石破茂首相「法の支配重視変わらず」 衆院で訪米報告

石破茂首相「法の支配重視変わらず」 衆院で訪米報告
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『2025年2月13日 17:00 (2025年2月13日 20:00更新)

衆院本会議で日米首脳会談の報告に臨む石破首相(13日)

石破茂首相は13日の衆院本会議で、7日にワシントンで臨んだトランプ米大統領との首脳会談を報告した。共同声明から「法の支配」の文言が落ちたとの指摘に「法の支配を重視する立場に全く変わりはない」と強調した。力による現状変更に反対する姿勢を示したと説明した。

立憲民主党の武正公一氏の質問に答えた。首相は北朝鮮による日本人拉致問題に関し「米朝間の交渉の可能性も念頭に改めて理解と協力を求めた」と語った。トランプ氏に早期の問題解決に向けた決意を伝えたと答弁した。

「ウクライナ情勢について取り上げることはできなかった」と振り返った。トランプ氏は12日にウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領と電話協議した。これを踏まえ首相は事態収束に向け米国など国際社会と連携すると訴えた。

防衛力の強化に関する共同声明の文言は「2027年度より後の防衛力の規模について約束したものではない」との認識を示した。

首相は会談で在日米軍が拠点を置く沖縄の基地負担軽減の必要性を説明したとも話した。日米合同委員会の合意事項や議事録などを巡り「国民への説明責任を果たすことは重要だ。公表できるものは公表するよう努める」と言明した。

トランプ氏は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り日本製鉄が株式の過半数を保有することはできないと述べていた。首相は「会談で具体的な出資割合に関する議論はなかった」と明かした。

首脳会談の為替に関するやり取りについては「申し上げることは差し控える」と回答した。市場に不測の影響が生じる懸念をあげた。

首相は政府と日銀が結ぶ共同声明に関し「現時点で見直すことは考えていない」と述べた。

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