※ 久々で、「メタンハイドレート」の話しを聞いた…。
※ 過去の投稿から、再掲する…。
























※ ということで、「潜在的な有望エネルギー資源」であることは、確かだ…。
※ しかし、これまでは、到底「採算ベース」に乗せることは、難しかろう…、ということだった…。
※ だが、「温暖化対策」「脱炭素」「グリーン・エネルギー」ということで、風向きが少し変わってきた…。
※ 政策の優先順位が、違ってきた…。ドンドン、予算も投入される流れとなってきたようだ…。
※ 久々で、「メタンハイドレート」の話しを聞いた…。
※ 過去の投稿から、再掲する…。
























※ ということで、「潜在的な有望エネルギー資源」であることは、確かだ…。
※ しかし、これまでは、到底「採算ベース」に乗せることは、難しかろう…、ということだった…。
※ だが、「温暖化対策」「脱炭素」「グリーン・エネルギー」ということで、風向きが少し変わってきた…。
※ 政策の優先順位が、違ってきた…。ドンドン、予算も投入される流れとなってきたようだ…。
三井海洋開発、「燃える氷」の採掘技術 国産水素原料に
21年度に掘削実験 脱炭素に活用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ03E020T00C21A3000000/



『三井海洋開発は水素の原料となるメタンを海底から採掘する技術を開発する。日本近海の比較的浅い海底の表層部に眠るメタンが近年確認されたことを受け、石油などを海底から効率的に吸い上げる自社技術を応用する。現在、水素の調達は輸入した天然ガス由来などが一般的だ。日本近海に豊富にあるメタンを活用すれば、水素の安定確保にもつながりそうだ。
政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素…
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政府が目標とする2050年までの温暖化ガス排出「実質ゼロ」には、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素が重要になる。
三井海洋開発は他社に先駆けて21年度に掘削実験に着手する。開発するのは海底でメタンと水分子が結びついた氷状の物質「メタンハイドレート」の採掘技術。1立方メートルから約160立方メートルのメタンガスを取り出せ、さらにメタンを分解すれば水素を生み出せる。
メタンハイドレートは天然ガスの原料として調査が進んでいたが、政府は2月の検討会で水素やアンモニアの原料として活用することにも言及した。従来は水深1000メートル程度の海底からさらに数百メートル掘ったところにある「砂層型」の研究開発が進んできた。近年になって比較的陸上に近く、浅い海底にたまる「表層型」の調査も進んでいるが、採掘技術が確立されていなかった。
両タイプとも商業利用は実現していない。このうち、三井海洋開発は表層型の採掘技術の実用化を目指す。メタンハイドレートを削った後に吸い上げてメタンガスを取り出し、海底パイプラインで陸上の基地に送り出す。
同社は石油などを掘削するために海上に設ける浮体式生産設備の世界大手。海底近くの石油や天然ガスが自噴する力をいかし、効率的に吸い上げるノウハウを持つ。メタンハイドレートも海面に近づくにつれて徐々に気化するため、培った技術を応用できるとみる。
三井海洋開発は試験機を開発し、産業技術総合研究所のプロジェクトに採択された。21年度内に北海道北見市で北見工業大学とメタンハイドレートを模した、縦横約3メートル、高さ2メートルの氷柱を使い、陸上での掘削実験を始める。
技術開発後は設備の販売などをめざす。浮体式設備の1基あたりの受注額は数百億円にのぼる見通しだ。
足元では水素の原料としては輸入に頼る天然ガスなどが多くを占め、水素原料の安定確保や価格面が課題だった。日本近海に眠るメタンハイドレートを活用できれば地政学リスクを避けながら、水素原料を調達できる。メタンハイドレートは燃やした場合に排出されるCO2が石炭や石油よりも3割ほど少ないといった利点もある。
政府は水素の導入量を50年に2000万トン程度に拡大する方針だ。そのためには価格を現状の1立方メートルあたり100円程度から、将来は20円に引き下げる必要があるとしている。メタンハイドレートについても一定の産出規模を確保し、輸入した液化天然ガス(LNG)と比べて価格面でも対抗できる水準を目指す。
三井海洋開発は採掘設備の建設や陸上までの輸送コストを含めれば、水素の調達コストは海外産を下回り、政府目標の達成に貢献できる可能性があるとみている。
水素原料の確保に向け、他のエンジニアリング会社も動く。メタンハイドレートの掘削技術の開発には三菱重工業傘下の三菱造船も乗り出している。海洋から海底鉱物を掘削する技術を応用し、掘り出したメタンハイドレートを分離装置を使って船に吸い上げる。
三井海洋開発などには新たな収益源を育てる狙いもある。主力の船舶や海洋構造物は新型コロナウイルス禍によるエネルギー需要の減少や中韓勢との競争の激化で事業環境が悪化している。脱炭素の流れで石油関連の採掘プロジェクトも減る可能性があるなか、次世代資源の開発に活路を見いだす考えだ。(西岡杏)
▼メタンハイドレート メタンと水分が結びついた氷状の物質で、「燃える氷」とも呼ばれる。天然資源が乏しい日本と国内のエネルギー需要が増え続ける中国などが技術開発を進める。「表層型」は上越沖の1カ所だけでもメタンガス換算約6億立方メートルと、日本の天然ガス消費量の約2日分の埋蔵が確認されている。同様の地質構造は日本海側を中心にほかにも1742カ所ある。
http://blog.livedoor.jp/adachihayao/
『2021年3月13日 土曜日 晴れ
昨日は新宝塚オープン参加,後半雨,今日も水素と風力発電の記事が出ている,水素はエネルギー問題にとっては一種の麻薬ですね,NHKも報道していたが,日本企業と豪州の褐炭が協力して,日本へクリーンな水素を供給するという,どの報道にも,褐炭から出る炭酸ガスの始末は,一言もなし,
中国の石油企業が2050年までに6千万トンの水素を製造する,これも放出される炭素には一言も触れていない,6千万トンというと日本の計画の3倍,2兆KWhに匹敵するが,中国の一次エネルギー消費量は30兆KWh,日本の7倍以上であるから,水素では殆ど温暖化問題に貢献できない,
水素を論ずるときには,必ずその製法を論じてほしい,どこかに矛盾があり,まさにエネルギー問題に於ける麻薬の観がある,JERAが60万KWの洋上風力計画を発表している,63機と言うから単機1万KWに近い最大級,ただ洋上風力の場合,年間発電時間は2500時間程度であることに注意』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04E9D0U1A300C2000000/
『【カイロ=久門武史】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は4日、現行の協調減産を4月もほぼ維持すると決めた。サウジアラビアは大規模な自主減産を続ける。ニューヨーク市場の原油先物は同日、一時1バレル64ドル台と前日比6%上昇し、1年2カ月ぶりの高値をつけた。
OPECプラスの閣僚は4日のオンライン協議後の声明で「4月に3月の生産水準を継続することを承認した」と表明した。そのうえで、例外としてロシアとカザフスタンにはそれぞれ日量13万バレル、2万バレルの減産縮小を季節要因を理由に認めるとした。
OPECプラスは3月、合わせて日量705万バレルの減産に取り組んでいる。毎月段階的に減産幅を縮めており、4月は50万バレル縮小するとの観測が出ていた。5月の協調減産については4月に協議する。
一方、OPECの盟主を自任するサウジは2~3月としていた日量100万バレルの独自の追加減産を4月も続けるとした。例外扱いするロシアなどの減産縮小分を上回る大規模な自主減産で、過剰在庫の取り崩しが進むとの見方が広がった。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、原油相場は需要回復への期待から上昇してきた。このためロシアなどは減産の緩和に前向きだ。ただサウジのアブドルアジズ・エネルギー相は閣僚協議で「改めて慎重さと警戒を促す」と述べ、産油国の油断を戒めた。自主減産の終了について判断を急がない考えも示した。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE2710N0X20C21A2000000/
『日本政府は米軍によるシリアの親イラン武装勢力への空爆を受け、明確な立場を示さない見通しだ。米国が「防御的だ」と主張し規模が限定的なのに加え、イランと友好関係を保つ背景もあり、当面は静観する。
茂木敏充外相は26日の記者会見で「高い緊張感を持って注視している。関係国と緊密に連携しつつ地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けて外交努力を継続していきたい」と述べた。
27日も岸信夫防衛相が都内で記者団に「情勢…
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27日も岸信夫防衛相が都内で記者団に「情勢を注視する」と語った。同日時点で政府としての声明などは出ていない。
英国のラーブ外相は米国の行動を支持すると自身のツイッターで表明した。フランスは声明で支持を打ち出した。
過去に米軍が中東で空爆に踏み切った際には日本は米国への「理解」や「決意を支持」との表現でメッセージを発したこともあった。
2017年4月に米軍がシリアを攻撃した際は数時間後に国家安全保障会議(NSC)を開いて情勢分析をしたうえで、当時の安倍晋三首相が「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を支持する」と言明した。
米国の行動は「事態の深刻化を防ぐための措置だと理解している」と言及した。18年4月に米国、英国、フランスがシリアを攻撃した際も「決意を支持」との表現だった。いずれもアサド政権が化学兵器を使用したとされることに対する措置だった。
日本政府は今回は性質が異なると分析する。イラクにある米国関連施設に対するロケット弾攻撃への報復の側面が強い。米国は「防御的な精密攻撃だ」と主張する。
2国間の駆け引きでもあり「化学兵器の使用が疑われたアサド政権への攻撃とは違う」と政府高官は語る。
イランとは歴史的に関係が深く立場を鮮明にしにくい事情もある。
トランプ前政権時代の20年1月に米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した時も「支持」などの立場を明確にしなかった。米軍の攻撃の根拠が定まらなかったのも理由の一つだった。
当時首相の安倍氏は緊張が高まる状況でも中東訪問を予定通り実施して緊張緩和を周辺国に呼びかけた。
菅義偉首相は現時点で中東情勢に積極的に関与する姿勢は見せていない。新型コロナウイルスなど国内の対応に追われているのも影響する。
一方で米国はトランプ政権からバイデン政権に代わりイランと直接対話をする構えだ。そうなれば日本が間に立つ必要性が薄れる。
三菱総研の中川浩一主席研究員は「日本は石油の輸入の9割近くを中東に依存している。米国、イランなどと直接ハイレベルでやりとりして、日本の国益に関わる問題だというメッセージをもっと強く発信すべきだ」と提起する。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2704B0X20C21A2000000/
※ 今日は、こんなところで…。
『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコの国営石油会社ペメックスが26日発表した2020年12月期決算は、最終損益が4809億6600万ペソ(約2兆4千億円)の赤字(前の期は3479億1100万ペソの赤字)となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外の経済が停滞して販売が大幅に減った。
売上高は32%減の9537億3000万ペソだった。内訳は国内販売が38%減、輸出は24%減となった。
輸出した原油の平均販売価格は1バレルあたり35.82ドルと、前の期を36%下回った。10~12月期は41.29ドルで前年同期より約2割低い水準だった。
20年12月末時点の負債総額は2兆2587億ペソと、1年前から14%増えた。財務体質の悪化は深刻で政府による減税などの支援を受けているが、改善への道筋は明確になっていない。
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国内最大級の水素製造プラント 伊藤忠、仏大手と提携
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ186ZE0Y1A210C2000000/


『産業ガス世界大手の仏エア・リキードと伊藤忠商事は2020年代半ばに、世界最大級の液化水素製造プラントを中部地方に設置する。液化天然ガス(LNG)から製造する方式を採るとみられ、現状よりも価格を抑えながら燃料電池車(FCV)など向けに供給する。世界が水素活用の取り組みを加速する中、普及のカギを握る水素生産の体制作りが国内で本格化してきた。
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政府は50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする戦略の中で、水素…
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政府は50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする戦略の中で、水素を有力な脱炭素エネルギーと位置づけている。同戦略では30年に年間最大300万トンの水素供給を掲げており、実現に向けた供給整備が課題になっている。現状、日本で供給される水素の大半は産業用途の圧縮水素だが、大量輸送が可能なことなどからエネルギー利用は液化水素が今後の本命技術で、エア・リキードと伊藤忠の連合も液化に対応する。
このほど日本での水素供給網の構築を巡る戦略的協業の覚書を結んだ。新プラントが生産する1日あたりの液化水素はFCV4万2000台分をフル充填できる約30トンを想定。現在、国内での液化水素は岩谷産業を中心に1日約44トン程度が生産されており、これに匹敵する規模となる。
投資額はエア・リキードが米ネバダ州で約200億円を投じて建設している世界最大級の液化水素プラントと同等規模になる見通しだ。水素の製造方法はLNGを水素と二酸化炭素(CO2)に分解する方式を軸に検討する。製造段階で発生するCO2は回収し、飲料品向けの発泡剤やドライアイスなど工業用途で外部に販売する。
セ氏0度、1気圧、湿度0%の基準状態での体積をノルマル立方メートルと呼ぶが、1ノルマル立方メートルの水素単価が足元で100円程度なのに対し、政府は30年に3分の1以下となる30円の水準とすることをめざしている。
大規模設備で水素普及の壁となっているコストを削減する。現在、LNGからつくる液化水素はCO2の回収費用も含めて1キログラムあたり1100円前後の最終価格で企業間取引がされている。水素を用いた発電コストを電力換算(1キロワット時)すると約52円と一般電力の約2倍する。エア・リキードなどは1000円以下での提供を目指す。
水素の供給先は国内にある自動車向けの水素ステーションを見込む。20年12月時点で国内の水素ステーションは137カ所あるが、政府は30年に900カ所に引き上げる方針だ。現在FCVの国内保有台数は4000台程度だが、伊藤忠ではトラックなど商用車を含めたFCV市場が膨らむと想定し水素供給のビジネスを強化する。
火力発電や製鉄業界に対しても水素の利用を促していく。石油化学業界など工業向けとあわせエア・リキードと連携して販路を開拓する。
水素普及で先行する欧州連合(EU)は20年7月に「水素戦略」を公表した。EUはCO2を発生させないように再生可能エネルギーを使って水を電気分解し水素を得る「グリーン水素」に注力している。30年にグリーン水素だけで1000万トンの導入を目指す。1キログラムあたり300~700円で製造できるとされる。
日本でも福島県に再生エネを活用して水素を製造する世界最大級の設備があるが、再生エネのコストが高い日本で欧州並みを実現するには時間がかかる。当面は化石燃料由来の製造法で水素普及を急ぐ。
エア・リキードは水素製造では独リンデなどと並ぶ世界大手。20年12月期の連結純利益は3100億円、売上高は2兆6000億円だった。水素ステーションでも世界に存在する約500カ所のうち約120カ所を設置している。日本国内でも13カ所を運営し、22年中に4カ所を新設する。
カーボンゼロ
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Environment/Climate-Change/Itochu-and-France-s-Air-Liquide-to-build-giant-hydrogen-plant?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia
「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH242K60U1A220C2000000/
『サウジアラビアの元石油相で、産油国の石油戦略を主導したアハマド・ザキ・ヤマニ氏がロンドンで死去した。
Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。
1973年10月、エジプトとシリアがイスラエルを奇襲攻撃して第4次中東戦争が始まった。これにあわせて、サウジなど中東産油国が原油の公式販売価格を引き上げ、アラブの敵対国には禁輸を打ち出したことで、世界中にパニックが広がった。パレスチナを…
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パレスチナを解放する「アラブの大義」のために、石油を武器に使ったのである。
第1次石油危機を招いた戦略の中心にいたのがヤマニ元石油相だ。ただ、ヤマニ氏の評価すべき点はむしろ石油危機後にある。
ガランとした紙、洗剤売り場で買いだめをする人たち(1973年12月)
70年代から80年代初めの2度の石油危機を経て、産油国が石油を戦略商品として使う弊害が表れた。消費国はサウジなど中東産油国が主導する石油輸出国機構(OPEC)への依存を敬遠し、北海やメキシコ、米アラスカなどOPEC以外の産油量が増えた。石油以外へのエネルギー転換や省エネも進んだ。
ヤマニ氏は83年、「値下げは唯一の方法である」と発言し、原油価格の引き下げを初めて決断する。OPECの変遷を見続けてきた帝京平成大学の須藤繁教授は「ヤマニ氏は人為的な石油価格引き上げは消費国の石油離れを招く。石油資源の最後の一滴まで有効利用することがサウジの国益にかなうとの認識に立ち、市場安定を重視する路線の礎を築いた」と指摘する。
代償も大きかった。「逆オイルショック」といわれる80年代の供給過剰と原油価格の低迷の局面で、市場の調整役(スイングプロデューサー)を自任するサウジは率先して減産を繰り返した結果、ピーク時に日量1000万バレルを超えていた生産量は同300万バレルを切る水準まで落ち込んだ。石油収入に頼るサウジの財政は打撃を受けた。
20年以上にわたり石油政策を担ってきたヤマニ氏は86年、事実上この責任を取る形で、「ねぎらいの言葉もなく、更迭ともとれるやり方」(須藤教授)で解任された。
サウジでは石油は国家運営の最重要部門であるために、司令塔となる石油相には石油と市場を熟知する非王族のテクノクラートがついてきた。ヤマニ氏は第3代国王であるファイサル国王に重用され、その下で手腕を振るったが、国王は75年に暗殺される。その後の国王とそりがあわなかったとの見方もある。
サウジのヤマニ元石油相(1982年)=ロイター
ヤマニ氏は2009年7月、日本経済新聞のインタビューで「石器時代は石がなくなったから終わったのではない。(青銅器や鉄など)石器に代わる新しい技術が生まれたから終わった。石油も同じだ」と語った。
「ヤマニの箴言(しんげん)」の通り、今日、速度を上げる脱炭素のうねりはエネルギー秩序を崩し、石油の富を享受してきた産油国に対応を迫っている。変革の先にどのような世界が待っているのか。それを見ることなく「石油の巨人」は去った。
水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保
編集委員 松尾博文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH16AJ20W1A210C2000000/


『自動車の大衆化に道を開いた「T型フォード」が米国で発売されたのは1908年。同じ年、ペルシャ湾の奥深く、現在のイラン南西部のマスジェデ・スレイマンで中東最初の油田がみつかった。
第1次世界大戦に向かう情勢緊迫の折、石炭から石油へ艦艇の燃料転換を急ぐ英国政府はアングロペルシャ石油(後のBP)を買収してこの油田を管理下に置いた。
以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入れ…
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以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入れた。供給地としての中東は20世紀を通してエネルギー地政学の中心にあった。
日本も例外ではない。田中角栄元首相の懐刀として列島改造論を支えた元通商産業(現経済産業)次官の小長啓一氏は「中東産の安い原油にいち早くアクセスし、臨海部の製油所や石油化学コンプレックス(コンビナート)に運び込む体制を政官民一体で整えたことが工業化の原動力になった」と指摘する。
カーボンゼロはこの前提を覆す。石油・天然ガス部門を手放し、風力発電へ事業の軸足を移したデンマークの政府系エネルギー会社オーステッドの時価総額は、日量260万バレルの石油・天然ガス生産量を持つBPに迫る。
保有する地下資源の多寡はもはや力の源泉ではない。左右するのは脱炭素の技術を支配する力だ。勝敗は気候変動問題の行方にとどまらない。企業の競争力、ひいては国力を左右する。技術革新をいち早くなし遂げた者が飛躍を手にし、遅れれば存亡の機を迎える。
担い手は違う世界から現れる。電気自動車(EV)を手掛ける米テスラの時価総額はトヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)など、世界の主要自動車メーカーを合わせた規模を上回る。
T型フォードは市中から馬車を駆逐した。テスラのEV「モデル3」がガソリン車を駆逐する現代のT型フォードとなるのかどうか、結論を出すのは早いかもしれない。しかしイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は二酸化炭素(CO2)の回収技術を競う競技会に賞金1億ドル(約105億円)を提供すると表明した。車載電池からCO2回収まで脱炭素技術を根っこから押さえにかかる。
米アップルがEV生産を探り、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)も自動車大手と提携しEVの製造販売に乗り出す。異業種が脱炭素で結びつき、社会・産業構造を変える。
日本にためらう余裕などない。ただし変革の土台はカーボンゼロのエネルギー供給と利用が前提だ。経済産業省は50年の電源構成に占める太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を50~60%とする参考数値を審議会で示した。
なぜ50~60%なのか。議論の余地はあるだろう。しかし再生エネで電力をすべて賄えないならば、選択肢は原子力を使うか、水素やアンモニアなど燃焼させてもCO2を出さない脱炭素燃料を使うか、化石燃料を使いながら排出するCO2を集めて処理するかだ。
仮に電力をすべてカーボンゼロにできても、電力では代替が難しいエネルギー用途がある。たとえば製鉄だ。生産の主流である高炉法では鉄鉱石の還元に石炭(コークス)を使うために大量のCO2が出る。スクラップを原料に使う電炉に変えても、鉄鋼需要の純増分は鉄鉱石に頼らざるを得ない。
石炭の代わりに水素を還元に使う技術が脱炭素の切り札とされる。日本鉄鋼連盟によれば足元の年間8千万トン前後の銑鉄生産には水素700万トン(約800億立方メートル)が要る。現在の水素価格は1立方メートルあたり100円程度。政府の水素戦略は長期で20円に引き下げる目標を掲げる。石炭から置き換えるには8円を切る必要があり「大量の水素を安価に安定的に確保する体制」(日本鉄鋼連盟の小野透特別顧問)が欠かせない。
脱炭素に寄与する水素のつくり方は2つある。再生エネを使って水を電気分解して取り出すのが一つ。石油や石炭など化石燃料から水素を取り出し、残るCO2を回収して地中に戻したり、工業原料に再利用したりするCCUS(CO2の回収・利用・貯留)技術と組み合わせるのがもう一つだ。
福島県浪江町に世界最大級の能力を持つ電気分解装置がある。ここで東京ドーム5つ分の敷地の施設を使ってできる水素は定格運転で年間約900トンだ。鉄鋼業界が必要とする量やコストは現実と「桁が違う」(製鉄会社幹部)。
またCO2の地中埋設の技術が確立できても、日本周辺に埋めることができる適地がどの程度あるのかとなると話は別だ。これを見極める必要がある。
化学やセメントの生産も高温の熱を使う。発電や燃料電池自動車も水素をあてにする。国内で需要を満たす水素が入手できず、CO2を埋める場所もないなら、海外に求めるしかない。
安定した風が吹き、日射量が豊かで広大な土地がある国、またはCO2を埋める地下構造がある国が候補となる。すなわち脱炭素時代の資源国が出現する。中東やオーストラリアで広大な土地をいかした水素生産やCO2を埋め戻す場所の獲得競争が始まっている。
脱炭素の前途に控えるのは水素の争奪戦だ。日本も資源国との関係や輸送路の安全、貿易ルールの整備など安定確保のための資源戦略が欠かせない。脱炭素時代にエネルギー安全保障の重要性は軽減されるどころか増すのである。
ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
松尾博文(まつお・ひろふみ)1989年日本経済新聞社入社。エネルギーや商社、機械・プラントなどの業界や経済産業省、外務省などを取材。イラン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)の3カ国に駐在した。現在は編集委員兼論説委員。エネルギー問題、インフラ輸出、中東・アフリカ情勢などを担当。
豪州で相次ぐ製油所の閉鎖、中国の「メガ製油所」脅威に
エネルギー安保と脱炭素 両立険しく 商品部 山本裕二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODJ163OH0W1A210C2000000/
※ 今日は、こんなところで…。
『オーストラリアで製油所閉鎖が加速している。中国や中東で大量に石油製品をつくれる「メガ製油所」の新設が相次ぎ、豪州の製油所は価格競争力の面で太刀打ちできないためだ。石油製品の輸入依存度が高まりエネルギー安全保障の議論も活発になっている。脱炭素の流れから、国内の製油所新設は難しくジレンマに陥っている。
「(石油精製をやめて)石油製品の輸入基地への転換がベストな選択と判断した」。BPオーストラリアは20…
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BPオーストラリアは2020年10月末に豪州西部のクイナナ製油所を6カ月以内に閉鎖し、輸入基地にすると発表した。同製油所は65年の歴史に幕を閉じ、雇用人数は650人から60人程度に減る。
これに続き米エクソンモービルも今年2月10日にビクトリア州のアルトナ製油所を閉鎖する方針を発表。国内の製油所は約20年前の8カ所から2カ所に減る見込みで、そのうちの1カ所も停止を検討している。政府は製油所維持のために支援金の提供を決めたが、閉鎖の流れは止まらなかった。
豪州はガソリンや軽油を多く輸入しており、今後さらに海外依存度が高くなる。19年の石油製品の輸入量は日量63万8千バレル程度と国内需要の6割に達する。精製停止で20年7月~21年6月の輸入量は78万5千バレルに増えるとの試算もある。
相次ぐ閉鎖の背景には中国や中東での大規模かつ輸出志向の「メガ製油所」新設により、豪州産の石油製品の競争力低下があるうえ、新型コロナウイルス禍による需要減も追い打ちをかけた。世界的な脱炭素の流れで、天然ガスや石炭の一大生産地である豪州も、水素事業の推進など施策を打ち出している。
国際エネルギー機関(IEA)によると中国の石油精製能力は19~25年にかけて日量180万バレル、中東は同160万バレル増える見込み。米国の増加幅(同70万バレル)を大きく上回る。世界での石油製品のシェアは中国で4%、中東で30%に達する見通しだ。中国は21年にアジア地域でのシェアは50%を超え、この比率は一段と高まる見通し。
「メガ製油所」の脅威により、国内の製油所が淘汰されるのは豪州にとどまらない。IEAは米国など先進国の製油所は市場のシェアを失い続け、30年にはそのうち約14%が低稼働や閉鎖のリスクに直面するとみている。日本でも石油元売りENEOSは1月14日に根岸製油所(横浜市)の一部装置を22年10月をめどに廃止すると発表した。国際競争の激化や新型コロナによる需要減を受けて廃止を決めたという。
豪州では「外国によって燃料輸送が中断されたら、軽油などを使う国防軍をどのように運営するのか」との疑問も浮上し、懸念は安全保障にも及んでいる。コロナ発生源の調査をめぐり豪州は、石油製品の調達先である中国との関係が悪化。すでに食肉などの貿易が一部停止している。世界的な脱炭素の流れから、製油所は将来、「座礁資産」になる恐れもあり巨額な投資は難しい。
石油製品の貿易について「中国にとって豪州への石油製品の輸出は利益が多いため制限しないだろう」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の李智雄チーフエコノミスト)との声もある。電気自動車(EV)など電動車に移行するまでの間、ガソリン、ディーゼル車に依存せざるを得ない。同様のケースは世界でも今後増えそうで、先行して淘汰が進む豪州の次の一手が注目されている。