日米韓、海空サイバーなど夏に共同訓練 防衛相会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0227K0S4A600C2000000/
『2024年6月2日 21:28 (2024年6月2日 21:58更新)
【シンガポール=甲原潤之介】日本と米国、韓国の3カ国の防衛相は2日、訪問中のシンガポールで1時間ほど会談した。3カ国の共同訓練の拡充で一致した。北朝鮮だけでなく、中国も念頭に置いた地域の軍事的脅威を抑止する方策を整える。
木原稔防衛相とオースティン米国防長官、韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防相がアジア安全保障会議(シャングリラ会合)にあわせて会った。
海空やサイバーなどにまたがる新たな訓練「…
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『海空やサイバーなどにまたがる新たな訓練「フリーダム・エッジ」を今夏に実施すると合意した。防衛省によると自衛隊と米韓軍は海と空の領域でそれぞれ訓練した実績がある。複数の領域が同時に関わる訓練は例がないとみられる。』
『実際に部隊を動かさずシミュレーションする「机上演習」も導入する。対象地域を「朝鮮半島とインド太平洋地域」と定め、効果策を検討する。台湾海峡での軍事衝突など中国への対処を射程に入れる。
日米韓の共同訓練は従来、北朝鮮への対応が目的だった。防衛省幹部は「インド太平洋地域と書いたのは、朝鮮半島に限らないという意味だ」と指摘した。』
『3カ国の防衛相、自衛隊と軍のトップ、実務者の協議を各国持ち回りで開く方針も擦り合わせた。3カ国連携の動きが途絶えないよう、訓練や協議を継続して開く。3カ国は安保協力の「制度化」と表現する。』
『3氏は会談後、共同声明を出した。北朝鮮の核・ミサイルの脅威を抑止し「インド太平洋地域の水域のいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する」と強調した。中国が「不法な海洋権益」に関し危険で攻撃的な行動をとっていると明記した。
「台湾海峡の平和と安定の重要性」についても3氏で確認した。』
『日韓の両防衛相は1日に会談し、2018年からの懸案だったレーダー照射問題の再発防止策を取りまとめた。問題に区切りをつけ日韓の防衛当局間の交流がしやすくなったことで、日米韓3カ国の防衛協力を拡充する。
韓国は文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で日韓関係が悪化し、日米韓の防衛協力が滞った。22年に誕生した尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は日韓関係の改善を推進する。米国も同盟関係を「損得勘定」で考えるトランプ前大統領が11月の大統領選で再登板を狙う。
日米韓は3カ国の協力に前向きな現政権の間に合意を急ぎ、後戻りしにくい連携体制を築く。
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