自民の派閥、衆院選後の変化は

自民の派閥、衆院選後の変化は…細田派の最大派閥は揺るがず・二階派が最多の10人減https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20211103-OYT1I50099/

『自民党の派閥は、衆院選後も細田派が最大派閥の座を守った。各派閥とも落選やベテランの引退で人数を減らしており、衆院選で当選した新人の囲い込みに注力している。

 衆院が解散された10月14日時点で95人を擁した最大派閥の細田派は、中山泰秀・元外務副大臣らが落選し、87人となった。同派は若手議員が多く、議席の確保を不安視する向きもあったが、他派閥を大きく引き離す最大勢力の地位は揺らがなかった。
自民党

 第2派閥だった竹下派は、三原朝彦・元衆院外務委員長らが議席を守れず、53人から46人に減らした。同派に次ぐ52人だった麻生派は、原田義昭・元環境相らが落選し、49人となったが、竹下派を上回った。

 10人減と落ち込みが最大だったのが二階派だ。伊吹文明・元衆院議長、河村建夫・元官房長官の引退に加え、福井照・元沖縄北方相らが落選したため、47人から37人に減退した。党総裁の岸田首相が率いる岸田派は、宮腰光寛・元沖縄北方相らの引退や山本幸三・元地方創生相らの落選で46人から41人になった。
不利な情勢が伝えられ、厳しい表情を見せる石原伸晃氏(10月31日)

 石破派は、鴨下一郎・元環境相の引退などで15人から12人に縮小した。最小派閥の石原派は、会長の石原伸晃・元幹事長や野田毅・元自治相らが落選し、7人にまで減った。各派は衆院選中から新人の囲い込みに乗り出し、勢力拡大を目指している。』

※ 公式的には、上記のように語られる…。

※ しかし、「菅派」は、前記の「一覧表」から計算すると、衆議院議員:16人(菅氏も含めて) 参議院議員:11人の陣容で、16+11=27人は、少なくともいるようだ…。

※ あとは、「他派閥」に在籍しながら、「イザともなれば、”菅支持”で動く議員」の数が、どれくらいかだ…。

※ まあ、”予測”の範疇の話しだし、ここで”当てっこ”しても、しょうがない…。

※ 数人(多くて、5~6人か)はいるだろう…、という程度か…。

※ それでも二階派、岸田派に迫る勢力であることは、確かだろう…。

〔菅さんの勢力を探ってみる…。〕

※ これだと、菅さんの「応援部隊」がどれくらいの勢力なのか、分からないんだよね…。

※ 問題は、その「無派閥」の中に(もしくは、「各派閥」の中に)、どれだけの「菅シンパ」がいるのかだ…。

※ 一応、「菅シンパ」として表立って活動しているのは、「ガネーシャの会」のメンバーのようだ…。

※ 上記のガネーシャの会のメンバーとして挙がっている、衆議院議員について、今回の衆院選の当落を調べてみた…。

〔ガネーシャの会メンバー、衆院選の結果〕

牧原秀樹  〇(比例復活)
田中良生  〇
坂井学   〇
山本朋広  〇(比例復活)
星野剛士  〇(比例復活)
熊田裕通  〇
大串正樹  〇(比例復活)
田中英之  〇(比例復活)
黄川田仁志 〇
藤井比早之 〇
武村展英  〇
秋本真利  〇(比例復活)
三谷英弘  〇(比例復活)
穂坂泰   〇

※ 選挙区選挙では、苦杯をなめた人も、比例区でしぶとく復活している…。

※ まあ、もともと、「世襲の地盤」は無く、他党の勢力が強い選挙区で、地道に活動して支持を増やし、自分の地盤を作った人が多い感じだ…。

※ そして、菅さん及びそれを支えた”先輩”たちが、いろいろ支援して、育成したんだろう…。

※ やはり、菅さんは、侮れない”一大勢力”を率いている…、と見ておいた方がいいようだ…。

※ 今日は、こんなところで…。

Nuclear Power in South Korea (Updated October 2021)

Nuclear Power in South Korea (Updated October 2021)
https://st2019.site/?p=17807

『韓国には24基の原発が稼動中。2基が建設中。運転を終了させられたのは、2基。

 2019統計によると、韓国の電力は、石炭火力で42%、天然ガスで25%、原子力で25%、ソーラーで2%、石油で2%、バイオ燃料で2%、水力で1%、風力でごくわずか、発電されている。

 燃料用のウランは、カザフスタン、カナダ、豪州、ニジェール、その他から輸入している。

 韓国の高レベル放射性廃棄物の処理を担任させる「Korea Radioactive Waste Management Corporation」という法人が2009年に設立された。
 2013年にこの法人は「Korea Radioactive Waste Agency」と改名した。

 韓国には使用済み燃料を処理する中央施設がない。現状、各発電所において、使用済み燃料は保管されている。
 2万トンを処理できる中間処理施設が計画されている。しかしその施設が運開するのは2035年といわれている。

 2015年末までに1万4000トンの使用済み燃料が貯蔵されている。
 その半分は蔚山にあるCANDU炉のオンサイト・プールにある。

 プールで6年間冷やしたあとに、乾燥貯蔵できる。
 また、各原発のプールが満杯になったら、最初から乾燥貯蔵するようにする。

 高レベル廃棄物の最終処分場の話は難航している。なんと2050年代のなかばまでは、それはできあがらない見通しだ。

 韓国の「商工エネルギー省」(MOTIE)は、増え続ける高レベル廃棄物を、海外で貯蔵することができないか、検討している。

 韓国は「再処理」ができない。これは米国がさせないのである。2015-6に米韓両政府は、これからさらに20年、韓国内では再処理をしないことで合意している。

 再処理を外国企業に頼むと、べらぼうに高額な費用がかかる。これは日本がフランスのArevaに再処理を頼んでいる費用から知れる。とにかく輸送コストが高くなりすぎ。

 LILW(低~中レベルの放射性廃棄物)は、200リッター容量のドラム缶に詰めて、各原発の敷地内に貯蔵している。すでに6万個のドラム缶が堆積している。

 2014-6には、ガラス固化したILWを詰めたドラム缶を浅く地中に埋めてしまう処分場ができあがった。
 深さ80m、直径24mの「サイロ」に投入するのである。このサイロが6つで、10万個のドラム缶を埋めてしまえる。

 さらに12万5000個のドラム缶を埋められる施設が2019には竣工するであろう。

 ※この記事は2021-10にアップデートされたと書いてありながら、古い話に終始している。最近事情が隠されているということは、韓国内で高レベルから低レベルまでの放射性廃棄物を持って行く場がもう無いということではないのか。2019に運転終了した蔚山1号炉の跡地などが、大規模貯蔵/処分地なのか?』

「Chinese President Xi’s “Secret Philosopher” Analyzed America And His Findings Could Reverse Our Country’s Decline」

2021-10-23の書評「Chinese President Xi’s “Secret Philosopher” Analyzed America And His Findings Could Reverse Our Country’s Decline」
https://st2019.site/?p=17804

 ※ 王滬寧氏、どうしているんだろうか…。

 ※ この記事によると、今現在も中国共産党及び習近平氏の、「精神的支柱」であり続けている…、ということなんだが…。

『習近平のチャイナドリームだとか一帯一路だとか腐敗撲滅だとか、そのすべての政治キャンペーンの趣意書は、王滬寧が書いた。王滬寧は江沢民によって抜擢された、1955年生まれの、当代中国随一の理論派政治局員である。

 習は外国人と親しくしない。だから何を考えているのか分からない。しかし王滬寧は米国の大学で客員教授をしていたことがあり、著作があり、米国を滅ぼすのは米国だという考えを持っている。王滬寧の対米観を分析することが、中共が進みつつあるコースを正しく判定する鍵だ。

 直近の半年で、習近平は、チャラいキャラクターのテレビ俳優を禁止し、有名人の子どもをTVリアリティショーで取り上げることを禁止し、美容整形医療のTVCMを禁じた。すべてその背後には、王滬寧の理論がある。

 つまりこれらは熊プーの軽々しい思いつきなどではないのだ。もっと根深い、王滬寧の前々からの世界観がストレートに出てきているのである。

 中共は一人の独裁でなければダメなんだというのが王滬寧の信念だが、さらにその独裁者には、健全なシナ社会を構築する義務もあるんだと王滬寧が焚き付けてやまないのである。

 欧米の病的社会を、中共に移入させてはならないという王滬寧の思いが、熊プーを通じて、いよいよ実際の政策に反映されているのである。

 王滬寧が何を考えているかを知るには、滞米3年の末の1991に本人が書いた『アメリカ対アメリカ』を訳して読み込まなくてはいけない。いままでこの英訳が、なかった。

  ※理由はこの書評の後半であきらかになる。米国の黒人はどの町でもどうしようもなかった――とハッキリ書きすぎているのだ。これでは大手出版社が尻込みしてしまうわけだ。

 2000年前から存在するのにパッとしない「シナ文明現象」と、建国200年にして世界をリード中である「アメリカ文明現象」の違いはどこから来ているかを解明することこそ、在米のシナ人インテリの義務じゃないかと、王滬寧は吼える。
 そこを解明することで、中共は強くなれるはずだと。

 王滬寧は、「米国の都市部」と「米国の田舎」の違いに、最も興味を持っていたようである。

 米国は、その社会の中に危機を抱え込んでいる、と王滬寧は見る。

 アメリカ合衆国は、「価値のデス・スパイラル」の渦中に在る。

 王滬寧は、アレン・ブルームが『アメリカン・マインドの終焉』の中で嘆いていたテーマに注目する。今日の西洋の大学は、西洋文明を成立させた伝統の価値を学生に伝授することができなくなっているのだ、と。

 ブルームに言わせると、1950年代の文化相対主義が、特に、有害であった。
 その風潮が、西洋を鞏固にしてきた西洋哲学および文学の主流を学生に学習させなくなった。その結果、若い西洋人は、自然と科学と人間の位置関係を自己把握できなくなり、西洋文明を未来に推し進めるパワーを持てなくなってしまった。これは文明の自己破壊である。

 ブルームが、大学で学生たちに、これまで印象を最も受けた書籍は何かと尋ねたとき、誰も古典名著の名前を挙げなかったので、衝撃を受けたそうである。

 フェミニズムが、19世紀の名作小説を貶めている。しかし1990年代のフェミニズムは19世紀の西洋文化を経た上でしか成り立たないものなのだ。そこを捨象するニヒリズムが、米国のインテリの間に蔓延している。

 王滬寧は、米国の旅行会社のシステムと、農村に、最も感銘を受けた。シナでは農家といったらそれは核家族ではあり得ない。ところが米国の農家には夫婦が2人しか住んでいない。シナと米国では「農民」「農村」の意味が全く異なるのだと気づかされた。

 そして王滬寧は気づいた。1980年代の米国では誰も農業をやりたがっていない。臭くて汚いと思っている。じっさい、そうである。息子も農家を継ぎたくない。

 米国政治の安定は、米国社会が決して食料を筆頭とする必需物資に不足することはないという下部条件によって支えられている。今後、それは崩れるかもしれない。

 こんにち、アメリカの農民の平均年齢は57.5歳であり、一部の地域では60歳を超えている。

 いま習近平がテンセントやアリババなどのテック企業をいじめているが、これも王滬寧の危機感に基づいている。王滬寧は、《社会を骨なしにするもの》を憎んでいるのである。社会の「コア」を防衛しなければならないと信じているのだ。

 ゲーテいわく。外国語をひとつも知らん者は、じぶん自身についても知ることがないと。』

[FT]米政府、OPECプラスの増産見送りにいら立ち

[FT]米政府、OPECプラスの増産見送りにいら立ち
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB080EP0Y1A101C2000000/

『石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」が4日の閣僚協議で石油の追加増産を見送ったことを受け、米政府は世界経済の回復が遅れる恐れがあると指摘し、燃料価格を下げるために必要な「あらゆる手段」を取る用意があると警告した。

OPECプラスは毎月日量40万バレル増産する計画の継続を決めたが、追加増産は見送った=ロイター

サウジアラビアが主導するOPECとロシアなどは、石油価格の高騰を抑えるための米国の増産要請を受け入れなかった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による低迷から需要が急回復しているにもかかわらず、生産量を緩やかにしか増やさない方針を維持すると決めた。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は「世界の国々が回復に向かうこの重要な時に、OPECプラスは能力や影響力を行使する気がないようだ」と不満を表明し、「需要と供給のミスマッチによって世界経済の回復が損なわれることがあってはならない、というのが我々の見解だ」と述べた。

経済活動がパンデミック前の水準に完全に戻ったわけではなく、エネルギー価格の上昇でインフレ懸念が生じているにもかかわらず、石油価格は7年ぶりの高水準に近付いている。OPECプラスの会合を受け、北海ブレント先物相場は約2%下落して1バレル80ドルをつけた。

戦略備蓄の放出も視野に

バイデン米大統領は、1年で60%という国内ガソリン価格の高騰は、ロシアとサウジが石油供給を抑えていることが原因だと非難している。

グランホルム米エネルギー長官は先月、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に対し、過去1年で2倍以上に上昇した原油価格の沈静化には、石油の戦略備蓄の放出もバイデン政権が持つ「手段」の一つだと語った。

サウジは4日、毎月日量40万バレルずつ緩やかに増やしていく方針は「責任ある規制当局」としての行動だと自己弁護した。サウジのエネルギー相を務めるアブドルアジズ王子は記者会見で「この数カ月繰り返し何度も目の当たりにしたのは、エネルギー市場は統制しなければとんでもない方向に向かうということだ」と強調した。

OPECプラスは統一戦線を組んで米国に対峙しようとしている。メキシコからアラブ首長国連邦(UAE)まで各国のエネルギー相が決定を支持した。声明では「石油市場の外にあるエネルギー複合体の他の部分で極端な変動と不安定さが生じている中で、市場に明確さをもたらしたい」と表明した。

アブドルアジズ氏は、天然ガスや石炭市場では今年になって石油よりも価格上昇が進んでいたと繰り返し言及し、OPECの決定を正当化した。だがこの説明で米ホワイトハウスを満足させることはできなかった。

緊迫する米サウジ関係

サウジは長い間、米政府にとって中東で最も重要な同盟国の一つだったが、バイデン政権との緊張感は高まるばかりだ。

バイデン氏はサルマン国王の後継者で実質的な支配者であるムハンマド皇太子との会談を拒否している。3月には米国家情報長官室がサウジの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害を皇太子が承認したとする機密調査書を公開した。

皇太子の異母兄弟であるアブドルアジズ氏は、化石燃料への依存度を下げる一方でサウジに石油増産を求める欧米諸国に不満を抱えているとみられる。

米JPモルガンの石油・ガス調査部門を率いるクリスチャン・マレク氏は「米国が徹底した気候変動対策を取ろうとしており、米サウジ関係は緊迫化の瀬戸際にある」と指摘する。「だがそれを背景に、サウジは自国のエネルギー転換のための資金を必要としている。そしてそれに見合う石油価格と対外関係を探っている」という。

米政府はまた、欧州とアジアで価格が年初から5倍に上昇した天然ガス市場でのロシアの動きを注視していると明らかにした。欧米の一部の政治家は、ロシア政府による西欧への供給制限がガス価格の高騰を加速していると非難する。

米調査会社ラピダン・エナジー・グループのトップでブッシュ元大統領(第43代)の特別補佐官を務めたボブ・マクナリー氏は、OPECプラスの決定は消費国で波紋を呼ぶ可能性があると話す。「OPECプラスのゼロ回答とバイデン氏が明確に脅しをかけていることを踏まえると、国際エネルギー機関(IEA)ではないにしても米国が石油の戦略備蓄を放出する可能性は、他の報復手段とともに急速に高まっている」と同氏は指摘する。

米国は昨年、パンデミックで打撃を受けた産業を支えるため、サウジとロシアに歴史的な減産を迫った。落ち込んだ石油供給の回復に向け、OPECプラスは現在、2022年末まで毎月日量40万バレル増産する計画を実行している。

By David Sheppard, Tom Wilson, Derek Brower and Myles McCormick

(2021年11月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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トルコ、シリア侵攻作戦を準備か ロシアと水面下協議も

トルコ、シリア侵攻作戦を準備か ロシアと水面下協議も
クルド系掃討で政権浮揚狙う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR035E70T01C21A1000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】トルコが隣国シリアへの越境軍事作戦の準備を進めているもようだ。政府は侵攻の用意を表明しており、シリアに影響力を持つロシアと水面下の交渉を行っているとの情報もある。テロ組織とみなすクルド系武装勢力を掃討し、低迷する政権支持率回復につなげる思惑がある。

「いつでも必要な時に越境作戦を行う。テロ組織との戦いから退却することはない」。トルコ国営放送によると、エルドアン大統領はローマを訪れていた1日、同行記者団にこう語った。

シリアと国境を接するトルコ南部では10月、シリア側からの越境ミサイル攻撃を受けてトルコ人警察官2人が死亡した。トルコはクルド系武装勢力によるものだとして、越境軍事作戦で国境の安全を確保する考えを示唆している。

トルコの議会は10月26日、シリアとイラクへの派兵期限を2年延長した。シリア人権監視団(英国)は9月末以降、550台以上の軍用車両がトルコからシリア国内に入ったほか、トルコが支援するシリア反体制派がクルド系勢力の支配地近くに移動していると指摘する。ロイター通信は4日、「軍事作戦の実施に必要な準備はまもなく完成する」とするシリア反体制派スポークスマンの話を伝えた。

トルコは2016年以降、3度にわたってシリアへの越境軍事作戦を実施し、国境沿いの一部地域を占領下に置いている。テロ組織とみなすシリアのクルド系武装勢力を国境沿いから排除し、「安全地帯」を設ける考えだ。4度目の軍事作戦を実施する場合、現在の占領地域を分断するユーフラテ川以東の国境地帯が目標になるとみられている。

このタイミングで再び軍事作戦の実施をほのめかす理由について、シンクタンク、ジャーマン・マーシャル・ファンドのオズギュル・ウンルヒサルジュクル氏は「経済の苦境から国民の関心をそらす狙いがある」とみる。20%近い高インフレで、エルドアン氏の支持率は複数の世論調査で軒並み過去最低水準に沈んでいる。

ウンルヒサルジュクル氏は、トルコが支援する反政府勢力がシリア北西部イドリブ県で守勢に立たされていることも背景にあると指摘する。イドリブではおおむね停戦が維持されているが、アサド政権や後ろ盾になっているロシアの力が強く、トルコの勢力圏は徐々に後退している。こうした情勢を受けて「代わりの土地を取ってみせる必要がある」という。

中東のネットメディア「ミドルイースト・アイ」は、シリアでは対立する立場にあるトルコとロシアがひそかに協議していると報じた。クルド系勢力の拠点をトルコが占領するのをロシアが黙認する代わり、トルコがイドリブで主要幹線道路周辺から後退する案などが検討されているという。

もっとも、ロシアと同じくアサド政権を支援するイランや、クルド系勢力と協力関係にある米国などもトルコのシリア侵攻に反対する立場にある。シンクタンクEDAMのアナリスト、シネ・オズカラシャヒン氏は、新たな軍事作戦が実施されるかは判断しがたいとした上で「実施されても規模は限定的だろう」とみる。』

米軍艦黒海入りをけん制 ロ国防相、演習実施

米軍艦黒海入りをけん制 ロ国防相、演習実施
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM080N40Y1A101C2000000/

『【モスクワ=共同】ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ南部沿岸の黒海に入った米海軍第6艦隊の旗艦マウント・ホイットニーなどに関し「観光のためではないことをわれわれは理解している」と述べ、けん制した。ロシア国営テレビが7日報じた。

ロシア黒海艦隊は同日、フリゲート艦アドミラル・エッセンが黒海沿岸で敵のミサイル攻撃を想定した演習を行ったと発表した。

ショイグ氏は「沿岸国以外の船が入域する時、射程の長い精密兵器を積んでいることを知っている」とも述べ「(ロシアに対する)いかなる挑発行為も起こり得る」と警戒感を示した。

黒海海域では10月30日、米駆逐艦ポーターが入り、その後マウント・ホイットニーが合流。ロシア海軍は4日、監視活動を始めたと発表した。』

バイデン氏、イラク首相暗殺未遂を非難 犯人特定へ支援

バイデン氏、イラク首相暗殺未遂を非難 犯人特定へ支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN074JU0X01C21A1000000/

『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は7日に公表した声明で、イラクのカディミ首相の暗殺未遂事件について「強く非難する」と強調した。実行犯の特定に向けてイラク治安当局に「全ての適切な支援」を提供すると説明した。

イラク国営メディアによると、首都バグダッド中心部にあるカディミ氏の住居に対し7日、無人機による攻撃があった。カディミ氏は避難し、けがはなかった。治安当局が捜査に着手している。

バイデン氏は声明で「イラクの民主的プロセスを弱体化させるために暴力を使う者を最も強い言葉で非難する」と強調した。「イラクが主権や独立の維持を目指すなかで米国はイラクの政府や国民と強く連帯していく」とも訴えた。

イラクでは10月の議会選をめぐり、親イラン勢力の支持者が不正を訴えて抗議デモを激化させ、政情が不安定になっている。バイデン政権は事件にイランの関与があったかどうかについても調査を進めるとみられる。

イラクでは米軍の駐留拠点や米大使館を標的にしたとみられるロケット弾や無人機による攻撃がたびたび起きている。イランの支援を受ける武装勢力が実行しているとの見方が根強い。

【関連記事】イラク首相、暗殺未遂 自宅に無人機攻撃 』

米民主党、目玉法案の規模縮小余儀なくされる見込み=政権高官(2021年10月4日8:33 午前Updated 1ヶ月前)

米民主党、目玉法案の規模縮小余儀なくされる見込み=政権高官
(2021年10月4日8:33 午前Updated 1ヶ月前)
https://jp.reuters.com/article/usa-biden-infrastructure-idJPKBN2GT0NR

『[ワシントン 3日 ロイター] – 米ホワイトハウスの公的関与担当上級顧問、セドリック・リッチモンド氏は3日、バイデン大統領の看板政策であるインフラ投資法案と気候・社会保障関連歳出法案について、民主党は党内の一部穏健派や野党・共和党の反対により規模縮小を迫られ、失望を覚えるのは必至だとの見方を示した。
10月3日、米ホワイトハウスの公的関与担当上級顧問、セドリック・リッチモンド氏は、バイデン大統領の看板政策であるインフラ投資法案と気候・社会保障関連歳出法案について、民主党は党内の一部穏健派や野党・共和党の反対により規模縮小を迫られ、失望を覚えるのは必至だとの見方を示した。写真は米ホワイトハウス。2日撮影(2021年 ロイター/Al Drago)

同氏は、米NBCのテレビ番組で「人々は失望するだろう。要求している項目全てが盛り込まれることはないとみられ、それが法制化というものだ。ただ、両法案を成立させることが目標で、それを達成するまでわれわれは奮闘する」と表明した。

民主党の一部は、3兆5000億ドル規模の社会保障関連法案は2兆ドル近くまで縮小する必要があると主張。とりわけ、上院のキルステン・シネマ、ジョー・マンチン両議員をはじめとする穏健派は、現行規模に反対しており、マンチン氏は1兆5000億ドルに近い数字なら受け入れ可能との立場を示している。

ペロシ下院議長は穏健派の要請で先週中に1兆ドル規模の超党派インフラ法案の採決を行う予定だったが、直前で先送りした。社会保障関連法案との並行審議を求める党内の進歩派に屈した形だ。

バイデン氏はインフラ投資法案と社会保障関連歳出法案を成立させるために「必死に取り組む」と強調。ホワイトハウスによると、5日には両法案への支持を取り付けるためにミシガン州を訪問する。

上院民主党トップのシューマー院内総務は、1カ月以内に両法案を成立させることを目標に掲げた。議会はデフォルト(債務不履行)回避に向け債務上限問題にも取り組む必要がある。

進歩派議員連盟「プログレッシブ・コーカス」の会長を務める民主党の有力下院議員、プラミヤ・ジャヤパル氏は3日、社会保障関連歳出法案は1兆5000億─3兆5000億ドルの範囲なら受け入れ可能との見方を示した。

進歩派のバーニー・サンダース上院議員はABCニュースの番組で、3兆5000億ドルは「最低限」の数字だと強調。ただ、ギブアンドテイクが必要だと理解しているとも述べた。

ジャヤパル氏と進歩派のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は3日、社会保障関連歳出法案は、一部事業の資金手当ての期間を短くすれば規模縮小が可能だと指摘。ただ、気候変動対策については、交渉の余地はないとした。

穏健派のシネマ氏は2日、インフラ投資法案の採決を延長したのは「許容できない行為」で、信頼を損ねたとして党指導部を強く批判。ペロシ氏は同日、10月31日よりかなり前に採決を行う考えを示した。』

バイデン氏、上級顧問に黒人議員のリッチモンド氏起用

バイデン氏、上級顧問に黒人議員のリッチモンド氏起用
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66357550Y0A111C2EAF000/

『【ワシントン=中村亮】米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は17日、大統領上級顧問にセドリック・リッチモンド下院議員をあてると発表した。黒人を起用し人種の多様性を訴える。選対本部長を務めたジェニファー・オマリーディロン氏を大統領副首席補佐官、歴代政権で要職を歴任したスティーブ・リケッティ氏を大統領顧問にあてる。

リッチモンド氏は対外情報発信に加え、国民の意見を吸い上げる役割を担う。下院の「議会黒人議連」のトップを務めたほか、民主党指導部に近く、バイデン政権では議会との調整役も担うとみられる。民主党の大統領候補を争う予備選では早い段階でバイデン氏支持を表明した。過去のバイデン氏の言動が人種差別的だとの批判が広がると同氏を擁護することもあった。

バイデン氏の政権人事はオバマ前政権につながりのある人物の起用が目立つ。オマリーディロン氏は2012年の大統領選でオバマ氏の選挙陣営幹部、リケッティ氏はバイデン氏の首席補佐官をそれぞれ務めた。大統領法律顧問に就くダナ・レムス氏もオバマ政権下のホワイトハウスで勤務した。

バイデン氏は11日、大統領首席補佐官にオバマ政権で要職を務めた腹心のロン・クレイン氏を起用すると発表していた。』

インフラ投資「22年春までに開始」 米大統領上級顧問

インフラ投資「22年春までに開始」 米大統領上級顧問
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0800H0Y1A101C2000000/

『【ワシントン=中村亮】セドリック・リッチモンド米大統領上級顧問は7日、インフラ投資法案をめぐり、具体的な事業が来年春までに始まるとの見通しを示した。バイデン大統領は10日に東部メリーランド州で支持者集会を開き、インフラ投資の効果を訴える。

リッチモンド氏は7日のCBSテレビのインタビューで「春までに着工可能なプロジェクトがあるか」と問われて「我々はとても楽観的であり、ほぼ確実にある」と答えた。議会下院は5日夜、1兆ドル(約110兆円)規模のインフラ投資法案を可決し、バイデン氏が近く署名して成立する。

バイデン氏は7日に「米国の将来へ一世代に一度の投資を実施する歴史的法律に署名することを楽しみにしている」とツイッターに書きこんだ。

2日の南部バージニア州の知事選では、バイデン氏が率いる民主党が12年ぶりに敗北した。クレイン大統領首席補佐官はNBCテレビのインタビューで敗因について「(民主党に対し)有権者がさらなる行動を望んでいた」と分析。インフラ投資法案の成立が有権者からの信頼回復のきっかけになると強調した。

エネルギー価格の上昇は米経済の不安材料だ。グランホルム・エネルギー長官はCNNテレビのインタビューで米国の暖房費をめぐり「昨年に比べて今年は高くなる」と認めた。ガソリン価格が1ガロン4ドルに上がらないことを望むとした。足元のガソリンの全米平均価格は1ガロン3.4ドル程度で推移している。

【関連記事】

・米政権、インフラ投資で成長底上げ 輸送網・EV設備整備
・米インフラ法案成立へ 下院可決、110兆円規模 』

主流派と側近、次々登用 バイデン人事

主流派と側近、次々登用 バイデン人事、左派は不満―米
2020年11月18日20時31分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111800699&g=int

『【ワシントン時事】米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は17日、ホワイトハウスの高官人事を発表した。バイデン氏を長年支えてきた側近やワシントン政治に精通した党の「主流派」が目立つ陣容。既成政治を批判してアウトサイダーを重用したトランプ大統領との違いが際立っている。

トランプ氏、サイバー安全局長更迭 大統領選「安全」声明に反発

 大統領顧問に起用されたスティーブ・リケッティ氏は歴代民主党政権でホワイトハウス入りし、バイデン選対では財界から多額の献金を集めたと評価される人物。

議会との交渉を担う上級顧問には黒人議員連盟元会長のセドリック・リッチモンド下院議員が就く。

 先に大統領首席補佐官に起用されたロン・クレイン氏や、大統領上級顧問への就任が決まったマイク・ドニロン氏もバイデン氏を長く支えた腹心。

選対本部長を務めた女性のジェニファー・ディロン氏は大統領次席補佐官への起用が決まった。バイデン氏は声明で政権運営に「多様な視点と一体的な献身」をもたらす陣容だとアピールした。

 トランプ政権では、娘婿のクシュナー上級顧問ら「一族」のほか、バノン元首席戦略官らアウトサイダーが重用された。

ある専門家はUSAトゥデー紙に「経験者の力を借りる意思も能力もなかったトランプ氏が最初から大きなハンディを負っていたのと比べ、バイデン氏は自分自身とスタッフの豊かな経験を当てにできる」と指摘した。

 一方、サンダース上院議員ら革新派議員を支える民主党の政治団体「ジャスティス・デモクラッツ」は17日の声明で、ロビイスト経験の長いリケッティ氏や共和党にも人脈を持つリッチモンド氏を「企業に優しいインサイダー」だと批判。「革新派は民主党の半分を構成している」と主張し、人事の偏りに不満を表明した。 』

「人の命を武器に」 ベラルーシがEUに送る不法移民

「人の命を武器に」 ベラルーシがEUに送る不法移民
モスクワ支局 石川陽平
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR235AS0T21C21A0000000/

『旧ソ連のベラルーシから隣り合う欧州連合(EU)諸国へ向かう大量の不法移民が5月以降、歩いて国境を越え、地域情勢を揺るがしている。バルト諸国の1つ、リトアニアの現場を訪れ、実情を探った。

増設された難民受け入れセンター

10月20日、リトアニア中部のルクラに設けられた移民の収容施設には9月に増設されたばかりだという青いコンテナ・ハウスが何十軒もひしめくように立ち並んでいた。柵で仕切られた敷地では子どもたちがサッカーボールを追い、それを大人たちがうつろな目で見つめている。

収容施設はリトアニア政府が設けている難民受け入れセンターだ。家族連れや障害を持つ不法移民ら700人以上が収容されていた。イラクからの移民が大半を占め、シリアやアフガニスタン、アフリカ大陸などの出身者もいる。学校に通えなくなった子どもたちには教育プログラムを提供しているという。

国境警備局によると、リトアニア国内ではベラルーシ国境を越えてきたこうした不法移民が10月時点で約3600人いた。各地に収容された彼らは、施設の柵の外に出ることは許されない。

「国境近くで置いて行かれた」

「我々はこの先はどうなるのか…。とてもつらい」。ルクラの施設で会ったシリア出身の男性(37)は悲嘆に暮れた表情でこう語った。この夏、手配業者にお金を払って息子と航空機でロシアに到着した後、ベラルーシに来た。「国境近くに連れて来られ、置いて行かれた」という。国境を越えると、たちまちリトアニアの警備当局に拘束された。

別の収容施設では、高いフェンスで仕切られた敷地内で、イラク人のヘイダル(20)さんが友人たちと、することもなく日なたぼっこをしていた。「家族とここで70日間ほど暮らしている。お金はない、たばこは吸えない。監獄みたいだ」とこぼす。1人2000ドル(約22万円)を手配業者に払い、イラクからベラルーシへのビザや航空券などを入手してもらったという。

ベラルーシとの国境を越えてやって来る不法移民は5月から急増した。2020年には年間で83人だったこうした移民の数が21年10月までに4000人を超えた。現在は警備の強化などにより減少しているものの、国境地帯は緊張が続く。
10月14日、ベラルーシとの国境地帯でポーランドの国境警備隊に取り囲まれたイラクからの不法移民=ロイター

「欧州に簡単に行けます」。彼らの多くはまず、インターネットでこうした広告を見つける。戦争や紛争による混乱や貧困、犯罪、宗教的迫害を逃れ、「欧州で暮らしたい」と決心をする。広告の主はルカシェンコ政権とつながりがあり、観光業者などを装った手配業者とみられる。

移民の希望者は1人2000~4500ドルほどを支払う。定期便やチャーター便でベラルーシの首都ミンスクまで来て、バスやタクシーで国境地域に連れて来られる。バスはベラルーシ政府当局の護衛が付くこともあるという。フェンスがないところや乗り越えられそうな地点を見つけて、手荷物だけ持って身を潜めるように国境を越える。

リトアニア南部の深い森に覆われた国境地帯を訪れると、高さ2メートルほどの白いフェンスがベラルーシ領との境界線に沿って続いていた。黄色の看板が立てられ、「(帯状に続く国境地域への)立ち入りには国境警備局の許可が必要」との警告が書かれている。そこかしこに設置された監視カメラが目を光らせる。同行した現地の案内人が実際にフェンスに近づくと、数分で警備当局の車が飛んできた。

移民急増と重なるベラルーシ政権の動き

不法移民が急増した時期は、ベラルーシの独裁的なルカシェンコ政権が5月に独立系メディアの編集者を逮捕した旅客機の強制着陸事件の発生時とほぼ重なる。同国上空を通過中の旅客機を戦闘機を使って強制着陸させ、政権を批判していた編集者を拘束した。政権は欧米から厳しい批判を浴び、制裁を受けた。
ビリニュスで日本経済新聞の取材に応じたリトアニア国境警備局のルスタマス・リュバエワス司令官

リトアニア国境警備局トップのルスタマス・リュバエワス司令官は日本経済新聞の取材に「不法移民の流れはとてもよく組織されている」と指摘し、ルカシェンコ政権の関与を示す証拠はいくらでもあると語った。

関与しているとみられるのはベラルーシの国境警備当局だけではない。治安機関の国家保安委員会(KGB)や内務省系の様々な組織がかかわっているという。犯罪グループも深く関与し、ロシアの治安機関が「指示や助言をしているようだ」とも示唆する。

「人間の命を武器にしている」。リュバエワス司令官は憤りを隠さない。ルカシェンコ政権の目的は、隣り合うEU諸国の情勢を不安定にし、政権に厳しい制裁を科しているEUに揺さぶりをかけることにあると断言する。

不法移民の組織化はEUへの「攻撃」だけでなく、政権内の汚職の側面もある。ルカシェンコ大統領自身の指示で行われているとみられ、移民希望者が支払う資金は治安機関や政権に近い組織に流れ込んでいる可能性が高い。

「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ氏は20年8月の大統領選で6選を果たした。だが、大統領選の直後から政権による不正を批判する大規模な抗議デモが続いた。年末までに反政権デモを武力でようやく鎮圧し、数多くの反体制派の活動家を弾圧したり、事実上の国外追放にしたりした。

国民の強い反発にもかかわらずルカシェンコ氏がいまも独裁的な権力を維持できているのは、KGBなど強力な治安機関を持っているからだ。「不法移民ビジネス」はそうした政権内の組織に少なからぬ資金をもたらし、同氏への忠誠を保たせることにも役立っているようだ。
隣国は「非常事態」と警備を強化

不法移民はリトアニアだけでなくポーランドやラトビアにも向かった。ベラルーシと国境を接する3カ国は相次ぎ「非常事態」を宣言し、国境のフェンス増設や警備の人員増強などEUの協力も受けて対策を急いだ。

隣国だけではなくEU全体の問題だとの認識が広がる。10月18日には、EU外相理事会が「政治的目的のために移民を利用することは受け入れられない」として、ベラルーシへの追加制裁の検討に入った。
10月14日、ベラルーシとの国境地帯でポーランドの国境警備隊に取り囲まれたイラク人女性と子どもたち=ロイター

確かにルカシェンコ政権には大きな責任があるが、もう一つ深刻な原因がある。

「もうイラクには帰りたくない。あの国は終わりだ」。ヘイダルさんは吐き捨てるように言った。米国を中心とした有志連合が2003年にフセイン政権を崩壊させたイラク戦争以降、国内情勢は混迷を続け、テロや少数派への迫害が広がった。

リトアニアで会った「不法移民」と呼ばれる人々は「家族の安全と仕事がほしい」「貧困から抜け出したい」と口々に語っていた。彼らが母国でふつうの日常が送れるように根本的な対策が講じられない限り、欧州へと駆り立てられるように向かう人々の絶望的な衝動を抑え込むことは難しい。

【関連記事】

・[FT]ポーランド、ベラルーシ国境の警備兵1万人に増強
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・[FT]EU、リトアニア支援 ベラルーシ経由の移民対策で 』

中国共産党、歴史漫画で若者に訴え 天安門事件は省略

中国共産党、歴史漫画で若者に訴え 天安門事件は省略
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM216440R21C21A0000000/

『【北京=羽田野主】中国共産党は1921年7月の創立から100年の歩みを漫画にして出版した。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の新型コロナウイルス対策などを業績として誇示する一方で、若者らが民主化を求める動きを武力で鎮圧した「天安門事件」は省略した。党の成功体験を前面に出し、一党支配を正当化する内容だ。

【関連記事】中国共産党、6中全会開幕へ 第3の「歴史決議」を議論

漫画は「中国共産党の歴史」とのタイトルで、党直属の中央党史文献研究院が指導・審査し、9月に出版した。子ども向けのイラストと短い文章で217ページにわたって党の「歴史」を紹介している。

習氏の業績として脱貧困の達成や、ややゆとりのある「小康社会」の実現を挙げた。習氏肝煎りの経済圏構想「一帯一路」を巡っても130カ国以上が協定に署名し、交易路が広がったと説明している。

一方で党の負の遺産はほとんど描かれていない。1989年に北京で起きた天安門事件は一切触れられていない。

建国の父、毛沢東が権力奪還のため発動し、全国で1000万人以上が死亡したとの推計もある文化大革命は「全国でひどい政治・社会の危機に陥った」と述べるにとどめた。「複雑な国際・国内の社会・歴史が原因」とした。

それよりもページを割いたのが文革期の1966~76年に挙げた実績だ。「わが国は依然として素晴らしい成果を挙げた」と強調した。初めてとなる水爆実験や人工衛星の打ち上げ成功、ニクソン米大統領の訪中などを挙げた。

異例ともいえる漫画の出版は、党が深く関与しているだけに、結党以来100年の歴史を総括する「歴史決議」とも関わりがありそうだ。共産党は8日に開く重要会議、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)で「歴史決議」を採択する。

毛と改革開放を進めた鄧小平の時代に続く第3の決議となる。習氏の権威を大きく高め、2022年秋の党大会で、3期目に入るための布石とみられている。

過去2回の決議は「歴史問題」に焦点を当てて、前の時代の否定に意味を置いた。今回の決議は党100年の歩みを歴史的成果として時代に区切りをつけ、習氏の「新時代」に入るためのステップにする。文革などへの言及は限られるとみられる。

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説

タイミング的に、この歴史漫画の内容は間違いなく今日から開催される「六中全会」の歴史決議を反映しているだろう。今回の歴史決議で「歴史的転機」がどう語られるか。

今後の中国の進むべき方向性を示すものとなることから注目される。
2021年11月8日 8:42 』

中国共産党、6中全会開幕へ 第3の「歴史決議」を議論

中国共産党、6中全会開幕へ 第3の「歴史決議」を議論
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM071880X01C21A1000000/

『【北京=羽田野主】中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が8日、開幕した。共産党にとって3度目の「歴史決議」を採択する見通しだ。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は自らの権威を高め、来年秋の党大会で異例の3期目続投を狙う。

6中全会は北京市内で11日まで4日間の日程で開く。中国国営の新華社は10月、「党の100年にわたる奮闘の重大な成果と歴史経験に関する決議」を審議すると伝えた。6中全会の最終日に採決するとみられる。

歴史決議は共産党にとって非常に重要だ。党100年の歴史でもこれまで2回しかない。

1度目は建国の父、毛沢東が1945年、それまでの党の歩みと誤りを総括して幹部に反省を迫り、党内で絶対的な主導権を確立した「若干の歴史問題に関する決議」。決議以降、死去するまでの約30年間、毛は党内で圧倒的な地位を保った。

2度目は81年、鄧小平が指導して起草した「建国以来の党の若干の歴史問題に関する決議」。毛が66年に発動して10年間にわたり中国全土を大混乱に陥れた「文化大革命」を否定し、市場経済を取り入れる「改革開放」を後押しした。決議以降、鄧は党トップの総書記にこそ就かなかったものの、死去するまで党内の実権を握りつづけた。

3度目の歴史決議は過去2回とは異なり、党のこれまでの歩みを否定することはない見通し。香港紙などの報道によると、党の過去の歴史を肯定したうえで、習氏が主導する新しい時代の到来を強調する内容とみられる。習氏は決議により自らの権威を毛沢東並みに高め、続投につなげる思惑があるとされる。

歴史決議と並ぶもう一つの焦点は党高官の人事があるかどうかだ。最高指導部にあたる党政治局常務委員の人事を決める5年に1度の党大会まであと1年に迫っており、6中全会では人事を巡る調整も進むとみられる。

毛に過度に権力が集中して悲惨な文革を引き起こした反省から、鄧は党トップが定期的に交代する仕組みを導入した。習氏に先立って党を率いた江沢民(ジアン・ズォーミン)氏、胡錦濤(フー・ジンタオ)氏は、いずれも原則として2期10年で党総書記を交代した。

12年に党総書記に就いた習氏は来年の党大会で2期10年を迎える。習氏はこれまで異例の3期目続投へ環境整備を進めてきた。17年の党大会では自らの後継候補を指名しなかった。習氏は党総書記と国家主席を兼務するが、18年には憲法を改正して国家主席ポストの任期を撤廃した。

習氏が6中全会でも党高官の人事を見送れば、来年の党大会では習氏以外に党トップの適任者がいないことになる。歴史決議と併せて習氏の続投に向けた準備が整うことを意味する。

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コロナ感染、なぜ急減 専門家に聞く

コロナ感染、なぜ急減 専門家に聞く
舘田一博氏/黒木登志夫氏/松浦善治氏/仲田泰祐氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD227SS0S1A021C2000000/

『新型コロナウイルスの国内感染者数が急減している。1日2万人を超える新規感染者が報告された8月から状況は一変した。ワクチン接種が進んだ他の国の感染再拡大も伝わるなかで、足元では日本の減り方が際立っている。急減の理由は何か、今後はどうなるのかを専門家に聞いた。

◇  ◇  ◇
一時的に強い集団免疫 東邦大教授 舘田一博氏

たてだ・かずひろ 長崎大医学部卒。日本感染症学会前理事長。政府の新型コロナ関連分科会や厚生労働省の助言組織で委員を務める

「第5波」の感染者急減は一つの要因で説明できないような現象が起きた。いろいろ要因があるが、私はワクチンの効果と基本的な感染対策の徹底が非常に強く出たためと考えている。

新型コロナウイルスのワクチンは2回目接種から約2週間後に効果が強まり、次第に下がっていく。7月から64歳以下の人の接種が急激に進み、ワクチンの効果が最も強い状態の数千万人の集団ができた。

ちょうどデルタ型で感染が拡大した時期と重なり、若い人を中心に多くの人が感染した。若い人は感染しても無症状かほとんど症状のない「不顕性感染」が多く、実際には検査で感染が確認された人の3~4倍は感染者がいただろう。

ワクチン接種が急速に進み、同時にタイミングよく不顕性感染を含めて免疫を持つ人が急増したことで国内で一時的な集団免疫効果が強く表れ、8月半ば以降に感染者が急減した可能性があるのではないか。

英国やイスラエルなどワクチン接種が先行した国では、ワクチン効果による免疫力が弱まっていた時期にデルタ型が流行し、接種した人も感染する「ブレークスルー感染」が増えた。日本も早く接種が進んでいれば同じような状況になったかもしれない。

さらに日本は基本的な感染対策が文化として定着しつつある。マスクを着用し、密集を避け、十分換気する。緊急事態宣言解除後も会食を控えるなど対策を一気に緩めていない。人出は増えても多くの人々が用心し続けていることが感染者数を少なくしている。

新型コロナワクチンの効果は6~8カ月とみられる。先行接種した医療関係者や高齢者などへの追加接種は12月以降に始まる見込みで、たまたま感染が拡大しやすい冬場と重なり、高い効果が期待できる。

季節性インフルエンザは秋にワクチンを接種して冬場に備える。新型コロナワクチンも接種率だけでなく、今回のように接種するタイミングも重要だろう。多くの人に一気に接種するスピードも求められる。第5波の教訓を生かした備えが不可欠だ。

(聞き手は社会保障エディター 前村聡)

◇  ◇  ◇
日本独自の型で変異か 東大名誉教授 黒木登志夫氏

くろき・としお 専門はがん研究。日本学術振興会学術システム研究センター顧問。新型コロナの独自分析をネットなどで発信する

デルタ型ウイルスは新規感染者数の増え方も減り方も指数関数的だ。公表データから夏の「第5波」について計算すると、東京では8月下旬~11月1日にかけての下降期に新規感染者数が8.6日で半減のペースで急降下した。減少率は99.9%と、あり得ないような数字だ。このまま行けば12月上旬には1人になる。

感染のピークが何度も現れるのは世界共通だ。1918~20年のスペイン風邪の流行をはじめ、天然痘やポリオ、麻疹でも明瞭なピークを繰り返した。この現象は数理モデルで説明できるが、それにしてもデルタ型の増減は急すぎる。

専門家らで構成する政府分科会の尾身茂会長は、いくつか原因をあげた。人流が減ったほか、自宅療養中の患者の死亡報道などを受けて人々が対策を強めたというが、新規感染者の下降の加速を説明しきれない。

医療従事者へのワクチン接種により、院内感染や介護施設のクラスター発生を防げるようになった面もあろうが、それだけではこれほど減少しない。気象条件は夏でも冬でも流行するので関係なさそうだ。

ワクチンの効果については、2回接種を完了したうちの約2割が「ブレークスルー感染」を経験する。接種率60%の段階では感染予備軍が人口の52%になる計算で、新規感染者数は高止まりしたはずだ。

では何が原因か。デルタ型は変異を繰り返し、より感染力が強いものに置き換わっていった。すでに天然痘や水ぼうそう並みの、これ以上はないような感染力を獲得している。

特に国内では日本独自のデルタAY・29型が第5波の主流で、これが収束に向かったのではないか。仮説だが、ある遺伝子領域に変異が追加され、感染性が失われるといったことが起きている可能性がある。

今後、新たな感染の波が起きるとしたら、デルタ型とは異なる新しい変異ウイルスが入ってきたときだろう。すぐ検出できるようにPCR検査とゲノム解析を増やすべきだ。ここ1、2カ月が大切だ。大学が参加するコンソーシアムをつくって迅速に解析し、データを全世界に公開するのがよい。

(聞き手は安藤淳)

◇  ◇  ◇
変異重ねた末に自滅も 阪大特任教授 松浦善治氏

まつうら・よしはる ウイルス学を研究。日本ウイルス学会理事長。阪大が4月に新設した感染症総合教育研究拠点のトップに就いた

新型コロナウイルス感染症の新規患者数が日本で急減した理由は分からない。ワクチン接種が進んだことが指摘されがちだが、海外でも接種が遅れたインドネシアで患者が減り、タイやロシア、英国は増えてきた。ワクチンだけでは説明できない。

患者の急減はウイルス側に理由があるのかもしれない。様々なウイルスのうちで、遺伝情報をRNA(リボ核酸)に載せた「RNAウイルス」は変異を起こしやすい。新型コロナもその一種だ。変異を盛んに起こすことで様々なタイプができ、一部が人間の免疫の仕組みやワクチン、治療薬の攻撃をすり抜けて増える。

強い感染力を持つ新型コロナのデルタ株はあまりに多くの変異を起こしすぎ、人間に感染した時に増えるのに必要な物質を作らせる遺伝情報が壊れるなどして、自滅しつつあるのかもしれない。以前に優勢だった株は、デルタ株の流行に押されて勢力を弱めた。

新型コロナの流行が今後どうなるかは見通しにくい。冬に流行するインフルエンザのような季節性はあまりなく、これからも新たな変異株が現れるだろう。

従来型のコロナウイルスには、季節性の風邪を起こす4種類がある。これらは80~800年前に人間の間で定着した。もともとはコウモリかネズミに感染していた新型コロナウイルスが、人間で流行して約2年。ウイルスが人間とどう折り合いを付けるかの過渡期にある。

ウイルスはRNAやDNAが入った微小なカプセルで、生物ではなく、意思も持たない。もともとは野生動物や家畜に静かに感染していたウイルスが、人間の間で流行すると人獣共通感染症になる。新型コロナのほか、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や、鳥インフルエンザもそれに当たる。

人間が自然を破壊し、それまで森林の奥深くなどにいた動物と密に関わる限り、こうした新しい感染症は続々と現れるだろう。新たな流行を見越して、感染症に詳しい医師や看護師の育成や、正しくわかりやすい情報を発信する体制づくりを進める必要がある。

(聞き手は草塩拓郎)

◇  ◇  ◇

行動制限の効果は不明 東大准教授 仲田泰祐氏

なかた・たいすけ 専門はマクロ経済学。計量モデルに基づくコロナの分析や見通しを定期的に公表する。元FRB主任エコノミスト

8月後半からの感染者減は多くの人の想定を超える速さだった。人流は8月前半と比べて減っておらず、指標によっては増えていた。ワクチン接種の効果は7月から働いており、人流とワクチンだけで8月後半の急減は説明しにくい。

我々は3つの要因を分析した。1つ目はデルタ型の感染力が想定以上に小さかった可能性だ。7月後半の急拡大を見てデルタ型はアルファ型の1.5倍と設定して感染見通しを立てた。再検証すると現実に近かったのは1.2倍とした試算だ。見通しと現実の差には個人の免疫力の違い、生活や仕事を共にするコミュニティーから外への広がりにくさなども影響している。

2つ目は人々のリスク回避傾向だ。報道で医療逼迫を知り、感染しやすい行動を避ける傾向が強まった可能性がある。重症病床の使用率上昇や、カラオケに関するツイッターの書き込みの減少は実証的に8月の急減を説明できる。他方、医療逼迫が解消した10月以降も感染者数が減った。説明可能な期間は限定される。

3つ目は周期性だ。過去の動向は120日周期の波で統計的には説明できる。

問題はなぜ周期が生まれたかだ。新しい変異型が生まれることが理由であれば、今後の感染は増えにくいと言える。今のところデルタ型を超える感染力の強い変異型は出ていないからだ。だが、人々の警戒心が理由なら、警戒心が薄れることで再び感染増に転じる可能性がある。

追加的な人流抑制をしなくても感染が急速に減少することがあるというのが、この夏の最大の教訓だ。ロックダウンは学校教育、飲食・宿泊やイベントなど、幅広い分野で社会的、経済的なコストが生じる。行動制限は政策手段として排除すべきではないが、効果には不確実性があり、慎重に検討すべきだ。

感染急増が起きた7~8月には、感染抑制策をどの程度厳しくするかを巡って、政策決定者と科学者の間で摩擦が生じたように見えた。科学者側で政策決定者を動かすような説得力のある分析ができていたかを検証することも必要だ。

(聞き手はマクロ経済エディター 松尾洋平)

◇  ◇  ◇

〈アンカー〉世界の知恵借り原因解明を急げ

新型コロナの感染が下火になり、安堵感が漂う。外出する人が増え、飲食店にも活気が戻ってきた。だが、どこか気持ち悪いのは、感染者が急減した理由がはっきりしないからだ。厚生労働省の助言組織によると、今あるデータだけでは不十分だが、ではどんなデータを集めればよいかも明言できないという。

政府は冬にかけての「第6波」に備え、万全の対策をとるとしている。飲食店の時短営業などを漫然と繰り返すのではなく、狙いを定めて対策の効果を最大化するためにも原因の解明は欠かせない。

分析結果を世界に発信すれば、瞬く間に様々な分野の専門家から反応が返ってくるだろう。そこから新たな対策のヒントが生まれ、国際貢献にもつながる。科学的な知見をしっかり積み上げ、感染状況に応じた社会・経済活動に役立てることが大切だ。

(編集委員 安藤淳)』

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仲田泰祐
東京大学大学院経済学研究科 准教授
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ひとこと解説

インタビューして頂きました。

発言の根拠は先月公表した「東京での感染減少の要因:定量分析」です。

この分析は明日の厚労省アドバイザリーボードで発表させて頂きます。

様々な推測・仮説が存在しますが、定量的な分析を行うと、多少ですがどの説が有力であるかに関して気付きが得られることがあります。

紙面の都合上インタビューでは「重要かもしれない」という結果が出た仮説しか挙げられていませんが、レポートでは「あまり重要そうではない」という結果が出た仮説もご覧になれます。

より多くの専門家が様々な仮説の定量的重要性をデータとモデルをもとに色々な手法で検証することで、多少は理解が深まると考えています。

2021年11月8日 9:59

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竹内薫
サイエンスライター
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別の視点

この記事を読んで、専門家が感染急減について、どう考えているかがよくわかりました。
仮説1 ワクチン接種が進み、気が付かず感染していた人も多かったし、日本は感染防止対策の意識が強いから、一時的に「集団免疫状態」となった。

仮説2 デルタ型に日本でだけ「遺伝的な変異」が起きて自滅した。

他にも可能性はあるのでしょうが、要因を特定するためにどのようなデータを集めればよいかがわからないとは…新型コロナの複雑さ、厄介さを象徴していますね。

2021年11月8日 10:19

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花村遼
アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー
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ひとこと解説

最近、コロナの急激な収束の要因がウイルスのゲノム変異修復酵素(nsp14)への変異によるコロナの「自滅」説がささやかれていますが、個人的にはかなり疑問を持っています。

①ウイルスの生存に不利な変異が入った株については、変異が入らない元々の株が優位になっていくだけであり、なぜnsp14の変異の入っていない元々のデルタ株が残らなかったのか、
②日本以上に感染が爆発した海外ではなぜ同じ変異が入り自滅しなかったのか、などの疑問が残ります。

現時点では、オーソドックスにワクチンの効果と公衆衛生意識の高い行動により、局所的な強い集団免疫の獲得と考えるのが妥当かと考えています。

2021年11月8日 8:44 (2021年11月8日 9:02更新)

新井紀子のアバター
新井紀子
国立情報学研究所 教授
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別の視点

まったくの門外漢だが、コロナウイルスの新規感染者数のグラフを見ていると、どの流行時期も左右ほぼ対称の形状をしていることが興味深い。

第五波では、急激に増加し急激に減少した。一方、ゆるやかに増加した第三、第四波のときはだらだらと時間をかけて減少した。

変異株の登場など「ウイルス側の事情」で新規感染者数の増加率が変わるのは、わかる。だが、人の行動原理や、病院や保健所などハードの部分は急には変わらない。記事を読んでも、「左右対称」が偶然なのか必然なのか、なぞのまま残った。

2021年11月8日 8:56

坂田亮太郎のアバター
坂田亮太郎
日経BP 「日経バイオテク」編集長
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別の視点

なぜ、日本だけ、感染者が急減したのか。国民の誰もが不思議に感じている疑問に、タイムリーに応える記事だと思います。

ただ、「専門家」をもってしても、今の状況はよく分からない状況だということが理解できました。

それも当然だと考えます。データに基づき仮説を検証していくのがまともな研究者のやり方であり、今は確たる結論を得るだけのデータが不足しているからです。

そのためにも、黒木教授などが指摘するように、PCR検査や感染者から採取したウイルスのゲノム解析を強化すべきと考えます。変異ウイルスの動向をつぶさにモニタリングしていけば、再流行の兆候もいち早くつかめるようになるはずです。

2021年11月8日 9:18

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山崎大作
日経BP 日経メディカル 編集長
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別の視点

この問題は編集部内はもちろん、有識者の方々とも話をしましたが、結局、自信を持って語れる理由にはたどり着きませんでした。

自身に都合のよい理由を信じたくなりますが、現時点ではいつ再度拡大してもおかしくないと考えながら生活すべきだと思っています。
2021年11月8日 9:03

国内コロナ死者、1年3カ月ぶりゼロ

国内コロナ死者、1年3カ月ぶりゼロ 新規感染は162人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE073FL0X01C21A1000000/

『国内で7日、新型コロナウイルス感染症による新たな死者の報告はなく、昨年8月2日以来、約1年3カ月ぶりにゼロとなった。ワクチン接種の進展や治療薬の普及が要因と考えられる。

新たな感染者は162人で、内訳は大阪39人、東京21人、愛知16人、北海道と岡山でそれぞれ10人など。厚生労働省によると、重症者は100人で前日から変わらなかった。

国内で初めて死者が確認されたのは昨年2月。今年春ごろの流行「第4波」の影響で急増し、4月には累計で1万人を突破した。5月7日には最多の148人となり、同18日には神戸市の未発表分を含め200人を超えたこともあったが、その後は「第5波」の弱まりとともに減少、10月下旬からは1桁が多くなっていった。〔共同〕』