ウクライナ最新戦況マップ8.14 ロ軍、6集団で作戦実行
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA150EF0V10C22A8000000/
『米シンクタンクの戦争研究所によると、ウクライナに侵攻するロシア軍はおおむね6つのグループに分かれて作戦を実行しているもようだ。戦争研はロシア軍がウクライナ東部バフムートやシベルスクへの侵攻を優先しているとみている。ロシア軍は14日もドネツク州などでの地上作戦を続けた。』
ウクライナ最新戦況マップ8.14 ロ軍、6集団で作戦実行
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA150EF0V10C22A8000000/
『米シンクタンクの戦争研究所によると、ウクライナに侵攻するロシア軍はおおむね6つのグループに分かれて作戦を実行しているもようだ。戦争研はロシア軍がウクライナ東部バフムートやシベルスクへの侵攻を優先しているとみている。ロシア軍は14日もドネツク州などでの地上作戦を続けた。』
ウクライナ最新戦況マップ8.15 ロ軍内部で戦闘拒否も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA160I00W2A810C2000000/
『米シンクタンクの戦争研究所によると、ウクライナ東部の一部を実効支配する親ロシア派「ルガンスク人民共和国」の兵士がドネツク州での戦闘を拒否しているとの情報がある。戦争研はロシア軍内部の分断が深まっている表れとみる。ロシア軍は15日、スラビャンスクやシベルスク、バフムートなどの周辺で地上作戦を続けた。』
NY原油、一時86ドル台 中国景気懸念で2月以来の安値
米指標悪化も需要に不透明感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15BC40V10C22A8000000/
『【ヒューストン=花房良祐】ニューヨーク市場で15日、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物相場が前週末に比べて一時5%以上安い1バレル86ドル台となり、2月上旬以来の低水準となった。中国人民銀行(中央銀行)が金融調節の金利を引き下げたことなどで景気の先行き不安が高まった。米国の景気指標も悪化したことで原油需要に不透明感が漂っている。
終値は89.41ドルだった。中国人民銀行は15日、市中銀行に1年間資金を融通する中期貸出制度の金利を引き下げた。市場では景気下支えのため事実上の政策金利の引き下げに踏み切るとの観測が強まった。同日発表の7月の小売売上高や工業生産高もふるわなかった。
ロイター通信によると、同国の7月の原油処理量は2020年3月以来の低い水準。国有の製油所が計画外の停止をしたほか、独立系も生産量を減らした。新型コロナウイルス禍でロックダウン(都市封鎖)したことなどで景気が減速。世界最大の原油輸入国である中国の需要の弱さが意識された。
米国経済の先行きにも慎重な見方が台頭している。15日発表のニューヨーク連銀の製造業景況指数が大きく悪化し、事前予想を下回った。落ち込み幅は新型コロナウイルス禍が景気を直撃した20年4月に次ぐ規模だった。
供給は底堅いとの観測が強まったことも下落圧力につながった。
イラン核開発問題を巡っては、交渉の停滞を打開するために欧州連合(EU)がイランに新たな提案をしており、イランが15日にもEUに回答すると報じられた。交渉が進展すれば供給が増えるとの思惑で原油先物が売られやすくなっている。
ロシア産原油の生産は大きく減っていない。国際エネルギー機関(IEA)によると、ウクライナ侵攻後に一時減ったロシアの原油生産量は底入れしたもようだ。西側諸国がロシア産原油からの脱却を探るなか、アジア向けの輸出がけん引した。
【関連記事】
・中国生産、7月3.8%増 内需回復鈍く伸び鈍化
・イラン外相、核合意再建で「解決すべき課題」
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説
もっぱら需要の減少が警戒されて原油が下落した一日だった。東京市場の取引時間帯に発表された中国の景気統計が弱く、人民銀行が金利引き下げに動く兆候を見せたことが、最も大きな材料になった。世界的な景気悪化は、IMF(国際通貨基金)が成長率見通しを下方修正し続けていることから明らか。原油需要が減少するならば、仮に供給量が同じである場合、価格は下落する。再生可能エネルギーの不安定性やロシアのウクライナ侵攻などから原油や天然ガスの価格は高騰したわけだが、高値をつけたあと、米原油WTI先物で1バレル=100ドル±最大20ドル程度のレンジに移行したように見える。そして当面はその下限を模索することになりそうだ。
2022年8月16日 6:49 』
「悪魔の詩」著者襲撃事件 米イラン間で緊張高まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15AXA0V10C22A8000000/
『【ニューヨーク=弓真名、テヘラン=福冨隼太郎】イラン外務省は15日、小説「悪魔の詩」の著者である作家サルマン・ラシュディ氏が米国で襲撃された事件について、イラン政府の関与を否定した。米国務省はイラン国家機関が同氏に対する暴力を扇動してきたとの非難声明を出しており、事件を巡って両国間の緊張が高まっている。
イラン外務省の報道官が15日、自国政府の事件への関与を否定した。「報道されていること以外に、事件を起こした人物については何も知らない」と説明した。イラン政府がラシュディ氏への襲撃事件について公式に言及したのは初めてとみられる。
事件は12日、ニューヨーク州西部シャトークアで、ラシュディ氏と非営利団体「シティ・オブ・アサイラム」の創設者が登壇したイベントで起きた。シティ・オブ・アサイラムは表現の自由と作者自身の身体的自由を保護することを目的として創設された団体だ。講演直前のラシュディ氏を暴漢が襲い、ナイフで首や腹、片目を約10回にわたって刺した。
米国務省は14日に声明を発表し「イラン国家機関は何世代にもわたってラシュディ氏に対する暴力を扇動してきた。(イランの)国営メディアは同氏の命が狙われたことを喜々として報道している」とイラン側を批判した。
イランの報道官は事件への政府関与を否定しつつも「ラシュディ氏はイスラム教徒の信仰を軽視したことで自ら敵をつくった」として、ラシュディ氏とその支持者は信仰を軽視した責任を負うべきだとの見方を示した。「怒りはイランだけにとどまらず、なお続いている」とし「言論の自由が主張されているが、それによって信仰が軽視されてはならない」と主張した。
米国内ではイランが関与するとされるテロに対して警戒感が高まっていた矢先だった。米司法省は10日、トランプ前大統領のもとで大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏の暗殺を計画した疑いで、イラン革命防衛隊員を起訴したばかりだ。今回の襲撃事件をきっかけに、米国とイランの間の緊張がさらに高まる可能性がある。
ニューヨーク州警察は12日、ラシュディ氏殺害未遂の容疑で、ニュージャージー州在住のヘイディ・マタール容疑者を逮捕した。英メディアによると、マタール容疑者はレバノン移民の両親のもとに生まれ、父母は2004年に離婚した。レバノンに帰国した父親を訪ねた後、米国に帰国したが、帰国後は内向的な性格に変わっていたという。複数の海外メディアによると、マタール容疑者はSNS(交流サイト)でシーア派の過激派とイランの革命防衛隊に共感していたとされる。
襲撃を受けたラシュディ氏の容体はいまだ深刻だが、快方に向かっていると15日時点で米メディアは報じている。
ラシュディ氏は小説「悪魔の詩」を1988年に発表した。イスラム教を冒涜(ぼうとく)しているなどとしてイスラム世界からの糾弾を受け、89年にはイランの最高指導者だった故ホメイニ師が事実上のラシュディ氏殺害を命じていた。』
米国に「超酷暑帯」出現か 南部から中西部に、米調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15AW20V10C22A8000000/
『【ニューヨーク=西邨紘子】米国で温暖化の問題が深刻になっている。熱波の多発などにより、夏季に体感温度がカ氏125度(セ氏51.7度)を超える地域が今後30年間で国土の4分の1にまで広がる見通しだ。穀倉地帯を中心に甚大な影響が及びかねない。
米非営利団体のファースト・ストリート財団(FSF)が15日、報告書をまとめた。南部テキサス州からカナダ国境に近い中西部ウィスコンシン州にかけての一帯では特に影響が大きく、米国内を南北に貫く「超酷暑帯(エクストリーム・ヒート・ベルト)」が形成されつつあると指摘した。
米国各地の地表温度や湿度、水辺からの距離データ、温暖化ガス排出の予測シナリオを組み合わせ、酷暑地帯の広がり具合を予測した。人体が感じる温度でセ氏51.7度を超し、熱中症誘発など極度の危険と判断される日を「超酷暑日」とし、各地域でどれだけ発生するかを調べた。
分析によると、米国内で「超酷暑日」が年間1日以上発生する恐れがある地域の居住人口は、2023年の800万人から53年には約1億800万人に増える見通しだ。中でも体感気温の上昇が著しい超酷暑帯は南部テキサス州から米国を南北に貫くように広がる可能性があり、セントルイス(ミズーリ州)やシカゴ(イリノイ州)など中西部地域の主要都市も含む。米国の農業地帯とも重なりが大きく、関連産業にも大きな影響が出そうだ。
東海岸のサウスカロライナやノースカロライナ、バージニアなどの各州でも、53年には「超酷暑日」が発生する可能性が高まっている。
米海洋大気庁がこのほど発表したデータによると、2022年7月は過去 130 年の記録中、3 番目に暑い7月となった。FSF創業者のマシュー・イービー最高経営責任者は報告書について「わが国の4分の1が超酷暑に直面するという、避けられない事態に向けた備えを進めるべきだ」と警鐘を鳴らした。
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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点
異常気象が天然ガスなどの相場を押し上げる構図は欧州だけではありません。米国の天然ガス先物は液化天然ガス(LNG)の拠点が火災事故を起こした影響で輸出が減り、国内需給が緩和するとの見方で6月末には一時100万BTU(英国熱量単位)あたり5ドル台まで下落しました。
しかし、そこから酷暑で電力需要が増え、7月下旬には9ドルを超えて14年ぶりの高値を記録。足元でも9ドル近い水準を維持しています。
ラニーニャ現象の長期化もあり、世界的な天候異変が天然ガスや石炭相場の波乱を拡大する可能性があります。今冬の厳冬リスクもちらつきます。
2022年8月16日 8:01 』
ウクライナ、南部のロシア補給経路「ほぼ全て砲撃可能」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR12C3W0S2A810C2000000/
『【パリ=白石透冴】ウクライナ軍の広報担当者は12日、南部にあるロシア軍の補給経路ほぼ全てを砲撃できる状態にあるとの見解を語った。欧米が提供した射程の長いロケット砲システムの活用などを指しており、発言でロシア軍に心理的な圧力をかける狙いなどがありそうだ。
ロイター通信が伝えた。同担当者は「我が軍は南部で主導権を握っている」と語った。同日新たに南部のロシア軍弾薬庫1カ所を破壊し、11人を殺害したとも発表した。
ウクライナ軍は米国提供の高機動ロケット砲システム「ハイマース」などを使い、南部主要都市ヘルソンを占領するロシア軍の補給経路を相次いで攻撃している。9日には前線から200キロメートル以上離れたクリミア半島のロシア軍航空基地で爆発が起きており、ウクライナ軍がさらに遠距離を砲撃する能力を手に入れたとの推測もある。
ウクライナ政府は12日、国連と赤十字国際委員会に対し、ロシア軍が管理するウクライナ人捕虜収容所を訪問するよう求めた。捕虜が虐待を受けているとみており、第三者による監視が必要と訴えている。7月29日には東部ドネツク州のウクライナ人捕虜収容所で爆発が起き、捕虜約50人が死亡した。同国政府はロシア軍が意図的に捕虜を殺害したとみている。
米CNNは12日、ロシアが制圧した南部マリウポリでウクライナ人捕虜の「裁判」を8月中にも始めようとしていると報じた。』
中国国有5社、米上場廃止申請 ペトロチャイナなど
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1296X0S2A810C2000000/
『【上海=土居倫之】中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国人寿保険など中国の国有企業5社は12日、米国株式市場の上場廃止を申請すると発表した。米国に上場する中国企業については、監査情報を巡って米中証券当局の交渉が難航していた。
上場廃止計画を発表したのはペトロチャイナ、中国人寿保険、中国石油化工(シノペック)、中国アルミ業、中国石化上海石油化工の5社。米国に上場する米預託証券(ADR)の廃止を自主的に申請する。いずれも香港取引所や上海証券取引所に株式を上場しており、今後の資金調達や海外での業務展開には大きな影響は生じない見通しだ。
中国企業の米上場問題を巡っては、2020年12月に米国で「外国企業説明責任法」が成立した。これに基づき米証券取引委員会(SEC)が、適切な会計監査が行われているかについて確認を求めている。一方、中国当局は国家安全保障に関わる情報が流出しかねないとして拒否していた。
今回の5社が上場廃止になれば、米国に上場する主要な中国国有企業で残るのは中国南方航空、中国東方航空となる。中国は重要な国有企業を先行して上場廃止とし、中国の国家安全保障に関わる機密情報の流出を防ぐ。同時に米国との監査を巡る交渉を前進させたい狙いがあるとみられる。
中国は4月に外国当局による中国企業の監査内容の立ち入り検査を認めると発表した。外国当局が中国で行う調査・検査には、中国が必要な援助を提供するとした。一方、SECは監査情報への「完全なアクセス」を求めて譲歩しない姿勢を示している。
中国証券監督管理委員会は同日、「米国上場の証券の(売買の)割合は小さく、各社の上場廃止計画は、企業の内外の資本市場を利用した資金調達に影響しない。海外の規制当局との交渉を続け、企業と投資家の合法的な利益を守る」とのコメントを発表した。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/US-China-tensions/Five-Chinese-state-owned-companies-to-delist-from-NYSE?n_cid=DSBNNAR
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桃井裕理
日本経済新聞社 中国総局長
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ひとこと解説
米トランプ政権下で成立した外国企業説明責任法は「上場する外国企業の監査法人が検査を3年連続で受けなければ米市場での証券取引を禁止する」ほか「外国政府の支配下にない証明」や「取締役会の中国共産党員の氏名開示」などを求めていました。中国共産党傘下にある中国企業が満たすことは不可能といえます。5月に劉鶴副首相が中国のネット関連企業の「国内外での上場」を支持すると言及しましたが、中国のIT企業は政府・党関係者の個人情報も含めた様々な「機密情報」をもっています。米国市場への回帰はないでしょう。今回のことは米中間におけるデータやファイナンス分野のデカップリングが一層加速する1つのマイルストーンといえます。
2022年8月12日 22:35』
逆風鎮められるか バイデン氏、中間選挙へ成果急ぐ
トランプ氏捜査が変数に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1001U0Q2A810C2000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は11月の中間選挙をにらみ内外の課題で成果づくりを急ぐ。足元では滞っていた目玉政策の法案を相次ぎ前進させ、物価高などに伴う支持率低迷からの反転攻勢をうかがう。長引く逆風を鎮められるのか。世論の評価が割れるトランプ前大統領の不正疑惑の行方も変数になる。
新型コロナウイルス感染から復帰したバイデン氏は9日、上機嫌な様子でホワイトハウスで演説に臨んだ。「チャック、あなたはとんでもないことをやってのけた。本当によくやった」。隣には民主党上院トップのチャック・シューマー院内総務ら議会幹部もいた。
7日に上院で可決した再生可能エネルギーの推進などに4330億ドル(約58兆円)を投じる新たな歳出・歳入法案が念頭にあった。家庭の医療費とエネルギー代の削減につながり、最大の懸案であるインフレを抑制できると訴える。
上院は与野党が50議席ずつで拮抗し、民主党から1人でも造反が出れば頓挫する構図にある。当初、バイデン政権は10年で3兆5000億ドルを投じる法案を計画したが、与党議員の反対にあって修正を重ねた末にようやく可決にこぎ着けた。12日に下院でも可決し、バイデン氏の署名を経て近く成立する。
中間選挙まで残り3カ月を切り、バイデン政権に追い風となる材料が重なる。バイデン氏は9日、自身のツイッターに「ここ数日、忙しい日々を送っている」と投稿。「最近10日間」と題して7つの成果を挙げた。
1日には国際テロ組織アルカイダの指導者、ザワヒリ容疑者を無人機攻撃で殺害したと発表。9日には米国内の半導体工場新設を支援するため、生産や研究開発に527億ドルの補助金を出す法律も成立した。
頭を悩ませてきたガソリン価格も下落に転じた。全米自動車協会(AAA)によると、11日の全米平均は1ガロン(3.8リットル)あたり3.99ドル。6月に初めて1ガロン5ドルを突破したが、5カ月ぶりに4ドルを割り込んだ。
呼応して世論調査にも変化の兆しがみえる。米政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスによると、11日のバイデン氏の支持率の平均値が2カ月ぶりに40%台を回復した。政党支持率は、2月に4ポイントほど野党・共和党がリードしていたが、11日時点で民主党が0.1ポイント差に迫る。
そこで急浮上したのが米連邦捜査局(FBI)によるトランプ前大統領の邸宅への家宅捜索だった。ホワイトハウスは「司法省は独立して捜査する」(ジャンピエール大統領報道官)などと捜査に関与していないと繰り返す。
一方、トランプ氏に近い共和党議員からは同氏が2024年大統領選に出馬する可能性が高まるとの見方が出ている。中間選挙を前にバイデン政権と対峙する姿勢を明確にし、共和党支持層に結束を促す狙いが透ける。
元共和党下院議員のチャールズ・ブスタニー氏は「民主党が無党派を取り込み、選挙に勢いがつく可能性はある」と指摘しつつ「FBIがやりすぎたとの認識が広がれば裏目に出る事態もあり得る」とみる。
中間選挙まで3カ月のタイミングで持ち上がった機密文書の扱いを巡るトランプ氏の疑惑は選挙戦にどう影響するのか。民主、共和両党とも世論の反応を読み切れずにいる。』
トランプ氏、スパイ活動法違反の可能性 FBIが捜査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN130JJ0T10C22A8000000/
『【ワシントン=中村亮】米連邦捜査局(FBI)がトランプ前大統領の邸宅から多数の最高機密文書を押収した。機密を不適切に扱い、スパイ活動法に違反した可能性があるとみて慎重に捜査を進める。トランプ氏は押収物について、すべて機密を解除していたと主張して対決姿勢を強めている。
【関連記事】
・FBI、11の機密文書を押収 トランプ氏の邸宅捜索
・トランプ氏、捜査令状の公開容認 司法長官は正当性強調
FBIは8日、南部フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の邸宅マールアラーゴを家宅捜索した。裁判所が12日に公開した捜索令状や付属文書によると、裁判所はトランプ氏のオフィスに加え、トランプ氏やスタッフが利用する可能性がある全ての物置や部屋の捜索を幅広く認めた。
11つの機密文書を押収し、4つは「Top Secret(最高機密)」に指定されていた。これとは別に押収した「TS/SCI」とマークした文書は最高機密文書の中でも原則として厳重に管理した政府施設で閲覧するとされる。機密の内容は判明していないが、米メディアはFBIが核兵器や海外秘密作戦に関する文書を捜索対象としたと報じていた。
ガーランド司法長官は11日の声明で捜索令状について「相当な理由を認定した上で裁判所に承認された」と断言した。最高機密が漏洩するリスクを踏まえ、大統領経験者に対する異例の家宅捜索に踏み切った事情が浮かび上がる。
押収物リストにはトランプ氏に近いロジャー・ストーン氏への恩赦に関する文書もあった。ストーン氏は2016年の米大統領選で、トランプ氏のライバル候補であるクリントン元国務長官に打撃となる情報流出に関与した疑いがあり、恩赦は激しい論争を呼んだ。FBIは「フランス大統領に関する情報」と題するものも押収していた。
裁判所が公開した資料から、FBIが①スパイ活動法違反②捜査妨害を目的とした文書の処分や隠蔽③政府文書の違法な取り扱い――などの疑いでトランプ氏を捜査していることも分かった。
スパイ活動法については、国防関連の情報を無許可で所持したり、漏洩したりして米国の安全保障に打撃を与える場合に罪に問われる。トランプ氏は12日の声明で押収物について「全て機密解除したものだ」と主張したが、スパイ活動法が禁じる国防関連の情報の不適切な取り扱いは、情報が機密扱いかどうかを問わない。トランプ氏が機密解除について所定の手続きをとっていたかは明らかになっていない。
スパイ活動法は情報を適切な場所から移動させることも禁じている。FBIは原則として政府施設で保管するとされるTS/SCI指定の文書をマールアラーゴで押収しており、トランプ氏が文書を持ち出した経緯などを詳しく調べているとみられる。
捜査妨害を巡っては、トランプ氏が機密文書を隠す意図があったかどうかが焦点だ。
複数の米メディアによると、捜査当局は召喚状を出して機密文書の回収を目指していた。捜査当局者は6月にトランプ氏の邸宅を訪れてスタッフから機密文書を回収した。しかし訪問後に機密文書が邸宅にまだ残されているとの内部情報が寄せられて、今月8日の家宅捜索につながった。
FBIは当局者の訪問時にトランプ氏側が機密文書の一部を渡さなかった理由に加え、トランプ氏の指示や関与があったのかどうかを調べているもようだ。トランプ氏は「私の弁護士や代理人は(捜査当局に)完全に協力し、とても良い関係を築いていた」と繰り返し強調しており、隠蔽の意図を否定する意図があるようだ。
さらに大統領は公務に関する文書などの記録を保存して退任時に国立公文書記録管理局への提出を義務づけられており、トランプ氏は大統領記録法違反に問われる可能性もある。
CNNテレビによると、FBIの職員や施設に対する脅迫が「前代未聞」の件数に達し、FBIが捜査を進めているという。トランプ氏の邸宅への家宅捜索に反発する同氏や共和党の支持者が不満の矛先を捜査当局に向けている公算が大きく、米国社会の分断が進みかねない。』
米大統領選にルール変更論 州議会権限最高裁が判断へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN310LS0R30C22A7000000/
『米国の共和党が大統領選挙のルールを決める権限は州議会にあると主張し、実現に動き出した。州議会の決定は裁判所の介入を受けないとの考えで、連邦最高裁が来夏までに合憲性を判断する。合憲になれば、郵便投票の大幅な制限などに道を開くとされ激戦州で議会多数派を握る共和党に追い風となる。連邦制の隙を突いた主張は三権分立を揺るがしかねない。
2024年の大統領選は民主党・現職のバイデン大統領が再選をめざす意向だ。共和党では、20年の大統領選で同氏に再選を阻まれたトランプ前大統領や南部フロリダ州のロン・デサンティス知事に出馬観測がある。
ルール変更を巡る共和党の主張は「独立州議会理論(ISLT)」と呼ばれる。合衆国憲法は「各州は立法府(legislature)が指示することができる方法で大統領選挙人を指名する」などと規定する。これを文字通りに解釈し、大統領選の方法を決める権限は州の立法府である州議会にあり、州の裁判所を含むいかなる介入も受けないと唱える。
ISLTが脚光を浴びるのは連邦最高裁が10月開始の新会期で、その合憲性を事実上判断すると位置づけられる審理を行うためだ。
南部ノースカロライナ州の選挙区割りをめぐる案件を審理するもので、共和党主導の州議会が決めた区割りについて、州最高裁は選挙は公正で自由でなくてはならないと指摘。恣意的に共和党優位になるとして却下した。
州議会はこれを違憲として連邦最高裁に提訴した。州議会に軍配が上がれば大統領選をめぐるルールについても州議会が自由に決められる可能性が出てくる。
24年の大統領選で激戦が予想される東部ペンシルベニアや中西部ミシガン、ウィスコンシン、南部ジョージア、西部アリゾナの各州はいずれも州議会で共和党が上下両院の多数派を占めている。
州議会の権限拡大は共和党優位に働くとの見方が広がる。
ペンシルベニアの共和党では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて利用がしやすくなった郵便投票を大幅に制限すべきだとの意見が浮上している。20年大統領選では、バイデン氏支持者の郵便投票利用がトランプ氏支持者を上回っていた。
アリゾナでも共和党で、州議会が票集計後に選挙結果の承認か却下を決める案がある。州議会が民意を反映した選挙結果を覆す余地を残すものだ。20年はトランプ氏がアリゾナでの選挙不正を訴えていた。
最高裁は判事9人のうち6人を保守派が占め、ISLTは保守派の異端論と切り捨てられなくなっている。
20年の大統領選で民主党によるウィスコンシン州の不在者投票の受付期限延長要求を却下した判断では保守派のニール・ゴーサッチ判事が「憲法は州議会が選挙の規則を定める第一の責任を持つと明記している」と指摘した。
最高裁は憲法の拡大解釈を認めず、条文をそのまま適用する傾向が強まっている。人工妊娠中絶の権利を憲法が認めた権利だと位置づけた1973年の判決を無効とした判断でも中絶の権利が憲法に明記されていない点を理由のひとつに挙げた。
共和党支持が多い白人の人口は2020年の国勢調査で初めて減少した(写真はトランプ前大統領)
20年国勢調査によると、米国の白人人口(中南米系のヒスパニックを除く)は1790年の調査開始以来初めて減少した。白人有権者の支持が多い共和党の劣勢が固定化されていく可能性があることも、同党が制度見直しを探る理由だ。
イリノイ大のビクラム・アマル法学部長はISLTをめぐり「民主主義の主要素である三権分立のチェック・アンド・バランスを否定するものだ」と警鐘を鳴らす。
(ワシントン=芦塚智子、中村亮)
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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN310LS0R30C22A7000000&n_cid=DSPRM1AR08
』