島しょ国支援、日米豪韓で重層的に 同志国でつなぎ留め
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0880Y0Y4A200C2000000/
『【スバ(フィジー)=今橋瑠璃華、藤田祐樹】上川陽子外相は12日、フィジーで7月の「太平洋・島サミット」に向けた閣僚会合に出席した。地政学上の要衝にある太平洋島しょ国は米国と中国が影響力の拡大を競う。日本は米国やオーストラリア、韓国などと協力しながら重層的な関係強化をめざす。
日本は7月16〜18日に東京で太平洋・島サミットを開く。1997年から3年ごとに各国・地域の首脳を招いて開催しており今回は…
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『1997年から3年ごとに各国・地域の首脳を招いて開催しており今回は10回目。歴史的なつながりが深い太平洋の島しょ国・地域との会議体を他国に先駆けて設けてきた。
太平洋島しょ国は対中国の安全保障の観点から重要性が増している。中国は日本の小笠原諸島から太平洋のグアム、パプアニューギニアを結ぶ「第2列島線」を対米防衛ラインの1つと位置づける。日本にとっては鉱物資源を輸入する豪州との海上交通路(シーレーン)だ。
近年は中国が島しょ国との関係構築に動いている。2022年にソロモン諸島との間で安保協定を締結し、中国軍がいずれ拠点として使うとの懸念が広がった。24年1月にはパプアニューギニアにも協定を結ぶよう持ちかけたとロイター通信が報じた。
中国はインフラ支援などを通じて台湾と国交を持つ国々に関係見直しも働きかけている。ソロモンとキリバスは19年に台湾と断交し、今年1月にはナウルが中国と国交を回復した。台湾と国交があるツバルでは同月の総選挙で、台湾との関係を重視してきた現職首相が落選した。対中関係が変わる可能性がある。
米国は警戒を強めている。バイデン米大統領は22年にワシントンで豪州やニュージーランドと島しょ国で構成する「太平洋諸島フォーラム(PIF)」との初の首脳会議を開催した。23年にはソロモンやトンガに大使館を開設し、2回目の首脳会議を開いた。
インドも23年5月、パプアニューギニアで8年ぶりに島しょ国との首脳会議を催した。モディ首相は「自由で開かれたインド太平洋を支持する」と言明した。同月には韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がPIFの首脳を韓国に招待し、首脳会議を初めて開いた。
当事者である島しょ国の首脳からは「米中の覇権争いに巻き込まれたくない」との声が漏れる。どちらの陣営にも属さずにインフラ整備や地球温暖化対策といった現実的な支援を期待する国が多い。
上川外相は閣僚会合でこうした国々に「法の支配」を重視する立場を共有するよう促した。米国や中国のような大国と対峙する上で国際法に基づく秩序を維持する必要があるとの考えがある。
12日の会合後の共同記者発表で「ルールに基づく国際秩序の維持・強化が重要だ」と指摘し「力による一方的な現状変更の試みに強く反対すると確認した」と表明した。7月の首脳会議に向けて気候変動対策など「個別の課題に効果的に取り組んでいきたい」と語った。
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