「今こそEDR-高度化するサイバー攻撃を迎え撃つ-」

『高度化したサイバー攻撃、ファイルレスマルウェアとは?
サイバー攻撃が高度化した今、万全の対策をしていても被害に遭ってしまう、ということが増えています。なかでも、高度化する脅威として危険視されているサイバー攻撃が、ファイルレスマルウェアです。このファイルレスマルウェアは、exeファイルなどの実行ファイルを使用せず、OS標準のツールを使用し、メモリー上で不正なコードを実行するのが特徴です。

通常のマルウェアによる攻撃の場合、実行ファイルがディスク上に保存され、メールの添付ファイルや、メールの文面でリンクされたWebサイトにアクセスすることで感染します。現在、多くの企業で導入されているEPPでは、実行ファイルに含まれるシグネチャと既知の脅威とのパターンマッチングを行い、水際で被害を食い止めます。しかし、実行ファイルを使用しないファイルレスマルウェアは、そもそもシグネチャがない、すなわちパターンマッチング対象が存在しないため、EPPでは検知することができません。

ファイルレスマルウェアの感染経路
ファイルレスマルウェアが危険視されている理由はこれだけではありません。それは、被害に気づいたとしても、感染原因や攻撃手法をつきとめることが極めて困難である点です。では、ファイルレスマルウェアの感染原因や攻撃手法はどのようになっているのでしょうか。

代表的な例では、実行形式ではないショートカットファイルやレジストリなどがメールに添付されます。そして、そのメールを開封し、添付されたファイルをクリックすることで感染しますが、その際、利用されるのがPowerShell などのOS標準のツールなのです。ディスク上ではなく、PCのメモリー上に悪意あるコードを展開して実行し、感染したPCを不正に操作します。

ファイルレスマルウェアの特徴をまとめると、以下の3点があげられます。
実行ファイルがなく、PCのディスク上に保存されない
EPPでは検索対象外である「メモリー」上で動作する
PowerShellなどの動作はログが残らないこともあり、検知や攻撃手法の特定が困難である
このようなファイルレスマルウェアは、1日当たり数万もの新種が誕生しているとも言われ、今後もさらに増加すると見られています。

これからのサイバー脅威に対抗するには、「侵入後の迅速な対応」を行うことが重要
サイバー攻撃が高度化の一途をたどる昨今、EPPのような既知の脅威を防御する手法だけでは、安全性を確保することがほぼ不可能です。侵入された後の挙動を分析して、脅威を検知する対策が重要となってきます。そこで登場するのが、新たなセキュリティ対策製品EDR(Endpoint Detection and Response)です。

EPPが主に既知の脅威から防御するものであるのに対し、EDRは不正な挙動・振る舞いを検知し、感染後の対応を迅速に行うことを目的としたセキュリティ製品です。EDRにより、EPPで検知できなかったファイルレスマルウェア等による不正な挙動をいち早く検知し、対応することが可能になります。

まとめ
大規模な被害を与えたサイバー攻撃が、企業環境内で検出されるまでの時間は、全世界で日本が最も遅く、平均17時間※1を要していることが分かっています。
ただし、この数字は最良のケースであり、データ漏洩事件の68%※1は、発見されるまで数カ月以上かかるということも分かっています。この数字だけで見ても、侵入したサイバー脅威が組織全体、関係各所に広がり、大きな被害をもたらす危険性が容易に想像できるでしょう。
※1 出展:ソフォス社「7つの気になる真実-エンドポイントセキュリティ」

今後、サイバー脅威はさらに進化し、ファイルを一切使用しない攻撃手法が生まれることも考えられます。こうしたリスクを少しでも軽減するためには、既知の脅威に対する防御に加え、感染をすばやく検知し、迅速な対応を行うことが重要です。』

高度化するマルウエアの攻撃手法、EDRはその手口をどう見抜く

高度化するマルウエアの攻撃手法、EDRはその手口をどう見抜く
高槻 芳 日経クロステック/日経コンピュータ
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01367/082000005/ 

『攻撃の発覚を避けようと工夫する最近のマルウエア。それに対抗するEDRは、端末の多様な情報を収集・解析。攻撃のわずかな痕跡や振る舞いも見逃さない――。その仕組みを解剖する。

 最近のマルウエアは非常に高度な手法を使ってパソコンへの攻撃を隠し、発覚を避けようとしている。マルウエア本体を小型化し、感染先の端末に元からある正規のプログラムを流用するなど、隠蔽の手口は洗練される一方だ。

 その代表例が2019年末から日本に甚大な被害をもたらした「エモテット(Emotet)」だ。このマルウエアはOfficeファイルのマクロを使ってパソコンに感染する。マクロがWindows標準搭載のコマンドラインツール「PowerShell」を起動し、PowerShellコマンドによってEmotet本体をメモリー上にダウンロードして実行する。パソコンのハードディスクにはマルウエアの実行に必要な最低限のファイルしか置かないため、ファイルを分析する従来のウイルス対策ソフトで検知するのは困難だ。

 2020年6月にホンダを襲ったとされるランサムウエア「Ekans」の仕組みも高度だ。本来の攻撃であるファイルの暗号化に先立ち、Windowsが備えるネットワーク設定ツールを使って正規のファイアウオールの設定を変え、端末の通信を妨害していた。これも攻撃の発覚を遅らせる仕組みだ。

 たゆまぬ“研究”の形跡が見られる現代のサイバー攻撃。対抗するには「被害に遭った端末を速やかに発見して対処するのに尽きる」。アクセンチュアでユーザー企業のセキュリティー監視チームなどを支援する、テクノロジーコンサルティング本部セキュリティグループの坂根康之マネジング・ディレクターはこう指摘する。

2つの手法でマルウエアを検知
 対策の要となるのがEDRによって攻撃を「検知」する機能だ。マルウエアが端末の内部に侵入したのか、さらにシステムに感染したのか。それをEDRは主に2種類の手法で検知する。

図 EDRにおける攻撃の「検知」と「封じ込め」
エージェントと解析サーバーが連携して攻撃の痕跡を解析
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 1つは、端末のイベントログなどから感染の「痕跡」を見つけ出す手法だ。現実社会の警察官が、事件現場に残された数々の証拠を分析して犯行を特定していくように、EDRはマルウエアの被害に遭った端末や感染範囲などを突き止める。

 EDRは端末に導入したエージェントを使い、端末の様々な情報を収集して記録する。対象とする情報はファイルの作成やプロセスの起動、レジストリーの変更など多岐にわたる。防犯カメラで人の動きを記録するのと同様、端末の挙動を記録し続けている。』

『EDRは記録したデータをクラウド上のサーバーに集めて解析し、攻撃を受けた結果生じる侵害の痕跡がないかどうかを判定する。痕跡とは例えば「マルウエアのハッシュ値やファイル名」「攻撃に利用される外部サーバー(C&Cサーバー)のIPアドレスやURL」「マルウエア感染時に変更されるレジストリー名や値」などだ。EDRベンダーやセキュリティー組織などから「IOC(Indicator of Compromise)」と呼ばれるサイバー攻撃の痕跡情報を入手し、解析に役立てている。

図 マルウエアの感染状況をリモートから調査するEDR
エージェントとクラウド上の解析サーバーが密に連携
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 EDRが備えるもう1つの検知手法は、端末の「サイバー攻撃と疑わしい振る舞い」を動的に検知するものだ。前者が過去データに基づく静的な検知とすれば、後者はリアルタイム情報に基づく動的な検知だ。不審な人物の行動をカメラで監視する警備員のように、攻撃時に発生する特徴的な振る舞いをEDRのエージェントやクラウド上のサーバーに組み込んだ検知ロジックで検知する。

 「人工知能(AI)や機械学習を駆使して『どうやら攻撃が始まりそうだ』との兆候を察知する」と、米クラウドストライクのマイケル・セントナスCTO(最高技術責任者)は説明する。

 マルウエア自体は次々に新種が登場し派生しており、IOCなどの痕跡情報を使って網羅的に検知するのは難しい。一方、感染後に生じる端末内部の情報窃取やファイルの暗号化といった攻撃パターンや“クセ”なら、むしろ検知ロジックで絞り込みやすい。こうした考え方に立った検知手法であり、前述のエモテットのように従来のウイルス対策ソフトを欺いて防御をすり抜ける攻撃についても効果が期待できる。

 EDRはマルウエア感染を検知すると、ユーザー企業のSOC(Security Operation Center)やシステム管理者にアラートを送り、自動または手動で感染端末から外部への通信を遮断する。情報漏洩や他の端末への感染拡大を封じ込めた上で、感染した端末を元の状態に修復する。

 こうした一連の検疫活動に並行して、どのような攻撃が行われたかリポートも作成する。検知や封じ込め、修復といった機能は自動化されている場合が多い。だが、人の判断が必要になる巧妙な攻撃の手口については、やはりEDRを導入した全端末から集まる情報を人間が分析し、個別に対策を講じる必要がある。攻撃内容のうちリスクの高いものから優先順位をつけ、全体として迅速かつ合理的な対応を図るのも重要だ。

 EDRは主にイベントログや解析結果を基に、感染の経緯や経路、影響の範囲を調べてリポートを作る。端末がどのようなツールをダウンロードして実行したか、どこに通信しているか、OSの再起動時にマルウエアが実行されるような設定がなされているか、など攻撃の実態を把握していく。

 EDRの中にはAIによる調査支援機能を備えるタイプもある。AIが初期段階でインシデント情報を整理し、優先順位をつけてからSOCの分析官などに渡す。そうすると分析官はより深刻なインシデントに集中して調査できるようになる。

 EDRによる調査支援は攻撃への迅速な対応だけでなく、再攻撃されるリスクを軽減するのにも役立つ。自社を狙う特定の攻撃パターンを把握できれば、それを基に自社専用のIOCを作成できる。それがサイバー攻撃に対する検知精度を高めることにつながる。』

多摩川に姿を現す羽田連絡道路

多摩川に姿を現す羽田連絡道路、台風で遅延していた台船架設が完了
大村 拓也 写真家
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00129/082000061/

『2019年10月の台風19号で多摩川に土砂が堆積した影響などで、進捗が遅れていた「羽田連絡道路」の台船による桁架設がようやく完了した。多摩川渡河部の長さ602.55mのうち、約半分以上を架け終わった。

多摩川左岸から見た台船架設の様子。架設した桁は長さ42.5m、重量681t。午前5時前に台船の移動を開始し、桁の荷重を午前8時までに架設済みの桁とベントに受け替えた。2020年7月21日撮影(写真:大村 拓也)
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 羽田連絡道路の事業は、再開発が進められる羽田空港跡地の「羽田グローバルウィングス」と、川崎市殿町地区の「キングスカイフロント」の連携強化や活性化につながると期待されている。多摩川渡河部と川崎市側のアプローチ部は、五洋建設・日立造船・不動テトラ・横河ブリッジ・本間組・高田機工JVが上下部一括で設計・施工を担っている。

羽田連絡道路の位置図(資料:川崎市)
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羽田連絡道路の完成イメージ(資料:川崎市)
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 橋は多摩川渡河部の鋼3径間連続鋼床版箱桁(複合ラーメン)と、川崎市側のアプローチ部の鋼2径間連続鈑桁から成る。台船架設は、多摩川渡河部の中央径間と左岸側の側径間で合計5回実施。1回目は3分割した中央径間のうちの1ブロックを19年9月に架設した。

 しかし、同年10月の台風19号の影響で多摩川に大量の土砂が堆積。東京湾から現場付近まで作業船が航行できなくなったため、五洋建設JVは河川内の架設工事を中断し、土砂を浚渫(しゅんせつ)した。これにより、2回目の台船架設は予定よりも約半年間遅れ、20年4月に再開したばかりだ。

 その後、河川内に仮設したベントを併用し、20年6月に左岸側の側径間に当たる長さ66.9mの桁を架設。さらに7月21日には長さ42.5mの桁を継ぎ足した。残りの左岸側70.15mは、7月21日に架設した桁の端部からトラベラークレーンで張り出し架設する。この径間は堤防や環状8号線の上空に架かる計画だ。

羽田連絡道路の平面図(資料:川崎市)
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『工事費は約55億円増加
 右岸側の側径間173mは干潟が広がる「生態系保持空間」なので、台船架設ではなく、橋脚柱頭部からの張り出し架設と、右岸からの手延べ工法による送り出し架設を組み合わせる。今年度中に全ての径間の架設完了を目指す。

右岸側から見た多摩川渡河部。写真の右手は生態系保持空間で、トラベラークレーンで張り出し架設する。2020年8月4日撮影(写真:大村 拓也)
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 施行主体の川崎市は当初、20年7月の開通を念頭に置いていた。しかし、着工した17年に多摩川の河床に想定を上回る土砂が堆積していることが判明し、浚渫する必要が生じたので、橋脚工事の着手が遅れた。

 さらに、橋脚付近の地盤が想定以上に硬く、基礎工事に使用した鋼管矢板の施工に時間を要した。これらの遅れに、19年の台風の影響が加わり、現在、21年度中の開通を見込んでいる。20年8月時点で工事費も当初から約55億円増え、約272億円になった。多摩川渡河部の工事費は、事業主体である川崎市と東京都が折半する。

2020年8月上旬に、右岸のヤードで地組みした長さ54mの桁と長さ76.9mの手延べ桁を47.25m前進させた。今後、後方に長さ50m分の桁を地組みし、20年12月に河川内へ向けて送り出す(写真:大村 拓也)
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対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術

対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術 (日本語) 単行本 – 2020/5/29
https://www.amazon.co.jp/%E5%AF%BE%E8%A9%B1%E5%9E%8B%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E6%9C%80%E5%BC%B7%E8%82%B2%E6%88%90%E8%A1%93-%E4%B8%96%E5%8F%A4-%E8%A9%9E%E4%B8%80/dp/4820727877/ref=pd_sim_14_1/357-7288774-6821021?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4820727877&pd_rd_r=57b36eb5-1dae-41f5-ac44-33e7dd8e3e55&pd_rd_w=8LM5P&pd_rd_wg=HIuMO&pf_rd_p=b190c95c-3429-4509-b976-3c0415a773ce&pf_rd_r=YRWBSS99G3X3HW7VX2D1&psc=1&refRID=YRWBSS99G3X3HW7VX2D1 

アフターコロナ 仕事はこう変わる:

「他と違った行動を認めない」「テレワークで細かく監視したがる」上司が、企業のイノベーションを阻害している
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2008/20/news017.html 

『新型コロナウイルスの感染拡大に伴い多くの企業でテレワーク化やビジネスモデルの見直しが進められている。そうした状況に適応する企業がある一方で、「決裁のために出社しなければいけない」「相変わらず、対面の社内ミーティングが必須」といった企業も少なくない。こうした現状について、『職場の問題地図』(技術評論社)などの著書で知られる業務改善・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまね氏は、「日本型マネジメントの根底には、“幼稚性”があるのではないか」と指摘する。

 沢渡氏のインタビューを前後編でお届けする。今回の「前編」では、日本の「これまでのマネジメント」の問題と、「これからのマネジメント」の姿について聞いた。社会の不確実性が高まる今、どのような組織変革が求められているのか。

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沢渡あまね(さわたり・あまね) 業務改善・オフィスコミュニケーション改善士。1975年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業。日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。情報システム部門、ネットワークソリューション事業部門、広報部門などを経験。これまで300以上の企業・自治体などで、ワークスタイル変革、組織改革、マネジメント改革のの講演・業務支援・執筆活動などを行う。『職場の問題地図』(技術評論社)など著書多数。新刊に『職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」』。 Twitterは@amane_sawatari

日本はいま、時代の過渡期にある
――沢渡さんは、日本社会の現状について、どのように見ていますか。

 時代の過渡期に入っていると感じています。産業構造、マネジメントスタイル、法制度、カルチャー、さまざまな点において、過去30年、40年の日本の当たり前が通用しなくなっている。その原因について、私が思い至ったのが、「これまでの日本の組織マネジメントは、“幼稚性”に基づいていたのでは?」という仮説でした。

――幼稚性とは?

 例えば、リモートワーク中の社員を細かく監視しないと気がすまない上司がいますよね。あるいは、ものごとを進めるとき、自分を飛ばして話を進められると、「聞いていない!」と拗(す)ねて足を引っ張る……。これは、中学・高校の部活動の世界に似た理不尽な話です。

 こういう上司に当たると、部下もやる気をなくしてしまいます。せっかく時代の変化に合わせてスピーディーに動こうとしているのに、古いやり方を捨てない上司に邪魔されるわけですから。

 今、こういった軋轢(あつれき)は多くの場所で起きていると思います。気合根性、同調圧力、年功序列といった古い常識が、テレワークなどのニューノーマルな働き方と真っ向から対立しているのです。

マネジメントは、統制型(ピラミッド型)からオープン型へ
――今の時代に合った組織とは、どのようなものなのでしょうか。

 私は、旧来のマネジメントを「統制型(ピラミッド型)」、これからのマネジメントを「オープン型」として対比しています。こちらの表をご覧ください。

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沢渡さんが提示する「これからの時代のマネジメント」。統制型/オープン型の図表(作:沢渡あまね/画:noa)
 まずは、統制型(ピラミッド型)から説明します。統制型(ピラミッド型)は、トップダウンな管理体制です。下の者は上の人が言うことを聞くのが当然で、役職者が家父長のように権力をふるう形ですね。性悪説に基づいたマネジメントがよしとされ、ルールから逸脱することは許されません。

 統制型(ピラミッド型)で重視されているのが、いわゆる「報連相」ですが、そのやり方には、上司が心地よいやり方を下に強いる構造が見られます。例えば、メールによる報告が合理的な場面でも、直接報告を聞かないと気がすまない上司であれば、従うほかありません。資料の体裁や「てにをは」にこだわり、則していないと激怒する上司も。

 その結果、どんどん報連相が遅くなる、あるいは「ヒヤリ・ハット」などのちょっとした情報共有がされなくなる。自分の意に沿わない発言をする部下を、あからさまに冷遇したり、社内にネガティブキャンペーンをして居にくくする上司もいます。もはや人間としての器を疑いますが……。

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下の者は上の人が言うことを聞くのが当然で、役職者が家父長のように権力をふるう統制型の管理体制がまかり通っている(写真提供:ゲッティイメージズ)

――かつては、日本のトップダウン型のマネジメントは世界的に評価されていましたが、今の時代には合っていないのでしょうか。

 誤解されないよう補足しますが、私は統制型(ピラミッド型)のマネジメント自体を否定しているわけではありません。今でも、こうしたマネジメントが効果的な業種や職種はあるはずです。製造現場など。ただ、時代や社会環境の変化に伴い、マッチしない業種や職種が増えてきているのだと捉えています。

 統制型(ピラミッド型)は、製造業に最適化されたモデルです。長年の設備投資やテストの末にマーケットにローンチするというビジネスモデルの場合、決められたプロセス通りに業務を遂行するマネジメントは合理的です。

 でも、今はご承知の通り、スピーディーなトライアンドエラーが問われるIT業界の存在感が高まっています。事実、GAFAに代表される新興企業がイノベーションを起こし、日本の大手企業を凌駕(りょうが)していますよね。

 あのようなグローバル企業も、もともとは若い人たちが始めたベンチャーです。共感できる仲間が数人で集まって、トライアンドエラーを繰り返し、投資家や優秀なエンジニアを集めコラボレーションして世界に新たなサービスや体験を展開する。これは、統制型(ピラミッド型)の組織では起こりにくいのではないでしょうか。

――なるほど。統制型(ピラミッド型)のやり方では、現代のビジネスのスピード感についていけていない、と。

 はい。日本の統制型(ピラミッド型)のマネジメントを前提とした労働環境、法整備なども、もはや企業の変革や成長を阻害するバグです。本当は、若手や外の人の意見もくみ上げて、すぐに動かないといけないのに、昭和のおじさんがいつまでも議論をしている。これでは、革新的なITサービスなど生まれませんよね。

 せめて、管理職が若手や外部とのコラボに積極的であればいいのですが、多くの場合、管理者の意識レベルは古い時代にとどまっています。部下が同じ時間働き、同じパフォーマンスを出すことを求めるといった、ある意味で幼稚園児を統制する、あるいは一昔前の中学高校の部活動のような幼稚性に基づくマネジメントは、成長の足かせになっていると思います。

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GAFAに代表される新興企業がイノベーションを起こし、日本の大手企業を凌駕(りょうが)している(Google本社、写真提供:ゲッティイメージズ)

報連相型のコミュニケーションを捨て、「雑相」を促す
――次に、オープン型の特徴について教えてください。

 オープン型は、トップダウンではなくフラットなつながりを重視します。オープンな情報共有によって、互いの違いを殺すのではなく、むしろ認め合い、生かします。従来はよしとされてこなかった、仕事とは直接関係しない雑談も、オープン型では重要になってきます。

 こうしたマネジメントが今の時代にふさわしいと考えるのは、かつてのように「上の人が答えをもっている」という前提が崩れているからです。上司よりも数段優れたアイデアを、部下が思い付くことも十分にあり得ます。あるいは社外の専門家が答えを持っているかもしれない。オープンにコミュニケーションを取ったほうが、早く正しい答えに近づけると思います。

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沢渡さんが提示する「これからの時代のマネジメント」。統制型/オープン型の図表(作:沢渡あまね/画:noa)
――具体的には、どのような雑談が効果的なのでしょうか。

 「雑談と相談」「雑な相談」という2つの意味を含んだ、「雑相」という造語で説明したいと思います。これは、全社員リモートワークを実践しているソニックガーデンの倉貫義人社長が提唱している言葉です。

 まず、「雑談と相談」というのは、雑談が相談さらには問題解決や新たなアイデアの創発につながるようなコミュニケーションです。メールサービスのGmailがGoogle社の社員の雑談から生まれたという話もありますが、雑談が問題解決やイノベーションにつながるケースは少なくありません。

 次に、「雑な相談」というのは、生煮えのアイデアでも、相談の土台に上げてしまう、ということです。

――「相談」というと、きちんと中身を詰めてから行うイメージがあります。

 そうですよね。報連相がコミュニケーションの主体となる統制型(ピラミッド型)の組織では、それが常識です。しっかりとアイデアを練り、企画を資料に落とし込んで、はじめて上司に持っていけるという感じです。

 でも、今はどこにヒントがあるか分からない時代であり、スピードが何よりも求められます。きっちりと内容を詰めるよりも先に、情報共有することが大切です。

 カジュアルな「雑相」を活発にするには、社内のITインフラも重要です。社員同士がコミュニケーションしやすいカフェスペースを設けたり、Slackのようなビジネスチャットツールを導入したりする。固定席と会議室だけでは、なかなか雑相はうまれにくいですよね。雑相が起こりやすい「場」の提供も大事なのです。

 「社内のコミュニケーションはメールで十分」と思われるかもしれませんが、メールは手紙をデジタルに置き換えたもので、「わざわざ感」も働き、気軽な受発信には向いていません。わざわざ「○○様」とか「お世話になっております」とか書くのも面倒ですよね。「わざわざメールで伝えるほどのことではない」。この心理が、ちょっとした気付きの共有や、雑相を妨げます。その点、ビジネスチャットツールは形式にとらわれずに発信できるので、オープン型のカルチャーに合っています。

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GmailはGoogle社の社員の雑談から生まれた(写真提供:ゲッティイメージズ)

閉鎖的なバックオフィスの変革が必要
――日本企業は、どのようにオープン型のマネジメントを取り入れていけばいいのでしょうか。

 まずは、「このままで勝ち続けられますか?」ということを真剣に考えてみることだと思います。統制型(ピラミッド型)が合う職種や業種もあるので、とにかくオープン型にすればいいというわけではありませんが、今のマネジメントが合理的なのか、変化や成果から見直してみる必要があります。

 また、統制型(ピラミッド型)が合う業種であっても、部署によってはオープン型のほうがふさわしいケースもあるはずです。「ウチは製造業だから」「当社は地方都市の企業だから」と紋切り型、一律で考えるのではなく、部署毎や職種毎の最適解をそろそろ模索し始めてください。

――例えば、どのような部署がオープン型にシフトするといいのでしょうか。

 ずばり、バックオフィス、すなわち管理部門や管理業務から部分的にでもオープン化を進めてほしいと思っています。

 私はこれまで300以上の企業や自治体、官公庁などの働き方改革に向き合ってきましたが、「閉鎖的なバックオフィスが日本の組織改革を妨げている」という結論に至りました。

 例えば、一律の労務管理、固定的な働き方しか認めないオフィス環境、紙やハンコを求める業務フロー、懲罰的な人事制度。これらは社内外のオープンなコミュニケーションを阻害します。これでは、社内に外部とのコラボレーションに挑戦しようとする社員がいても、話が前に進みません。

 外部、そうですね。お取引先との商取引を考えてみましょう。少額の取引であっても、一律相見積もりを強制する企業もあります。そのための時間と労力が、お互い(社内外)にかかります。スピーディーにつながることができません。

 労務管理にしても、製造現場の人と、クリエイティブ職の人とを、同じ勤務時間に縛るのも、おかしな話です。合理的に考えれば、常識のように見える社内ルールの中に、不合理な点が見つかるものです。そして、これらの社内制度、社内ルール、慣習の多くは管理部門、すなわちバックオフィスが統括しています。つまり、バックオフィス次第で組織は大きく変わることができるのです。

 ただ、バックオフィスの中にいる人は、こうした問題に気が付いていないのかもしれません。経理部門など、外と接する機会が少ない人たちは悪気なく「井の蛙」になります。外を知らないものだから、古いやり方が正義だと思ってしまう。あるいは、これまた「井の中の蛙」の税理士や監査人などに「ハンコがないといけない」「規定のフォーマットでなければ認めない」などと「とんちんかんな指導」をされて、うのみにしてしまう。

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バックオフィスと呼ばれる管理部門や管理業務がオープン化を進める必要がある(写真提供:ゲッティイメージズ)

現状を変えるために、できること
――現状を変えるために、できることは何でしょうか。

 まずは問題を自覚するためにも、外の風を入れて、他社のやり方を知ることが大事です。そして、内部規則によって社員の働き方ががんじがらめになっている状態に気付いたなら、まず業務フローを見直してみてはどうでしょうか。外部人材の登用と活用も大事ですね。

 ただし、マネジメント(経営者や管理職)には異なる意見を受け入れる度量と力量が求められますが。そうしないと、外から来た人はその組織に「アンチ」になって去っていってしまいます。ますます、多様な人材が寄り付かない「田舎の残念なムラ社会組織」になり、やがて過疎化します。

 自由な働き方に「待った」をかけてしまうルールは撤廃し、オープン型に向かう上でブレーキになる要素を外していくのです。あるいは、変革を邪魔するマネジメント層は退任あるいは冷遇する人事制度も必要かもしれません。

 ただ、現状の問題をバックオフィスだけのせいにして、「あとはよろしく」と丸投げするのはよくありません。組織の働き方、カルチャーは、誰かのせいにして解決できる問題ではないからです。日本企業では、組織変革といいながら、その責務を特定の部署や社員に丸投げしているケースが目立ちます。

 政府が悪い、官公庁が悪い、社長が悪い、管理職が悪い、現場が悪い――確かに、そうなのかもしれません。というより、皆が等しく悪いのです。誰もが問題を抱えているからこそ、全ての人が正しく成長し、正しくアップデートしていく必要があります。そうした動きのなかで、バックオフィスの人たちは、社内ルールを変えて、外との壁をとっぱらうといいと思います。

 そのようにしてオープン型に進化したバックオフィスは、企業の成長をけん引する存在になり得ます。逆にいえば、こうした変革がなければ、日本企業どころか、日本全体が世界に遅れ、沈んでしまいます。

 誰か一人(一組織)のせいにして、その人(組織)だけを責め立てて自分は悪くないですって開き直る。それこそ幼稚な行動ですよね。』

国際金融センター香港を舞台とする米中新冷戦の実相

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00930/ 

 ※ 日経の有料会員になる前は、ずっと「産経オンライン」だった…。なにしろ、無料だったからな…。最近では、読みたい記事は、殆んど有料記事になってしまったが…。
 それで、この人の「解説記事」には、随分とお世話になった…。
 今回初めて、ご尊顔を拝します…。

『中国にとって香港は「金の卵を産むガチョウ」
米中新冷戦の主戦場は国際金融センター香港である。2020年6月末、中国の習近平政権が香港の政治、表現の自由を制限する「香港国家安全維持法(国安法)」施行を強行した。それに対し、トランプ米大統領は7月14日、「香港自治法」案に署名、発効させ、対中金融制裁を発動できるようにした。

基軸通貨ドルを武器に、ピンポイントで中国の党幹部や金融機関を狙い撃ちにするが、米国はそれにとどまらず、中国のドル利用を全面的に封じる法的手段も用意している。

香港自治法は国安法を振りかざす党幹部、組織に対して、資産凍結やビザ(査証)発給停止などの制裁を科すばかりでなく、香港抑圧に加担する金融機関に対しては、中国系、外資を問わず、米金融機関からのドル融通を禁じる。米国が金融制裁に重点を置く理由は、中国の通貨制度は実質的な意味でドル本位制であり、それを支えてきたのが国際金融センター香港であるという歴史的背景抜きには語れない。

中国人民銀行は流入する米ドルを原則としてすべて買い上げ、人民元資金を発行する。中国本土から香港に人民元を持ち込めば、米ドルにペッグ(釘付け)された香港ドルを介して、米ドルと自由に換えられる。中国にとって香港は紙切れの通貨、人民元を価値ある米ドルに転換できる錬金術センターであり、金の卵を産むガチョウにも例えられる。

人民元の国際取引の7割以上は香港に集中
上海金融市場が発展してきた今でも、人民元の国際取引の7割以上は香港市場に集中している。中国本土への外国企業直接投資の6割以上は香港経由である。中国銀行など中国の国有商業銀行は海外との取引の大半を、香港から主に米ドル建てで行っている。

1949年10月1日、毛沢東による天安門広場での建国宣言後、深圳(しんせん)まで攻め込んだ人民解放軍東江縦隊1万2000人に対し、毛の了承を得た周恩来が香港への渡河(とか)をやめさせた。英国との合意で中国は香港での貿易や金融で特別扱いされると保証されたからだ(拙著『人民元・ドル・円』岩波新書参照)。香港を奪還せずに「長期打算、充分利用」(長い目で考え、利用し尽くす)することにした。

1970年代末、最高実力者鄧小平は改革開放路線に踏み切り、外資を積極導入したが、外資の対中進出拠点は香港だ。鄧小平はドルとの交換レートを固定した人民元を発行して財政・金融を拡大させ、高度経済成長を実現する社会主義市場経済モデルを定着させた。米国の同意のもとに2001年には世界貿易機関(WTO)に加盟し、「世界の工場」としての地位を築いた。

息子ブッシュ、オバマ政権とも、中国市場の拡大に幻惑されて、中国の対米貿易黒字拡大をなすがままにした。中国の対米黒字増加は経済のみならず、急速な軍拡を支え、習政権の拡大中華経済圏構想「一帯一路」や南沙諸島の占拠・埋め立てなど、対外膨張策を可能にした。

米国を本気にさせた香港民主化運動弾圧
待ったをかけたのが2017年発足のトランプ政権である。米国第一主義を唱え、企業の米国回帰と中国の対米輸入拡大を迫る。18年には対中貿易制裁を繰り出し、昨年12月には年間で3000億ドル規模の中国の対米貿易黒字を2000億ドル削減させる米中合意が成立した。

対米貿易黒字は前述したように、人民元創出に欠かせないドルの最大の獲得源であり、米中貿易戦争は通貨対立を内包していた。それを表面化させるきっかけになったのは、19年夏以降に香港で燃え上がった、若者らによる民主化運動である。習政権は香港の司法に直接介入できるようにする「逃亡犯条例改正案」を香港に強要した。北京の圧力を受けて香港当局がデモの弾圧に徹する。

2019年秋、ワシントンは「香港人権・民主主義法」を制定、同時に「米国-香港政策法」を修正した。この修正条項により香港ドルと米ドルの交換を禁じることができるようになったことが、グローバルな金融危機の引き金になりかねない。

前述の香港自治法はその点、ピンポイントで攻撃して、返り血を最小限にとどめる策とも見える。身内を米国など海外に住まわせ、巨額の資産をそこに移している党幹部はドル資産凍結に脅えるし、香港抑圧につながる融資に関わりかねない香港進出の金融機関は、中国系、邦銀など外資を問わず、ドルを調達できなくなることを恐れよう。

習政権が金融大手を香港に誘い込む「甘い汁」
習政権がそんな日米欧資本を引きつける決め手とするのが、西側資本の利益至上主義につけ込むことだ。

米ウォールストリート・ジャーナル紙7月24日付けによると、習政権が国安法を準備し始めたのは、香港で民主化要求デモが燃え上がっていた昨年夏である。ちょうど同時期に、米国政府と議会が米市場に上場している中国企業の不透明な財務内容を厳しくチェックし始め、上場基準の緩い香港市場に重複上場する必要性に迫られていた。

香港市場に上場する中国企業は19年6月で1197社、時価総額シェアは68%だったが、10月から上場数、時価総額シェアとも急増し始め、20年7月には1285社、79%となり、紅く染まった。

上海、深圳の証券市場と香港市場の間では、人民元建てで株式の売買が相互取引できる「ストックコネクト」という仕組みがあり、7月からは中国化された香港市場に殺到し、香港株価が急上昇した。うたい文句は高成長が期待される中国からの新規上場企業で魅力一杯の香港市場である。

香港に拠点を持つ英国の大手金融資本、HSBCは国安法支持を表明し、モルガンスタンレーなど、ウォール街の金融大手は中国企業新規上場の幹事引き受けや中国企業株売買仲介に血眼だ。

香港株の上昇は習政権の格好の宣伝材料でもある。国安法によって情報の自由が奪われる香港市場に対する国際社会の不安に対し、「香港は安全になる。さらにこれからも有望な中国の成長企業が香港市場に続々と上場するので、もっと安心できる投資機会となる」と信じ込ませる。これも人民元資金で操作できる。

東京が香港の代替国際金融ハブになるのは幻想
中国は新型コロナウイルス禍に翻弄される世界の中、力強さには欠けるにしても、いち早く経済をプラス成長軌道に乗せつつあるのだが、アキレス腱が外貨難である。人民元資金の発行残高に対する外貨資産の比率は2015年には総資産比で100%を割り込み、17年末には7割を切り、現在に至る。この結果、コロナ不況のための金融の量的拡大は限られ、政府の財政出動も極めてしょぼい。

外貨準備高減少の主因は資本逃避である。15年夏は人民元レートの切り下げ、その後は不動産市況の悪化、そして18年夏には米中貿易戦争が勃発した。習政権は資本逃避を食い止めようとして、党幹部による不正蓄財を取り締まった。

党幹部やその身内が不正行為によって稼いだ富はドルに換えられ、海外に持ち出される。逃避の中継基地が香港であり、習政権が国安法によって香港を直轄下に置く動機は、民主化運動抑圧ばかりではない。

日本国内では、東京が香港に代わるアジアの国際金融ハブになると期待する向きがあるが、ことの本質を見間違えている。国際金融はあくまでもニューヨーク、ロンドンが要であり、アジアの香港やシンガポールがハブになったのは、税をほとんど徴収されないなど、「強欲の自由」が保証されているからである。

習政権と香港の親中派は香港市場が中国と一体化すれば、以前にも増して稼げると喧伝(けんでん)する。東京にチャンスがあるとすれば、米国が金融制裁を強め、前述したような香港ドルと米ドルのペッグ禁止という極限にまで米中通貨戦争が突き進む場合に限られるだろう。

バナー写真:中国国旗、五星紅旗がはためく香港の金融センター街(共同通信)』

※ 米国が中国を「育成した」側面があるという点と、「税」の問題があるから、東京が「世界の金融センター」になることはない…、という視点は出ているな…。

呼吸しやすい、和紙のシールドマスクが生まれた!

https://newswitch.jp/p/23511 

『杉原商店(福井県越前市、杉原吉直社長、0778・42・0032)は、地元の越前和紙で「和紙のシールドマスク=写真」を商品化し、卸売りを始めた。一枚紙を型抜きし一部のり付けでお面状にした仕様で、鼻からあごを軽く覆う。呼吸がしやすく、オール和紙製で通常の紙ゴミで捨てられる点が特徴。手漉(す)き、機械漉きの2タイプで、それぞれ月1000個の販売を目指す。

仕様づくりは3社と連携。フェースシールドとマスクの中間的仕様の発想をもらい、紙で立体を作る方法、耳かけ部は破線をちぎり取り自分サイズに調節して使う方法を工夫した。価格は手漉き品が5枚入りで1200円(消費税抜き)、機械漉き品が5枚入りで700円(同)。

和紙の質感・風合いで、神仏事など格式ある行事、企業ノベルティ品など、新型コロナウイルス禍のエチケット品の需要を見込む。杉原商店は越前和紙の問屋で、和紙の用途開拓にも注力している。

日刊工業新聞2020年8月24日』

〔弁証法ーその2〕

 ※ まあ、相当に「ヤバイ」内容を含んでいるんで、「深入りしない」ことが、「吉」だ…。
 「思弁的」「哲学的」思考の段階でとどまっている内は、そんなに「現実的な影響力」を持たないので、「面白がって」いられる…。
 しかし、これを「現実世界に応用して、現実的な力(ちから)を持たせよう…。」とか考えだすと、ロクなことにはならない…。
 「テクノロジー」でも「哲学・思想」でも、それを「政治的に利用」して、「自己の現実の影響力を拡大しよう」と考え、行動するヤカラは、いつの世にも必ずや存在する…。「不可知論」でも繰り出して、適切な距離を置くことが「吉」だ…。

 ただ、「もの事の変化・変遷のメカニズム」のとらえ方の「契機」としては、未だに色あせない優れた視点を有する「思想」だとは思うので、紹介しておく…。

 くれぐれも、「一つの論」に過ぎないことを、再度強調しておく…。

弁証法の解釈仮説の構図
https://ameblo.jp/arubea9/entry-12373776408.html

ヘーゲル 弁証法 ヤルデア研究所 伊東義高
http://yarudea.kt.fc2.com/Hegel-benshouhou.html

復帰摂理歴史の真実
≪ フリーメーソンと理神論・汎神論 <トップ> 共産主義の台頭 ≫
■ 第三章 第四節 メシヤ再降臨準備時代の幕開け
     b. ヘーゲル弁証法の正しい理解

https://ywhc.ken-shin.net/futski/3_2_c.html 

疎外
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%8E%E5%A4%96
『哲学、経済学用語としての[1]疎外(そがい、独: Entfremdung、英: alienation)は、人間が作った物(機械・商品・貨幣・制度など)が人間自身から離れ、逆に人間を支配するような疎遠な力として現れること。またそれによって、人間があるべき自己の本質を失う状態をいう。』
『概要
ラテン語のalienato(他人のものにする)に由来する疎外概念は、経済、社会、歴史的には、客体として存在するようになったものを操作する力を主体が失っている状態のことを指す。たとえば、あるものが私とは無関係であるという場合、そのあるものに対して私は無力なものとして疎外されていることになる[2]。この疎外を克服することによって、人間はその本来の自己を取り戻し、その可能性を自己実現できるものとされる[3]。』
『思想史
マルクスは、この疎外Entfremdungという用語をヘーゲルの『精神現象学』(1807年)から継承し、またフォイエルバッハの、神が人間の善性を客体化した発明である限り、それだけ人間は貧しくなる(「キリスト教の本質」)という思想も取り入れて、経済学用語に鋳直した。

マルクスによる概念
有機的身体と非有機的身体に分かれ、自然に抗う「自然疎外」が起こることで生命が始まったように、近代的・私的所有制度が普及し、資本主義市場経済が形成されるにつれ、資本・土地・労働力などに転化する。それに対応し本源的共同体も分離し、人間は資本家・地主・賃金労働者などに転化する。同時に人間の主体的活動であり、社会生活の普遍的基礎をなす労働過程とその生産物は、利潤追求の手段となり、人間が労働力という商品となって資本のもとに従属し、ものを作る主人であることが失われていく。また機械制大工業の発達は、労働をますます単純労働の繰り返しに変え、機械に支配されることによって機械を操縦する主人であることが失われ、疎外感を増大させる。こうしたなかで、賃金労働者は自分自身を疎外(支配)するもの(資本)を再生産する。資本はますます労働者、人間にとって外的・敵対的なもの、「人間疎外」となっていく。

マルクスは「疎外された労働」が再生産されるこのような社会関係を『経済学・哲学草稿』(1844年)で分析し、『経済学批判要綱』(1857年 – 1858年)や『資本論』(1867年、1885年、1894年)に継承した。

スターリン主義による歪曲
スターリン主義者は、ソ連において社会主義社会が実現したと宣言したにもかかわらず、疎外が存在する現実を否定するために、疎外という概念そのものを、マルクスの青年期に特有のものとして事実上否定せざるをえなかった。スターリン主義者の理論では、疎外とは搾取のことであるとして、疎外概念は葬り去られた。

サルトルによる概念
サルトルは、自由な対自として実存する人間は「自由の刑に処せられている(condamné à être libre)」という言葉を残したが、死については、これが実存の永遠の他有化であるという意味で、これを回復不能の疎外であるとした。

脚注 出典
^ ドイツ語であるEntfremdungの訳語としての疎外概念は、他人(fremd)のものにするという意味を持つ。日本語「疎外」には、「うとんじること」(広辞苑より)あるいは「仲間外れにすること」という意味があり、そちらが本来の意味である。経済学や哲学の学者や学生でもない限り、日常的には主にそちらの意味で用いている。ただし、本項は辞書ではなく百科辞典であることを考慮し、哲学用語や経済学用語の「疎外」について解説する。
^ フランスの哲学者ルソーは、「譲渡するaliener」ことを、「私と無縁なものetrangerとなる」ことだとしている。
^ 自己実現のプロセスとして労働を捉えたヘーゲルを批判的に受け継いだマルクスは、資本主義社会における疎外された労働を問題とした。』

息を止められたファーウェイ…

息を止められたファーウェイ…米国の半導体「死の攻撃」にサムスンも緊張(中央日報/中央日報日本語版 2020.08.21 11:34)
https://japanese.joins.com/JArticle/269450?sectcode=320&servcode=300

『気道をふさいだ。呼吸はできない。残りの酸素をすべて使えば本当に終わりだ。ファーウェイ(華為技術)、正確に言えばファーウェイの半導体のことだ。トランプ政権がファーウェイの「半導体呼吸」を止めようと血眼になっている。

米商務省は18日、「ファーウェイが米国のソフトウェアや技術で開発または生産された外国製チップ(半導体)を購入するのを制限するため規定を改正した」と明らかにした。致命打だ。

なぜか。ファーウェイと米国政府の制裁「鬼ごっこ」を対話にすると分かりやすい。

ファーウェイ=米国の半導体を買って使うなということか。

米国=そうだ(2019年5月)

ファーウェイ=なら、我々が自ら設計した半導体を外国企業に生産してもらって使えばよい。

米国=それもいけない(2020年5月)

ファーウェイ=わかった。半導体の生産をあきらめる。米国以外の半導体製品を買って使う。

米国=それもだめだ。米国の技術が入った製品は買ってはいけない。(2020年8月)

ファーウェイ=米国の技術が入っていない半導体などどこにあるのか。我々に半導体を使うなということか。

米国=ビンゴ。

ファーウェイ=話にならない。そんなことはあり得ない。

米国=不満なら米国の技術0%の半導体を作って使えばいい。

詳しく見るとこうだ。昨年5月、米国はインテルやクアルコムなど自国の半導体企業がファーウェイに製品を供給できないようにした。「ファーウェイが米国人の個人情報を中国共産党に渡す」という理由だった。

するとファーウェイは別の方法を考えた。子会社「ハイシリコン」を通じて半導体を独自設計し、台湾のファウンドリー(半導体委託生産)企業TSMCで生産した。これに対し米国は今年5月、TSMCなどファーウェイの半導体を委託生産する企業も制裁対象にした。

ファーウェイは対策を講じた。中低価格半導体企業の台湾「メディアテック」を通じて半導体を購入した。一方で自社のスマートフォン向けアプリケーションプロセッサ(AP) 「Kirin」の生産中断を宣言した。その代わりトランプ政権にファーウェイとの取引を許可してほしいと働きかけるクアルコムとの協力を期待した。

18日の米商務省の措置は、こうしたファーウェイの期待に冷や水を浴びせた。むしろ制裁の範囲を拡大し、メディアテックとの取引までも遮断したのだ。半導体の基礎技術、半導体生産装備とソフトウェアの大部分が米国産であるため可能だった。米国はこうした「既得権」を徹底的に活用した。ロス米商務長官は「ファーウェイは第3者を経由する形で(米国産技術が入った部品を購入する)措置を取った。これからはその穴をふさぐ」と述べた理由だ。使用を望むならライセンスを受ければよいというが、こうした雰囲気でファーウェイに取引を許可する確率はほとんどない。

結局、ファーウェイの半導体供給ルートは事実上すべてふさがった。自国のファウンドリーSMICはまだ高品質半導体生産技術がない。しかもSMICも米国の技術と装備を使用しなければならない。制裁から自由でないということだ。

ファーウェイは会社の存亡まで心配する状況を迎えた。高品質APを安定的に受給できなければ、スマートフォンの競争力はサムスンやアップルはもちろん、OPPOやvivoなど中国企業よりも劣る。さらに5G通信網、サーバーなどに入るプロセッサも供給網が崩壊する。来年または再来年ごろ在庫がなくなれば本当に事業を整理することになるかもしれない。

フィナンシャルタイムズ(FT)が「今回の制裁はスマートフォンと通信装備を生産するファーウェイに『死』を意味する」と報道し、「米国がファーウェイに『核オプション』『致命打』を放った」(ブルームバーグ通信、CNN)という分析が出てくる理由だ。

米国としても容易な決定ではない。自国の半導体業界が苦しむ。米半導体産業協会(SIA)は18日、「半導体取引に対する広範囲な規制は産業に莫大な混乱を招く」とし「中国に敏感でない商用半導体を販売するのは、米国の半導体研究と革新を促進し、米の国経済力と国家安保の核心」と主張した。

FTによると、エヌビディア、テキサス・インスツルメンツ、クアルコム、インテル、ブロードコムの米国半導体5社の売上高の25-50%は中国に依存している。それでもトランプ大統領のファーウェイ枯死作戦に歯止めがかかる兆しは見えない。ポンペオ米国務長官はツイッターで「ファーウェイと抑圧的な中国共産党に直接的な打撃を与えた」とコメントしている。

心配されるのは韓国だ。ファーウェイはサムスン電子とSKハイニックスのメモリー(NAND型フラッシュメモリーとDRAM)分野の主要顧客だ。その間、ファーウェイ制裁は非メモリー(システム)中心に進行した。しかしFTは「今回の制裁対象にはメモリー半導体も含まれる」と予想している。

自国企業の負担も甘受してファーウェイたたきをする米国だ。5月にTSMCに見せたように、米国がサムスンとSKにファーウェイと手を切ることを要求する可能性がある。

やすやすと引き下がる中国ではない。楊潔チ共産党政治局員が訪韓すれば「ファーウェイ支援」に韓国の参加を要求する可能性がある。習近平主席が訪韓すれば見返りを要求するだろう。ファーウェイたたきが他人事でない理由だ。選択の瞬間が近づいている。』

〔アフガン情勢〕

和平交渉に再び暗雲 政府「国民大会議」決定覆す―アフガン(2020年08月23日07時23分)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020082200351&g=int

『戦乱が続くアフガニスタンで、政府と反政府勢力タリバンが停戦などについて話し合う和平交渉に再び暗雲が立ち込めている。政府要人や全国の長老らが集まるロヤ・ジルガ(国民大会議)は、交渉の早期開始に向け、タリバンが求める捕虜の釈放を完了させることを決めたものの、ガニ大統領周辺からその決定を覆す動きが出始めたためだ。

 アフガン大統領府報道官は、17日に報じられたインタビューで「政府側が残りのタリバン捕虜を釈放するなら、なぜタリバンは(政府軍らの)捕虜を(もっと)解放しないのか」と主張、釈放の完了に否定的な見方を示した。タリバンは和平交渉開始を前に、2月末に米国と結んだ合意通り、既に1000人の捕虜の解放を完了したが、アフガン政府は合意の履行を渋り続けている。
 アフガン全国から約3200人を集めたロヤ・ジルガは9日、「流血の事態を終わらせる和平交渉」に望みを託し、タリバン捕虜全員の釈放を決議した。法的拘束力はないが、政府内からは「伝統的な会議の決定に従うのは道徳(の問題)だ」という指摘も出ている。
 地元民放トロTVは、ガニ氏が権力の座にとどまることを最優先にしており、「少なくとも米大統領選まで和平プロセスが遅滞するのではないか」という専門家の見通しを報じた。
 和平交渉が始まれば、タリバンを加えた新たな政治体制に関する議論が避けられず、ガニ氏は2025年の任期切れを前に退任を求められる可能性がある。アフガンから米軍を撤退させるため、和平プロセスを強引に押し進めたトランプ米大統領が11月の米大統領選で敗れれば、タリバンとの交渉を先送りし、権力を手放さずに済むという思惑がガニ氏にはあるとみられている。 』

アフガニスタンのガニ大統領と政敵アブドラ氏、権力分割合意に署名(2020年5月18日 6:00 発信地:カブール/アフガニスタン)
https://www.afpbb.com/articles/-/3283508

アシュラフ・ガニー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%83%BC

ベイルート・アメリカン大学
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E5%A4%A7%E5%AD%A6

コロンビア大学
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E5%A4%A7%E5%AD%A6