ポーランド、トゥスク氏を首相選出 8年ぶり政権交代
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11BNZ0R11C23A2000000/
『【ウィーン=田中孝幸】ポーランド下院は11日、10月の総選挙で野党勢力を率いたトゥスク元欧州連合(EU)大統領を新首相に選出する議案を賛成多数で可決した。強権的統治でEUと対立した保守与党「法と正義」(PiS)政権から親EU勢力への8年ぶりの政権交…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
ポーランド、トゥスク氏を首相選出 8年ぶり政権交代
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11BNZ0R11C23A2000000/
『【ウィーン=田中孝幸】ポーランド下院は11日、10月の総選挙で野党勢力を率いたトゥスク元欧州連合(EU)大統領を新首相に選出する議案を賛成多数で可決した。強権的統治でEUと対立した保守与党「法と正義」(PiS)政権から親EU勢力への8年ぶりの政権交…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
イスラエル、ガザ南部中心地に到達 ハマスに投降促す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB113SR0R11C23A2000000/
『イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザ南部の最大都市ハンユニス中心地に到達した。ロイター通信などが報じた。同市に潜伏しているとみるイスラム組織ハマスのガザ地区指導者ヤヒヤ・シンワール氏を捜索している。イスラエル側は南部の制圧に向けハマスの戦闘員に投降を呼びかけている。
イスラエルのネタニヤフ首相は10日、X(旧ツイッター)にビデオメッセージを投稿した。ここ数日で数十人のハマスの戦闘員が投降し…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
【世界情勢】ユーラシアの安定化と中国の一帯一路
http://www.kanekashi.com/blog/2023/07/10823.html#more
※ 今日は、こんな所で…。
『2023-07-17
影響力を強める中国。2000年以降の中国の基盤作りと戦略について整理する。
にほんブログ村 経済ブログへ
★現在の中国の国際社会での拡大基盤は、年代順で次の3本柱。
①.上海条約機構(SCO):2001年~ ロシア、中央アジアとの対英米軍事同盟。
・インド含め加盟国は拡大中。リンク
・1990年代、中国とロシアは長きにわたる国境紛争を捨て同盟を結び、まずお互い背後を固め、ユーラシアの安定を図った。
②.BRICS:2009年以降毎年サミットを開いている。明らかに対アメリカ同盟。またアメリカ崩壊後の青写真を協議。最近はサウジやイラン、アルゼンチンなども加盟。新通貨構想もここから。上海にBRICS開発銀行本部。
③.一帯一路構想:2013年~、同時にAIIB設立、2014年シルクロード基金。
※英米(金貸し)の覇権維持のための戦略は、基本的に「分断と対立⇒戦争」させることと、歴史的に反金貸しのロシア封じ込め。中東のイスラエルや、東アジアでの明治維新の日本、イラク、アフガン戦争や現在のウクライナもそのための駒。冷戦構造、また、チベットやウイグルの人権問題や、香港始め各地の民主化デモも、英米の分断の仕掛けの一つ。
それに対して、中露は上記のようにまずユーラシアの安定、仲間諸国を増やし、安定を図るところから始めている。
※ウクライナにおける米国/NATOのロシアに対する代理戦争は、同時に中国の「一帯一路構想(BRI)」の進展を妨害するための戦争でもある。元々地政学はユーラシアの中
中心部(ハートランド)を分断させる構想(英グレートゲーム)から始まっているが、上記により、地政学上の構造は急激に変わっている。
●一体一路構想について
一帯一路構想は今年で10周年を迎える。
・習近平2013年9月演説で「シルクロード経済ベルト」構築を提案。
・同時期にAIIB(アジアインフラ投資銀行)を提唱、2015年12月発足、2023年6月時点で92カ国・地域が加盟している。この投資銀行は明らかに、一帯一路構想と一体。中国の豊富な資金力を使って、国境の向こう側の諸国のインフラ整備まで中国の主導で投融資して進めようとするのが一帯一路の計画。
・インフラ整備にAIIBの出資により、中国企業が、鉄道・港湾開発などを請け負う。中国の新幹線網もその一環。陸6本、海1本の合計7本の交通路に沿って、高速道路、高速鉄道、パイプライン、港湾、工業団地、発電所などを建設する計画。
海路は、中国の沿海港から南シナ海を通り、さらに太平洋へ伸びていくルートも加えられている。さらに、それら5つのルートに基づいた「六廊六路多国多港」という枠組みが発表されている。
現在一帯一路構想に参加している国は150か国に上り、アフリカ、ラテンアメリカ、南太平洋地域に広がっている。中国は南太平洋諸国から南アフリカへ、盛んに進出している。
※「一帯」の6本の建設計画は、もともと90年代に中国国内の辺境地域の産業振興策、辺境貿易策として始まった。いわば辺境の安定策。新疆ウイグル自治区や雲南省などで、国境に向かう交通路や産業基盤を建設し、新疆と中央アジア諸国やパキスタン、雲南とラオスやミャンマーとの貿易をさかんにする計画だった。
それを、その先の諸国との関係に適用しようとしているのが中国らしい。
※このように見てくると中国と世界の動きが繋がってくる。
・海路のハブとしての南シナ海の重要性 →軍事拠点構築。
・中国にとって最重要なのは、まずはエネルギーの確保≒中東(ペルシャ湾)との連絡。→新疆ウイグル自治区からパキスタンのインド洋・ペルシャ湾近くのグワダル港までをつなぐ「中国パキスタン経済回廊」(CPEC、中パ回廊)。
・ロシアが推進する「北極海航路」も繋がっていると思われる。
すべての地政学的な転換、ウクライナや新幹線の契約含めて、一体一路、中露の戦略と関連している。
★追求ポイント
・現在の先進国・後進国の枠組みは、イギリス覇権(植民地に安い原材料を供給させ、工業で稼ぐ)型の産業構造から始まっている。日本はそれを踏襲した。トップに金貸しと中央銀行。
今後の産業構造は中国・多極間の作り出す仕組みになりそう。
【参考記事】
・「一帯一路」の最新状況 リンク
・No. 1832 BRI列車はいかにしてシャングリラへ向かったか?リンク
・中国の一帯一路と中東 リンク
Facebook
Twitter
Email 』
フィリピンのEEZ内にあるスカボロ礁(比側呼称は Bajo de Masinloc)に押し寄せている中共の海警船は、…。
https://st2019.site/?p=21683
『The Maritime Executive の2023-12-9記事「Video: Chinese Use Water Cannons and LRAD to Stop Philippine Supply Mission」。
フィリピンのEEZ内にあるスカボロ礁(比側呼称は Bajo de Masinloc)に押し寄せている中共の海警船は、放水銃だけでなく、LRAD(Long-Range Acoustic Device)でも、フィリピン船に対するイヤガラセを繰り出している。
※豪州海軍の水中ダイバーに対してアクティヴピンガーを撃つ程の海賊なれば、比島人に向けて Active Denial System を使おうとするのも時間の問題だろう。』
習近平は世界をどう見ているのか 高まる欧米での論議
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/32346
『斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)
拡張を進める権威主義
米CNNテレビは、今回の首脳会談に先立つ同月10日、「習近平は世界を組み替える大がかりなビジョンを有しており、各国が耳を傾けつつある」と題する深堀りのニュース解説を流した。
解説では、要旨以下のように指摘した:
「習近平国家主席は去る10月、ロシアのプーチン大統領、国連のグテレス事務総長ら世界の要人たちを北京に迎え開催された『一帯一路フォーラム』で挨拶し、自国を『21世紀が抱える多くの難題を乗り切れる世界唯一の国』と持ち上げた上で、『中国はあらゆる国の近代化のために全力で取り組むとともに、人類共通の未来を建設する』と力説した」
「彼が抱くこうしたビジョンは、抽象的とはいえ、従来の国際システムがこれまで米国およびその同盟諸国に不当に牛耳られてきたため、これを作り直す必要があるとする中国共産党の新たな理念を簡潔に要約したものだ。近年、欧米で中国の権威主義的勢力拡張ぶりに対する懸念が高まっているのをよそに、北京は今こそ、中国台頭を確実にするために国際システムとグローバル・バランスを転換させ、これを阻止するいかなる試みも拒絶するための時が到来したとみなしているのである」
「そして特にここ数カ月、中国側はこうした新たな〝中国モデル〟を党、政府機関の文書、国際会議における発言などを通じ積極的にPRするとともに、世界各国からの支持獲得に乗り出し始めており、西側世界では、批判勢力に対する政治的弾圧、言論抑圧、監視強化を特徴とする専制主義的中国ルールが世界モデルになることへの懸念も広がりつつある」
「ところが、中国側のこうした攻勢とは対照的に、一方の米国は、海外のいくつかの戦争のみならず、国内的にも選挙のたびごとに外交政策の変更を余儀なくされる不安定さ、与野党間の国論分裂を抱えるがゆえに、そのグローバル・リーダーシップに対する不信をますます招いている。とくに直面するウクライナ戦争、イスラエル・パレスチナ紛争などについても、西側は果たして正しい対応をしているのかどうか、疑念を払しょくし切れていないのが実情だ」
CNNは上記のような解説に加え、習近平指導体制における新たな「世界観」についての補足説明として、去る9月、発表された1万3000語に及ぶ長文の「公式文書」にも言及。その中で①(米国など)いくつかの国々が他国に対して覇権主義的かつ侵略的行動を起こしグローバルな安全と発展の阻害要因を作り出している、②これに対し、中国は習近平指導の下で、経済発展と安定達成のために各国が対等の立場で共通の繁栄をめざすことを最優先課題と位置付けている、③同時に各国は西側諸国が唱導する〝普遍的価値〟に束縛されず、ブロック政治、イデオロギー競争、軍事同盟からも解放されることになる――などと文書が論じていることを紹介している。
しかし、こうした「習近平の世界観」論議は、今に始まったわけではない。
「新たなマルクス・レーニン主義」
中国問題のトップ論客として知られ、かつて2度オーストラリア首相として中国首脳とも直接わたりあってきたケブン・ラッド駐米大使は、すでに昨年秋、国際問題誌「Foreign Affairs」に、「習近平にとっての世界(The world according to Xi Jinping)」と題する説得力ある論考(2022年冬季号)を寄稿している。
この中でラッド氏は、習近平氏が描く「世界観」のまず第一点目の特徴として、「新たな形のマルクス・レーニン主義の発展」を挙げている。』
『これは、中国が最高実力者鄧小平氏以来、毛沢東時代の共産主義イデオロギーに代わり踏襲してきた「国家資本主義」ともいうべき従来の柔軟路線を根本から覆したことを意味している。
すなわち、ラッド氏によれば、習近平指導体制下では、共産主義を見捨てるどころか、逆にマルクス・レーニン主義のイデオロギーこそが今日、政治、経済そして外交政策の中核的役割を果たしており、具体的には「政治は左翼レーニン主義、経済は左翼マルクス主義、しかし外交は右翼国家主義を志向している」という。
そして、習近平氏は国家主席就任以来、①公共政策から市民生活のすべてに至る中国共産党の統制と支配を一層強めてきた、②あらゆる国営企業を再活性化させてきた、③逆に私企業の活動に対する新たな規制と制限に乗り出した――という判断を示している。
さらに、このような習近平氏の「新たなマルクス・レーニン主義」は、当然のことながら、国内のみならず世界との関係にも投影されることになる。
ラッド氏は次のように断じている:
「彼は、一段と強引な外交政策を推進することで国内的にもナショナリズムを掻き立ててきた。しかもその外交は、『歴史は不可避的に中国へ味方しており、中国パワーの錨でつながれた世界こそがより公正な国際秩序を生み出す』とのマルクス主義的確信に支えられ、ますます勢いづいている。すなわち、習近平の台頭は、(毛沢東時代の)『イデオロギー指導者Ideological Man』の復帰以外の何物でもない。
こうした純正のイデオロギーと専門知識に支えられたテクノクラート的プラグマティスムがブレンドされた彼の世界観については、西側世界では真面目に受け止められていないが、まさにこれこそが、今日の現実世界における中国政治・外交、そして対外拡張に深遠なインパクトを与えているのである」
上記のような習近平体制に対する評価は、中国が今世紀に入り、とくに2001年の世界貿易機関(WTO)加盟以来、硬直化した共産主義から脱皮し、自由主義世界の市場経済体制の中に組み入れられてきたとする楽観的認識をバッサリ打ち消した点で注目に値する。
強気の外交姿勢への転換
中国は拙速な対外勢力拡張を控え、自らの才能を隠して内に力を蓄えるべきだとする鄧小平氏の有名な思想「韜光養晦」(とうこうようかい)についても、習近平氏はこれまで公式の場で何度も異議を唱えてきた。
習近平氏が、鄧小平-趙紫陽―胡錦濤体制時代とは異なる強気の外交姿勢に転じた点については、英誌「Economist」も、去る3月15日に開催された「中国共産党・世界政党上層部対話」で公表された「グローバル文明イニシアチブ」を例に挙げ、同様の論陣を張っている(同月23日付け)。』
『「グローバル文明イニシアチブ」では、中国共産党は①質の高い推進に尽力し、世界の発展と繁栄を促進する、②国際公平・正義の維持に尽力し、世界の平和と安定を促進する、③文明間の交流と相互理解の推進に尽力し、人類文明の進歩を促進する、④政党間の交流と協力の強化に尽力し、手を携えて共に天下の大道を歩む――との4項目の指針が具体的に列挙された(人民日報日本語版)。
「Economist」誌によれば、これは「米国主導型の戦後世界秩序の改変を企図したものであり、20世紀を代表する『一極支配』から、中国を含めた大国が管理する『多国主義』への転換を意味している」「それゆえ安全保障面では、増大する中国の軍事的脅威封じ込めのいかなる試みにも断固反対するとともに、経済面では、ロシアのような専制主義諸国とは無条件で取引する中国型経済成長モデルの推進をめざしたものだ」という。
世界から見ても「独裁者」
いずれにしても、西側におけるこうした最近の論評で共通するのは、いずれも着実な経済発展と軍事力増強を背景に最強国米国と対等に渡り合い、対外的にも「中国モデル」を拡大していくという習近平氏の強気の世界観に着目している点だ。
しかし同時に、その世界観は、国内的には、批判や不満を封じ、対立分子を容赦なく国家権力で排除していくという専制体制の構築を意味していることにも注意を払う必要がある。
バイデン大統領が先月の米中首脳会談終了直後の記者会見で、習近平氏を改めて「独裁者」と評したのも、こうした独特の世界観を念頭に置いたものに違いない。
そしてもしそうだとしたら、米中関係の改善は当分、望めないどころか、さらに冷却化に向かう恐れさえもあるといえるだろう。
この点で、わが国の今後の対米、対中外交も、決して無縁ではない。』
現代社会にも生きるキッシンジャーの現実主義外交
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/32330
『キッシンジャー元米国務長官が11月29日に100歳で死去した。キッシンジャーは米外交に最も影響を与えた人物であり、米メディアにはその功罪についての論評が数多く発表されている。
ここでは、それらの中から、ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、デビッド・イグネイシャスによる11月30日付の論説‘The lessons from my 40-year conversation with Kissinger’をご紹介する。その主要点は次の通り。
(dvids)
キッシンジャーの伝記記録者たちは、彼の思考様式を形作る一種のロゼッタストーンを、1954年の彼のハーバード大学の博士論文の中に、かなり前に見出していた。論文は3年後、“A World Restored: Metternich, Castlereagh and the Problems of Peace, 1812-1822.” (邦題『回復された世界平和』)として出版されている。
同書の主題は、ナポレオン戦争を終わらせ欧州に一世紀近くの相対的な平和をもたらした、1815年のウィーン会議をめぐる外交である。当時の現状維持の大国 (英国とオーストリア=ハンガリー帝国) が台頭する大国(革命後のフランスとドイツ)を如何に封じ込めるかという物語であり、主人公はオーストリアの外務大臣クレメンス・フォン・メッテルニヒ伯爵。後年否定しているが、メッテルニヒは若き日のキッシンジャーにとり手本になったとみられる。
メッテルニヒの勝利は、何十年も続く安定のための構造を作ったことだ。それは、キッシンジャーの外交キャリアを通じての目標でもあった。彼の主な課題は、ソ連を牽制することだった。
彼はそれを、「デタント」 として知られる軍備管理交渉と個人外交を通じて行った。ソ連を牽制するために、中国への開放を画策し、1972年のニクソン大統領による北京訪問に結実した。
キッシンジャーの外交は、メッテルニヒの外交と同様、明らかに道徳的ではなかった。安定は、それ自体が目標だった。
国益に関する現実主義は、政策立案者の唯一の信頼できる指針だった。理想主義は解決するよりも多くの問題を生み出すと考えた。平和を強調しすぎればかえって戦争屋の利益になると恐れた。
キッシンジャーは、「無秩序な正義と不正な秩序のどちらかを選ばなければならないとしたら、私は常に後者を選ぶだろう」と語ったという。多くの評論家がキッシンジャーを標的としたのは、このような痛烈な現実政治への傾倒ゆえだ。
キッシンジャーは、「平和」はキメラ(合成怪物)かもしれないが、公然たる紛争を回避するための地域の安定した勢力均衡は達成可能であり、それ以上望むべくもないのかもしれない、と考えていた。
* * *
イグネイシャスはワシントン・ポスト紙の著名な外交・安全保障担当コラムニストであり、上記の論説は、キッシンジャーとの40年にわたる対話を踏まえて随想したものである。思考様式としてのキッシンジャー外交のエッセンスを、その淵源にさかのぼりながら簡明に描いており、興味深い。』
『キッシンジャーは一貫して、国家間の勢力均衡と精緻な関与を通じて、何よりも秩序と安定を追求し、それにより戦争を回避することを目指した。物事を一気に進めず、漸進主義をとりながら、国家間の関係を管理した、対ソ連を睨んでの共産主義の中国との関与、ソ連との間でのデタントと呼ばれる軍備管理交渉、1973年の第4次中東戦争後の中東の秩序を形作るための関与といった、キッシンジャーの歴史的功績は、こうした現実主義の思考様式の賜物である。
他方、キッシンジャーの漸進主義は、過大な目標という弊害を排除する一方で、関与不足に陥ることもあったと指摘される。
イグネイシャスも指摘する通り、キッシンジャー外交は確かに「非道徳」である。よく批判されるのは、目的を達成するためには、独裁体制を容認したり支持したりすることも厭わなかった点である。
71年のバングラデシュ独立の際は、苛烈な弾圧が報告されていたパキスタン政府を支持したが、これはパキスタン政府が米中関係の仲介をしていたためである。
73年のチリの共産主義のアジェンデ政権打倒クーデターへの関与でも厳しい批判を受けている。
また、キッシンジャー外交には、大国間での勢力均衡を重視するあまり小国を犠牲にするとの批判もある。キッシンジャーに言わせれば、人類の滅亡につながり得る大国間の核戦争の回避を優先させるのが当然、ということになるのだろう。
教訓を学び続けなければならない
人権、人道主義、国際的法の支配といった価値観が遥かに重視されるようになるとともに、情報の拡散が規模においても速さにおいても飛躍的に拡大した現代においては、「非道徳」を徹底するのは困難かもしれない。外交政策を有効かつ円滑に進めるには、国内外に対して「正しさの物語」を如何に説得的に示せるかという観点も不可欠になってきている。
そうではあっても、国際政治を分析する枠組みとして、現実主義は現在でも有効である。国家間のパワーバランスは依然として国際秩序を決定づける重要な要素であり、これは今後も変わらないだろう。それゆえ、われわれはキッシンジャーの教訓を学び続けなければならない。
なお、キッシンジャーは、日本の核武装が3~5年後に起こると予言していた。
キッシンジャーの対中姿勢について言えば、彼の親中姿勢は甚だしかったが、彼のみならず冷戦後も多くの米国の指導者が対中宥和的姿勢を続けたことは、道徳的観点だけでなく、現実主義の観点からも疑問がある。
それは、現状維持の大国 (米国) が台頭する大国(中国)を過小評価したことになるからである。ただし、今や米国の対中政策はかなり強硬となっており、もはや大きく後戻りすることは考え難い。』
中国の実際のCO2濃度増加量、公表値の最大3倍か…観測衛星「いぶき」の調査結果
https://www.yomiuri.co.jp/science/20231209-OYT1T50191/
※ 今は、「観測衛星」が測定しているので、イロイロ誤魔化すのは、難しい…。
『2023/12/09 20:53
【ドバイ=渡辺洋介】環境省は9日、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、日本の温室効果ガス観測衛星による調査をまとめた報告書を公表した。
中国の二酸化炭素(CO2)濃度の年間増加量の衛星観測値が、中国が公表している排出源などの情報を基に計算された数値を上回っているとして、中国側に報告書の内容を提供したという。
気候変動対策が連日議論されているCOP28の会場(8日、UAEのドバイで)=AP
報告書によると、観測衛星「いぶき」が中国のほか、日本、米国それぞれでCO2濃度の年間増加量を測定し、化石燃料使用量や発電所数などの情報に基づいた国際的なデータベースの数値と比較した。
その結果、日米は値がほぼ一致したが、中国は衛星観測値がデータベースの値の約1・5~3倍に上った。中国の情報が不正確な可能性があるという。
[PR]
同省は「研究結果はすでに中国とも共有した。参照することを期待しており、中国側から問い合わせがあれば、必要な協力を丁寧に進めたい」としている。』
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:沖縄県・尖閣諸島を巡り中国戦争オタクの幼稚な妄想と妄言
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5486753.html


『中国軍のシンクタンク軍事科学院の何雷(He Lei)・元副院長(中将)が2023年12月9日までに共同通信の単独インタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島を巡り「戦争を望まないが恐れない」と明言した。台湾武力統一に踏み切った場合、尖閣を同時に作戦対象とする可能性にも含みを持たせた。
軍関係者が尖閣を巡り「戦争」に言及するのは異例だ。将来的な領有権奪取の強い意志が鮮明になった。
同シンクタンクは人民解放軍に政策提言している。何氏は2012年の日本の尖閣国有化を批判し、日本側の「挑発」が続けば「中国は国家の領土と主権、海洋権益を断固守る」と強調。「中国軍の国家主権、安全、領土の一体性を守り抜く強い意志と決意、強大な力を日本は見くびってはならない」と警告した。
307_1 日中関係が不安定化する要因について、台湾問題を挙げ「中国の核心的利益に干渉するのは許されない」と語った。尖閣を「台湾省」の一部だとする中国の主張に基づいて台湾統一と尖閣奪取を同時に行う可能性について問うと「(中国主張の)道理からすればそうだ」と答え、否定しなかった。参照記事
images jhぐ、、、、、
中国軍の歴史から見て、中国軍には他国へ独自に敵前上陸した経験も無く、最後の朝鮮戦争では、人海戦術で大損失を出している。
平時に戦争の二文字をちらつかせる戦争オタクの妄想やでたらめな認識、国際法無視に、日本は立場を再度明確にし、修正を求めるべきだろう。物騒な事を言うだけで注目を浴び、軍人を気取れるこのゴロツキ中将、ある意味幸せな方である。こういう類(たぐい)の軍人にとって、不安定な問題は喜びであり、よしんば何らかの平和的解決ができたとしても、すぐに別な不安を探し出し誇張するだろう。それが彼の役目であり、生きがいなのだから、、、。
昔ナチスには、売れない小説家上がりのヨーゼフ・ゲッベルスJoseph Goebbelsという宣伝大臣が居て、ドイツ国民を奈落の底に引きずり込んだ。映像:ヒトラーと6人の側近たち 第1回 「ヨーゼフ・ゲッベルス:Adolf Hitler: The dictator who caused World War II:
FireShot Webpage Screenshot #1176 – ‘
中国のCO2濃度、公表の1・5~3
日本の環境省は、中国の二酸化炭素(CO2)濃度の年間増加量が、中国が公表している排出源などの情報を基に計算された数値の約1・5~3倍に上るとする報告書をまとめた。中国の情報が不正確な可能性があるという。
報告書は12月9日にも、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議FireShot Webpage Screenshot #1177 – ‘Stalin (COP28)で発表される。日本の温室効果ガス観測衛星「いぶき」が、中国の約7万7000地点で、2009~22年のCO2濃度の年間増加量を観測した結果で、一方、日本と米国についても同様の条件で調べたが、衛星観測とデータベースの数値に食い違いはなかった。 参照記事 過去ブログ:2023年9月言う事としている事が噛み合わない中国に信頼は無い:
thumb-12245-1786348-domestic、、、
かつてソ連に、革命の完成を目指して嘘と虐殺を繰り返し、無数のウクライナ人、自国民を餓死、処刑、収容所送りに追いやったスターリンが居た。そんなに古い出来事では無い。その時彼は、見せかけの繁栄で世界をだまし続けた。その片鱗が、筆者には今の中国にも見える。映像;Stalin, the Tyrant of Terror 恐怖の暴君スターリン: 』
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:12月8~9日のウクライナの戦況 長期化で双方に問題も
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5486635.html





『右の図は、2023年12月9日公開のウクライナ東部、南部の戦況図で、Xの印が最近の戦闘地域。
ロシアはAvdiivkaで、歴史的損失を出したが、部隊を建て直し、再攻撃に出ている。1日に1000人戦死しようが、全く気にもしないようだが、ロシア内にはプーチンへの不満が高まっている。
また、戦場のロシア軍には、通信手段に大きな問題が在り、同士討ち等も多く発生していると言われている。
一方ウクライナは、動員失敗でウクライナ軍部隊は人員の共食状態、動員システムや士気低下、軍内部の不正や腐敗の課題が浮上していると言う。参照記事 映像:Avdiivkaで露軍占領地を攻撃するウクライナ戦車。Ukrainian Tank Smashes Russian-held Buildings In Avdiivka:プーチンは、なぜAvdiivka占拠にこだわるのか 字幕で説明:
アウディーイウカ方面で12月4日~8日までに登場した視覚的証拠は「ロシア軍がステポヴェStepov方向で成功を収めている」「ロシア軍がポンプ施設とダーチャ(郊外の別荘)に侵入している」というロシア人の主張を裏付けるものだが、RYBARが主張する「アウディーイウカ南西のトネネキーAvdiivka-map-1024×576
Tonenke方向やシュベルネSieberbe方向への前進」に関する視覚的証拠は見つかっていない。
左図は、最近までのウクライナ軍の進撃状況(青い矢印)
7d962aa——-
第47旅団報道部長ドミトロ・ラズトキン氏Dmytro Lazutkinによればロシア軍占領軍は、アヴディフカのコークス・化学工場Coke and Chemical Plant:右 の占領を試みている。
ウジュライナ軍によれば、彼らロシア軍は歩兵の小集団で攻撃しており、膨大な数の無人偵察機を持っている。「状況は非常に複雑だ。敵はノンストップで攻撃を続けている。、、昨日(12月7日)、わが軍の兵士が破壊工FILES-UKRAINE-RUSS作・偵察グループを標的にし、少なくとも15人が死亡した。数日前から市内は “騒がしい”。ロシア軍は攻撃を開始し、精密誘導爆弾を投下している。アヴディフカとその近郊は30~40分おきに攻撃され、特に工場のある地域が攻撃されている。街はすでに廃墟と化している。後の歴史書に「アウディーウカの激戦」と記されるだろう。映像;破壊されるロシア戦車群
3cafe15-genshtab06690
ラズトキン氏によると、アヴディフカ近郊のロシア兵の数は一向に減らない。彼らは常に波状攻撃を仕掛けてくる。10人、12人、15人の小さな集団で、時には軍事装備も持っている。彼らは赤外線カメラ付きのドローンをたくさん持っている。我々もそれらを持っているが、現時点では彼らの方が優位に立っている。さらに、ロシア軍の損害はウクライナ軍のそれよりも数倍高いと付け加えた。
一方、ラズートキン氏は、ウクライナ軍には高性能の無人機が不足していると強調した。参照記事 英文記事
ウクライナ空軍は8日、ロシア軍が戦略爆撃機から巡航ミサイル19発を発射し、14発をキーウ(キエフ)州と東部ドニエプロペトロフスク州で撃墜したと発表した。キーウの当局者は戦略爆撃機から巡航ミサイル攻撃が行われたのは79日ぶりだと述べた。参照記事
』
ガザ即時停戦決議案否決とグテーレスの深謀
https://kotobukibune.seesaa.net/article/2023-12-11.html
『目次
ガザの即時停戦決議案
残念という言葉を超えた
アメリカの信頼がさらに損なわれた
グテーレス事務総長の深謀
2023-12-10 182600.jpg
1.ガザの即時停戦決議案
12月8日、国連安全保障理事会はパレスチナ自治区ガザ地区での人道目的の即時停戦を求める決議案の採決を行いました。
これは、グテーレス事務総長が12月6日に、滅多に使用されない国連憲章の条項を引用し、安全保障理事会に対し、ガザでの「人道的大惨事を回避するよう圧力をかけ」、イスラエルとパレスチナ過激派の間の完全な人道的停戦を求めて団結するよう呼びかけたことが発端です。
国連憲章第15章の第99条には、「事務総長は、国際の平和と安全の維持を脅かす可能性があると考える事項を安全保障理事会に通報することができる」となっているのですけれども、グテーレス事務総長は、安保理への書簡の中で、この条項を発動させた訳です。
これについて国連ニュースは次のように報じています。
【前略】
・ステファン・デュジャリック国連報道官は書簡とともに記者らに宛てた声明で、2017年の就任以来、グテーレス氏が第99条の発動を強いられていると感じたのは今回が初めてだと述べた。
・デュジャリック国連報道官は、国連事務総長が「ガザとイスラエルにおける短期間での人命損失の規模を考慮して」措置を講じたと説明した。
・デュジャリック国連報道官は、グテーレス氏が第99条の利用を「劇的な憲法上の動き」と表現し、グテレス氏が安保理と国際社会全体に、紛争当事国間の停戦を要求する圧力をさらに強めることを望んでいたと述べた。
・デュジャリック国連報道官は国連本部で記者団に対し、「これはおそらく最も重要な発動だと思う」とし、「私の意見では、彼(事務総長)が持つ最も強力な手段だ」と語った。
・書簡は水曜午前遅くにニューヨークの安全保障理事会議長に送られた。
・グテレス氏は評議会議長に宛てた書簡の中で、8週間を超える戦闘全体が「イスラエルとパレスチナ占領地全域に恐ろしい人的苦痛、物理的破壊、集団的トラウマを生み出した」と述べた。
・同氏は、10月7日に過激派によって33人の子供を含む1,200人以上が「残忍に殺害」され、130人が今も拘束されていると強調した。
・「彼らは直ちに無条件に解放されなければなりません。これらの攻撃中の性的暴力の報告は恐ろしいものである」と国連事務総長は付け加えた。
・イスラエルがハマスの戦闘員を標的にし続けているため、ストリップ全域の民間人が深刻な危険に直面しており、伝えられるところによると1万5000人以上が死亡し、そのうち40%以上が子供であると同氏は述べた。
・ガザ人の約80%が避難民となっており、110万人以上が国連パレスチナ難民機関(UNRWA)の避難所への避難を求めている。
・グテーレス氏は、民間人に対する効果的な保護はまったくなく、安全な場所はどこにもないと述べた。
・同氏はさらに、「病院は戦場と化している」と付け加え、ガザ全土が絶え間なく砲撃を受けている中、「避難所や生き残るための必需品がなければ、近いうちに治安が完全に崩壊すると予想している」と述べた。
・11月15日の理事会決議2712に目を向け、同氏は、現在の状況では、決議が要求しているように、民間人の膨大なニーズを満たすために人道物資を拡大することが不可能になっていると述べた。
・「私たちはガザ国内で困っている人たちに会うことがまったくできていない」と彼は書き、「人道システム崩壊の深刻なリスク」に直面していると述べた。
・その結果はパレスチナ人および地域全体の平和と安全に取り返しのつかない影響を与えると彼は主張した。
・「これは緊急です……そのような結果は何としても避けなければなりません。国際社会には、さらなるエスカレーションを防ぎ、この危機を終わらせるためにあらゆる影響力を行使する責任があります……私は人道的停戦の宣言を改めて訴えます。これは緊急です。民間人はさらなる被害から救われなければなりません。」
・同氏は、停戦により希望が生まれ、「安全かつタイムリーに人道支援を提供できる」と強調した。
【以下略】
グテーレス事務総長がこの99条を発動したのは2017年の就任以来初めてのことということですから、どれだけ今の事態を深刻に考えているか分かります。
2.残念という言葉を超えた
グテーレス事務総長の呼びかけを受け、アラブ首長国連邦(UAE)が決議案を策定・提出。国連加盟国97ヶ国が支持を表明していました。
投票に先立つ議論でグテーレス事務総長は、「ガザの人々は奈落を見下ろしている」と述べ、国際社会は「できる限りの方法で、彼らの苦難を終わらせなければならない」と強調し、イスラエルの隣にパレスチナ人の独立国家を作る「2国家共存構想」が「平和な未来を作る唯一の有効な可能性だ」として、「世界中の目が、そして歴史の目が見ている。行動の時だ」と強く促すと共に、10月7日のハマスの攻撃を「全面的に非難」し、ハマスに連れ去られたイスラエル人の人質の即時解放を求めました。そして更に、「同時に、ハマスによる残忍な行為は、パレスチナ人への集団的懲罰を決して正当化できない」と結びました。
決議案の可決には少なくとも安保理9ヶ国の賛成と、常任理事国のアメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスが拒否権を発動しないことが必要だったのですけれども、この決議案は否決されました。理由は常任理事国のアメリカが拒否権を行使したからです。その他は、イギリスが採決を棄権しただけで、それ以外の国は全部賛成票を投じました。その中には日本も含まれています。
決議案について、アメリカの代表は、「残念ながら、我々の勧告はほとんどすべて無視された」、「この性急なプロセスの結果、現実からかけ離れたバランスのかけた決議案が提出された」と、拒否権発動の理由を説明。特に、決議案が「無条件停戦」を求めている点が最も非現実的だと指摘し、「これではハマスが自らを立て直し、10月7日と同じことを繰り返すようになる」と主張。また、ハマスによる10月7日のイスラエル襲撃について、自分たちが求めた非難の文言が含まれていないとし、アメリカとしては、「次の戦争の種をまく」だけの「持続不可能な停戦」を支持できないと述べています。
また、投票を棄権したイギリスの代表も、10月7日のイスラエル人に対するハマスの残虐行為を非難しない決議案に賛成することはできなかったと、アメリカに呼応。「イスラエルはハマスの脅威に対処する必要がある」と述べたうえで、イスラエルは国際法を順守しなければならないと付け加え、パレスチナ人への援助と、ハマスに拘束されているイスラエル人の人質を解放するために、より長い人道的な戦闘休止をさらに行うべきだと述べました。
一方、アメリカの拒否権発動を受け、決議案を提出したUAEの代表は、人道的停戦を要請できなかったことに「深く失望した」と述べ、「同じような状況」に置かれている世界中の市民に対して、自分たちはどのようなメッセージを送っているのかと問いかけました。
中国代表は、民間人の命に配慮しながら停戦草案への支持を拒否するアメリカを「自己矛盾」と非難。ロシアの代表もアメリカは「無情」だと述べ、停戦決議への反対はパレスチナ人への「死刑宣告」だと批判しました。
フランス代表は、ガザで起きている「人道的悲劇」と呼ばれる事態を「非常に憂慮している」ため、決議案に賛成したと発言。「テロとの闘いと、国際人道法を厳格に尊重した民間人の保護に矛盾はない」としました。
そして、パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連大使は、決議案の否決は「残念という言葉を超えたものだ……これは真実の瞬間だ……これは歴史の転換点だ」と批判し、「数百万のパレスチナ人の命が瀬戸際にある。その一つ一つが神聖であり、助けるに値するものだ……明日の今頃にはさらに何百人もの人々が殺されているだろう……子どもたちは殺され、孤児となり、傷つき、障害者として一生を過ごす。偶然ではなく、(イスラエルによって)意図的に。殺人者たちは、パレスチナ人の命などまったく考えていないので。ゆりかごから墓場まで、そしてその先まで……安保理にとってひどい日だった……人間性が勝利しなくてはならない」と訴えました。
3.アメリカの信頼がさらに損なわれた
一方、イスラエルのギラド・エルダン国連大使は、アメリカの拒否権の発動について、SNSに「今日、我々の側にしっかりと立ち、リーダーシップと価値観を示してくれたアメリカとバイデン大統領に感謝する。このハヌカの祝日に、少しの光がたくさんの闇を払拭した」と感謝のコメントを投稿しました。
エルダン大使は安保理での採決の前、停戦要請を断固として拒否すると発言。「停戦はハマスのガザ支配を強固にし」、「ハマスの意図的な残虐行為を許す」というメッセージを送るものだとし、「ハマスに軍事的圧力をかけなければ、どんなに外交を重ねても人質の解放を確保できない」と述べていましたから、強気に見えて、それなりに国連決議されることは気にしていたものと思われます。
ただ、国連安保理決議で、イギリスですら棄権し、腰が引けたコメントをする中。アメリカだけが拒否権を発動して否決したことは、アメリカがイスラエルべったりであることを改めて世界に示した形になります。
ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)で国連代表を務めるルイス・シャルボノー氏は、「アメリカ自身がイスラエルとパレスチナの武装集団に要求してきたいくつかの要求」を、安保理が求めることを、アメリカの拒否権が阻止したと指摘。「イスラエルがガザ地区でパレスチナ市民に集団的懲罰などの残虐行為を行うなか、武器や外交的援護を提供し続けることで、アメリカは戦争犯罪に加担する危険を冒している」と批判しました。
また、国際NGOオックスファムのアメリカ支部は声明で、バイデン政権は、「人権とルールに基づく国際秩序を支持するという高邁なレトリックを実際に実現する」機会を逸したと指摘。拒否権を発動したことで、「人権問題におけるアメリカの信頼がさらに損なわれた」と述べています。
確かに、ウクライナでは侵攻を続けるロシアを非難するけれど、ガザへの攻撃を続けるイスラエルは擁護するアメリカに対しダブスタではないかという批判が出ていることも事実ですし、少なからずアメリカへの信頼が損なわれている面はあるかと思います。
4.グテーレス事務総長の深謀
このアメリカの拒否権行使について、BBC国際編集長のジェレミー・ボウエン氏は次のように述べています。
【前略】
「ガザの人道支援体制が完全に崩壊する」おそれが極めて高いと、事務総長は強調した。そしてパレスチナ側は、それこそがイスラエルの望むところなのだと言う。すべてのパレスチナ人をガザから追い出すことが、イスラエルの狙いなのだからと。
イスラエル政府は、報道関係者が外からガザ地区に入ることを認めていない。そのため、私はガザで直接、取材できない。けれども、目にしている写真や動画の内容、そしてさまざまな人から聞いた話の内容に照らせば、事務総長の言っていることはかなり正確なように思える。
どのような尺度で測るとしても、ガザにいる民間人の状況はとてつもなく悲惨だ。情け容赦ない軍事作戦にさらされているのだ。イスラエルは民間人の命を守るためにできる限りのことはしていると言うが、民間人を人間の盾にしているハマスにこそ責任はあるのだと主張する。
国連では、アメリカ代表がいつも通り、停戦を求める安保理決議案に拒否権を行使した。多大な人命喪失を心配する立場からすると、空虚な対応だ。イスラエルは交戦法規を順守し不要な民間人の死亡を避けると言っているのだと、アメリカは主張する。ただし、イスラエルの言うこととやることの間には溝があるとも、アメリカは言う。
事務総長は、今回もおそらく拒否権で否決されると承知の上で、今回の安保理採決を求めた。そのねらいは、時間を早送りすることだったのだろうと私は思う。つまり、アメリカがついにイスラエルに「もう十分だろう。もうたっぷり時間をかけて、たっぷり人を殺したのだから、もう停戦の時だ」と言わざるを得ない、その避けがたい時が来るのを早めようと。
私が話をした外交官の中には、イスラエルにはあと1カ月ほど猶予を与えるかもしれないと話す人たちもいた。おそらくグテーレス氏は、それをさらに早めようとしているのだと私は思う。国際社会の圧力を高めることに加え、アメリカに恥ずかしい思いをさせることで。アメリカが自分たちの今の立場は日に日に維持できなくなり、これ以上は続けられないと思うように。
その圧力は今日、いっそう高まった。イスラエル国防軍(IDF)が大勢のパレスチナ人男性を拘束し、下着姿にしてトラックで連行する映像が明らかになったからだ。戦争の残酷な姿だ。ソーシャルメディアに流れる地元情報によると、拘束された男性は700人に上るかもしれない。
男性たちの家族を含む地元情報によると、男性たちは避難していた国連運営の学校で襲撃され、拘束された。逃げようとした人たちは殺されたのだという。
さらに昨日出回った別の恐ろしい動画には、男性たちが拘束されたのと同じ地域で、国連学校の近くだという路上で、6人が遺体となって倒れていた。そのうち1人は血まみれになって、白旗の上に倒れていた。おそらく本人が白旗を掲げていたものと思われる。
IDFは、誰が容疑者で、誰が10月7日の悲惨な攻撃の責任者なのか、把握しようとしているのだと説明する。そして、自分たちの行動はすべて、紛争に関する国際法に沿ってのものだと述べている。
しかし、イスラエルのすることにほとんど共感しない人や、ガザ地区での甚大な殺害の規模のせいで共感できなくなった人にとって、遺体は語りかけている。これもまた、イスラエルがいかにパレスチナ人の尊厳と健康を、どうでもいいと思っているかを示しているのだと。
この地域はもうかなり寒い。なので動画で見たように、下着姿で、中には目隠しをされて、中には両手を後ろ手に縛られて、そうやって道を歩かされるのは、疑いようもなく不快なはずだ。
避けられないことなのだと、イスラエルは言う。かなり野蛮だと、それ以外の人たちは言う。
ジェレミー・ボウエン氏によると、グテーレス事務総長は、決議案は拒否権で否決されると承知の上で、採決させた。それは、国際社会の圧力を高め、アメリカさえもイスラエルに停戦しろと言わざるを得なくなる時期を前倒しさせるためだから、というのですね。なるほど、だとすれば、グテーレス事務総長は結構な策士のようにも思えます。
ボウエン氏によると、外交官の中には、イスラエルにはあと1カ月ほど猶予を与えるかもしれないと話す人もいたそうですけれども、プロの目からみれば、その辺りが「落としどころ」だと見ている向きもあるということです。
一刻も早い停戦を望みます。 』