国連安保理、北朝鮮のICBM発射で緊急会合 声明出ず

国連安保理、北朝鮮のICBM発射で緊急会合 声明出ず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN140020U3A710C2000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は13日、北朝鮮による固体燃料を使う新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を受けて緊急会合を開催した。理事国は相次いで発射を批判した一方で、関係国として会合に出席した北朝鮮は「自己防衛の権利がある」と述べ、発射を正当化した。安保理全体としての声明は出なかった。

会合後には日米英など9カ国の理事国と安保理外の韓国が「安保理はこのまま沈黙を保ち続けることは許せない。北朝鮮の挑発は違法であり、正常化させないという明確なメッセージを団結して発信しないといけない」との非難声明を発表した。

今回の会合には2017年以来初めて北朝鮮が会合に出席した。北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は「ICBMの発射は隣国の安全保障に悪影響がない」と主張した。会合開催を呼びかけた日本や米国、英国、フランス、アルバニア、マルタを非難した。

北朝鮮が12日に発射したICBMは約74分間と飛行時間が過去最長に達し、理事国から批判が相次いだ。米国のデロレンティス代理次席大使は「現状維持は容認できない」と強調した。「安保理が一つの声で批判できないよう中国とロシアが妨害しており、発射を続けるよう北朝鮮を勇気づけている」と批判した。

日本の志野光子・国連次席大使は「安保理は17年にICBMが一発でも発射されれば、行動すると決めていたが、それから何発もICBMが発射された。安保理は責任を果たすべきだ」と強調した。

安保理は17年12月に北朝鮮の核弾道ミサイル開発をめぐって制裁を強化する決議を採択して以来、全体としての行動が取れていない。』