を接するグアテマラは中南米出身の移民の経由地となっている。グアテマラが米州首脳会議に参加しなければ移民問題をめぐる議論に支障が出かねない。
米州首脳会議をめぐっては米政府高官が3日にキューバとニカラグア、ベネズエラを招待しない可能性に言及した。メキシコのロペスオブラドール大統領はこの発言を受け、全ての国が招待されなければ自身は出席しないと表明した。ホンジュラスとボリビアの大統領も一部の国の排除に反対している。
【関連記事】
・メキシコ大統領、米州首脳会議欠席も 一部国排除方針で
・米、中南米外交でジレンマ 制裁緩和も人権懸念消えず 』 -
コンティ、崩れた一枚岩 進化するサイバー攻撃に備えを
サイバーカオス 解明コンティ・識者に聞く①
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC16CAU0W2A510C2000000/※ 『「ウクライナ人、または同国に親和的な内部メンバーが一定以上おり、反発の強さは幹部陣にも想定外だったとみられる。それでも反発はやまず、大規模な漏洩につながった」』…。
※ ということで、図らずもウクライナ事態が、内部亀裂を呼び、今回のデータ漏洩につながった…、という話しだ…。
※ 『「過去には攻撃ソフトを第三者に提供する『ランサムウエア・アズ・ア・サービス(RaaS)』の協力者が報酬に反発し、攻撃マニュアルを漏洩したこともあった。組織の大規模化や多国籍化に伴い、こうした内部分裂によるリークが増えることも予測される」』…。
※ 『ランサムウエア・アズ・ア・サービス(RaaS)』とか、イヤハヤ…な話しだ…。
※ ただ、そうなってくると、「報酬」の決め方で揉めることになる…。「金融」関係、「組織管理」関係の「貢献」は、「定量」的には決められないからな…。※ これが、初期の「技術者集団」だったら、それこそ「書いたコードの行数」とかで、決まったりしてたんだろう…。
※ 基本、「ジョブ型」で行くとして、最後にはどうしても、「定性的な評価」の問題が残ってしまう…。
※ 日本企業が「苦しんでいる」のと、同じ構図だな…。
『日本経済新聞は世界最大級のサイバー攻撃集団「Conti(コンティ)」の漏洩データから知られざる活動実態を分析した。ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)で得た巨額の収益を元に、多様な人材を採用し組織を拡大し、各国の端末の脆弱性を標的としていることがわかった。ロシア政府とのつながりも垣間見えた。データから読み取れる活動や脅威について識者に聞いた。
初回は三井物産セキュアディレクション(東京・中央)の吉川孝志上級マルウェア解析技術者に、コンティの漏洩データの分析を聞いた。
――コンティからチャット履歴などが漏洩したのはなぜですか。
「コンティ幹部が内部の結束力を見誤ったのが原因だ。ウクライナ侵攻でコンティがロシアを支持する声明を出したが、当初は『ロシア政府を全面的に支持する』と強いメッセージだった。だが、『我々はいかなる政府とも手を結んでいない』とすぐに書き換えられた」
三井物産セキュアディレクションの吉川孝志上級マルウェア解析技術者「ウクライナ人、または同国に親和的な内部メンバーが一定以上おり、反発の強さは幹部陣にも想定外だったとみられる。それでも反発はやまず、大規模な漏洩につながった」
――チャットから何を読み解けますか。
「組織図や攻撃計画、各メンバーの情報に加え、休日申請が認められたと喜び合う投稿など一般企業さながらのコミュニケーションも見て取れる。参加メンバー同士の意見が衝突して『部署』の異動を求めたり、下位メンバーが上司の不満を漏らしたりと、コンティが必ずしも一枚岩ではないことも分かった。膨張した半面、幹部陣が組織全体を制御しきれていない実態も浮き彫りになった」
――コンティの活動は今後どうなりますか。
「チャットの漏洩直後にはメンバー同士で混乱し、疑心暗鬼になっている会話もみられた。マルウエアのソースコード(設計図)が流出したのが大きい。攻撃グループにとって最も貴重な機密の一つであるためだ」
「別の大手集団がコンティの人材を雇う動きもあった。その後は淡々と新たな被害組織への声明を更新し続けている。高度に組織化された攻撃集団のしぶとさを示している」
――今回の漏洩はサイバー脅威情勢にどう影響しますか。
「過去には攻撃ソフトを第三者に提供する『ランサムウエア・アズ・ア・サービス(RaaS)』の協力者が報酬に反発し、攻撃マニュアルを漏洩したこともあった。組織の大規模化や多国籍化に伴い、こうした内部分裂によるリークが増えることも予測される」
「ただ大手のランサム集団が停止しても、後継の集団や一部メンバーによる新たな集団が生まれるのが常だ。研究と分析を続け、進化し続ける攻撃手法への備えが求められる」
(聞き手はサイバーセキュリティーエディター 岩沢明信)
吉川孝志(よしかわ・たかし) マルウエアの検知技術に関する米国および国内の特許を複数発明。サイバー犯罪の摘発や被害の未然予防など警察機関への協力も行っている。主にマルウエアに関する解析や情報発信を中心に活動
【サイバーカオス 解明コンティ関連記事】
・世界最大級サイバー攻撃集団 「身代金」で100億円奪取
・まるで会社、渉外・調査部も 仮想組織でサイバー攻撃
・報酬月2000ドル・週休2日…サイバー攻撃人材の獲得実態
・ランサムウエア標的、日本2万台 脆弱性対応世界に後れ
・サイバー攻撃の「パナマ文書」、ロシア政府との関係示唆 』 -
米S&P、ESG指数からテスラを除外 マスクCEOは猛反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18ENN0Y2A510C2000000/『【シリコンバレー=白石武志】米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズがESG(環境・社会・企業統治)スコアの高い300社超の米企業で構成する株価指数「S&P500 ESG指数」から電気自動車(EV)大手の米テスラを除外したことが明らかになった。
従業員による人種差別被害の訴えや、米当局の事故調査への対応などを問題視した。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「ESGはとんでもない詐欺だ」と猛反発している。
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは毎年この時期にESG指数の構成銘柄を入れ替えている。シニア・ディレクターのマーガレット・ドーン氏は17日付のブログ投稿でESG指数の評価方法について「サステナビリティー(持続可能性)を重視する投資家の変化する意見に対応することが重要だ」と述べた。
同氏はテスラを除外した具体的な要因として、米西部カリフォルニア州のEV工場における人種差別や劣悪な労働環境に対するクレームや、テスラ車が運転支援システムの作動中に起こした死傷事故を調査する米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)への対応を挙げた。
こうした事案がリスクと判断され、ESGスコアにマイナスの影響を及ぼしたと説明した。
マスク氏は18日、ツイッターに「テスラはどんな企業よりも環境のために多くのことを行っているにもかかわらず!」と投稿し、ESG指数の構成銘柄からの除外に驚きを示した。
同社と入れ替わりに石油・ガス会社5社が追加されたとのツイートに「正気でない」と返信し、「ESGはインチキ社会正義の戦士によって武器にされている」と批判した。
テスラは工場内における組織的な人種差別があった疑いで、カリフォルニア州の人権保護機関である公正雇用住宅局(DFEH)から2月に訴えを起こされた。テスラは事実に基づかないとして争う構えを示している。
NHTSAは2018年以降に運転支援システムの作動中に複数の衝突事故が報告されたとして、21年にテスラの正式な調査に乗り出している。
ESGスコアは投資家が企業のESG活動の良しあしを判断する材料の一つとなる一方で、重視する項目や判断の根拠となる情報源の違いによって評価機関ごとのばらつきが大きい。
注目企業であるテスラの有力株価指数からの除外は、ESGスコアの算定のあり方をめぐる議論にも一石を投じる可能性がある。
【関連記事】
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・米テスラは真っ二つ ESGスコアの正しい読み方多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
柯 隆のアバター 柯 隆 東京財団政策研究所 主席研究員 コメントメニュー
ひとこと解説
奇想天外な経営者だから何が起きて意外ではない。
彼の発想力を評価するが、彼のビジネスを評価できない。
一般的に日本人は環境を大切にする傾向が強いと思われているが、日本では、テスラの車はほとんど走っていない。
技術が発明されてから普及するまで、技術を完成させる期間が必要である。EVの将来を否定しないが、今はまだ道半ばにある。
こういう新興企業が時代の寵児にされがちだが、彗星のように去ってしまう会社は歴史的に多い。個人的に落ち着いて見守りたい。道教の教えでは、不変を以てあらゆる変化に対応していく、ということである
2022年5月19日 7:38
滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
コメントメニューひとこと解説
ESGをめぐりもうひとつ注目記事が日経の朝刊に。「米銀総会、『環境提案』否決相次ぐ」です。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220519&ng=DGKKZO60903440Y2A510C2EE9000
JPモルガン・チェースなど大手5行の今年の株主総会で、化石燃料企業への新規融資停止を求める株主提案が相次ぎ否決されたというのです。しかも提案への賛成率は10%台どまり。ロシアのウクライナへの侵攻で深刻化したエネルギー危機で、大手機関投資家の支持が広がらなかったことが、大きな潮流変化をもたらしました。
環境問題が重要なのは確かであるにせよ、専制主義国家の台頭や安全保障への脅威にどう対処するかという難問と無縁ではありません。
その解を示せないESGは限界を露呈しています。環境にフリーライドしたテスラもまた。
2022年5月19日 8:02 (2022年5月19日 8:15更新) 』
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消える緩衝地帯、膨らむ負担 北欧2カ国がNATO加盟申請
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1866T0Y2A510C2000000/『フィンランドとスウェーデンが18日、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)への加盟を正式に申請した。NATOにとっては北方の守りを固めるうえで重要な意味を持つが、ロシアと接する境界が約2倍に増えることで有事の衝突リスクも高まる。膨らむ国防費をどう捻出していくかも課題となる。
「歴史的な瞬間だ。この機を逃してはならない」。北欧2カ国の加盟申請セレモニーでNATOのストルテンベルグ事務総長は述べた。ロシアのウクライナ侵攻で欧州の安全保障環境が揺らぐなか、冷戦後に東方へ拡大してきたNATOは北方にも拡大する。
フィンランド(左)とスウェーデン(右)のNATO大使から、加盟申請を受けたストルテンベルグ事務総長(18日)=ロイター
フィンランドのニーニスト大統領とスウェーデンのアンデション首相は19日、NATO盟主の米国を訪問し、バイデン大統領と会談する。手続き期間中の安全保障について協議するとみられる。
北欧2カ国の加盟はNATOにとって軍事作戦上の利点がある。バルト海に面する両国が加われば、ロシアの飛び地カリーニングラードを拠点とするロシアのバルト艦隊への圧力を強められる。
ロシア本土とカリーニングラード、ベラルーシに囲まれたバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の安全保障にも資する。
もっとも、ロシアとの国境が約1300キロメートルにも及ぶフィンランドの加盟が実現すれば、NATOが接するロシアとの境界線は現在の約2倍に達する。NATOとロシアを隔てていた「緩衝地帯」がなくなることで、両陣営が直接対峙する構図が強まる。
北大西洋条約の第5条は、NATO加盟国が武力攻撃を受けた場合、全加盟国に対する攻撃とみなして反撃する集団的自衛権を明記する。加盟国への攻撃に対する抑止力になる一方、加盟国と第三国の間に偶発的な衝突があれば、地域紛争が各国を巻き込む事態にエスカレートする可能性もある。
国際法を無視してロシアがウクライナ侵攻を続けるなか、NATO加盟各国が財政支出を増やして、軍備を厚くすることも求められる。
NATOは2024年までに各加盟国の国防費を国内総生産(GDP)の2%以上とする目標を掲げるが、NATO資料によると21年時点で条件を満たしたのは米国や英国、ポーランドなど8カ国にとどまる。
フランスのマクロン大統領は4月の大統領選公約で国防費増を掲げた。ドイツのショルツ首相も早期に2%以上とする考えを示している。とはいえ、新型コロナウイルス禍で講じた大規模な経済対策が財政を圧迫するなかで大幅な増額は容易ではなさそうだ。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、21年時点のフィンランドとスウェーデンの国防費のGDP比は2.0%と1.3%だった。
両国の加盟交渉の期間は数週間程度とみられるが、その後既存の加盟30カ国が批准する必要がある。両国の加盟については加盟国のトルコが慎重な姿勢を示している。加盟までは数カ月かかる可能性がある。
(竹内弘文)
【関連記事】
・フィンランドとスウェーデン、NATOに加盟申請
・北欧、対ロシア最前線に 「時代終わった」中立と決別多様な観点からニュースを考える
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上野泰也のアバター 上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト コメントメニュー
別の視点
トルコの反対姿勢が予想以上に強硬で、北欧2か国のNATO加盟時期は見えていない。
NATOは18日に両国の加盟申請をうけて理事会を開いたが、「テロ組織支援」姿勢を理由にトルコが反対し、加盟交渉開始を決定できなかった。
クルド人の反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」のメンバーや、ギュレン運動(16年のトルコでのクーデター未遂事件に関与か)支持者をかくまっていると、エルドアン大統領は非難。
また、トルコがシリアに侵攻したことに対し、両国は19年に対トルコ武器禁輸を実施している。エルドアン大統領は交渉の結果、何らかの果実を得たいだけなのか。それとも、絶対拒否の姿勢なのか。現時点で見きわめはつかない。
2022年5月19日 8:03 』
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日本郵船、ロシアの自動車陸送事業から撤退へ
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC16CT60W2A510C2000000/『日本郵船がロシア国内での自動車陸送事業から撤退する方向で調整に入った。現地に生産拠点を持つ自動車メーカーの生産停止で輸送需要が減少し、事業継続が難しいと判断した。欧米企業で先行していたロシアからの事業撤退の動きが、日本企業でも今後広がる可能性もある。
現地の関係先などとの調整を進め、情勢を見極めながら早ければ数カ月以内に撤退する方針だ。現在はロシアでわずかに輸送を続けているが、ウクライナ侵攻に伴いロシアでの自動車生産の停止が長期化していることや、送金などが難しくなっていることが響く。
ロシアの自動車陸送事業はモスクワに本社を置く子会社NYKオート・ロジスティクスを通じて手掛けている。前身はロシアの完成車輸入販売最大手であるROLFグループ傘下の物流会社で、日本郵船は2012年に51%を出資。20年に同社を完全子会社化し、トレーラーや鉄道による完成車の内陸輸送や荷役などの港湾オペレーションを担ってきた。
ロシアでの輸送実績は21年度で約18万台。現地市場の新車販売台数の1割に相当する。撤退では現地企業への売却などを視野に入れる。現地生産している日本車メーカーなどはロシアによるウクライナ侵攻後に操業を停止していることもあり、日本郵船が撤退しても影響は少ないとみられる。
日本郵船の自動車陸送事業におけるロシアが占める割合は15%程度で、インドや中国では事業を継続する。同社は海運事業なども含めてロシアでの新規投資を当面の間、停止する方針だ。
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