[FT]中米コスタリカ 4月のランサム攻撃の後遺症

[FT]中米コスタリカ 4月のランサム攻撃の後遺症
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB113CD0R10C22A7000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『中米コスタリカ政府のデジタルガバナンスを統括するホルヘ・モラ氏は4月、部下の1人から報告を受けた。「(サイバー攻撃を)抑え込めませんでした。サーバーを暗号化されたため、全体を遮断しています」

コスタリカ政府へのサイバー攻撃に対し、チャベス大統領は緊急事態宣言を発動した=ロイター

悪名高いロシアのランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の攻撃集団「Conti(コンティ)」による大規模なサイバー攻撃について、モラ氏は状況の最新報告を受けているさなかだった。攻撃は財務省から始まって連鎖的に広がっていき、最終的に数週間で27の政府機関が巻き込まれた。

政府のセキュリティーリスクが浮き彫りに

「規模の点で目を見張るような攻撃」(ある西側当局者)だった。ハッカーは通常、単一のシステムに不正アクセスするが、コスタリカのケースは国のIT(情報技術)インフラ全体のセキュリティーが弱い場合のリスクを浮き彫りにした。コンティは数週間、あるいは数カ月かけて、1つの省から別の省へと移りながら政府のシステム内を掘り進んでいた。

コンティ側は、最高2000万ドル(約27億円)の支払いと引き換えにデータを返すと持ちかけた。だが、コスタリカ政府は身代金の支払いを拒否した。新大統領に就任したロドリゴ・チャベス氏は緊急事態宣言を発動し、「裏切り者」さがしに乗り出すとともに、米国やスペインなどITに強い同盟国の支援に頼った。

「我々は戦争のさなかにある。これは誇張ではない」。5月半ばの大統領就任の数日後、チャベス氏はこのように述べ、テロに匹敵する混乱の全容を隠していたとして前政権を非難した。

コンティとのにらみ合いが続く中、コスタリカのデジタルインフラは数カ月にわたって部分的にまひし、オンライン徴税ができなくなったほか、公共医療と公務員の給与支払いに混乱が生じた。

その一方でコンティ側も、ウクライナ紛争で火がついたハッカー界の地政学的対立が波及して立ち行かなくなった。コンティが2月24日のロシアによるウクライナ侵攻への支持を表明した後、ウクライナ人とされる雇われハッカーの1人が裏切り、報復行為としてツールキットや内部のチャットなど秘密情報をインターネット上に流出させた。

英サイバーセキュリティー会社ダークトレースで脅威の分析を統括するトビー・ルイス氏によると、コスタリカがサイバー攻撃による影響への対処を続ける一方、コンティの大部分は情報流出後に瓦解したという。

ロシアのウクライナ侵攻で消えた攻撃集団

「2022年初めの時点では、今年もコンティのような集団が跋扈(ばっこ)してかなりの金を稼ぐ1年になる見通しだった」とルイス氏は言う。「それがロシアのウクライナ侵攻で全て終わった。ビジネス的に見て、ロシアを支持したのは最悪の判断だった」

コンティの過去最大規模の攻撃は、その最後の攻撃となった。セキュリティー調査専門家らによると、コンティがコスタリカなどの被害者をあざ笑っていたホームページと、(匿名性の高い闇サイト群の)ダークウェブ上にあった交渉サイトは6月末までに閉鎖された。

攻撃が広がっていく中で、モラ氏のチームはハッキングが他の政府機関に広がるのを遅らせるためにほぼ1カ月の間、毎日4時間睡眠で対応にあたったと同氏は語る。スペインからは、同国の国立暗号化技術センターが開発したランサムウエア対策用の保護ソフトウエア「マイクロクローディア」が届けられた。

米国は支援チームを派遣するとともに、マイクロソフトやIBM、シスコシステムズのソフトやノウハウを提供した。米国務省はコンティやその支援者を裁きにかけるべく、最高1500万ドルの賞金を出すと発表した。

モラ氏は、攻撃後の自分たちの懸命な努力と協力がなければ「財務省と同様の攻撃が50件起きていたはずだ」として、チャベス氏の批判を退けた。

ITシステム復旧はさらに複雑な状況に

だが、コンティが崩壊したことでコスタリカのITシステムの復旧努力は一層複雑な状況となっていた。捜査状況について説明を受けた西側のある当局者は、2000万ドルから100万ドルの間で揺れ動いた身代金の支払いにチャベス氏が応じていたとしても、「向こう側に誰がいたのか定かではない。6月までに、いわば誰も電話に出ない状態になっていた」と語る。

イスラエル企業サイバーイントのセキュリティー研究者シュムエル・ギホン氏は、「コンティはコスタリカで名を残そうと最後の必死の試みに出たような状況だった。なんとか評判を得ようとしていた」と語る。

これまでコンティは推計約400人のハッカーに加え、ツールキットを貸す不特定多数の協力者がいるとされ、21年には少なくとも600の標的から合計数億ドルの暗号資産(仮想通貨)を得ていたが、コスタリカへの攻撃から数週間で人員はたちまち数十人まで減った。
だが、別の形で再編成している形跡もある。その1つは、勃興から数カ月間で50の組織をサイバー攻撃した「BlackBasta(ブラックバスタ)」と呼ばれる集団だ。セキュリティー専門家らは、その攻撃スピードから、コンティから離脱した要員が攻撃対象のITインフラに関する情報を持ってブラックバスタに流れているようだとみている。

一方、コスタリカは4月のサイバー攻撃による影響への対処を続けている。ランサムウエア攻撃が成功した場合は全てそうであるように、ハッカー側から鍵をもらう以外にデータの暗号化を解除する方法はなく、ほとんどのシステムは、ウイルスに感染していないことを確認したバックアップデータで最初から作り直さなければならない。このプロセスは数カ月、場合によっては1、2年かかる可能性もある。

紙とメールでの作業を余儀なくされた通関業務

先ごろまでコスタリカは通関業務を紙と電子メールに頼らざるを得ず、全体に遅滞が生じていたと話すのは、輸出入関連サービスを提供する企業グルポ・デサカルガのモニカ・セグニニ社長だ。

「これはつまり、何年も使われていなかった保管スペースにコンテナが何日も滞留し、追加の費用を払わなければならないということだ」。そう説明するセグニニ氏の会社は法人税を自主的に納付しているが、管理されていない状態だという。「私たちはグレーゾーンで活動している」

政府高官は、通関や給与支払いを含めて、現時点で財務省のシステムの多くは復旧していると話した。

認知症にかかっているアレハンドラさん(65)の夫がインタビューで語ったところでは、コスタリカ国民への医療も滞っている。アレハンドラさんの場合は医師らが磁気共鳴画像装置(MRI)による以前の画像にアクセスできず、可能になるまで待たなければならないという。

理科の教師で低所得地区にある技術専門学校のアドバイザーを務めるスルマ・モンヘさんは、システムが時間外勤務を処理できなくなっているために給料が40万コロン(約8万円)少なくなっているという。

モンヘさんは貯金を取り崩して2人の子供の学費と、2つ目の学位取得を目指す自分の授業料を支払っている。「こんなことは今までなかった。遅れている給料がいつ支払われるのか、(財務省は)私たちに答えを示していない」

アルバラド・ブリセーニョ科学技術・通信相は、サイバー攻撃の再発防止に向けた取り組みも全て順調であるわけではないことを認める。

「Hive(ハイブ)」と呼ばれるハッカー集団は、コスタリカの社会保障サービスにサイバー攻撃を仕掛けた。スペインから供与されたセキュリティーソフトは2万セットのうち13セットしか実装されていない。

「大統領は不安を隠さず、非常にいらだっていた。我々はすでに攻撃を阻止するツールを少なくともいくつか入手し、攻撃は起きなかった」とアルバラド・ブリセーニョ氏は語った。「我が国はこれまで、この問題を必要なレベルで重大に受け止めていなかった。学んだ教訓は何か? 全ての機関に必要なサイバーセキュリティーを完備する出費を惜しむなということだ」

By Christine Murray & Mehul Srivastava

(2022年7月9日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

韓国原発輸出、政権交代で再点火 西側技術求む東欧に的

韓国原発輸出、政権交代で再点火 西側技術求む東欧に的
チェコやポーランド、2030年までに海外で10基受注めざし
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM07DYG0X00C22A7000000/

『6月22日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の姿は、原子炉メーカーの斗山エナビリティー(旧斗山重工業)の昌原事業所にあった。

「原発輸出の扉が大きく開かれた。私も政府高官も原発セールスのために四方八方を駆け回る」。尹氏は斗山幹部を前に国として原発輸出を推し進める考えを示した。

所管官庁の李昌洋(イ・チャンヤン)産業通商資源相は翌週、チェコとポーランドへと飛んだ。韓国電力の原発事業子会社や斗山、大宇建設などの関連企業の幹部を引き連れて、原発導入を検討する両国に韓国製原発を売り込んだ。

チェコとポーランドでは原発新設のための事業者選定が進行中だ。両国は旧共産圏という歴史的経緯からロシア(旧ソ連)の原発技術を導入してきたが、今は安全保障の観点から西側諸国の原発技術を導入する意向を示しているという。

欧米や日本は原発新設を進めてこなかった事情もあって原発メーカーも海外輸出に消極的とされる。結果的に技術蓄積のある韓国の原発産業に対する期待が高まっているというのだ。

韓国は2009年の李明博(イ・ミョンバク)政権時にアラブ首長国連邦(UAE)から原発4基の建設を受注した実績がある。直近5年間の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「脱原発政策」を掲げたため受注活動は下火になったものの、尹政権下で海外輸出へ再び動き出した。

韓国政府は7月中に官庁や政府系企業から人材を集めて原発輸出を主導する「原発輸出戦略推進団」を発足させる。尹氏は30年までに海外で原発10基の新規受注を目指すとしており、日本や米国、欧州の老舗メーカーの間隙を突いて東欧を皮切りに世界の原発市場で存在感を高めようとしている。

(ソウル=細川幸太郎)』

「アラブの春」逆行止まらぬチュニジア カギ握る労組

「アラブの春」逆行止まらぬチュニジア カギ握る労組
横田勇人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB011YF0R00C22A7000000/

『2011年に中東各国を揺るがした民主化運動「アラブの春」で唯一の成功例とされた北アフリカのチュニジアで、民主化に逆行する動きが止まらない。21年7月に首相を解任して議会も停止し、国政を掌握したサイード大統領は自身への権力集中を一段と進める。大統領は民主化の集大成といえる「2014年チュニジア憲法」の改正を目指して7月25日に国民投票を計画しており、反対派との攻防は激しさを増している。

反大統領派のデモが散発的に続くチュニジアで6月初め、裁判官らがストライキを起こし、全国で法廷での審議などがストップした。異例の裁判所でのストのきっかけは、サイード大統領が6月1日に「腐敗し、テロリストを擁護している」として裁判官57人を解任したことだ。裁判官の組合はその後も約4週間にわたってストを行った。

大統領の司法への介入はこれが初めてではない。2月にはチュニジアでの「ジャスミン革命」後に司法の独立を確保するために設立された監視組織「最高司法評議会」を解散させ、代わりに暫定司法評議会を設立して裁判官の解任権も手にした。

大統領との対決姿勢強める労組

サイード大統領は21年7月、経済低迷に対応できない議会に対する国民の不満を背景に、自身に「例外的権限」を付与し、議会を停止して国政を掌握した。民主化に逆行する動きにもかかわらず、議会に愛想を尽かしていた国民の多くはこれを歓迎した。回答者の87%が議会停止に賛成したとの世論調査もあった。大統領は議会を正式に解散し、自身の息がかかった司法専門家を集めて憲法改正案を準備させるなど、議会制から実質的な大統領制への移行へ向けて着々と動きを進めてきた。今年12月には議会選を予定しており、4月には選挙管理委員会のメンバーの過半を入れ替えた。

サイード大統領は自らに権力を集中させている=ロイター

大統領が6月30日に公表した憲法改正案は、政府の監督権限を議会ではなく大統領が持ち、優先的な法案提出権や予算の編成権、閣僚の任命権や解任権を大統領に与えるなど権限を自身に集中させている。任期は5年2期までと規定しているが、「国家の危機」を理由に延長も可能だ。これに対して改憲案の起草を担当した憲法委員会のベライド委員長が「我々が大統領に提出した草案とは違う。恥ずべき独裁体制につながる」と強く批判するなど、その内容に懸念が広がっている。

今後の動きでカギを握るのが、この国で大きな存在感を持つチュニジア労働総同盟(UGTT)だ。UGTTはチュニジア民主化に貢献したとしてノーベル平和賞を受賞した4団体の一つ。フランスからの独立時に大きな役割を果たした歴史的経緯から国民からの信頼も厚く、全国に100万人を超す組合員を抱える組織力は他を圧倒する。ジャスミン革命でもその組織力がベンアリ政権打倒の決め手となった。

UGTTは当初、サイード大統領による国政掌握を容認したものの、その後は曖昧な姿勢に終始してきた。4月にサイード大統領と会談したヌーレッディン・タブビ事務局長は、危機から脱出する道筋を描くのに「パートナーシップ」が必要だとの認識で合意したと語った。
経済悪化が命取りにも

ただ、ここへきてUGTTは大統領との対決姿勢を強めている。6月16日、UGTTは大規模ストを決行し、空港が閉鎖され、公共交通機関が止まって政府庁舎が閉まるなど大きな影響が出た。

UGTTへの支持を表明するため集まった人々(6月16日、チュニスのUGTT本部前)=ロイター

ストはサイード大統領が国際通貨基金(IMF)との協議で受け入れた賃金凍結と補助金カットへの反対が理由だが、独裁色を強める大統領をけん制する狙いは明らかだ。ある組合のトップは「政府はUGTTと相談することなしに改革を進めてきた」とサイード大統領の姿勢を批判した。

憲法改正案についてUGTTは「大統領に幅広い権限を与えて他の組織の役割を縮小しており、民主主義を脅かすものだ」と批判したものの、組合員の国民投票への参加は容認する構えを見せている。

大統領が全く妥協する姿勢を見せないのは、機能不全の議会に憤っていた国民から今も支持されていると信じているからだ。確かにこれまでのところ、反大統領デモは広がりを欠いている。ただ、大統領が一連の改革について国民の信任を得ようと実施したオンライン調査は参加した人が有権者の10%に満たず、思惑が外れた。6月4日からは大統領の呼びかけで「国民対話」が始まり、初会合には一部政党や経済団体、女性団体の代表などが参加した。しかしUGTTや主要政党は会合をボイコットした。

その一方、インフレ率が8%近くに達して食料品が手に入りにくくなるなど経済状況は深刻さを増している。サイード大統領が3月、食料不足について「間違ったニュースや情報」を流せば罪に問える大統領令を出したのは現状に対する危機感の表れといえる。

議会の経済無策を批判して国政を掌握した大統領にとって、経済のさらなる悪化は命取りになりかねない。予定通りに国民投票で改憲の承認を受け、大統領の思惑通りに議会選に進めるかは不透明感も漂っている。

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イスラエルとアラブ諸国、対イラン「防空同盟」が浮上

イスラエルとアラブ諸国、対イラン「防空同盟」が浮上
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05DJC0V00C22A7000000/

『【カイロ=久門武史】イスラエルとアラブ諸国の一部で、イランに対抗する防衛協力の議論が持ち上がっている。イスラエルが「防空同盟」の存在を明かし、ヨルダンのアブドラ国王は中東版の北大西洋条約機構(NATO)構想に支持を表明した。バイデン米大統領の13日からの中東歴訪は安全保障も議題になる見込みで、イスラエルとアラブ諸国がさらに接近する可能性がある。

イスラエルのガンツ国防相は6月、イランのミサイルやドローン(無人機)に対処する「中東防空同盟」を米国主導で構築したと国会で説明した。「既に運用されておりイランの攻撃の企てを阻止した」と述べた。他の参加国は不明だが、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなど国交を持つアラブ諸国との3月の外相会議で、防空協力が提起されたという。

ガンツ氏は「バイデン大統領の中東訪問中にさらに前進することを望む」とも語った。バイデン氏はイスラエルに続き16日までサウジアラビアを訪れ、湾岸協力会議(GCC)とエジプト、イラク、ヨルダンの首脳会議に参加する予定だ。

中東諸国はドローンによる攻撃を差し迫った脅威とみなしている。2019年にサウジ東部の石油施設にドローンが突っ込み、今年1月にはUAEの首都アブダビへの無人機攻撃で3人が死亡した。いずれもイエメンの親イラン武装組織が自らによる犯行だと主張した。21年にはイスラエル系企業が運航するタンカーがオマーン湾で攻撃され、イスラエルはイランの犯行と断定した。

防空同盟が注目された6月下旬、ヨルダンのアブドラ国王は米CNBCのインタビューで「私は中東のNATOを支持する最初の一人になる」と述べた。枠組みや仮想敵には言及しなかったが、ヨルダンは隣国シリアでのイランの活動を警戒しているとの見方がある。

前後して米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、イランのミサイルやドローンに対処するため、米国がイスラエルやアラブ諸国と軍高官レベルの秘密会合をエジプトで開いたと伝えた。サウジ、カタール、ヨルダン、エジプト、UAE、バーレーンが参加したという。

中東で米国と防衛協力がある国々を束ねる構想としては、トランプ前米政権が「中東戦略同盟(MESA)」を唱えたことがある。アラブ版NATOと呼ばれたが、実現していない。ヨルダンのイスラエル研究センターのアブドラ・スワルハ所長は「バイデン氏はイランをけん制する同盟を中東につくり、イスラエルを組み入れたがっている」とみる。中国に対抗するため中東への関与を減らしたい米国の国益にはかなう。

しかし多くのアラブ諸国にとっては、パレスチナ問題で対立し国交のないイスラエルと公に手を組むのは現実的でない。サウジはこの件について沈黙を保っている。アラブ諸国間でも安保問題で一枚岩ではなく、エジプトは湾岸諸国ほどイランを敵視していない。エジプトのシュクリ外相は6月末「新たな同盟は大いに協議が必要で、提案されてもいない」と火消しに回った。湾岸諸国同士でも勢力争いがある。

一方で、対空防衛システム「アイアンドーム」などイスラエルの軍事技術は湾岸諸国にとって魅力的だ。イスラエルメディアは同国がレーザービームでドローンなどを撃ち落とす新兵器「アイアンビーム」をアラブ諸国に輸出できるようバイデン氏と調整すると伝えた。4月にこの兵器の実験成功を受け、当時のベネット首相は「SFのように聞こえるが現実だ」と強調した。

イランへの警戒心から近年、イスラエルとアラブ諸国が静かに近づく流れが続いてきた。イスラエルが20年に国交を正常化した国々とは防衛協力が公然と進む。イスラエルはバーレーンにおいては同国に司令部がある米海軍第5艦隊との連絡将校を常駐させている。イスラエルとUAEの国営の軍事関連企業は無人水上艦の共同開発に合意している。』

EU域内人口、2年連続で減少 新型コロナ影響か

EU域内人口、2年連続で減少 新型コロナ影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11D2C0R10C22A7000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】欧州連合(EU)統計局は11日、2022年1月1日時点の域内人口が4億4680万人となり、1年前から約17万人減ったと発表した。減少は2年連続で、統計局は新型コロナウイルスの感染拡大の影響とみている。

死亡数が出生数を上回る「自然減少」を、移民の増加で補えなかった。EU加盟27カ国のうち、10カ国の人口が減少した。減少数はイタリアが25万3千人減と最も多く、ポーランド(18万6千人減)、ルーマニア(16万4千人減)と続いた。一方、増加した国ではフランスが18万6千人増と最も伸びた。

EU統計局は、高齢化の影響や出生率が低水準にとどまることが予想されることから、今後数年間は死亡数が出生数を上回り続けるとの見解を示している。』

ロシア、国籍取得を簡素化 ウクライナ全住民に拡大

ロシア、国籍取得を簡素化 ウクライナ全住民に拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB11CFZ0R10C22A7000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】ロシアのプーチン大統領は11日、ウクライナ全住民を対象にロシア国籍の取得手続きを簡素化する大統領令に署名した。ロシアはウクライナ東部を中心に支配地域を広げており、「ロシア化」を加速させる狙いとみられる。

ロシアは2019年、ウクライナ東部ルガンスク州とドネツク州の親ロシア派住民のロシア国籍の取得手続きを簡素化した。2月下旬の侵攻後には南部ヘルソン州、ザポロジエ州の住民にも適用を拡大していた。ロシアは一部地域で通貨ルーブルの使用や、市長らの一方的な任命なども進め、実効支配を強化している。

ロシア軍はウクライナ東部や南部で攻撃を続けている。11日には北東部ハリコフ州で砲撃があり、同国検察によると、6人が死亡、31人が負傷した。集合住宅や車両、商業施設などが被害を受けたもようだ。9日夜にロケット砲が着弾したドネツク州北部の集合住宅では、これまでに30人超の死亡が確認された。

タス通信によるとロシア大統領府は11日、プーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が近く会談すると明らかにした。ロシアが制海権を握る黒海を通じウクライナからの穀物輸出を再開するための「回廊」設置などに向けて協議するとみられる。

トルコ大統領府によると、エルドアン氏は同日、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話で穀物輸出の問題などを協議し、交渉を仲介する意欲を示した。

一方、国連世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長も同日の記者会見で、穀物輸出の再開に向けて、トルコのイスタンブールでロシアとウクライナ、国連も交えた協議の開催を探っていることを明らかにした。
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

国を治めるものは人心を治めないといけない。今回の侵略で一部のロシア系住民は別として大多数のウクライナ人はロシア国籍を取得するかな。取得するなら、あそこまで必死に対抗しないはず。この簡単な理屈は独裁者だからこそ理解できない。プーチンは逆の心配しないといけない。ロシアのエリートは続々と出国しているとの報道がある
2022年7月12日 7:19 』

ロシア、ザポロジエ原発軍事化 ウクライナ反攻を困難に

ロシア、ザポロジエ原発軍事化 ウクライナ反攻を困難に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1235X0S2A710C2000000/

『【キーウ=共同】ウクライナ南部にある欧州最大級のザポロジエ原発を占領中のロシア軍が軍事基地化していることが11日までに分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。原発を基地化することで、ウクライナ側の反攻を困難にする狙いがあるとみられる。

ザポロジエ原発は3月以降、ロシア軍の占領下にある。ドニエプル川沿いに位置し、対岸のニコポリからウクライナ側が監視している。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロシア兵約500人は原発の周囲にりゅう弾砲など重火器を配備、対人地雷を敷設しているという。欧州連合(EU)当局者は同紙に対し、軍事基地化することで「ウクライナ軍が反撃してこないことを理解している」と話した。

ウクライナ政府によると、ザポロジエ原発には原子炉6基がある。ロシア軍が制圧した3月4日時点で5基が稼働停止や冷却中で、1基のみ稼働していた。

ロシア軍はウクライナに侵攻した2月24日に国境近くの北部チェルノブイリ原発も一時制圧。その際に原発を砲撃し、大事故を起こしかねないとして国際社会から強い非難を浴びた。』

[FT]オデッサ港に不気味な静けさ 黒海封鎖解けず

[FT]オデッサ港に不気味な静けさ 黒海封鎖解けず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB101170Q2A710C2000000/

『黒海に面したウクライナ南部オデッサ港では、そびえるクレーンは立ち尽くすばかりで、海岸沿いのカフェやレストランに客の姿はほとんどなく、日が暮れると船影も全く見えない。

ロシアのミサイル攻撃で破壊されたオデッサ地域の集合住宅=ロイター

プーチン・ロシア大統領による侵攻はウクライナ全土に殺りくをもたらしているが、にぎやかな海上ターミナルや観光客の往来で知られる港湾都市オデッサには不気味な静けさが漂っている。

ロシアが2月に侵攻を開始して以来、オデッサ地域は度重なるミサイル攻撃の標的となっており、1日には娯楽施設と集合住宅が攻撃を受け、21人が死亡した。

ロシアはオデッサをはじめとする黒海の港湾封鎖を柱に、ウクライナの経済インフラをまひさせる戦略を強化しており、7月に入って穀物貯蔵施設もミサイル攻撃で破壊された。

近郊のピブデンニ港でターミナルを運営するトランスインベストサービスのアンドレイ・スタブニツァー最高経営責任者(CEO)によると「オデッサには、港湾運営、入港する商品を売る卸売市場、観光客という3つの収入源がある」が、「この3つは完全に途絶えている」という。

今回の戦争前、ウクライナは世界の穀物輸出の約15%を占める農業大国となり、オデッサは輸出拠点として重要な役割を担っていた。港は月500万トンの農産物の取り扱いが可能だった。

ロシア人富裕層好みの観光地

戦争前の人口が100万人を超えていたウクライナ第3の都市オデッサは、とりわけロシア人富裕層の間で主要な観光地の1つでもあった。宿泊施設のテレビには今でもロシアの番組が流れており、ロシア語は依然としてウクライナ語よりも一般的だ。

戦闘が勃発する以前、この地域では国内観光客も含めて年間400万人の訪問者を当てにできた。2014年にクリミア半島がロシアに併合され、立ち入りがほぼ不可能になると、国内からオデッサを訪れる人の数は増加した。

かつて人気を博したデリバシフスカ通りのバーは現在、地元民を呼び込もうと全力を挙げているが、客足は少ない。有名な「ポチョムキンの階段」をはじめ、オデッサの風光明媚(めいび)な観光名所の多くは、厳重な警備が敷かれた立ち入り禁止区域となっている。
観光客が不在であるばかりか、多数のオデッサ住民が逃げ出し、入れ替わりにウクライナ東部の猛烈な砲撃戦を逃れてきた避難民が流入。この地域では7万人以上が難民として正式登録されているが、当局によると実際の数は40万人にのぼる可能性がある。

オデッサにとって今回の戦争は大きな衝撃となっている。この都市はロシアと文化的に深いつながりがあり、当初は侵攻を支持する住民が無視できないほどいたと当局が認めている。だが「壊滅的な」戦争がそうした幻想を打ち砕いたと語るのは、地元の行政当局で対内投資・観光担当の責任者を務めるロマン・グリゴリシン氏だ。

同氏はかつてビジネス界のリーダーとのオンライン会議を取り仕切る日々を送り、30年開催の国際博覧会(万博)をオデッサに誘致する構想を描いていた。いまでは防弾チョッキの確保という任務が課され、戦争が招いた大きな変化に対処する方法を他の地元住民とともに学んでいる。「私たちの姿勢はこれまでとはまったく異なっている」と同氏は話す。
6月、収穫中のオデッサ地域の大麦畑=ロイター

スイス南部ルガノで最近開かれたウクライナ復興国際会議において、ウクライナは自国経済の再建にかかる費用を少なくとも7500億ドル(約100兆円)とする試算を公表した。だが、戦争もその影響分析もまだまったく終わっていない。

ピブデンニ港のスタブニツァー氏によると、穀物やヒマワリ油、鉄鉱石などの原料を含む1000億ドル相当の物資が、黒海封鎖によって足止めされているという。オデッサとその周辺の港では、数十隻の船舶がウクライナの海域から出られない状態だ。ウクライナの農家が作物を収穫しても、世界市場に簡単に届けられる代替ルートはないため、この数は増えるとみられる。

地場の物流サービス会社タリー・ロジスティクスのパートナー、アンドレイ・ソコロフ氏は「大混乱をきたしている」と話す。同社はルーマニアとの国境に近いレニ港などドナウ川の港で輸出業者の船腹予約を支援している。

ドナウ川にあるウクライナの小さな港は取り扱い能力を増強しているが、規模の大きい海上ターミナルを通っていた貿易量には及ばない。オデッサの南に位置するこうした港につながる鉄道は、ロシアのミサイル攻撃ですでに運行を停止しており、今や道路も攻撃の標的になっている。

ウクライナ議会で社会政策委員会のトップを務める地元当局者のスタニスラフ・ノビコフ氏は、外国の原材料や卸売品に依存する産業も黒海封鎖で機能不全に陥っていると指摘する。

同氏によると。地元企業の40%程度が部分的ないし全面的に稼働を停止している。東欧有数の鋼索・鋼線メーカーであるスタルカナトのオデッサ工場は、生産能力のわずか4分の1で稼働しているという。

「誰もが商品を売ったり原材料を仕入れたりする自信をなくしている。人材も不足している。多くの人が国を守ろうと戦闘の前線に向かったからだ」

オデッサは依然として、プーチン氏のミサイルやロシアの征服の標的になっている。軍事アナリストによると、ロシアが南部ミコライウ州の沿岸に執拗に砲撃を加えているのは、東部ドンバス地方と、隣国モルドバで親ロ勢力が実効支配する沿ドニエストル地方を結ぶ陸橋を築くため、ロシア軍を西に進軍させる作戦の一環かもしれないという。オデッサはその邪魔になる。

島奪還で封鎖解除の希望も

オデッサでは、少なくとも港湾については最悪期が過ぎ去ると希望を持ち続ける向きもある。ウクライナ軍が黒海西部の重要拠点ズメイヌイ(スネーク)島を先ごろ奪還したことで、黒海封鎖は解かれるとの期待が膨らんでいる。輸出業者の間では、トルコと国連が仲介する協議によって、ロシアに封鎖解除を迫れるのではないかと期待する声もある。

スタブニツァー氏は、沿岸防衛用に敷設された機雷が撤去される前であっても、ほとんどの港湾は封鎖が解除されれば数週間以内に操業を再開できるとみている。「私たちは機雷の敷設場所も、それを避けて通る方法も分かっている。みんな働きたくてたまらないので、操業再開は容易だろう」

だが、懐疑的な見方もある。ロシアがここ数カ月間と同様、商船を砲撃しないことに同意したと仮定しても、海軍の艦船が周辺海域を脅かし続ければ、商業輸送の保険料は法外に高くなる可能性がある。

港湾当局の元関係者、オレクサンドル・シチェンコ氏は「港湾封鎖を解除する方法を知りたいか」と問いかけた。「ロシアの艦隊を壊滅させればいい。それ以外の方法は彼らに理解されないだろう」

By Derek Brower

(2022年7月8日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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中国、今年の新車販売予測 3%増に下方修正

中国、今年の新車販売予測 3%増に下方修正
年初には5%増と予測
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1183S0R10C22A7000000/

『【北京=多部田俊輔】中国汽車工業協会が11日に発表した6月の新車販売台数は前年同月比23.8%増の250万台だった。上海市のロックダウン(都市封鎖)解除に加え、政府の販売刺激策が奏功し、4カ月ぶりに前年実績を上回った。2022年通年では前年比3%増との予測を発表した。年初の5%増と比較すると下方修正となるが、2年連続の成長を見込む。

「我が国の自動車産業はすでに底から抜け出し、全面的に正常な水準を取り戻した」。同協会の陳士華・副秘書長は同日の会見で強調した。1カ月前の会見で「早期に正常な軌道に戻るだろう」と希望的観測にとどまっていたが、今回の会見では自動車産業の回復に自信を示した。

新車販売の大部分を占める乗用車は41.2%増の222万台。吉林省や上海市のロックダウン解除で、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)などの合弁工場が生産を回復したほか、自動車部品流通の改善で各地の工場の稼働率が向上した。

中国政府が6月に始めた乗用車の自動車取得税の半減も奏功した。同協会によると、すでに109万台に減税が適用され、減税規模は71億元(約1400億円)にのぼっており、「全体的に十分に良好な(減税)効果が出ている」(陳副秘書長)。

乗用車の1~6月の販売台数は前年同期比3.4%増の1035万台と前年同期実績を上回った。一方、商用車は排ガス規制対策に伴う買い替えのサイクルの谷間に入っているうえ、景気悪化の影響を受け、1~6月の販売台数は前年同期比41.2%減の170万台だった。

一方、電気自動車(EV)など新エネルギー車は好調が続く。6月の販売台数は59万台で、前年同月実績の2.3倍に伸びた。1~6月の販売台数は260万台で、前年同期の約2.2倍に達した。

同協会は通年の予想を更新した。新車販売全体は3%増の2700万台で、年初予測から下方修正した。内訳は乗用車が7%増の2300万台で、商用車が16%減の400万台。新エネ車は4割増の500万台と予測していたが、好調が続いており、「550万台に達する可能性がある」と修正した。』

中国、資金調達再加速 6月残高1年ぶり伸び率

中国、資金調達再加速 6月残高1年ぶり伸び率
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM119VS0R10C22A7000000/

『【北京=川手伊織】中国で資金調達が再加速しつつある。銀行や市場からの調達総額を示す「社会融資規模」の残高の増加率は6月、1年ぶりの高さとなった。地方政府がインフラ建設の資金を調達するため債券の発行を急いだほか、企業が設備投資などに充てる中長期資金を銀行から借り入れた。

中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した。社会融資規模の残高は6月末で334兆元(約6800兆円)と、前年同月末から10.8%増えた。6月の新規調達額は5兆1700億元で、前年同月から4割増えた。

習近平(シー・ジンピン)指導部は悪化した経済を立て直すうえで、インフラ投資をけん引役に据える。意向を踏まえた地方政府がインフラ債などの発行を急いだ。社会融資規模のうち、政府債券の発行による新規調達額は1兆6000億元を超え、遡れる2017年以降で最大となった。

企業の資金需要も回復の兆しが出てきた。銀行が6月、企業に貸し出した中長期資金は前年同月比73%増えた。伸び率は新型コロナウイルス禍で経済活動がほぼ止まった前年の反動で2.6倍に膨らんだ21年2月以来の大きさだ。

人民銀行は5月、事実上の政策金利と位置づける最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)のうち、期間5年超の金利を引き下げた。6月に入り、上海市のロックダウン(都市封鎖)解除などで経済活動が正常化に向かうなか、金利コストの低下も融資拡大につながった可能性がある。

気がかりなのは家計の資金需要だ。銀行が個人向けに貸し出した中長期資金は6月、前年同月を19%下回った。減少率は5月(76%)より縮まったが、昨年来の減少傾向は止まっていない。

これは住宅ローンの低迷が続いているためだ。習指導部が昨年、バブル抑制を目的に不動産規制を強めてからマンション市場の調整が長期化している。住宅の値上がり期待も弱まり、新規購入を様子見する人がなお多いとみられる。

市中に出回るお金の量を示す6月末の現預金総額(M2)は前年同月末から11.4%増えた。16年11月以来、5年7カ月ぶりの伸びとなった。政府が景気対策で増値税(付加価値税)の還付を進めたため、企業の手元資金が増えたもようだ。』

中国艦、与那国島・台湾間を往復 防衛省が公表

中国艦、与那国島・台湾間を往復 防衛省が公表
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE11C2V0R10C22A7000000/

『防衛省統合幕僚監部は11日、中国海軍のフリゲート艦1隻が7日から10日にかけて、日本最西端の沖縄県・与那国島と台湾の間を通過し、太平洋と東シナ海を往復したと発表した。領海侵入はなかった。

防衛省によると、7日午後1時ごろ、フリゲート艦は尖閣諸島・魚釣島の西北西約80キロを南下し、その後与那国と台湾の間から太平洋に入った。10日午後2時ごろには、与那国島の西南西約50キロを航行。北寄りに進んで、再び与那国と台湾の間を抜けた。海上自衛隊の艦艇3隻が監視に当たった。

またロシア海軍の情報収集艦1隻が11日、対馬海峡を経由し、東シナ海から日本海へ北上したのも確認した。

収集艦は6日に日本最南端の沖ノ鳥島の接続水域に入り、9日には沖縄本島と宮古島との間から東シナ海に移動した。ロシアへの帰途とみられる。〔共同〕』

半導体市場が一転、2年ぶり変調 台湾勢に警戒感強まる

半導体市場が一転、2年ぶり変調 台湾勢に警戒感強まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM089DA0Y2A700C2000000/

 ※ 「コロナ」も世界的に落ちついて来て、「巣ごもり特需」も一巡したんだろう…。

『【台北=中村裕、龍元秀明】供給不足で2年間の好調が続いていた半導体の市場が、一転して変調をきたし始めた。代表的な半導体であるDRAMの在庫が今春以降だぶつき、価格が30%強も急落するなど大きな変化がみられる。中国経済の減速懸念や世界的なインフレを受け、企業の設備投資や消費者の購入に対する意欲が減退している。世界の半導体生産の中心である台湾では、急速に警戒感が広がってきた。

「(世界の半導体市場では)今年の上半期までは楽観論があったが、今となっては、それはもう逆転した」

DRAM世界3位の米マイクロンで台湾法人トップを務める盧東暉・董事長は6日、日本経済新聞の取材に対してこう答え、市場の急変に危機感を示した。マイクロンはDRAM最大の生産拠点を台湾に構える。

盧氏は「市場のスローダウンがこの数カ月間続いている」とも指摘。現在起きている変化が、決して一過性のものではないことも強調した。
単独インタビューに応じた米マイクロンの台湾法人トップ、盧東暉・董事長。「(半導体業界の)楽観ムードが今は逆転した」と語った(7月6日、台湾・台中市)

11日にDRAM世界4位の台湾・南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)が開いた決算発表の記者会見でも、やはり関心は「半導体市場の変化」に集中した。

「需要が弱ってきた。(22年)7~9月期も、さらに半導体のDRAM価格は下落するだろう」

経営トップの李培瑛・総経理はこう述べ、今後の市場の見通しに対する危機感の強さをあらわにした。李氏は需要悪化の理由について、中国政府による上海市でのロックダウン(都市封鎖)の影響やインフレ、ロシアによるウクライナ侵攻が重なり、消費者の購入意欲が予想以上に落ちてきたと分析した。

実際、半導体の消費市場としては世界最大の中国で、落ち込みは顕著だ。今年1~5月でみると、スマートフォンの出荷台数は前年同期比で27%の大幅減。新車販売も同12%落ち込んだ。さらに世界に目を向けても、パソコン出荷は今年8~10%の出荷減が予想され、半導体を取り巻く環境は今、大きく変化しつつある。

業界全体を見渡すと、厳しいのは、記憶系の半導体であるDRAMだけではない。家電やパソコン向けなどに使う旧世代の汎用的な半導体にも影響は広がっている。

半導体不足の象徴的な存在でもあったが、ある台湾の大手半導体メーカー幹部は「つい最近までの半導体不足が噓のようだ。4月から在庫調整が始まり、今も足元で続く。適正在庫は2カ月分だが、既に3カ月分を超えてしまった」と明かす。

別の同業メーカーの幹部も「半導体の納入先の企業の生産が完全に落ちている。注文をもらった半導体のキャンセルも増え、潮目が変わったのは間違いない」と話した。

市場の変調は、台湾半導体大手の直近の月次売上高からもみてとれる。例えば、液晶ディスプレー向けの半導体などを手掛ける聯詠科技(ノバテック)。同社は4月まで前年比で2ケタの成長をみせていた。ところが5月に減収に転じると、直近6月の業績はさらに悪化し、29.6%の大幅減収に見舞われた。

世界の半導体市場は、過去2年間、近年にない大きな成長をみせてきた。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だ。テレワークやオンライン授業が世界で普及。パソコンやスマートフォン、ゲーム機などを筆頭に、在宅でのオンライン需要が急拡大した。米中大手IT(情報技術)企業によるサーバーの増設も続いた。この結果、世界半導体市場統計(WSTS)によると、2021年の世界の半導体市場は、前年比26%増の5558億ドル(約76兆円)と、空前ともいえる伸びをみせて過去最高を記録した。

ただ、半導体市場は景気動向に敏感で、好不調の波が激しいのが特徴だ。好調が長く続いても、いったん市場が何らかのきっかけで弱気に転じると、歯止めが効かずに急変をみせることも少なくない。今回でいえば、3月末に始まった上海でのロックダウンが影響した可能性がある。時を同じくしてDRAM価格は急落した。

半導体は家電から車、スマホ、軍事、宇宙関連に至るまであらゆる製品に搭載されるため、景気の先行指標となる。一般的な半導体の発注から納期までのリードタイムはおよそ3カ月だ。そのため足元の半導体市場が弱含めば、その3カ月後から、景気が弱含むと推測できる。

現在の半導体市場の変調も、3カ月先の景気後退のサインといえる。その半導体市場が今後さらに崩れるのか、それとも持ちこたえられるのかは、中国次第のところが大きい。

中国は「ゼロコロナ」政策を掲げ、感染拡大の封じ込めを優先した結果、今春から経済が急失速した。そのため今後、どこまで効果的な景気対策を打てるかが焦点となる。ローン返済の繰り延べや自動車などで一部始まった景気刺激策だけでは「今の半導体価格の値崩れは止まらない」というのが業界の見立てだ。
半導体業界では、パソコンやスマホ向けを中心に需要が落ち込んでいる(2月、米マイクロンの国内工場)=AP

株式市場は既に先行きを織り込み、恐怖に駆られている。半導体銘柄は総崩れの状態だ。大手の台湾積体電路製造(TSMC)や米インテル、韓国サムスン電子の株価はそろって年初比で約3割下落し、米エヌビディアは半減した。

現段階では、TSMCやサムスンが製造する先端の半導体の需要はサーバー向けなどで底堅い。電気自動車(EV)向けも好調だ。ただ、過去の半導体サイクルをみると、一部の半導体だけが長期に好調を持続することは難しい。今後は半導体市場全体に「弱気」が広がる恐れがあり、供給過剰への懸念も膨らみ、予断は許さない。

月内には、米アップルなどIT大手「GAFAM」の四半期決算の発表が控える。半導体を大量に消費するGAFAMは既に成長の壁に直面しているともいわれ、景気減速で先行きに不透明感がさらに増す決算内容となれば、半導体市場には追い打ちとなる。現在の半導体工場の投資ラッシュにも水を差しかねず、計画の見直しといった悪影響を及ぼす可能性は十分にある。
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

専門家によれば、半導体需給はおおよそ2年を周期にアップダウンするといわれている。この仮説に則れば、秋に半導体の供給が需要を上回ると予想される。この記事が示したのはその前兆といえるかもしれない。供給過剰になるのはよくないが、バランスするよう期待している
2022年7月12日 11:49

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菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
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ひとこと解説

世界景気の体温を測る台湾の半導体産業の変調を経営者の肉声を交えて示した、説得力のある記事です。
新型コロナ禍を受けた半導体の不足は、自動車を筆頭に家電やさまざまな製品の生産のボトルネックとなり、インフレの一因となってきました。半導体需給が一気にダブついてきたとなれば、2、3カ月先の世界経済の風景もだいぶ変わってきます。
中国のゼロコロナ徹底による上海などの経済封鎖の影響が和らいでくるとは予想されますが、先端品を含めた半導体の需要がどうなるか、一段と注意しながら見ていく必要があると思います。
2022年7月12日 12:01 』

Uber、仏マクロン氏と「密約」か 英紙が社内文書入手

Uber、仏マクロン氏と「密約」か 英紙が社内文書入手
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1070A0Q2A710C2000000/

『【パリ=白石透冴、シリコンバレー=佐藤浩実】フランスのマクロン大統領が経済担当の閣僚だった2014~17年ごろ、米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズと「密約」を結び、同社の事業拡大を助けていた可能性があることが分かった。行きすぎた支援と取られかねない内容で、支持率低迷に苦しむ同氏にさらに打撃となる恐れがある。

英紙ガーディアンがメールや社内資料など13~17年のウーバーの社内文書12万4000件以上を入手した。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)や42の報道機関と共有・検証した。仏紙ルモンドなども調査に加わり、10日に一斉に報じた。

ウーバーは現在のフランスで多くの利用者を持つが、当時は「運転手が労働者として保護されない」「タクシー業界を圧迫する」など多くの指摘を受けていた。中道左派オランド政権にも批判的な声が多かったが、経済産業デジタル相だったマクロン氏は「革新的だ」など一貫して評価していた。

報道によると、マクロン氏は、ウーバーの最高経営責任者(CEO)を務めていた創業者トラビス・カラニック氏と14年10月に初めて会い、以降ウーバーを保護する姿勢を強めた。同社幹部と平均して月に1回面会や電話などでやりとりをしていたという。

15年10月、南仏マルセイユの警察当局がウーバーの主要サービスの禁止に動くと、同社のロビイストがマクロン氏に「何が起こっているか教えてもらえませんか」と連絡。マクロン氏は「個人的に検討する」と返信し、間もなく当局が停止命令の見直しを公表したという。取材に対し、当局はマクロン氏の介入を否定した。

ウーバー経営陣はマクロン氏とある時点で「ディール(取り決め)」を結んだとしている。同社が一部サービスの提供をやめる代わりに、希望者がウーバー運転手になるための手続きを大幅に簡素化する内容だった。取り決めはマクロン氏が提案し、バルス首相(当時)やカズヌーブ内相(同)にも相談したという。実際仏政府は16年、運転手になるまでの訓練時間を250時間から7時間に短縮した。

ルモンドによると、仏大統領府は「マクロン氏の行動は大臣の職務としてありふれたものだ。多くの企業と接触するのも自然なことだ」などと説明している。

ただ、マクロン氏の当時の行為はウーバーだけを特別扱いしていたと受け止められかねない。同氏の企業寄りの姿勢はしばしば「金持ちのための大統領」との声につながっていたが、批判が強まる可能性がある。与党連合はロシアのウクライナ侵攻で加速する物価高への不満から、6月の国民議会(下院)選挙で過半数割れを起こした。今回の報道で政権運営が一段と難しくなる恐れもある。

一方社内文書では、倫理的な問題を指摘されかねないウーバー経営陣の言動も明らかになっている。フランスでは15年、ウーバー進出で客を奪われることに反発したタクシー業界による大規模な抗議活動が起き、ウーバーの運転手が暴行を受けた。運転手の身の安全を心配する現地幹部に対し、カラニック氏は「暴力(を受けること)が(仏国内での事業の)成功を保証する」などと返答した。いかに抗議活動をメディアに伝えて、仏タクシー業界の印象を悪くするかも議論したという。運転手への暴力を政治利用する意図があったとみられる。

ウーバーは10日に声明を公表し、17年に経営陣を一新したことなどを説明して「明らかに現在の価値観に合わない過去の行動に対して言い訳はしない。過去5年間と今後数年間の行動によって、我々を判断してもらうよう世間に求める」と言及した。

カラニック氏が率いていた17年までのウーバーは法令順守軽視と受け取られかねない攻撃的な組織文化で知られていた。今回明らかになった文書の発行時期とも一致している。』

米高官「イランがロシアに無人機供与も」 7月訓練か

米高官「イランがロシアに無人機供与も」 7月訓練か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN120LV0S2A710C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日の記者会見で、「イラン政府がロシアに武器搭載可能なものを含む最大数百機の無人機を提供する準備をしているとの情報がある」と語った。イランはロシア軍を訓練する準備をしており、「早ければ7月前半に開始される」と説明した。

2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻してから4カ月超が経過し、戦闘は長期化するとの見方が強まっている。サリバン氏は「ロシアがイランのような国に、攻撃に使う能力(の協力)を求めている一例だ」と語った。戦況がロシアの想定通りに進んでいないことが背景にあるとの見方も示した。

サリバン氏はバイデン氏が13~16日にイスラエルやパレスチナ、サウジアラビアを歴訪するのに先だって記者会見した。サウジでは「バイデン政権の中東戦略を発表する予定だ」と説明。イランの脅威に対する安全保障上の協力も議題になると語った。

バイデン氏はサウジを訪れた際、アラブ諸国で構成する湾岸協力会議(GCC)首脳会議に出席する。サリバン氏は「バイデン氏はあらゆる手段を使って適切なエネルギー供給を実現し、米国の労働者世帯のためにガソリン価格を下げるつもりだ」と述べ、産油国に増産を求める意向を示した。

サウジではサルマン国王、ムハンマド皇太子に会う見通しだ。バイデン政権は2021年2月、18年にトルコで起きたサウジの著名ジャーナリスト殺害事件にムハンマド氏が関与したと結論づけた。これをきっかけに両国関係は冷え込んだ。サリバン氏はサウジ訪問の狙いについて「関係を再構築させることだ」と訴えた。

バイデン氏は10日付の米紙ワシントン・ポストに寄稿し、13日から中東を歴訪する意義を説明した。ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油高などの影響を軽減するため「中東の資源は不可欠だ」と指摘。サウジ訪問に「反対する人が多いことは承知している」と認めつつ「影響力を持つ国と直接かかわる必要がある」と理解を求めた。』

インド人口、23年に中国抜き最多 世界は11月に80億人

インド人口、23年に中国抜き最多 世界は11月に80億人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11C5H0R10C22A7000000/

『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連は11日、2023年にインドの人口が中国を上回り、世界最多になるとの人口推計を発表した。中国とインドは22年にそれぞれ14億人以上の人口を抱え、インドが中国を上回るのは1950年の調査開始以来初めてという。世界人口は11月中旬に80億人を突破するとの予測も明らかにした。

7月11日の世界人口デーに合わせて報告書をまとめた。世界人口は11年に70億人を突破し、現在は79億4200万人に上る。国連の最新の推計では、世界人口は30年に85億人、50年に97億人、80年代には104億人でピークに達すると予想する。

50年にはインドの人口は16億6800万人となり、中国の13億1700万人を大きく引き離す。22年時点でもインドの人口は14億1200万人で、中国の14億2600万人に迫る。インドは出生率の高さに加え、衛生環境の改善などで乳幼児死亡率が低下し寿命が延びたことも背景にある。

一方、中国は1970年代終盤に策定された一人っ子政策など産児制限の影響が大きい。21年には第3子の出産を認める方針を示すなど緩和してきたが、教育費負担の重さもネックとなり、出生数は5年連続で減少し、21年に1949年の建国以来最少となった。

人口の増減は国内総生産(GDP)の成長を支える働き手の確保を左右し、歴史上、国力を測る一つの指標とされてきた。人口規模の拡大は、国際社会における発言力を高めることにつながる。「インドが世界最大の国となれば、安保理の常任理事国に仲間入りさせるべきだとの主張が強まる可能性がある」と国連経済社会局(DESA)人口部門のジョン・ウィルモス部長は指摘する。

22年の地域別人口をみると、東・東南アジアの人口が23億人で最も多く、世界人口の29%を占める。中央・南アジアの21億人(26%)が続く。サハラ以南のアフリカ諸国は2100年まで人口増が続き、50年までの世界人口の増加分の半分以上を占める。欧州や北米などアフリカ以外の大半の地域の人口は今世紀末にピークを迎えるという。

50年までの人口増加の半分以上はコンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、米国の8カ国によるものだ。出生率の高いアフリカ諸国やインドなどに対し、米国は少子高齢化による自然減を移民の受け入れによる社会増で補っている。

世界全体でみると、米欧や日本など先進国を中心に出生率の低下が顕著だ。21年には女性一人が生涯産む子どもの数を示す合計特殊出生率が2.3人になった。11日の報告書には「50年までに2.1人まで低下する」との見通しを盛り込んだ。

20年には出生率の低下を背景に、年間の人口増加率が1950年以来初めて1%を下回った。共働き世帯の増加など社会の変化もあり、各国は経済成長の維持へ移民の受け入れ拡大やロボットなどの活用による生産性向上を急ぐ。

一方、後発発展途上国(LDC)46カ国の人口は22年~50年の間に11億1000万人から19億1000万人に増える。21年の世界平均寿命は71歳で、19年の72.8歳から減少した。国連は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に挙げている。

グテレス国連事務総長は声明で「われわれの多様性を祝し、健康の進歩に驚嘆する一方で、地球を大切にするという共通の責任があることを思い起こさせる機会だ」と述べた。

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人口と世界特集ページはこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=21060800 

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

日本では人口減少ばかりがニュースになりますが、少子高齢化は先進国の共通の現象です。自然にゆるゆると進むなら、それを人々の幸福と両立させる方法はいくらでもある、と私は思います。
しかし人口激増こそは、人類史がかつて経験したことがない最大の危機でしょう。私達が子どもの頃、40億人でも過剰と言われた世界人口はいまや80億人です。それは気候変動や資源枯渇のすべての根幹に横たわっており、技術革新は、残念ながらそのどの問題も解決はして来ませんでした。
どこが勝ち組である無し以前に、世界がこの危機を直視して真剣に対処しなければ、2050年に待ち受けるのは混乱と貧困と衝突だけ、とならないでしょうか。

2022年7月12日 7:52

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

2022年版の人口推計は確かに興味深い。

①「2023年中にインドの人口は中国を抜き世界最大になる」とハッキリ書いてあります。中国が再逆転することはありません。

②それどころか、50年にはインドの16億6800万人に対し、中国は13億1700万人と、3億5000万人以上の差をつける姿となる。

③しかも、22年の中国の人口は14億2600万人ですから、50年までに中国は1億1000万人の人口減少。高齢化が加速します。

④人口からみればインドは上り坂、中国は下り坂です。中国に対抗するうえで、インドを取り込むことは欠かせません。そのインドへの道を開いた安倍晋三元首相の外交戦略の先見性が光ります。

2022年7月12日 0:37 (2022年7月12日 6:50更新)

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

人口は多ければいいというものではない。量の問題もあろうが、質の問題もある。経済学で人口ボーナスの議論がよくなされるが、過去50年間、世界の人口大国のうち、高成長を成し遂げたのは中国だけだった。それは良質な労働力と外国資本をハイブリッドできたからだった。インドは間違いなく人口大国である。しかし、これからの50年を展望すれば、AIなど生産性が上昇するにつれ、むしろ人口過剰の国にとって大きな負担になる可能性がある。何事もほどほどが一番

2022年7月12日 7:27』

米国の戦略に従って戦争の準備を進めてきた日本にとっての正念場が近づいている

米国の戦略に従って戦争の準備を進めてきた日本にとっての正念場が近づいている – 《櫻井ジャーナル》:楽天ブログ
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『自民党は現行憲法を変えようとしている。日本はアメリカの巨大金融資本を動かしている勢力に従属している以上、その改憲はアメリカ支配層の意向に沿うものだ。

 かつて自民党が発表した改憲試案を読むと、特に重要な変更は第98条にある。「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。」というのだ。

 こうした状況はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で生み出された。2020年1月30日にWHO(世界保健機関)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと表明、3月11日にパンデミックを宣言した。そこから世界規模の騒動が始まる。

 その対策は社会を混乱させ、経済活動を麻痺させた。物流を停滞させて少なからぬ企業の経営を悪化させ、倒産に追い込んでいる。失業者、ホームレス、そして自殺者を増加させてきた。

 そして現在、欧米の私的権力は「パンデミック」を口実として、WHOが全ての加盟国にロックダウンや「ワクチン」の強制接種などを命令できる「パンデミック条約」を締結しようとしている。各国政府を凌駕する権力をWHOに与えようというわけだ。

 その​WHOの事務局長を務めているエチオピア人のテドロス・アダノムを調査すべきだとICC(国際刑事裁判所)に訴えた活動家がいる​。デイビッド・スタインマンだ。アダノムはTPLF(ティグレ人民解放戦線)の幹部だった2013年から15年にかけて治安機関に所属、殺人や拷問に関係していたとスタインマンは主張している。

 誰がWHOを支配しているかは資金源を見ると推測できる。WHOに対する2018年から19年にかけての上位寄付者を見ると、第1位はアメリカ、第2位はビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、第3位はイギリス、そして第4位はGaviだ。

 Gaviはワクチンを推進するため、2000年にWEF(世界経済フォーラム)の年次総会で設立された団体。活動資金はWHO、UNICEF(国連児童基金)、世界銀行、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団などから得ている。WHOという国際機関は欧米の私的権力に支配されていると言える。その私的権力に支配された組織に各国政府を凌駕する権力を与えようというのだ。

 欧米の支配層はISDS(投資家対国家紛争解決)条項を含むTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)を成立させようとしたが、その目的も同じ。WEFのクラウス・シュワブが打ち出した「資本主義の大々的なリセット」も目的は同じだ。

 アメリカでは1958年に緊急事態を想定した仕組みが作られた。核戦争で正規の政府が機能しなくなった場合を想定し、憲法に定められた手続きを経ずに秘密政府を設置しようというのだ。その秘密政府には9つの部署があり、その責任者が決められた。

 この仕組みが作られる前年、アメリカの好戦派はソ連に対する先制核攻撃を目的とする「ドロップショット作戦」を作成、1959年にはウエストバージニア州のグリーンブライア・ホテルの地下に「地下司令部」を建設し始めている。いわゆるグリーンブライア・バンカーだ。1962年にに完成している。

 この秘密施設の存在は秘密にされていたが、1992年にワシントン・ポスト紙のテッド・ガップ記者が明るみに出す。同記者によると、施設の壁は60センチメートル以上あり、鋼鉄で補強されている。施設の上にはコンクリートの屋根が作られ、そのうえには6メートル以上の土がかぶせられたという。

 この記事が出た直後にバンカーは放棄され、ペンシルベニア州にあるレイブン・ロック山コンプレックス、通称サイトRが「地下ペンタゴン」として機能するようになる。

 秘密政府の仕組みがジョン・F・ケネディ政権からジェラルド・フォード政権までどのようになっていたか不明だが、ジミー・カーターが大統領を務めていた1979年にFEMAという形で浮上、ロナルド・レーガン政権ではCOGというプロジェクトが始まる。FEMAは2003年から国土安全保障省の下部機関になった。

 レーガンは大統領に就任した翌年の1982年にNSDD55を出してCOGプロジェクトを承認、NPOを創設。(Andrew Cockburn, “Rumsfeld”, Scribner, 2007)この組織はワシントンDCに独自のビルを持ち、責任者として少将が配属された。年間予算は数億ドル、レーガン政権の終わりには10億ドルに達している。(James Mann, “Rise Of The Vulcans”, Viking Penguin, 2004)

 COGは上部組織と下部組織に分かれ、上部組織は「プロジェクト908」と呼ばれる。そこにはジョージ・H・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジーたちが含まれていた。下部組織は「フラッシュボード」と呼ばれ、ホワイトハウスの役人、将軍たち、CIAの幹部、引退した軍人や情報機関員など数百人で編成された。(New York Times, April 18, 1994)

 当初、秘密政府を始動させる条件として核戦争が想定されていたが、1988年に出された大統領令12656によって、その対象は「国家安全保障上の緊急事態」に変更される。核戦争が勃発しなくても、支配階級が国家安全保障上の緊急事態だと判断すれば憲法の機能を停止できるようになったわけだ。

 1991年12月にソ連が消滅、92年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プランを作成。アメリカの国防次官だったポール・ウォルフォウィッツが中心になって書き上げられたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 このドクトリンの前提はアメリカが「唯一の超大国」になったということであり、他国に気兼ねすることなく単独で行動できるようになったとアメリカの好戦派は考えた。

 ところが、日本の細川護煕政権は国連中心主義を捨てない。そこでマイケル・グリーンとパトリック・クローニンは日本が自立の道を歩き出そうとしていると主張、友人で国防次官補だったカート・キャンベルを説得してジョセイフ・ナイ国防次官補に自分たちの考えを売り込んでいる。

 そして細川政権は1994年4月に倒れ、その翌年の2月にナイは「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表した。10万人規模の駐留アメリカ軍を維持するだけでなく在日米軍基地の機能を強化、その使用制限は緩和/撤廃されることが謳われていた。

 そうした主張に日本側は抵抗したようだが、そうした中、ショッキングな出来事が相次ぐ。例えば1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でもサリンが散布されている。そうした事件を取り締まる最高幹部、警察庁長官は1994年7月に城内康光から國松孝次へ交代、その國松が95年3月に狙撃された。

 そして1995年8月にアメリカ軍の準機関紙であるスターズ・アンド・ストライプ紙は、85年8月に墜落した日本航空123便に関する記事を掲載する。この旅客機が墜ちる前、大島上空を飛行していたアメリカ軍の輸送機C130の乗組員だったマイケル・アントヌッチの証言に基づく記事で、自衛隊の責任を示唆している。日本政府はショックを受けただろう。
 そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、アメリカでは憲法の規定を否定する法律が制定され、侵略戦争を本格化させていく。

 当初は正規軍を投入したが、失敗。そこで2010年からムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を傭兵として投入し、リビアやシリアを含む北アフリカや中東を戦乱で破壊していく。2013年にはウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを開始、同時に中国でも「カラー革命」を仕掛けている。

 日本企業にとって中国は重要なビジネス相手であり、日中両国の良好な関係は維持したかったはずだが、それを破壊する出来事が引き起こされた。

 2010年6月8日に発足した菅直人内閣はその直後、尖閣諸島に関する質問主意書に対する答弁書を閣議決定したが、その中で「解決すべき領有権の問題は存在しない」としている。1972年9月につまり田中角栄首相が北京で日中共同声明に調印する際、「棚上げ」にした尖閣諸島の領土問題を復活させたのだ。棚上げの合意で日中両国は日本の実効支配を認め、中国は実力で実効支配の変更を求めないことを決めている。そして1978年8月に日中平和友好条約が結ばれ、漁業協定につながった。菅政権は日中平和友好条約の基盤を破壊し、漁業協定も否定したことになる。

 そして2010年9月、海上保安庁は日中の棚上げ合意を無視して尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を取り締まり、漁船の船長を逮捕しているが、これは「日中漁業協定」を無視する行為だった。この時に国土交通大臣だった前原誠司の意思がなければ不可能な行為だ。

 その前原はその月のうちに外務大臣になり、10月には衆議院安全保障委員会で「棚上げ論について中国と合意したという事実はございません」と答えている。この答弁は事実によって否定されている。

 ナイ・レポート以降、日本はアメリカの戦争マシーンに取り込まれていき、安保法制も制定される。その法律に関し、安倍晋三首相は2015年6月1日、赤坂の「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「​南シナ海の中国が相手なの​」と口にしたと報道された。

 そして2016年、自衛隊は与那国島、奄美大島、宮古島に施設を建設した。その時の総理大臣は安倍晋三。2023年には石垣島にも建設する予定だ。​この基地建設の目的をアメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が説明している​。

 アメリカ政府はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を立てているが、インド・太平洋地域でそうしたミサイルの配備を容認する国は日本以外にないとRANDコーポレーションは判断している。

 しかし、その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備に協力するという形にするしかないとRANDは考えているが、与那国島、奄美大島、宮古島、そして石垣島に中国を狙ったミサイルが配備されることは間違いないだろう。』