「H3」の打ち上げ3回連続で成功…防衛省の通信衛星「きらめき3号」搭載の4号機

「H3」の打ち上げ3回連続で成功…防衛省の通信衛星「きらめき3号」搭載の4号機
https://www.yomiuri.co.jp/science/20241104-OYT1T50043/

『2024/11/04 16:19
H3ロケット

スクラップ
 日本の新たな大型主力ロケット「H3」の4号機が4日午後3時48分頃、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは予定の軌道に投入され、搭載した防衛省の通信衛星「きらめき3号」を分離した。H3の打ち上げは、3回連続の成功となった。

「H3」4号機の打ち上げ、11月4日に再延期…天候悪化を予想
種子島宇宙センターから打ち上げられた「H3」4号機(4日午後3時48分、鹿児島県南種子町で)=木佐貫冬星撮影
 「きらめき3号」は防衛省独自の通信衛星で、大容量のデータを安定して送受信できる。陸海空の各自衛隊間で迅速な情報共有が可能となり、統合運用能力が高まると期待されている。

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 H3は、退役が決まっているH2Aロケットの後継機として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同開発。昨年3月の初号機は打ち上げに失敗したが、今年2月の2号機、7月の3号機と連続成功した。今回の4号機の成功で機体の信頼性がさらに高まり、人工衛星などの商業打ち上げの受注獲得に向けて弾みがつくとみられる。

 H3は競争力を高めるため、打ち上げ価格をH2Aの約100億円から半減させる目標を掲げている。また、衛星の重さや投入する軌道の高度に応じて、主エンジンの基数を変更できる設計になっている。

発射点に運ばれるH3ロケット4号機(4日未明、JAXA提供)
 H3は今後、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ新型無人補給船「HTV―X」や火星の衛星「フォボス」を目指すJAXAの探査機など、国の重要なミッションに関わる打ち上げを担う。政府の宇宙基本計画の工程表では今年度中に5号機まで打ち上げる予定で、将来的には年間6機の打ち上げを目標にしている。』