カテゴリー: 日本の安全保障
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地上イージス、総額の7割で支払い約束 米と交渉へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60460500X10C20A6PP8000/
『政府は近く国家安全保障会議(NSC)を開き地上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止を正式に決める。調達先の米国に伝え、日本が支払いを約束した費用の扱いの協議に入る。取得費の7割にあたる1700億円超は契約済みで、回収の可能性を探る。』
『イージス・アショアは米ローキッド・マーチン製で本体は米国政府から、レーダーはロッキードから購入する。装備の取得費の総額はレーダーや発射装置などを含めて2基で2520億円だ。』
『2019年度までの予算でこのうち1732億円分は支払う契約をした。55億円を情報取得費や人材育成費などにあてる。本体整備などで約束したのは計1787億円になる。レーダー分は企業側と約350億円の契約を済ませた。20年度予算で100億円超の発射装置の購入額を計上した。本体分で残る700億円弱は予算計上が凍結になる。』
『防衛装備品は製造を請け負える企業が少なく市場も限られる。購入費が高額になりやすい構造にあり複数年かけて契約して支払う場合が多い。イージス・アショアも同様だ。すでに契約した費用はローン返済にあたる「歳出化経費」という費目で各年度の予算に積んでいく。』
『レーダーと発射装置を除いた本体分は米国政府と直接契約する「有償軍事援助(FMS)」と呼ばれる制度を使っている。代金は原則前払いで納品との引き換えではない。FMS契約で125億円を支出した。取得後には人件費や維持・管理費などがかかる。防衛省は30年間の費用を含めると総額で約4500億円必要だと見積もる。』
『河野氏はシステムの改修に費用がかかると判明したため停止すると説明する。山口県の陸上自衛隊むつみ演習場への配備を巡り、演習場内にブースター(推進装置)を落下させることができると理解を求めてきた。現状ではこれが不確実だと分かり、河野氏は改修に2000億円規模の費用がかかると指摘する。』
『イージス・アショアには造成費や建屋も必要になる。配備候補地の秋田、山口両県と交渉が難航していた。配備を前提とした造成費や建屋の予算は地元の反発を招くため計上してこなかった。ミサイルの取得費も含まれない。1発30億円超ともいわれ、これらの費用も含めれば1兆円単位に膨らむとの見方もある。防衛省は17年の導入決定段階で1基約800億円と説明し、最新鋭のイージス艦よりも低コストだと訴えてきた。』
『イージス・アショアは装備品調達のあり方を巡る課題を浮き彫りにした面がある。FMSは価格、納期は米政府の見積もりで決める。取得費が高額になりやすく防衛費増額の要因と言われる。20年度予算で、米軍再編経費を含む防衛費は5兆3133億円と6年連続で最高を更新した。FMSも急増している。』
『トランプ米大統領が日本に防衛装備品の購入を迫ってきたのが背景にある。イージス・アショアの購入も安倍晋三首相とトランプ米大統領のトップダウンで決まった。』
『米国に頼ると運用上のリスクも生じる。米国製の装備に不備が見つかると日本の防衛体制に綻びが出る。中谷元・元防衛相は16日の自民党会合で「日本でつくらないと、こういうことの繰り返しだ」と装備品調達のあり方の問題を指摘した。』問題はブースターではなく、レーダー。
https://st2019.site/?p=14400※ 兵頭二十八氏のサイトから、引用する…。
『地ージス醜聞の核心は、はるか過去の記事「2018-8-2」Up分と、「2018-12-11」Up分に、十全に書かれているから、いまさらだが、参照して欲しい。ブースターなんて問題じゃない(それが問題だというなら、PAC-3はもっと問題だろう。まるごと、東京都内に落下するんだから)。
ブースターの話は、プロジェクトを堂々と断れる理由付けとして利用されているだけだ。愚かな、あるいは悪徳な前任者たちが契約させられた地ージスは、日本のABMシステムとしては永久に機能せず、ただ、米国のためのDEWL(遠隔早期警戒線)の新レーダー開発プロジェクトとしてだけ、役に立つスキームになっていた。
レーダーが日本の資金でやっとこさ完成したところで、米国としてはとりあえず、中共製の中距離ハイパーソニック弾や、発射後5分で全MIRVが分離してしまう中共製ICBM東風41や、そろそろ完成しそうなSLBMを早期警戒することができて、嬉しいだろう。
しかし、肝腎のABMを誘導することはできない。それができるのは、10年がかりでレーダーが完成したあと、さらに10年後の話となってしまうのだ。
そのあいだ、20年以上も、わが国の本土上空高層は、ガラ空きなのだ。
20年と1800億円があれば、日本版の地対空レーザー砲を開発できる。方針の大転換が望ましいだろう。当面の本土防空には、旧型イージス艦を離島か軍港に擱坐させて「浮き砲台」にしてしまい、軍艦としての登録を抹消すればよい。そのまま、「地ージスもどき」になってくれるだろう。海自のイージス艦定数には2隻の(もしくは数隻の)空きができることになる。それは新鋭艦で埋めればいいのだ。』
『地ージスの候補地が、本州の陸上に限定されたのは、米軍/米企業のオペレーターが通勤しやすいという都合もあったのだろう。』※トランプ再選が、盤石では無い…、との情勢判断が影響を与えた可能性は無いのか…。
安倍政権(及び、それを支える外務官僚、その他の米政界に通じている人脈・情報網…)の精度は、侮れないものがある…。トランプ当選の時に、それをまざまざと見せつけた…。今回、再選の可能性を判断するにあたって、そういう「網」が、フル活動しているだろうからな…。
各国ともに同じだろうが、「どっちに転んでも、いいように」策を立てているはずだ…。3年ぶり、太平洋に同時展開
https://www.47news.jp/world/4922447.html
『米軍が乗組員のコロナ感染への対応を終えたばかりの原子力空母3隻を太平洋地域に同時展開し、台湾周辺や南シナ海で活発に活動する中国軍をけん制する動きを強めている。米メディアは太平洋への3隻派遣は北朝鮮情勢が緊迫した17年11月以来で「極めて異例の態勢」だと指摘している。
米軍によると、横須賀基地配備の空母ロナルド・レーガンとセオドア・ルーズベルトはフィリピン周辺で、ニミッツは太平洋東部で活動。いずれも駆逐艦や戦闘機部隊を引き連れている。
中国共産党系新聞の環球時報は「中国は空母キラーの対艦弾道ミサイル東風21Dを持っている」などと反発した。』
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地上イージス配備停止「費用と期間考慮」防衛相表明
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60368290V10C20A6MM8000/「日米に隙」みなされる懸念 地上イージス停止
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60366410V10C20A6PP8000/
『政府が地上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止を決めた。日米の両首脳が主導した計画は同盟強化の象徴の一つだ。北朝鮮などが日米の防衛に隙が生じたと分析して挑発に動くのを懸念する。日米で足並みをそろえミサイル防衛の方向性を打ち出す必要がある。イージス・アショアの導入は2017年、米国の装備品購入拡大を求めるトランプ大統領と安倍晋三首相によるトップダウンで決まった。北朝鮮の核・ミサイルににらみをきかせるだけではなく同盟の強固さを示す意味もあった。
政府はもともとイージス艦8隻によるミサイル防衛体制をつくる方針だった。北朝鮮の度重なるミサイル発射で海上自衛隊の現場が疲弊したことも導入の背景にあった。』
『防衛省は当初「1基約800億円」と説明した。購入を決めたのは2基で日本全体を守ることができ、1500億円程度かかるイージス艦よりコストを抑えられるという理屈だった。想定はすぐに狂った。導入決定後は18年度の予算編成の段階で1基の価格は1000億円を超え、造成費などを含めれば数千億円かかると判明した。
北朝鮮の技術の進展への対応にも不安があった。防衛省はコストを抑えるために、想定していた巡航ミサイルの迎撃機能の追加を見送った。
調査のデータ不備や職員の居眠りなど、度重なる防衛省のミスで配備候補地の秋田、山口両県との調整は暗礁に乗り上げた。ここに追加コストの発生が追い打ちをかけた。
河野太郎防衛相は15日、将来のミサイル防衛のあり方を明確にしなかった。日米で戦略を定めて発信しなければ、北朝鮮をはじめとした周辺国に誤ったメッセージを与えかねない。』


※ 表向きは、「コスト」と「改修にかかる時間」が「見合わない」と言う話しになっている…。
※ しかし、現・北の体制に対する一定の判断が、基盤にある…、ということは無いのか…。
※ キムジョンウンに、やはり何か異変が生じ、表に登場しているのは「影武者だ」説は、根強く囁かれている…。
※ 今回の、韓国の脱北者による「北体制批判ビラ」飛ばしに反発した、「ホットライン」の切断、「共同連絡所の破壊予告」は、全て「敬愛する最高司令官金正恩同志」から委譲された権限に基づき、キムヨジョン氏が発出した…。
※ 日米ともに、「北は、現状、大規模な軍事行動を起こすような余力は、無い…。」と判断している…、ということは無いのか…。

※ 秋田から半径1000キロは、こんな感じ…。

※ 山口から半径1000キロは、こんな感じ…。

※ 韓国のソウルから半径1000キロは、こんな感じ…。THAADは、表向き「800キロ」と言われているが、ビームを絞れば、1000キロくらいは出る…、という話しだ…。
※ ということで、表向きは「弾道ミサイル」対策ということになっているが、「旧瀋陽軍区(現・北部戦区)(※「北部戦区」と言っているようだ。訂正する)」の中国軍及び極東ロシア軍の動向が、丸わかりになる「レーダー」設備だった…。
※ そもそも、軍事的には、北朝鮮の弾道ミサイル開発及び発射実験が活発化し、それに対処するための「イージス艦」の「洋上勤務体制」が、あまりに過酷となって、限界を超えている…、というのが「地上イージス」配備の出発点だった…。
※ それを、無期限延期(停止)するということは、何らかの軍事情勢判断の変更があった…、と考えざるを得ない…。
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北のウラン精製施設が稼働継続
米研究所が分析結果公表
https://www.47news.jp/world/4863650.html平山ウラン精鉱工場(ナムチョンケミカルコンプレックス)
https://beyondparallel.csis.org/pyongsan-uranium-concentrate-plant-nam-chon-chemical-complex/


※ 「プラントの破損したパイプから」「漏れて漏水したとされる」とか、オイオイ…、と言う感じだ…。フクイチの「汚染水が満杯に近い状態に…」どころの話しじゃないだろ…。この近辺には、「住民」が住んでいないのか…。

※ 確かに、この衛星画像では、水が「黒く変色している」様子が、見てとれるな…。

※ 北朝鮮は、全土に「核関連施設」がある…。プンゲリとか、ニョンビョンとかが有名だ…。
※ 今回の画像は、「ピョンサン(平山)」にある「ウラン精錬工場」のものだ…。
※ ソウルからどのくらいの距離があるんだろう…。韓国内では、どの程度、報道されているのか…。あまり騒ぎには、なっていない感じだが…。

※ 北朝鮮の河川(水系)は、こんな感じ…。上記の「ピョンサン」が、どこいら辺なのかは、ちょっと分からない…。「Pyonguan」とあるのが、それか…。いずれ、「他人事(ひとごと)」じゃ無いはずなんだが…。



※ これは、以前の報道…。KBSでは、報じられたようだな…。
※ 川の「蛇行」の様子からして、同じ場所のようだ…。
※ 「礼成江」という水系は、江華島のあたりで「海に注いで」いるようなんだが…。
※ ソウルに、何の影響も無い…、ということはあり得んだろ…。
※ 「放射能」測定とか、やっていないのか…。よく分からん国だな…。
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中国公船による尖閣諸島接近(接続水域入域・領海侵入)状況 -令和2年5月-(5/21現在)
https://www.kaiho.mlit.go.jp/mission/senkaku/data_R2_5.pdf
※ 「領海侵入」は、3日だ…。これを、「抑制的」とみるべきなのか、「挑発的」とみるべきなのか…。南シナ海における米海軍の動きとか、台湾に対する中国側のけん制とかと連動していると思われるので、そこら辺を解析する必要があるだろう…。日本側でも、その任にある筋が分析・解析していることだろう…。
自衛隊のドローン配備一気に200機へ。災害救助や軍用にも 18年度比で15倍、全機が国産
https://newswitch.jp/p/22376
「尖閣諸島」防衛強化へ採用提案、IHI「水中ドローン」の実力 民生にも働きかけ
https://newswitch.jp/p/18156
水深100メートルに対応、中国製水中ドローンがやってくる JOHNANが販売
https://newswitch.jp/p/17173
※ しかし、民生分野では、ドンドン中国製が浸透していっている…。「養殖業」なんかで使うそうだ…。そうやって、過度の「中国依存」になることの危険性は、今回のコロナでまざまざと実感させられたはずなんだがな…。
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『海保によると昨年、尖閣諸島沖の接続水域で確認された中国公船は延べ1000隻超で、過去最多を記録。今年1~4月は381隻で、昨年同期間(286隻)を上回るペースとなっている。領海侵入は今年1~4月で延べ28隻に上る。
「とても無害通航といえる状況ではない」。河野太郎防衛相は記者会見で、漁船を追尾した中国公船を非難した。国際法上、沿岸国の安全と秩序を害しない領海の無害通航は認められている。しかし、追尾する行為は該当しない。』
『尖閣諸島周辺海域では海上自衛隊護衛艦も警戒監視している。海保では対応が困難になった場合には、海上警備行動の発令により、自衛隊の出動が可能になる。ただ政府関係者は「自衛隊を出せば、中国側は『公船に日本は軍事力で対応した』と国際世論に訴え、尖閣に軍艦を出す口実にしかねない」と話す。』
『中国公船は大型化が進み、複数の3000トン級以上の公船が尖閣領海に侵入するケースもある。海保最大の巡視船は6500トンだが、海保や防衛省によると、中国は「海警2901」など1万トン級の公船2隻を保有。軍艦並みの大口径の砲を備えているとみられる。
政府関係者は「1万トン級の大型船が尖閣に出現すれば、荒天時も居座わり、長期間挑発する恐れもある」と警戒する。
防衛省は、海警2901は部隊に編入され、残る1隻は南シナ海でパトロール活動などを実施した可能性があるとみている。武力攻撃に至らない「グレーゾーン」と呼ばれる侵害行為に、どのように海保と自衛隊が連携して対処するのかが喫緊の課題となっている。』 -
https://www.sankei.com/politics/news/200510/plt2005100005-n1.html
https://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/murasame/104.html
きりさめ (護衛艦)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%82%8A%E3%81%95%E3%82%81_(%E8%AD%B7%E8%A1%9B%E8%89%A6)※ 「きりさめ」は、むらさめ型護衛艦の一つだ…。ちょっと情報を集めた…。今回は、「兵装」について、少し詳しく画像を収集した…。






※ 砲塔の下には、こういうものがある…。連射できるようになっているわけだ…。砲弾は、相当にデカイな…。


※ 搬入作業は、「人力」で行う…。相当に、大変そうだ…。銀色部分が「弾薬」で、金色部分が「弾頭」ということなのか…。



※ オレらが、俗に「バルカン砲」とか言っているもののようだ…。
Mk 48 (ミサイル発射機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Mk_48_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB%E7%99%BA%E5%B0%84%E6%A9%9F)



Mk 41 (ミサイル発射機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Mk_41_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB%E7%99%BA%E5%B0%84%E6%A9%9F)



※ 「蓋」の下には、こういう「筒」が仕込まれており、その中に「ミサイル」が収められているわけだ…。2本入っているものも、あるようだな…。


Mk 32 短魚雷発射管
https://ja.wikipedia.org/wiki/Mk_32_%E7%9F%AD%E9%AD%9A%E9%9B%B7%E7%99%BA%E5%B0%84%E7%AE%A1

SH-60J (航空機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/SH-60J_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)












FCS-2
https://ja.wikipedia.org/wiki/FCS-2



・C4I:『艦の指揮中枢となる戦闘指揮所(CIC)は船体内の第2甲板に設置されており、戦闘システムの中核となる戦術情報処理装置は新世代のOYQ-9である。OYQ-9は新世代の電子計算機であるUYK-43 1基とUYK-44 1基を中核として、ワークステーションとしてAN/UYQ-21が配置されているほか、CICにはイージス・ディスプレイ・システム(ADS Mk.2)に類似した大画面液晶ディスプレイ(LCD)2面構成の情報表示プロジェクタが設置され、戦術情報の表示を効率化している[14]。
また本型では、OYQ-9とのインターフェースを取って、OYQ-103 対潜情報処理装置(ASWCS)が搭載されており、これによって全武器システムとのデジタル連接が実現された。データリンクとしてはリンク 11およびリンク 14、また、哨戒ヘリコプターのヘリコプター戦術情報処理装置(HCDS)との連接用にORQ-1 TACLINKを装備している[14]。また後にデジタル化したORQ-1Bが開発され、「はるさめ」などに試験搭載された[15]。』
・対空戦:『対空兵器システムは、基本的には58DDと同じ能力であるが、レーダー射撃指揮装置を同機種2基とすることで同時2目標対処を可能とするとともに、ミサイルを垂直発射化したものとなっている[16]。
個艦防空ミサイル(短SAM)の垂直発射機(VLS)としては、16セルのMk.48が艦の中央部の煙突間に配置されている。搭載するミサイル数は第1世代DDと同数であるが、従来は8発撃つとミサイルをランチャーに装填する必要があったのに対して、VLSではその必要がなくなり、即応弾数は倍になった。ミサイルとしては、当初は従来型シースパローをもとにVLSに対応させたRIM-7M(PIP)が搭載されていたが、平成16年度から24年度にかけて発展型シースパロー(ESSM)の運用能力が付与された。これは「むらさめ型等の短SAMシステム換装」と称されており、VLSをMk.48 mod.4 VLSに換装した[17]。Mk.48 mod.4 VLSに装填されるキャニスタはMk.20 キャニスタであり、ESSM搭載数は1セルあたり1発のままである[18][19][注 1]。
射撃指揮装置(FCS)としては、第1世代DDでは、主砲用(GFCS)としてはFCS-2-2xシリーズを、短SAM用(MFCS)としてはFCS-2-12を搭載していたため、特に短SAMによる目標の同時処理能力は1個に制約されていた[注 2]。本型では、当初は同時多目標対処可能な完全新型機であるFCS-3の搭載が検討されていたものの、開発スケジュールの遅延と重量容積の増加のために、これは実現しなかった[21]。しかし砲・短SAMの双方を管制できる改良型であるFCS-2-31を2基搭載することで、同時2目標対処は可能となった[16]。
OPS-24B(左)とFCS-2-31(右)
なお、対空捜索用のレーダーとしては、アクティブ・フェーズドアレイ(AESA)アンテナを用いた3次元レーダーであるOPS-24Bを搭載した。原型機であるOPS-24は、あさぎり型の後期建造艦(60・61DD)で装備化されたものの、航空自衛隊のレーダーサイトで用いられていたJ/FPS-3をもとに最小限の改正で艦載化したこともあって搭載後より問題が多発し、用兵者からの評価は惨憺たるものとなっていた。このことから、本型搭載のOPS-24Bでは、ほぼ新造に近いレベルの抜本的な改良が施されている[20]。砲熕兵器も第1世代DDのものが基本的に踏襲されており、主砲としては76ミリ単装速射砲(コンパット砲)を艦首甲板に1基装備した。また近接防空用については、高性能20mm機関砲(CIWS Mk.15 mod.12; ファランクス ブロック1)2基を搭載している点では第1世代DDと同様であるが、設置位置は、艦橋前部とハンガー上に変更されている。CIWSを艦首尾線上に配置することで、襲来する対艦ミサイルへの火力集中と、艦の暴露面積の縮小を図ったものである[9]。なお、1番艦「むらさめ」は2016年度の定期検査においてCIWSをBlock1Bに換装しており、その他の艦も順次換装されていくと思われる。』
・対水上戦:『本型は、90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)による長距離対水上打撃力を備えている。SSM-1Bは1号型ミサイル艇で装備化された国産の艦対艦ミサイルで、従来使用されてきたハープーンよりも優れた精度と対妨害性を備えている。発射機はハープーンと同様の4連装発射筒で、2基の発射筒は、艦中央部、第1煙突後方に搭載されている。なお攻撃指揮装置としては対艦ミサイル艦上装置2形を備えており、SSM-1Bとハープーンの双方の発射管制機能を有している[22]。このため、実運用上はハープーンを搭載している例も多く見られる[23]。
対水上捜索用のレーダーとしては、58DDと同じくOPS-28が搭載されている。これはCバンドで動作し、遠距離での精密捜索能力に優れており、水上の目標のみならず、低空を飛行する巡航ミサイル(シースキマー)などの探知にも使用される[24]。
また、ソマリア沖海賊の対策部隊派遣などで近距離の小型水上目標に対応することを想定して、艦橋側面のチャフ甲板および格納庫上の両舷に12.7mm重機関銃M2の銃座を設置しているほか、艦橋構造物前には防弾板が装着されている[25]。』
・対潜戦:『曳航ソナー(TASS)も、新型のOQR-2が搭載された。これは、第1世代DDに後日装備された86式えい航式パッシブソーナーOQR-1と比してアレイの径が細く、その分長さを伸ばして方位精度を増したものとされている[9]。また第1世代DDでは後甲板におけるTASSの投入・揚収作業は危険を伴い、特に夜間・荒天時の作業は安全確保上特別の配慮が必要であったのに対し[20]、本型では艦尾はエンクローズされて曳航ソナーの装備区画が艦内に取り込まれ、艦尾には油圧駆動による水密扉が設けられている[7]。
対潜兵器は基本的に第1世代DDと同構成だが、アスロックの発射機として、従来用いられてきた8連装発射機(Mk.16 GMLSあるいは74式アスロックランチャー)にかえて、垂直発射式のMk.41 mod.9 VLS(16セル)が搭載された。搭載位置は艦橋構造物前方で、甲板内に収容されている。Mk.48を含め、これらの垂直発射装置は、汎用護衛艦としては初めての搭載例である。魚雷発射管としては、3連装短魚雷発射管HOS-302を艦中部両舷に装備している[7]。
なお魚雷対策用の曳航式デコイについても、58DDと同じく、アメリカ製のAN/SLQ-25ニクシーが装備された[27]。
』・電子戦:『第1世代DDにおいては、当初はNOLR-6電波探知装置(ESM)とOLR-9ミサイル警報装置(RWR)、OLT-3電波妨害装置(ECM)が搭載されていた。その後、60DDからはRWRの機能を統合した新型のNOLR-8電波探知装置が搭載されるとともに、OLT-3と連接して電子戦システムが構築されるようになっていた[20]。
本型では統合を更に推し進めて、電子攻撃と電子戦支援を兼用できるNOLQ-3電波探知妨害装置が搭載されている。これは63DDGで搭載されたNOLQ-2と同系列で、アメリカ海軍のAN/SLQ-32にほぼ匹敵するものと見られている[28]。
デコイ発射機としては、チャフロケットシステム(Mk.137 6連装デコイ発射機)が艦橋構造中段の両舷に2基ずつ設置されている[7]。ここから投射される弾薬としては、従来のチャフロケット弾やIRデコイ弾(フレア)などのほか、平成7年度計画艦以降では投棄型電波妨害機も搭載されている[29]。』
・航空機:『艦載ヘリコプターとしては、当初からSH-60J哨戒ヘリコプターの搭載を想定しており、艦尾甲板のヘリコプター甲板にはRAST(Recovery, Assist, Secure and Traverse)発着艦支援装置が設置されている。またSH-60Kの開発後は同機の搭載にも対応した[25]。
なお海自DDでは、艦載ヘリコプターの定数はいずれも1機となっている。58DDではSH-60クラスのヘリコプター2機を格納可能なように拡張したものの、設計の最終段階で急遽行われた措置であったために、あくまで必要に迫られた場合に応急的に2機を収容できるスペースを確保したという程度で、実際に2機搭載が行われることはなかった[注 3]。これを踏まえて、本型では当初よりSH-60ヘリコプター2機の収容を前提とした設計が行われることになった。RAST発着艦支援装置の機体移送軌条は1条しかないため、運用には若干の困難が伴うものの、自衛隊インド洋派遣やソマリア沖海賊の対策部隊派遣の際には、実際に2機での運用(1機搭載、1機格納)が実施されている[20][30]。』
※ こうやって、情報を収集していたら、オレはつくづく悲しくなったぞ…。
※ というのは、こういう「兵装品」の一つとして、「国産品」は、無いからだ…。国内で製造しているものも、「ライセンス生産」だ…。
※ 特に、現代戦闘は、「電子戦」だ…。「戦闘システムの中核となる戦術情報処理装置は新世代のOYQ-9である。OYQ-9は新世代の電子計算機であるUYK-43 1基とUYK-44 1基を中核として、ワークステーションとしてAN/UYQ-21が配置されているほか、CICにはイージス・ディスプレイ・システム(ADS Mk.2)に類似した大画面液晶ディスプレイ(LCD)2面構成の情報表示プロジェクタが設置され、戦術情報の表示を効率化している」とあるが、おそらく全ては「ブラックボックス」として、米国から提供されているものだと、思われる…。
※ 翻って考えれば、その「国内生産のライセンス生産品」とて、その「製造」には、「電力」が必要だ…。そのエネルギー資源を、どうやって調達している?中東からが、「8割から9割」じゃなかったか?エネルギー資源だけじゃ無い…。「鉱物資源」とて、国内調達できるものが何割ある?おそらく、ほぼ「ゼロ」だろう…。大体、鉄の原料の「鉄鉱石」と「コークス」からして、100%輸入品だ…。
※ そういう「輸入品」が途絶えれば、あっという間に「国内生産」なるものは、止まってしまう…。大体、石油の備蓄からして、「171日分」だそうだ…。それを使い切れば、護衛艦だろうが何だろうが、動かすこともできなくなる…。
※ こういう「自国の脆弱性」を、よくよくわきまえた上で、「生き残りの戦略」を考えていく必要がある…。
※ 兵装品の提供国に、ヘタにそそのかされたり、「ギリギリの神経戦」に耐えきれなくなって、事に及んでしまう…、なんてことが無いように、よくよく抑制的に行動する必要がある…。
※ その提供国が、舌を何枚も持っていて、敵対国に裏で兵器の情報を流しているかもしれない…、ときては、なおさらだ…、
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https://www.sankei.com/politics/news/200510/plt2005100006-n1.html
中国、入国制限緩和探る 日本に打診 「陰性」が条件
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58936730R10C20A5EA1000/新型肺炎から垣間見えた、対中・半導体ビジネスの危うさ 「中国製造2025」にどう向き合うか
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00029/『先日、武漢からチャーター便で日本人数百人が帰国した。そのうち約半数は自動車関連の従事者であったが、残りの大半は半導体関連の従事者だった。日本の半導体製造装置メーカーの技術者がそうした工場の建設とメンテナンスに関わっているのだ。』
※ そういうことで、日本に圧力をかけて来ているんだろう…。
後は、「習近平氏国賓訪日」への圧力だろうな…。天安門後の西側世界で、いの一番に日本が「天皇陛下(現上皇様)」の訪中を行った…。それが一種の「お墨付き」になって、他の西側各国との関係改善が進んだ、と言われている…。今回も、その再来を目論んでいる…、と思われる…。それで、盛んにプレッシャーをかけて来ているんだろう…。
むろん、「台湾」問題へのけん制もある…。※ それより、注意しなければならないのは、以下のようなことだ…。
問われる日本の「天安門後」外交=学生弾圧に涙した現場-欧米と一線、対中関係改善(2019年06月01日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019053100939&g=int
『89年12月、日本の対中姿勢を非難したスコウクロフトが実は同年7月初めに極秘訪中し、トウ小平と会談していたことが判明した。外務省では、米の「二枚舌」外交に怒り心頭だったが、栗山は「日本は早く円借款の凍結解除をしたい思惑があったのである意味渡りに船で、今度は日本が米側を利用した」と実情を明かした。』
『92年には中国側の求めに応じて天皇訪中が実現した。慎重な対中外交を取るべきだと主張した橋本が、駐中国大使でありながら一時帰国を繰り返し、難色を示す自民党有力議員を説得し、実現の立役者になった。』
『しかし当時の中国外交を統括した銭其シンが後に回顧録で、西側諸国による対中制裁を打破する上で天皇訪中を利用したことを認め、当時の外務省幹部は中国に裏切られた思いを強くした。』※ こういう風に、「外交」というものは、「狐と狸の化かし合い」…、一筋縄ではいかない「虚々実々」の駆け引きなんだよ…。まず、「舌」は、「何枚もある」と思っていないとならない…。逆に、こっちも「何枚も備えておかないと」ならない…。
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日本漁船を一時追尾 領海侵入の中国公船―尖閣沖
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020050900221&g=soc『沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で中国公船が領海侵入した問題で、第11管区海上保安本部(那覇市)は9日、侵入した中国公船4隻のうち2隻が、付近で操業していた日本漁船に接近し、一時追尾する状況になったと発表した。中国公船は、昨年5月にも航行中の日本漁船に接近した例があるという。
同本部によると、中国公船「海警」は8日午後4時50分ごろ、魚釣島の西南西約12キロの海上で日本漁船に接近した。漁船には3人が乗っており、海保が周囲に巡視船を配備し、海警に退去するよう無線で警告すると、離れたという。』