ポーランド、世界の新鋭戦車の集積地に

ポーランド、世界の新鋭戦車の集積地に
グローバルウオッチ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR070EZ0X00C22A9000000/

『「これは最新戦車なのだ。歴史上、最も大切な契約といえる」。ポーランドのブワシュチャク国防相は4月、ツイッターで喜びを爆発させた。手に入れたのは米国の主力戦車M1A2エイブラムス250両。いまは対ロシア防衛の切り札として納入を待つ。

政府は7月にエイブラムスを100両以上、追加で購入することも決めた。さらにはドイツのレオパルト、韓国のK2。世界中から戦車をかき集める同国はいま「最新鋭戦車の集積地」といわれる。

今年2月、ロシアがウクライナに侵攻し、同国へも脅威がつのるなかで、西側からの兵器調達を強化している。ポーランドは冷戦期、東側軍事同盟のワルシャワ条約機構に属したが、1991年には同機構がソ連の崩壊を受けて解散、99年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。

兵員も増強中だ。破格の給与で志願兵を募り、若い兵士でも手取りで月給4500ズロチ(14万円)。衣食住は無料で、ポーランドでは大学教授などと同じ所得水準になる。

国防費は国内総生産(GDP)の3%を見込みNATOの目標(2%)をはるかに上回る。実質的な臨戦態勢だ。

首都ワルシャワからロシア領カリーニングラードまで300キロメートルしか離れていない。ロシアと気脈を通じるベラルーシと国境を接する。いつロシアの機甲師団が国境を越えてもおかしくない。

ポーランドは、23年に総選挙を控えている。与党「法と正義」の支持基盤は保守層で、愛国心に訴える政策は受けもいい。

ロシアの攻撃に備え東側防衛強化

国土の東部でロシア軍を迎え撃つための体制づくりも急いでいる。NATOを仮想敵としていた冷戦時代は、西ドイツ方面から攻めてくる戦車を食い止めるため、主力部隊はドイツ寄り(西部)に配置された。兄弟国家のソ連(現ロシア)からの攻撃は想定されず、東部は手薄だった。

いま敵味方は逆転した。ドイツは歴史問題で感情的なしこりが残るものの、安全保障では信頼できるパートナー。一方、ロシアの脅威は日増しに膨らむ。

ポーランドで開催された国際防衛産業展の会場の外で、米軍の主力戦車M1A2エイブラムスの近くにポーランドとアメリカの国旗を持って立つ米兵=ロイター

そこでポーランド東部に部隊を手厚く再配置。さらに東部が戦場になった場合に備え、病院などのインフラも整える。「NATO軍が応援にくるまでポーランド軍だけでロシア軍を食い止める」とワルシャワにある国防大学のピオトル・グロホマルスキ教授は語る。

少し前までポーランド軍高官にはモスクワ留学組が多かったが、その世代が引退した。冷戦時代から使ってきた東側陣営の武器はウクライナに譲り、代わりに西側の兵器を導入している。これはポーランドが冷戦の残滓(ざんし)を一掃し、名実ともに西側陣営になろうとしている過程といえる。
消えゆく「負の遺産」

ロシアのウクライナ侵略から半年あまりが過ぎた。軍事大国ロシアの脅威がよみがえり、欧州はプーチン独裁との関係を断ち切ろうとしている。ところが脱ロシアは一朝一夕には実現しない。91年までソ連の同盟国だった東欧諸国は、負の遺産を消そうと四苦八苦する。ポーランドの隣国ドイツも脱ロシアで奔走中だ。

ドイツ東部シュベートに巨大な化学プラントがある。首都ベルリンのガソリンなどの需要を一手に担い、地元には欠かせないインフラだ。

設備は冷戦期に東独が国家プロジェクトとして建設したもの。東側陣営の経済協力の枠組み「経済相互援助会議(コメコン)」に基づき、ソ連から原油の供給を受けることを前提に設計されたため、いまでも原油はロシアからのパイプライン供給に頼る。

事態は一変した。欧州連合(EU)と主要7カ国(G7)はロシア産原油の禁輸を決めた。このままだと首都ベルリンのガソリン供給に支障が出る。ほかのパイプラインからの供給で原油を代替できるのか。プラント関係者によると、各国政府と協議に入ったという。

ロシアはいずれ民主化して、欧州の一部になる――。長年にわたって欧州で信じられてきた幻想はついえ、ロシアへの幻滅と失望が広がる。「今日の視点から見れば過ちだった」。プーチン大統領らと交流を重ね、エネルギーをロシアに頼ったことをドイツのウルフ元大統領は悔いる。

欧州統合は理想主義のうえに成り立ち、人権や民主主義といった理念を大切にする。自らが苦しくなったからといってロシアに屈するわけにいかない。

翻って日本はどうか。なおもロシア産エネルギーの輸入にしがみつき、代替策をどう確保するかの議論は乏しい。勢力圏とみなす地域を力ずくで従わせる「プーチン・ドクトリン」を許してはならない。(欧州総局長 赤川省吾)

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赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局長
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ひとこと解説

欧州では急速に「脱ロシア」が進んでいます。歴史や文化を共有するにもかかわらず、関係を断ち切る覚悟。今後は東欧にあるロシア製原子力発電所も米国やフランス製に置き換わると私はみています。

日本で「脅威」というと中国や北朝鮮ばかりが意識され、ロシアへの危機感は薄いのではないでしょうか。

以下参考記事です
半世紀ぶりの脱ロシア ドイツ経済のジレンマ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR011JD0R00C22A4000000/
2022年9月14日 19:20 』

アルバニアの国防省発表。「グラムシュ」兵器工場の内部で写真を撮影していたロシア人スパイを警備兵がみとがめた。

アルバニアの国防省発表。「グラムシュ」兵器工場の内部で写真を撮影していたロシア人スパイを警備兵がみとがめた。
https://st2019.site/?p=20146

『『ガーディアン』の2022-8-21記事「Two Russians and one Ukrainian arrested after supected spying raid on Albanian arms factory」。

   アルバニアの国防省発表。「グラムシュ」兵器工場の内部で写真を撮影していたロシア人スパイを警備兵がみとがめた。ロシア人の男のスパイはその警備兵2名に対して神経毒スプレーを噴射し、失明させた。他にロシア人の女とウクライナのパスポートを持った男がその場で捕縛された。

 アルバニアは、ロシアからの観光客の流入を禁じていなかった。そのため、観光客にまぎれてスパイや工作員が入ってきてしまったのである。

 「グラムシュ」基地は海岸線から70kmも引っ込んだところにあり、夏に外人観光客がめざすような場所ではない。

 アルバニアは2009年以降、NATOメンバーである。この工場でどんな兵器を製造していたかは、秘密のようだ。』

北欧2国のNATO加盟で激変するパワーバランス

北欧2国のNATO加盟で激変するパワーバランス:プーチンを脅かすフィンランドの軍事インフラ
国際・海外 2022.08.19
能勢 伸之 【Profile】
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00834/

『2国のNATO接近に神経をとがらせたロシア

NATOは2022年6月29日、スペインで開かれた加盟国の首脳会議で合意した文書「マドリード首脳会議宣言」を発表し、フィンランドとスウェーデンの加盟に向けた手続きを正式に始めることを明らかにした。両国の加盟にはNATO全加盟国の承認が必要だが、クルド問題等で難色を示していたトルコが6月28日までに支持に転じたことで、両国の加盟に向けた動きは大きく前進した。

各国の承認と批准を経て両国が正式加盟する時期は、早ければ年内との声もある。この2国の加盟が実現すれば、ロシアとNATOの軍事バランスが激変する可能性がある。

ウクライナで戦火が拡大していた22年3月4日、米国のジョー・バイデン大統領がロシアのウクライナ侵攻後、初めてホワイトハウスに招き、直接、面会した外国の首脳は第二次大戦後、東西のはざまで中立を保ち続けてきたフィンランドのサウリ・ニーニスト大統領だった。

米フィンランド首脳会談では、両国の安全保障関係を強化し、NATOの門戸開放政策の重要性で一致したという。会談後、バイデン大統領は「ニーニスト大統領と欧州の安全保障について話をした。会談の最中、我々はスウェーデンのマグダレナ・アンデション首相に電話を掛けた」ことを自身のSNS上で明らかにし、フィンランドとスウェーデンは「米国とNATOにとって重要な防衛上のパートナー」と呼んだ。

このようなフィンランド、スウェーデンの米国(NATO)との急接近を警戒したのだろうか、3月2日、ロシア空軍のSu-27戦闘機2機とSu-24攻撃機2機がスウェーデンの領空侵犯を行った。Su-24攻撃機はその時、戦術核模擬爆弾を搭載していたと3月末にスウェーデンのテレビ局が報じた。ロシアにとって全長1340キロメートルにわたって国境を接するフィンランドがNATO加盟国になることは、NATOとの巨大な境界線が出現することを意味するため、大きな脅威と受け取られても不思議ではない。

プーチンが恐れる軍事インフラとは?

フィンランドとの国境からロシアの首都、モスクワまでは、800キロメートル足らず。プーチン大統領の出身地でロシア第二の都市、サンクトペテルブルクまでは、フィンランドの首都、ヘルシンキから約300キロメートルに過ぎない。

だが、NATOに正式加盟するまでは、両国はNATO全軍による防護対象にはならない。ではNATO加盟国になるまでの当面の安全保障の手段は確保できるのか。そこで注目されたのが英国の存在。両国がNATOに正式加盟するまでの間、英国がスウェーデン、フィンランドにそれぞれ、安全保障上の支援を行うことになった(共同声明、5月11日付)。フィンランドと英国の共同声明には「フィンランドと英国は共通の安全保障上の利益を共有し、英国は必要なあらゆる手段でフィンランドの努力を支援する準備ができている」と記述されている。

英国は戦術核兵器を保有していないが、戦略核兵器として、ヴァンガード級ミサイル原子力潜水艦に最大16発搭載できる射程1万2000キロメートルのトライデントⅡD5潜水艦発射弾道ミサイルを保有(運用)している。同ミサイルには、100キロトン級核弾頭が最大12個搭載可能。「英国の必要なあらゆる手段」に、英国の戦略核兵器が含まれているかどうかは、気になるところだ。

ではNATOに両国が加入したら、安全保障環境のパワーバランスはどうなるのだろうか。フィンランドとロシアとの国境は前述の通り、約1340キロメートル。フィンランドとロシアの国境からモスクワまでは、800キロメートルもない。さらに、2国が加盟すれば、バルチック艦隊の二大拠点、サンクトペテルブルクも飛び地のカリーニングラードも、NATO諸国に包囲される位置関係になる。

ロシアはこの2国のNATO加盟申請をどのように見ているのか。22年5月16日、プーチン大統領はロシアを中心とする旧ソ連の6共和国で構成される安全保障条約機構(CSTO)の首脳会合で、「全く問題ない。NATOのこれらの国(フィンランド、スウェーデン)への拡大に伴い、ロシアに直接の脅威はない。しかし、(NATOの)部隊を展開したり、軍事インフラをこれらの領土に拡大するなら、確実に我々の側の反応を呼び起こすだろう」と述べていた。

つまり、スウェーデン、フィンランドの加盟によってNATOが拡大しても、それだけではロシアへの脅威にはならない。しかし、両国にNATOの軍事インフラが作られるなら話は別だ、ということなのだろう。ではプーチン大統領が指摘するNATOの軍事インフラとは、具体的には何を指すのだろうか。一般的には軍事基地などを指すのだが、ことフィンランドに限っては、ロシアにとって気掛かりな影が漂う。

戦闘機F-35A「ブロック4」の実力

フィンランドは現在保有する戦闘機、F-18ホーネットに代えて、米ロッキード・マーチン社が開発した第5世代戦闘機、「F-35AライトニングⅡステルス戦闘機」を64機導入する予定で、2026年から国内配備が始まる。また、このF-35Aと共に、JAASM-ER空対地ステルス巡航ミサイル200発を導入する見通しだが、このミサイルはAGM-158B2と呼ばれるタイプであり、射程は1000km以上。フィンランド国内から物理的にモスクワに届く可能性が高い。
また、このF-35Aは全機「ブロック4」というタイプであることをフィンランド国防省が明らかにしている。米議会調査局の報告書「F-35 Joint Strike Fighter (JSF) Program(2022年5月2日)」によれば、F-35Aブロック4は、「Adds nuclear weapons capability(核兵器能力を付与される)」と明記されている。具体的には、米軍最新の「B61-12核爆弾」を運用可能となる能力を持つという。

F-35A Refuels from KC-135 Tanker at Edwards AFB, Ca.

広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」の威力が約16キロトンと推定されるのに対し、B61-12 の爆発威力は、0.3、1.5、10、50キロトンの選択式。そして、B61-12核爆弾は従来の米軍の核爆弾と異なり、全地球測位システム(GPS)で標的に精密に誘導する装置を用いて命中精度を向上させている。地表まで約100秒で弾着するように航空機から投下すると、弾着精度を示す平均誤差半径(CEP)は、現行の米軍の核爆弾が100メートル以上だったのに対し、B61-12 では30メートル前後になるとされ、弾着精度の高い核爆弾となっている。F-35Aの航続距離は2200キロメートル、作戦行動半径は約1093キロメートルとされる。

F-35Aに搭載されたB61-12模擬核爆弾(左) Sandia National Laboratories

フィンランドには現状、核兵器を導入する計画はない。しかし、 NATO内ではドイツ、ベルギー、イタリアなどが米軍の管理下、米軍の核兵器を国内に配備し、いざという時には、自国の作戦機にその核兵器を搭載し運用するという、いわゆる核共有を行っている。

フィンランドの核共有の可能性

フィンランドはNATO加盟後の核共有について明言していないが、将来、フィンランド空軍のF-35Aブロック4戦闘機がモスクワまで行って何らかの作戦行動を行い、フィンランドへ帰投することが物理的に可能となる。つまり、F-35Aブロック4の導入は、はた目にはフィンランドが将来、政治的にも技術的にも条件がクリアされれば、核共有に踏み切る布石のようにも見える。

また、興味深いのは、フィンランドにGPS誘導爆弾であるJDAMのGBU-31(120発分)、GBU-38/54(150発分)のGPS誘導装置や訓練弾が引き渡されることになっていること。これらのGPS誘導JDAM弾は核爆弾ではないが、フィンランド空軍のパイロットや地上要員にとっては、これらの爆弾を通じて、航空機から投下されるGPS誘導爆弾の取り扱いを学ぶことにもなる。

繰り返しになるが、B61-12もまた、GPS誘導爆弾の一種である。フィンランドのサンナ・マリン首相はNATO加盟を申請した翌日の5月19日、インタビューに答えて「(NATO内では)フィンランドに核兵器や基地を置くことには関心さえない」と発言したという。

この発言はプーチン大統領の意向を勘案したものなのかどうか、それをロシアがどう受け止めているかは不明だが、マリン首相は22年1月19日にフィンランドが自らの首相任期中にNATO加盟を申請する可能性について「非常に低い」と述べていた人物。その当人がNATO加盟申請を果たした。微妙な表現の発言を駆使しながら用意周到に防衛装備の整備を進めるフィンランドが将来、自国内に米国の核兵器を置き、ロシアに匕首(あいくち)を突きつけることになるか否か、ロシアにとって大いに気掛かりなことだろう。

マドリードで覚書に署名後、写真撮影に臨むトルコのエルドアン大統領(左から4人目)、フィンランドのニーニスト大統領(同5人目)、スウェーデンのアンデション首相(同6人目)(トルコ大統領府提供)AFP=時事

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ロシア スウェーデン フィンランド プーチン大統領 NATO ウクライナ侵攻

能勢 伸之NOSE Nobuyuki経歴・執筆一覧を見る

軍事ジャーナリスト。1958年京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。防衛問題担当が長く、1999年のコソボ紛争をベオグラードと北大西洋条約機構(NATO)本部の双方で取材。著書に『極超音速ミサイル入門』(イカロス出版)『極超音速ミサイルが揺さぶる恐怖の均衡』(扶桑社新書)『ミサイル防衛』(新潮新書)、『東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか』(PHP新書)など。』

米、北欧2国のNATO加盟を批准 バイデン氏署名

米、北欧2国のNATO加盟を批准 バイデン氏署名
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1017N0Q2A810C2000000/

『【ワシントン=共同】バイデン米大統領は9日、北欧フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)の加盟議定書を批准する文書に署名、米国での批准手続きが正式に完了した。上院が3日、批准に必要な3分の2以上の賛成で決議案を可決していた。

正式加盟には全30加盟国の批准が必要で、米国を含め計23カ国が手続きを終えた。バイデン氏はホワイトハウスでの署名式で、ロシアのウクライナ侵攻で欧州の安全が脅かされる中、NATOに北欧2国が加われば「同盟はかつてなく強固になる」と指摘。他の加盟国に批准手続きを急ぐよう促した。

【関連記事】NATO、北欧2カ国の加盟文書に署名 30カ国の批准必要 』

北欧2国のNATO加盟承認 圧倒的賛成多数で議定書批准―米

北欧2国のNATO加盟承認 圧倒的賛成多数で議定書批准―米
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022080400277&g=int

『【ワシントン時事】米上院は3日、フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を賛成95、反対1の圧倒的多数で承認した。北欧2カ国の正式加盟に向け、加盟議定書の批准手続きが各国で進んでいる。』

NATOはどこへ行く~世界最大の軍事同盟とロシアの脅威~

NATOはどこへ行く~世界最大の軍事同盟とロシアの脅威~
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220713/k10013714961000.html

 ※ 今日は、こんなところで…。

『東西冷戦時代に共産主義陣営に対抗するために、西側の欧米諸国が集団的自衛権と核抑止力を掲げて結集したNATO=北大西洋条約機構。冷戦終結後も30か国が加盟する世界最大の軍事同盟として存続しながら、統率が乱れた内情をフランスのマクロン大統領から「脳死状態」とやゆされたこともある。しかし、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以来、にわかにその存在は脚光を浴びてきた。長年中立的な立場をとってきた北欧のフィンランドとスウェーデンも加盟を申請。さらにNATOはロシアに加え中国への警戒も強め、日本や韓国などとも関係を強化して、いまや地域を越えた「民主主義諸国の砦」の色彩も帯び始めている。一方でその拡大と強大化は、ロシアや中国の猛烈な反発を招いている。NATOは果たして「世界大戦を防ぐ防波堤」となるのか、それとも「世界の対立と分断の象徴」となるのか。「開戦」以来、NATOをさまざまな視点から取材してきた記者たちが、考えた。(NATO取材班)

目次

▼軍事侵攻と向き合うNATO
▼加盟に揺れる北欧2か国
▼台風の目、トルコ
▼日本に急接近するNATO
軍事侵攻と向き合うNATO

「ヨーロッパの安全保障にとって重大な瞬間だ」

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めた2月24日。

記者団の前に現れたNATOのストルテンベルグ事務総長はこわばった表情でこう語った。

NATO ストルテンベルグ事務総長

ストルテンベルグ事務総長

「NATOは歴史上もっとも強力な同盟だ。われわれはすべての加盟国を、いかなる攻撃からも守る。NATO加盟国の領土をすみずみまで守る」
事務総長はその後も、記者会見のたびにこのことばを繰り返した。

事務総長の念頭にあるのはもちろん、加盟国が攻撃を受けた際に各国が集団的自衛権を行使すると定めた、北大西洋条約第5条だ。そしてメッセージを送る相手は、目の前にいる記者たちではなく、ロシアのプーチン大統領であることは疑う余地がなかった。

ウクライナに侵攻するロシアが、NATO加盟国のバルト3国やポーランドなどに指一本触れることも許さない、そのときはあらゆる手段で反撃するという、世界最大の軍事同盟の本質があらわにされた。

その一方で、NATOが発信し続けてきたもう1つのメッセージがある。

それは「攻撃の矛先が非加盟国のウクライナにとどまるかぎり、ロシアと直接衝突するつもりはない」というものだ。

ときあたかも、ロシアがウクライナ各地への攻撃を広げていた3月4日。NATO本部での記者会見で、1人のウクライナ人記者がすがるように質問したが、ストルテンベルク事務総長はすかさず突き放した。

記者
「なぜNATOはロシア軍機による攻撃を防ぐため、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定しないのか」

ストルテンベルグ事務総長
「飛行禁止区域を設定すれば、侵入してきたロシア軍機を撃墜することになり、ロシアとの直接の衝突につながりかねない。NATOにはこの戦争がウクライナの外に拡大するのを防ぐ責任がある」

「歴史上最強」の軍事力をもちながら、それはあくまで加盟国だけを守るもので、ロシアの矛先がウクライナにとどまるかぎりNATOは参戦しないという、冷徹な現実を示すものだった。

5月、ロシアの軍事侵攻による緊張の傍らで、NATOには思わぬ「追い風」が吹く。

長年、ソビエト、ロシアとの関係への配慮から軍事的な中立政策を保ってきた北欧のフィンランドとスウェーデンが、そろって加盟を申請したのだ。

北欧2か国の加盟申請書

NATO拡大に終始反発してきたロシアにとっては大いなる「誤算」、逆にNATOにとっては想定外の「効用」だった。

両国の大使が加盟申請の書類を携えブリュッセルの本部を訪れると、折しも新型コロナの感染から職務に復帰したばかりのストルテンベルグ事務総長は、満面の笑みを浮かべ「きょうは素晴らしい日だ」と歓迎した。

フィンランドとスウェーデンが加盟を果たせば、NATOはバルト海沿岸をぐるりと固め、同盟は一段と強化される。

加えてロシアがNATO拡大に反対するなかでの加盟申請は、NATOとしてロシアの圧力に屈しない姿勢をアピールするものだった。

NATO首脳会議(スペイン マドリード)

6月、スペインで開かれた首脳会議で、NATOはさらに勢いづく。

冷戦終結後、NATOはヨーロッパ全域の協調を通じて平和を追求することを、標ぼうしてきた。

現に1997年には、ロシアと文書を交わし、互いを敵とみなさず強く安定したパートナーシップを発展させると確認した。

ところが今回の首脳会議で採択された新しい戦略概念では、従来の方針を大転換させ、ロシアを「最も重大で直接の脅威」と位置づけた。

さらに新しい戦略概念では、中国についても「NATOの安全保障や利益、価値観に挑戦する存在」として警戒対象とし、日本や韓国などアジア太平洋諸国との連携を強めていく姿勢を鮮明にした。

NATOはもはや地域を越えて「権威主義的な国々」と対じする「民主主義諸国の砦」へと、変貌しようとしている。

加盟に揺れる北欧2か国

フィンランド ニーニスト大統領

ニーニスト大統領

「この事態を引き起こしたのはあなた自身だ。鏡を見ろと言いたい」
NATOへの加盟申請へと踏み切ったフィンランドのニーニスト大統領は、プーチン大統領をこう痛烈に批判した。

1300キロの国境をロシアと接するフィンランドは、第2次世界大戦で当時のソビエトによる侵攻を受け、多くの犠牲を出しながらもかろうじて独立を保った歴史がある。そうした教訓から冷戦中も軍事力は維持しながら、ソ連やロシアを刺激しないよう軍事的中立を宣言してきた。

そのフィンランドが一転して、NATO加盟へと大きくかじを切ったのだ。国防省の高官も「NATOに加盟すれば、有事の際にも各国が駆けつけてくれる」と期待をにじませた。

国民の間でも急速に加盟支持の声は高まり、近年の世論調査で20%前後だった加盟支持は、5月一気に70%を超えた。

スウェーデン軍の演習

一方、隣国のスウェーデンもフィンランドとともにNATOへの加盟申請をしたが、両国の間には微妙な温度差もあった。

19世紀のナポレオン戦争以降、「軍事的中立」を外交の基本方針として貫いてきたスウェーデン。冷戦後には国防費を大幅に削減し、核軍縮や世界各地の紛争の調停、人道外交をリードしてきた。

「軍事的な非同盟は、スウェーデンのアイデンティティーだ」

スウェーデンの専門家から聞いたことばだ。

NATOへの加盟によって軍事的中立を放棄することは、安全保障政策の大転換にとどまらず、長年にわたって培ってきた国のアイデンティティーを揺さぶられるに等しい。

実はアンデション首相自身も3月の時点では、「NATO加盟は地域の安定を崩す」と加盟に反対の立場を示していた。

ところがウクライナ情勢が悪化し、これまで安全保障面で協力してきたフィンランドが加盟へと踏み出すと、歩調を合わせる以外選択肢はなくなった。

スウェーデン アンデション首相

NATO加盟国になれば、これまで以上にバルト海などでの合同演習が頻繁に行われ、軍事同盟の一員としての役割と責任は増していく。

アンデション首相は今後も核軍縮などに向けて行動していく決意を示したものの、軍事的中立を放棄したあと果たしてどこまで「国是」を守っていくことができるのか。スウェーデンはその「アイデンティティー」を問い直されることになりそうだ。

国民の間ではなお加盟に慎重な声が根強く、政府が加盟申請を決めたときストックホルムで取材したある大学生の女性は、こう憤りをあらわにしていた。

「こんな大切な問題を、なぜ政治家だけで決めるのか。EU加盟の時には国民投票があった。国民を巻き込んで議論するべきだったのに」

台風の目、トルコ

勢いに任せ北欧2か国の加盟へと動きだしたNATOに、公然と待ったをかけたのが、加盟国の中でもひときわ異彩を放つトルコだった。

トルコ エルドアン大統領

エルドアン大統領

「北欧の国々はテロ組織のゲストハウスのようなものだ」
エルドアン大統領は記者団にこうすごんだ。

長年トルコが摘発を続けてきたクルド人の武装組織のメンバーたちを、両国が人道上の理由から国内にかくまっている以上、両国のNATO加盟には同意できないというのだ。NATOの「北欧拡大」は、思わぬ不協和音によって暗礁に乗り上げた。

1952年のNATOの第1次東方拡大で加盟を果たしたトルコ。

加盟国の中でも屈指の軍事大国として、70年にわたり対ソ連、対ロシアの「防波堤」の役割を担ってきた。

その一方で、欧米主導のNATOにあって、さまざまな場面でほかの加盟国とギクシャクした関係に陥ってきた。

シリア内戦(2017年2月 北部アレッポの旧市街)

10年以上にわたる隣国シリアの内戦をめぐっては、トルコは欧米とともに反政府勢力を支援したものの、欧米側がクルド人武装組織を支援したのに対し、トルコはこれを敵視し越境攻撃を行い、欧米との足並みを大きく乱した。

アメリカとは近年、武器の購入をめぐって折り合えず、ロシア製の防空ミサイルシステムの導入に踏み切ったことで、確執を深めた。

ヨーロッパとの間では、長年EU=ヨーロッパ連合への加盟を目指しながら、人権問題などを理由に交渉が進まず、国内では「イスラム教徒のわれわれは欧州の一員には迎えられない」という自嘲的な声も絶えない。

先頃ウクライナがあっさりとEUの加盟候補国として認められたのを、トルコは心中穏やかならぬ思いで見ていた。

NATOの中にあっても同調圧力をはねのけてきたエルドアン大統領。北欧2か国の加盟への「抵抗」は、ロシアを前に結束を示したいNATOの指導部を、大いに慌てさせた。

しかし、6月の首脳会議を前に、フィンランドとスウェーデンの首脳と顔をつきあわせ、テロ組織への具体的な対応を示した合意文書がまとまったことで、最終的には態度を軟化させた。

積もる思いはあっても、NATOの加盟国であることは、いまなおトルコにとって最大の「外交上のアイデンティティー」だ。

NATOの一翼を担いながら、ことあるごとに欧米主導に異を唱え存在感を示すトルコの動向は、この先もNATOの歩みに少なからぬ影響を及ぼすことになるだろう。

日本に急接近するNATO

ロシアとの対決姿勢に加え、中国への警戒感も打ち出したNATOは、もはや欧州から遠く離れた日本にも、無視できない存在になっている。

NATO首脳会談に出席した岸田首相

6月にスペインで開かれた首脳会議には、初めて日本の岸田総理大臣も参加。NATO側と具体的な協力内容を盛り込んだ新文書を取りまとめることを確認し、サイバーや海洋安全保障などの分野で協力を進展させる方針で一致した。

NATOと日本の軍事部門どうしの交流は、この数か月、加速してきた。

ことし5月、ベルギーで開かれたNATO軍事委員会主催の参謀総長会議には、自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長の姿があった。

加盟国でない日本の自衛隊トップが出席したのは初めてで、防衛省によるとNATO側からの要請で実現したという。

会議には、日本のほかにオーストラリア、ニュージーランド、韓国といった、NATOがアジア太平洋地域のパートナー=「AP4」と位置づける国々の軍のトップも招かれていた。

防衛省関係者の1人は、NATO側のねらいは中国に明確なメッセージを送ることだったと見ている。

防衛省関係者

「新型コロナの影響もあって実現しなかったが、実は参謀総長会議への統合幕僚長の参加は、数年前から打診されていた。NATOは、ウクライナ侵攻以前から、今後の安全保障の焦点は、中国が海洋進出の動きを強めるインド太平洋地域だという危機感を持っていた。自衛隊トップが参加すれば、中国に対するメッセージになると考えたのだろう」

ウクライナに侵攻したロシアと対じするNATOとしては、インド太平洋地域での中国の力による現状変更にも、警戒を強めている。

一方、日本としても、中国に加え、ロシア、北朝鮮と同時に向き合うには、NATOの協力は欠かせないという立場だ。双方の接近はある種の必然だったとも言える。

バウアー軍事委員長と山崎統合幕僚長

6月にはNATOのバウアー軍事委員長が日本を訪問。

山崎統合幕僚長は記者会見で「今やヨーロッパとインド太平洋の安全保障は不可分だ。日本とNATOの連携のさらなる強化は、世界の平和と安定に不可欠だ」と語気を強めた。

直接的な軍事支援を行うことができない日本としては、まずは共同訓練や高官どうしの交流を通じて結び付きを強め、それを対外的に発信していこうとしている。それが「力による現状変更」の試みへの抑止力になるという考えだ。

バウアー委員長の公式訪問のあと、海上自衛隊はNATO軍のほか、フランスやイギリス、スペインの海軍との共同訓練を、矢継ぎ早に実施・発表した。

7月上旬には、今度は吉田陸上幕僚長がイギリスとドイツを訪問、陸軍種のトップと会談して共同訓練の実施などを呼びかけ、さらに井筒航空幕僚長も7月中にNATO本部などを訪れるという。

防衛省関係者

「5月の参謀総長会議でも、NATOの要人から、中国による台湾侵攻の可能性に強い関心が示された。『ウクライナの次は台湾だ』と思われているのだろう。ロシアの行動を見た中国に『力による現状変更が可能だ』と誤解させるようなことは、あってはならない。日米同盟はもちろん、多国間の連携を深め、どうやって中国を思いとどまらせるかに腐心しなければならない。その意味で、NATOとの連携強化は極めて重要な意味を持つ」

かつてNATOがロシアとの融和を目指した時期に、5年にわたり事務総長を務めたラスムセン氏。

NATO ラスムセン前事務総長

私たちの取材に対し、「プーチン大統領の領土的野心を過小評価していた」と悔恨した。そして「権威主義的な指導者を前に、われわれは強く結束し妥協しない姿勢を示すことで、過ちを繰り返してはならない」と語った。

ロシアによる軍事侵攻はNATOの拡大と強大化をもたらし、それがロシアと中国のさらなる反発を招けば、分断と対立はますます深まっていく。

その連鎖が世界に何をもたらすのか、いまは誰にもわからない。』

日本とNATO: 米国の同盟国を結ぶ新たな可能性

日本とNATO: 米国の同盟国を結ぶ新たな可能性
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00820/

『 ロシアによるウクライナ侵攻という事態を受け、日本とNATO(北大西洋条約機構)の関係進展が注目されている。NATOはこのほど採択した新たな「戦略概念」で、初めて中国に言及し懸念を表明。欧州とアジアにおける米国の同盟国は、今後さらに歩調を合わせる可能性が出てきた。

2022年6月末にスペインの首都マドリードで開催されたNATO(北大西洋条約機構)の首脳会合に、岸田文雄首相が出席した。日本の首相として初めてのNATO首脳会合出席であり、今回は日本の他、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の首脳も出席した。NATOにとっては、ロシア・ウクライナ戦争が続く中でも、中長期的な課題としてのインド太平洋、なかでも中国への関心を示すことになり、日本にとっては、欧州とインド太平洋の安全保障の不可分性を発信するよい機会になった。

日本とNATOの関係はいかに発展してきたのか。そして今後、どのような可能性が考えられるのか。

欧州外で最も古いパートナーとしての日本

日本とNATOの対話の始まりは、1980年代の中距離ミサイル(INF)問題にさかのぼる。83年の米ウイリアムズバーグでのG7サミットで、サミット参加国の安全保障は不可分であると主張したのは当時の中曽根康弘首相だった。対象は異なっても、岸田首相の言葉と重なる。

その後、日NATO間の対話は90年代に制度化される。しかし、実際のところ当時の欧州は、旧ユーゴスラビアでの紛争や中東欧諸国のNATOやEU(欧州連合)への加盟問題など、欧州内の問題に傾注しており、アジアの安全保障が欧州に影響を及ぼすという発想に乏しかった。日本も同様であり、国際安全保障上の役割は限定されていた。

そうした状況を変えたのが2001年9月11日の米国に対する同時テロ事件だった。これを受けて日本は、海上自衛隊がインド洋で米軍などへの補給活動を実施するなど、アフガニスタン問題に関与することになった。他方でNATOは03年8月からアフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)を指揮し、同国に深くコミットすることになる。インド洋、そしてアフガニスタンで日本とNATOが出会う格好になった。日本はアフガニスタンへの自衛隊派遣は結局見送ったが、復興支援などの文民面でNATOとの協力が行われた。

2000年代後半から2010年代初めにかけて、NATOの首脳会合や外相会合の際には「アフガニスタンに関する会合」が頻繁に開催され、日本を含めたパートナー諸国の参加が招請された。アフガニスタンはこうした前例にもなったのである。12年のシカゴNATO首脳会合のアフガン会合には、玄葉光一郎外相が出席している。

その後、日本とNATOとの間では、13年4月のラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)事務総長来日時に「日NATO共同政治宣言」が発出されたほか、実務協力に関する文書として、「国別パートナーシップ協力計画」が14年に最初に作成され、18年と20年に改訂された。同計画は、日本とNATOが「自由、民主主義、人権及び法の支配という共通の価値並びに戦略的利益を共有する、信頼できる必然のパートナーである」とした上で、ハイレベルの対話や防衛交流の強化をうたい、実務協力の具体的な分野として、サイバー防衛、海洋安全保障、人道支援・災害救援、軍備管理・不拡散、防衛科学技術などを列挙している。

ロシア・ウクライナ戦争と中国の挑戦

実務協力については、NATOの演習・セミナーへの参加や、海軍種間の共同訓練などの実績が積み重ねられてきたが、岸田首相の今回のNATO首脳会合出席は、NATO自体や日NATO関係への関心が日本で高まる契機になった。その背景に存在するのは、当然のことながらロシア・ウクライナ戦争である。

岸田政権は、ロシアへの対応において「G7と足並みをそろえる」ことを前面に打ち出してきたが、G7のメンバーのうち、EUを除けば日本以外は全てNATO加盟国である。3月にブリュッセルで開催されたG7首脳会合が、NATO首脳会合と合わせて開催され、NATO本部で開かれたこともうなづける。米欧にとっては、NATOの主要国プラス日本がG7であるし、日本にとっても、G7諸国との協力の自然な延長線上にあるのがNATOとの協力だという位置付けになる。

ロシア・ウクライナ戦争への日本の対応として、岸田政権が強調するのは、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」との意識に基づく、欧州とアジアの安全保障環境の不可分性である。そのため、力による現状変更は世界のどこであれ許されてはならず、侵略のような行為が成功するという誤ったメッセージを発することになってはいけないと強調してきた。この観点で、NATOと利益を共有するのである。

そうした中で、マドリード首脳会合でNATOが採択した新たな戦略概念は、歴史上初めて中国に言及することになった。中国は、「われわれの利益、安全保障、価値に挑戦している」として、ハイブリッド、サイバーに加え、技術面と中ロ関係に懸念を表明した。他方で建設的関与の可能性も残しつつ、それでも、価値や国際秩序のために立ち向かうとも述べた。直近の脅威はロシアだが、その先の課題として中国が存在しているという構図だ。NATOにおけるこうした中国への認識は、今後の日 NATO協力の重要な基盤にもなる。

NATO「諸国」との連携の強化

NATOとの関係強化に対しては、「アジアでの有事の際にNATOは助けてくれるのか」という疑問が呈されることも少なくない。

まず、NATOという枠を超えて今回の戦争への対応の裏に込められた日本のメッセージは、仮にアジアで中国の関与する大規模な有事が発生した際には、(米国に加えて)欧州が今回日本が示しているのと少なくとも同じ程度の連帯、結束を示すことを期待する、というものである。

その上でしかし、日本の自衛隊がNATOの防衛に駆けつけないのであれば、NATO側だけが行動することを期待するのは一方的で自分勝手な姿勢だろう。NATOの基本条約である北大西洋条約(第6条)は、「北回帰線以北の北大西洋地域の加盟国領土」を集団防衛(第5条)の地理的範囲として規定している。これには西海岸までの米本土は含まれるが、ハワイやグアムは入らないと解釈されている。したがって、台湾有事などの際にNATOが集団防衛の発動として直接に軍事的関与を行う可能性は極めて低い。

ただし、これはあくまでも法的な議論である。台湾をめぐるハイブリッド戦争のような段階を超えて、米中の正規軍が正面で戦うような事態が発生した場合には、日本も攻撃にさらされている可能性が高く、英国を筆頭に、米国との関係が深い同盟国も直接的な関与をすることが十分に考えられる。その際に、北大西洋条約における集団防衛の地理的適用範囲は問題にならない。なぜなら、集団的自衛権の行使は、同盟とは関係なく国連憲章で認められた国家固有の権利だからある。攻撃を受けた国からの要請があれば、NATO加盟国か否かに関わらず、集団的自衛権の発動が可能である。

このことが示すのは、日本にとってのNATOとの関係は、NATOという多国間組織との関係であると同時に、 NATO加盟国との関係だということである。NATOという「場」を通じて、個別のNATO加盟国との関係を深めるのである。

欧州とインド太平洋における米国の同盟国を結ぶ

ただし、多国間の「場」としてのNATOが持つ意味を過小評価してはならない。というのも、NATOが70年以上にわたって積み重ねてきたのは、多国間での作戦・計画の手法であり、それらの実践だからである。

日本の防衛は、主として日米同盟という二国間の文脈で捉えられてきた。この基本的構図は今後も変わらないものの、日本のみが単独で攻撃されて日米同盟において日本防衛を規定した日米安全保障条約第5条が発動されるケースを除けば、正規軍同士の戦闘を伴うハイエンドな武力衝突において、実際問題としてより蓋然(がいぜん)性が高いのは、米国に加えて台湾、さらにはオーストラリアや英国が直接関与するような事態であろう。

そうした事態においては、日本を含めた各国間の連携が鍵となる。そこで求められるのは多国間の作戦・計画であり、米国にとってもそのひな形はNATOだ。今後は、日米同盟や米豪同盟といったインド太平洋の米国の同盟網に、英国やフランスといった欧州のNATO加盟国を含めた、米国のその他の同盟国をいかに「プラグイン」できるかが問われることになる。その基礎となるのは、日英協力をはじめとする個別の二国間関係だが、その輪を広げていくうえでもNATOとの関係は有効なのである。

別のいい方をすれば、それは、NATOと日米同盟を結ぶということである。2022年2月に発表されたバイデン政権のインド太平洋戦略も、インド太平洋と欧州大西洋の間に「橋を架ける」と述べている。

その観点では、マドリッドNATO首脳会合の機会に、いずれも米国の同盟国であるオーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国という、アジア太平洋のNATOの4つのパートナー国(Asia-Pacific 4: AP4)による首脳会合が開催されたことは意味がある。日米豪や日米豪印(Quad)などの枠組みはあっても、インド太平洋の米同盟国間のみの枠組みは、二国間関係を除いては希少だからである。また、オーストラリアへの原子力潜水艦提供を中心とする米英豪の枠組みであるAUKUSは、英国とオーストラリアという、米国にとっての欧州とインド太平洋の主要同盟国を結ぶ枠組みである。日本とNATOの関係は、そうした文脈に位置づけた際に、その可能性がさらに広がることになる。

実質的な対話と協力を進める観点では、サイバーや海洋安全保障といった国別パートナーシップ協力計画で言及されている分野に加えて、抑止態勢強化の課題として、中国やロシアのA2AD(接近阻止・領域拒否)や中距離ミサイルへの対処といったハイエンドな軍事の分野における議論も欠かせない。同時に、共同訓練の内容を、従来の親善訓練的なものから、より実践的なものに格上げしていくことも課題になる。具体的な協力を推進しつつ、戦略的な構想を持つことが求められる。

バナー写真:北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に並んで立つ(左から)オーストラリアのアルバニージー首相、岸田文雄首相、ストルテンベルグNATO事務総長、ニュージーランドのアーダーン首相、韓国の尹錫悦大統領=2022年6月29日、スペイン・マドリード(AFP=時事)

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インド太平洋 安全保障 ウクライナ アジア太平洋 北大西洋条約機構

鶴岡 路人TSURUOKA Michito経歴・執筆一覧を見る

慶應義塾大学総合政策学部准教授。専門は国際安全保障、欧州政治など。1975年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。同大学院法学研究科修士課程などを経て、英ロンドン大学キングス・カレッジで博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員、防衛省防衛研究所主任研究官などを歴任し2017年4月から現職。11年から東京財団政策研究所主任研究員を兼務。近著に『EU離脱』(ちくま新書、2020年)がある。』

[FT]日本・韓国・豪州・NZ、中国警戒でNATOに接近

[FT]日本・韓国・豪州・NZ、中国警戒でNATOに接近
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB041TY0U2A700C2000000/

『マドリードで6月最終週に開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議には、軍事同盟の通常の地理的範囲のはるかかなたにある日本、韓国、オーストラリアとニュージーランド(NZ)の首脳が招待された。

岸田首相㊧ら日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳は、NATO首脳会議に初めて参加した=ロイター

米国と同盟を結ぶ4カ国が初めて参加しサイバー防衛や海洋安全保障における協力でNATOと合意したことは、各国がロシアのウクライナ侵攻や威圧的行動を強める中国の台頭への警戒感を裏付けている。

「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分」

重要な参院選の選挙戦を中断して首脳会議に出席した岸田首相は、この動きは各国首脳が欧州とインド太平洋の安全保障は「不可分」であることを理解したことを示していると述べた。

また岸田氏は「ウクライナは明日の東アジアかもしれないと強い危機感を抱いている」とも述べ、将来はアジア太平洋のパートナー国がNATO首脳会議に「定期的に」参加すべきだと主張した。

NATO加盟国も中国の意図への懸念を共有している。首脳会議で採択された今後10年の行動指針となる「戦略概念」で、初めて中国を「体制上の挑戦」と明記した。

一方、中国はNATOと4カ国との関係強化を警戒している。

中国外務省の趙立堅副報道局長は「NATOがアジア太平洋に触手を伸ばしてきた」と批判し、地域の平和と安定を脅かす試みは「失敗する運命にある」と述べた。

中国はアジア版NATOの結成に繰り返し反対を表明してきた。安全保障の専門家は、域内各国の利害が大きく異なるうえ、中国との経済的結びつきが強いので結成の可能性は非常に低いと考えている。

だが、NATOと4カ国の関係強化の背後には、米国との個別の同盟だけでは安全保障面で不十分だとの懸念がある。日本と韓国から米軍を撤退させると脅したトランプ前大統領の「米国第一主義」で各国の米国への信頼は低下した。

中国への抑止力強化のための選択肢を拡大

さらにロシアのウクライナ侵攻と、中国が台湾に侵攻するのではないかとの恐れが、抑止力強化のため複数の選択肢を持つ必要があることを示唆している。

広瀬佳一防衛大学校教授(国際政治学)は「米国との同盟だけでなく、NATO加盟30カ国についても考慮する必要が出てくると、中国にとっては計算が複雑になる」と指摘した。

ある米政府関係者は、米国が日本など4カ国のNATO首脳会議への参加を働きかけたと明らかにした。中国に対抗するため価値観を共有する国との同盟関係の構築や拡大を目指すバイデン政権の戦略の一環だという。

またこの関係者は、2024年の米大統領選で自国との同盟を重視しない候補者が当選した場合に備え、日本が中国から身を守る保険として安全保障関係の拡大と多角化を望んでいるとも指摘した。「日本は米国との関係以外で安全保障能力を構築しようとしている」

米戦略国際問題研究所(CSIS)の日本専門家クリストファー・ジョンストン氏は、岸田氏がロシアのウクライナ侵攻にとりわけ危機感を覚えており、欧州とNATOに中国からの挑発にもっと気を配ってくれるよう望んでいると述べた。

また最近まで米国家安全保障会議で対日政策を担当していたジョンストン氏によると岸田氏は昨年来、英国とドイツにインド太平洋への海軍の展開を働きかけており、「関係の多角化という大きな考え方に合致する」という。

5月に就任したオーストラリアのアルバニージー首相はマドリードの首脳会談で、NATOとパートナー国が中国を「仮想敵」とみなしているとの非難を一蹴した。
「中国は現実を直視し、ロシアの行動の非難を」

同氏は中国がロシアと「無限の」友好関係を持ち、ウクライナ侵攻を非難していないと指摘し、「中国は起きていることと世界中で表明されている決意を直視し、ロシアの行動を非難しなければならない」と述べた。

首脳会議が国際舞台デビューとなった韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、同国が安全保障でより大きな役割を果たすと約束し、「韓国とNATOの協力関係は連帯の礎となる」と述べた。

また首脳会議に合わせて尹氏、岸田氏とバイデン氏がほぼ5年ぶりとなる3カ国首脳会談を行った。尹氏は歴史認識や貿易をめぐり大幅に悪化した日本との関係を改善する意欲を示した。

ロシアのウクライナ侵攻前から、中国の軍事的野心の封じ込め方法について懸念が存在し、アジアでは日米豪印4カ国でつくる「クアッド」などいくつもの安全保障枠組みが生まれていた。米英豪3カ国の「AUKUS(オーカス)」のもとでは英米がオーストラリアの原子力潜水艦配備に協力する。

これらの多国間安全保障枠組みや既存の二国間防衛協定は、最近バイデン氏が発表した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」などの経済圏構想によって補完される。

国際基督教大学のスティーブン・ナギ上級准教授は、NATOと新たなパートナー間の協力には限界があると指摘した。

「NATOはロシアを押し返すためのあらゆる外交的、経済的また資源開発への投資を歓迎するだろう」と同氏は話した。「だが加盟国が韓国、日本、オーストラリアやニュージーランドを仲間に入れ、同等の立場で席に着きたいと思うだろうか。確信は持てない」

By Kana Inagaki, Nic Fildes and Demetri Sevastopulo

(2022年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

[FT]日本・韓国・豪州・NZ、中国警戒でNATOに接近

[FT]日本・韓国・豪州・NZ、中国警戒でNATOに接近
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB041TY0U2A700C2000000/

『マドリードで6月最終週に開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議には、軍事同盟の通常の地理的範囲のはるかかなたにある日本、韓国、オーストラリアとニュージーランド(NZ)の首脳が招待された。

岸田首相㊧ら日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳は、NATO首脳会議に初めて参加した=ロイター

米国と同盟を結ぶ4カ国が初めて参加しサイバー防衛や海洋安全保障における協力でNATOと合意したことは、各国がロシアのウクライナ侵攻や威圧的行動を強める中国の台頭への警戒感を裏付けている。

「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分」

重要な参院選の選挙戦を中断して首脳会議に出席した岸田首相は、この動きは各国首脳が欧州とインド太平洋の安全保障は「不可分」であることを理解したことを示していると述べた。

また岸田氏は「ウクライナは明日の東アジアかもしれないと強い危機感を抱いている」とも述べ、将来はアジア太平洋のパートナー国がNATO首脳会議に「定期的に」参加すべきだと主張した。

NATO加盟国も中国の意図への懸念を共有している。首脳会議で採択された今後10年の行動指針となる「戦略概念」で、初めて中国を「体制上の挑戦」と明記した。

一方、中国はNATOと4カ国との関係強化を警戒している。

中国外務省の趙立堅副報道局長は「NATOがアジア太平洋に触手を伸ばしてきた」と批判し、地域の平和と安定を脅かす試みは「失敗する運命にある」と述べた。

中国はアジア版NATOの結成に繰り返し反対を表明してきた。安全保障の専門家は、域内各国の利害が大きく異なるうえ、中国との経済的結びつきが強いので結成の可能性は非常に低いと考えている。

だが、NATOと4カ国の関係強化の背後には、米国との個別の同盟だけでは安全保障面で不十分だとの懸念がある。日本と韓国から米軍を撤退させると脅したトランプ前大統領の「米国第一主義」で各国の米国への信頼は低下した。

中国への抑止力強化のための選択肢を拡大

さらにロシアのウクライナ侵攻と、中国が台湾に侵攻するのではないかとの恐れが、抑止力強化のため複数の選択肢を持つ必要があることを示唆している。

広瀬佳一防衛大学校教授(国際政治学)は「米国との同盟だけでなく、NATO加盟30カ国についても考慮する必要が出てくると、中国にとっては計算が複雑になる」と指摘した。

ある米政府関係者は、米国が日本など4カ国のNATO首脳会議への参加を働きかけたと明らかにした。中国に対抗するため価値観を共有する国との同盟関係の構築や拡大を目指すバイデン政権の戦略の一環だという。

またこの関係者は、2024年の米大統領選で自国との同盟を重視しない候補者が当選した場合に備え、日本が中国から身を守る保険として安全保障関係の拡大と多角化を望んでいるとも指摘した。「日本は米国との関係以外で安全保障能力を構築しようとしている」

米戦略国際問題研究所(CSIS)の日本専門家クリストファー・ジョンストン氏は、岸田氏がロシアのウクライナ侵攻にとりわけ危機感を覚えており、欧州とNATOに中国からの挑発にもっと気を配ってくれるよう望んでいると述べた。

また最近まで米国家安全保障会議で対日政策を担当していたジョンストン氏によると岸田氏は昨年来、英国とドイツにインド太平洋への海軍の展開を働きかけており、「関係の多角化という大きな考え方に合致する」という。

5月に就任したオーストラリアのアルバニージー首相はマドリードの首脳会談で、NATOとパートナー国が中国を「仮想敵」とみなしているとの非難を一蹴した。
「中国は現実を直視し、ロシアの行動の非難を」

同氏は中国がロシアと「無限の」友好関係を持ち、ウクライナ侵攻を非難していないと指摘し、「中国は起きていることと世界中で表明されている決意を直視し、ロシアの行動を非難しなければならない」と述べた。

首脳会議が国際舞台デビューとなった韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、同国が安全保障でより大きな役割を果たすと約束し、「韓国とNATOの協力関係は連帯の礎となる」と述べた。

また首脳会議に合わせて尹氏、岸田氏とバイデン氏がほぼ5年ぶりとなる3カ国首脳会談を行った。尹氏は歴史認識や貿易をめぐり大幅に悪化した日本との関係を改善する意欲を示した。

ロシアのウクライナ侵攻前から、中国の軍事的野心の封じ込め方法について懸念が存在し、アジアでは日米豪印4カ国でつくる「クアッド」などいくつもの安全保障枠組みが生まれていた。米英豪3カ国の「AUKUS(オーカス)」のもとでは英米がオーストラリアの原子力潜水艦配備に協力する。

これらの多国間安全保障枠組みや既存の二国間防衛協定は、最近バイデン氏が発表した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」などの経済圏構想によって補完される。

国際基督教大学のスティーブン・ナギ上級准教授は、NATOと新たなパートナー間の協力には限界があると指摘した。

「NATOはロシアを押し返すためのあらゆる外交的、経済的また資源開発への投資を歓迎するだろう」と同氏は話した。「だが加盟国が韓国、日本、オーストラリアやニュージーランドを仲間に入れ、同等の立場で席に着きたいと思うだろうか。確信は持てない」

By Kana Inagaki, Nic Fildes and Demetri Sevastopulo

(2022年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

コンスタンツァ

コンスタンツァ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A1

『コンスタンツァ(ルーマニア語: Constanţa、ギリシア語: Κωνστάντια / Constantia、トルコ語: Köstence、ブルガリア語: Кюстенджа)は、ルーマニアの都市でコンスタンツァ県の県都である。2002年における人口は約31万人。』

『歴史

紀元前7世紀にギリシア人によって建てられた植民市であるトミスが、コンスタンツァの起源となった。

古代ローマ帝国の時代に、アウグストゥスの怒りをかった詩人のオウィディウスが、この地に追放された。4世紀、コンスタンティヌス1世が妹の名にちなんでコンスタンツァと改称し、大規模な街の改築を推進した。

1413年、オスマン帝国の支配下に入ると、街は衰退へとむかった。

1878年、露土戦争をめぐり国際関係が紛糾することを懸念したドイツのオットー・フォン・ビスマルクによって開催されたベルリン会議において、ドブロジャ地方北部(コンスタンツァを含む)がルーマニアに帰属することが認められた。その後はルーマニアの統治下で港湾都市として繁栄を取り戻していった。

1940年6月26日、ソ連政府はルーマニアに対して領土の割譲などを要求する最後通牒を発出。この中にはコンスタンツァ港の支配権も含まれていた[1]。 』

『人口

2022年調査によれば、コンスタンツァ市人口は310,471人であった。2006年の調査では、国内第4位の都市とされている[2]。2007年には国内第5位の人口である。コンスタンツァと周辺町村の定住人口は487,000人であり、県人口の65%を占めている。また、観光期の最盛期には、観光客や季節労働者の出入が激しく、一日平均120,000人の人口が動く。

民族 1853[3] 1895[4] 1913[5] 2002[6]
合計 5,204 10,419 27,201 310,471
ルーマニア人 279 (5.4%) 2,519 (24.1%) 15,663 (57.6%) 286,332 (92.2%)
タタール人 1,853 (35.6%) 2,202 (21.1%) 277 (1%) 8,724 (2.8%)
トルコ人 104 (2.0%) 2,451 (9%) 9,018 (2.9%)
ギリシャ人 1,542 (29.6%) 2,460 (23.6%) 3,170 (11.6%) 546 (0.17%)
ブルガリア人 342 (6.5%) 1,060 (10.1%) 940 (3.4%) 48 (0.01%)
ユダヤ人 344 (6.6%) 855 (8.2%) 1,266 (4.6%) 44 (0.01%)
ロマ人 127 (2.4%) n/a n/a 2,962 (0.95%)

地勢・産業

ルーマニア東南部、黒海沿岸に位置するルーマニア最大の港湾都市。都のブカレストは約200キロ西。ブルガリアとの国境が約50キロ南、ウクライナとの国境が約50キロほど北に位置している。

コンスタンツァと首都ブカレスト間の約225kmにわたる鉄道は、2009年現在、欧州連合と日本の国際援助による改良工事が進められており、大幅な輸送力の増強が見込まれている。コンスタンツァは、港湾の再開発と合わせ、貨物の中継基地として位置づけが強化されるものと考えられている。 』

北欧の2カ国が加盟するNATOは米英両国が他の加盟国を支配する仕組み

北欧の2カ国が加盟するNATOは米英両国が他の加盟国を支配する仕組み | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202207050000/

『フィンランドとスウェーデンのNATO(北大西洋条約機構)加盟が決まったようだ。DHKP/C(革命的人民解放戦線)とPKK(クルディスタン労働者党)を受け入れている両国を加盟させることにトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は反対していたが、ここにきて態度を変えていた。

 NATOは1949年4月、ソ連軍の侵攻に備えるという名目で創設された軍事同盟。創設時の参加国はアメリカとカナダの北米2カ国に加え、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクの欧州10カ国だ。

 しかし、この理由には現実味がない。ソ連はドイツとの戦争で2000万人とも3000万人とも言われる国民が殺され、工業地帯の3分の2を含む全国土の3分の1が破壊され、惨憺たる状態で、西ヨーロッパに攻め込む余力があったとは思えない。ヨーロッパ支配が主な目的だという見方もある。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、第2次世界大戦のヨーロッパ戦線は1942年8月から43年2月にかけて行われたスターリングラードの戦いで事実上、勝敗は決していた。アドルフ・ヒトラーの命令でドイツ軍は戦力の4分の3をソ連との戦いに投入、その部隊が降伏したのだ。

 それを見て慌てたイギリスとアメリカの支配層は1943年5月にワシントンDCで会談、7月にシチリア島上陸作戦を敢行した。その際、レジスタンスの主力だったコミュニストを抑え込むため、アメリカ軍はマフィアの協力を得ている。ノルマンディー上陸作戦(オーバーロード作戦)は1944年6月だ。

 その頃になるとアメリカの戦時情報機関OSSのフランク・ウィズナーを介してアレン・ダレスのグループがドイツ軍の情報将校、ラインハルト・ゲーレン准将(ドイツ陸軍参謀本部第12課の課長)らと接触している。ソ連に関する情報を持っていたゲーレンをダレスたちは同志と見なすようになり、大戦後には彼を中心に情報機関が編成された。BND(連邦情報局)だ。

 スターリングラードでドイツ軍が降伏した後、アメリカやイギリスはナチスと接触して善後策を協議。サンライズ作戦である。

 その後、アメリカの軍や情報機関はナチスの幹部や協力者を逃走させたり、保護したり、雇用する。ラットライン、ブラッドストーン作戦、ペーパークリップ作戦などという暗号名が付けられている。

 その一方、ソ連やレジスタンスに対抗するための手を打っている。そのひとつがシチリア島上陸作戦だが、もうひとつはゲリラ戦部隊ジェドバラの創設。1944年のことである。この部隊を組織したのはイギリスとアメリカの特殊部隊。つまりイギリスのSOEとアメリカのSO(OSSの一部門)だ。アメリカやイギリス、より正確に言うならば、米英の金融資本はナチスと手を組み、ソ連やコミュニストを敵視していた。

 1945年4月に反ファシストの姿勢を鮮明にしていたニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが急死、その翌月にドイツが降伏した。その直後にイギリスの首相だったウィンストン・チャーチルはソ連を奇襲攻撃するための軍事作戦を作成させた。そしてできたのが「アンシンカブル作戦」である。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000など)

 その作戦では、1945年7月1日にアメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団で「第3次世界大戦」を始めることになっていたが、イギリスの参謀本部は拒否し、実行されなかったという。

 この作戦が葬り去られる別の理由もあった。1945年7月16日、アメリカのニューメキシコ州にあったトリニティ実験場でプルトニウム原爆の爆発実験が行われ、成功したのだ。ハリー・トルーマン大統領の意向でポツダム会談が始まる前日に実行されたという。

 その実験成功を受けてトルーマン大統領は原子爆弾の投下を7月24日に許可。26日にアメリカ、イギリス、中国はポツダム宣言を発表、8月6日に広島へウラン型爆弾を投下、その3日後には長崎へプルトニウム型爆弾が落とされている。これ以降、チャーチルやアメリカの好戦派はソ連や中国への核攻撃計画を作成する。

 大戦が終わるとジェドバラはOSSと同じように廃止されるが、その人脈は残る。当初、CIAは情報の収集と分析に限るという条件が付けられたことからOSS人脈の好戦的なグループは秘密裏に破壊工作機関のOPCを創設した。OPCの初代局長に選ばれたフランク・ウィズナーはアレン・ダレスの部下で、ふたりともウォール街の弁護士だ。

 OPCは1950年10月にCIAへ吸収され、51年1月にはダレスがCIA副長官としてCIAへ乗り込み、52年8月にはOPCが中心になって計画局が作られた。それ以降、ここが秘密工作を担当するようになる。

 ヨーロッパでもジェドバラの人脈は秘密部隊を組織、NATOが創設されるとその中へ潜り込んだ。その秘密部隊は全てのNATO加盟国に設置され、1951年からCPC(秘密計画委員会)が指揮するようになる。その下部機関として1957年に創設されたのがACC(連合軍秘密委員会)だ。この仕組みは今も生きていると言われ、スウェーデンやフィンランドでも作られ、各国政府を監視、米英支配層にとって不都合な事態が生じた場合、何らかの秘密工作を実行するはずだ。

 こうした秘密部隊は国によって別の名称で呼ばれているが、アメリカやイギリスの情報機関の指揮下、作戦は連携して行われる。中でも有名な部隊はイタリアのグラディオで、1960年代から80年代にかけて極左を装って爆弾テロを繰り返し、治安体制の強化を国民に受け入れさせ、左翼にダメージを与えた。

 この問題を研究しているダニエレ・ガンサーによると、NATOへ加盟するためには秘密の反共議定書にも署名する必要があり、「右翼過激派を守る」ことが義務付けられている。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

 ところで、今回、新たにNATOへ加盟するスウェーデンはかつて自立の道を歩いていた。その象徴的な存在がオロフ・パルメ首相だ。アメリカの支配層にとって目障りな存在だったとも言える。

 そのパルメが首相に返り咲いたのは1982年10月8日だが、その直前、10月1日からスウェーデンでは国籍不明の潜水艦が侵入したとして大騒動になっている。この騒動はスウェーデン人のソ連感に影響を与えたが、ソ連の潜水艦だったことを示す証拠はない。圧倒的な宣伝で多くの人はソ連に対する悪いイメージが植え付けられただけである。

 1980年までソ連を脅威と考える人はスウェーデン国民の5~10%に過ぎなかったが、事件後の83年には40%へ跳ね上がり、軍事予算の増額に賛成する国民も増える。1970年代には15~20%が増額に賛成していただけだったが、事件後には約50%へ上昇しているのだ。そして1986年2月28日、パルメ首相は妻と映画を見終わって家に向かう途中に銃撃され、死亡した。(Ola Tunander, “The Secret War Against Sweden”, 2004)』

デンマークで銃撃 複数人死傷、テロの可能性も

デンマークで銃撃 複数人死傷、テロの可能性も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR040560U2A700C2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】デンマークの首都コペンハーゲンのショッピングモールで3日午後、銃撃事件があり、複数の人が死傷した。同国の警察は22歳のデンマーク人容疑者を拘束。テロ行為の可能性もあるとみて、動機などを調べている。

AFP通信によると、警察当局は記者会見で「テロの可能性も排除できないとみて捜査している」と明かした。死者が数人確認されているほか、負傷者も出ている。事件に関与したのは22歳の容疑者1人とみているという。

地元メディアはライフル銃のようなものを持つ容疑者の映像を報じている。ショッピングモールは日曜日でにぎわっており、銃撃を聞いて店内から出ようとする客で一時騒然となった。

6月下旬には北欧ノルウェーでも銃撃事件があった。首都オスロのナイトクラブで2人が死亡した。』

[FT]アジア太平洋4カ国、中国への懸念でNATOに接近

[FT]アジア太平洋4カ国、中国への懸念でNATOに接近
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB041TY0U2A700C2000000/

『マドリードで6月最終週に開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議には、軍事同盟の通常の地理的範囲のはるかかなたにある日本、韓国、オーストラリアとニュージーランドの首脳が招待された。

岸田首相㊧ら日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳は、NATO首脳会議に初めて参加した=ロイター

米国と同盟を結ぶ4カ国が初めて参加しサイバー防衛や海洋安全保障における協力でNATOと合意したことは、各国がロシアのウクライナ侵攻や威圧的行動を強める中国の台頭への警戒感を裏付けている。

「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分」

重要な参院選の選挙戦を中断して首脳会議に出席した岸田首相は、この動きは各国首脳が欧州とインド太平洋の安全保障は「不可分」であることを理解したことを示していると述べた。

また岸田氏は「ウクライナは明日の東アジアかもしれないと強い危機感を抱いている」とも述べ、将来はアジア太平洋のパートナー国がNATO首脳会議に「定期的に」参加すべきだと主張した。

NATO加盟国も中国の意図への懸念を共有している。首脳会議で採択された今後10年の行動指針となる「戦略概念」で、初めて中国を「体制上の挑戦」と明記した。

一方、中国はNATOと4カ国との関係強化を警戒している。

中国外務省の趙立堅副報道局長は「NATOがアジア太平洋に触手を伸ばしてきた」と批判し、地域の平和と安定を脅かす試みは「失敗する運命にある」と述べた。

中国はアジア版NATOの結成に繰り返し反対を表明してきた。安全保障の専門家は、域内各国の利害が大きく異なるうえ、中国との経済的結びつきが強いので結成の可能性は非常に低いと考えている。

だが、NATOと4カ国の関係強化の背後には、米国との個別の同盟だけでは安全保障面で不十分だとの懸念がある。日本と韓国から米軍を撤退させると脅したトランプ前大統領の「米国第一主義」で各国の米国への信頼は低下した。

中国への抑止力強化のための選択肢を拡大

さらにロシアのウクライナ侵攻と、中国が台湾に侵攻するのではないかとの恐れが、抑止力強化のため複数の選択肢を持つ必要があることを示唆している。

広瀬佳一防衛大学校教授(国際政治学)は「米国との同盟だけでなく、NATO加盟30カ国についても考慮する必要が出てくると、中国にとっては計算が複雑になる」と指摘した。

ある米政府関係者は、米国が日本など4カ国のNATO首脳会議への参加を働きかけたと明らかにした。中国に対抗するため価値観を共有する国との同盟関係の構築や拡大を目指すバイデン政権の戦略の一環だという。

またこの関係者は、2024年の米大統領選で自国との同盟を重視しない候補者が当選した場合に備え、日本が中国から身を守る保険として安全保障関係の拡大と多角化を望んでいるとも指摘した。「日本は米国との関係以外で安全保障能力を構築しようとしている」

米戦略国際問題研究所(CSIS)の日本専門家クリストファー・ジョンストン氏は、岸田氏がロシアのウクライナ侵攻にとりわけ危機感を覚えており、欧州とNATOに中国からの挑発にもっと気を配ってくれるよう望んでいると述べた。

また最近まで米国家安全保障会議で対日政策を担当していたジョンストン氏によると岸田氏は昨年来、英国とドイツにインド太平洋への海軍の展開を働きかけており、「関係の多角化という大きな考え方に合致する」という。

5月に就任したオーストラリアのアルバニージー首相はマドリードの首脳会談で、NATOとパートナー国が中国を「仮想敵」とみなしているとの非難を一蹴した。

「中国は現実を直視し、ロシアの行動の非難を」

同氏は中国がロシアと「無限の」友好関係を持ち、ウクライナ侵攻を非難していないと指摘し、「中国は起きていることと世界中で表明されている決意を直視し、ロシアの行動を非難しなければならない」と述べた。

首脳会議が国際舞台デビューとなった韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、同国が安全保障でより大きな役割を果たすと約束し、「韓国とNATOの協力関係は連帯の礎となる」と述べた。

また首脳会議に合わせて尹氏、岸田氏とバイデン氏がほぼ5年ぶりとなる3カ国首脳会談を行った。尹氏は歴史認識や貿易をめぐり大幅に悪化した日本との関係を改善する意欲を示した。

ロシアのウクライナ侵攻前から、中国の軍事的野心の封じ込め方法について懸念が存在し、アジアでは日米豪印4カ国でつくる「クアッド」などいくつもの安全保障枠組みが生まれていた。米英豪3カ国の「AUKUS(オーカス)」のもとでは英米がオーストラリアの原子力潜水艦配備に協力する。

これらの多国間安全保障枠組みや既存の二国間防衛協定は、最近バイデン氏が発表した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」などの経済圏構想によって補完される。

国際基督教大学のスティーブン・ナギ上級准教授は、NATOと新たなパートナー間の協力には限界があると指摘した。

「NATOはロシアを押し返すためのあらゆる外交的、経済的また資源開発への投資を歓迎するだろう」と同氏は話した。「だが加盟国が韓国、日本、オーストラリアやニュージーランドを仲間に入れ、同等の立場で席に着きたいと思うだろうか。確信は持てない」

By Kana Inagaki, Nic Fildes and Demetri Sevastopulo

(2022年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

バルト海「NATOの湖」に 北欧2国加盟、緊迫化必至

バルト海「NATOの湖」に 北欧2国加盟、緊迫化必至
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070100745&g=int

 ※ なるほど…。

 ※ 「陸地」の話しだけじゃ、無いわけだ…。

『ロンドン時事】北大西洋条約機構(NATO)は6月29日の首脳会議で、スウェーデンとフィンランドの加盟手続き開始で合意した。ロシアのウクライナ侵攻を機に軍事的な中立からの転換を決めた北欧2カ国の加盟は、ほぼ確実な情勢。これにより、戦略的に重要な欧州北部のバルト海は、加盟国に囲まれた「NATOの湖」(英BBC放送)と化す。

【図解】NATOの拡大

 ◇皮肉な北方拡大

 ロシアのプーチン大統領はNATO「東方拡大」阻止を理由の一つに、ウクライナ侵攻を開始した。しかし、皮肉にもこれがNATOの「北方拡大」を招き、ロシアの孤立は深まった。
 侵攻を目の当たりにして脅威を再認識したスウェーデンとフィンランドは5月、集団安全保障の枠組みでの防衛強化を目指し、NATO加盟を申請した。加盟が実現すれば、両国が面するバルト海沿岸は、サンクトペテルブルクなどフィンランド湾に面するロシア北西部のわずかな海岸と飛び地カリーニングラード州を除き、全てNATO加盟国で占められる。
 バルト海はロシアと大西洋を結ぶシーレーン(海上交通路)で、NATOとロシアの双方が軍事的関心を寄せる。ここが「NATO化」すれば、ロシア海軍や空軍の行動は著しく制限される。

 ◇互いに威嚇

 警戒を強めるロシアは6月初旬、艦艇60隻が参加する演習をバルト海で行い、NATOをけん制した。プーチン氏は6月29日、NATOが北欧2カ国に関連施設を設ければ「対処する」と警告。今後、さらに大規模な演習に踏み切り、沿岸国を威嚇することも考えられる。
 一方、NATOも6月上旬から約2週間、14加盟国と北欧2カ国による合同演習をバルト海で実施した。さらにスウェーデンは同月中旬、カリーニングラードに近いバルト海の自国領ゴットランド島で米軍と共同訓練を行い「有事」への備えを誇示した。
 NATOは今後もバルト海で演習や海上警備を増やし、ロシアに対抗していく構えだ。バルト海情勢の緊迫化は必至と警戒されている。 』

[FT]「ロシアとの連携は幻想」 冷戦体制に戻るNATO

[FT]「ロシアとの連携は幻想」 冷戦体制に戻るNATO
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB010X40R00C22A7000000/

『ロシアの本格的なウクライナ侵攻を受け、欧州の防衛を支える基盤は北大西洋条約機構(NATO)であることが再確認され、NATO首脳は冷戦期のドクトリン(戦闘教義)が復活する今、ロシアにいかに立ち向かうか再考を迫られた。

6月29日、マドリードのプラド美術館での夕食会に出席したNATO加盟国首脳ら=ロイター

NATO首脳会議で発表された宣言は4つのポイントからなる。①有事の際に即応できる部隊の7倍への増員を目指す②NATOの東方前線で初めて米軍の常設司令部を設ける③フィンランドとスウェーデンの加盟を認める④今後10年の指針となる新「戦略概念」ではロシアとの連携という幻想を捨てる。NATOで重視すべき点が本質的に絞り込まれた格好だ。

NATO首脳宣言は、「我々は共同軍事訓練を強化して高強度のマルチドメイン(多領域横断)作戦への準備を整えるとともに、短期間での加盟国への増援体制を強化する」と表明した。「これにより、敵の目的遂行を阻みNATOの領土への侵攻を食い止める」という。

一方、NATOは2014年のロシアによるクリミア半島併合後に「トリップワイヤ」(仕掛け線)と呼ばれる戦略を採用し、ロシアを刺激せずに小規模戦隊をNATOの東方前線に事前設置し、NATO軍の本格参戦の導火線とする方針を取っていたが、これは破棄された。

英国王立防衛安全保障研究所のマルコム・チャルマーズ副所長は、NATOが「冷戦時代の任務に戻り」、最大の目的として「ロシアの抑止力となること」を掲げていると語った。

エストニアのカラス首相は先週、NATOが東欧の新規加盟国の防衛を大幅に増強しない限り、エストニアはロシアの攻撃を受けて「地図から抹消される」と述べ、新たに浮上している防衛上の課題を生々しく訴えていた。
「すぐさま準備開始を」

同氏は6月29日、スペインのマドリードで開かれていたNATO首脳会議を受け、 防衛体制の「抜本的な変更」を称賛し、ツイッターに現地から「我々はNATOの新たな前線防衛体制について合意した。これにより、敵にいかなる侵攻の機会も与えなくする」と投稿した。「この政治的総意を現実のものにすべく、すぐさま準備を始めなければならない」

NATO元事務次長のローズ・ゴッテモラー 氏は、NATOが「有事の際の即応体制を大幅に刷新」することで合意したと語った。

「ロシアを抑止するために、より効率的で効果の高い方法が必要だ。それは領土を守る準備と戦力を初動から備えることに他ならない」

事前配置する戦闘部隊の増強も1つの手段だ。米国はルーマニアに5000人、英国はエストニアに1000人の兵士を追加派遣すると表明している。だが、ゴッテモラー氏によると、最大の変化はNATOが即応部隊の大幅増員を約束したことだという。各国部隊を適した地点、適した任務に配備するプランニングが進んでいることにもそれが表れている。

6月30日、円卓会議に出席したストルテンベルグNATO事務総長(前列左)=ロイター

有事の際に30日以内に出動できる即応部隊を30万人に増員する計画は冷戦時代のドクトリン復活を意味し、軍司令官は特定地域で敵から受けた攻撃を想定し、具体的にどの部隊や兵器を使って応戦していくか詳細な計画を用意する必要がある。そうした即応体制を支援するのは米国がポーランドに設置する常設司令部であり、NATOが加盟国から部隊派遣の約束を取りまとめたうえで23年に設置される予定だ。

歴代の米政権に対し部隊の国内常設を求め続けていたポーランド政府にとって、常設司令部の設置は見事な作戦だ。

ポーランドのドゥダ大統領は「このニュースを長年待ちわびていた。今日の厳しい状況にあって、わが国の安全保障が大幅に強化される」と歓迎した。

ポーランドやバルト諸国では長年、NATOは東欧の防衛強化でさらなる努力が必要との意見が根強く、今回の軍司令部新設はそうした声を強めると専門家はみる。

米シンクタンク大西洋評議会のシニアフェロー、レイチェル・リゾ氏は「米国は欧州の同盟国とともに、NATOの東欧加盟国の懸念を払拭する方策を懸命に探り当てようとしている。同時に、東欧における前線配備と抑止策を強固にしてプーチン(ロシア大統領)を十分かつ確実に思いとどまらせようともしている」と話す。

30万人の即応部隊を実現させるうえで、大規模な戦闘部隊を配備するよりも、永続的にプランニング、訓練、命令指揮機能を与える米国の常設司令部が重要になるとゴッテモラー氏は言う。

米高官はこうした理由から、NATOとロシアが1997年に旧共産圏の国々に常設部隊を設置しないとした合意の違反にはならないと述べた。同様に、米国および同盟国がルーマニアやバルト諸国に設置する部隊は巡回式であり常設部隊ではないという。

米国はスペイン南部ロタの海軍基地に駆逐艦2隻を追加配備して地中海でのプレゼンスを強化するほか、戦闘機F35の飛行隊2部隊を英国に追加派遣して欧州北部の哨戒、防衛、抑止に当たらせる計画だ。

在欧米陸軍司令官だったベン・ホッジ氏はバイデン米大統領の6月29日の発表を受け、欧州の駐留米軍は10万~12万人規模になると述べた。

第2次世界大戦後、欧州の駐留米軍の規模が最大になったのは約30万人を記録した冷戦時代だ。
欧州駐留米軍、大幅増強に

ホッジ氏は「冷戦時代に必要だった規模は不要だが、コミットメントの姿勢を示すことと実際に能力を備えることが重要だ。特に防空・ミサイル防衛体制、軍司令部、兵たんといった能力は非常に重要になる」と言う。「これは大幅な兵力増強だ、しかも強力な武器になる」

ウォレス英国防相は米国の派兵は「トリップワイヤからもっと的を絞った防衛体制に移行しても、引き続き同盟国に安心してもらうために欧州駐留米軍を増強する」意志が米国にあることを示していると述べた。

しかしNATOが今週、首脳会議に合わせて即応部隊の30万人への増強を大々的に発表したとはいえ、NATO高官は増強計画がまだ概念的なものにすぎず、実際の構成や規模は加盟国が軍隊派遣を正式に約束するまで不透明なままだと認めた。

NATOの欧州連合軍最高司令官がロシア抑止やロシアの侵攻に対する応戦を念頭に計画を作成し、各国の軍事資産を配分するのは、加盟国が正式に合意してからのことになる。

英国王立防衛安全保障研究所のチャルマーズ氏は、各加盟国政府が部隊派遣と予算拠出を実行することが必要になると指摘し、「全面的に即応可能な部隊ができるまで数年かかるだろう」と述べた。

ゴッテモラー氏はロシアがクリミアに侵攻した14年にNATOが即応体制を確立し、東方前線に軍を早期配備できたことに言及し、NATOは必要に迫られれば迅速に動くと述べた。

「今やNATOは火をたきつけられている」

By Ben Hall, Henry Foy and Felicia Schwartz

(2022年6月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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クリストファー・G・カヴォリ

クリストファー・G・カヴォリ
https://wikijp.org/wiki/Christopher_G._Cavoli

『クリストファーG.カヴォリは、現在、米国陸軍ヨーロッパおよびアフリカの司令官を務めている米国陸軍 総司令官です。彼は以前、2018年1月から2020年9月30日まで米国陸軍ヨーロッパの司令官を務めていました。彼は2020年10月1日にヨーロッパとアフリカを合わせた司令官に就任しました。』

『020年のカヴォリ
ニックネーム クリス
生まれ ヴュルツブルク、西ドイツ
忠誠 アメリカ
サービス/ブランチ アメリカ合衆国陸軍
勤続年数 1987年–現在
ランク 一般
保持されたコマンド 米国陸軍ヨーロッパおよびアフリカ
第25歩兵師団
第7陸軍合同多国籍訓練司令部
第3旅団、第1装甲師団
第1大隊、第32歩兵連隊
戦い/戦争 アフガニスタンの湾岸戦争
賞 陸軍殊勲章
ディフェンススーピアサービスメダル
功労勲章(3)
ブロンズスターメダル(2)
予備役将校研修隊から歩兵に任命されたカヴォリは、アフガニスタン戦争に参加し、2018年1月にUSAREURの指揮をとる前に、第1機甲師団、第7陸軍合同多国籍訓練司令部、第25歩兵師団の旅団を指揮しました。。

バイオグラフィー

中にイタリア系アメリカ人の陸軍将校に生まれ冷戦中ヴュルツブルク、西ドイツ、カヴォリはで育ったローマ、ヴェローナ、ヴィチェンツァ、およびギーセン。[1]彼は1987年に生物学の学士号を取得してプリンストン大学を卒業し、予備役将校研修隊から歩兵に任命されました。学部の学位の一環として、Cavoliは「土壌中の粘菌の垂直分布に対するミミズの影響」というタイトルの22ページの上級論文を完成させました。[2]カヴォリは、最初に割り当てられた少尉に325番目の空挺、第三大隊ヴィチェンツァでは、1988年から1991年に彼はに昇進したキャプテンとで講師を務めレンジャースクール彼はロシアの入った1992年から1994年の間外国エリア役員をプログラム1995年に、そして卒業し、エール大学で修士1997年にロシアと東ヨーロッパの研究で、[3] 1999年に、彼は将来の事業の責任者となった第10山岳師団などの主要としてボスニアに配備実装フォース、2000年から2001年まで歩兵大隊作戦責任者を務める前。現在は少尉であるカヴォリは、2001年から共同スタッフ戦略計画および政策局でロシアの局長を務め、スタッフ2003年から、となった上級研究員で、国防大学、2004年に[4]

カヴォリはの司令官となった第一大隊、第32歩兵連隊の第三旅団戦闘団、第10山岳師団で2005 [4]に展開大隊クナル州の間にアフガニスタンでの戦争彼は、その後2006年に命じ旅団と第三旅団戦闘チーム、第1機甲師団の副司令官として働くことに加えて、地域のコマンド西にヘラートの間にアフガニスタンでの戦争。カヴォリはまた、米国陸軍参謀総長の調整グループのディレクターを務めました。カヴォリはでフェローシップを開催国防大学、欧州の安全保障研究のためのジョージ・C.マーシャルセンターでのガルミッシュパルテンキルヘン、[5]とスタッフの陸軍チーフの戦略研究グループ。[6]

2015年6月26日、ドイツ 、グラーフェンヴェーアトレーニングエリアのアシュトンカーター国防長官とカヴォリ 国防長官
代理としての操作のための一般的な指揮した後第82空挺師団、カヴォリはの司令官となった第7軍合同訓練MultionationalコマンドでGrafenwoehr訓練場7月2014年[7]彼はコマンドに割り当てられた第25歩兵師団を2016年3月25日に、[8]そして8月4日の式典で正式に指揮官に就任した。彼は2016年5月26日に少将に昇進するために上院によって確認された。[9]彼は20日に中尉に昇進するために上院によって確認された後、2018年1月18日の式典で米国陸軍ヨーロッパの指揮をとった[1]。 2017年12月。[10]

2020年7月1日、カヴォリはのランクに任命のために、2020年9月30日に指名し、上院によって確認された一般的な、[11]と割り当ての指揮一般として米国陸軍ヨーロッパやアフリカ、[12]元々別々の組み合わせ陸軍の命令。彼は2020年10月1日にドイツで新しい指揮官に就任し、10月7日に国防総省でジョセフM.マーティン陸軍副部長によって正式に昇進し[13]、発効日は10月1日になりました。

数十年でヨーロッパで最大の米陸軍、NATO主導の軍事演習の1つであるDefender-Europe 21は、2021年3月中旬に始まり、2021年6月まで続きます。これには「30以上のトレーニングエリアにわたるほぼ同時の作戦」が含まれます。でエストニア、ブルガリア、ルーマニア、コソボおよびその他の国。[14] [15] Cavoliは、「COVIDの状況を注意深く監視している間、パンデミックにもかかわらず安全に訓練する能力があることを証明した」と述べた。[14]

賞と装飾
Combat Infantry Badge.svg 戦闘歩兵記章
Ranger Tab.svg レンジャータブ
Master Parachutist badge (United States).svg マスターパラシュートバッジ
Pathfinder.gif パスファインダーバッジ
Joint Chiefs of Staff seal.svg 統合参謀本部識別バッジ
Office of the Secretary of Defense Identification Badge.png 国防長官府識別バッジ
United States Army Staff Identification Badge.png 陸軍参謀識別バッジ
第10山岳師団 戦闘員識別章
フランスの落下傘兵のバッジ
Emblem of the Spanish Air Force Parachute.svg 黒のスペインのパラシュートバッジ
第32歩兵連隊の 特徴的なユニットの記章
ArmyOSB.svg 5つの海外サービスバー
陸軍殊勲賞
ディフェンススーピアサービスメダル
2つのブロンズオークの葉のクラスターを持つメリットの軍団
Bronze oak leaf clusterWidth-44 scarlet ribbon with width-4 ultramarine blue stripe at center, surrounded by width-1 white stripes. Width-1 white stripes are at the edges. オークの葉のクラスターを持つブロンズスターメダル
ディフェンスメリトリアスサービスメダル
Bronze oakleaf-3d.svgBronze oakleaf-3d.svgBronze oakleaf-3d.svgBronze oakleaf-3d.svg 4つのオークの葉のクラスターを備えた功績のあるサービスメダル
Bronze oak leaf cluster オークの葉のクラスターとの共同サービス表彰メダル
Bronze oak leaf cluster オークの葉のクラスターを備えた陸軍表彰メダル
陸軍功労勲章
Bronze oakleaf-3d.svgBronze oakleaf-3d.svg 2つのオークの葉のクラスターとのジョイントメリトリアスユニット賞
功労者表彰
Bronze star 従軍星章1つが付いた国防勲章
軍隊遠征メダル
Bronze-service-star-3d-vector.svgBronze-service-star-3d-vector.svg 2つの従軍星章が付いた南西アジア従軍記章
Bronze-service-star-3d-vector.svgBronze-service-star-3d-vector.svgBronze-service-star-3d-vector.svg 3つの従軍星章が付いたアフガニスタンキャンペーンメダル
対テロ戦争従軍勲章
人道支援勤務記念記
従軍リボン
Award numeral 6.png ブロンズ賞番号6の陸軍海外勤務リボン
旧ユーゴスラビアのNATO勲章
Kuwait Liberation Medal (Kuwait) ribbon.svg クウェート解放章(クウェート)

私生活

カヴォリはバージニア州フェアファックスのクリスティーナ(旧姓デイシー)と結婚しており、アレックスとニックの2人の息子がいます。フランス語、イタリア語、ロシア語を話す彼は、ユーラシア大陸に集中している外国地域の将校です。[6]

参考文献

^ a b ディラード、タミカ(2018年1月18日)。「カヴォリは米国陸軍ヨーロッパの指揮をとる」。米国陸軍ヨーロッパ広報。2018年7月17日取得。
^ カヴォリ、クリストファー・ジェラール。プリンストン大学。生物学科(編)。「土壌中の粘菌の垂直分布に対するミミズの影響」。 引用ジャーナルには|journal=(ヘルプ)が必要です
^ 「寄稿者について」。スラブ軍事研究ジャーナル。11(2):5–6。1998. doi:10.1080 / 13518049808430337。
^ a b カヴォリ、クリス。「クリス・カヴォリ| L​​inkedIn」。LinkedIn 。2018年7月17日取得。
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^ a b 「「戦争のパラドックス」同窓生コンパニオンプログラム、2014年6月1日から7月13日:ウェビナープレゼンター」。プリンストン大学同窓会。2014 。2018年7月17日取得。
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^ ルーカス、ライアン(2020年10月1日)。「ヨーロッパを統合する軍隊、アフリカのコマンド」。合衆国陸軍協会。2020年10月1日取得。
^ 「VCSAが主催するLTGクリストファーカヴォリのプロモーションセレモニー」。防衛視覚情報配信サービス。2020年10月7日。2020年10月9日取得。
^ a b 「大規模な、陸軍主導のNATO演習ディフェンダーヨーロッパが始まります」。アーミータイムズ。2021年3月15日。
^ 「NATO、米国は夏までセルビア周辺で大規模な軍事演習を行う」。Euractiv。2021年3月22日。』

米欧州軍司令官が交代 カボリ氏、NATO兼任

米欧州軍司令官が交代 カボリ氏、NATO兼任
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN020CZ0S2A700C2000000/

『【ワシントン=共同】米欧州軍は1日、ドイツで司令官交代式を実施し、トッド・ウォルターズ空軍大将に代わりクリストファー・カボリ陸軍大将が新司令官に就任した。国防総省が発表した。欧州軍司令官は北大西洋条約機構(NATO)の欧州連合軍最高司令官を兼任する。

オースティン国防長官は交代式で、ロシアのウクライナ侵攻について「第2次大戦後、欧州の安全保障に対する最も深刻な脅威だ」と指摘。NATOが団結してウクライナを支援する必要性を強調した。NATO欧州連合軍最高司令官の交代式は4日に行われる。

カボリ氏はロシア語、イタリア語、フランス語も話し、アフガニスタンで勤務したこともある。』

あっさりとクルド人を見捨てた北欧 : 机上空間

あっさりとクルド人を見捨てた北欧 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29069691.html

『スウェーデンとフィンランドのNATOの加盟が、トルコが賛成に回った事で、承認されました。NATOは、加盟国全てが賛成しないと、新しく加盟国を増やせないので、難色を示していたトルコが反対を引っ込めた事で、全会一致で加盟が認められる事になります。

ただし、トルコは賛成する代りに、代償を要求しました。
・クルド人容疑者の引き渡し
・クルド人への支援の取り止め
・クルド人に対する弾圧に対して、制裁を課さない約束

つまり、トルコがクルド人に何をしても、支援は一切行なわないし、それを非難しないという条件で、両国のNATO参加を認めた事になります。クルド人は、総人口が4600万人と言われていて、国を持たない世界最大の民族と言われています。トルコ国内にクルド人の居住区が存在する為、長い間、内戦のような形で、紛争が絶えませんでした。

これによって、シリア国境のクルド人反政府勢力に対して、トルコは大手を振って攻撃をしかける事ができます。クルド人というのは、欧米が調停で引いた国境で民族が分断されて、シリア・イラク・トルコなどに分布しています。なまじ、戦闘に優れていたので、中東紛争の時にアメリカに利用されて、最終的には政治の都合で、見捨てられました。北欧の2カ国も、クルド人を迫害するトルコに対して、批判的な姿勢だったのでずが、今回のNATO加盟と引き換えに、捨てられた形になります。現在、イスラエルが支援していますが、これはイランとの戦争で利用しているだけです。

人道支援・人権国家とか言って、自分達で発表する番付で上位に並ぶ北欧諸国ですが、自分の身が危ないとなると、あっさりと捨てるものです。どうせ、その程度なら、最初からピノキオみたいに、鼻を突っ立てて、人権国家とか言い散らかさなければ良いのですが、ヨーロッパの作った独善的な基準に当てはめて、上位にいる事で自尊心を満足させているようです。

まぁ、これで、あの金融政策の狂ったトルコのエルドアン大統領が、次の選挙でも勝ちそうです。トルコの国民は、これからもハイパーインフレに苦しむ事になります。何しろ、かの大統領の経済政策は、世の中の常識を超越しているので、トルコ自らが修羅の道を選択しています。』

「対中ロ」の構図鮮明 世界秩序、新たな局面に―NATO首脳会議

「対中ロ」の構図鮮明 世界秩序、新たな局面に―NATO首脳会議
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022063000916&g=int

『【マドリード時事】北大西洋条約機構(NATO)は30日、マドリードで2日目の首脳会議を開き、日程を終えた。会議では、冷戦中も軍事的な中立政策を保ってきた北欧2カ国のNATO加盟申請承認に合意。12年ぶりに改定した行動指針「戦略概念」ではロシア・中国への対抗姿勢を鮮明にし、冷戦後の世界秩序が新たな局面に入ったことを印象付けた。 』

ロシア侵攻でNATO結束 中国は秩序への「構造的挑戦」

ロシア侵攻でNATO結束 中国は秩序への「構造的挑戦」―バイデン米大統領
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022063001287&g=int

『【マドリード時事】バイデン米大統領は30日、マドリードで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議後に記者会見し、ロシアのウクライナ侵攻でNATOはより結束したと語った。ウクライナへの支援については「必要な限り」続けると強調。近く8億ドル(約1100億円)の追加軍事支援を行うと語った。

「対中ロ」の構図鮮明 世界秩序、新たな局面に―NATO首脳会議

 バイデン氏は会見で「民主主義国が立ち上がって侵攻に対抗し、ルールに基づく秩序を守っている」と指摘し、NATOの強固な結束を強調。NATOへの攻撃に踏み切れば「加盟国の領土を守り抜く」と述べ、ロシアのプーチン大統領をけん制した。

 北欧のフィンランドとスウェーデンがNATO加盟に道筋を付けた今回の首脳会議について、「同盟強化と今後直面する脅威を認識する」ことが主題だったと振り返った。その上で、ロシアの脅威に加え、覇権主義的な動きを強める中国を名指しし、ルールに基づく国際秩序に「構造的な挑戦」を突き付けていると訴えた。

 また、北欧2カ国のNATO加盟支持に転じたトルコへのF16戦闘機売却については「売却すべきだという立場を変えたことはない」と説明。「(加盟支持の)見返りではない」と強調した。 』