米国、ミャンマー国営2銀行に制裁 軍政の外貨断つ狙い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM21DKD0R20C23A6000000/
『【ヤンゴン=新田裕一】米財務省は21日、クーデターで国軍が全権を掌握したミャンマーの国営銀行2行とミャンマー国防省を制裁対象に追加したと発表した。これらの銀行は、ミャンマー当局が外貨を受け取る主要な窓口となっており、今回の制裁には軍事政権への外貨の流れを断つ狙いがありそうだ。
制裁対象に加わった2銀行は、4つある国営銀行のうちミャンマー外国貿易銀行(MFTB)とミャンマー投資商業銀行(MICB)…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『制裁対象に加わった2銀行は、4つある国営銀行のうちミャンマー外国貿易銀行(MFTB)とミャンマー投資商業銀行(MICB)。米国内の資産が凍結され、米国の企業・個人との取引ができなくなる。通常、米ドルの国際送金には米銀が介在する場合が多いため、2銀行によるドルの取り扱いは著しく制約される。
米財務省は、外国為替を扱う2銀行が「ミャンマー石油ガス公社などの国営企業が国際市場にアクセスしたり(ミャンマーの)国防省が武器などを調達したりすることを可能にしている」と指摘した。
国際非政府組織(NGO)のグローバル・ウィットネスなどが2月にまとめた報告書によると、ミャンマー政府が保有する外貨は主にMFTBとMICBが管理している。天然ガスの輸出による外貨収入もMFTBに設けられた外貨口座に送金され、武器や戦闘機の燃料の代金の支払いなどに使われると指摘していた。
今回の制裁はタイの公共放送タイPBSが19日に報じた。国軍のゾーミントゥン報道官は報道を受け、国営テレビのニュースで「(2銀行は)米国に口座を開設しておらず、金銭的な損失はない」と述べ「心配する必要はない」と繰り返し強調した。
だが、ミャンマーの金融業界には警戒感が広がっている。現地に支店をおく邦銀の関係者は「米国の制裁対象が民間への影響が想定される国営銀行にまで広がった。一歩踏み込んだ印象だ」と指摘した。従来は、ミンアウンフライン国軍総司令官をはじめとする軍事政権幹部やその家族、国軍と関係が深い企業などが主な対象だった。
2021年2月のクーデター以降、ミャンマーは投資や援助の減少で外貨不足に直面している。国軍は輸入を制限したり、外貨預金を強制的に両替させたりして外貨流出の食い止めに躍起だ。今回の米国の追加制裁で外貨不足が一層厳しくなり、統制が強まる可能性もある。』