中国地図にアジア各国抗議 南シナ海や印国境領土主張
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB31COQ0R30C23A8000000/
『【北京、マニラ、ジャカルタ=共同】中国政府は31日までに、中国の領土や領海を示した新しい地図を公表した。ロイター通信などによると、インドとマレーシアが自国の一部の領土や領海が中国領として記されているとして抗議し、フィリピンと台湾、インドネシアも反発した。
9月上旬にインドネシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議やインドでの20カ国・地域(G20)首脳会議を間近に控えたタイミングで地図を公表しており、各国は中国の姿勢を批判している。
中国政府が31日までに公表した新しい地図。インドにある係争地(左)や南シナ海にあるマレーシア近くの海域(右)が中国領として表示された=共同
中国はインドと国境紛争で関係が悪化しており、ロイターはG20首脳会議に中国から習近平国家主席ではなく、李強首相が出席する見通しだと報じた。
中国外務省の汪文斌副報道局長は31日の記者会見で、地図に関して「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」と述べた。
地図は自然資源省が28日に公表。インドのアルナチャルプラデシュ州の係争地が中国の領土として明確に表示された。また、南シナ海にあるボルネオ島のマレーシア近くの海域が中国の領海だと表示された。
中国は独自の境界線「九段線」に基づき、南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶと主張してきた。記者会見で汪氏は「中国の南シナ海問題での立場は一貫しており明確だ」と強調した。
フィリピンは、南シナ海での中国の主権主張が国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所の2016年の判断で否定されたと強調し、中国に従うよう求めた。インドネシアのルトノ外相は「いかなる線引きも国連海洋法条約に基づくべきだ」と反発した。台湾は中国の領土として表記されていることに反発した。
中国は沖縄県・尖閣諸島の中国名である釣魚島を地図に記し、領有権を主張している。』