アフリカにロシア傭兵 チャド外相警告
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092400500&g=int

『【ニューヨークAFP時事】チャドのシェリフ外相は23日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を念頭に「リビアや中央アフリカでロシアの傭兵(ようへい)が活動している」と警告した。「外部からの干渉が、チャドの安定と安全保障に深刻な問題を突き付けている」と訴えた。国連総会が開かれているニューヨークでAFP通信などの取材に応じた。』
アフリカにロシア傭兵 チャド外相警告
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092400500&g=int

『【ニューヨークAFP時事】チャドのシェリフ外相は23日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を念頭に「リビアや中央アフリカでロシアの傭兵(ようへい)が活動している」と警告した。「外部からの干渉が、チャドの安定と安全保障に深刻な問題を突き付けている」と訴えた。国連総会が開かれているニューヨークでAFP通信などの取材に応じた。』
米ボーイング、豪で無人戦闘機製造へ 北米外で初
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM241RB0U1A920C2000000/

『【シドニー=松本史】米ボーイングは24日までに、オーストラリアに無人戦闘機の組み立て工場を建設すると発表した。同社によると北米以外での最終組み立て工場の建設は初。米豪は今月中旬、英国とともに安全保障協力の枠組み「AUKUS」立ち上げを発表した。今後も両国間で防衛装備品の製造・調達の連携が進みそうだ。
豪州で製造するのはボーイングが豪空軍のために開発した無人戦闘機「ロイヤル・ウイングマン」だ。人工知能(AI)を活用し、有人戦闘機と連携して戦闘支援などを行う。すでに今年2月、初飛行を終えている。
ボーイングは「この半世紀で、豪州において設計・開発・製造される初の戦闘機」としている。その上で豪国内での製造は「豪州の防衛能力の向上やサプライチェーンの構築、輸出を支援するものだ」と述べた。』
中韓、自民新総裁との距離感見極め 中国は反中政策警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM227SD0S1A920C2000000/

『【北京=羽田野主、ソウル=恩地洋介】29日投開票の自民党総裁選で、候補者の外交姿勢をとりわけ注視しているのが中国と韓国だ。中国は候補者が打ち出す対中政策が「反中」に傾いていると警戒する。韓国メディアにも日韓関係の改善を期待する論調は少なく、総裁選における安倍晋三前首相の影響力に注目が集まる。
「総裁選の候補者がこともあろうに中国カードを切り始めた」。中国共産党系メディアの環球時報は14日付の1面トップ記事で岸田文雄前政調会長の発言にかみついた。
動画投稿サイト「ユーチューブ」に出演した岸田氏が、中国によるウイグル族への人権侵害などに対処するため人権問題担当の首相補佐官を設ける考えを示したからだ。環球時報は「(中国への)人権カードを使って存在感を高めようとしている」と批判した。
中国はバイデン米政権と歩調を合わせ、中国に強硬姿勢をとる日本政府にいらだっている。岸田氏には「軽武装・経済重視の宏池会会長を務め、元外相として経験も豊富だ。注目している」(中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長)と期待する声があっただけに、失望が広がっている。
中国メディアは河野太郎規制改革相が慰安婦問題に関する1993年の「河野談話」について「これまで自民党政権が継承してきた歴史認識は受け継いでいきたい」と発言したことに注目した。環球時報は河野氏が「親中派」とレッテルを貼られて批判にさらされていると伝えた。保守派の支持を得ようと「カメレオン」のように態度を変える可能性にも触れている。
高市早苗前総務相は「保守派」の筆頭格として知られる。「首相になった高市氏が靖国神社に参拝すれば、中日関係は大きく後退する」(北京の大学教授)と警戒する声が出ている。
「靖国神社に対する中国の立場は一貫し、明確だ。日本の政治屋は中国を持ち出すのをやめるべきだ」。中国外務省の趙立堅副報道局長は14日の記者会見で、高市氏が首相就任後も靖国神社参拝を続ける考えを示していることに不快感を示した。
安倍政権下で長く外相を務めた河野、岸田両氏は韓国でも知名度は高いが、冷却した日韓関係に大きな変化はないとの見方が支配的だ。大手紙の朝鮮日報は、総裁選を分析する記事で「誰がなっても韓日関係は冷気流」との見出しを掲げた。
メディアに登場する日本専門家は、河野氏を「国民世論をよく見て動く政治家」と紹介している。外相だった2019年に元徴用工訴訟を巡って呼び出した駐日韓国大使に「無礼だ」と抗議するなど、韓国では政治的パフォーマンスにたけた人物との印象が強い。
他方、河野氏が康京和(カン・ギョンファ)前外相と良好な関係を築いたことも知られている。文在寅(ムン・ジェイン)政権の元高官は「国際感覚が優れている点で最も期待できる」と評価している。
岸田氏は慰安婦問題に関する15年の日韓合意当時に外相だった。朴槿恵(パク・クネ)政権の後の文政権では、合意に基づいて設立した元慰安婦を支援する財団を解散するなど合意は大きく形骸化した。
このため、ある放送局は「韓国が約束を守らなかったとの思いから、岸田氏は積極的な関係改善には動かない」とする日本専門家の岸田評を報じた。岸田氏が任期中の憲法改正に言及したことへの批判的な視線もある。
むしろ関心は安倍前首相の動向に注がれている。大手紙の中央日報は安倍氏が支える高市氏に「安倍前首相の本音を代弁する拡声器の役割を自任する」と警戒のまなざしを向けた。京郷新聞は総裁選の行方を「安倍氏の影響力が変数」と分析している。
過去に韓国紙のインタビューで日韓関係の重要性を語った野田聖子氏は「代表的な親韓派議員」(朝鮮日報)と見られている。
【関連記事】自民党総裁選、海外の目は 東京特派員に聞く 』
大気汚染物質「PM2.5」の許容濃度、WHOが半分に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR235IQ0T20C21A9000000/

『【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)は23日までに、空気中の汚染物質について下回るべき濃度の指針を発表した。最新の研究結果を反映し、微小粒子状物質「PM2.5」の数値を前回2005年発表の半分にした。拘束力はないが、各国の政策決定に影響を与え、年数百万人の死亡を防ぐことが目的だとしている。
他にオゾン、二酸化窒素(NO2)、二酸化硫黄(SO2)など計6つの汚染物質の指針を明らかにした。PM2.5は年間平均1立方メートル当たり10マイクロ(マイクロは100万分の1)グラムを限度としていたが、同5マイクログラムとした。NO2は05年の同40マイクログラムから同10マイクログラムに厳しくした。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、世界の大都市上位100カ所で指針を守れている都市は一つもない。WHOは空気の汚染によって世界で年700万人が死亡し、数百万人が健康を損ねているとしている。』
中国恒大、共産党が距離 習氏と異なる派閥と親密か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2330Z0T20C21A9000000/


『中国の不動産大手、中国恒大集団を巡り、習近平(シー・ジンピン)指導部で擁護論が鳴りを潜めている。借金頼みの放漫経営に批判があるうえ、恒大は胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席らを輩出した党の青年組織、共産主義青年団(共青団)と親密とされる。「1強」の習国家主席と距離があるのが一因との見方もある。
【関連記事】習近平氏は恒大を救済するか、危うい綱渡り
7月1日、北京市で開いた中国共産党100年の式典に参加し、天安門の楼上で記念撮影に興じる1人の男性がいた。恒大創業者でトップの許家印氏だ。党幹部しか近づけない厳戒態勢で天安門に登ったのは、党とのパイプを示すためだ。
中国では共産党が国有、民間を問わず企業の生殺与奪を決める。許氏が天安門に登ったことで市場では一時「恒大は難関をくぐり抜けた」との観測が浮上したが、実際には党内では擁護論は少なかったようだ。
運営するサッカークラブに高額年俸で外国人選手を引き抜いたり、本業と関連がうすい電気自動車に投資したりと経営の危うさは以前から指摘された。「虚業から実業へ」を掲げる習指導部にとっては遠ざけたい相手だ。
政治的な側面を指摘する声もある。許氏は共青団と親密な関係とみられてきた。2009年11月に恒大は急拡大のきっかけとなった香港証券取引所への上場を果たした。当時の党トップの胡錦濤氏は上場11カ月前、許氏と面会し貧しい学生を支援した功績をたたえた。
恒大が本社を構える広東省のトップも当時、共青団出身の汪洋(ワン・ヤン)広東省党委員会書記(現・全国政治協商会議主席)だった。上場には時の政権の中枢を占めた共青団の後押しがあったとみる向きは多い。胡錦濤氏も7月の党100年の式典に姿を見せ、健在ぶりをアピールした。
広東省は「共青団の地盤」といわれた。17年6月、広州で許氏は胡春華(フー・チュンホア)広東省党委員会書記(現・副首相)と会談し、貧困救済活動に4億元(約70億円)を寄付すると表明した。2年間で寄付総額は6億元にのぼった。
米誌フォーブスは17年に許氏を「中国一の富豪」に選んだ。広東省トップをへて胡春華氏は副首相に就き、いまも共青団のホープだ。許氏と共青団の親密さが浮かぶ。
12年に党トップの総書記に就いた習氏は組織力を誇る共青団を遠ざけてきた。党と政府の主要ポストから共青団出身者を外し、力をそいだ。広東省のトップも自らの側近の李希氏に交代した。いまや省幹部に共青団出身者はほぼいなくなった。
習氏が共青団出身の李克強(リー・クォーチャン)首相や汪氏、胡春華氏と溝があるとの見方は絶えない。とくに汪氏や胡氏は一時、習氏の後継者との観測もあった。共青団と近い恒大の危機は習氏にとって「対岸の火事」と映ったとしても不思議ではない。
9月中旬、恒大の経営危機がささやかれるなか、習氏は内陸の陝西省に視察に出かけた。マクロ経済運営の司令塔、劉鶴(リュウ・ハァ)副首相らを連れて北京を留守にしたことで「習指導部は恒大問題を静観する」との見方が広がった。
習氏は20年10月、恒大が本社を置く広東省深圳市を訪れ、経済特区の設立40年を記念する式典に参加した。式典にあわせ、特区40年にちなんで40人の「模範人物」が表彰されたが、許氏は外れた。
経済の危機では果断に動いてきた中国共産党。恒大問題でいまひとつ動きが鈍いのは、習氏と恒大の距離も背景にある可能性がある。党内の事情を知る有識者は「(共青団という)意に沿わない部下の地盤沈下には手を貸さない」と語る。
もっとも、海外投資家も注目する恒大の処理を誤れば、中国の金融システムへの不信すら招きかねない。18、19日には経済政策を担う韓正(ハン・ジョン)筆頭副首相を深圳に派遣し、広東省トップの李希氏らと地元を視察させた。習指導部が重い腰を上げようとしている可能性はある。
(北京=羽田野主)
【関連記事】
・恒大処理が占う「習経済」 危機回避と格差是正で苦悩
・中国、金融危機回避に一歩 恒大の前途なお多難 』
中国当局、恒大の破綻準備を指示 米紙報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB233ZW0T20C21A9000000/

『中国当局が不動産大手、中国恒大集団の経営破綻に備えるよう地方政府に指示していたことが23日わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが電子版で関係者の話として報じた。恒大の破綻による社会への悪影響を最小限に抑えるための措置とみられる。
同紙によると、中国当局は地方政府に対し、会計士や法律家で構成する専門チームをつくり、各地で恒大が手掛ける事業の財務状況などを調査するほか、同社の不動産開発事業を引き継ぐ準備を進めるよう指示した。
中国恒大集団は23日の人民元建て債の利払いを表明した。ただ、過剰負債は不動産会社に共通する問題で、当局の救済措置などがなければ経済の重荷となる可能性がある。』
ベトナム、中国のTPP加盟支持を示唆
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM233G70T20C21A9000000/

『【ハノイ=大西智也】ベトナム外務省のレ・ティ・トゥ・ハン報道官は23日、定例のオンライン会見で中国の環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟申請について「経験と情報を中国と共有する用意がある」と述べ、加盟支持を示唆した。
ベトナムにとって中国は輸出で米国に次いで2位、輸入で最大の相手国。中国に隣接していることもあり、経済面の結びつきは年々強まっている。ベトナムは中国と同じ社会主義国だが、TPP加盟のため国営企業改革を進めてきた経緯がある。中国がTPPに加盟した場合、貿易拡大の期待が見込まれている。
一方、中国と対立を深めている台湾のTPP加盟申請については「TPPはオープンな自由貿易協定であり、他の加盟国と緊密に協議していく」と述べるにとどめた。』
真の多様性とは 日米両国の視点をもったフット教授にインタビュー
https://www.todaishimbun.org/danielfoote20190829/
※ なるほど…。
※ 「Question the Answer.(答えを問え)」と、「But is it right?(しかし、それでいいんですか?)」か…。
※ 覚えておこう…。

『ハーバード大学を卒業、米国で法律家として活躍した後、東大に渡り日本に関する法社会学が専門の研究者となったダニエル・フット教授(法学政治学研究科)。日本に興味を持つようになった理由とは何か、東大が抱える国際性や多様性の問題はどのように対処されるべきか。数少ない外国出身の教授の目に映った東大像を描き出す。
(取材・翻訳 円光門、撮影 高橋祐貴)
──現在は法システムと日本社会の関係について研究している先生ですが、ハーバード大学では東アジア学を専攻していました。いつから東アジアや日本に興味を持ったのですか
私の父は米海軍日本語学校を修了後、第2次世界大戦中に日本語の通訳をしていました。日本語学校では、後に著名な日本文学者となったドナルド・キーンと同じクラスにいたそうです。小さい時から日本についてのニュースを父や、戦後記者として日本に留まった父の親友から聞かされていました。そういう意味で日本に親近感を感じていました。
──学部卒業後は、なぜハーバード・ロー・スクールに進学したのですか
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本で後に有名になるエズラ・ヴォーゲルが私の学部時代の指導教官でした。彼は本当に熱心な教員で、はじめ私は大学院に進学し、ヴォ―ゲルのように日本社会の専門家になろうと考えていました。彼ならきっと私の計画を支持してくれたと思います。ところが私が4年生の時ヴォ―ゲルは研究で日本に行ってしまったので、代わりに卒業論文の指導を担当していたポスドク(博士研究員)に自分の計画を話してみました。ポスドクは日本学の研究職としての将来にとても悲観的で「博士号を取ったとしても、立派なポストにつけないだろう」と言ったのです。
さあ今後の人生をどうしようか、と悩みましたね。日本とのつながりは保ちたいと思っていました。ロー・スクールを卒業して、日本に関する業務を取り扱う法律事務所で働くことができるのならば、と考えたのです。
──ロー・スクール卒業後はいろいろな場で実務経験を積んでいます
地方裁判所と最高裁判所でロー・クラーク(裁判官付調査官)を務めました。ロー・スクール在学中に、日本法の専門家になるという、研究者への別の道があり得ることに気づきました。ロー・クラークの経歴はその後教授職を得るために有利に働くのです。その準備をするために日本法についてより勉強、研究する必要を感じ、フルブライト奨学金研究生として東大に留学しました。実務経験を得る必要性も感じたので、日産自動車法規部やニューヨークの法律事務所で働き、その後ワシントン大学で職を得ることができました。後日東大に客員研究員として2度招かれ、00年に専任教授として就任しました。
──今年文部科学省が発表した大学無償化政策の要件に、実務経験のある教員による授業が一定数を占めていることが記されています。近年の高等教育における、実用性を重視する風潮をどう評価しますか
法学の教員としては、複雑な心境です。日本の法科大学院では実務家教員と研究者教員という区別があって、後者のほとんどは実務経験を持たず、法実務と乖離(かいり)しています。対して米国のロー・スクールでは、研究者教員でも9割方は実務経験があります。理論の専門家であっても、実際の現場で法律がどのように運用され、政策がどのように決定されるのか知るべきだと思いますし、そういう意味で私は実務経験の価値を強く信じています。
しかし同時に、古典や文学、哲学や倫理の知識といった人文学の幅広い学識を持つことも重要です。他分野の知識を持ち合わせることで、事象を多角的にとらえて問題の核心を見極め、社会の人道的な側面に敏感であり続けることができるのです。
ハーバード大学では、私のクラスメイトに世界的なチェリストであるヨーヨー・マがいました。大学入学前からすでに世界中で公演をしていた彼は、音楽院に入る必要はなかったわけですね。いろいろな思想に触れて視野を広げたかったからハーバードに来たのだと、彼は言っていました。現在に至るまで、彼は新しいことに挑戦し続け、様々な活動を行っています。最近の例として、彼は今年の4月に米国とメキシコの国境沿いでコンサートを開くことで、両国の境界線に壁を建てようとするトランプ米大統領を批判するメッセージを発信したと聞いています。こうした素晴らしい活動を世界中で展開できるのは、ハーバードで培った幅広い視野のたまものでしょう。
つまり私は、実務教育は確かに重要だと考える一方で、実践的教育が重視されすぎてしまうことで人文学や教養教育が軽視され、総合的でバランスの取れた人材が育たないのではないかと恐れているのです。
──外国出身の教員という立場から見て、現在東大はどのような課題に直面していると思いますか
東大は国際性、学際性、多様性の三つにより一層取り組む必要があると考えます。三つとも、ここ十年で随分と改善されましたが、まだ課題は山積みです。まず国際性に関しては、留学することはもちろん外国の理解を高めるために重要ですが、私自身の経験から言えば、母国の理解を高めるにあたってもより重要だと考えます。外国で暮らし学ぶ経験は、それまで当たり前だと思っていた自国の側面について新たな発見をするきっかけになるからです。なので、近年東大が学生を積極的に海外に送り出そうとしていることは大変喜ばしいことです。ただ現状では、留学から帰ってきた学生たちがその経験を他の学生と共有できるような場が少ないと思います。留学説明会などで発表の場はありますが、聞き手はあくまで留学に興味がある人たちだけ。学生が自身の経験を発信する機会がより多くなるべきです。
次に学際性ですが、東大では前期教養課程で学生がいろいろな学問分野に触れる機会があります。ですが、研究に関しては未だ分野間の垣根は高いと感じます。法学部の中でさえ、民法や労働法などを専門とする教員の集まりはあっても、多様な分野出身の法学や政治学の学者が集う機会は少ないです。法学部と経済学部が共同で携わる公共政策大学院が設立され好評を得ていたり、法学部を含めて多くの学部にまたがるグローバルリーダー育成プログラムが設立されるなど、最近は学際性を意識した取り組みが見られますが、教員や学生の手による学際的な研究や学習の場がより増えてほしいと思います。
──多様性に関しては、性別や国籍の多様性を増やす努力は、東大内でもなされていると思いますが
国籍に関しては、PEAK(教養学部英語コース)など外国出身の学生に向けたプログラムの登場によって、私が初めて東大に留学した80年代初頭に比べはるかに多様性があります。ジェンダーに関しても、東大が真剣に多様性を高めようとしていることは確かです。しかし女性が学部生全体で20パーセント、教員の中では10パーセント以下しか未だに占めていないことには落胆しています。
さらに私が懸念しているのは、教育プロセスそれ自体における多様性の意義に目が向けられていないことです。例えば、東大を含む日本の法科大学院は多様性を確保するため、社会人や法学部以外の卒業生を受け入れることが求められていました(ジェンダーへの言及はありませんでしたが)。経済学や工学、医学の教育を受けた弁護士といったように、法曹の中で経歴の多様性があることは重要だと当時も認識されていました。しかしそのような多様性が教室で十分生かされているかは甚だ疑問なわけです。日米両国で教えた私の経験から言えば、多様な学生の集団があることは、同じ問題を異なる観点から考察することを可能にし、学習環境をより豊かにします。法学の授業であれば、ある法律や判例が女性やマイノリティー、さらには事業革新といったものに対してどのような影響を持つのか、各々が持つアイデンティティーや経験を基に問題を考え、他の学生と共有する。こうして初めて学生の多様性が、学びのプロセスの中で意味を持つのです。そのためにはもちろん、一方向的な講義だけではなく、生徒と教員が、また生徒同士が対話できるような授業が必要です。
──東大法学部は大教室での一方向的な授業が多いことが学生の間でも問題になっています。しかし、判例を基に教員が学生に質問を投げ掛けて考えさせる対話型授業は、判例が司法の判断基準の中心となる米国などで意味があるのであって、判例より体系的な法典に基づいて判断する日本には適さない教育法だと考える人もいますが
日本人の多くはマイケル・サンデルが「正義」について講義する放送番組を観たことがあるでしょう。サンデルは数百人で埋まった大講堂の中で、刺激的で双方向的な議論を学生と展開するわけですが、彼は本当に例外なのです。米国でも200人かそれ以上の学生がいるクラスで対話型の授業を効果的に行うことのできる教授はほとんどいません。
それはそれとして、対話型の授業が日本の法典に基づく法システムには適さないとする考え方には、私は断固として反対です。米国の法学教育で行われる対話型授業は、ソクラティック・メソッドと呼ばれていますが、そもそも哲学者のソクラテスは判例のことなど話していたわけではないのです。あれは思考を深めるための方法であって、どんな題材を扱うかは本質的な問題ではありません。サンデルが彼の「正義」の授業でよく示しているように、このメソッドは概念や理論、哲学的な議論を考察するのにとても有効ですし、法典の条文の意味合いや制定法の解釈を考える際にも非常に効果的だと思います。教員が学生と問答を繰り返すことで、学生はその問題の全ての側面や影響を考えてこなかったことに気付かされるのであり、この濃密な分析プロセスにおいて、学生は推論の技法を磨き、その技法を色々な場面で応用する能力を養うことができるのです。事象の隠された側面について学生が自分自身で考えられるよう導くことで、知性の自立と主体的に探究する力を養うことが、対話型授業の本質だと思います。
──次世代の若者に望むことは
私が以前教壇に立っていたワシントン大学にはQuestion the Answerというスローガンがあります。Answer the Question(問いに答えろ)ではなくQuestion the Answer(答えを問え)なのです。与えられたことをそのまま受け取るのではなく、常に問い続けろという意味です。
私が米国の最高裁判所で働いていた頃に、サーグッド・マーシャルという判事がいました。彼はアフリカ系アメリカ人で初めて最高裁の判事になった人で、公民権運動のリーダーでもありました。米国の最高裁判所における議論というのはとても活発で、弁護士に次から次へと質問をぶつける判事などいるわけですが、それと対照的に、マーシャル判事は口頭弁論で多くの質問をしませんでした。しかし彼が時々したのは「しかしそれでいいんですか?」(But is it right?)という質問でした。弁護士が法令上、憲法上の権利について極めて法的な解釈を主張すると、マーシャル判事は低くてうなるような声で「しかしそれでいいんですか。本当にそれでいいんですか、代理人よ?」と聞くのです。つまり彼が言わんとしていたのは、その議論が解釈論として成り立つのかではなく、道徳的に正しいのか考えるべきだということでした。「それは適切なのですか?公平なのですか?あなたはこの法律の限定的な解釈を提示していますが、我々が考えるべきはその解釈が現実問題として社会にもたらす影響なのでは?」と。
私はそんな彼の姿勢に大変感銘を受けました。「現状はこういうものだから仕方がない」で終わらせるのではなく、現状の背後にあるものを見極めて「しかしそれでいいんですか?」と問い続ける。このような姿勢を私はみなさんに身に付けてほしいと思いますね。
(取材は英語で行われました。下記リンクに英語本文も掲載しています)
Interview with Prof. Daniel Foote: Think Critically and Never Stop Inquiring
ダニエル・フット教授(法学政治学研究科)
76年ハーバード・カレッジ、81年ハーバード・ロー・スクール卒業。法務博士。ワシントン大学教授などを経て、00年より現職。主な著書に『裁判と社会――司法の「常識」再考』(NTT出版)など。
この記事は8月7日、8日に本郷キャンパスで配布された『オープンキャンパス特集号』に掲載された記事を加筆修正したものです。『オープンキャンパス特集号』は上記リンクより随時閲覧することができます。』
米ハイチ特別代表が辞任 バイデン政権の対応批判
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240A50U1A920C2000000/

『【メキシコシティ=宮本英威】米国務省でハイチ特別代表を務めるダニエル・フット氏が辞任を表明した。ブリンケン米国務長官宛ての22日付の文書で明らかにした。米南部テキサス州に大量に押し寄せたハイチ出身者を巡り、バイデン米政権による航空機での強制送還などの対応が「非人道的だ」と批判した。
フット氏は声明で「私は米国の非人道的で、非生産的な決定とはかかわらない」と言明した。職業外交官のフット氏はザンビア大使などを経て、今年7月に現職に就いたばかりだった。
メキシコ国境地帯のテキサス州デルリオには先週半ばから移民希望者が押し寄せ、ピーク時には1万4000人規模が集結した。対話アプリなどで情報交換したハイチ出身者が多く、キューバやニカラグアなどの人々もいた。
ロイター通信によると、米政府は1400人以上をテキサス州からハイチの首都ポルトープランスに強制的に送還した。約3200人は米国内の別の場所に移送されたという。強制送還を警戒して米国を出て、メキシコ側に戻った人々も目立つ。
米国内では、国境の川を渡って米国側に入ろうとした人々に対し、馬に乗った国境警備隊員が手綱を振り回して威嚇している映像や画像が拡散した。与党・民主党の上院トップであるシューマー院内総務は21日、「罪のない人々に対する恐ろしい扱いはすぐにやめなければならない」とバイデン政権の対応を批判した。
ハイチでは7月に現職大統領が殺害され、8月には大地震が襲った。政治や社会情勢が不安定な中で、ハイチに影響力を持つ米政府高官の辞任により、同国の先行きへの懸念が膨らむ。
【関連記事】
・米、ハイチ出身者に滞在許可か AP報道
・米、ハイチからの移民を強制送還
・米テキサス州に難民1万人 政情不安のハイチから避難 』
突然降って湧いたオーストラリア原潜保有の舞台裏
フランスを激怒させてまで米英豪同盟構築を急いだわけは
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67044
『バイデン氏の頭の中は米英豪でいっぱい
ジョー・バイデン米大統領は9月21日、国連総会で一般討論演説した。
バイデン氏は、インド太平洋地域で軍事力を拡大している中国を念頭に、「米国はいまも今後も最も重要なインド太平洋に焦点を移す。国際問題の解決を加速させるために同盟国やパートナー国、国際機関と協力する」と述べた。
就任以来、初めての国連演説でも「米国第一」を掲げたドナルド・トランプ前大統領との違いをアピールした。
ところが対中戦略では、トランプ前政権とあまり変化はなく、むしろ実質面では背後に控える軍事安全保障ブレーンが立案する強硬戦略を着実に実行しているかに見える。
そのバイデン米大統領が中国のインド太平洋で展開する米国・同盟国との軍事力強化に本格的に動き出した。
9月24日にはワシントンで日米豪印4か国の枠組み「クアッド」初の対面首脳会議が開催される。
それに先立ち、米国、英国、オーストラリアの3か国首脳が9月15日、インド太平洋地域の安定に向けた新たな安全保障の枠組み、「AUKUS」を構築すると発表した。
米英豪は英語という共通言語、アングロサクソン文化・風習を共有する「従兄弟同士」。第2次大戦以来、結束を保ってきたオールド・パートナーだ。
その3国が「中国の脅威」に対抗して新たなアングロフォン・デモクラシー(英語を第一言語とする民主主義国家)同盟関係を結んだのだ。
米英豪首脳の共同声明では、「情報や技術の共有を進め、安全保障・防衛関連の科学技術、産業基盤、サプライチェーンの3か国統合を図る」と謳い上げ、軍事面でもオーストラリアを巻き込んだ対中戦略を構築した。
オーストラリアはその地理的環境もあり、これまで中国とは緊密な経済通商関係を維持してきた。その一方で安全保障面では米国とは1951年以降、米豪ニュージーランド安全保障条約機構(ANZUS条約)*1を堅持してきている。
まさに「二股外交」だ。「中国の脅威」が絵に描いた餅の時は米国もある程度黙認してきた。
ところが今や中国の脅威は「これから未来永劫続きそうな状況になってきた」(豪有力紙ジャーナリスト)。
オーストラリアの政財官界のエリートの多くが従来の対中外交の変更を求め出した。豪スコット・モリソン政権の対中、対米アプローチは国民からも支持されているのだ。
*1=1951年、豪ニュージーランド、米豪が別々に締結した集団安保に関する拘束力のない協定。86年ニュージーランドが領海内に非核地帯を設けたため、米艦船の寄港を認めず、条約を脱退。2012年に寄港禁止を和らげたため緊張関係が緩和、2007年に条約の主要分野を再開している。』
『豪州は頼りがいのある同盟国
シドニー大学のジェームズ・キャラン教授(現代歴史)は2017年、ワシントンで会った外交専門家(現在バイデン政権高官)からこう言われたと述べている。
「オーストラリアはアジアを除く世界中至る所で米国にとって頼りになる同盟国だ」
米中間に揺れるオーストラリアの「二股外交」を痛烈に批判した一言だった。ところがここ3年でオーストラリアは大きく変わった。
同教授は続ける。
「オーストラリアは国際舞台における中国の独断的な言動を批判するだけでなく、中国を押し返す勢力の先頭に立っている」
「新型コロナウイルスの発生源を独立した機関によって調査するべきだとし、これに怒った中国は対豪輸入制裁措置に踏み切った」
「オーストラリア国民は、経済通商関係があるために中国の横暴さには目をつぶってきたが、ここにきて『中国の脅威』にはやはり米国や同盟国に頼るべきだと考えだした」
「最新の世論調査では、国民の63%が中国を脅威だと答えている。昨年比22%増だ」』
『オーストラリア原潜入手は2030年
AUKUSが打ち出す具体策の一つとして、米英は「虎の子」だった原子力潜水艦技術を非核保有国であるオーストラリアに供与することを決めた。
これにより、オーストラリアはこれまでフランスと行ってきた原子力潜水艦の共同開発を一方的に破棄することになった。
フランスは「同盟国に後ろから切られた」(ジャン=イブ・ル・ドリアン外相)と激怒した。そして、ただちに駐米、駐豪大使を召還した。米国の同盟国の間で亀裂が生じてしまった。
ところが米英がオーストラリアに提供する原子力潜水艦技術はすぐにはやってこない。前述のキャラン教授は言う。
「原潜第1号が首都キャンベラに届くのは早くて2030年だ。その間、米国から原潜をリースしてもらう協議が進んでいるようだ」
「オーストラリアは原子力技術については全く経験がない。またこの原潜のコストは目の玉が飛び出すような額になる」
「いずれにしてもオーストラリアは米英という核技術国のパートナーになってしまった」
オーストラリアが原潜を保有した時、インド太平洋地域の軍事情勢はどうなるのか。
動力に原子炉を使う原潜は通常型よりも長距離潜航が可能になる。
オーストラリアが原潜を保有すれば、中国が急速に軍事拠点化を進める南シナ海はじめインド太平洋地域での米国の抑止力を補完する「助っ人」になるわけだ。』
『いかに日米軍事同盟化を進めても日本にはできることとできないことがある。憲法上・法律上の制約がある。
万一、台湾有事があったとしても自衛隊が米海軍第7艦隊と一緒に直接軍事行動をとれるわけではない。
日本ができるのはあくまで後方支援。そこへいくと豪原潜は米軍と行動を共にすることができる。
AUKUSは敵撃退のためのトーテムポール
オーストラリアが原潜を実際に保有できるのは、20年後の2041年だという説も出ている。
シドニー・モーニング・ヘラルドの国際部長、ピーター・ハートチャー氏はこう指摘する。
「AUKUSは実は条約ではない。敵を撃退させるためのトーテムポールのようなものだ。原潜技術を提供することばかりが騒がれているが、モリソン政権(の政府高官)によれば、オーストラリアが原潜を保有するのは20年後だというではないか」
「米英がちらつかせている原潜技術は、戦闘能力、収斂性のある利益、そして信頼の3つに基づく三国同盟を誇示するシンボルだということだ」
「原潜の話は脇に置くとして、AUKUSで米英豪は、3つのアングロフォン・デモクラシーが軍事、産業、科学核分野での能力を結集させて、共通の目的のために一丸となって戦うことを誓い合ったのだ」
「具体的には量子、サイバー、AI(人工頭脳)、巡航ミサイル技術で米英豪が共同研究開発することを意味している」
(https://digichat.info/as-the-world-reorders-itself-to-resist-china-its-a-pity-the-latest-move-was-so-boofheaded/)
米英豪はそれほど「中国の脅威」を感じている。それは目先の南シナ海や尖閣諸島周辺での軍事活動だけではないのだ。』
『米軍、豪州巡回駐留の規模拡大へ
バイデン政権にとっては、目先のこともむろん重要だ。
米国とオーストラリアは9月16日には、ワシントンで外務・国防閣僚協議(2プラス2)を開催し、豪州に巡回駐留する米軍の規模拡大で合意した。
インド太平洋で安全保障連携を強化し、急速に軍事力を拡大する中国に対抗する狙いがある。
ロイド・オースティン米国防長官は協議後の記者会見で、こう述べた。
「米豪双方は豪州での米軍プレゼンスを拡大する重要な軍事態勢構想で一致した」
またピーター・ダットン豪国防相はこう述べた。
「米豪は、軍の態勢をめぐる協力を大幅に強化し、相互運用性を高めつつ、インド太平洋での同盟活動を深化させる。具体的には、あらゆる種類の米軍機の巡回駐留を認めることで、航空戦力の協力を拡大する」
「(豪政府がフランスと合意していた次期潜水艦の開発計画を白紙化し、米英両国から原潜建造支援を受けることについては)国家安全保障とインド太平洋の平和にとっての最適解に基づいて決断した」
オーストラリアはフランスをこれほど怒らせていながら、どこか冷静だ。何か根拠があるのだろうか。
AUKUS設立についてのと米元外交官のアジア通はこうコメントしている。』
『「米国はクアッド首脳会談前にAUKUSを設立しようと焦った。クアッドの責任者であるカート・キャンベル調整官が『首謀者』ではないのか」
「フランスはインド太平洋地域には無縁だ、とも考えているのだろうか」
「フランスは太平洋地域のニューカレドニア(特別共同体)や仏領ポリネシアを持っている。小規模だが軍隊も駐屯している」
「日米の合同演習にも艦船を参加させている」
「仏豪の原潜開発の経緯も進展具合についての詳細は分からないが、オーストラリアが馬を乗り換えたことだけは間違いない」
「せっかくクアッドやAUKUSで中国包囲網を作り上げてようとしている矢先にフランスを怒らせる。しばらくは米国とフランスとの関係がぎくしゃくするのは避けられないだろう」
「敵(中国)に塩を送るとはこのことだ」
「アフガニスタン撤退の時のぶざまさといい、今回といい、どうもバイデン政権のブレーンの中には外交の機微を知らぬ、思い上がった高官がいるようだ」
9月24日、菅義偉首相がクアッド首脳会議出席のためワシントン入りする。総理大臣としての最後のお務めだ。
激動の世界で1年間、本当にご苦労様でした。』