日米防衛相、尖閣は安保条約の適用対象 米新政権でも
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『2025年1月31日 10:03 (2025年1月31日 10:07更新)
記者会見する中谷防衛相(31日、国会内)
中谷元防衛相は31日午前、ヘグセス米国防長官と40分ほど電話した。インド太平洋地域で日米同盟の抑止力・対処力を向上させる方針で一致した。米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条を沖縄県尖閣諸島に適用するとトランプ新政権との間でも確認した。
トランプ政権が20日に発足してから日米の防衛相が話すのは初めて。これまでの日米安保協力の方向性をおおむね踏襲する内容となった。台湾に近い日本の南西地域で自衛隊と米軍の連携を拡大する決意を確かめた。
中谷氏は電話協議後の記者会見で「日米の指揮統制の枠組み向上をはじめ、同盟強化の取り組みをヘグセス氏と力強くけん引していく」と強調した。日本の防衛力の抜本的な強化の取り組みを説明したと明らかにした。
ヘグセス氏から防衛費の増額要求や中国に関する言及があったかについては明らかにしなかった。初対話の雰囲気に関し「非常にフレンドリーだった」と振り返った。
トランプ新政権はこれまで、アジアの安保に関する目立った言及はなかった。日本が固有の領土と訴える尖閣諸島は中国も領有権を主張する。米新政権でも米国の対日防衛義務を確認したことは安心材料の一つとなる。尖閣周辺では中国公船が連日航行している。
石破茂首相は2月前半に訪米し、トランプ氏と初の首脳会談に臨む予定だ。防衛相の電話協議の内容も踏まえ、日米の防衛協力の方向性を話し合う。
中谷氏は記者会見で自身の訪米にも意欲を示した。「可能な限り早期の対面会談を調整する」と話した。電話協議では中谷氏から米国の首都ワシントン近郊で29日に起きた航空事故にお見舞いと哀悼の意を表した。
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