カテゴリー: 精神活動
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平成 20 年度 数学学習指導設計Ⅰ
高等学校数学 数C・行列とその応用 行列の積
https://www.rs.tottori-u.ac.jp/mathedu/mt/xue_sheng_zuo_pin_files/d1_c.pdf『行列という単元は、同時期に学習する数Ⅲの微積分の演算にくらべ、演算が拍子抜け
するほど単純だが、グラフ等と合わせて視覚的に理解しやすい微積分より「それがいったい何であるのか?何の役に立つのか?」理解しづらく、学習が進むにつれ理解が難しくなる単元である印象を受ける。自分自身も、行列の有用性は大学での数学で初めて理解した部分があり、高校の頃は計算方法を厳守することに心を砕いていたように思う。
学習において必要なのは教科に対する興味であり、歴史上こんな問題を解決するために作られてきたのだ、現実世界においてこのように役に立つのだ、ということが興味をかき立てる原動力となると考えている。
しかし、高校の数学は複素数のように新しい概念を持つ世界が広がる場面も多く、その世界へはいるための手続きの段階で、現状では天下り式にならざるを得ないことがある。
複素数や行列は特にその限界を感じることが多い。
今回の学習では、
天下り式に暗記せよとなることの多い行列の積に関して、感覚的に理解できるような方法を模索した。まず行列の歴史を調べ、どのような問題解決の場面があったのかを探した結果、行列式の方がずっと歴史が古いということ、行列は一次変換や連立方程式を解く手段として整備されてきたことがわかった。
また、行列の積は必要に応じて定義されたものであることもわかった。
そこで、授業設計において、指導要領ではもっと後に学習するベクトルの一次変換を利用して行列の積を定義する必要性を生み出し、定義に必然性を持たせることを意図した。
行列の式を工夫してベクトルの回転を表現することはできたように思うが、行列の積を定義することの有用性、実用性について掘り下げることができなかった。
今回の授業では、単元の理解についても授業設計についても自分の力不足を痛感した。
当初の意図は達成できていないと感じるが、難しいテーマに挑戦することで自分自身が成長することができたように思う。この経験を生かして次につなげていきたい。(米原)』













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※ 今日は、こんな所で…。
※ 結論から言うと、自分の内部の「認知の壁」を取り払って、「認知の枠組みを、変えた。」、ということだ。
※ オレの「数学コンプレックス」の原因になっていた要因を、列挙すると
1、計算が苦手だった。必ず、どこかで「計算ミス」して、「答え」が、「合わなかった」。
2、学習内容に、「物語性」が感じられなくて、面白くないと感じた。
3、「解法」を教えられても、自分のどこを探しても、そういう「解法」を発見・思いつけるような要素がなく、自分には、数学の「才能」が無いように感じた。
※ それを、どういう風に、「認知し直した」か、と言うと
1→ 「計算」は、別に、数学の「本質」ではない。
「計算ミス」しても、「気にしない」。
今は、「計算」は、「機械」がやってくれるんで、「正確な計算」の重要度は、低下した。2→ 「数学」とは、ある種の「ツール」である。
「ツール」に、「物語性」が無いのは、当たり前。
むしろ、その「ツール」の、「切れ味」を味わうべきものである。3→ 「解法」は、別に自分で発見する必要はない。
「ツール」なんだから、「使いこなせば」、それで足りる。※ と言うことで、「数学とは、ツールである。それも、切れ味鋭い、ツールである。」という言に、収束する。
※ 「数学とは、数的に処理したいことがあって、それを数的に処理するために、生み出されたツールである。」と、認知し直すことで、「壁」は無くなった…。
※ 1回聞いて、話しが分からなければ、何度でも学び直せばいいだけの話しだ…。
※ 今日も、「数理データサイエンスAI 応用基礎講座 データサイエンス基礎 数学基礎3 ベクトルと行列」を、視聴した…。4回目だ…。
※ そしたら、「行列」(「ベクトルのデータとしての、「行列」」)の積において、「交換」法則が「成り立たない」という意味が、少し分かった。
※ (2 5)と、(5 2)が「ベクトルのデータ」だったら、そりゃ、「意味」が違うだろ…。
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ミルグラム実験
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%AE%9F%E9%A8%93※ 「権威」を盲信して、「自分の頭で考えることを、放棄する」と、人は際限なく、「非人間的」になる…。


『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2014年6月)
ミルグラム実験(ミルグラムじっけん、英語: Milgram experiment)とは、閉鎖的な状況における権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。
アイヒマン実験・アイヒマンテストとも言う。
50年近くに渡って何度も再現できた社会心理学を代表する模範となる実験でもある[1]。
アメリカ、イェール大学の心理学者、スタンレー・ミルグラム(Stanley Milgram)が1963年にアメリカの社会心理学会誌『Journal of Abnormal and Social Psychology』に投稿した、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。東欧地域の数百万人のユダヤ人を絶滅収容所に輸送する責任者であったアドルフ・アイヒマンは、ドイツ敗戦後、南米アルゼンチンに逃亡して「リカルド・クレメント」の偽名を名乗り、自動車工場の主任としてひっそり暮らしていた。
彼を追跡するイスラエル諜報機関が、クレメントは大物戦犯のアイヒマンであると判断した直接の証拠は、クレメントが妻との結婚記念日に、彼女に贈る花束を花屋で購入したことであった。その日付は、アイヒマンの結婚記念日と一致した。
またイスラエルにおけるアイヒマン裁判の過程で描き出されたアイヒマンの人間像は人格異常者などではなく、真摯に「職務」に励む、一介の平凡で小心な公務員の姿だった。
このことから「アイヒマンはじめ多くの戦争犯罪を実行したナチス戦犯たちは、そもそも特殊な人物であったのか。それとも妻との結婚記念日に花束を贈るような平凡な愛情を持つ普通の市民であっても、一定の条件下では、誰でもあのような残虐行為を犯すものなのか」という疑問が提起された。
この実験は、アイヒマン裁判(1961年)の翌年に、上記の疑問を検証しようと実施されたため、「アイヒマン実験」とも言う。
実験の結果は、普通の平凡な市民でも、一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことを証明するものであった。そのような現象をミルグラム効果とも言う。
実験から約50年後の2015年、オーストラリアの制作会社が、シドニーで役者を用いてこの実験を再現した番組を発表した[2]。
概要
ミルグラム実験の協力者を募る新聞広告
実験の略図。被験者である「教師」Tは、解答を間違える度に別室の「生徒」Lに与える電気ショックを次第に強くしていくよう、実験者Eから指示される。だが「生徒」Lは実験者Eと結託しており、電気ショックで苦しむさまを演じているにすぎない。
前提条件
この実験における実験協力者は新聞広告を通じて、「記憶に関する実験」に関する参加者として20歳から50歳の男性を対象として募集され、1時間の実験に対し報酬を約束された上でイェール大学に集められた。
実験協力者の教育背景は小学校中退者から博士号保持者までと変化に富んでいた。
実験協力者には、この実験が参加者を「生徒」役と「教師」役に分けて行う、学習における罰の効果を測定するものだと説明された。
各実験協力者はくじ引きで「教師」、ペアを組む別の実験協力者が「生徒」となった。
実際には教師が真の被験者で、生徒役は役者が演じるサクラであり、くじには2つとも「教師」と書かれており、サクラの実験協力者はくじを開けないまま本来の被験者に引かせ、被験者が確実に「教師」役をさせるようにしていた。
実験の内容
被験者たちはあらかじめ「体験」として45ボルトの電気ショックを受け、「生徒」が受ける痛みを体験させられる。
次に「教師」と「生徒」は別の部屋に分けられ、インターフォンを通じてお互いの声のみが聞こえる状況下に置かれた。
被験者には武器で脅されるといった物理的なプレッシャーや、家族が人質に取られているといった精神的なプレッシャーは全くない。
「教師」はまず2つの対になる単語リストを読み上げる。その後、単語の一方のみを読み上げ、対応する単語を4択で質問する。「生徒」は4つのボタンのうち、答えの番号のボタンを押す。
「生徒」が正解すると、「教師」は次の単語リストに移る。「生徒」が間違えると、「教師」は「生徒」に電気ショックを流すよう指示を受けた。
また電圧は最初は45ボルトで、「生徒」が1問間違えるごとに15ボルトずつ電圧の強さを上げていくよう指示された。
電気ショックを与えるスイッチには、電圧とともに、そのショックの程度を示す言葉が表記されている。記録映像の残るある実験では以下の表記がなされた。
1、15ボルト “SLIGHT SHOCK”(軽い衝撃)[3] 2、75ボルト “MODERATE SHOCK”(中度の衝撃) 3、135ボルト “STRONG SHOCK”(強い衝撃) 4、195ボルト “VERY STRONG SHOCK”(かなり強い衝撃) 5、255ボルト “INTENSE SHOCK”(激しい衝撃) 6、315ボルト “EXTREME INTENSITY SHOCK”(はなはだしく激しい衝撃) 7、375ボルト “DANGER: SEVERE SHOCK”(危険: 苛烈な衝撃) 8、435ボルト “X X X” 9、450ボルト “X X X”
450ボルトが最大で、435ボルトと共に但し書きはなく、“危険”をさらに超えた強さとして扱われる[4]。
被験者は「生徒」に電圧が付加されていると信じ込まされるが、実際には電圧は付加されていない。
しかし各電圧の強さに応じ、あらかじめ録音された「『生徒』が苦痛を訴える声」がインターフォンから流された。
電圧をあげるにつれて段々苦痛のリアクションが大きくなっていった。
記録映像で確認できる生徒のリアクションは、まるで拷問を受けているかの如くの大絶叫で、ショックを受けた途端大きくのけ反るなど、一見してとても演技とは思えない迫力であった。
1、75ボルトになると、不快感をつぶやく。 2、120ボルトになると、大声で苦痛を訴える 3、135ボルトになると、うめき声をあげる 4、150ボルトになると、絶叫する。 5、180ボルトになると、「痛くてたまらない」と叫ぶ。 6、270ボルトになると、苦悶の金切声を上げる。 7、300ボルトになると、壁を叩いて実験中止を求める。 8、315ボルトになると、壁を叩いて実験を降りると叫ぶ。 9、330ボルトになると、無反応になる。
被験者が実験の続行を拒否しようとする意思を示した場合、白衣を着た権威のある博士らしき男が感情を全く乱さない超然とした態度で次のように通告した。
1、続行してください。Please continue or Please go on. 2、この実験は、あなたに続行していただかなくてはいけません。The experiment requires that you continue. 3、あなたに続行していただく事が絶対に必要なのです。It is absolutely essential that you continue. 4、他の選択肢はありません、あなたは続けるべきです。You have no other choice; you must go on. 5、1から4の通告の間に、被験者が拒否をみせると「体に後遺症を残すことはありません。」「責任は我々がとります。」
4度目の通告がなされた後も、依然として被験者が実験の中止を希望した場合、その時点で実験は中止された。
そうでなければ、設定されていた最大電圧の450ボルトが3度続けて流されるまで実験は続けられた[5] 。
実験の結果
実験を行うにあたって、ミルグラムによりイェール大学で心理学専攻の4年生14人を対象に、実験結果を予想する事前アンケートが実施された。
回答者は全員、実際に最大の電圧を付加する者はごくわずか(平均1.2%)だろうと回答した。
同様のアンケートを同僚たちにも内密で行ったところ、やはり一定以上の強い電圧を付加する被験者は非常に少ないだろうとの回答が得られた。
実際の実験結果は、被験者40人中26人(統計上65%)が用意されていた最大電圧である450ボルトまでスイッチを入れた、というものだった。
中には電圧を付加した後「生徒」の絶叫が響き渡ると、緊張の余り引きつった笑い声を出す者もいた。
全ての被験者は途中で実験に疑問を抱き、中には135ボルトで実験の意図自体を疑いだした者もいた。
何人かの被験者は実験の中止を希望して管理者に申し出て、「この実験のために自分たちに支払われている金額を全額返金してもいい」という意思を表明した者もいた。
しかし、権威のある博士らしき男の強い進言によって一切責任を負わないということを確認した上で実験を継続しており、300ボルトに達する前に実験を中止した者は一人もいなかった。
「教師」と「生徒」を同じ部屋にさせた場合や、「教師」を「生徒」の体に直接触れさせることで電圧の罰を与えて従わせる場合など、「教師」の目の前で「生徒」が苦しむ姿を見せた実験も行われたが、それでも前者は40人中16人(統計上40%)・後者は40人中12人(統計上30%)が用意されていた最大電圧である450ボルトまでスイッチを入れたという結果になった。
実験の成果は国内外において賞賛を与えられたが、同時に倫理性の観点からは、痛みを与える要素の社会的イメージについての批判の声もあった。
関連文献
Milgram, Stanley (1963). “Behavioral Study of Obedience”. Journal of Abnormal and Social Psychology 67: 371–378. doi:10.1037/h0040525. PMID 14049516. Full-text PDF. スタンレー・ミルグラム『服従の心理』(河出書房新社)- 実験者自らによる詳細な報告書 岸田秀訳 1974年 岸田秀訳(新版) 1995年 ISBN 9784309706146 山形浩生訳(新訳) 2008年 ISBN 9784309244549 トーマス・ブラス『服従実験とは何だったのか スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産』(誠信書房 野島久雄・藍沢美紀訳 2008年)- ミルグラムの伝記でミルグラム実験についても多く記述 岡本浩一『社会心理学ショートショート』(新曜社)- 「実験室のナチズム」という項でこの実験について概説している 小坂井敏晶『責任という虚構』(東京大学出版会 2008年7月30日初版)- 序章(「主体という物語」)でミルグラム実験を取り上げている デーヴ・グロスマン著・安原和見訳『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫 2004年)- 一章を割いてミルグラム実験を取り上げている 『死のテレビ実験』(河出書房新社 2011年)-「テレビのクイズ番組のパイロット版」という設定で行われたミルグラム実験の追試の報告書関連項目
ウィキメディア・コモンズには、ミルグラム実験に関連するカテゴリがあります。イエルサレムのアイヒマン - アドルフ・アイヒマンの裁判記録 スタンフォード監獄実験 - 1971年にスタンフォード大学で行われた社会実験 アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発 - 本実験を題材に2015年にアメリカ合衆国で製作されたドラマ映画 再現性の危機 - 社会心理学はしばしば科学的再現性を問われるが、当実験は再現性の高さを備えている[1]。
脚注
^ a b The Crisis in Social Psychology That Isn’t (2017年8月19日閲覧。) ^ BS世界のドキュメンタリー - ショックルーム~伝説の“アイヒマン実験”再考~ ^ 参照した記録映像の解像度がかなり低く、この表示に関しては“BLIGHT”が正しいか不明。BLIGHTは植物の病気を表す名詞、またはしおれさせるなどの意味をもつ動詞であり、一般に形容詞的用法はない(OEDより) 。よって、表示の英語、または訳語が正しいかは検証が必要である。 ^ Blind Obedience - Milgram's Experiment (Documentary) (2016年6月12日閲覧) ^ 死に至る感電で重要な要素は電圧ではなく電流である。電圧だけではかなり高くとも死亡する危険性は低く、冬場に脱衣などの際静電気で音がする電圧で1~2万ボルト、護身・防犯用として日本でも一般に市販されているスタンガンでも電圧は数万ボルトから数十万ボルトある。電流が1アンペア以上になると危険であり、通常の家庭用電源コンセントの100ボルトでも感電死する危険性が高い。ただ、電気抵抗が一定であれば、オームの法則により電圧と電流は比例するため、電流を上げる手段として電圧を上昇させるのは当然の手法である。
典拠管理データベース: 国立図書館 ウィキデータを編集
ドイツ
カテゴリ:
社会的影響力グループプロセス心理学の実験イェール大学1963年の科学1963年のアメリカ合衆国コネチカット州の歴史スタンレー・ミルグラムナチス・ドイツ同調心理学史エポニム 最終更新 2023年6月24日 (土) 07:31 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。 テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスのもとで利用できます。追加の条件が適用される場合があります。詳細については利用規約を参照してください。
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『我々の直感は間違ってばかり? 意識はさほど我々の意思決定に影響をおよぼしていない? 心理学者ながらノーベル経済学賞受賞の離れ業を成し遂げ、行動経済学を世界にしらしめた、伝統的人間観を覆す、カーネマンの代表的著作。2012年度最高のノンフィクション。待望の邦訳。』
『 商品の説明
出版社からのコメント
松井彰彦氏(東京大学経済学部教授)
人間は必ずしも合理的でない。では、どう合理的でないのか。
本書を片手に、人間のファストな「直感」とスローな「論理」を科学しよう。森山和道氏(サイエンスライター)
自分の心が思いどおりにならない理由は何だろうか。
意思決定のメカニズム、心の成り立ちを知りたい全ての人に。西内啓氏(統計家/『統計学が最強の学問である』著者)
本書を読めば新たな視座から、人間を、そして自分自身を理解出来るようになるだろう。
柏野雄太氏(バクフー代表取締役)
職業人がより良い意思決定をするための実践的指南書。
バイアス研究の世界的権威が噛み砕いて伝授!著者について
認知心理学者。プリンストン大学名誉教授。専門は意思決定論および行動経済学。
1934年テルアビブ生まれ。幼少期をパリで過ごし、その後、家族とともにパレスチナに移住。エルサレムのヘブライ大学で心理学と数学を学んだ後、イスラエル国防軍心理学部門に勤務した。
1958年にはアメリカに移住し、カリフォルニア大学バークレー校で心理学の博士号を取得。その後、ヘブライ大学などで教鞭をとり、1993年より現在も在籍するプリンストン大学の教授となった。
2002年には、著者が確立した、不確実な状況下における意思決定モデル「プロスペクト理論」などを経済学に統合したことが画期的な業績として評価され、心理学者ながらノーベル経済学賞を受賞。
2011年および12年にはブルームバーグ選出の「国際金融で最も影響力のある50人」に選ばれている。
2011年発表の本書は著者初めての一般向け著作である。《ニューヨーク・タイムズ》《ウォールストリート・ジャーナル》《エコノミスト》の各紙誌で年度ベストブックに選出された他、《ロサンゼルス・タイムズ》ブック・プライズの栄誉にも輝いた。
』『大西信行
5つ星のうち3.0 この手の本が読みにくいことについて
2018年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入この本は、他の著書でもかなり多くの参考文献に上がっている為、知っていても読んだことが無い人が結構多くいると思う。ちなみに私もそうで、解説本を手掛かりにして、再度熟読したのは最近のことだ。普通の感想やレビューなら他の人も書いているし、あと再読して色々と初読した時に気づかなかったことが出てきたので、それを書いてみた。
誤解を恐れずに言えば、行動経済学は「ユダヤコミュニティ」の為の「心理学」である。ダニエル・カーネマンのこの著書は、ダン・アリエリーを筆頭に、ユヴァル・ノア・ハラリ、ジャレド・ダイヤモンド、クリストファー・チャブリス、 ダニエル・シモンズなど、有名なアシュケナージ・ユダヤ人学者の人々にかなり多く引用されているので、他の著書を辿ってこの本を読んだ人が少なからずいるはずだ。
私的にはこの本を「実用」させる為と考えれば、お世辞にも読みやすいとは思えない。内容も試行錯誤の跡があるにしても、もっと分かりやすく書けた様に見受けられるのだ。通読する分には良いが、これを学問的に研究するとなるとかなりの「偏り」があるのに気付いた。以前、スタンレー・ミルグラム(ちなみ彼もユダヤ人だ。結局、正教授になれなかったらしい。映画「 アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発 [DVD ]」参照)「 服従の心理 」のことを調べていたら、この著書でも参考にしていた節をようやく見つけた。けれど、リストから「意図的」に外されていた。まあ実験の内容の真偽は除くにしても「あの有名な実験」という曖昧さが気になった。
これは何なのだ?と正直思った。引用、参考文献リストをしっかりと掲載している著者でも、通称「アイヒマン実験」のことはタブー視している。確かに世間から言わせると「不快な」実験であるし、著者自身が建国時のイスラエルの「軍にいた」経歴からすると「触れたくない」バイアスもあったとしか思えない。詳しくは映画「 アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発 [DVD ]」を見るといい。著者も、イスラエル建国時のイデオロギーの「虚構」に、気づいているかもしれないが、恐らくこの「思い」を墓の下まで持っていくつもりだろう。だから私はこの本を手放しで評価できない。
一方で同じユダヤ人のアーサー・ケストラーは、若き時にシオニズム運動に参加していたことを後に後悔していて、「 ユダヤ人とは誰か―第十三支族・カザール王国の謎 」を書いた後に自殺している(公式には病気を理由とあるが、かなり怪しい)。ハンナ・アーレントも「 エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告 」を書いた後、ドイツのアカデミズムから、そしてユダヤ人の友人からも、猛烈に批判され距離を置かれている。映画「 ハンナ・アーレント [DVD ]」を見る限りでもわかる。自らの頭で意識的に考えることがとても大切である。このことは意識では当然と思う反面、人は無意識では「思考停止することを好む」ということがいえる。この本はその内容の分析が書いてあるが、著者本人の文章を読む限り、自らも認知バイアスの罠に嵌っていると見抜いてしまった。
この本が明快でない理由は、多分「権益」に利用されやすいからだろう。著者も大衆操作に利用されやすい内容だということを、かなり意識はしている。なぜなら悪用されれば本人の「名誉」に汚点を残すからだ。アメリカのメディアの多くは、ユダヤ人の資本家で占められている事実があるが、私は即座に「陰謀論」とかは思わない。とても複雑なコミュニティ内の「政治」が絡んでいるのが、その本質なのだと思う。
「 ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 」「 ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 」、「 反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 」「 反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 」の著書で有名なナシーム・ニコラス・タレブを友人扱いしている。タレブも以前はダニエル・カーネマンを相当買っていた様だ。膨大なアンケート資料や「政治」に食い込んでいる様を考えると、ノーベル経済学賞には「政治」が食い込んでいるのかと疑義も挟みたくなるが、証拠も無いし取り合えずやめておく(けれど「 反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 」を読む限りで、「学際政治」的な動きを取ったカーネマンに対して、怒りを覚えて喧嘩していることがはっきり書かれていたが(笑))。
この本の内容がビジネスの分野に応用することは、もう大手の広告代理店で「実践」されている。だからこの本の内容の直接的な批判は全く意味がない。だから私はこういう「書き方」をしている。
(「 ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? 」に続く)
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役に立った
レポート 』『AO
5つ星のうち5.0 自分の見たものが全て
2023年6月30日に日本でレビュー済み2002年ノーベル経済学賞受賞の心理学者ダニエル・カーネマンの名著。感知した現象を高速・効率的に処理するためのシステム1と、論理を司り分析、判断を行うシステム2という概念を提唱し、システム1によるバイアスの掛かった誤りと、システム2の怠け者(じっくり分析をしたがらない)2つの性格による人間の判断ミス(ヒューリスティック)を多面的に紹介している。
年をとればとるほどシステム1にバイアスがかかってくると感じたため、年を重ねるごとに読み直し、ヒューリスティックを避ける生き方をしなくてはならないと思う。以下、3点自分も気を付けたい点をご紹介。
第2部 ヒューリスティックとバイアス
”直感的な印象は、証拠の診断結果を過大評価しがちだ・・・「自分が見たものが全て」に連想一貫性が重なると、自分がこしらえたストーリーを信じやすくなる”
第3部 自信過剰(第20章、第21章)より
”特定の分野を日ごろから多大な時間を使って研究し、それで食べている評論家たちは、ダーツを投げるサルよりもお粗末だった・・・理由は、自分はその分野に精通していると考えると、スキルの錯覚が助長され、非現実的な自信過剰に陥るからだと考えられる”
”プリンストン大学の経済学者でワイン愛好家のアッシェンフェルターは、・・・統計的な計算式を作成し、ある年にあるブドウ園が算出するワインの価格予想を試みた・・・計算式は極めて精度が高く、予想価格と実際の価格の相関係数は0.90を上回っていた・・・フランスワイン業界の反応は、「激怒とヒステリーの中間」だった。「映画を見ないで批評するようなもの」と冷笑した人もいた”
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
』
『海外オヤジ
5つ星のうち4.0 二つの思考が意思決定をつかさどる!?因みに翻訳が素晴らしい!
2022年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入本作のアイディアの白眉は、その題名にもある早い思考、遅い思考という二通りの判断ロジックが人間の中にあるという設定であると考えます。
早い思考は、その名の通り、暗黙知的に周囲の状況から危険を察知し、本人に行動を促したりします。勿論、この思考は数えきれない経験から危険な状況のパターンが無意識的に理解されている結果であります。
他方、遅い思考は、これまたその名の通り、立ち止まって判断する所謂「理性」のようなものとして扱われます。発言に論理が通っているかとか、計算問題の見直しとか、意識して物事の真偽を確認する場合の思考方法がこれであります。
で、この二つの思考にはちょっとした癖があって、遅い思考は怠け者で、なかなか表に出たがらない笑 そのため、通常は早い思考が意思決定やものごとの認識に際して幅を利かせます。そして本書では、その「早い思考」が結構失敗する、ということを例証しています。この二つの思考の癖や「あるある」を、プライミング、アンカリングなどの心理学上の概念を交えて確認してゆくことで、さらに議論の幅が広くなっているように感じました。
・・・
こういうものを読んでいると、へーという驚きとともに、掲載されたロジックを使ったらうまいこと人をコントロール出来るんではないかというよこしまな考えも出てきてしまいます(しませんけど笑)。実際、こうした心理学セオリーのいくつかは経験則として既にマーケティングに使用されているような気がします。
私が株屋でどぶ板営業をしていたとき、よく「まず5000万から提案しろ、さもないと1000万の注文も取れない」とよく言われました。私はどうしても家とか外見とかで懐具合を判断してしまいますが、上司は人の金の有無は外見から判断できないし、そこは判断できない前提でアンカリング効果を狙ってそう諭したのかもしれません。よくわかりませんが。
・・・
さて、じつは内容よりも密かに驚いていたのは、その翻訳の読みやすさです。きっと原書も面白いのでしょう。でも、翻訳、しかもノーベル経済学賞受賞の方の本がこんなに面白く読めるとはいったいどんな翻訳家なのかと。村井さんとは何者か、非常に気になってしまいました。・・・
ということで、カーネマンの作品に手を出してしまいました。人間って全然合理的に判断できないし、一定の条件の下では実にロボットかのごとく間違った判断をするようです。筆者が繰り出す数多くの事例を見ていると、人間って結構機械だなあと思いました。
どうも私は、人間は多様で複雑で計算できない動物、と思いたいのか、読後になんだかちょっぴり残念な気持ち?になった読書体験でありました。
45人のお客様がこれが役に立ったと考えています』『 まついち
5つ星のうち5.0 人間の脳は単純な因果律が大好きで怠けもの
2022年8月2日に日本でレビュー済み意思決定のプロセスには直感的な速い思考(システム1)と熟慮的な遅い思考(システム2)が関与している。
システム1によって供給される直感や印象をシステム2で検証し、必要があればシステム2による論理的は判断を加えて意識決定がされる。
システム1はとても有用であるが、しばしば重大なバイアスが入りうる。どのようなバイアスがあるかを認識することで、意思決定に関わる深刻な過ちを予防できるかもしれない、というのが本書の有用性だと思った。
手元にある情報をもとに無意識的に因果律が明瞭なストーリーをつくりあげることを連想一貫性という。システム1の核となる機能はこの連想一貫性であるという点が興味深かった。この働きにより、認知容易性、プライミング効果、驚き、誤った因果関係の理解、ハロー効果、確証バイアスなどの説明ができる。
つまりシステム1は現実世界をとても単純で一貫した因果関係のある物語として捉えることが好きで、物語に反する複雑な事象は無視しがちになる。統計的な観点よりもステレオタイプに引っ張られて物事を予想する。
利用可能性ヒューリスティックは同種の事例をどれだけ簡単に想起できるかによって、頻度を判断することでありバイアスが入りやすい。例えばマスメディアで報じられるセンセーショナルな出来事をさも頻繁に起こるかのように捉えてしまう。また利用可能性ヒューリスティックにより人々の関心が集まると、マスメディアがより報じるようになるという悪循環が生じる。これは昨今のコロナ禍におけるリスクの過剰評価を説明しているかのように感じた。
また事後に結果を知った上で物事を振り返ると結果バイアスが入り、意思決定の適切さを評価することが困難である(後知恵で批判してくる嫌な上司はたまにいる)や直感に頼るよりも単純なアルゴリズムやスコアリングシステムの方が精度が高いという話は医療現場にも活かせそうで印象的だった。
認知においてどのようなバイアスが入るかを正しく認識することにより、この知識を悪用する輩にだまされることを防ぎ、また自説に説得力を持たすことができる。何度も読み返して身につける必要性を感じた。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています』
『 K
5つ星のうち5.0 要点まとめ
2020年11月21日に日本でレビュー済み■ファスト思考(直感)とスロー思考(熟考)
・人はファスト思考を好むが、錯覚や勘違いが起きやすい。
・スロー思考できるキャパは限られている。
・自制心が必要なときは、スロー思考のキャパが減る。
・注意力≒自制力≒知能(スロー思考力)。注意力をゲーム等で鍛えるのは有効。■正しい/影響力がある と錯覚しやすいこと
・よく目にすること
・わかりやすいこと
・好きなこと
・前回正しかったこと(例:2件のレポート)
・規則性があること
・自分の認識と合っている情報
・筋の通った説明
・最初に検討した案■その他の錯覚しやすいこと
・知っている範囲内だけで判断する。情報収集や信用度判断をしない。
・似ているものと取り違える(例:モーゼの錯覚)
・異なる単位のレベル合わせをする(例:重厚感がある本を高価だと思う)
・人を見た目で判断する。特に「強さ」「親しみやすさ」について。
・平均(割合)はわかるが、実数はわからない(例1:救える数に関わらず同じ寄付金額を払う)(例2:統計の母数を気にしない)
・答えがわからないときに、解ける別の問題に置き換える(例:採用面接で能力を計れないので好印象かどうかを見る)
・行動によって気分が変わる(例:作り笑顔をすると楽しくなる)
・気分によって行動が変わる。※気分はスロー思考さえも狂わせる
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています』『 赤い鯉人
5つ星のうち4.0 人間の意思決定を「速い思考」と「遅い思考」の関係性で分析
2020年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、人間の意思決定を「速い思考」(システム1)と「遅い思考」(システム2)という
脳の中の2つのシステムの働きで分析する。システム1は物事を直感的に判断しスピーディーだが複雑なことには対応できず、その場合には
システム2が出動する。システム2は複雑な思考に長けているが、注意力を要する(1つのことに
集中すると他のことが疎かになってしまうのもこれが原因)上に多くのエネルギーを消費するため、
平常時はシステム1に判断を任せて省エネモードになっている。システム1は、例えば危険が迫っていることを本能で察知する場合のように、
スピーディーな判断を下すために様々な「決めつけ」や「取捨選択」を行う。
この中で本当は必要な情報が捨てられてしまったり、ねじ曲げられてしまうのだが、
多くの場合、システム2はこれを見逃してしまうため、全体として人間は誤った判断をすることになる。本書では、このようなシステム1とシステム2の関係性から人間の様々な意思決定過程における
誤り(バイアス)を分析しており、それは例えば、「プライミング効果」、「ハロー効果」、
「(問題の)置き換え」、「アンカリング」、「利用可能性ヒューリスティクス」、
「基準率の無視」などに及んでおり、非常に興味深い著作だと感じた。特に後半で述べられている「結果バイアス」(結果が分かってから「やはりそうだと思っていた」と
考えがちであること)の話はもっともで、「結果バイアスが入り込むと意思決定を適切に評価すること、
すなわち決定を下した時点でそれが妥当だったのか、という視点から評価することはほとんど
不可能になってしまう」という部分は、自信満々で批判ばかりしている専門家やコメンテーターと
称する人たちを見ると、「なるほど」と思わずにはいられない。長くなるので割愛するが、統計の判断に関する誤謬の部分も非常に秀逸である。
57人のお客様がこれが役に立ったと考えています』『 かなえるゾウ
5つ星のうち5.0 直感によって生じる判断の誤りを掘り下げた本
2019年5月6日に日本でレビュー済み人の判断は、システム1(直感による速い思考)とシステム2(理性による遅い思考)によって行われる。
最終判断は、システム2によって行われるのが原則だが、システム2は、怠慢や過大な負荷のためにしばしばシステム1の判断をそのまま鵜呑みにしてしまう。
本書の上巻は、その実例がひたすら370ページにわたって紹介されているが、それほど冗長さを感じないのは、やはり内容が充実しているからだろうか?
以下に、システム1によって犯しやすい誤りを列挙する。
1) 理解しやすい現象や何度も聞いている事柄や自分が知っている情報や知識に関する出来事は、たとえそれがその情報が不十分であっても、統計確率的な常識(偶然やばらつき)を忘れて、安易に信じたり、過大評価したりする。
その結果、何らかのリスクを判断する際に、その判断結果は無視するか過度に重視するかの両極端になる。従って、人は、一般的に、多くて多様な情報よりも、少なくてシンプルな情報の方をより信じやすい。また、偶然に起こった少ない事例でも、その統計確率上の検討を忘れて、因果関係を勝手に仕上げてしまう。
さらに、難しい問題に対して答えが出せないとき、その問題をより易しい問題に置き換えてしまう。(置き換え)また、自分が感じた予感や直感や自分が下した判断に関して、正しかったものはよく覚えているが、誤っていたものは忘れている。(その結果、自分の予感や直感や判断を過信する。)
2) 2つの連続に起きた事実において、最初に起きた事実から受けた印象は後に起きた事実の解釈に影響する。
はじめて会った人でも、第一印象で、その人が好きか嫌いか、また信用できるかできないか分かったような気になる。(ハロー効果)
3) 人の判断や推定は、以下のような数字に影響される。(アンカリング効果)
・ある量を推定しなければならないときに比較される数字
・値段交渉する際に、最初に提案された価格
・何かを購入する際に与えられた購入数の上限
・意見を出す際に、上げなければならない実例数1人のお客様がこれが役に立ったと考えています』
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脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論 Kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B09XV35SNR?psc=1&tag=vortexdrive-22&th=1&linkCode=osi※ 今日は、こんな所で…。

『細胞の塊にすぎない脳に、なぜ知能が生じるのか?
カギは大脳新皮質の構成単位「皮質コラム」にあった。
ひとつの物体や概念に対して何千ものコラムがモデルを持ち、次の入力を予測している――脳と人工知能の理解に革命を起こす「1000の脳」理論、初の解説書』
『出版社からのコメント
知能の謎を解くカギは、大脳新皮質の構成単位「皮質コラム」にあった。
/あなたが動くと感覚入力が変わる。それを観察することによって、脳は世界のモデルを学習する。
モデルの基礎をなすのは、物体の位置とその変化を記述する「座標系」である。
あらゆる皮質コラムに座標系をつくる細胞があり、あらゆる皮質コラムがモデルを持つ。
/いま、あなたの目の前にコーヒーカップがあるとする。それをつかもうと手を伸ばすとき、コーヒーカップのモデルを持つ何千ものコラムが、次にどんな入力があるかを予測している。手ざわり、重さ、温度、机にもどしたときに立てる音……。あなたの知覚とは、コラム間の「投票」によってたどり着いた合意である。
/このメカニズムは、物体の認知にとどまらない。民主主義、人権、数学、すべての概念は座標系内に保存される。思考とは、座標系内を動きまわることに他ならない。
著者について
著者紹介
ジェフ・ホーキンス(Jeff Hawkins)
1957年生まれ。神経科学者、起業家。神経科学とAI(人工知能)の研究を行なうヌメンタ社の共同創業者、チーフサイエンティスト。1979年にコーネル大学で電気工学の学士号を取得後、インテルのソフトウェア・エンジニアとして数年間働く。
1986年にカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で神経科学の博士課程に進んだが、大学という組織のなかで脳を総合的に研究することの壁に突き当たってシリコンバレーに戻り、1992年にパーム・コンピューティングを設立。
現在のスマートフォンの先駆けとなる携帯情報端末「パームパイロット(PalmPilot)」を開発した。
2002年、レッドウッド神経科学研究所を設立。
2005年、同研究所をUCバークレーに移管するとともに、ヌメンタを設立。
ホーキンスのアイデアはアンドリュー・エンや松尾豊らAI分野の著名人に影響を与え、各方面から称賛を集めている。他の著書に『考える脳 考えるコンピューター』(サンドラ・ブレイクスリーとの共著)がある。
訳者略歴
大田直子(おおた・なおこ)
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書にドーキンス『さらば、神よ』『魂に息づく科学』、イーグルマン『あなたの脳のはなし』『あなたの知らない脳』、ムッライナタン&シャフィール『いつも「時間がない」あなたに』、リドレー『繁栄』『進化は万能である』(ともに共訳)、サックス『意識の川をゆく』『音楽嗜好症』(以上早川書房刊)ほか多数。』『Am͜a͉zon カスタマー
5つ星のうち5.0 真に知的なAIを作る
2023年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入Deep LearningやGPT-3は、私達へ明確なAIの未来を提示してくれた。しかし、真に知的な存在となるにはもうあとワンステップが必要なのだ。
彼はその方法論を示した。大脳新皮質をシミュレートするために必要な皮質コラムの役割りと、それらのオブジェクトがマッピングされる必要性をである。
間違えてはならないのが、目的は人間の脳を再現することではなく知的とはどういった構造で実現出来るのか?なのだ。
ここに書かれていることはほんの基礎でしかないが、未来へ着実に進むための一歩となる。あとは神経生理学の知見が勝手に後押ししてくれるだろう。
2050年以降の汎用AIが当たり前となった時代。この本に書かれていることはもはや常識となっているだろう。 』
『かなえるゾウ
5つ星のうち4.0 脳に関する理解は、「シーケンスから座標」、「階層から投票」へと進化した
2024年3月22日に日本でレビュー済み脳の新皮質は、平たく伸ばすと大きめの食事用ナプキンぐらいの大きさで、厚さは約2.5mm程度である。
厚さ方向に伸びるニューロンは、その密度と種類、およびそのつながり方の違いによってだいたい6層に区分され、平面方向には、同類の情報の伝えるニューロン束から構成される断面1平方mmの柱状構造(コラム)に分割される。
1コラムあたりのニューロンはおよそ10万、シナプスは5億、シナプスへ信号を送る軸索とシナプスから信号を受け取る柱状突起は数kmに及ぶ。
このコラムは境界があまり明確ではないが、さらに顕微鏡で識別できる100あまりのミニコラムに分割できる。
このようなニューロンの分布は視覚野、言語野、触覚野などの各領域を比較してもよく似ていて、存在する神経細胞の種類やその割合に若干の違いを有する程度である。
また、各領域のコラムから出力される信号は、別のコラムにつながっている。
2005年に出版された前著『考える脳考えるコンピューター』では、ニューロンの下位側(感覚野)から入力された信号の変化によって生成されるパターンが上位側に記憶されているパターンとの比較によって、次に発生する信号を予測し、確実に予測できる状態であれば、それが新たなシーケンスのパターンとして記憶される。
もし、満足な予測ができなかった場合には、その信号は、さらに上位の階層に伝えられて、より高次のレベルでの予測が試みられるとみなされていた。
このようなパターンを予測する処理は、自然言語や音楽など時系列(シーケンシャル)なイメージが強かった。
これに対して、本書『脳は世界をどう見ているか』では、前著で述べられていた神経回路による時系列的なパターン(シーケンス)の予測処理の上位処理として、感覚入力により得られた特徴に対応する場所細胞と自ら動くことにより得られる位置に対応する格子細胞との間のやりとり(予測)が何千もの位置で同時に行われることによって得られる座標的な認識、さらに頭方位細胞が加わることによって得られる物体の構造や現在位置から目標への行き方や、より抽象的な概念の構造が得られる過程が説明されている。
(ただし、現時点では、個々のニューロン活動がどのようにして場所細胞、格子細胞、座標系の概念に至るかは不明。)
さらに、前著で述べた特徴(パターン)検出の処理が、人間の視覚に代表されるように上位領域と下位領域の間の階層的なものとして説明されていたが、実際には、ほとんどの領域が異なる多くのレベルの階層とつながっていることがわかってきた。
その結果、階層的な関係ではなく、むしろ並列関係にある多数のコラムが各々のモデルによって予測された特徴を投票し、その中から最も頻度の高いものを選ぶことによって、物体の3次元構造や物体の構成、変化やふるまいを理解できると考えている。(1000の脳理論)
以上に述べた座標や投票にもとづいたシステムは、世界モデルと呼ばれている。
この投票にもとづく説は、ニューロン構造において、細胞体に遠い樹状突起に位置する隣り合った20個程度のシナプスが同時に入力を受けたときに、はじめて細胞体の電位が高まって予測状態となり、かつ細胞体に近い樹状突起上のシナプスに入力を受けたときに、細胞体は軸索を経由して他のニューロンに信号を出力することが観察されている事実と符合する。
すなわち、この事実は、予測はニューロン間の階層ではなく、ひとつのニューロン内で行われていることを示している。
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レポートKindleのユーザー
5つ星のうち5.0 納得のいく説明
2022年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
脳が認知を組み立てていて、それ故に、私達の意識も生まれている。我思う故に我あり、というよりも、我認知す、故に我あり。脳には身体の感覚器官から情報がひっきりなしにフィードされていて、脳神経が反応しているが、記録の仕組みとフィルターの仕組みが上手く働いて、認知や記憶が為される。実験に裏打ちされた実証的研究の最新知見が山盛りです。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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レポートおかけ
5つ星のうち5.0 最新の脳理解から読み解く、人間理解の本
2022年10月2日に日本でレビュー済み
大変素晴らしい本でした。
当方、専門家でもない文系卒ですが楽しく学ばせていただきました。タイトルこそ脳の構造になっておりますが、最新の人間存在の理解につながる哲学的内容も含有されていると感じます。
本書は大きく二つのパートで成り立っております。
前半は、著者の長年研究の集大成となっていて、
脳を「古い脳」と「新しい脳」に分類し、その新しい脳が担う機能を紹介しています。「新しい脳」と呼ばれる新皮質の機能構造を、「コラム」「座標系」「投票」という単語を使いながら解説してくれてます。
正直、一読でスッと入ってくる内容ではない(本書で言う”座標系を構築しづらい”)です。
しかし、よく噛んで理解すると、大変納得。既存の脳理解では解釈に”無理がある”事象に対し、一つの答えを持つことができます。
後半は、前半の理解をもって見た時の機械頭脳(AI・AGI)と人間頭脳の関わりと、
著者が考える私たちの未来についてのパートとなっております。こちらは”主張”の色が強いですが、このパートも非常に面白いです。
来るシンギュラリティによる機械脅威論に信憑性がないこと、私たちという種がいたことをこの宇宙に遺すための方法など、ワクワクする内容となってました。著者も何度も繰り返しているとおり、脳の機能について ー特に、人間とその他の生物を隔てる決定的な違いが、脳のどこから生まれるのかー はまだ確証のない分野ではありますが、今人類がたどり着いているフロントラインに立てた気持ちになれる、大変素晴らしい本でした。
θ
5つ星のうち3.0 前半は脳研究の面白い話なのだが、後半が脳とはあまり関係ないただの居酒屋談義になっている
2022年7月25日に日本でレビュー済み本書は、脳についての新たな理論を提唱している脳科学者による、自身の説の解説書である。
その理論は「1000の脳」理論と呼ばれているものであり、既存の階層的な脳理解ではなく「分散と投票」を軸としている理解である。筆者は、脳の大きな割合を占める新皮質の役割は、世界の予測モデルを学習することであるという。
予測は個々のニューロンで行われる。そして、予測結果は新皮質内の「座標」と組み合わせられ、そこで多数決投票がとられる形でどの予測が最終的に生き残るのかが決まる。
「座標」というのは物理的な位置の3次元空間とは限らず、さまざまな対象に対して適切な形で拡張されて用いられる。
場所や画像などに比べて抽象概念の学習が難しいのは、座標の適切な設定が難しいからだという。
脳の話は筆者の研究成果に基づく(大胆な仮説も含むが)堅実な研究の話で面白い。内容が内容だけになかなか難しいところも多いのだが、それは致し方がないだろう。
だが、後半に進むとどんどん脳と関係のない話になり、堅実な話というより与太話が増えてくる。
まず人工知能に関する話が始まる。脳の特徴は「随時情報取得と学習を行っていることで、現在の人工知能とは大きく違う」というのは正しいし有意義な指摘だと思うが、そこから一足飛びに「現在の人工知能は知能ではない」と結論付けるのは、知能の定義を「人間の脳と同じように動くもの」と(たいした議論もせずに)定義してしまっているからで、これは説得力がない。
知能の定義は非常に難しい問題で、こんな雑な議論で終わらせられるものではないだろう。
筆者が繰り返すAI批判は「脳に似ていない」の一点に尽きているので、脳に似ていないことの何がどう問題なのかを論じていない議論は、脳好きの脳科学者の興味関心に沿ってない以上の意味は見出しにくい。
そこから先はさらに居酒屋談義になっている。例えば錯視によって本当は同じ色なのに色が違って見えるような写真の話と、反ワクチンや地球温暖化懐疑論を同列に並べて議論しており、これはありえない水準の議論だと思う。
反ワクチンや温暖化懐疑論が誤りだというのはそうだとしても、それは錯視で色が違って見えるのとは「正しい/正しくない」のレベルは全然違う話である。
ここでの記述は、反ワクチンや温暖化懐疑論をただ嘲笑する以上の価値のあるものではない(なぜ反ワクチンを信じるか、どうすれば反ワクチンを説得しうるか、のような心理学的な研究はいろいろある。例えば 事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学 )。
それ以降のSF的な話は・・・まあ飲み会で話すのなら大いに楽しいであろう。前半は面白かったのだが、後半がただただ蛇足であった。
筆者の脳理論はそこまでわかりやすいわけではないので、そこに紙面を使って一貫した著作に仕上げてくれれば非常によかったのに、と残念に思う。
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レポートキュレーターNobu
5つ星のうち5.0 人間とは何者か?改めて考えさせられる一冊
2023年8月15日に日本でレビュー済み
ChatGPTの登場とともに、人工知能(AI)に興味を持った矢先、偶然出会った本書。現在も研究が進められるニューラルネットワークやディープラーニングなどの理論では、決して本来の脳の仕組みには到達出来ないという著者の考察は、衝撃的である。また、単純な視点にこそ真理が宿るという視点は、あらゆる人間生活において役立つ指摘でもある。AIに興味がなくとも、人生を考える上で必読の一冊!
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レポート
hbspmd
5つ星のうち5.0 脳を知り、AIを知る
2022年5月9日に日本でレビュー済み
筆者のジェフ・ホーキンスは、パームパイロットの産みの親である一方、本当にやりたいことは脳の研究という異色の天才。脳を知り、ITを知る人であるからこそ、その「AI観」には説得力がある。1992年にインテルの上級社員向けの講演でポケットサイズのパーソナル・コンピュータの将来性を訴えたが、時代を先取りし過ぎて、使い道が想像出来ないと相手にされなかった。その筆者が、今日予測することは、「本物のAI」は人間の脳を手本としてつくられるべきであるということ、それは現在AIと呼ばれる、個別の能力に限定したものではなく、汎用人工知能(AGI)と呼ばれるものであること、機械知能によって人類が滅亡することにはならない、ということなどである。
筆者の稀有壮大な発想は宇宙空間にも及び、その時間軸は人間の時間軸ではなく、地球や恒星のライフの時間軸で考えている。人類が他の惑星に移住する可能性とそれを実現するための技術的な進化についての考察も興味深い。
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レポート
FS
5つ星のうち5.0 脳を知って人工知能の本質を知る
2022年6月5日に日本でレビュー済み
AIに興味があり本書を読みました。
はじめはAIというよりも脳科学に重点をおいた書籍なのかと思っていたのですが、思ったよりもAI技術にも深く関連した内容で知的好奇心をたっぷりと満たしてくれました。
AIに興味ある人にもおすすめ。
むしろ読んでほしいと思えるおすすめの一冊です。
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OhTakkeyT
5つ星のうち5.0 序文を読んで期待したら
2022年11月2日に日本でレビュー済み
序文を読むと期待しちゃうのだが、第1部については専門的な部分も多く若干難解で読み進めるのに苦労しました。但し、第2部「機械の知能」からはAIの部分となり、具体的な部分もイメージしやすくそこからは一気に読み進めてしまった。読み進めるうちにあと少しで終わってしまう気持ちが強くなった。本体価格¥2,600
しますがそれだけの価値はありました。
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暗号牛
5つ星のうち5.0 すさまじく面白い
2022年6月22日に日本でレビュー済み
今年読んだ本の中で、今のところ文句なしに一番おもしろかった。
リチャード・ドーキンスが序文で述べているように、本書はダーウィンの「種の起源」に匹敵し得る本だと私も感じた。
もちろん今後の科学的検証が必要だが、後世から振り返ったとき、本書がそのような立場の本になる可能性は十分あると思う。
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yt
5つ星のうち5.0 納得できたような気もする
2022年9月22日に日本でレビュー済み
完全に理解できていないかもしれないが、本書で提示された理論はもっともらしく思えた。ただ記憶は、皮質だけでなく「古い脳」も大きく関与するのではないかと思う。まだまだ脳の神秘は続くだろう。後半は著者のぶっ飛んだアイデアが満載で、自分でも考える材料になる。人類の遺産を残すプロジェクトは、莫大な予算と資源を使う壮大な道楽のようだ。しかし、人類の終活を考えるのはいい。核戦争のような悲劇的終焉でなく、徐々にフェードアウトするような終わり方はできるだろうか。
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TaHi
5つ星のうち5.0 脳は遺伝子を凌ぐ潜在性がある事を感じました
2022年6月12日に日本でレビュー済み
ジェフ・ホーキンス「脳は世界をどう見ているのか」読了。大脳新皮質の構造と役割は座標平面で捉えられるという理論は大変興味深く斬新だった。また、新皮質と旧代の脳幹の隔たりは、ダニエル・カーネマンのスロウとファストな思考と対比して考えると効率良く深く思考するヒントになるのかもしれない。
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あまぞん
5つ星のうち1.0 どこがおもしろいのかわからない
2022年8月8日に日本でレビュー済み
高評価のレビューが多いが、どこが良いのかまったくわからない・・・
著者は、脳はシミュレーションし予測するのが本来の機能で、予想外のことが起きると慌てて脳全体が活発に動き始めるようなことをテーマにGPS的な位置関係の脳細胞の反応などを研究しているようだが、それでは何故自我意識があるのかの説明がまったくなかったように思う。
まるで、ミツバチの8の字ダンスはどういう規則になっているのか研究しているのと同じような感じがして、斬新なアイデアやインスピレーションは得られなかった。
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レポートcaritas77
5つ星のうち5.0 本の構成は、説明しやすい順序にも従っています
2022年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入序文
第1部 脳についての新しい理解
第1章 古い脳と新しい脳
第2章 ヴァーノン・マウントキャッスルのすばらしい発想
第3章 頭のなかの世界モデル
第4章 脳がその秘密を明かす
第5章 脳のなかの地図
第6章 概念、言語、高度な思考
第7章 知能の一〇〇〇の脳理論第2部 機械の知能
第8章 なぜAIに「I」はないの?
第9章 機械に意識があるのはどういうときか
第10章 機械知能の未来
第11章 機械知能による人類存亡のリスク第3部 人間の知能
第12章 誤った信念
第13章 人間の知能による人類存亡のリスク
第14章 脳と機会の融合
第15章 人類の遺産計画
第16章 遺伝子vs.知識おわりに
の内訳です。簡潔明瞭な記載のなかに、きちんと次の時代への課題も透けて見えるようにしてあります。
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レポートWildTurkey
5つ星のうち4.0 脳、AI、宇宙
2022年8月9日に日本でレビュー済み
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脳神経科学の本かと思いきや、AIや宇宙、遺伝子vs知能といった幅広い論旨を展開するもので非常に面白い本だった!著者の幅広い経験知識が存分に発揮されていて、新皮質が活性化されます
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レポート
יודה
5つ星のうち5.0 本書の主要部分は、第1部の 脳についての理論です。
2022年8月20日に日本でレビュー済み
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本書の主要部分は、第1部の 脳についての理論です。著者は、考察の対象を大脳新皮質に限定します。著者は、知的処理(知覚)が 専ら 大脳新皮質で行なわれると考えます。
大脳新皮質は、感覚系領野群や運動系領野群等に分けられ、領野は、皮質コラム群に分けられて、大脳新皮質全体で15万の皮質コラム群があります。
著者は、ヴァーノン・マウントキャッスルの洞察に基づき、「すべての皮質コラムは、基本的に同じ処理を行なっている!」と考えます。つまり、感覚系領野の皮質コラムも、運動系領野の皮質コラムも 同じ処理を行なっているということです。
「皮質コラムが行なっている処理とは、予測である!」と著者は主張します。
更に、「皮質コラムは、予測するために、それぞれの世界モデルを持っている!」と著者は主張します。
そして、「皮質コラムが持つ世界モデルは、予測に使うために座標を持つ必要がある!」と著者は主張します。
これが、著者が言うところの「1000の脳理論」のエッセンスです。つまり、正しくは、1000ではなく15万です。
※「脳(知覚系)は基本的に予測機械である!」というのは 最近の脳理論の共通の見方ですが、これを最初に洞察したのは 私が知る限り著者です。
行動系(筋など)は、脳(知覚系)の予測(予期)が当たるように行動します。脳(知覚系)は 、「当たった程度」を評価し 自己の世界モデル(予測モデル)を調整します。脳(知覚系)は 長期的に 自己の世界モデル(予測モデル)をオペラント調整(強化調整)します。こうして、エージェントは 適応的に行動するようになります。
★[私見] 以下、評者の私見です。参考まで。
◎18:56 2023/03/27
●評者は、「皮質ミニコラム」を基本単位と考えます。
「皮質ミニコラム」が、ある状況特徴について、「monitor述語」「predict述語」を持ちます。更に、それらの述定値を記憶する「monitor記憶述語」「predict記憶述語」を持ちます。
「monitor述語」「predict述語」の例は、「捕食者が居る」「捕食者が現れる」です。「predict述語」の述定値は、近未来の「monitor述語」の述定値の予測(/予期)です。
「monitor述語」「predict記憶述語」の述語定義式(/述語知識)は、毎回の知覚に於いて、調整(/学習)されます。
◆状況特徴は「monitor述語」(の定義)で表現されています。状況特徴は 述語の参照域に於ける「極大の纏まり」です。毎回の「monitor述語」での述定に於いて「monitor述語」(の定義)を調整(/学習)します。
◆現在の「monitor述語」の述定値と、参照先領野の記憶状態との関係から、「predict記憶述語」(の定義)を調整(/学習)します。
後位の領野は、前位(/参照先)の領野が認識する状況特徴に比べて、より長い未来射程の状況特徴を認識します。ただし、複数の 前位(/参照先)の領野組を保つ場合、それらの中で最も短い未来射程に足を引っ張られて短い未来射程になります。例えば、一次運動野は、一次体性感覚野に足を引っ張られて 極めて短い未来射程になります。
前頭前野は、最も長い未来射程を持ちます。行動系は、脳(/知覚系)の予期(/predict)が当たるように行動します。筋は、一次運動野の予期(/predict)が当たるように収縮/弛緩します。
前頭前野の予期(/predict)は、最上位の意図や目的の役割を果たします。
脳(/知覚系)の述定状態(/行動系にとっての表示状態)は、「予期的発展シナリオ」と見做せます。それは、最新の「世界認識」を含みます。◎19:25 2023/03/27
◆”脳(/知覚系)”は、毎回の知覚に於いて、”述定状態”に成る。◆”知覚”とは、所与の”感覚状態(/直接述定状態)”と”短期記憶(/記憶述定状態)”とに対し、”知識矛盾度(/葛藤ポテンシャル)”の低い”述定状態”に成ることである。
◆”述定状態”は、”世界観”を含み、同時に”発展シナリオ”を含む。つまり、”世界発展シナリオ”を含む。
◆未来射程を持つ述語での”現状認識”は、予期を含んでいる。「天気が下り坂だ」という現状認識は、「雨に成るだろう」という予期を含んでいる。
※未来射程を持つ述語での”現状認識”が洞察である。
※未来射程を持つ述語での”現状認識”は、目的や意図を持つことと同じ効果を持つ。
※実践理性,美的判断力は、”現状認識機能”に還元される。◆仮説は、内部に矛盾が無くても、接地していなければ、唯のフィクションである。
◆内部に矛盾が無いことが、仮説の最小限度の一次資格条件である。
◆内部矛盾の無い仮説同士が、”接地部分(/直接述定,記憶述定を参照する述語集団)”の無矛盾性という二次資格条件を巡って、互いに争う。
※夢では、この二次審査がないため、内部に矛盾がないだけの知覚仮説が知覚事実に成り、記憶され意識される。
ただし、その知覚事実による述語定義更新は起きない。行動系も動作しない。◆内部矛盾が無い、つまり、全ての述語定義と整合しているということは、統一があるということである。
※夢には統一がある。●”状況特徴”は、参照域の中での”極大共起パタン(/極大共起証拠群)”である。
◆述語Aが述語aを参照しているとする。
・述語aが”T”であるとき、述語Aが”T”である確率が”≧75%”であるならば、述語aは述語Aの”確証(/係数>0)”である。
・述語aが”T”であるとき、述語Aが”F”である確率が”≧75%”であるならば、述語aは述語Aの”反証(/係数<0)”である。
・述語aが述語Aの”確証(/係数>0)”であるとき、述語aが”T”かつ述語Aが”T”ならば、係数を↑する。
・述語aが述語Aの”確証(/係数>0)”であるとき、述語aが”T”かつ述語Aが”F”ならば、係数を↓する。
・述語aが述語Aの”反証(/係数<0)”であるとき、述語aが”T”かつ述語Aが”F”ならば、係数を↑する。
・述語aが述語Aの”反証(/係数<0)”であるとき、述語aが”T”かつ述語Aが”T”ならば、係数を↓する。
◆”領野”は、参照域に現れた”特徴”を認識する。
◆”理解(/知覚)”は、アブダクション(/仮説推論)であり、”デターミニスティック・ボトムアップ処理”では限界がある。
例えば、”理解(/知覚)”では、何かの一部(/例えば蒸気機関車の車輪部分の一部)の写真から、「何か」を推論する必要がある。人間は明らかに無意識下でアブダクション(/仮説推論)する。
◎12:32 2023/03/16
◆「知覚仮説(/状況モデル)」は、全ての「間接述語」について、述定値=-1/+1 である。つまり、「間接述語」集団の総数をNとすると、可能な「知覚仮説(/状況モデル)」集団の規模は、2^N である。◆「知覚過程」期間、「多世界共存状態(/量子もつれ状態)」の全ての「世界」で、{「直接述定値(/感覚)集団」+「記憶述定値集団(/脳が持つ記憶の内容)」}は共通である。
※これが、フォーダー(,クワイン)の「境界条件」である。同時に「意識」に上る内容である。◆「知識」は、「述定値導出式」の形をとる。「述定値導出式」は、「参照先証拠価組の線型結合式」である。ただし、[証拠価]=活性化関数 。[述定値]∈(-∞,+∞), [証拠価]∈[0,+∞) 。
※「述語定義」は、述語間の「証拠(/反証|確証)関係知識」である。
※ここで、活性化関数はReLUであ◆「状況特徴」は、「実在」と見做される。それは、論理学的に「原子命題」という地位を持ち、「モデル」に於いては、独立に「真偽値」を持ち得る。
※「実在」は未来に広がっている。◆「実在」に対し最も適切な「知覚仮説(/状況モデル)」が存在すると想定される。それを「事実」と呼ぶ。ただし、「知覚仮説(/状況モデル)」は未来に広がっており、「事実」も同様である。「真」は「善」や「美」という意味も含んでいる。同様に「偽」は「悪」や「醜」という意味も含んでいる。「事実」の未来部分は、特に、倫理的、美的意味合いを強く含んでいる。「事実」とは「神の発展シナリオ」である。
◆脳は、どの「知覚仮説(/状況モデル)」が「事実」であるかを推定するため、「全体知識」に対する「知覚仮説(/状況モデル)」の「不整合度(/違反度/不調和度)」評価を実行する。
◆すべての「知識」は、「述語定義(/述語知識)」の形に集約される。
「述語定義(/述語知識)」に基づく「検証値」と、「述定値」との符号が一致する場合、「不整合度(/違反度/不調和度)」=0 とする。符号が一致しない場合、「検証値」の二乗(≧0)を「不整合度(/違反度/不調和度)」とする。◆すべての述語についての「不整合度(/違反度/不調和度)」の総計が、その「知覚仮説(/状況モデル)」の「不整合度(/違反度/不調和度)」である。(※これは「二乗乖離」に一致している。)
◆「知覚仮説(/状況モデル)」の「不整合度(/違反度/不調和度)」が最低の1つの「知覚仮説(/状況モデル)」を選択(/出力)する。
◆脳は、その「知覚仮説(/状況モデル)」を「事実」として受け入れる。
つまり、「不整合度(/違反度/不調和度)」>0であった「述定値導出式」を、「導出値」と「述定値」の符号が一致するように跳躍的に「調整」する。
符号が一致するリテラル(/項)の係数を1.2倍する。特に絶対値がMAXを越える場合、係数をそのままにする。
符号が逆のリテラル(/項)の係数を1.2で割る。特に、絶対値がMINよりも小さくなる場合、元の係数の符号を逆転する。◆この理論は、フォーダーの「世界」と「知識」とについての次の観方と合致している。
・「世界」は、証拠(/確証|反証)的に結合された述語集団から成る「統一体」である。
・「知識」は、述語間の関与性、つまり「どの述語が どの述語の確証/反証になるか」に関する「評価(/係数)」である。7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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レポート岩手軽便鉄道Jazz
5つ星のうち5.0 「1000の脳」理論、もっといい呼び名はなかったのかな
2022年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入斬新で刺激的な仮説が展開される。コラム構造をなす新皮質、著者ホーキンスは、この皮質コラムが基本単位として機能する(新皮質には15万ほどのコラムがある)と主張する。
読みどころは、皮質コラムが2層になっていて、下の層は「座標系」を担当するというあたりと、近位シナプスと遠位シナプスでは役割が違い、ニューロンの「予測」には後者が関係するというあたりか。後半部、AIや機械知能の話は不要。むしろ、前半部の理論の解説のほうを深めてほしかった。
知能の「1000の脳」理論(The thousand brains theory of intelligence)という名称が引っかかる。もっといい呼び名はなかったのかな。
(蛇足。本書とちょうど同じ時に、①ボンド『失われゆく我々の内なる地図』、②イーグルマン『脳の地図を書き換える』、③グラツィアーノ『意識はなぜ生まれたか』が書店に並んだ。①は場所細胞と格子細胞(座標系)がテーマ、②は脳の可塑性(経験によって新皮質の役割の変更が可能)がテーマで、本書に直接関係している。③も、意識は新皮質にあって、科学的に説明可能と主張している点で、本書と軌を一にしている。)
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カスタマーサービスが必要ですか?』 -
韓国人「成功するためには地道にやらなければならない理由」 : カイカイ反応通信
http://blog.livedoor.jp/kaikaihanno/archives/61591103.html※ 「人生」、「やったモン勝ち。」「実践したモン勝ち。」だ…。
※ グダグダ、理屈捏ねたり(こねたり)、議論してマウント取ったりするより、まず、「実践」しないことには、話しにならない…。


『韓国のネット掲示板イルベに「成功するためには地道にやらなければならない理由」というスレッドが立っていたのでご紹介。
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- 韓国人(スレ主)
1
何もしないのと、小さいが地道にする。
一日一日を見てみると大きな差はないようだが、長い時間で見ると大きな差が生じる。翻訳元:https://www.ilbe.com/view/11536888587
- 韓国人
数多くの自己啓発書より この数式1つの方がすごく心に響くwwwwwww
ありがとう - 韓国人
イルベ民たちは、0.9×0.9×0.9だろうww - 韓国人
こんな記事を書くイルベ民の特徴
自分は絶対にやらない - 韓国人
良い言葉は評価する - 韓国人
1日1万ウォンずつ貯金しても365万ウォン
今日から始めるわ - 韓国人
お前の言う通り何もしないよりはマシだが、今のこの時代は
[1.00]365=1.00
[1.01]365=37.7
[金さじ] 365=1000000000
こういうことなので、労働や努力などがますます無意味になる時代である カイカイ補足:金さじとは
金さじとは韓国のネット用語。努力もせず、生まれながらにして金のさじを持っているということであり、金持ちのボンボンを意味しています。対義語は、土さじで、これは貧乏人を意味しています。中流層は銀さじとし、ちょっと貧乏はプラスチックさじなどと言われたりします。 - 韓国人
7
金さじがどうして出てくるのかww
今よりもっと良い人生を生きればいいということであって- 韓国人
7
言いたいことは分かるが、それはあまりにも悲観主義ではないか…- 韓国人
努力をしろ
努力もせず、毎日、不平不満、他人のせい、社会のせいにしているから底辺人生なのだ - 韓国人
誰かが成功の道に導いてくれてこそ成功する
運があってこそ、それも可能 - 韓国人
あれを見る度に、どうして自乗なのか気になる - 韓国人
12
リアル
足し算が正しい- 韓国人
そのまま一目で入ってくるね
ちりも積もれば山となる - 韓国人
あの程度なら、そのまま諦めよう… - 韓国人
地道にやるというのは、簡単そうだが、思ったより難しいようだ - 韓国人
俺が見たイルベの記事の中で最も有用な内容だった - 韓国人
現実は、自乗ではなく、+なので3.65になる
それに税金が高く出ていくもの多くて2.0になる
さらに、インフレを考慮すると1になる
一生頑張っても元の場所 - 韓国人
551111 - 韓国人
地道にやって累積されるのが、どうして自乗になるのか?
それから論理的に釈明しろ - 韓国人
20
地道さは、複利の力を享受する- 韓国人
人間の能力は、比例して成長しないことを見過ごした公式だねww
イルベにあの式が分かる知性を持った人が何人いるかも疑問だがww - 韓国人
何なのか
イルベらしくない記事が上がってきたね - 韓国人
これリアル
大韓民国国民は何もしていないが、スパイと中国人たちは、地道な扇動作業で大きな差を生み出している - 韓国人
毎日、同じ人生を生きながら、より良い明日を期待することほど愚かなことはない - 韓国人
能力がなければ、努力するなと聞こえる 』
-
脳が行なっているような画像処理 AI を作ってみよう
http://blsc.xsrv.jp/blsc-uec/wp-content/uploads/2019/03/2018-SpringSchoolText1.pdf※ 今日は、「データサイエンスの技術 ニューラルネットワーク概論」「第4回 深層学習へのアプローチ(2)」というものを視聴した。
※ 講義担当は、庄野逸(はやる)先生だ。当時の肩書は、「電気通信大学大学院情報処理工学科教授」というものだった。
※ 「マッハバンド錯視」が、「側抑制」モデルに基づく、「畳み込み演算」の計算式で、「数理的に」説明できるんだと…。
※ これを聞いたときは、ちょっと「感動した」…。
※ 長らく「心理学」で扱って来た、「人間の脳」が作り出したであろう「錯視現象」が、数理的に説明可能な「世の中」になって来てるんだな…。
※ それで、ネットで探して、大体該当するものを、探して見つけたんで、紹介しておく…。






















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習慣で「非認知能力」は磨かれる
人生100年こわくない・マネー賢者を目指そう(熊野英生)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB12BHJ0S4A610C2000000/※ 今日は、こんな所で…。
※ 「愚者は、経験から学び、賢者は歴史から学ぶ。」…。
※ しかし、「文献」ばかり読み漁っていても、頭でっかちになるだけで、前には進めない…。
※ 結局は、「実践したモン勝ち。」であることも、付加しておこう…。

『2024年6月21日 4:00
前回の本コラム(5月12日号)で、経営や投資の成果を上げるには、非認知能力を高めることが重要だと説いた。読者からそれなりに反響をいただいた中で、「それってどうすればいいの?」と疑問が残ったという感想もあった。今回は続編として実践法を解説する。
よく経営者や管理職は「成果を出せ」とはっぱをかけて、KPI(重要業績評価指標)の数字を振りかざす。あまり賢いように見えない。ソリューションは各自で考えろ、…この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『ソリューションは各自で考えろ、と丸投げすると人はついてこない。自分ができないことを他人に押し付けても、心は離れるばかりになる。ソリューションのところまで経営者が降りて行かないから、従業員の心に響かないのだ。
成果を上げるためには「習慣をつくること」が大切だ。過去、多くの賢者たちが「習慣が人をつくる」と語っている。まず、英国詩人のジョン・トライデンは「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」と述べている。人のところを「成果」に替えて、「習慣が成果をつくる」にしても成り立つ。
「習慣が経営をつくる」「習慣が運用収益をつくる」「習慣が投資スキルをつくる」――。どれでも何となく筋が通る。
ルーティンで磨かれる
では習慣とは何を指すのか。英語にすると普通はハビット(habit)なのだが、ルーティン(routine)、オーダー(order)、ルール(rule)でもよい気がする。
毎日、決まった仕事の型を愚直に繰り返すと、いつの日にか卓越した能力を習得できる。
キャリアというものはルーティンの中で磨かれる。日々の多種多様な仕事の中で、何を自分のルーティンに定めるかで、最終的にそこで得られる能力が変わる。習慣とは暗黙のうちに選択と集中が行われた結果なのだ。
現場では、能力のある人とそうでない人に見ていて分けられる。
能力がない人を見ると、無駄な作業に時間を費やしているケースがある。感情の赴くままに仕事を選んだり、保身のための活動をしたりしていると、集中できていないことになる。
これは組織のミッションが現場で意識されていないときに起こる。経営の失敗だ。ルーティンは、仕事の優先順位で決まる。
孔子は「習慣を深く身に付けると、生まれつき持っている天性のようになる(習慣は自然の如し)」と残した。
工場で作業をしている人の中には時々、効率的に動く姿が神々しく見える人がいる。おそらく長い期間、工程に工夫を重ねて、今の状態に行き着いたのだろう。同じ工程を繰り返しているうちに、能力が結晶化してその人の個性に化けてしまう。
人格そして運命が変わる
プラグマティズム(実用主義)で知られる哲学者ウィリアム・ジェームズはこう述べている。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」
この中で「習慣が変われば人格が変わる」という話は、ここまで述べてきたことだ。
「人格=パーソナリティー(personality)=個性」である。いつも習慣づけている行動が、その人の性格にもにじみ出してくるということだ。
例えば筆者は家計簿を35年近くつけている。この話だけで何となく筆者のパーソナリティーが伝わってくると思う。
ジェームズの言葉の最後は「人格が変われば運命が変わる」というフレーズで締められている。
一読して心に刺さるのだが、頭を冷やして考えると、この部分だけ意味不明だ。自分の才能が際立つほどに鮮やかに輝くと、それで自然と運命が切り開かれるというのか。ちょっと論理的飛躍がある。
私見を述べると、人格を変えてもそれだけで運命は変えられない。
社会活動の中では、自分が持っている卓越した才能が誰かに見いだされ、より大きな役割を与えられることで、小さな才能が大きな才能へと脱皮していく。例えば経営者や上司があなたの才能に気付いて、次に飛躍できるポストに異動させてくれると、会社の中であなたは昇進していける。
残念ながら、発見されずに埋もれる人材の方が多い。
ならば、閉じた世界で活動するのではなく、オープンな人間関係で他人から才能を再発見してもらう方がよい。あなたがどのような人間関係に身を置くかで運命は変わることも付け加えたい。
成果を上げるためには、「非認知能力=顕在化しにくいスキル」を鍛え上げなくてはならず、その能力なくして継続的成功はない。
しかも、非認知能力を向上させることには再現性がなく、身に付かずに終わる人も多い。
それでもあえて、成果を上げるためには「習慣」こそが近道になると言いたい。ヴェリタスの読者ならば、人生100年のスパンで投資利益を稼ぎ続けることを成果とするだろう。そのために何を「習慣」に設定すればよいかを考えてほしい。
教育と経験の役割
読者には成果を上げるために「習慣だけでよいのか」と、筆者の問題設定を疑ってほしい。疑うことで思考が深まる。
アリストテレスは「ニコマコス倫理学」の中で、習慣のほかに教育、経験を挙げている。
卓越性には倫理的なものと知性的なものがあり、それらは生来の本性として宿るものではなく、後天的に獲得されると述べている。まさしく非認知能力と同じものを指している。
ここではアリストテレスが倫理的卓越性(徳)を非認知能力に絡めたことに注目したい。おそらく人格という言葉にはこの倫理的卓越性が含められている。現在でも多くの米国人が尊敬する人物に挙げるのが、100ドル札の肖像、ベンジャミン・フランクリンである。「フランクリン自伝」を読むと、人生で幾度も成功を手にしたフランクリンが禁欲的生活に徹し、それが成功につながったことがよくわかる。
反対に身を持ち崩して去っていた仕事仲間たちのエピソードも数多く登場する。彼らは倫理観を備えていなかったゆえに没落してしまったのだ。
この倫理観は、マックス・ウェーバーが「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で繰り返し説いている禁欲的職業倫理(労働エートス)と共通するものだ。
デューイとウェーバーの著書
次に知的卓越性についてもみていきたい。
アリストテレスはそこで教育の役割を重視する。アリストテレスの言う教育とは決して学校教育だけではない。独学も教育の一形態だ。
他者からの教示のことを教育と言っているようだ。成果を上げるために他者の教えに従い内省してみると、自分の知性が飛躍する。
筆者は成長のため教えを請うことが、レバレッジ(てこ)にも似た効果を持つと考える。
言うまでもなく集団で学校で学ぶことの役割もまた重要である。ジェームズと並び米国のプラグマティズムを代表するジョン・デューイの「学校と社会」をみてみよう。
デューイは学校とは小型の社会だと述べていて、生徒は学校の中で狭い功利性から解放されて活動し、人間の精神の可能性を高めるトレーニングを積むと指摘する。
デューイの唱える学校の役割は戦後日本の教育改革に強い影響を与え、日本の初等教育が倫理性を重視する基礎を作ったことは有名だ。
学校生活が人格形成の場だと言えば、デューイの考え方は納得しやすいと思う。
最後に、なぜ教育が成果の飛躍的向上を生むのだろうか。習慣を通じて習得した能力と違っている点はどこにあるのか。
教育の種類を区分すると、①専門教育②一般教育の2つがある。
専門教育が能力を飛躍させることは説明を要しないだろう。
議論を深める意味があるのは、一般教育がどうして飛躍に通じるのかという点だ。
この点は、「一般教育=実用目的から離れた教養=リベラルアーツ」の意義を問い直すことで分かってくる。リベラルアーツを特に重視したのは古代ギリシャ人たちだ。教養主義とも呼ばれる。
もし自分が経験したことだけから知性を得ているのならば、それは偏狭な知性でしかない。
多くの人は経験していないことでも知識を得て知覚できる世界を広げていける。
この知覚能力は優れた文学、文化、芸術に触れると徐々に養われていく。
学問の世界ではこの知覚能力を応用し、経験していないことでも深く理解することが可能になる。特に数学のように抽象化により理解を広げるトレーニングでは能力を飛躍させやすい。
以上が、顕在化していない非認知能力を高めるために、筆者が実践すべきだと考えることの要点である。
熊野英生(くまの・ひでお)
第一生命経済研究所首席エコノミスト。1990年横浜国大経卒、日銀入行。調査統計局や情報サービス局を経て、2000年に第一生命経済研究所入社。11年より現職。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会常務理事。山口県出身。近著に「インフレ課税と闘う!」(集英社)。
[日経ヴェリタス2024年6月16日号]』 -
第2回コラム 詐欺に遭ってしまう人の脳ではどんなことが起きている?
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/nochokin_100/column_002.html
『子どもや孫のふりをしたオレオレ詐欺、住居の不備などを騙(かた)って偽工事を勧める詐欺、恋愛系の詐欺などにだまされる人は相変わらず多いようです。
コロナ禍が始まって以降、ことに増えているとの話も……。
それはなぜでしょう。
思考系の鈍化が原因。記憶系を生かし冷静な判断を
だまされやすい人とは、前頭葉の思考系脳番地が衰えて、客観的な思考・判断力が弱っている状態にある人です。
相手をしっかり判断する思考回路ができていない、ともいえるでしょう。
前頭葉が衰えると、人の話を中途半端に聞いて拙速な判断をしがちです。
また、自分で複数の情報を集めて比較検討することもしなくなります。
いわば人まかせ。聞いた情報だけを信用してしまうのです。
とくに孤立した状況では、やさしく声をかけてくれる人をつい信頼してしまいます。
そこに多大な金銭の要求があっても、信用した自分の判断をなかなか否定できません。
そこで記憶系脳番地の発動です。
長く会えない肉親や友人を思えば、相手が好きな料理をコロナが落ち着いたら届けよう、などと想像できます。
そして、そんな親しい人たちに相談もせず、電話で話しただけ、訪ねてきただけの見ず知らずの人間に大金を渡すなどおかしいことに気づくはずです。
詐欺師は狙った相手に考える余裕を持たせずにお金を出させるプロです。
だからこそ、すぐに決断せず、なにか変かもという感覚を大切に、調べたり、人に相談したりして視野を広げましょう。』
『本コンテンツは、金融広報中央委員会発行の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.62 2022年秋号(2022年(令和4年)10月発刊)から転載しています。
広報誌「くらし塾 きんゆう塾」目次 』














































