日銀短観 大企業製造業 景気判断は3期連続悪化 非製造業は改善
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221003/k10013846161000.html

『日銀は短観=企業短期経済観測調査を先ほど発表し、大企業の製造業の景気判断を示す指数はプラス8ポイントと、前回を1ポイント下回り3期連続で悪化しました。
一方、大企業の非製造業はプラス14ポイントで前回を1ポイント上回り、2期連続で改善しました。』
日銀短観 大企業製造業 景気判断は3期連続悪化 非製造業は改善
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221003/k10013846161000.html

『日銀は短観=企業短期経済観測調査を先ほど発表し、大企業の製造業の景気判断を示す指数はプラス8ポイントと、前回を1ポイント下回り3期連続で悪化しました。
一方、大企業の非製造業はプラス14ポイントで前回を1ポイント上回り、2期連続で改善しました。』
円安で縮む日本 ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13ART0T10C22A9000000/



『【この記事のポイント】
・ドルでみた日本が縮小。GDPは30年前に逆戻り
・国力低下、円安止まらず。安い賃金、株買いも弱く
・ITなど投資不足。高付加価値の産業へ転換が重要
ドル建てでみた日本が縮んでいる。1ドル=140円換算なら2022年の名目国内総生産(GDP)は30年ぶりに4兆ドル(約560兆円)を下回り、4位のドイツとほぼ並ぶ見込み。ドル建ての日経平均株価は今年2割安に沈む。賃金も30年前に逆戻りし、日本の購買力や人材吸引力を低下させている。付加価値の高い産業を基盤に、賃金が上がり通貨も強い経済構造への転換が急務だ。
経済協力開発機構(OECD)によると日本の今年の名目GDPは553兆円の見込み。1ドル=140円でドル換算すると3.9兆ドルと1992年以来、30年ぶりに4兆ドルを下回る計算だ。現時点での期中平均は127円程度だが、円安が進んだり定着したりすると今年や来年の4兆ドル割れの可能性が高まる。
ドルでみた経済規模はバブル経済崩壊直後に戻ったことを示す。世界のGDPはその間、4倍になっており、15%を上回っていた日本のシェアは4%弱に縮む。12年には6兆ドル超とドイツに比べ8割大きかったが、足元で並びつつある。
経済成長や景況感は円ベースのGDPに連動する。今年のドル建てGDPが21年に比べ2割減るといっても、大不況というわけではない。ただ、ドル建てでの国際比較は長い目でみた「国力」の指標になる。
一橋大学の野口悠紀雄名誉教授は「通貨安は『国力』を低下させる。海外から人材を引き付けられなくなり成長を妨げる」と指摘する。
1ドル=140円なら平均賃金は年3万ドルと90年ごろに戻る計算だ。外国人労働者にとって日本で働く魅力は低下している。今年の対ドルの下落率は円が韓国ウォンを上回り、ドル建ての平均賃金は韓国とほぼ並ぶ。11年には2倍の開きがあった。物価差を加味した購買力平価ベースでは逆転済みだが、市場レートでも並ぶ。
世界経済を揺るがすエネルギー高も通貨安の国には重くのしかかる。原油先物の代表的な指標であるドル建てのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は昨年末に比べ13%上昇した。円建ての東京商品取引所の原油先物(中心限月)は33%とさらに上昇している。
かつての円安局面の特徴だった、外国人が企業収益拡大を期待して日本株を買う動きは見られない。
外国人は22年1~8月に日本株を2.7兆円売り越した。日銀が異次元緩和を始めて急速な円安となった13年1~8月に9.1兆円買い越したのと様変わりだ。「調達コスト増を価格転嫁できず、企業の利益が落ち込む例がある」(仏コムジェスト・アセットマネジメントのリチャード・ケイ氏)とマイナス面を警戒する。
外国人が運用成績の評価に使うドル建てでは日経平均は今年23%安と、年間の下落率で金融危機の2008年(42%)以来となっており、海外からみれば日本の資産は価値が急減している。
円安は輸出競争力を高めるほか、海外からの直接投資や旅行者の誘因にもなる。景気刺激の面では望ましい。ただ、90年代以降の円安を志向する政策の下で、IT(情報技術)投資不足などで産業競争力は落ちた。「円安が続かないと生存できない企業が増えて全体の生産性が低下し、賃金低迷を招いた」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)。円安や金融緩和の支えに甘え、改革を怠れば国力低下は止まらない。
(真鍋和也、今堀祥和、小池颯、南泰葉、川路洋助)
【関連記事】
・政府・日銀、苦渋の為替介入準備 急速な円安に危機感
・日銀が「レートチェック」 為替介入の準備か
・株、円安はもはや売り材料か 「業績にもマイナス」の声 』
貿易赤字が過去最大2.8兆円 8月、資源高・円安で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA14BTU0U2A910C2000000/

『財務省が15日発表した8月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆8173億円の赤字だった。2014年1月を上回り過去最大の赤字となった。
資源高や円安で輸入額が前年同月比49.9%増の10兆8792億円だった。19カ月連続で前年同月を上回った。
輸出額は22.1%増の8兆619億円で、18カ月連続で前年同月を上回った。』
経常黒字86.6%減2290億円 7月、85年以降で最小
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA079JF0X00C22A9000000/

『財務省が8日発表した7月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は2290億円の黒字だった。黒字額は前年同月と比べて86.6%減少し、7月としては比較可能な1985年以降で最小だった。原油価格が高騰し、エネルギー関連の輸入額が膨らんだことが響いた。
経常収支は輸出から輸入を差し引いた貿易収支や、外国との投資のやり取りを示す第1次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。
貿易収支は1兆2122億円の赤字だった。外国為替市場で円安が進み、原油や液化天然ガス(LNG)といった輸入額の増加が影響した。』
「成熟した債権国」へ向かう日本
https://comemo.nikkei.com/n/n0aa6c6467440


『長らく貿易黒字の結果として巨大な経常黒字を維持してきた歴史も背景に、「円安になる時は投機、円高になる時は実需」というのが円相場を見る上での1つの常識でもありました。しかし、近年の日本の経常収支は明確に構造変化を起こしています。
「成熟した債権国」へ
2011年前後を境として日本の経常収支から貿易黒字は姿を消し、第一次所得収支の黒字が主体となっています。経済学者クローサーの国際収支発展段階説に基づけば、本格的に「未成熟の債権国」から「成熟した債権国」への階段を昇り始めた状況です。「昇り始めた」というのは、減少したとはいえ、未だ日本の貿易・サービス収支は断続的に黒字だからです。これが赤字で定着し、本当に所得収支だけで黒字を維持するようになると「成熟した債権国」になります。
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実は上の図に示されるように、金融危機前の10年間(1999~2008年)とその後の10年間(2009~2018年)で経常黒字の水準が大きく変わったわけではありません。具体的には10年平均で見ると、危機前は約+16.7兆円、危機後は約+13.5兆円です。この間、財貿易の黒字額は約+10.9兆円から約+1840億円へ激減しています。片や、第一次所得収支は約+11.2兆円から約17.3兆円へはっきり増加しています。合わせてサービス収支赤字が約▲4.4兆円から約▲2.4兆円へ半減していることも目に付きますが、日本の経常黒字の水準が10年前と比較しても大きく変わらずに済んでいる背景には貿易で黒字を出せなくなった分、過去の投資の「あがり」としての第一次所得収支黒字が増えたことが主因なのです。
もはやフローベースでも直接投資収益が主役
実はこの第一次所得収支の黒字は貿易収支の黒字と決定的に違う部分があります。それは稼いだ外貨が日本円に転換されない部分が多そうだということです。第一次所得収支は投資収益、雇用者報酬、その他第一次所得の3つから構成されますが、基本的には投資収益と読み替えて問題ありません。そして投資収益は証券投資収益と直接投資収益に分かれます。下図は両者の構成比について見たものです。2000年には証券投資収益が66.5%、直接投資収益が23.3%だったものが、2018年はそれぞれ47.3%と48.2%と概ね対等になっています(両者の構成比は2018年に初めて逆転しました)。日本の経常収支の構造は「貿易黒字から第一次所得収支黒字へ。その中でも証券投資収益から直接投資収益へ」と変容していると言えます。
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円相場への影響は?
では、こうした経常収支の構造変化は円相場にどのような影響を持つのでしょうか。貿易黒字であれば、輸出企業は稼いだ外貨を円に転じる必要があるため円買い・外貨売り圧力に直結すると考えられます。こうした取引は「アウトライト(買い切り、売り切り)取引」と呼ばれ、取引のボリュームもさることながら、これに追随しようとする投資家・投機家の存在から方向感を形成しやすいと考えられています。
しかし、現在の日本の経常黒字の大部分を占める第一次所得収支黒字の場合、為替需給に与える経路は貿易黒字ほどシンプルではありません。例えば証券投資収益は配当金と債券利子に分かれますが、実態としては約80~90%が債券利子です。こうしたフローは黒字が記帳された段階ではまだ外貨であるという点が重要です。例えば、日本人投資家Aが保有している米国債から利子収入を受け取る場合、それは海外口座に入金された段階で第一次所得収支上の「黒字」が記録されます。受け取った利子はそのまま再投資されると仮定すれば(そうしたケースは多いと考えられます)、証券投資収益からの円転フローはほぼ期待できないという話になります。
片や、直接投資収益の中身は配当金・配分済支店収益、再投資収益、利子所得に分かれますが、2018年では配当金・配分済支店収益が45.4%、再投資収益が53.2%と分け合う格好でした。配当金・配分済支店収益は実際に直接投資家(または本社)へ送金されたものであるの対し再投資収益は直接投資された企業が稼得した営業利益のうち、投資家に配分されずに内部留保として積み立てられたものです。つまり、直接投資収益の約半分についても円転フローは期待できないという実態が透けて見えます。
「実需なき黒字」
以上の議論をまとめると、第一次所得収支黒字のうち、証券投資収益の債券利子部分に相当する約80%、直接投資収益の再投資収益に相当する約50%については性質上、円買い・外貨売りのフローが発生しないことが予想される。これを絶対額の議論に引き直すとどうなるか。2018年の第一次所得収支は約+20.8兆円だが、再投資収益を除くと約+15.5兆円、再投資収益と債券利子を除くと約+6.5兆円まで減少します。
もちろん、「巨大な経常黒字国である」という強固な対外経済部門にまつわるステータスは構造が変わっても大きく変わるものではありません。しかし「円相場への影響」、より正確に言えば「円高をもたらす影響」についてはかつての経常黒字ほどの「怖さ」が失せている可能性は否めません。こうした「実需なき黒字」は「投機の円安、実需の円高」というかつての常識を修正する論点として今後ますます着目されることになりそうです。最近、米金利が下がっても、株価が急落しても、かつてほど円高に振れなくなった一因としても注目です。』
日本の経常収支の動向
https://shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2020/05/202005_8.pdf

※ こりゃ、スゲーな…。
※ 最近じゃ、経常収支の黒字のほぼ9割を「第一次所得収支」が占めるような状態に、なっていたんだ…。
※ 第一次所得収支とは、「親会社と子会社との間の配当金等の受払を示す」ようなもののことだ…。
『国際収支統計によると、2019 年の経常収支は20.1兆円の黒字となった。これはリーマンショック前の2000 年代半ばとほぼ同じ水準であるが、その内訳は大きく変化している。経常収支は、貿易収支、サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支からなる(下図)。
経常黒字額がほぼ同じであった2006 年と2019 年を比較すると、貿易収支の黒字額は2006 年の11.1兆円から2019 年には0.5兆円に大きく減少している。一方、サービス収支は3.7 兆円の赤字から0.2兆円の黒字に転じている。また、親会社と子会社との間の配当金等の受払を示す第一次所得収支の黒字は14.2 兆円から20.7 兆円に増加している。第二次所得収支(居住者と非居住者間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す)は、大きな変化はみられない。
こうした動きの要因をみると、貿易黒字の減少は輸入が輸出を上回って増加したことによるものである。
サービス収支が黒字となったのは、アジアを中心としたインバウンド旅行者の増加等により赤字が続いていた旅行収支が黒字化したほか、知的財産権等使用料収支の黒字が増加したことが主因である。第一次所得収支の黒字が増加したのは、直接投資や証券投資の拡大を背景として海外からの配当金等の受取が増加したためである。
さらに貿易黒字が減少した要因を探るため輸出入の動向をみよう。貿易統計により2006年と2019年を比較すると、輸出は1.7 兆円増加している。品目別には、2019年の輸出の20%を占める自動車・同部分品は2006 年とほぼ同水準であり、増加に寄与しているのは半導体等製造装置などである。一方、輸入は11.3 兆円増加している。品目別にみると、2019 年の輸入額の22%を占める鉱物性燃料は、東日本大震災後に一時大幅に増加したが、2019年は2006年より減少している。増加への寄与度が大きいのは、通信機(携帯電話等)、医薬品、自動車及び同部分品、航空機類などである。
経常収支の内訳をみると、2000年代前半は貿易黒字が主役であったが、2010年代になると第一次所得収支が経常黒字の多くを稼ぎ出し、主役が交代しているようにみえる。ただ、輸出は最近も70 ~ 80 兆円台で推移しており、輸入が増加するなか、引き続き日本経済を支える重要な柱である。
(商工総合研究所常務理事 小林 昇)』
4~6月期の全産業経常利益17・6%増 円安で過去最大に
https://mainichi.jp/articles/20220901/k00/00m/020/059000c
※ どっかのテレビで、「専門家」が、「日本の企業は、”円高”の時に、生産拠点を海外に移転させたから、”円安”の恩恵は、さほど受けない構造に変化している。それよりも、物価が上がって、ダメージの方が大きい構造に変化してナンタラカンタラ…。」と言っていたが、どうも、違うようだな…。
※ いずれ、政府と日銀が、「総合的な判断」を下すだろう…。
『財務省が1日発表した4~6月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比17・6%増の28兆3181億円となり、四半期では統計を取り始めた1954年以降で過去最大となった。前年同期比のプラスは6四半期連続。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ世界経済の回復や円安を背景に、大企業中心に幅広い業種で利益が伸びた。
4~6月の製造業の経常利益は11・7%増の11兆2260億円。世界的な半導体の需要増に伴い関連する企業の業績が伸びた。非製造業は21・9%増の17兆921億円。特に資源価格の上昇で商社などが好調だったほか、小売業も新型コロナ禍による行動制限が撤廃されたことで増益となった。(※ 無料は、ここまで。)』
今この時代に梅毒がなぜ流行る?
https://medley.life/news/5c7643bb5f510f79850057ae/




『日本で梅毒が流行しています。昔からあるこの病気はしばらく下火になっていましたが、2010年代前半から患者数が増える傾向にあり、2018年になっても未だに患者数は増え続けています。
古くは16世紀の書物に日本で流行の記載が残されているように、梅毒は500年ほど前から存在する感染症です。また、梅毒にはペニシリンという絶対的な治療薬があります。にもかかわらず、医療技術の進歩した現代で、どうして流行しているのでしょうか?梅毒の特徴から考えていきます。
梅毒という名前を知っている人は多いと思います。しかし、梅毒について詳しく知っている人はそこまで多くはないかもしれません。梅毒は性病(性感染症)です。つまり、性行為によって相手にうつることがある、クラミジアや淋菌、HIV感染症と同じ類の病気です。
梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema Pallidum)が皮膚や粘膜の傷から体内に侵入して感染が起こります。性行為の際にコンドームを使用すれば基本的に梅毒がうつることはありません。にもかかわらず近年その患者数は増えている状況です。
梅毒の患者数*国立感染症研究所「日本の梅毒症例の動向について」より作成
梅毒という病気はとても昔から知られており、江戸時代にはすでに流行り病としての認識あったことが分かっています。当時は治療薬もなく、多くの人が梅毒に苦しんでいたと思われますが、どうしてそんなにも流行したのでしょうか。その歴史とともにもう少し掘り下げてみます。
梅毒が流行した起源は諸説ありますが、1492年コロンブスのアメリカ大陸発見が引き金となり、世界的に流行しだしたと考えられています。コロンブス一行が帰国した時期からスペインやイタリアで梅毒が流行りだしたという事実があるため、彼らが現地民と性交した際に感染し、ヨーロッパに持ちこんだと考える説が有力です。
ヨーロッパで流行した梅毒は、インドや中国や東南アジアに伝わり、その後日本にも渡ってきたと考えられています。1512年には日本国内で梅毒発症の記載が確認されており、当時の戦国武将の中にも梅毒に悩む人が少なくなかったようです。
このように梅毒はわずか20年ほどで日本へ広まり、世界的に流行したことになります。
日本で梅毒はどう流行していったのか
江戸時代になると芸者や遊女の業界(花柳界)関係者の間で梅毒が流行していたため、花柳病と呼ばれていました。当時は梅毒に対する適切な治療薬はなく、一部の人では梅毒の症状がどんどん進行してしました。最終的には鼻が取れたり(ゴム腫)、発狂(神経梅毒の症状)したりすることも知られていました。当時の川柳に梅毒のことがたびたび登場することからも、日本人は長きにわたって梅毒と付き合っていたことがうかがえます。
梅毒の日本到来から400年以上経って初めてペニシリンという治療薬が登場します。ペニシリンは梅毒に対してとても有効であったため、梅毒治療はそれまでと激変します。それ以前に水銀やヒ素を用いた治療薬が登場したことがありましたが、副作用が強く、効果も不十分でした。ペニシリンの登場により、梅毒は治療できる病気になったのです。
ペニシリンの出現のおかげで梅毒患者数は激減していきます。終戦直後には年間200,000-300,000人ほど梅毒にかかる患者がいましたが、段々と患者数は減っていき、21世紀になると新たな患者数は年間1,000人を下回る程度で推移していました。それに伴い梅毒は昔の病気とされ、注目されることも少なくなってきました。しかし、2013年ごろから徐々に患者数が増え続け、2018年には新規発症患者が6900人を超えました。
梅毒の原因微生物である梅毒トレポネーマが皮膚や粘膜の傷から体内に侵入すると、血液やリンパ液を介して徐々に全身へ広がります。一方で、梅毒トレポネーマが侵入してきても、免疫の作用によって感染を免れることもあります。また、梅毒に感染しても、すぐに症状が出ないことがほとんどです。
最初に梅毒の人に訪れる症状とは
感染してから3週間ほど経つと、皮膚が固くなる変化(硬結)が陰部を中心に肛門や口などにも見られることがあります。これを「硬性下疳(こうせいげかん)」といいます。最初にこの症状に気づく人はいますが、痛みやかゆみがほとんどない上に、気付いたらいつの間にかこの変化は消えてしまいます。そのため、気のせいで済ませてしまう人も少なくありません。
また、皮膚の硬結が見られる部位の周囲にあるリンパ節が腫れることがあります。これを「リンパ節腫大」といいます。皮膚の表面に近いリンパ節が腫れている人は、皮膚を押すように触ることで数mmから数cm程度の丸いしこりのようなものが現れます。リンパ節腫大も特に痛みがないことが多く、気がつきにくい症状です。
このように、梅毒の初期症状は「皮膚が固くなる」「リンパ節が腫れる」といったものが多いです。これらは日常生活に支障が出るものではありませんが、数週間以内に性行為をした人で症状が出た場合には、医療機関を受診して検査を受けるようにしてください。
梅毒が進行すると感じるようになる症状とは
梅毒は治療しないと進行する病気で、進行の程度によって見られる症状が変わってきます。皮膚や全身に症状が出たりと、内容はさまざまです。次の表に主な症状をまとめているので参考にしてください。
【梅毒が進行した人に見られやすい症状】
バラ疹 赤色や薄紅色の斑点(紅斑)。数mmから10mm程度の大きさで全身に見られる。
扁平コンジローマ 扁平に隆起したイボ。一部から感染性のある分泌液が出る。
丘疹性梅毒 隆起を伴う数mmから10mm程度の皮疹。バラ疹のあとに見られることが多い。
発熱 全身炎症の影響を受けて発熱が起こる。
関節痛 全身炎症の影響を受けて関節痛が起こる。
リンパ節腫脹 全身炎症の影響を受けてリンパ節腫脹が起こる。
全身倦怠感 全身炎症の影響を受けて身体がだるくなる。
上にあげた症状の中には発熱や関節痛のように風邪などの一般的な病気でもみられるものがあり、これらは梅毒へ直接結びつけにくいものですが、扁平コンジローマは梅毒に特徴的です。自分の症状が扁平コンジローマに似ている場合には必ず医療機関を受診するようにしてください。
梅毒がさらに進行し、重症化すると、骨や神経にまで影響を及ぼします。有名な変化が「ゴム腫」と「神経梅毒」です。
皮膚や筋肉、骨にゴムのようなしこりができることをゴム腫といいます。ゴム腫によって鼻の軟骨が破壊され、陥没したりすることから、鼻が取れる(鼻が落ちる)ような変化が起こることがあります。
また、脳神経に感染の影響が及ぶと、神経梅毒という状態に至ります。頭痛や耳鳴り・めまいなどを覚えるようになり、徐々に進行していくと記憶障害や麻痺、錯乱などが見られるようになります。
現在の日本では梅毒を調べる検査や治療が確立しているため、ゴム腫や神経梅毒といった末期症状が出る前に完治することがほとんどです。一方で、明らかに疑わしい症状があるのにもかかわらず放置していると、梅毒がどんどん進行して、こうした末期症状を招く恐れがあります。さらに、梅毒は性行為でうつる病気ですので、パートナーにうつしてしまう危険性もあります。思い当たる節がある人は早めに検査してもらうようにしてください。
梅毒の落とし穴に注意
梅毒がこれだけ流行している原因の一つとして、自分が梅毒だと自覚しにくいことが考えられます。気づかないうちにうつしあって、感染を拡大しているという構図です。
特に病気の初期に自分が梅毒であることに気づける人はあまり多くありません。その理由として次のことが考えられます。
症状が梅毒に特徴的でないものが多く、他の病気と判断がつきにくい
初期の症状に気づいても、いつの間にか消えている
例えば梅毒と同じ性病であってもクラミジアや淋菌感染症の場合は、排尿時の違和感や尿道から膿がでるいった通常は経験しない症状が持続するため、発病した人が気づきやすいです。しかし、梅毒にかかって間もないうちは上記の理由から、見逃されやすく病気を疑うことが難しいです。
ここまで梅毒の症状の特徴を簡単に説明しました。梅毒の症状について詳しく知りたい人は、「梅毒の症状ページ」で写真付きで説明していますので、参考にしてください。
花柳界で流行が見られた当時は男性にも女性にも梅毒罹患者が多かったようですが、戦後は男性に多いことが特徴でした。特に同性愛者に多かったのですが、上のグラフにもあるようにここ最近は女性の患者も増えています。なぜ女性に患者が多いのかがはっきりしているわけではありませんが、セックスライフの変化が関与している可能性は否定できません。
繰り返しますが、梅毒は性行為でうつる病気です。それは今も昔も同じですので、仮に自覚症状がなかったとしても、コンドームを適切に使うことがとても大切です。
どんなタイミングで梅毒を疑う
上で述べた「硬性下疳」と「扁平コンジローマ」は梅毒に特徴的な症状です。これらは症状が現れたり消えたりするので、自然に治ったと思われがちですが、疑われる症状が現れたときには梅毒の検査を受ける必要があります。できるだけはやく医療機関を受診するようにしてください。
一方で、それ以外の症状に関しては、一般的な病気でも見られる症状ですので、梅毒と診断するための有力な根拠とはなりません。例えば、発熱や関節痛は風邪でよく見られる症状でですし、紅斑(赤い皮疹)も丘疹(盛り上がった皮疹)は麻疹などのウイルス性疾患でよく見られます。
梅毒を疑って検査を受けるべき人のポイントを押さえておくと便利です。以下を参考にしてください。
皮膚に固くなる変化(硬性下疳)がある
皮膚に楕円形のイボ(扁平コンジローマ)がある
原因に思い当たるふしがないのに皮疹やリンパ節腫脹がある
数ヶ月以内にコンドームをつけないで新たなパートナーと性行為をしてから調子が悪い
一般的に、病気に特徴的な症状が見られた場合には診断の根拠になります。しかし、特徴的な症状が見られない場合には、生活や嗜好、内服薬などに手がかりがないかを確認します。
梅毒はコンドームを着用しないで性行為をするとうつります。性的な嗜好はプライバシーに関わるため、なかなか口に出しづらいものですが、上のリストに当てはまる人は医療機関で相談してください。
梅毒は早期発見早期治療すれば特に後遺症なく治る病気です。副作用が少ないペニシリンを2週間使用するだけでほとんどの場合完治します。このコラムに書いてある内容を参考にして、一度自分の状況を照らし合わせてみてください。
年々梅毒患者の数が増え、身近な感染症となっています。一人ひとりが知識を持ち、気をつけることで感染の拡大を食い止めることが期待できます。
執筆者 園田 唯(医師)』
上半期経常収支 3兆5057億円の黒字 黒字額前年同期比6兆円余減
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220808/k10013759041000.html
『日本が海外との貿易や投資などでどれだけ稼いだかを示すことし6月までの上半期の経常収支は、3兆5057億円の黒字となりました。エネルギー価格の高騰で輸入額が膨らんだことから、黒字額は去年の同じ時期に比べて6兆円余り減って大幅な減少となりました。
財務省が発表した国際収支統計によりますと、ことし1月から6月までの上半期の日本の経常収支は、3兆5057億円の黒字となりました。
黒字額は去年の同じ時期と比べて6兆21億円、率にして63.1%減少し、統計が比較可能な1985年以降、黒字額は過去3番目に小さくなりました。
このうち、原油などエネルギー価格の高騰で輸入が膨らんだことで、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」が5兆6688億円の赤字と過去2番目に大きくなったことが要因です。
一方、海外の証券投資などで得た利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」は、為替市場で円安ドル高が進んだことなどから海外の子会社から受け取る配当などが増えて、12兆8728億円の黒字でした。
去年の同じ時期よりも2兆3000億円余り増えましたが、貿易収支の悪化を補うことはできませんでした。
また、ことし6月の経常収支は輸入額が増えたことが要因で1324億円の赤字と、単月では5か月ぶりの赤字となりました。
エネルギー価格が高止まりする中、貿易収支の赤字が要因で、経常収支も前年を下回る状況が続いています。』