- NIDSコメンタリー
第285号 2023年11月14日
危機交渉における「弱さを偽る」戦略(下)
明確な脅しを欠いたロシアによる危機交渉の戦略的論理
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary285.pdf
- ※ 待望の「後編」だ…。
- ※ 一読しての感想は、「戦争(侵攻)」は、「意思」と「能力」によって起こる。 「意思」が外部からは伺い難いものである以上、隣国は、その「能力」に注目し続 ける他は無い…、ということだ。 ※ 侵攻の「意思」の有無について、ガチャガチャ(ぐちゃぐちゃ)議論しても、始まらない…。 ※ 取り得る策としては、敵が「侵攻」してきても、それに「反撃」できるだけの「(カウンター)能力」を整備するだけの話しだ…。
『政策研究部防衛政策研究室研究員 本山 功
(本稿は、『NIDSコメンタリー』第282号「危機交渉における『弱さを偽る』戦略(上)——理論的前提とロシア=ウクライナ間の危機交渉の事実関係」の続編である)1
はじめに
前編(『NIDSコメンタリー』第282号)第2章、第4章で示された、戦争ではなく交渉によって到達
できる平和解が本来存在するはずであるという合理的選択論の前提や、強制外交では脅しの信憑性を確
保する必要性があるという理解、そして危機交渉において自己拘束型のメカニズムを働かせるための観
衆費用への着眼からは、次のような予想が導き出される。
すなわち、国家は戦争によってよりも交渉によ
って財を分割することを好むはずであり、そのためには戦争に先立つ危機交渉のなかで、武力行使の威
嚇や警告が公然と、最大限に発せられるはずである、というものである。
しかしながら、前編第4章で確認した通り、ロシアによるウクライナ侵攻の開始直前期には、ロシア
からウクライナや米国•NATOに対しての明確で強い脅しは観測されなかった。
このようなロシアの行動
は、(全面侵攻を選択したという事実と並んで)ロシアという主体を非合理的であると捉える見方を促進
しているかもしれない。
そこで、本稿ではそのような一見不可解な行動の背景にある論理をも統一的に
説明しうる、合理的選択論に基づいた理論研究を紹介し、今般の事例との整合を検討する。
第5章では、
そのような理論的研究が提示した「弱さを偽る」戦略について、その概要やその戦略がとられやすくなる
条件を示す。
それらをもとに第6章において、前編第3章で概観した事実関係を踏まえながらロシアの
行動を解釈することで、今般のウクライナ侵攻直前期のロシアが「弱さを偽る」戦略をとっていた可能性
を指摘する。
なお、理論研究に用いられる用語や危機交渉における国家間の相互作用については、前編で説明した
ため詳細を再述せずに用いる。
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NIDSコメンタリー第285号
第5章 「弱さを偽る」戦略
危機において脅しが公然と•最大限に発せられるべきであるという予想は原則として正しいが、危機
交渉の文献は、それが成立しない場合の背景にある論理も明らかにしてきた。
その代表的な例として、危
機における秘密裡のシグナリングが効率性や合理性をもつメカニズムを、公的な脅しの有用性を示すモ
デルとの接続を維持したまま示した栗崎周平(2007)2や、本稿で以後とりあげるブラニスラフ•スランチ
エフ(Branislav Slantchev, 2010ドが挙げられる。
スランチェフは、朝鮮戦争に対する中国の介入をめぐる経緯に着想を得て、戦争に先立つ危機交渉で、
本来期待されるはずの「コストのかかる脅し」カヾ見られない現象の背景にある論理を分析したん
1950年秋頃、仁川上陸に成功した米軍を中心とする国連軍が38度線を越えて北進する可能性が現実
味を帯びだすと、中華人民共和国(中国)が朝鮮半島へ軍事介入を行うだろうとの風説も流布することと
なった。
これに対して米国の政策決定者は、中国東北部への軍の集結を認識しつつも、中国の戦時体制へ
の移行の兆候不足や指導部との間接的接触で得た所感などから、介入は現実的ではないと結論付けた5。
実際に、中国は、対国連声明や機関誌への論説掲載を通じて朝鮮半島への問題関心を明らかにしたり、駐
北京インド大使を通じた警告を発していたりしたものの、明確な脅しや開戦に向けた準備に欠けていた
ために、「宣伝の伝達」も以上のものとは受け止められなかった。
しかしながら、戦後明らかになったとこ
ろによれば、中国はソ連との調整ののちに朝鮮半島への介入を行う決意を固めており、東北部に集結し
た部隊は、北朝鮮との国境を流れる鴨緑江を秘密裏に渡河し「完全な隠蔽状態」のもとに陣地を構築して
いた7。
このように、国連軍の38度線を越える北上を抑止しようとする中国が、明確な抑止の脅しを欠き、そ
れを裏付ける軍事的準備を隠したまま朝鮮戦争へと介入した事実は、前編で示した危機交渉の理論に基
づく予想から逸脱するものであった。
軍事行動を秘匿する主な目的は、戦術的な優位を得るためである
と考えられる。
しかしながら、前編と本稿に通底している、戦争の大きなコストを避けるために交渉によって到達できる平和解が存在するという考え方に基づけば、中国は、国境地帯に大規模で公然たる軍事
動員を行って威嚇を行うことで国連軍の北上を抑止したほうカヾ、軍事介入によって国連軍を押し戻すよ
りもよい結果を得られたはずである。
実際に、米統合参謀本部は、国連軍の38度線以北への進軍の条件
として、(ソ連軍あるいは)中国軍の介入がなく軍事的に対抗する恐れがないことを挙げていた5°
これら
を踏まえれば、中国による十分なシグナリングがあれば、国連軍が38度線を越えて北上し中国国境へと
近づくことを抑止できたと考えられる。
したがって、軍事行動の秘匿が戦術的優位を与えるという事実
そのものだけでは、なぜ中国が危機交渉による抑止を試みなかったかを説明できないのである9。
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朝鮮戦争に関する抑止研究
本章で取り上げた朝鮮戦争の事例は、スランチェフが問題関心のイラストレーションのために論文中で言及
したものである。
この事例を戦略的論理からとりあげたシェリング(Thomas Schelling)も、同様の関心を示している1°〇
一方で、朝鮮戦争の事例は抑止の定性的な研究の中でもたびたび取り上げられてきた。
アレクサンダー・ジ
ヨージ(Alexander L. George)とリチャード・スモーク(Richard Smoke)は、朝鮮戦争の推移を「抑止の二
重の失敗」と表現した”°
すなわち、中国は米国を中心とする国連軍が38度線を越えて進軍することを抑止
することに失敗し、米国の側も中国の介入を抑止することに失敗したということである。
彼らは特に後者の抑
止が失敗した要因として、「動機の非対称性」に着目すべきだと述べている。
すなわち、中国にとって、国境
を接する地域に敵対的な性質をもつ統一朝鮮が誕生することは、安全保障上の重大な脅威であって、多大なコ
ストを支払ってでも朝鮮戦争に介入する動機をもっていたと分析したのである。
抑止の成否を決定づける要因
に関するこれ以前の研究では、相手に課すことのできるコストの大きさが重視されてきたのに対して、彼らは
相手と自身が争点となっている課題に対してもつ動機のバランスも分析すべきだと主張したのである武。
リチャード・ルボウ(Richard Ned Lebow)は、合理的選択論に基づく抑止論に批判的な立場から、抑止が
誤認によって失敗した事例として朝鮮戦争を取り上げたり。
彼は、米国の国内政治において朝鮮半島の統一を
求める意見が支配的となったことや、官僚制の政治化などの要因によって、米国政府が、半島統一の要求や期
待に適わない情報に対して非常に無関心になっていたと指摘する。
これが、中国による抑止のためのシグナリ
ングを軽視したり無視したりすることに繫がって、抑止の失敗を招いたと説明する。
なお、この事例の解釈を
巡っては、中国による抑止の脅し自体が明確には存在していなかったことなどを指摘する批判がある皿。
最後に、トーマス・クリステンセン(Thomas J. Christensen)は、冷戦後に新たに公開された中国側の史
料などを用いて、朝鮮戦争における抑止に関する従来の研究とは異なった結論を提示している四。
彼は、中国
による介入の決定が、介入をしなかった場合の結末を考慮して行われた点を重視している。
中国は、朝鮮半島
問題において妥協し敵対的な統一国家の形成を許せば、中国東北部に国境防衛のための一定規模の戦力を将来
に渡って配置し続けなければならない。
毛沢東は、国内の抵抗勢力を壊滅させられていない当時の状況下で、
台湾と朝鮮半島の両方に安全保障上の脅威を抱え続けることを問題視し、この問題が財政的のみならず、政治
的にも高くつくだろうと評価した。
すなわち、「防衛線を恒久的に配置するよりも安価に、将来の米国の攻撃
から身を守る」おために、朝鮮戦争に介入したと主張したのである。
このような見方は、歴史研究において明
らかにされた、毛沢東の当時の思考とされるものとも一致する。
すなわち毛沢東は、「帝国主義米国が戦争に
勝っようなことがあると、彼らはますます傲慢になり、我々を脅かすだろう。(中略)義勇軍部隊を送るとい
う形で北朝鮮に手を貸さなければならない。」と述べ、彼が帝国主義的侵略者と見做す米国の、傲慢さを打ち
砕くことを重視していたということである”。
武力行使の決意をもつ国家が、その強さをシグナルして相手に譲歩を求めるのではなく、決意の「弱さ
を偽って」戦争を選び取ってしまう場合があるという問題に対処するために、スランチェフは、各国の相
対的なパワーの大小が危機の最中にとる動員などの行動によって内生的に変化するモデルを作成し、戦術的優位を得るインセンティブが戦争回避のインセンティブよりも大きくなる条件を探索した。
このモ
デルにおいても、従来の危機交渉の論理は踏襲されており、決意をもつ国家がより良い交渉解を得るた
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めにとることのできる唯一の手段は、依然として、決意をもたない国家と自身を差別化できるようなシグナルを発することのみである18。
しカ、しなカヾら、このモデルで「フェイント均衡」と名付けられた均衡において、決意をもつ挑戦国は、
交渉が失敗した場合に生じるであろう戦争において、防衛国をして挑戦国が弱いと誤解してしまった場
合に生じる利益を得るために、自国のタイプを明らかにすることによって生じる交渉上の利益の一部を
諦める戦略をとる。
言い換えれば、挑戦国は、自身が決意をもつ強いタイプであった場合、それを示して
交渉上の優位を得るか、それを隠して(弱いタイプであるとみせて)おいて仮に戦争に至った場合には戦
術上の利益を得るかを選ぶという意思決定問題に直面する。
強い挑戦国にとって、自国の強さを示すこ
とで有利な交渉解を得ることは魅力的であるが、一方で、防衛国に事態対処のための準備をする誘因を
与えてしまいやすい。
仮に、強い挑戦国が弱さを偽った場合は、交渉によって得られる解の条件は悪くな
るカヾ、一方で、戦争のリスクを抑えられる上に、仮に戦争に至った場合でも十分な準備ができていない相
手と戦うことができて戦術上の有利を得ることができる。
挑戦国は、これらのトレードオフを考慮しつ
つ、弱さを偽る場合がある。
挑戦国がこのような「弱さを偽る」戦略をとるのはどのような場合かという条件について、スランチエ
フは種々の特徴を指摘している。
本稿ではこれらのうち2点を取り上げる。
第一に、防衛国側が、挑戦国
が軍事的に強力であると考えて悲観的であるほど、挑戦国は弱さを偽りやすくなる。
これは、仮に防衛国
が両国間のパワーバランスに楽観的である場合、挑戦国が弱さを偽らずとも、防衛国が十分念入りな事
態対処のための準備をする蓋然性が低いと考えるからである。
また第二に、防衛国側が、事態対処のため
の準備(動員や武器調達など)をする際にかかるコストが高いほど、防衛国が弱さを偽る確率が高まる。
これは、挑戦国が弱さを偽った際に、仮に防衛国がその(挑戦国が本当に弱い)可能性にある程度懐疑的
であったとしても、準備コストの高さから十分な準備に踏み切れず、結果として弱さを偽る行為が成功
する蓋然性が高いと考えるからである。
さらに、スランチェフはこの弱さを偽る戦略が、防衛国を「戦争に誘い込む(luring into war) J可能性
があることを指摘している。
交渉において、挑戦国が弱さを偽って要求を(主観的に)控えめにしてさえ
も防衛国がそれを拒否する可能性が高い場合、強力な挑戦国は、条件の悪い平和解よりも準備ができて
いない防衛国と有利な戦争を戦うことを好む。
すなわち、弱さを偽る戦略は、相手に誤った楽観的な情勢
認識を持たせることで、戦いに誘い込もうとするものと解釈できる。
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第6章ロシアによる「弱さを偽る」戦略
スランチェフが提起したような「弱さを偽る」という戦略が、ロシアによるウクライナへの全面侵攻が
始まる直前の事態を説明するかを検討する。
今般の事態は、「弱さを偽る」戦略がとられやすくなる条件を満たすものであると考えられる。
第一に、
ウクライナをはじめとする防衛国側は、米国やNATO諸国でさえ、挑戦国であるロシアの軍事的能力を
高く見積もっていた。
ロシア軍の能力が、一般的に信じられていたよりも限定的であることが判明した
のは、実際の戦闘の継続を通じて初めて判明したことである。
そして第二に、事態対処の準備を進める必
要があるウクライナにとって、そのコストは高かったと考えられる。
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)
による、ロシア•ウクライナ両軍の開戦前からの計画や準備、開戦後の約3か月間にわたる戦闘の経過
を分析したレポートは、開戦直前のウクライナ政府が全面的な戦争準備に踏み切れないジレンマに直面
していたと指摘している。
しかしなカヾら、すべての主要な攻撃軸を防御する方法が特定されていたにもかかわらず、総動員
なしでは使用可能な部隊の数が限られていたため、部隊配置の重点設定は敵の意図の評価によって行われなければならなかった。
また、大規模な攻撃を長期間遅らせる可能性のある持続的な脅
威に直面したウクライナ政府にとって、総動員による経済的影響がこれを非常に困難にしたことを強調することも重要である。19
ロシアとの軍事的緊張が長引く中で、ウクライナ政府はあらゆる事態に対応できるよう図上演習を繰
り返し、潜在的なロシアの侵攻ルートを様々に想定したものの、すべてに対応できるような満遍のない
防衛計画を遂行するには部隊の数が十分でなく、その不足を補うための総動員は、自国経済に深刻な影
響をもたらすため実行の決断が困難であったということである。
また、ロシアが権威主義国であることも、ロシアが弱さを偽りやすい状況を作り出している。
危機交渉
の研究では、議論はあるものの、民主国の方が抑止や強要を成功させやすいと考えられてきた2°。
それは、
民主的政府のもつ制度的な特徴が、危機におけるコミュニケーションで脅しの信憑性を伝達するのに長
けていると考えられるからである。
権力監視の制度や定期的に行われる選挙によって、民主国の指導者
は危機において空脅しを行う誘因を損なわれたり、前編第2章で言及した観衆費用を負いやすくなった
りすると考えらえる。
民主的な制度が危機におけるコミュニケーションで政治的指導者の意図を明確に
伝達するのを助けるということは、裏を返せば、民主国は弱さを偽ることも難しいということである。
したがって、自身の発言が国内のメディアや野党によって検証されることがなく、その発言が虚偽であっ
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た場合に次の選挙へ与える影響を心配する必要がない権威主義国の指導者は、危機において弱さを偽ることが容易であると考えられる21。
これらの理由から、ウクライナへの全面侵攻を企図したロシアは、その意図を隠すことで交渉上の有
利よりも戦術上の有利を得ようとする「弱さを偽る」戦略をとっていた可能性があるといえる。
実際に、
その侵攻の開始直前まで、ロシアのプーチン大統領やラブロフ外相がその意図を否定し続けていたこと
は、前編第3章において侵攻直前の経緯を振り返ることで明らかにしたとおりである。
能力面での隠蔽
ロシアが侵攻の意図をたびたび否定して隠していたのに対して、戦力の移動や大規模な部隊集結など、
能力の面での侵攻準備はほとんど隠されておらず、「弱さを偽」ってはいなかったようにもみえる。
しかしながら、能力面での欺瞞がなされなかったことには2種類の理由が考えられる。
第一には、意思の隠蔽と異なり、能力の隠蔽は単純に不可能であったという可能性である。
先述の朝鮮戦争における中国の例では、中国人民義勇軍は、日没後に移動を行ったり北朝鮮人民軍の服装を着用したり22することで米国による航空偵察から逃れ、能力面での企画の秘匿を成功させた。
しかしながら、航空機による偵察能力はもちろん、人工衛星やICTネットワークの発達した現代において、そのような秘密裡の活動が暴露される可能性は飛躍的に高まっている23。
ロシアが侵攻の意図のみを隠し、能力を秘匿し
ていなかったのは、単にそれが不可能であったからという側面があるだろう。
そして第二には、ロシアの全面侵攻に対する決意が、事態の推移を通じて醸成されたからという可能性である。
すなわち、ロシアは当初、2014年以降繰り返してきたスナップ演習や抜き打ち検閲24、2021
年春の大規模な部隊終結のように、軍事活動によって緊張を高めては鎮静化させるという従来の「多層
的な闘争手段」25の一っとして、今回の危機を作り出したのかもしれない。
危機交渉の理論において、国
家のもつ武力行使への決意は、危機の中で「作り出される」ことが知られている26。
危機の最中に、軍事
動員や部隊の展開によって局地的なパワーバランスが変化した場合には、戦争という帰結に至った場合
に得られる潜在的な利得が好転するため、当初は武力行使の決意をもたなかった国がその決意をもつに至ることがある。
翻って今般の経緯を振り返るに、前編第3章で示した通り、ウクライナを巡る軍事的
緊張が高まる中でも、フランスとドイツは侵攻の可能性を相当低く見積もり首脳外交等による事態の打
開を模索していたし、米国もバイデン大統領が介入のコミットメントを早期に否認するなど27、NATOを
中心とした西側の軍事力がウクライナとロシアの国境地帯での軍事バランスに重要な変化をもたらすとは考えにくかった。
こうして、自ら高めた緊張の中で危機の推移を見守ったプーチン大統領は、西側から
これ以上の強硬な反応は出ないと予期して、2022年初頭というタイミングでの全面侵攻の決意を固めた可能性を指摘できる。
ウクライナの善戦を観測した西側諸国は、ロシアの全面侵攻が始まった後になっ
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てから一定程度の関与を決意したようであり、ウクライナへの武器供与を質的•量的に拡大した。
しかしながら、侵攻の開始前においては、彼らはウクライナのゼレンスキー大統領に首都キーウからの脱出を持ちかけていた28。
その意味では、西側諸国の決意もまた、戦場での事態の推移を通じて醸成されたとい
えるだろう29。
これらの分析から考えられるのは、ロシアが侵攻の意図を隠して能力を隠していなかったという現象に対する、次のような理解である。
すなわち、意図に関しては、危機の当初は実際に決意をも
たなかったために侵攻の意図を否定しておいて、侵攻の決意を固めてからも弱さを偽る戦略をとるため
に意図を否定し、交渉における重大な要求を発しなかった。
さらに能力に関しては、当初はあくまで従来
の「多層的な闘争手段」3〇の一つとして部隊の集結を始めたために徹底的な隠蔽を施さず、侵攻の決意を
固めたときには既に米国等によってそれが検知・暴露されていたため、(隠蔽の単純な技術的困難さも相まって、)能力を隠すこと自体を諦めていたと考えられる。
ロシアの首脳部、ひいてはプーチン大統領がどの時点で意思決定を行ったのかを特定するのは後世の歴史研究によらなければならないだろうカヾ、戦略的な論理からはこのような、当初は武力行使に十分な
決意をもっていなかったプーチン大統領が、危機の展開を通じて決意をもつに至り、さらに侵攻開始の
手段として弱さを偽る戦略をとったという可能性を指摘できる。
そしてこの解釈は、侵攻開始直後のロシアの戦い方とも整合的である。
ロシア軍が、侵攻開始の当初
は、ウクライナの首都キーウを早期に陥落させゼレンスキー政権を排除することで、ウクライナ全土で
の抵抗の意思を挫こうとしていたことは広く知られており31、戦場においてロシア軍の部隊から歯獲され
た命令書等からも確認されている32。
このような電撃的な作戦を成功させるためには、動員や武器供与の
受領を通じたウクライナ側の準備が十分に整っていないままである必要があり、侵攻の意図を隠す弱さ
を偽る戦略をとることが最適といえる。
事実として、ゼレンスキー大統領がロシアによる全面侵攻の脅
威を十分深刻に見積もっていなかった可能性があることは第3章で指摘した通りである。
また、先述の
総動員に関する兵力不足と経済的負担のジレンマによって、ウクライナ政府が総動員を決断したのは口
シアによる全面侵攻を受けた2022年2月24日であり33、その直前の2月22日の時点では、予備役の招
集を認めたものの総動員は否定していたのである34。
ロシアによる弱さを偽る戦略は、(それ自体は)一定程度の成功をみたと考えられるだろう。
「偽旗作戦」か「弱さを偽る」戦略か
ロシアによって侵攻の意図が否定され続けていた他の理由として、偽旗作戦を実行するためであったという
説明も考えうるカヾ、その可能性は低いとみられる。
偽旗作戦とは、相手を非難したり自国の正当性を高めたり
する目的で、自身が政治的•軍事的攻撃を受けているように演出する作戦である。
今回の場合は、ロシアに侵
攻の意図がないにもかかわらずウクライナや米国• NATOが危機を煽っているという構図を演出し、ウクライ
ナ東部での親露勢力に対する攻撃を実行することで「自衛」としての侵攻の口実とする工作などが考えられ
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る。
2022年1月には、偽旗作戦を実行するための工作員がロシアによって配置されているとの情報を、米国が開示して警戒を呼び掛けた35。
しかしながら、この偽旗作戦を実施•成功させるためにロシアが侵攻の意図を否定していたと考えるのは不自然である。
なぜならば、第一に、偽旗作戦のもつ効果は非常に限定的だと考えられるからである。
そして第二に、それにもかかわらずロシアが(恐らく)実際に準備を進めるほど偽旗作戦に強い意欲を持っていたのだとすれば、米国による暴露があったにせよ、侵攻の開始まで意図の否定を続けていたにもかかわらず計画を実行に移さなかったのは不自然だからである。
今回の文脈において偽旗作戦のもつ効果は、非常に限定的だと考えられる。
この作戦の一義的な目的は、そ
の後の軍事侵攻の正当性を担保することとみられる。
この担保すべき正当性は、国内における正当性と、国外
アクターに対する正当性に分類できる。
このうち、ロシア国民に対する国内的な正当性は、プーチン大統領が
メディア統制を通じた独自の世界観の流布に成功していることを踏まえれば、米国による事前の暴露があった
としても偽旗作戦を決行することで、十分に確保できたと考えられる。
また、国外アクターに対する正当性に
ついては、元より、偽旗作戦によってそれを担保できていたかどうか不明である。
国連憲章や国際法を明らか
に無視したロシアによる軍事侵攻に対してでさえ、国際社会の反応はまちまちである。
日米欧諸国がその行動
を明確に非難したのに対して、中国はロシアに懸念を示しつつもその行動を「尊重」し36、ASEANはロシアに
対する配慮から「微温的」37な声明を出すにとどまった。
国外アクターがロシアの軍事侵攻に対して見出す正
当性は、各国の置かれた環境や選好に応じて変わるものあって、偽旗作戦の有無がそれを大きく変容させうる
とは考えにくい。
仮にロシアが、偽旗作戦によって得られる程度の非常に限定的な正当性さえ希求するのであれば、国際法に反する侵攻はそもそも行わないであろう。
それでもロシアは実際に偽旗作戦を計画していたとされる。
その動機がロシアによる独自の戦略思想や作戦
文化にあるのかは判然としないが、仮に偽旗作戦に強い意欲を持つのであれば、米国によるインテリジェンス
の公表(暴露)を受けても、計画を実行に移すと考えられる。
前段の通り、単に正当性の確保という観点から
は偽旗作戦に大きな効果は見込めないため、逆にその計画が暴露されたとしてもその効果が大きく減退するこ
とはないであろうからである。
しかしながら現実には、ロシアは偽旗作戦の実行を断念したようである。
このことは、ロシアが偽旗作戦を重視しなくなったことを表している。
そして、仮に侵攻の意図の否定が偽旗作戦
のためであったとするならば、その意図を秘匿しておく必要も失われたことになる。
こうして、偽旗作戦のために侵攻の意図を否定していたという説明は説得力を持たず、本文の当初の問題設定
である、ロシアカヾ、良い交渉解を勝ち取るために武力行使の脅しを明確化するはずであるという単純な理論的
予想に反したことがパズルとして立ち上がってくるのである。
おわりに
本稿は、2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻について、その開始直前期に口
シアとウクライナや米国• NATOとの間で行われた危機交渉においてロシアが「弱さを偽る」戦略をとつた可能性を指摘した。
危機交渉の理論の基本的な考え方に基づけば、ロシアは、ウクライナ侵攻の直前に
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明確で最大限の脅しを発することで戦争を回避しつつ良い交渉解を得ようと試みるはずであった。
しかしなカヾら、現実にはそのような脅しは観測されず、一見して不可解な事象であった。
本稿で紹介した弱さを偽る戦略は、そのような一見不可解な事象に対して、その背後にある論理を危機交渉の理論から逸脱
することなく説明したものである。
弱さを偽る戦略を提示した理論研究で示された、この戦略がとられ
やすくなる条件は、今般のウクライナ侵攻を取り巻く戦略的環境と整合的であり、その他の事実関係か
らも、ロシアが弱さを偽る戦略をとった可能性が示唆された。
すなわち、キーウを早期陥落させることに
よって電撃的に勝利を得る作戦を企図したロシアは、武力を背景とした脅しによって交渉上の優位を得る(強制外交の)強要という方法ではなく、侵攻の意図を一貫して否定し続けることを選んだのである。
ロシア政府内部から情報を収集できるとみられる米国や、米国からの情報に説得されたイギリスを除いて、フランスやドイツなどのヨーロッパ各国や、ひいては侵攻をうける当事国であるウクライナでさえ、
ロシアによる侵攻の可能性について懐疑的であるか十分に信じられていない状態であった。
一般的に、
侵攻後に必要となる対処については、侵攻前から十分な準備を整えておく必要がある。
ロシアの弱さを
偽る戦略によって、ウクライナや一部のヨー ロッパ諸国が侵攻の可能性をある程度低く見積もってしま
つたことは、そのような準備の促進を妨げた可能性がある。
この分析をより一般的な文脈へ応用させると、次のような示唆が得られる。
ある国Aが軍事演習等を
名目に軍部隊を集結•展開させたのち、その地域•海域に留まるなどの特異な行動を見せ、侵攻の可能性
がささやかれているような場合を考える。
このとき、A国が置かれた政治的状況や戦略的環境に基づい
て、侵攻は利益にならないと判断し、侵攻の可能性を低く見積もるような分析をする際には、以下の2点
に注意する必要がある。
第一に、軍の集結•展開の目的を(侵攻の可能性を排除して、代わりに)強要で
あると分析することには、多大な困難がつきまとう。
上編で述べたとおり3んその目的が強要であっても
侵攻であっても、それぞれが必要とする軍の集結や展開の仕方に違いは無いからである。
強要を成功さ
せるためには、相手をして侵攻の可能性が十分高いと信じてもらう必要があるためである。
そして第二に、A国が弱さを偽る戦略をとっている場合、そのような分析はむしろ侵攻の可能性を高め
る恐れがある。
侵攻の可能性が低いとの見方が支配的になれば、対処のための準備は抑制され、十分な水準に満たないものとなりうる。
そのような状況下では、仮に本来、侵攻にかかるコストを鑑みれば十分な
利益を得られないとA国が考えていた場合であっても、準備の出来ていない相手への侵攻であれば利益
を得られると考えたA国が(弱さを偽ることに成功した為に)侵攻に踏み切ってしまう可能性がある。
これは、有事やそれを見据えた段階における、認知領域の重要性を示唆しているともいえる。
弱さを偽る戦略は、合理的選択論に下支えされた危機交渉の理論研究によって提示された。
ロシアに
よるウクライナ侵攻を受けて、元より根強かった国際政治や国際関係を合理性に基づいて分析すること
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へ懐疑的な見方が、合理的選択論への無理解を含みつつ再生産され拡大しているようにもみられる。
現代において戦争(全面戦争)は非合理的であるはずとの主張はその一例であるが、そもそも合理的選択論
に基づく戦争原因の研究は、合理的な意思決定の産物として非合理なはずの戦争が帰結してしまう条件
を探索してきたのである。
合理的選択論が戦争を発生しえないものとして扱っているわけでないことは
既に十分に明らかであるため、本稿では、今般のウクライナ侵攻を巡って生起した、合理的選択論の原則
から単純に導かれる予想に反する事象について、合理的説明が加えられることを示し、それを支持する
戦略的環境や事実関係についても指摘した。
国際政治や国際関係に関する分析は、引き続き、各アクター
の選好とそれぞれの戦略的相互作用に着目して行われうるものといえる3七
1本稿では、2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻を、ウクライナ侵攻、または単に侵攻と略す。
2 Shuhei Kurizaki, “Efficient Secrecy: Public versus Private Threats in Crisis Diplomacy7\ American Political Science Review 101,no.3 (2007): 543-558.
3 Branislav L. Slantchev, “Feigning Weakness”, International Organization, 64 no.3 (2010): 357-388.
4 Ibid.
5ウィリアム・ストウーク(著)豊島哲(訳)『朝鮮戦争ーー民族の受難と国際政治』(明石書店、1999年)111頁。
6金学俊(著)Yuji Hosaka (訳)『朝鮮戦争ーー原因・過程・休戦・影響』(論創社、2006年)214頁。
7引用は、韓国国防軍史研究所(編)『韓国戦争第三巻ーー中共軍の介入と国連軍の後退』(かや書房、2002年)91頁より。また、中国の参戦意思決定は同書第1
章、および金『朝鮮戦争ーー原因・過程・休戦•影響』第4章を参照。
8ストウーク『朝鮮戦争ーー民族の受難と国際政治』110頁。
9朝鮮戦争は、問題関心のイラストレーションのための事例である。実際の中国の介入判断や米国の38度線突破の判断には、国内政治における要因等の数多くの
要素が関係している。
10 Thomas C. Schelling, Arms and Influence (New Haven, Conn: Yale University Press,1966), 55.
11 Alexander L. George and Richard Smoke, Deterrence in American Foreign Policy: Theory and Practice (New York NY: Columbia University Press),
187
12 Jack S. Levy, “Deterrence and Coercive Diplomacy: The Contributions of Alexander George”, Political Psychology, 29 no.4 (2008): 537-552.
13 Richard Ned Lebow, Between Peace and War: The Nature of International Crisis (Baltimore, MD: The Johns Hopkins University Press,1981),Ch5-
6.
14 John Orme, “Deterrence Failures: A Second Look”, International Security 11,no.4 (1987): 96-124.
15 Thomas J. Christensen. “Threats, Assurances, and the Last Chance for Peace: The Lessons of Mao’s Korean War Telegrams”, International Security
17, no.1(1992):122-154.
任 Ibid., 147.
17 Chen Jian, China’s Road to the Korean War (New York, NY: Columbia University Press), 143; Ibid., 129.
18 Slantchev, “Feigning Weakness”, 363.
19 Mykhaylo Zabrodskyi, Jack Watling, Oleksandr V. Danylyuk, and Nick Reynolds, “Preliminary Lessons in Conventional Warfighting from Russia’s
Invasion of Ukraine: February-July 2022,〃 The Royal United Services Institute (RUSI), November 30, 2022, httus://www.rusi.org/exDlore-our-
research/publications/sDecial-resources/preliminary-lessons-conventional-warfighting-russias-invasion-ukraine-february-iuly-2022: 22.
20 James D. Fearon, “Domestic Political Audiences and the Escalation of International Disputes”, American Political Science Review 88, no.3 (1994):
577-592; Kenneth A. Schultz, Democracy and Coercive Diplomacy (Cambridge, MA: Cambridge University Press, 2001).
21 Slantchev, “Feigning Weakness”, 378-379.
22韓国国防軍史研究所『韓国戦争第三巻』91頁。
23 Michael F. Joseph and Michael Poznan sky, “Media technology, covert action, and the politics of exposure”, Journal of Peace Research 55, no.3
(2018):320-335.ただし、この論文は全面侵攻を目的とするような大規模な軍事動員や集結の秘匿ではなく、秘密作戦(covertaction)の暴露性について論じてい
る。
24 Michael Kofman, Katya Migacheva, Brian Nichiporuk, Andrew Radin, Olesya Tkacheva, and Jenny Oberholtzer, “Lessons from Russia’s Operations
in Crimea and Eastern Ukraine,” RAND Corporation, 2017, rand.org/content/dam/rand/Dubs/research reu〇rts/RR1400/RR1498/RAND RR1498.pdf:
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NIDSコメンタリー第285号
8.
25山添博史「ロシアの多層的な闘争手段」防衛研究所『ブリーフィング・メモ』2020年10月。
26 Branislav L. Slantchev, ‘*Military Coercion in Interstate Crisis\ American Political Science Review 99, no.4 (2005): 533-547; Branislav L. Slantchev,
Military Threats (Cambridge, MA: Cambridge University Press, 2011).
27 Jeff Mason and Vladimir Soldatkin, “Biden says U.S. wiH not put troops in Ukraine, as tensions with Russia ease,” Reuters, December 9, 2021,
https://www.reuters.com/world/europe/kremlin-says-both-sides-follow-up-quickly-putin-biden-talks-2021-12-08/•ただし、介入の脅しを発しても、
初めからコミットできないと解釈された可能性が高い。
28 Sharon Braithwaite, “Zelensky refuses US offer to evacuate, saying ‘\ need ammunition, not a ride’,” CNN, February 26, 2022, https://
edition.cnn.com/2022/02/2b/europe/ukraine-zelensky-evacuation-intl/index.html.
29 Branislav L. Slantchev, “Biden and Russia’s War on Ukraine,” Commentary and Analysis of Conflict, March 23, 2022, https://slantchev.wordDress.com/2022/03/23/biden-and-russias-war-on-ukraine/
30山添「ロシアの多層的な闘争手段」。
31防衛省『令和4年版防衛白書』11頁;小泉悠『ウクライナ戦争』(筑摩書房、2022年)103頁。
32 Zabrodskyi, et.aL, “Preliminary Lessons in Conventional Warfighting from Russia’s Invasion of Ukraine,”‘7-12.
33 The Mainichi, “Ukraine president orders fuH military mobilization,” February 25, 2022, httus://mainichi.iu/english/articles/20220225/〇2g/
00m/0in/012000c.
34 Natalia Zinets and Matthias Williams, “Ukrainian president drafts reservists but rules out general mobilisation for now,” Reuters, February 23,
2022, https://www.reuters.com/world/euroDe/ukrainian-Dresident-calls-uD-reservists-launches-programme-economic-Datriotism-2022-02-22/.
35 BBC News, “Russia-Ukraine: US warns of ‘false-flag’ operation,” January 14, 2022, https://www.bbc.com/news/world-europe-59998988.
36増田雅之「『ウクライナ危機』と中国ーー変わらぬ中露連携、抱え込むリスク」増田雅之(編著)『ウクライナ戦争の衝撃』(防衛研究所、2022年)63頁。
37庄司智孝「ウクライナ情勢とASEAN——競合し、錯綜するプライオリティ」増田雅之(編著)『ウクライナ戦争の衝撃』(防衛研究所、2022年)98頁。
38本山功「危機交渉における『弱さを偽る』戦略(上)ーー理論的前提とロシア=ウクライナ間の危機交渉の事実関係」『NIDS □ メンタリー』第282号、防衛研
究所(2023年10月26日)、13頁。
39国際政治学や国際関係論に限らず、政治学一般において用いられる「合理的」という語の意味について、例えば浅古泰史『政治の数理分析入門』(木鐸社、2016
年)第1章を参照。
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NIDS
Tokyo Japan
防衛研究所 National Institute for Defense Studies
NIDSコメンタリー
第285号 2023年11月14日
PROFILE
本山功
政策研究部防衛政策研究室研究員
専門分野:数理政治学、安全保障論、危機交渉(抑止•強要)
本欄における見解は、防衛研究所を代表するものではありません。
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