核使用抑止へ日米協議 情報共有や訓練、反撃能力念頭に

核使用抑止へ日米協議 情報共有や訓練、反撃能力念頭に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA281I10Y3A620C2000000/

『日米両政府は28日、米国が核を含む戦力で同盟国を守る「拡大抑止」に関する協議を開いたと発表した。周辺国による核使用を抑止するために情報共有や訓練、机上演習など協力を深める方策を追求すると確認した。

米国のホワイトマン空軍基地で現地時間の26、27両日に議論した。日本からは外務省の宮本新吾北米局参事官と防衛省の安藤敦史防衛政策局次長が参加した。

相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の運用を念頭に置いて話し合った。日本が2022年12月に新たな国家安全保障戦略を決めたのを踏まえた。「敵対するミサイル脅威に対する同盟の能力・態勢の強化」を確かめた。自衛隊と米軍の一体的な運用について意見を交わした。

日米の外務・防衛当局間で有事の手続きなどに関する省庁間机上演習もした。日本の外務省によるとこれまでも定期的に実施してきたが、公表したのは初めてだ。

核兵器を搭載できるB2戦略爆撃機や退役した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン2」の発射管制センターを視察した。

日米韓3カ国の防衛相は3日にシンガポールで会談し、北朝鮮によるミサイル発射情報の即時共有を23年中に始めると合意した。ミサイル防衛などの共同訓練を定例にするとも決定した。こうした取り組みを意識し、日米間の安保協力を拡充する。

日米両政府は1月の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で南西諸島防衛に向けて基地や弾薬庫の共同使用を広げると掲げた。米海兵隊は沖縄県に駐留する部隊を有事に即応して離島に分散展開する第12海兵沿岸連隊(MLR)に改編する。』