ビットコイン、3カ月半ぶり8万ドル割れ 強まる不安心理
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0101O0R00C25A3000000/
『2025年3月1日 7:07
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志田富雄さんの投稿
志田富雄
仮想通貨の相場は下げ足を速めている=ロイター
【ニューヨーク=竹内弘文】代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコイン相場の急落が続いている。米東部時間の27日夜から28日未明(日本時間の28日昼から夕方)にかけて一時8万ドルを割り込んだ。2024年11月の米大統領選直後以来、約3カ月半ぶりの安値を付けた。米景気先行きに対する投資家の不安心理が強まり、売り圧力につながった。
大統領選で仮想通貨業界を支援する姿勢を鮮明にしたトランプ氏の勝利で急騰したビットコインは同氏の大統領就任直前の1月中旬に一時10万9000ドルを突破した。ただその後は上値が重い展開がしばらく続いた。下げが勢いづいたのは今週に入ってから。2月25日には9万ドルを割り込み、わずか3日足らずのうちに水準を1万ドル分切り下げた。
トランプ政権の発足を機に仮想通貨政策は大転換した。米証券取引委員会(SEC)は仮想通貨関連事業者に対する訴訟や調査を断念し、投機性の高いミームコインも「有価証券に該当しない」との判断を示した。仮想通貨業界に対する事実上の「敗北宣言」ともいえ、「業界にとって追い風」(米仮想通貨事業者の経営トップ)との声が聞かれる。
それでもビットコイン相場の下げが続くのは、金融市場で投資家心理が弱気に触れている影響が出ているためだ。関税発動などにより物価高と景気減速が同時に進むスタグフレーションへの警戒感が高まった。仮想通貨相場が連動しやすい大手テック銘柄の株価も安い。ナスダック総合株価指数の週間の下落率は3.5%安で約半年ぶりの大きさとなった。
米情報サイト、コインマーケットキャップが主要仮想通貨の価格動向や変動率などをもとに算出する「仮想通貨恐怖・楽観指数」は足元で21となり、23年6月の算出開始以来、最低水準にある。同指数は値が小さいほど不安心理が強いことを示す。
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志田富雄
日本メタル経済研究所 特任アナリスト
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分析・考察 ビットコインとよく比較される金の相場も下げています。ただ、米国市場の先物相場(中心限月)で見て、24日に記録した最高値から昨日の終値までの下げ幅は4%ほどです。ビットコインの売りを誘う米景気などへの不安は、金相場を支える材料になります。
年間平均で見ると金の国際相場は今世紀に入ってほぼ一貫して上昇を続けています。中央銀行の購入もありますが、危機が起きる度に広がる一般投資家の買いが長期の上昇相場を支えています。
先進国、新興国を問わず世界でどれだけ多くの人が資産として認めているのか。金とビットコインの差はここにあるのではないでしょうか。
2025年3月1日 9:54 』