報復の警告によって相手による攻撃を思い止まらせることを、「懲罰的抑止(deterrence by punishment)」という。これをはたらかせるためには、報復手段の保有が必要であり、通常であれば核に対する抑止には核兵器が必要とされる。米国のように、通常兵器による攻撃手段が多数用意されている場合には、通常兵器も懲罰的抑止の手段になることがある。ウクライナはすでに全力でロシアと戦っており、核兵器使用を受けても、ロシアに対する軍事的報復を拡大できる余地はほとんどない。そのため、懲罰的抑止の担い手にはなり得ない。
他方、核兵器を使用したとしても目的は達成できないと警告するのが「拒否的抑止(deterrence by denial)」である。最もわかりやすい例はミサイル防衛である。発射したミサイルがすべて迎撃されてしまうのであれば、発射する意味がなくなる。それによって攻撃を思い止まるのであれば、拒否的抑止が機能したことになる。
それに対して、政治的・心理的目的の場合、ウクライナによる抵抗継続の意思とNATO諸国のウクライナ支援継続の意思を挫くことが目指される。これらが実現すれば、戦況が好転するのみならず、ロシアにとって有利な条件で戦争を終結に導ける可能性も開けてくる。ロシアが公式に発表したことはなく、専門家の間でも論争が続いているが、これは「エスカレーション抑止(escalate to deescalate)」と呼ばれるものである。地域紛争においても核兵器を使用することで、敵の継戦意思を挫くということであり、その背後には、核兵器を使えば、敵は怖気付くはずだという想定が存在する。
駐日欧州連合代表部クレイマー参事官によると、EU=ヨーロッパ連合は、日本とアメリカ、それにフィンランドの3つの企業(フィンランドのCinia Ltd、アラスカのFar North Digital , LLC、日本のアルテリア・ネットワークス株式会社)が進めている新たな海底光ケーブルの構想の初期の調査費用などとして、最大で315万ユーロ、日本円にして最大で4億6000万円あまりの資金の提供を始めた。
「HIMARS」は、トラックの車体後部にロケット弾の発射装置を搭載した車両で、この発射装置には、射程70km超のGPS誘導ロケット弾「GMLRS」6発や、約300kmもの射程を有する「陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)」1発を装備することができます。「HIMARS」の最大の特徴はその機動力の高さで、道路上を素早く自走することができるため、射撃後すみやかに別の場所へと移動することができます。 Large 220808 him 02
この中で、HIMARSは海兵隊が装備する兵器の中でも最大級の射程を誇っており、かつC-130輸送機によってさまざまな場所に機動的に展開することが可能なため、たとえば上陸してきた敵や別の島にいる敵などを攻撃したり、あるいは陸上自衛隊と連携する形で敵の艦艇に対する攻撃を実施したりすることが見込まれています。 Large 220808 him 04
車体後部にM26 ロケット弾[2]なら6発、MGM-140 ATACMS地対地ミサイルなら1発を収納し、発射筒を兼ねるグラスファイバー製のLP(Launch Pod)と呼ばれるコンテナを1基収める箱型の旋回発射機を搭載しており、M270 MLRSで運用可能な各種のロケット弾とミサイルを含むMFOM(MLRS Family Of Munition rockets and artillery missiles)と呼ばれる兵器群を全て発射することができる。地対艦ミサイルとしての運用も想定されている[3]。
この呼称は、シリコンバレーで長年にわたって新聞記者をつとめたマイケル・マローン(Michael Malone)氏の著作「The Intel Trinity: How Robert Noyce, Gordon Moore, and Andy Grove Built the World’s Most Important Company」(Harper Business、2014年7月発行)により、米国では広く知られるようになった。邦訳書籍は「インテル 世界で最も重要な会社の産業史」(文藝春秋、2015年発行)である。邦訳タイトルには「インテル・トリニティ」が入っていない。このためか、日本における「インテル・トリニティ」の知名度はあまり高くない。
今回はムーア氏とともにインテルを創業したロバート・ノイス氏の経歴を述べる。ノイス氏の伝記として最も優れているとされるのは、シリコンバレーを専門とする歴史学者のレスリー・バーリン(Leslie Berlin)氏が著した「The Man Behind the Microchip: Robert Noyce and the Invention of Silicon Valley」(Oxford University Press、2005年6月10日初版発行)だろう。440ページというかなりの大著である。
ロバート・ノイス氏(以降は一部を除いて敬称略)の経歴で日本でも知られているのは、フェアチャイルド半導体の共同創業者、インテルの共同創業者、日米半導体貿易摩擦における対日攻撃の急先鋒、モノリシック集積回路の発明者といったところだろうか。バーリン氏の著作「The Man Behind the Microchip: Robert Noyce and the Invention of Silicon Valley」を閲覧すると上記のほか、いくつかの興味深い事実が浮かび上がる。
ところが2000年10月10日、スウェーデン王立科学アカデミーは同年のノーベル物理学賞を、キルビーを含めた3名の研究者に授与すると発表した。授与の理由は、現代情報技術(Modern Information Technology)の構築に寄与したこと。2名は化合物半導体のレーザーと高速トランジスタの基本構造「ヘテロ接合」の開発に対してノーベル賞を与えられ、この2名が賞金の半分を折半するとした。賞金の残り半分は「集積回路の発明に関するキルビー氏の寄与」に対してキルビーに授与された。
ノイスが1956年8月14日にトンネルダイオードのアイデアを著した研究ノート。右上に日付がある。右下に電流電圧特性の予想曲線(順方向にトンネル電流と負性抵抗が生じる)が描かれている。出所:Computer History Museum, Department of Special Collections, Stanford University
江崎は、続く1958年6月にベルギーのブリュッセルで開かれた国際固体物理学会(International Conference on Solid State Physics)で、高濃度に不純物をドープしたGeトンネルダイオードを発表することにした。ここで不可解なことが起こった。学会の冒頭に実施されたキーノートアドレスで、すでに固体物理学の権威となっていたショックレーが「東京から来た江崎がトンネルダイオードを発表する」と述べ、江崎の研究成果を高く評価したのだ。これには発表者の江崎本人が非常に驚いた。ショックレーが事前にアピールしたこともあり、江崎の発表には多くの聴衆が集まった。
先に紹介した「Robert Noyce and the Tunnel Diode」は、いくつかの可能性を挙げている。まず、ショックレーは意見や方針などを頻繁に変える傾向があったこと。ショックレーの部下の1人は、彼は会社をいつも「揺さぶっていた」とコメントした。別の部下は、ショックレーはトンネルダイオードに対する考えを変えたのではないかと述べた。また、1957年8月にショックレーを裏切った8名(ノイスを含めたフェアチャイルド半導体の共同創業者)に対する恨みが1958年6月の時点では癒えてなかったからだとする意見もある。いずれにせよ、今となっては本当の理由は分からない。