アメリカ軍の作戦は「ふたつの時間軸」がある
「将来作戦」と「当面作戦」が連続性と相関関係を保持しつつ全体計画を立案
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)9月14日(火曜日)
通巻第7050号
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小山修一『自衛隊はアフリカのジブチで何をしているのか』(育鵬社)より
『アメリカ兵との交流で分かったことは、兵站と情報重視という、日本の自衛隊がもっとも不得手な分野で歴然とした差違であったという。
大東亜戦争でも、日本の暗号は解読されて、作戦は筒抜けだった。日米軍人の思考の違いに関しては、「日本人は一般的に戦略や危機管理の分野に弱いと云われるが、このような違いは日本とアメリカの思考の違いからきているのかも知れない。アメリカのものの考えたか、とくに作戦を考える際には「多層的な空間の概念」と「連続性のある時間の概念」に顕れているという。
わけても「時間の概念」について、アメリカ軍の作戦は「ふたつの時間軸が存在している」と著者は指摘する。
「将来作戦」と「当面作戦」が時間的要素の作戦概念であい、連続性と相関関係を保持しつつ全体計画を立案し、実行する。
それゆえ著者個人は「自衛隊は10年から20年遅れでアメリカ軍の行ってきたことを細々と追随しているように感じる」という(188p)
ジブチ現場の自衛隊の活動内容、その仔細な内容が理解できた。』