沖縄の米海兵隊グアム移転 まず100人、25年度中に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1509X0V11C24A2000000/
『2024年12月15日 9:00 (2024年12月15日 19:00更新)
在沖縄米海兵隊の米領グアムへの移転が始まった。沖縄県を訪問した中谷元防衛相が地元の首長らと面会し伝えた。第1段階としておよそ100人の移転を2025年度中に完了させる。日米両政府が06年に在日米軍再編計画に合意して以来、海外への部隊移転が初めて実現する。
沖縄県名護市の渡具知武豊市長らとの会談後、記者の質問に答える中谷防衛相=14日、名護市
日米は沖縄の基地負担軽減の一環として、在沖縄の海兵隊員ら1万9千人のうち最終的に9千人ほどを海外移転させる計画だ。そのなかで4千人以上がグアムに移る。
まず移転作業を始めたのは「第3海兵機動展開部隊」の後方支援要員で、残りの隊員はこれから段階的に移転を予定する。
同部隊はキャンプ・コートニー(沖縄県うるま市)に司令部がある。うるま市の中村正人市長は15日、移転開始について「日米の合意事項が着実に進んでいる。歓迎することだ」と記者団に語った。
移転完了へ「日米でさらなる協議をしてほしい」と求めた。
中谷氏は同日、沖縄県庁で玉城デニー知事と面会し、移転開始を報告した。玉城氏は「具体的な移転スケジュールが示されていない。明確な計画を示すとともに、確実な実施を求める」と述べた。
県内での海兵隊のすべての訓練をグアムに移転する検討も要請した。
米海兵隊は中国、北朝鮮などへの抑止力・対処力の一端を担う。米海兵隊は14日に出した声明で「日本政府と米政府は沖縄を含む地域のコミュニティーへの影響を緩和しつつ、日米同盟の抑止力と対応能力を強化するため引き続き協力する」と強調した。
海外移転の完了後も離島防衛にあたる「第12海兵沿岸連隊(MLR)」などは沖縄に残留する。
日米は06年にまとめた在日米軍再編の最終報告で、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の代替施設を名護市辺野古に建設すると同時に、在沖縄海兵隊8千人を14年までにグアム移転させると合意していた。
民主党政権下で普天間基地の辺野古移設が停滞するなどの事態を受け、計画が一時凍結された。12年に計画を変更し、移転対象の9千人のうち4千人以上をグアム、残りをハワイや米本土に移転させると決めた。
【関連記事】
・沖縄海兵隊、国外移転開始 第1弾グアムへ100人
・日米豪防衛相、安保協力で協議体 自衛隊は訓練定期参加 』