Windows 10 バージョン1903以降を現在使用しているなら、「設定」アプリの「Windows Update」で新しいバージョンの機能更新プログラムが利用可能であることが案内されるだけで、「今すぐダウンロードしてインストールする」(バージョン1903以前)または「ダウンロードしてインストール」(バージョン1909以降)をユーザーが明示的にクリックしなければダウンロードもインストールも始まりません。そのことは前々回の以下の記事でもお伝えした通りです。
緊急! Windows 10 May 2020 Updateのアップグレードにちょっと待った!(本連載 第181回:緊急特別編) この機能はWindows 10 バージョン1803や1809にも備わっていますが(2019年5月以降の品質更新で追加されました)、これらのバージョンのライフサイクルは既に終了しているか、終了が近づいているため、自動配布される可能性はあります。Windows 10 バージョン1809のHomeおよびProエディションのサポート期限は「2020年5月12日」でしたが、コロナ禍の影響で「2020年11月10日」まで延期されました。Windows Updateがその延期を考慮してくれるのかどうかは、筆者は確認できていません。
機能更新プログラムが自動配布される“例外”がまだあります。「Windows Update for Business(WUfB)」の延期機能を利用して機能更新プログラムのインストールを延期(最大365日)している、WUfBのクライアント側の「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」オプションで機能更新プログラムのインストールを延期している、または「Windows Server Update Services(WSUS)」やその他の管理ツールで管理者が機能更新プログラムの配布を開始した場合です。
〔「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」オプションは廃止?〕 Windows 10 バージョン2004にアップグレード、またはバージョン2004を新規インストールすると、以前のバージョンでは「設定」アプリの「Windows Update」の「詳細オプション」にあった「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」オプションが見当たらないことに気付いた方もいるかもしれません。
Windows 10 バージョン2004リリース直後は「ダウンロードしてインストール」が提示され、新バージョンが自動配布されなくなりましたし、「Cリリース」「Dリリース」とも呼ばれるセキュリティ以外のオプションの更新プログラムもWindows 10 バージョン1903以降は「ダウンロードしてインストールする」方式になりました。
この変更については、後述するMicrosoftの公式ドキュメント「What’s new in Windows 10, version 2004 for IT Pros」の「Windows Update for Business」の項に2020年6月24日(米国時間)に追記されました。2019年から機能更新プログラムの自動配布はサポート終了が近いデバイスのみを対象とするように方針が変更され、自動更新に任せている多くのデバイスでは年に1回程度の機能更新(HomeやProは3年の間に2回)しか行われなくなりました。この方針変更を最大限ユーザーに提供しつつ、かつ混乱を避けるために、「詳細オプション」から削除されたそうです。』