円急騰、再び148円台 意表突くトランプ氏の「けん制」

円急騰、再び148円台 意表突くトランプ氏の「けん制」
佐伯遼
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB040WC0U5A300C2000000/

『2025年3月4日 11:25 [会員限定記事]

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尾河真樹さんの投稿
尾河真樹

3日のニューヨーク外国為替市場で円相場が急騰した。きっかけはトランプ米大統領による「円安けん制」だ。日米首脳会談でトランプ氏が直接介入しないことになっていたはずの通貨政策についての発言に市場は動揺した。今回の発言で短期的には円売りには動きにくくなるとの声が目立つ。一方で実需の円売り抑制は難しく本格的な円高転換にはつながらないとの見方も根強い。

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「日本の円であれ中国の人民元であれ、彼ら

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尾河真樹
ソニーフィナンシャルグループ執行役員 チーフアナリスト

ひとこと解説 何でも関税で解決しようとするのが自称「タリフ・マン」であるトランプ大統領のやり方です。「トランプ政権が円安を問題視している」、との解釈から、ドル円ではいったん円高が進行しました。しかし、日本が22年以降行っている介入は円買い介入で、日銀も足下利上げ方向であることから、日本は円安誘導しておらず、為替については米国と政策の方向性は一致しています。加えて、仮にこれを理由にトランプ政権が関税を引き上げれば、米国の輸入インフレに繋がり、米金利先高観からむしろドル高に振れる可能性も出てきます。これまでトランプ大統領の発言に一貫性はないため、市場参加者もあまり一言一言に一喜一憂しないようが良さそうです。

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