[FT]仮想通貨法定のエルサルバドル、独裁懸念で国債売り

[FT]仮想通貨法定のエルサルバドル、独裁懸念で国債売り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM090QQ0Z00C21A9000000/

『中米エルサルバドルで7日、暗号資産(仮想通貨)のビットコインが法定通貨となった。同国の債券市場では、ブケレ大統領の政治手法に対する懸念の高まりから今年前半以降売りが先行していたが、世界から注目を集める新手の通貨政策が実施されたことで、金融市場から新たな圧力を受けることになった。

首都サンサルバドルでビットコインの法定通貨化とブケレ大統領に抗議する市民=ロイター

世界に先駆けてエルサルバドルで法定通貨となった最初の日、ビットコインの価格は10%余り急落した。ブケレ氏は臆することなくツイッターでビットコイン保有高を積み増したことを表明。「押し目買い。150枚(約7億5000万円相当)追加購入した」とツイートし、「ビットコインデー」のハッシュタグとウインクの絵文字を添えた。

だが債券市場は冷ややかだった。今週に入ってから売り圧力が一段と強まり、米ドル建てエルサルバドル長期国債の利回りは11%近くまで上昇、短期国債利回りは14%に達した。6月にブケレ氏がビットコインを法定通貨にする考えを示す前は、エルサルバドル長期国債の利回りは8.5%前後で推移していた。

債券市場で逆イールド

さらに7日には短期債の価格が長期債を下回る逆イールドが生じ、市場の歪みが一段と明らかになった。英投資銀行バンクトラストのグローバルマーケット責任者ディーン・タイラー氏は「それ(逆イールド)は、よい兆候ではない。投資家が近い将来の金融情勢に疑念を抱き始めていることを意味する」と指摘する。

国内総生産(GDP)が250億ドル(約2.8兆円)で西側諸国では貧しい方とされるエルサルバドルがビットコインを法定通貨にするというハイリスクかつ高コストの賭けに出ることに、投資家は当初から懐疑的だった。ビットコイン価格はこの1年間、1万ドルから一時は6万4000ドルまで大幅に上昇し、現在は4万6000ドル程度まで反落している。変動の激しい暗号資産を国民が毎日の生活で使う通貨にするというブケレ氏の急ごしらえの計画は世界中で大きく報じられた。

多くの人が金融システムを利用することを可能にする「金融包摂」 のテクノロジーに投資する米非営利団体アクシオンのマイケル・シュライン最高経営責任者(CEO)は「もし今後あなたの給料をビットコインで支払うと言われたら、多くの疑問を持つでしょう。貧困層が暗号資産で貯蓄するという考え方が不条理だ。暗号資産は極めて変動が激しく、(エルサルバドルの貧困層は)世界で最も弱い立場にある人たちなのだから」

だがトレーダーは、直近のエルサルバドル国債の下落の理由は無謀な暗号資産のギャンブルに対する懸念だけではないと見ている。複数のトレーダーは、大統領の権力を強化しようとするブケレ氏の姿勢も問題視されているという。

最高裁判事更迭後、大統領の再選を可能に

3日の夜遅く、エルサルバドルの最高裁である憲法法廷は大統領の連続再選を可能とする判断を出し、米国から非難を浴びた。その数カ月前には、ブケレ氏が属する政党が過半数を握る立法議会が5人の最高裁判事を更迭し、ブケレ派の判事を送り込んでいた。

英運用会社アバディーン・スタンダード・インベストメンツの投資ディレクター、ケビン・デイリー氏は「市場を本当に揺るがしたのは、(ブケレ氏が)再選されるために制度をねじ曲げたというニュースだ」と指摘する。

デイリー氏によると、このためにエルサルバドル債券のリスクプレミアムは、支払い能力を保っている新興市場のなかで最も高い水準に押し上げられたという。

米証券会社アマースト・ピアポントで中南米債券の責任者をつとめるシボン・モーデン氏は、この最高裁決定によって以前から米ドルを法定通貨とするエルサルバドルが、国際通貨基金(IMF)と合意し、切実に必要としている外貨を確保することが難しくなったという。

「このリスクプレミアムはブケレ氏が原因だ。中央集権的な意思決定構造だが、ブケレ氏は優秀なテクノクラート(技術官僚)に囲まれてはいない」

IMFは金融の安定や消費者保護、環境へのリスクを理由にビットコインの法定通貨化に反対している。

IMFは7月26日付の公式ブログに「ビットコインのような暗号資産が広範に使われるようになることの最も直接的なコストは、マクロ経済の安定への影響だ。(中略)金融政策の効果も薄れるだろう。中央銀行は外国通貨の金利を設定することはできない」と投稿した。
最終的に国民にしわ寄せも

さらに「しっかりとしたマネーロンダリング対策やテロ組織への資金供与対策が採られなければ、暗号資産は不法に入手された資金の洗浄、テロ組織への資金供給、脱税に利用される可能性がある」と続けた。

エルサルバドルは財政赤字の補填や新型コロナウイルス対策、既存の債務の借り換えなどに年間35億〜40億ドルの外貨を必要とする。同国政府はビットコインを法定通貨とするための初期費用は約2億ドルとしている。

エルサルバドルが最後に債券を発行したのは2020年7月。モーデン氏はそれ以降債券市場で資金を調達できなかったのは「ブケレ氏が財政赤字を出し続け、赤字がコロナ禍以前の約2倍、債務残高のGDP比は約90%という状況になっているため」と分析する。

2023年1月に約8億ドルの大型返済を控えたブケレ氏が取れる策は限られている。モーデン氏によると、IMFが8月に発展途上国などの対外的な外貨支払いの準備不足に備える特別引き出し権(SDR)を拡大したことで当座をしのぐメドはついた。だが、将来的には資金面で自国民に負担をかけざるを得なくなるおそれがあるという。

「国民は禁断の『最後の貸し手』だ。だが国民が貸すことを拒めば、私的年金の国有化はもとより資本統制などで国民から資金を吸い上げる強制的措置に移行する可能性がある」
つまりデイリー氏が言うように「不幸な結末に終わる可能性が高い」のだ。

By Michael Stott

(2021年9月9日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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インドネシア、UAEとの貿易・投資を自由化へ

インドネシア、UAEとの貿易・投資を自由化へ
新型コロナからの早期経済回復目指す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGV08BLH0Y1A900C2000000/

『【ジャカルタ=エルウィダ・マウリア、鈴木亘】インドネシアとアラブ首長国連邦(UAE)が2国間の貿易や投資の自由化を目指すことで一致した。インドネシアはアフリカ市場への輸出拡大も見据える。UAEは世界4位の人口大国のインフラ整備へ参入を進める。ともにイスラム教徒が大半の産油国だが、産業構造や意思決定の仕組みは異なり、早期に合意できるか不透明だ。

両国は9月初め、包括的経済連携協定(CEPA)の交渉開始を発表した。1年以内の妥結を目指す。自動車、貴金属、(イスラム法に沿った)ハラル食品などの市場へ相互に乗り入れる。

インドネシアは航空・海上輸送のハブであるUAEを通じ、アフリカ市場の開拓も模索する。UAEを構成する7首長国の一つ、ドバイの「発達した金融ネットワーク」を活用する構えもみせた。

インドネシアのルトフィ貿易相は「(UAEを含む)湾岸諸国だけでなくアフリカやそのほかの地域への窓口になるパートナー」を求めていたと明かした。新型コロナウイルスの感染拡大による打撃からの「経済回復が喫緊の課題」だとの認識も示した。

国際貿易センターによると、両国間の貿易額は2020年が約29億3000万ドル(約3200億円)で、インドネシアは約4億4000万ドルの輸入超過(貿易収支赤字)。同国の輸出は紙製品、家電、食品など多岐にわたるが、輸入は石油関連が大半を占める。

UAEのゼイユーディ貿易担当国務相は、この2国間の貿易額をCEPAで「5倍から10倍」に増やす考えだ。

石油輸出による資金を世界で運用してきたUAEは、人口が世界4位の約2億7000万人で高い経済成長を続けてきたインドネシアへの投資拡大を狙う。UAEはインドネシアの政府系ファンドに100億ドルを投資すると発表済みだ。イン​​フラ、観光、農業などのプロジェクトを支援する。

ゼイユーディ氏によると、両国はインドネシアの西ジャワ州における1億4000万ドルをかける「世界最大級の浮体式太陽光発電所」をはじめとする様々な事業ですでに協力している。UAEの事実上の最高指導者でアブダビ首長国のムハンマド皇太子は、インドネシアのジョコ大統領が進める首都移転計画に関わってきた。

CEPAの協力項目はバイオテクノロジー、デジタル、新エネルギー、宇宙開発などを優先する。だが、こうした分野でインドネシア側の水準は高いといえず、UAEも豊富な資金で外国から技術を導入しているのが実態だ。首長一族のトップダウンが一般的なUAEに対し、インドネシアでは大統領を議会がチェックする。政策決定を巡る違いは協議に影響しそうだ。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む 』

韓国の月城原発、20年以上に渡って放射性物質を垂れ流してきた

韓国の月城原発、20年以上に渡って放射性物質を垂れ流してきた……ああ、やっぱりな
http://rakukan.net/article/483316303.html

『今年、月城原発1号機で放射性物質が漏れ出てきたという疑惑がふくらみました。
原子力安全委員会は、3月の民間調査団を見ました。
そして5ヶ月ぶりに結果が出ました。

JTBC取材陣が入手した1次調査結果報告と合致します。
月城1号機敷地内で採取した水でリットル当たり最大75.6万Bqの三重水素およびg当たり0.14Bqのセシウム137が出書かれています。
土はセシウム137がg当たり最大0.37Bqが出ました。
2つの物質すべてのがんを引き起こす可能性があります。

それほど人体に致命的な放射性物質です。
報告書は、原因も明らかに指摘しました。
使用済み核燃料を保存する施設に問題があったしました。
1997年の亀裂が生じ、補修工事をしましたが補修し切れていませんでした。
保存することができ漏れることを防いでくれる遮水膜が底までつながっていません。

コンクリートで作られた壁には、防水のためにエポキシ樹脂を塗りました。
ところが、性能が低下するエポキシを使ったために、継ぎ手部分から漏れています。
2012年地盤を補強するために柱を作ったが、この時に遮水膜まで壊してしまったという事実も明らかになった。
調査団は、特に土壌から放射性物質が出てきたことに注目しています。
単に継手から漏れ出てきたのではなく、他の亀裂を介して空気に拡散された可能性のためです。
調査団はまた、敷地の外にまで流れていったのかについても調査を行っています。
原発を運営している韓国水力原子力は「現在補修工事を計画している」と明らかにした。
(引用ここまで)』

『去年の年末あたりに、民間団体が「月城原発から放射性物質が漏れ出ている」と主張しているというニュースがあったのですが。
 ただ、続報はなく。
 ついで年明けくらいに与党である共に民主党が「月城原発の地下水のトリチウム濃度が高い」と言い出して、こちらも有耶無耶になったという経緯があります。
 こちらはどうも原発廃止論のために騒いでいる感があったことに加えて、実際にはその地下水からさらに薄めて海洋放出、大気放出するのが原則とのことで収束しました。

 で、今日になってJTBCが「月城原発は壊れていて放射性物質が漏れ出ていたのだ」と報道したのですね。
 で、その放射性物質濃度はトリチウムで1リットルあたり最大75.6万ベクレル……いや……まあ高いといえば高いかもしれんけど。
 日本での処理水放出濃度の上限が6万ベクレル。
 これは1年間、この水を飲み続けて1mSvの被曝があると考えられている数字。
 問題視すべき濃度かどうかは若干微妙。

 でもまあ、それよりも問題は遮水膜が破壊されていたこと、そしてそれが放置されていたことですかね。
 楽韓Webでは「韓国の原発は放射線測定のための校正もまともにできていない」という指摘をしたことがありますが。
 それ以外にも「自分たちがなにを作っているのか理解せずに作っている」という指摘を幾度となくしてきました。

 そうした「韓国的ものづくり」であれば、まあ……これもあり得る話ではあります。
 なにしろタービン建屋が雨漏りするし、台風の塩害で緊急停止するような原発ですからね?
 こんなんだからこそムン・ジェイン政権の原発廃止路線はありがたい話ではあるのですが……。月城原発は全部止まってくれないかなぁ。さすがに。

ウォルソンウォンジョン1号は「放射性物質」です。20年以上のリーク
https://news.naver.com/main/read.naver?mode=LSD&mid=sec&sid1=102&oid=437&aid=0000275626

IOC、北朝鮮の資格停止 北京五輪に不参加も

IOC、北朝鮮の資格停止 北京五輪に不参加も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR08EQH0Y1A900C2000000/

『【パリ=白石透冴】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は8日、東京五輪・パラリンピックに不参加だった北朝鮮について、参加義務を果たさなかったとして2022年末まで資格停止にすると発表した。北朝鮮のオリンピック委員会は22年北京冬季五輪に参加できなくなる可能性がある。

中国外務省の趙立堅副報道局長は9日の記者会見で「中国は(各国から)選手や代表団が訪中するのを望んでいる。同時にIOCや関係国と連携を維持する」と話すにとどめた。

五輪を米朝や南北の対話再開につなげる構想を持っていた韓国政府には想定外だった。韓国大統領府関係者は9日、記者団に「多様な契機を通じて南北間のスポーツ交流など朝鮮半島の平和を進展させる方法を探る」と語った。

バッハ氏は理事会後の記者会見で「五輪憲章に違反した。東京五輪の成功に貢献しなかった」などと語った。IOCからの資金支援などが得られなくなる。選考を勝ち抜いた北朝鮮選手については「IOC理事会が適切な判断を下す」と説明し、出場枠を確保する意向を示唆した。

東京五輪を巡る日本の新型コロナウイルス対策にも触れ「競技は安全に実施された。五輪の空間から、東京都民や日本国民に感染が広まったというデータはない」と振り返った。』

「韓国人は事実と意見を区別できない」

「韓国人は事実と意見を区別できない」低すぎる”読解レベル”が慰安婦・竹島問題をこじれさせる
情報の片寄り見抜き方を教わらない
PRESIDENT Online

本川 裕
統計探偵/統計データ分析家
https://president.jp/articles/-/49687

『OECDが各国の高校1年生を対象にしたPISA調査(2018年)の中で、韓国は調査国中で「情報が事実か意見か」を見極める力が最低だった。統計データ分析家の本川裕氏は「慰安婦問題、竹島問題など日韓問題が解決できないのは、韓国では大人も、ネット上などの情報における意見を事実と同じぐらい重視し、両方を区別しない場合があるからではないか」という――。

情報を読み解くリテラシー、日本と韓国の実力は?

行政のデジタル化の遅れを挽回することを目指し、政府は9月1日にデジタル庁を発足させた。ところが翌々日3日には、事務方トップにあたる「デジタル監」に就任した石倉洋子一橋大名誉教授による有料画像の不正利用が発覚。遅れているのはデジタルネットワークのインフラというより、デジタルリテラシーそのものであることを露呈した。

さらに同日、菅義偉総理大臣が内閣支持率の低迷の中で総裁選不出馬、すなわち事実上の退陣を表明。携帯電話料金の値下げやデジタル庁発足を推進してきたものの、自らのコロナ対策やデジタル対応の方針で次期政権を担うという責任や意欲を放棄した格好となった。

デジタル時代対応について、菅政権は目前の狭い視野の対策に終始し、国民能力の刷新にまで及ぶ根本的なデジタル社会対応にまでは考えが至っていなかったという評価が今後下されるのではなかろうか。

国民のリテラシー(読解力)は歴史的に以下の3段階を経て発展していくと考えられる。

①文字の読み書き能力(いわゆる文盲率の低減)
②言語内容の理解力(多言語対応を含めたコミュニケーション能力)
③デジタル時代の情報見極め能力(情報過多、誤情報、偽情報への対応能力)

今年になって、OECD(経済協力開発機構)は「21世紀の読者像」(21st-Century Readers)という報告書を発表し、第3段階のリテラシーについて詳しく現状と課題を整理している。今回は、この報告書で引用されているデータを使って、デジタルリテラシーへ向けた日本の状況を見てみよう。

日本は世界43カ国の中でもっとも「疑り深い気質」

近年、なりすましメールで個人情報を聞き出し、財産の詐取や悪意ある情報拡散につなげようとするネット上の犯罪行為が横行するようになった。これは、デジタルリテラシーにかかわる象徴的な事案ともなっているので、まず、こうしたデジタル犯罪への対処に関して各国民が、どの程度、用意ができているかについてのデータを紹介しよう。

有名な携帯電話会社から「スマートフォンが当たりました。リンクをクリックしてフォームにあなたの情報を記入すればスマートフォンを送ります」というメールが届いた時、「なるべく早くリンクをクリックしてフォームに書き入れる」のは適切か、それとも不適切かという問を各国の高校1年生に聞く調査が、OECDの2018年の学力調査(PISA調査)の中で行われた。

スマホをタダでもらえるチャンスかもしれないので、日本ならdocomoなどの名の知られた携帯電話会社からのメールということもあり、他人に先取りされないようなるべく早く応募した方が良いと考える高校生がいてもおかしくない。

しかし、こうしたメールを受け取ったら、有名携帯電話会社になりすまして個人情報を詐取する手口だろうと疑うのが当然であろう。すなわちすぐ情報を返信するのは「不適切」と回答するのが正しい。図表1には、各国の回答結果を「不適切」の多い順に示した。

怪しいメールへの対応(高校1年生、PISA調査、2018年)
全ての画像を見る(4枚)

日本の高校生は75.6%と世界43カ国の中で、もっとも「不適切」とする回答が多く、疑り深い気質を示している。

子は親の鏡ともいわれる。これが高校生の結果だが、国民全体の気風の反映という側面が大きかろう。日本に次いで、中国、英国、フィンランドなどが続いており、こうした国では、なりすましメールへのガードが堅いといえよう。』

『韓国は下から3番目、なりすましメールに無防備
他方、「不適切」とする割合が比較的小さいのは、メキシコ、ハンガリー、チリといった途上国的な性格の強い国である。また、韓国は先進国にもかかわらず、47.1%と下から3位の小ささとなっており、なりすましメールへの無防備さを示している。

韓国においては、多少の危険を冒しても、ネット空間に落ちているチャンスをいち早くつかんだほうが、結局は有利だという「拙速をよしとする」考え方が根強いのだと思われる。ある意味では、これがネット先進国といわれる韓国のお国柄と判断できよう。

対照的なのは日本だ。あまりにガードが固いため、皆が参加すれば有効なデジタルシステムがなかなか実現しない結果、デジタル後進国の名に甘んじなければならないのだとも見られるのである。

日本のコロナ対策において、給付金の給付でのマイナンバーカードの活用や、コロナ感染リスクの個人間の相互監視のためのスマホのアプリの活用などが、いちいち頓挫するのも、行政の対応能力の低さだけでなく、デジタルネットワーク・システムの構築に必要なある意味で安直な協力が国民から得られないためといえるであろう。

韓国は「事実」と「意見」を取り違えていないか?
デジタルリテラシーで重要なのは、なりすましメールのような偽情報への対処にとどまらず、情報が「事実」なのか「意見」なのかの見極めである。次に、この点について見ていこう。

3年おきに行われるOECDのPISA調査の結果が公表されると、自国の子どもたちの学力が上がったか下がったかで国中が大騒ぎになるのは各国共通の現象である。2018年調査の日本の結果は、読解力、数学、科学の各科目で成績が低下し、特に読解力は2015年の世界8位から15位へと大きく順位を下げた。

わが国では、文科省も識者もマスコミも自分に都合よい理由で成績低下を説明しようとし、どの国で読解力の成績が向上し、どの国で下がったかを分析すればおのずから明らかになる読解力低下の本当の理由の追及には無頓着であることを、2020年1月の本連載記事で明らかにした。

日本の読解力の成績が下がったのは、実は、PISA調査の当局が、デジタル時代に重要となってきている成績評価の要素として、ネットなどで得られる情報の「信ぴょう性」を正しく疑えるかという点を新たに導入したからであった。

このことは、新たにどんなテスト問題が加えられたかをチェックすればわかるし、情報の信ぴょう性を疑うのが得意な英米の読解力の成績が大きく上昇したことからも明らかなのである。詳しくは昨年1月の記事を参照されたい。

情報の「信ぴょう性」を判断する場合に重要なのは、情報に含まれる「事実」と「意見」の判別である。この点に関する2018年PISA調査のテスト問題として、代表的だったのは、「ラパヌイ島設問」だった(図表2参照)。これは、アメリカの進化生物学者であるジャレド・ダイアモンドが2004年に著した『文明崩壊』の書評文(抜粋)の中に登場する「ラパヌイ島」に関する記述を読み、文中の「事実」と「意見」をきちんと分けて理解しているかを試すテスト。

パラヌイ島設問の内容
「事実」と「意見」を区別できない韓国、できる米英 (PISA調査による国際比較)
この設問に対する正答率(正しい回答の割合)を各国比較した図表3を見てみると、米国が69.0%と最も高く、英国が65.2%でこれに続いていた。逆に最も低かったのは韓国の25.6%である。

慰安婦問題、竹島問題をはじめ歴史問題をめぐる日韓問題がなかなか解決の方向に向かわないのは、韓国では「意見」を「事実」と同じぐらい重視し、両方を区別しない場合もあるからだということもこうした結果から見えてくる。

もっとも日本も少し前には尊王攘夷という「意見」が、清国のように攘夷を強行すれば国が亡びるという「事実」を圧倒し、かの渋沢栄一ですらそうだったことを思い出せば、決してひとごとではない。この点への反省が十分でなかったため、その後、太平洋戦争という無謀な歴史にも突き進んだ、と筆者は考えている。』

『求められる国民レベルでのデジタルリテラシーの向上
2018年PISA調査における米国の数学や理科の成績はそれぞれ37位、18位、英国は18位、14位とあまり高いとは言えない。読解力にしても、米国は13位、英国は14位とそう高くない。にもかかわらず「事実」と「意見」の判定については世界1位~2位なのであり、いかに、米英がこの点について敏感かがうかがわれるのである。

これが、デジタル時代の課題を意識して、新たに情報の信ぴょう性判定の問題を導入した2018年のPISA調査の読解力テストで、米国が2015年調査の24位から13位へ、英国が22位から14位へと大きくランクアップした大きな理由なのである。

「ラパヌイ島設問」に対する日本の正答率は47.9%と米英より低いだけでなく、シンガポールや香港よりも低く、あまりよい成績ではなかった。これが日本の読解力が同時期に8位から15位へと成績を低下させた要因のひとつなのだった。読解力の成績低下をよく分析すれば、広い意味でのデジタルリテラシーは日本の高校生にはなお課題が大きいことが明らかになったはずである。

文科省のように、日本の高校生の読解力の成績低下を学校へのパソコンの普及率の低さのせいにしたり、新聞やいわゆる有識者のように読書不足やスマホ中毒のせいにしたりしたのはお門違いもいいところだったのに、その点に関する反省がないのが悔やまれる。

学校における適切な学習で向上する「事実」と「意見」の判別
教育を受けていない韓国は誤答する率が高かった
図表4には、同じ2018年PISA調査の結果から、「学校で情報が主観的か、また片寄りがあるかを見抜く方法を教えられているか」と聞かれて「はい」と答えた生徒の割合と「ラパヌイ島設問」正答率との相関を見たグラフを掲げた。

この点の教育が大いに行われている米英やカナダ、オーストラリアといった英語圏諸国では、事実と意見を区別できる生徒の割合も高くなっており、途上国や韓国のようにそうした教育に積極的でない国では、同割合は低くなっている。

IT機器の普及やデジタルネットワーク・システムの基盤整備といったハード、ソフトの充実より、むしろ、若者や国民の広い意味でのデジタルリテラシーの向上を国を挙げて図っていかないとデジタル時代に真に対応したことにはならないことをこの図は示していよう。デジタル庁の事務方トップが、商用画像の不正使用を行っているような日本の状況では、この点が全く心もとないと言わざるを得ないのである。

韓国は本記事で引いたOECDの報告書の指摘に敏感に反応した。「フィッシングメールが判らない?……韓国青少年のデジタルリテラシー、OECDで最下位」と題されたハンギョレ新聞の記事(2021.5.17配信)では、なりすましメールへの韓国人高校生のあまりの無防備さに警鐘を鳴らすとともに、事実と意見の判別テストでも悪成績だったことや若者の語彙力低下が社会問題になっていることにも触れ、最後に、次のようにまとめている。

〈OECDは報告書で『インターネットのおかげで誰もがジャーナリストや発行人になれるが、情報の真偽は明確に区分しにくくなった』とし『21世紀の読解力は、知識を自ら構築して検証する能力』だと述べている。OECDは、情報が多くなればなるほど、読者は不明確さを検討し、観点を検証する方法が重要になると指摘している。(中略)
スマートフォンやSNSを通じてフェイクニュースや操作された偽情報の影響力が増大し、コロナに関する間違った情報が急速に広まっている中、利用者自らが情報の真偽を判別するデジタルリテラシーの必要性は高まっている。

漢陽大学国語教育科のチョ・ビョンヨン教授は『韓国の生徒は、教科書と問題を解く訓練のおかげで情報の把握と理解は上手だが、実際の環境においてそれを活用する能力である、情報の信頼性と価値を判断する能力は低い』とし『PISAにおいて、デジタルリテラシー教育を受けた生徒は情報の信頼性を判断する能力が高いことが表れていることからもわかるように、学校でのデジタルリテラシー教育の強化が必要だ』と述べた〉

日本でもまったく同様の状況にあるのに、こうした論調が日本ではあまり見受けられないのは残念である。

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本川 裕
本川 裕(ほんかわ・ゆたか)
統計探偵/統計データ分析家
東京大学農学部卒。国民経済研究協会研究部長、常務理事を経て現在、アルファ社会科学主席研究員。暮らしから国際問題まで幅広いデータ満載のサイト「社会実情データ図録」を運営しながらネット連載や書籍を執筆。近著は『なぜ、男子は突然、草食化したのか』(日本経済新聞出版社)。
<この著者の他の記事>「菅首相の頼みの綱」ワクチン接種率が上がるほど感染拡大する第5波の”不都合な真実”』

9.11から20年 米、危機の芽摘めずテロ組織2.5倍に

9.11から20年 米、危機の芽摘めずテロ組織2.5倍に
同時テロ20年 混沌の世界㊤
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0166R0R00C21A9000000/

『世界に衝撃を与えた米同時テロから11日で20年となる。米国は8月末でアフガニスタン戦争に幕を引いたが、テロとの戦いに終わりは見えない。

イラク北部で4日、過激派組織「イスラム国」(IS)と関係が疑われる男らが検問所で警官13人を銃で殺害した。世界はなおテロの脅威にさらされる。イラク、アフガン両戦争に従事したペトレアス元米中央軍司令官は「イスラム過激派との戦いは20年という期間では十分でない」と語る。

2001年9月11日、国際テロ組織アルカイダ所属のテロリストが民間機を乗っ取り、ニューヨークの世界貿易センタービルに突っ込んだ。その後のアフガン戦争は、テロ組織を根絶やしにするはずだった。

しかし20年に及ぶ戦争で米国は疲弊。イスラム主義組織タリバンの復権を許し、最終局面ではIS系勢力の自爆テロを受けた。投げ出したかのような撤収の失態も新たなリスクになりかねない。

アフガン南部カンダハル。1日のタリバンの軍事パレードでは、米製ヘリコプター「ブラックホーク」が旋回した。ドローンや軍用車両「ハンビー」、自動小銃M16。米国が旧政府軍に提供した武器がタリバンの手に渡った。同国には約20のテロ組織があるとされ、アルカイダなどに流れる懸念さえある。

テロの脅威は「アフガンをはるかに超え、世界中に転移している」(バイデン米大統領)。米国務長官が指定する外国テロ組織は70を超え20年で約2.5倍に増加した。

米ブラウン大によれば、米国は対テロで18~20年に7カ国でドローンを含む空爆を実施し、79カ国で現地治安部隊などを訓練した。

タリバンの勝利で、各地のテロ組織は勢いづく。アルカイダ幹部はタリバン復権について「歴史的勝利だ」と称賛し、米への再攻撃を辞さない構えをみせる。

テロ組織の活動も20年で大きく進化している。

「暗号資産(仮想通貨)の寄付集めを含む洗練されたサイバー技術だ」。米司法省は20年8月、アルカイダやISなどのテロ組織から数百万ドルの仮想通貨を押収したと発表した。

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は6月、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃の脅威は、同時テロ並みだと危機感も示した。今後、多くのテロ組織がサイバー空間での活動を本格化させる懸念が高まっている。

バイデン米大統領は「テロの脅威はアフガンを超えて世界に広がった」と語り、テロとの戦いは成果が乏しいことを公然と認めた(8月31日、ホワイトハウス)=ロイター

米国が「世界の警察官」の座を降り始めており、世界は一段と混沌とする。中国が米国に対抗し、ロシアも巻き返しを図るなかで、中東やアフリカなどが不安定化する恐れがある。

過去にはタリバンやアルカイダが大国間競争の中で、さまざまな国から支援を受け組織を拡大させた経緯がある。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、テロ対策についてタリバンとの「協力は可能だ」と語った。テロ阻止に向け、宿敵の力も借りたいという言葉が米国の置かれた窮状を示している。

(ワシントン=中村亮)』

米欧など200人退避、アフガンから 米軍撤収後初

米欧など200人退避、アフガンから 米軍撤収後初
チャーター便でカタールへ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB09C4A0Z00C21A9000000/

『【ニューデリー=馬場燃】アフガニスタンの首都カブールの空港から米欧などの外国人約200人を乗せたカタール航空のチャーター便が9日出発し、目的地であるカタールの首都ドーハに到着した。8月末に米軍がアフガンから撤収して以来、同国から外国人の大規模な国外退避が実現するのは初めて。

暫定政権を始動させたイスラム主義組織タリバンが出国を認めた。ホワイトハウスは同日の声明で、カタール航空のチャーター便がドーハに到着したことを確認し、カタール政府やタリバンの協力に謝意を示した。

タリバンは8月15日までにカブールなどアフガン全土をほぼ制圧した。米軍は8月末に撤収する方針を変えず、国外に米国人やアフガン人など約12万人の退避を進めた。空港周辺はテロによる治安悪化で混乱し、退避を希望する米国人などが現地に取り残されていた。

タリバンの報道担当者は9日、中東の衛星放送局アルジャズィーラのインタビューで「空港は商業目的を含む全ての用途で飛行できる準備が整った」と話した。カタールの政府関係者も「カタール航空がカブールからドーハへの国際便を飛ばす」と明らかにしていた。

タリバンは米軍撤収後に空港運営を引き継いだが、空港内の一部施設が破壊されるなどしたため飛行再開に時間がかかっていた。

カタールなどがタリバンの空港の復旧に協力し、滑走路や電波装置の修理を急いでいた。タリバンの報道担当者は「空港で働いてくれたカタールの技術者に感謝している」と述べた。』

台湾、自主建造の軍艦就役

台湾、自主建造の軍艦就役 「空母キラー」で対中抑止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM096DN0Z00C21A9000000/

『【台北=中村裕、北京=羽田野主】台湾の総統府は9日、自主建造で攻撃能力を大幅に高めた新型の軍艦「塔江艦」が就役したと発表した。空母キラーとも呼ばれ、従来の対艦ミサイルに加えて戦闘機などを狙う対空ミサイルも搭載したのが特徴だ。

台湾東部と日本最西端の沖縄県・与那国島の間や、同県・尖閣諸島周辺で領海侵入などの挑発行為を繰り返す中国への抑止力を高める狙いだ。

台湾海軍の重要基地で、北東部・宜蘭県にある「蘇澳中正基地」で同日、就役式を開いた。蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、軍艦を自主建造した意義を強調し「国防の自主独立に向けた道のりで、どんな困難でも乗り越えられることを証明した」と訴えた。

中国外務省の趙立堅副報道局長は9日の記者会見で「台湾の分裂勢力が軍事手段を用い中国大陸に対抗しようとたくらむのは八方ふさがりの現状を示している」と話した。

塔江艦は、2015年に就役した「沱江」を改良した。従来の対艦ミサイル「雄風2」や「雄風3」に加え、台湾が開発した対空ミサイル「海剣2」も搭載できるようにした。計28基のミサイルを搭載し、対艦と対空の双方に対応した自主建造の艦艇は台湾初となる。

19年の起工から2年あまりを費やした。船体は胴体が2つの双胴型で高速航行を可能とし、高いステルス性能を持つ。全長は約65メートルで、最高速度は約40ノット(時速約74キロメートル)とされる。

台湾北東部の海軍基地に新型の軍艦を配備した背景には、台湾東部で動きを活発化させる中国軍への警戒感がある。

中国大陸からきた中国の艦艇が台湾の東部に回り込み、5日には複数のミサイル駆逐艦が台湾東部と日本の与那国島との間の海域を通過。その後に北上し、東シナ海に向けて航行した。

台湾国防部のシンクタンク、国防安全研究院の蘇紫雲所長は「中国大陸から(九州、沖縄、台湾東部をつなぐ)第一列島線を越えて太平洋に進出するための周辺海域の調査が主な目的だ」と指摘。防衛が手薄とされる東部から台湾本土を包囲して攻め込むための情報収集の思惑もあると見る。

こうした中国の動きに対応するには、東部で艦艇などの配備を急ぐ必要がある。台湾はこれまで高度な艦艇を建造する能力に乏しく米国を中心に海外からの購入に依存してきたが、それにも限界があった。

各種の武器売却は相手国の判断に左右される。特に近年は中国に配慮して台湾への売却に二の足を踏む国が増える状況にあった。米国もオバマ政権時代の17年までは、中国との関係を踏まえて台湾への武器売却を大きく減らした経緯がある。

台湾の軍機や艦艇の老朽化は一段と進み、蔡氏は16年の総統就任当初から武器調達の戦略を一部改め、自前の艦艇の建造などによる軍事力の強化を掲げた。今回建造した塔江艦もその一環だ。

20年11月には、長く計画が進まなかった自前による初の潜水艦の建造もようやく始まった。米国はブッシュ政権(第43代)時代の01年に台湾への潜水艦の売却方針を固めたが、最終的には中国の激しい反発などを受けて実現しなかった。

台湾が現在保有する4隻はいずれも老朽化が進んでおり戦闘能力は低い。自主建造にカジを切り、現在は南部の高雄市で建造中だ。合計8隻のうち1隻は早ければ24年の就役を目指している。』

中国恒大、2兆円のドル建て債が国際金融市場揺らす

中国恒大、2兆円のドル建て債が国際金融市場揺らす
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB088950Y1A900C2000000/?n_cid=NMAIL006_20210910_H

『【上海=土居倫之】中国の不動産大手、中国恒大集団の2兆円を超える米ドル債が国際金融市場を揺らしている。リゾート開発など無謀な投資で資金繰りが厳しくなり、社債利回りが9日時点で50~470%まで上昇(価格は下落)しているためだ。仏アムンディやスイスのUBSグループなど世界の運用会社が恒大債を保有しており、破綻すれば投資家は損失を免れない。中国政府が救済するかどうかは不透明で投資家は売却を急いでいる。

リフィニティブによると、恒大の債券残高は266億ドル(約2兆9000億円)。このうち主に外国人向けに販売された米ドル建てが195億ドルと約7割を占める。残りは人民元建てが70億ドル相当と香港ドル建てが1000万ドル相当だ。通貨や年限、担保の有無などによって流通市場で売買される社債の利回りは大きく異なる。例えば、2025年満期のドル建て債は9日時点で60%だが、22年満期では400%を超える債券もある。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとフィッチ・レーティングスは相次ぎ恒大を格下げした。Caa1(トリプルCプラスに相当)からCa(同ダブルC)としたムーディーズは「今後6~12カ月に大量の債務償還期限が到来し、流動性とデフォルトリスクが上昇しているため」(黎錦雄アナリスト)と説明している。

8日は一部メディアが「ローンの利払い停止を銀行2行に通知した」と報道。この報道を受けて、深圳証券取引所に上場する人民元建て債の価格が9日、20%安と急落した。深圳証取は一時売買を停止し、投資家に理性的な取引を求めた。

恒大の経営が窮地に陥った背景には、過去の無謀な投資で積み上げた巨額の負債がある。1996年に従業員10人弱で誕生した恒大は、地方政府から開発用地を仕入れ、各地でマンションを建設し急成長。20年の住宅販売面積で中国2位だった。

江蘇省にイタリアのベネチアを模した別荘地リゾートを開発したほか、サッカークラブ運営や電気自動車(EV)開発、ミネラルウオーターの販売にまで手を広げるなどした結果、6月末の有利子負債は5717億元(約9兆7000億円)に達した。

リフィニティブによると、ドル建て債は仏アムンディやスイスのUBSグループ、米ブラックロックなど世界の幅広い運用機関が保有する。ハイイールド(高利回り)債で運用するファンドなどで投資しているとみられ、債務不履行(デフォルト)に陥れば、投資家の損失は避けられない。

焦点は中国政府の対応だ。8月19日には中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会が「経営安定の維持と債務リスクの解消が不可欠だ」と監督対象ではないはずの恒大に直接経営を指導する異例の事態となった。

恒大は中国東北部を中心に支店を展開する地方銀行、盛京銀行の筆頭株主で4割近い株式を保有する。盛京銀行の総資産は約1兆元(約17兆円)。万一、恒大が破綻すると盛京銀行を通じて中国の金融システムを動揺させかねない。

経営難に陥っていた中国国有の不良債権受け皿会社、中国華融資産管理は、中国中信集団(CITIC)などが資本参加を決め、破綻を免れた。ただ中国政府は住宅価格上昇の元凶として不動産会社に規制の矛先を向けており、恒大を救済するかどうかは不透明だ。

過剰債務問題は中国の不動産会社に共通する課題となっている。住宅価格の先行きに対する強気な見方から各社は借入金を膨らませて開発用地を取得してきた。香港取引所に上場する不動産開発会社、広州富力地産の債券利回りは9日時点で13~200%の水準となっている。

【関連記事】

・中国恒大の債務リスク、米投資家も身構え(NY特急便)
・中国低格付け債に売り圧力 不動産など「共同富裕」で標的
・不動産の中国恒大、揺れる経営 拭えぬ財務不安

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南川明
インフォーマインテリジェンス シニアコンサルティングディレクタ

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ひとこと解説 中国の不動産市場が動揺しているようだ。中国政府は最近、アリババなどの技術開発を伴わない企業や超裕福層への締め付けを厳しくしている。格差で溜まった不満解消をしなければ中国内部からの共産党批判を抑えられないのだろう。

不動産価格下落、株価下落が伴い、これまでの中国成長の牽引役を引きずり下ろす程の大胆な戦略に見える。短期的な消費低迷がエレクトロニクス業界に与える影響は計り知れない。最大限の注意が必要に感じています。

2021年9月10日 12:00いいね
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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター

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分析・考察 このテーマを読み解くヒントは「日本の1990年」です。不動産融資規制、不動産業者の経営危機、金融危機懸念。構図はすべて同じです。違う点は、「失われた20年」を耐え抜いた日本より富の蓄積が遅れていること。年金や保険などの整備が遅れ、人々の老後の心配は強いです。

見かけは成長していても人々が不安になって景気がハードランディングする成長率「失速速度」は何%でしょうか。エコノミストや投資家と会う度に聞くようにしていますが、最近は4%という数字も聞きました。来年の成長率は5%台とも言われていますから、あまり余裕はありません。

2021年9月10日 12:38 (2021年9月10日 12:44更新)
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授

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ひとこと解説 中国政府は本腰を入れて不動産価格を抑え、過剰債務などの問題に向き合っているが、巨大企業を破綻させても金融システムと不動産市場をどう安定化させるか、社会に激震を与えないで済むのか、頭を悩ませているようだ。

安定を最重視している中国では、企業の規模が大きいと、政府は余波を恐れて怖くて手がつけられない。こうしたジンクスを破ることができるのか。恒大を通して、中国の今後進む道が示されようとしている。

2021年9月10日 12:32いいね
25 』

中国、台湾関連の報告書を採択した欧州議会を批判

中国、台湾関連の報告書を採択した欧州議会を批判
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2021-09/04/content_77733431.htm

『全国政治協商会議外事委員会は2日、欧州議会外務委員会が「EU・台湾の政治関係と協力」報告書を採択したことを受け、強い不満と断固たる反対を示す声明を発表しました。声明は、「この挙動は中国内政への公然たる干渉で、国際法と国際関係の基本準則に対する甚だしい違反だ」と強調しました。

 声明はさらに「世界には、ただ一つの中国しかない。台湾は中国の領土の不可分の一部だ。台湾問題は純然たる中国の内政であり、中国の核心的利益と中国人民の民族感情に関わる。一つの中国という原則は公認された国際関係の準則であり、国際社会の普遍的な共通認識である。また、中国と世界各国が友好協力関係を維持し発展させる上での前提であり、政治的基盤でもある」と論じました。声明はまた、「中国人が持つ国家の主権と民族の尊厳を守る意志が揺らぐことはない。いかなる外部勢力による中国の内部問題への介入にも、中国の平和統一プロセスへの干渉にも、断固として反対する。中国は必ず統一されねばならない。必然的に統一される。いかなる者も勢力も、阻止することはできない」と論じました。

 「声明」はさらに、欧州側に対して「台湾問題が極めてデリケートであることを十分に認識すると共に、中国の主権と領土保全を尊重するよう」呼びかけました。また、台湾問題を材料にトラブルを作りだしたり、『台湾独立』の分裂勢力に誤った危険なシグナルを出したりしないよう訴えました。そのうえで、「欧州議会が中欧関係の大局を出発点として、一つの中国という原則を確実に守ると同時に、台湾問題に慎重かつ適切に対応すべきだ。中欧の相互信頼と協力の促進に役立つことを多く行い、中欧関係の正しい道に沿った健全な発展を確保する」よう求めました。

 「中国国際放送局日本語版」2021年9月4日 』

EU議会初の台湾関係報告書

EU議会初の台湾関係報告書「最高レベルで台湾と交流を」圧倒的多数で採択
2021年9月2日 15時18分
欧州連合(​EU)本部前にて。2019年10月16日撮影。(Photo by KENZO TRIBOUILLARD/AFP via Getty Images)
https://www.epochtimes.jp/p/2021/09/78346.html

『欧州議会外交委員会は1日、EUで初となる台湾との政治関係に関する報告書を圧倒的多数(全70票のうち60票賛成)で採択した。投資協定や、台湾にあるEU代表事務所に「台湾」の名前をつけることなどを推奨した。さらに、中国から台湾に対する圧力についても「EUが行動を起こすべきだ」と提言した。

報告書は、EUの政策執行機関である欧州委員会に対して、台湾政策を建議している。EUと台湾は「自由、民主主義、人権、法の支配という価値観を共有し志を同じくするパートナー」と表現し、最高レベルでの台湾との公式交流を強化することを勧めた。加えて、EU台湾関係を強化するために、二国間投資協定(BIA)の評価や交渉の推進を提言した。

同書はさらに、中国による台湾に対する領域侵犯や偽情報拡散キャンペーンなどの圧力に深い懸念を表した。この現状は「インド太平洋地域の平和と安定に深刻な脅威をもたらしている」と述べ、EUが行動を起こすことを推した。

そして、台湾にあるEUの外交事務を担う「欧州経済貿易事務所(European Economic and Trade Office)」の名称を「駐台湾EU事務所(European Union Office in Taiwan)」に変更することを提案した。

他にも、同書では、EUのインド太平洋戦略に台湾を含めることや、世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)などの国際機関に台湾がオブザーバーとして全面的に参加できるようにすることを求めた。

同書を調整したスウェーデンの欧州議会議員チャーリー・ワイマース(Charlie Weimers)氏は、報告書の採択は「重要なパートナーである台湾との関係を強化する準備がますます進んでいるという強いメッセージを発信している」とコメントした。

欧州議会で議連「友台小組」(台湾に友好的な議員連盟)を率いるマイケル・ガーラー(Michael Gahler)議員は、先進民主主義国家であり、インド太平洋地域における重要なパートナーである台湾との関係を強化すべきだと述べた。

外交委員会で承認された同報告書は、今後、欧州議会本会議にかけられる。

(翻訳編集・佐渡道世)』

中国は南シナ海における米国の覇権的行為を受け入れない

中国は南シナ海における米国の覇権的行為を受け入れない:グローバル・タイムズ社説
グローバル・タイムズ
https://www.globaltimes.cn/page/202109/1233756.shtml

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

米国の誘導ミサイル駆逐艦USSベンフォールドは水曜日、中国の許可なしに南シナ海の明治礁近くの海域を不法侵入した。中国側は航空機と船を動員して船を警告し、船を海域から追放した。第7艦隊のニュースリリースで、米国側はUSSベンフォールドが明治礁から12海里以内を航行したことを認めた。しかし、軍艦は航行権と自由を主張していると述べた。明治サンゴ礁は「国際法の下で領海を受ける権利はない」とし、サンゴ礁に建設された「土地埋め立て努力、設置、構造物」は「国際法の下でこの特徴を変えない」と主張した。
中国と米国は明治礁の12海里の性質について意見が一致しない。他の異なる見解は世界中に存在する。しかし、国際法は、軍艦による侵入で他人の主権主張に異議を唱える権限を与えるものではありません。特に米国は、国連海洋法条約を批准していないという事実を考えると、そうする権利はない。

米国が行ったことは裸の挑発であり、これはすべての人に明らかです。明治礁には中国人や施設が多く、その近くを航行した米軍艦は明らかに脅威を与えている。中国側は無関心のままではいられないが、対抗措置を講じなければならない。これは常識です。

南シナ海で波を起こし、ベトナムとフィリピンに中国と対決させる米国の政策は失敗した。中国のサンゴ礁から12海里以内のいわゆる航行と不法侵入の自由を主張するために、軍艦を狂ったように派遣したほど腹立たしくなってきた。

米軍艦は、中国のサンゴ礁の近くで挑発を行うために遠くから来ました。それは実際には米国の覇権の宣言でした。このような行動の条件は、ワシントンだけがそうする強さを持っており、たとえ他の国が動揺していても、彼らは米国の覇権の乱用に耐える以外に何もできないということです。しかし、中国は強くなり、上記の状況を損なっています。したがって、南シナ海における米国の挑発は、覇権宣言であるだけでなく、中国を戦略的に抑圧することを目的としている。このような圧力に抵抗する中国のアプローチと能力が高まる中、そのような米国の挑発が中国と米国の間の海洋摩擦を引き起こすリスクはますます高まるだろう。

中国の軍艦がアジア太平洋と米国の同盟国の海岸線にある米軍基地に行って接近偵察作戦を行い、航行の自由を宣言し、南シナ海の請求国も他の当事者が占領する島々や岩礁の周りでそのような作戦を行うならば、世界の海洋秩序はより良いか、より混沌とするだろうか?

単に米国に真実を話すだけでは、中国にとっては不十分です。中国は積極的な行動を取り、上記の基地と海岸線で緊密な偵察活動を行う能力の確立を加速する必要がある。中国の青水海軍の急速な発展はこれを可能にしました。米国に自国の医学の味を持たさせることによってのみ、我々は米国とその同盟国の神経に触れ、南シナ海における米国のいじめに対する西側世界の理解を変えることができる。

米国は南シナ海で意図的に紛争を引き起こし、PLAの強い対抗措置に耐えなければならない。両者の試合は極端に進み続けるだろう。米国は間違いなく、そう遠くない将来にPLAがその玄関口に現れるのを見るでしょう。そして、中国と共に、米国はますます制御が困難になっている不確実性に直面するだろう – 海上の双方の軍艦と航空機は巨大な相互戦略的敵意を運び、両国はお互いに屈しない。

この状況が続けば、遅かれ早かれ南シナ海で中国と米国の間で事件が起きるだろう。米国は南シナ海の平和に対する最大の脅威であり、最終的には地域の平和を台無しにするかもしれない。これは単なる警戒的な話ではありません。

中国は海上で米国と競争しているが、双方が紛争をコントロールできなかった場合の軍事摩擦に備えなければならず、その後の大規模な軍事衝突の可能性もある。

状況が制御不能になり、中国と米国の間の軍事的衝突を引き起こしたら、我々は我々のホームフィールドの優位性に完全なプレーを与えなければなりません。戦争が起きたら、中国は間違いなく勝つだろう。』

習氏、米の対中政策批判

習氏、米の対中政策批判 米中首脳が2月以来の電話協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN102QT0Q1A910C2000000/

『【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は10日、電話協議した。ホワイトハウスの発表によると、両首脳は競争関係が衝突に転じないようにする両国の責任を話し合った。習氏は米国の対中政策が両国の関係をひどく損ねていると批判した。

ホワイトハウスによると、バイデン氏はインド太平洋地域と世界の平和と安定、繁栄について米国の国益の重要性を強調した。両国の国益が一致する分野とそうではない分野について幅広く、戦略的な議論をした。

中国外務省によると、習氏は「米国の取った対中政策が中米関係を深刻に悪化させている。これは両国の利益に合致しない」と語った。経済や軍事、技術など幅広い面で中国に圧力をかける米国の対中政策を修正するように求めた。

そのうえで「お互いの食い違いを適切に管理する基礎の上で、両国の関係部門は引き続き対話できる」と話し、協議の継続に期待を示した。

習氏は米中が協力できる分野に気候変動や新型コロナウイルス対策、世界経済の回復を挙げた。気候変動について習氏は「中国は国情に合致する国際責任を積極的に担ってきた」と主張した。

バイデン米政権は8月末からケリー米大統領特使を中国に派遣し、気候変動問題を協議したが、平行線に終わったとみられる。米国は中国の追加対策を求めているが、習氏は慎重な姿勢を示したようだ。米軍撤収に伴い混迷を深めるアフガニスタン情勢も議題にあがったとみられる。

米中首脳の電話協議は2021年2月以来7カ月ぶりでバイデン政権では2回目。米国は10月にイタリアである20カ国・地域(G20)首脳会議の機会をとらえた対面式の首脳会談の可能性を探る。中国外務省によると、バイデン氏から電話したという。』

麻生は声を荒らげ「おまえと一緒に、河野の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」』→フェイクニュースでした

西日本新聞『菅首相が麻生財務相と接触。麻生は声を荒らげ「おまえと一緒に、河野の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」』→フェイクニュースでした | 保守速報
https://hosyusokuhou.jp/archives/48910198.html

 ※ 何が、何やら…。

 ※ 時々載ってた、「目の覚めるような記事」も、取材無しの想像で書いた「ウソ記事」だったのか…。

※ こうまで言っているからには、麻生さんが西日本新聞の当該記者から「取材を受けていない」ということは、本当なんだろう…。