カテゴリー: 国内情勢
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健康保険証、24年秋に廃止 改正マイナンバー法が成立
不同意なしで口座登録も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA318VW0R30C23A5000000/※ こりゃ、いよいよ、「マイナカード」を作らないとならんのか…。
※ 来年の秋までか…。
※ そう言えば、かかりつけ医の窓口にも、「読み取り機」らしきものが、設置されてたな…。
『行政のデジタル化を進めるための改正マイナンバー法が2日の参院本会議で可決、成立した。2024年秋に予定する現行の健康保険証の廃止に向けた制度をそろえた。誤登録などが相次いでおり制度改善には余地がある。
政府はマイナンバーカードと保険証を一体にする「マイナ保険証」の普及をめざす。今の保険証は来年秋以降、1年の猶予期間を経て使えなくなる。
法改正によりカードを持たない人でも保険診療を受けられるようにする「資格確認書」の発行が健康保険組合などで可能になる。確認書の期限は1年とする方針で、カードの利用者よりも受診時の窓口負担を割高にする検討も進める。カードへの移行を促す狙いだ。
乳幼児の顔つきが成長で変わることを踏まえ1歳未満に交付するカードには顔写真を不要とする内容も入れた。
政府などの給付金を個人に迅速に配るため口座の登録を広げる措置を盛り込んだ。年金の受給口座の情報を日本年金機構から政府に提供することを事前に通知し、不同意の連絡が1カ月程度なければ同意したと扱う。
新型コロナウイルス禍での個人給付では通帳のコピーなどの提出が必要で行き渡るまでに時間がかかった。口座登録の割合が高齢者で低いことを踏まえ年金口座の利用を決めた。
税と社会保障、災害対策の3分野に限ってきたマイナンバーの活用を広げる。引っ越しの際の自動車変更登録や国家資格の手続きなどでも使えるようにする。
改正マイナンバー法は与党と日本維新の会、国民民主党などが賛成した。個人情報の漏洩防止の徹底や全ての被保険者が保険診療を受けられる措置の導入などを盛り込んだ付帯決議を採択した。
政府はマイナカードを「23年3月までにほぼ全国民に行き渡らせる」と号令をかけ、ポイントを付与するなどして国民に取得を呼びかけた。全国民の申請率は8割弱、交付率は7割強に達した。
コンビニエンスストアで住民票などの証明書を他人に発行したりマイナ保険証で別人の情報をひもづけたりするなどのトラブルも多く発覚した。システムの問題や人為的な入力ミスに起因している。』
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OpenAIに行政指導 個人情報保護委、取得手法に懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA023IJ0S3A600C2000000/『政府の個人情報保護委員会は2日、生成型の人工知能(AI)「Chat(チャット)GPT」を開発した米新興のオープンAIを行政指導したと発表した。重要な個人情報の取得の仕方に懸念があると判断し、1日付で同社に注意喚起した。
犯罪歴や病歴といった重要な個人情報が収集・利用されないような取り組みを求めた。やむを得ず収集した場合は、即時削除することをオープンAIに求めた。
同委員会の担当者は「現時点で個人情報保護法の違反は確認しておらず、利用停止などを求めるものではない」と説明した。
【関連記事】
・「ChatGPT」CEO来日、個人データ保護「政府に協力」 ・EUと米国、生成AI規制を協議 経済安保は連携確認 ・AIに「人類絶滅リスク」 ChatGPT開発トップら共同声明
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藤井聡太七冠誕生 七冠・羽生善治の壮大な仕掛けが結実
大崎善生氏(作家、元「将棋世界」編集長)寄稿
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD2989U0Z20C23A5000000/※ 『それから羽生はあることに徹底した。タイトル戦や研究会や棋士としてのイベントや行事の合間を縫うように、ひたすら将棋の定跡書を書き連ねたのである。
タイトル戦が混み合うときは、まるで自分がどこにいて何をやっているのかさえも不確かになる。そんな極限状態のスケジュールの中においても、定跡の一手一手を地道に系統立てて書き連ねていくという気の遠くなる作業を、羽生はただの一度も手を抜くことをせずに続けた。体力的にぎりぎりの状況にあっても必ず自力で一字一句を書き連ねていく。』
※ 『自分が今ある不確かな定跡体系を系統立てて書き連ねることによって、いつかそれに反応したより強力な棋士が出来上がるのではないか。そしてそのことこそが、将棋の本質に向かうということにつながっていくのではないか。』※ 『日本中の将棋好きの指導者たちが呼応した。
羽生の書く月刊誌の定跡講座を、コピーし貼り付け一字一句を子どもたちに伝えていった。藤井を幼稚園時代から指導した講師もまたそういう一人である。彼の教えは徹底していた。
自分が何かを教えるのではなく羽生の残した言葉の一行一句を子どもたちの体に染み込ませ、血と肉とすること。羽生の定跡書は何冊も何冊も切り刻まれ、コピーされ子どもたちの頭脳に体の一部となり浸透していく。丸ごと記憶する。それが何よりも大切なことだった。
今現在の藤井聡太の戦いを見ていて、どういうわけか羽生がかつて成し遂げたことを見ているような興奮が沸いてこない。何かすべては羽生という天才が仕掛けた想定通りのことのように思えてならないのである。』…。
※ スゲー話しだな…。
※ まあ、「偉業」なんてものは、そういう「地道なことの積み重ね」の延長線上にしか、起こり得ないものなんだろう…。
『将棋の藤井聡太六冠(20)が1日、最年少で名人のタイトルを奪取し七冠を達成した。七冠は羽生善治九段(52)に次いで史上2人目の快挙で、全八冠独占まで残るタイトルは王座のみ。七冠の意義について、両者を知る元「将棋世界」編集長で作家の大崎善生氏に寄稿してもらった。
私はいつからかこのように考えるようになっていた。
藤井聡太という棋士の存在、その姿はある一人の稀有(けう)な天才が作り出した、一つの実験の…
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『藤井聡太という棋士の存在、その姿はある一人の稀有(けう)な天才が作り出した、一つの実験の結果であり理想像なのではないかと。その天才の描いた想像の線の上に藤井聡太は、やはりそれが必然であるかのように忽然(こつぜん)と存在した。
これから藤井が挑むであろう八冠全冠制覇という大偉業、しかしそれすらもある意味では、その天才にとっては一つの十分に想定内の出来事に過ぎないのではないか。
時代は27年前に遡る。
1996年、冬。羽生善治というたった一人のやせ細った青年が、絶対にあり得ないと言われていた大偉業を成し遂げた。七冠完全制覇。その達成はまるで海が割れていく奇跡のように、私たちの眼前に事実として提示されたのである。
その瞬間に私たちは奇跡の目撃者となった。目の前で起きてしまえば、それは奇跡というあやふやなものではなく、れっきとした事実であり現実であった。羽生という一人の青年が、それを現実として我々の前に生み落とし、そしてその瞬間から将棋界はすべての面で大きく変わっていったといえるのかもしれない。
これから何を目指すのか。
全冠制覇を達成した羽生に私は聞いた。この本人でも無理と思っていたという偉業を成し遂げてしまっては、これからの棋士人生を何を目標に過ごしていくのか。それは近くで見ていた私にとってはごく当たり前の疑問だった。羽生はまだ25歳の青年だった。
将棋の本質を目指す。それを解き明かす。
それが羽生の答えであった。もちろんそう簡単に割り切った答えが出たわけではないが、大きく何度となく考え直して言葉にしてみれば、要するに羽生の言葉はそれに近いものだったのではないかと思う。
それから羽生はあることに徹底した。タイトル戦や研究会や棋士としてのイベントや行事の合間を縫うように、ひたすら将棋の定跡書を書き連ねたのである。
タイトル戦が混み合うときは、まるで自分がどこにいて何をやっているのかさえも不確かになる。そんな極限状態のスケジュールの中においても、定跡の一手一手を地道に系統立てて書き連ねていくという気の遠くなる作業を、羽生はただの一度も手を抜くことをせずに続けた。体力的にぎりぎりの状況にあっても必ず自力で一字一句を書き連ねていく。それは大きな使命感を持っていなければできない大変な作業だったことと思う。
羽生の考えはおそらくこうだ。
自分が今ある不確かな定跡体系を系統立てて書き連ねることによって、いつかそれに反応したより強力な棋士が出来上がるのではないか。そしてそのことこそが、将棋の本質に向かうということにつながっていくのではないか。
七冠王羽生善治の壮大な仕掛け。
自分ではなく新しい才能や可能性に託す思い。
将棋とは何か。何が正しくどこへ行きつくのか。
それを自分が解き明かすのではなくヒントを残すことによって新しい才能、次の世代に懸ける。そしてほどなくして羽生の実験は現実のものとして動き出すのである。
日本中の将棋好きの指導者たちが呼応した。
羽生の書く月刊誌の定跡講座を、コピーし貼り付け一字一句を子どもたちに伝えていった。藤井を幼稚園時代から指導した講師もまたそういう一人である。彼の教えは徹底していた。
自分が何かを教えるのではなく羽生の残した言葉の一行一句を子どもたちの体に染み込ませ、血と肉とすること。羽生の定跡書は何冊も何冊も切り刻まれ、コピーされ子どもたちの頭脳に体の一部となり浸透していく。丸ごと記憶する。それが何よりも大切なことだった。
今現在の藤井聡太の戦いを見ていて、どういうわけか羽生がかつて成し遂げたことを見ているような興奮が沸いてこない。何かすべては羽生という天才が仕掛けた想定通りのことのように思えてならないのである。
まあ、しかしそれも現時点のことかもしれない。
八冠が現実となって藤井の手によって提示されれば、その瞬間からまた大きな時代が開き新しい奇跡のページが始まるのかもしれないのだ。
何が起こるか分からない。ただ息を潜め目を瞠(みは)っているしかない。
おおさき・よしお 1957年、札幌市生まれ。日本将棋連盟発行の「将棋世界」編集長などを経て、故村山聖九段の生涯を描いた「聖の青春」(新潮学芸賞)でデビュー。著書に「パイロットフィッシュ」(吉川英治文学新人賞)、「将棋の子」など。
【関連記事】・藤井聡太七冠達成 写真で振り返る
・藤井聡太フィーバー再燃 「見届け」1局250万円、新棋戦も
・将棋・藤井聡太六冠が名人戦制す 最年少で七冠に「日経 文化」のTwitterアカウントをチェック
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。北川和徳のアバター
北川和徳
日本経済新聞社 編集委員
コメントメニュー今後の展望 藤井名人には8つのタイトルの全冠制覇をぜひ見せてほしいです。早ければ秋にもと言われていますが、それには王座戦のトーナメントを勝ち抜いて挑戦者になって5番勝負に勝つだけではなく、その間も自分が保持している棋聖と王位も防衛しなければならないのだから、気が遠くなります。でも、これまでもそれを繰り返しての7冠ですね。将棋はよく分かりませんが、何時間も集中力を求められる勝負を1週間に1回くらいのペースで行い、そこで圧倒的な勝率を維持できるということが、とても信じられません。
2023年6月2日 8:35』 -
マイナンバー法など改正案 参院特別委で可決 6月2日に成立へ | NHK |
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230531/k10014084541000.html『2023年5月31日 20時10分
マイナンバーカードと健康保険証の一体化や、マイナンバーの利用範囲を拡大するための改正案は、参議院の特別委員会で採決が行われ、賛成多数で可決されました。
6月2日に開かれる参議院本会議で可決・成立する見通しです。政府が提出したマイナンバー法などの改正案は、
▽健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化したり、
▽社会保障と税、災害対策の3分野に限定されていたマイナンバーの利用範囲を拡大したりすることなどが盛り込まれています。委員会では5月31日、改正案の採決が行われ、賛成多数で可決されました。
改正案は、6月2日に開かれる参議院本会議で可決・成立する見通しです。
マイナンバーカードをめぐっては、一体化した健康保険証に他人の情報が登録されたケースが7300件余り確認されたほか、国の給付金などを受け取ることができる公金受取口座が別の人のマイナンバーに登録されるミスが起きるなど、トラブルが相次いでいます。
これについて、採決に先立って行われた連合審査会で、加藤厚生労働大臣は「システム全体の信頼を毀損することにつながり、国民に大変心配をおかけしていることは申し訳なく思っている。これまでのデータの点検などを通じて、システムに対する信頼を勝ち取れるよう努力していきたい」と述べました。
また、河野デジタル大臣は、「人間が介在すれば、間違いが起こることが大前提だ。定期的に問題が起きていないかきちんとデータを確認し、ミスを繰り返さないようデジタル庁の体制をしっかり確立していきたい」と述べました。』
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世界遺産「春日大社」:神の使いの鹿と3000基の燈籠が伝える、奈良時代から続く信仰心https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu900252/
※ 今日は、こんな所で…。




















『 信仰心
旅 歴史 文化 2023.05.21古代から信仰の対象だった御蓋山(みかさやま)の麓に鎮座する世界遺産「春日大社」(奈良市)。約100万平方メートルの自然豊かな境内では、神の使いの鹿たちが闊歩する。平安貴族や戦国武将も寄進した燈籠(とうろう)が約3000基あり、万人に敬われてきた歴史を伝えている。
奈良公園の人気者にまつわるいにしえの教え
「古都奈良の文化財」としてユネスコの世界文化遺産に登録される春日大社、東大寺、興福寺。その3つの社寺に囲まれる奈良公園一帯で、東大寺「奈良の大仏さま」と並び、インバウンドのお目当てになっているのが、あちらこちらで群れ遊ぶ鹿たちである。
「奈良のシカ」は国の天然記念物で、飼育動物ではない。人間と野生の鹿が市街地で共生する光景は、世界的に見ても大変珍しい。鹿は春日大社の「神の使い」と考えられたため、人々が大切にしてきたのだ。
2023年1月に発表された学術論文は、「神鹿(しんろく)信仰」が奈良時代から受け継がれてきたことを証明すると話題を呼んだ。約1400年前に奈良にすみ着き、周辺の鹿集団が狩りによって消滅する中で、固有のDNAを守り続けたと推測している。
鹿は奈良公園一帯に約1200頭が生息している
春日大社の歴史は、武神として崇敬される武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、御蓋山(通称・春日山)頂上の浮雲峰(うきぐものみね)に降り立ったのが始まりとされる。武甕槌命は鹿島(茨城県)から白鹿に乗って来たと伝わるため、この地の鹿は神鹿とされた。
春日大社を信奉したのが、奈良時代から平安時代に栄華を誇った貴族・藤原氏。朝廷では権勢を振るったが、鹿に出会った時は、わざわざ輿から降りて頭を下げたという。
神山・御蓋山は狩猟や伐採が禁じられたため、野生の鹿にとっても安住の地となった。春日大社の東側に広がる「春日山原始林」は、今でも多様な生態系を保持することから、世界遺産「古都奈良の文化財」の一つとなっている。
武甕槌命が降り立った御蓋山の山頂には本宮神社が祀られるが立ち入り禁止。本殿の東にある御蓋山浮雲峰遙拝所から拝む
平安貴族から戦国武将に至るまで信仰を集める
武甕槌命はしばらく浮雲峰に祀(まつ)られていたが、768(神護景雲2)年、称徳天皇の命を受け、藤原氏が現在の場所に本殿を造営。その際に、香取(千葉県)から経津主命(ふつぬしのみこと)、枚岡(大阪府)より藤原氏の遠祖とされる天児屋根命(あめのこやねのみこと)と妻の比売神(ひめがみ)を迎え、4柱を共に祀った。
藤原氏は春日大社を氏神と仰ぎ、氏寺の興福寺と共に手厚く保護。特に平安時代には、皇族や貴族の春日詣でが盛んになり、849(嘉祥2)年には天皇の使者「勅使」が派遣される盛大な「春日祭」が始まった。現在も毎年3月13日に開催し、京都の賀茂祭(葵祭)、石清水祭と並ぶ三大勅祭に数えられている。
春日祭 撮影:松井良浩
12世紀ごろからは、新たな支配者層となった武家も、武芸向上や勝負運の御利益を求めて崇敬した。その人気は次第に庶民にも広がっていき、現在は全国に約3000もの春日神社がある。
中門と左右約13メートルの御廊(おろう、重要文化財)。中門の前から奥にある本殿を参拝する
正門に当たる南門(重要文化財)。高さ約12メートルで春日大社最大の楼門
主祭神を祀る4棟の本殿を中心とする聖域を「大宮」と呼ぶ。中門と「御廊」に加え、社殿や宝庫、周囲の回廊や4つの門など、建造物のほとんどが重要文化財だ。
春日大社の建造物は、奈良・平安時代の建築技術の粋を集めたもの。特に大宮の本殿は、「春日造」という代表的な神社本殿形式の一つとして現代に受け継がれている。美しい反りを描く大屋根、それと一体化した庇 (ひさし)が特徴だ。20年に一度、修繕や造り替えをする「式年造替」を1200年にわたって執り行ってきた。4柱の4殿が横一列に並ぶ珍しいもので、国宝の指定を受ける。
大宮本殿(国宝)と同じ春日造の社殿を持つ摂社・若宮本殿(重要文化財)
左手前が社頭の大杉。周囲8.7メートル、高さ25メートルにも及ぶ大木
大宮内では、樹齢800~1000年と推測される「社頭の大杉」や、子授けの御利益があるという「七種寄木(なないろのやどりぎ)」など霊木や植物も見どころ。
晩春の花・藤は特に有名だ。南門を抜けて左手にある藤棚は、地面の砂にすれるほど花房を伸ばして咲くことから、「砂ずりの藤」と名が付いた銘木。藤は春日大社の象徴で、社紋にも用いられているが、これは藤原氏の家紋が藤であることと無縁ではない。古くから境内に自生し、「萬葉植物園」では20品種約200本が花を咲かせる。
「砂ずりの藤」は樹齢700年以上。藤原氏の嫡流、近衛家(このえけ)の献木と伝わる 写真:PIXTA
萬葉植物園の「藤の園」。藤棚とは違って、目線の高さで鑑賞できるよう工夫されている。毎年4月下旬から5月上旬に見頃を迎える 写真:PIXTA
あまたの燈籠が長年の信奉を物語る
春日大社境内の最大の特徴といえるのが、約3000基もある燈籠。広報の秋田真吾さんは「室町時代からは貴族や武士だけでなく、庶民からの寄進も増えた。全国に現存する室町以前の燈籠の約7割が、春日大社にあるといわれている」と語る通り、日本最多の神社である。
燈籠について解説してくれた広報の秋田さん
社寺の参道に燈籠を並べる風習も、春日大社が発祥だという。燈籠は本来、神仏を照らすために社殿やお堂の前に設けるが、春日大社では大宮と摂社・若宮をつなぐ参道「御間道(おあいみち)」を神前同様の聖域とするため、鎌倉時代末期から石燈籠が立ち並び始めたそうだ。その数はどんどん増え、次第に境内全域へと広がった。江戸時代になると春日大社にならって、全国の社寺が参道に石燈籠を並べるようになったという。
日本で初めて参道に石燈籠が並べられたという御間道
木製で立方体の火袋が特徴の「御間型燈籠」。2022年秋に、戦国時代の黒漆塗(くろうるしぬり)火袋の燈籠が1基復元された
境内を歩く際には、石燈籠の柱に注目したい。ほとんどの燈籠には「春日社」と刻まれているが、約2000基あるうち15基だけが「春日大明神」の文字になっているそうだ。ひと晩で3基見付けると「長者になれる」との言い伝えがあるので、ぜひ探してみよう。
「春日大明神」と刻まれた石燈籠
時代を超えた祈りを感じる光景
大宮の回廊にずらりと並ぶ釣燈籠は、現代でも寄進が絶えない。こちらは境内全体で約1000基を数え、古くは平安時代にさかのぼる。江戸幕府5代将軍・徳川綱吉、戦国武将の藤堂高虎や直江兼続、宇喜多秀家らが寄進した燈籠も、現役で御廊につるされている。
東回廊(重要文化財)に列を成す釣燈籠
左から2番目が徳川綱吉、3~4番目が藤堂高虎の寄進
膨大な数の燈籠は、「江戸時代までは毎日、火をともしていた」(広報・秋田さん)そうだ。現在は2月の節分、お盆の8月14、15日の伝統行事「万燈籠」の夜にだけ、その光景を目の当たりにできる。深い森の闇にあまたのともし火が揺らめき、神聖な参道や回廊がより厳かな空気に包まれる。
幻想的な雰囲気に包まれる「万燈籠」 撮影:松井良浩
大宮内の「藤浪之屋(ふじなみのや)」では、万燈籠の雰囲気を一年中体感できる。江戸時代まで神職の詰所だった歴史ある建物内に、100基以上の釣燈籠が明かりをともしているので、時を忘れて見入ってしまう。
幽玄な世界を楽しめる藤浪之屋(重要文化財)
石燈籠を眺めながら参道を歩いていると、鹿がひょこっと顔を出すことがある。その光景を数百年前の貴族や武将も見ていたかも、と思うと感慨深い。時代を超え、現代ではアイドル的な人気者になった鹿たちは、参拝者を笑顔にし、癒やしをくれる存在だ。
こけむした石燈籠が並ぶ表参道。たくさんの鹿にも出会える
春日大社
住所:奈良県奈良市春日野町160 拝観時間:御本殿参拝所 3月-10月=午前6時30分~午後5時30分、11月-2月=午前7時~午後5時 ※お札・お守り・御朱印等は午前9時~閉門まで、御本殿特別参拝 午前9時~午後4時(参拝不可の日時あり) 拝観料:境内参拝自由、御本殿特別参拝500円 アクセス:JR「奈良」駅、近鉄「奈良(奈良公園前)」駅から奈良交通バス「春日大社本殿」行き終点下車すぐ
取材・文=ニッポンドットコム編集部、EditZ
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東急東横線 目黒線 新横浜線 全線で運転再開
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230531/k10014083971000.html『 2023年5月31日 14時43分
東急電鉄の東急東横線と東急目黒線、それに東急新横浜線は、横浜市の日吉駅の線路で煙が出ているのが見つかった影響で一部の区間で運転を見合わせていましたが、さきほど午後2時半ごろに全線で運転を再開しました。』
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政府「こども金庫」新設 政策収支、特別会計で一元管理
https://nordot.app/1035105914403881682?ncmp=post_rcmd『2023/05/27
自民党の茂木敏充幹事長は27日、党本部で講演し、政府の少子化対策の財源を巡り、子ども政策の収支を一元的に管理するための特別会計を新設する方針を明らかにした。「こども金庫を創設し、費用負担の『見える化』を進める予定だ」と述べた。
政府は少子化対策に充てる当面の財源を確保するため、国債の一種である「つなぎ国債」の発行を検討している。つなぎ国債もこの特別会計で管理する方向で調整している。
茂木氏は講演で、政府が6月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に向けて議論を加速すると強調。財源確保については「まずは歳出改革を徹底する」と語った。
© 一般社団法人共同通信社 』
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少子化対策予算「3兆円台半ば」と首相指示
https://nordot.app/1036492346365215523?c=302675738515047521『岸田文雄首相は31日、少子化対策の関係閣僚に対し、今後3年間の重点施策の予算額を「3兆円台半ば」とするよう指示した。後藤茂之経済再生担当相が協議後、官邸で記者団に明らかにした。
© 一般社団法人共同通信社 』
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授業料後払い制度に教育国債導入へ
https://nordot.app/1036494900757135601?c=302675738515047521『政府は、少子化対策の授業料負担に関し、教育国債の一種を導入し、資金調達をする方針。
© 一般社団法人共同通信社 』







