「核抑止を極めて重視」 防衛相、米戦略軍司令官と会談

「核抑止を極めて重視」 防衛相、米戦略軍司令官と会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA127V00S1A710C2000000/

『岸信夫防衛相は12日、防衛省で来日中のリチャード米戦略軍司令官と会談した。中国の軍備強化を念頭に「さらに強固な日米同盟が不可欠だ。とりわけ核抑止やミサイル防衛作戦は極めて重視している」と伝えた。

米戦略軍は米国の核兵器の運用を担う。リチャード氏は2019年11月の就任後、初めての外国訪問で日本を訪れた。

岸氏は会談の冒頭で「米国が核を含むあらゆる軍事力を使い、日本の平和と安全にコミットしていることに感謝している」と述べた。「米戦略軍と連携して同盟の抑止力と対処力をさらに強化したい」と話した。

リチャード氏は「拡大抑止の提供に我々は日々真剣に取り組んでいる」と語った。拡大抑止とは同盟国への攻撃を自国への攻撃とみなし、核戦力による反撃で報復する意思を示して第三国に攻撃を思いとどまらせる考え方を指す。

菅義偉首相とバイデン米大統領による4月の首脳会談の共同声明も「拡大抑止を強化する」と記した。

リチャード氏は4月の上院軍事委員会の公聴会で中国の核兵器開発が進展していると指摘し、米軍が保有する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の近代化が急務だと訴えた。

茂木敏充外相も同日、リチャード氏と外務省で会談した。「日米同盟の重要性はかつてなく高まっている」と話し、日米で安保政策の擦り合わせを進める方針を示した。』