日米同盟の弱点「縦割りの日本政府」、一元的な情報分析機関の設置促す…アーミテージ・ナイ報告書
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240405-OYT1T50042/
『2024/04/05 12:07
【ワシントン=田島大志】米政策研究機関「戦略国際問題研究所(CSIS)」は4日、超党派の有識者による日米同盟への提言「アーミテージ・ナイ報告書」を発表した。威圧的な動きを強める中国の抑止を念頭に「より統合された同盟関係への移行」を提唱した。
リチャード・アーミテージ氏
報告書は、共和党系のリチャード・アーミテージ元国務副長官、民主党系のジョセフ・ナイ元国防次官補ら米国のアジア外交に影響力を持つ識者がまとめた。発表は6度目で、前回は2020年だった。
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今回の提言は、22年の国家防衛戦略など日本の3文書策定を受け、「運用性と信頼性の高い同盟関係へと移行する好機」と位置付けた。日米同盟について「軍事的な調整メカニズムが不可欠」とし、自衛隊と在日米軍の連携促進に向けた指揮統制の再構築を求めた。
具体的には、陸海空の自衛隊を束ねる「統合作戦司令部」が24年度末に創設されるのに合わせ、円滑な作戦や計画を調整するための日米合同組織の設置を求めた。日本政府の組織が縦割りであるために情報の共有に問題がある点などを「日米同盟の弱点」と指摘し、日本政府の内閣官房の下に省庁横断型の安全保障に関する一元的な情報分析機関の設置を促した。
ジョセフ・ナイ氏
ロシアによるウクライナ侵略後、米国の軍事装備品製造能力に問題が生じた教訓から、「革新的な日本の防衛産業を支援することは米国の利益につながる」として、日本の防衛産業の輸出促進を呼びかけた。
日米韓や日米豪の安全保障協力の強化を求め、台湾有事を防ぐために日米と台湾の間で安保面での対話を深めることも提起した。経済面では、重要技術の保護やサプライチェーン(供給網)強化など経済安保面での協力に加え、自由貿易協定の新たなモデルを模索するよう求めた。』