米国がより深く憂慮しているのは、中国の習近平国家主席が肝いりで進める広域経済圏構想「一帯一路」の下で、スリランカやパキスタン、ミャンマーなど各国で戦略的に重要な港湾などのインフラが整備され、これが中国人民解放軍の海外拠点に転じるのではないかということだ。中国は2年前、アフリカの小国ジブチに初の海外軍事基地を置いた。カンボジアは対内投資の4分の3を中国から得ており、中国にとってもカンボジアはパートナーとして東南アジアで最も信頼できる国になりつつある。 Hambantota Port and Gwadar Port
左:スリランカのハンバントタ港(2018年3月) 右:パキスタンのグワダル港(18年7月)
米国務省の元職員で現在はシドニー大学の米国研究センターで上級研究員をしているチャールズ・エデル氏は「カンボジアに海軍基地があれば、中国の海軍は東南アジアの海域でより好ましい作戦環境を持つことになる」と分析。「突然、東南アジアの陸地が中国の軍事的防衛線となる可能性があるのだ。極めて大きな意味合いを持ち、政治的な影響が及ぶだろう」と指摘した。 Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base
フン・セン首相は中国の軍事基地に関する報道を「フェイク(偽)であり、事実をねじ曲げている」と主張。ペンス副大統領への返信で、カンボジアは外国のあらゆる軍事的プレゼンスと「カンボジアを再び代理戦争に陥れる可能性のある対立状態」を拒否すると記した。ブルームバーグが書簡の写しを確認した。 Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base
「ダラサコル・シーショア・リゾート」
プノンペンにある米国大使館のエミリー・ジーバーグ報道官は電子メールで、「カンボジア国内に外国の軍事的プレゼンスを招く政府の措置が東南アジア諸国連合(ASEAN)の一致団結と重要性を脅かすことをわれわれは懸念している」とコメントした。 Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base
カンボジア政府のファイ・シファン報道官は中国の軍事基地に関する米国側の懸念をイラクが大量破壊兵器を保有しているとのかつての米国の主張になぞらえた上で、カンボジアにはダラサコルや国内の他の場所で中国の海軍施設を招く意図はないと述べた。 Holiday Resort or Multi-Billion Dollar Naval Base