食料安保と付加価値追求のジレンマ 基本法改正案に課題

食料安保と付加価値追求のジレンマ 基本法改正案に課題
編集委員 吉田忠則
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH0708S0X00C24A3000000/

『農産物の付加価値を高めれば経営にはプラスだが…(写真はイメージ)

商品の付加価値を高めることは、販売戦略の王道のひとつとされている。だがそれは、日本の食料と農業にとって最大のテーマである食料安全保障にも当てはまるのだろうか。今国会で審議する食料・農業・農村基本法の改正案をもとに、その点を考えてみたい。

基本法は1999年に制定された。その後の20年余りで、日本の食料と農業を取り巻く環境は様変わりした。気候変動で世界の食料生産が不安定になり、ウクライナ戦争で穀物

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