日米「核の傘」巡り新ガイドライン 中朝ロの脅威受け

日米「核の傘」巡り新ガイドライン 中朝ロの脅威受け
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA276KZ0X21C24A2000000/

『2024年12月27日 19:25

日米両政府は、米国が核を含む戦力で同盟国を守る「拡大抑止」に関するガイドライン(指針)を初めて策定した。日本政府が27日に発表した。日本の周辺を含めて世界で核の脅威が高まる現状を考慮し、指針に沿って抑止力を強める。

両国の意思疎通のあり方の改善や、日米の抑止力を最大化するための対外発信の方法、日本が防衛力を強化して米国の拡大抑止を支える取り組みなどを盛り込んだ。指針の詳しい内容は公表しない。

岩屋毅外相は同日の記者会見で「米国の拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化するとの石破茂首相の指示を踏まえたもので、重要な意義がある」と説明した。「拡大抑止を含む同盟の抑止力・対処力強化に向けた取り組みを進めたい」と強調した。

日本は安全保障を究極的に米国の核の傘に依存する。両政府は拡大抑止の維持・強化に向け2010年から「日米拡大抑止協議」を始め、24年7月に初の閣僚会合を開いた。

中国が核戦力を拡大し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮はロシアとの軍事協力を深めるなど、核を巡る安保状況が悪化していることが背景にある。』