https://ameblo.jp/ba7-777/entry-12667602151.html

『1 Canada万国アノニマスさん
本当にこんなことが起きるなんて信じがたい
医薬品 83,341ドル
臨床検査 22,433ドル
中間ケア施設 21,224ドル
集中治療室 17,766ドル
リハビリ費 5,564ドル
X線検査 947ドル
特別作業 462ドル
合計 153,161ドル(約1670万円)』
https://ameblo.jp/ba7-777/entry-12667602151.html

『1 Canada万国アノニマスさん
本当にこんなことが起きるなんて信じがたい
医薬品 83,341ドル
臨床検査 22,433ドル
中間ケア施設 21,224ドル
集中治療室 17,766ドル
リハビリ費 5,564ドル
X線検査 947ドル
特別作業 462ドル
合計 153,161ドル(約1670万円)』
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/04071430/?all=1

『アメリカで相次ぐ「AAPI(アジア・太平洋諸島系)住民」への暴力事件。トランプ前大統領が導火線に火をつけた差別感情は、例年の25倍ものヘイトクライムを生み出した。
今年1月、カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のチャイナタウンで、91歳のアジア系男性が路上で突然、見知らぬ男に押し倒され、大怪我を負った。2月には、同州ロサンゼルスのリトル東京にある東本願寺別院の提灯台が放火された。そして3月には、ジョージア州アトランタの韓国系マッサージ店が襲撃され、8人が犠牲になった。
いずれも日本で広く報じられ、米国におけるアジア系差別の現状への関心が高まっている。
アジア系へのヘイトクライムが急増
新型コロナウイルスの感染拡大が始まった昨年1月以降、アジア系――米国では「AAPI」(アジア・太平洋諸島系)という表現も用いられるようになっている――を標的にしたヘイトクライム(憎悪犯罪)が急増している。
カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校の「憎悪・過激主義研究センター」(CSHE)が3月下旬に発表した報告書によると、その数は過去1年間に145%増加。非営利団体「ストップAAPIヘイト」に寄せられた報告件数は3800件。例年に比べて25倍の増加だ。
アトランタでの事件直後、ジョー・バイデン大統領とインド系の母親を持つカマラ・ハリス副大統領は、アジア系差別を糾弾する声明を発表した。また、韓国発の人気ボーイズグループ「BTS」も自らの差別体験を語り、公式Twitterで「#StopAAPIHate」や「#StopAsianHate」といったハッシュタグを付けた声明を英語と韓国語で投稿。テニスプレーヤーの大坂なおみ選手や錦織圭選手ら、各界のインフルエンサーによる声明も相次いだ。
「中国ウイルス」連呼の影響
アジア系差別の急増は、やはりコロナ禍と無縁では無かろう。とりわけドナルド・トランプ前大統領が在任中に「中国(武漢)ウイルス」と繰り返し言及した影響は大きい。
もともと移民政策や人種問題などをめぐり白人至上主義的な傾向が見られた同氏だが、米国で感染が拡大し始めた昨年2月末頃までは米中間の通商合意(いわゆる第1次合意=1月15日に署名)を重視する立場から、習近平・中国国家主席の対応を賞賛していた。
加えて、コロナの危険性そのものを軽視する発言を繰り返していた。
ところが3月半ばから感染拡大が深刻化し、支持率が低下しはじめると、一転して中国の初期対応を批判し、「中国ウイルス」を連呼するようになった。
もともと米国内の対中世論は、知的財産の窃取やハイテク技術の移転強要、国有企業への補助金、法の支配を無視した海洋進出などをめぐり、コロナ禍以前から悪化していた。トランプ政権が発足した2017年から3年間で中国に対して「好意的ではない」と回答する米国人は、20ポイント近く増加している。
そうした文脈の中で「中国ウイルス」という表現が用いられると、米国民の対中感情のみならず黄禍論(反アジア感情)そのものに火をつけかねない、と専門家などが懸念を示していた。
市井の米国人にとっては日系や韓国系や中国系などの違いを認識するのは困難であり、彼らは「アジア系」と一括りにされがちだ。「中国系(チャイニーズ)」がアジア系の代名詞になっている面もある。一部ではあるが、アジア系が不潔で、病気の媒介者であるとの偏見も根強く残っている。
政治指導者の言葉はやはり重い。
昨年、私が前出のCSHEのブライアン・レヴィン所長から聞いた話によると、2001年の米同時多発テロの直後、ジョージ・W・ブッシュ大統領がイスラム系への憎悪転嫁を戒める演説を行った結果、翌年のイスラム系へのヘイトクライムは3分の1に減少したという。
逆に、トランプ大統領がイスラム圏からの入国規制措置などを打ち出した2017年からの1年間にイスラム系へのヘイトクライムは21%増加したという。
トランプ氏や有力議員らが「中国ウイルス」という表現を繰り返したことで、中国系のみならずアジア系全体への差別が助長されたと考えるのは妥当と思われる。
バイデン大統領は就任早々、大統領令(行政命令)で「中国ウイルス」や「武漢ウイルス」という呼称の使用を禁止した。
もちろん、アジア系に憎悪を抱く米国人にとっては、アジア系の市民、留学生、駐在員、旅行者の区別は容易ではなく、その必要性も感じないであろう。言い換えると、今後、ワクチン接種が広がり、米国への渡航が容易になれば、米国を訪れる私たち自身がスーパーやレストラン、路上、バス、地下鉄などで嫌がらせを受ける可能性もあるということだ。
アジア系差別の歴史
米国における人種差別と聞くと、まず先住民や黒人に対するものを思い浮かべるが、アジア系に対する差別の歴史も長い。
1871年には中国系の男性17人が約500人の暴徒に集団リンチされ、1882年には中国人排斥法、1924年には排日移民法(ジョンソン=リード法)が可決。1930年代にはアジア系の入国や帰化が禁じられていた。
アジア系の帰化が認められたのは1952年、出身国別の移民割当制限が撤廃されたのは1965年になってからだ。
真珠湾攻撃(1941年)の翌年2月には、フランクリン・ルーズベルト大統領が米西海岸の日系人約12万人(うち62%は米国市民)を全米11カ所に設けた隔離施設に強制移動・収容する大統領令に署名した。公民権侵害を米政府が公式に謝罪したのは1988年、ロナルド・レーガン政権の末期だった。
日米貿易摩擦が激しかった1982年には、中国系の男性が日本人と勘違いされ、ミシガン州デトロイトの自動車労働者2人に殴殺される事件も起きている。1992年のロサンゼルス暴動は、もともと黒人青年に過剰暴力行為を働いた白人警官に無罪評決が下ったことを発端とするが、黒人やヒスパニック系による放火や略奪の標的になったのは、隣接するコリアンタウンだった。
マイノリティがマイノリティを差別する構図は、彼の国における人種問題の複雑さを浮き彫りにした。
加えて、より見えにくい差別の構図も存在する。
例えば今日でも、アジア系が重役に昇進する可能性は白人の半分に過ぎない。大手法律事務所では、アジア系は最大のマイノリティ集団ではあるが、パートナー(共同経営者)とその補佐役であるアソシエートの比率は、黒人とヒスパニック系が1対2、白人が1対1であるのに対し、1対4と最も低い。
大学の学長数に占めるアジア系の割合はわずか2%である。ハーバード大学のラリー・バコウ学長はアトランタでの事件の翌々日に、同窓生を含めた大学の全コミュニティに対して、アジア系の学生やスタッフへの支援を約束する声明を発したが、学生の21%をアジア系が占めるのに対し、終身教授はわずか11%に過ぎない。終身教授の80%は白人である。
ハーバード大訴訟が示すもの
露骨な暴力や差別であれば善悪の判断は容易だが、こうした見えにくい差別の是正はより問題が複雑だ。
その好例が、ハーバードなどの有力大学を相手に行われたアジア系差別の是正を求める裁判だ。
非営利団体「公正な入学選考を求める学生たち」(SFFA)は2015年、ハーバードがアジア系に対して不当に高いハードルを課し、事実上の人種割当制度を採用しているとの訴訟を起こした。具体的には、アジア系の受験者に高い学力基準を課す一方、「好感度」「適合性」「勇気」などの個人的資質に関して消極的評価を下すことで、意図的に合格率を下げているとの主張がなされた。
端的に言えば、「ガリ勉でテストのスコアは良いが、没個性的で、社会性や創造性、リーダーシップに欠ける」というアジア系に対する偏見を、そのまま入学選考の場に持ち込んでいるというわけだ。
実際に高校の成績やSAT(日本の大学入学共通テストに相当)のスコアがほぼ満点で課外活動にも積極的だったにもかかわらず、不合格になったアジア系の受験者も原告団に加わった。
これだけならもっともな訴えに聞こえる。
しかし、話はそう簡単ではない。
SFFAを設立したのは、公民権拡大の土台となった投票権法やアファーマティブ・アクション(マイノリティに対する積極的差別是正措置)の撤廃を長年求めてきた白人男性だったのである。
彼からすると、アジア系の受験者を「被害者」に見立てることで、自らが「人種差別主義者」とのレッテルを貼られることなくアファーマティブ・アクションの正当性を揺さぶることができる。要するにアファーマティブ・アクションは一見、「差別是正」を掲げているようで、実際は「逆差別」に加担している悪しき制度というわけだ。
一方、リベラル派は、この男性がそのための戦略としてアジア系に対する偏見を巧みに逆利用していると批判した。どこまで本当にアジア系に寄り添った行動なのか疑わしいというわけだ。
数字の上でも、同大のアファーマティブ・アクションがアジア系に差別的とは言えない。全米の約6%にすぎないアジア系だが、ハーバードでは学生の21%を占めている。入学選考の倍率は20倍以上で、高校の卒業生総代に選ばれた受験生だけで定員の倍に及ぶ(合格者の半数は卒業生総代)。アジア系のみならず、成績やスコアが優秀であることは合格を保証するものではない。
加えて、アジア系を対象とする民間調査会社「AAPIデータ」の昨年9月の報告書によると、アジア系の有権者の70%がアファーマティブ・アクションに賛成し、反対(16%)を大きく上回っている。
2019年には地方裁判所、連邦控訴裁判所のどちらも同大の立場を支持する判断を下したが、この一件は米国という多様性を重んじる社会において「差別」をめぐる問題が決して一筋縄ではないことを例示している。
キャンセル文化とウォーク文化
とりわけこの2、3年は、人種やジェンダーをめぐる発言を「差別的」だと糾弾して謝罪や辞任に追い込む(保守派の言うところの)「キャンセル文化」と、そうした差異や差別への意識の高さを誇る(リベラル派が言うところの)「ウォーク文化」(ウォーク=wokeは“⦅社会正義への意識が⦆覚醒した”の意)が激しい議論を呼んでいる。
そして、そうした風潮の中、社会的リスクを恐れ、こうした問題への関与や発言を控える向きも見られるようになっている。
声高な発言が社会の対立や分断を煽ることもある。しかし、沈黙は差別を黙認することにつながりかねない。両者のバランスをどう取るべきか。いや、そもそもバランスを取るべきことなのか――。
米国にとってのジレンマであると同時に、人権への関心が高まる日本においても重い問いになりつつある気がしてならない。
渡辺靖
慶應義塾大学SFC教授。1967年生まれ。1990年上智大学外国語学部卒業後、1992年ハーバード大学大学院修了、1997年Ph.D.(社会人類学)取得。ケンブリッジ大学、オクスフォード大学、ハーバード大学客員研究員を経て、2006年より現職。専門は文化人類学、文化政策論、アメリカ研究。2005年日本学士院学術奨励賞受賞。著書に『アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と〈文化の政治学〉』(サントリー学芸賞/慶應義塾大学出版会)、『アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所』(新潮選書)、『アメリカン・デモクラシーの逆説』(岩波新書)、『リバタリアニズム-アメリカを揺るがす自由至上主義』(中公新書)、『白人ナショナリズム-アメリカを揺るがす「文化的反動」』(同)などがある。』
https://jp.reuters.com/article/usa-biden-budget-idJPKBN2BW2KD
『[ワシントン 9日 ロイター] – バイデン米大統領は9日、2022年度(21年10月─22年9月)の予算教書の裁量的経費の内容を発表し、気候変動対策や保健、教育関連向けなどの予算増額を提案した。国防費の拡大を目指していたトランプ前政権の方針から大きく転換する。
バイデン米大統領は9日、2022年度(21年10月─22年9月)の予算教書の裁量的経費の内容を発表し、気候変動対策や保健、教育関連向けなどの予算増額を提案した。7日撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)
裁量的経費は総額1兆5200億ドル規模と、前年度比で8.4%拡大する。
気候変動対策には140億ドル増額するよう議会に求めた。温暖化ガス排出削減に向けた取り組みや環境規制、研究向けの資金注入が含まれる。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を踏まえ、米疾病対策センター(CDC)向けに87億ドルの予算を提案。ホワイトハウスによると、過去20年で最大の伸びとなる。
さらに、がんやアルツハイマー病、糖尿病などの医療研究向けに65億ドル、低所得層の学校対策には過去最大の365億ドルを充てるよう求めた。
国防費は7530億ドルと、前年度比1.7%の増額を要求。裁量的経費のほぼ半分を占めるが、インフレ調整後では前年度からほぼ横ばい。
イエレン財務長官は予算案について、「資本の確保が通常困難とされる地域に資本を注入」し、状況をより公平にすることを目指すとの認識を示した。』

※ 各艦隊の管轄領域を示す図。
『米海軍は中国に対抗するため47年前に廃止した第1艦隊の復活を検討中だと報じられている。
参考:The Navy Wants To Stand Up A New Fleet Aimed At Deterring China In The Indian Ocean
参考:US Navy Secretary Proposes New Indo-Pacific Fleet
海軍長官が提案する第1艦隊の設置は実質的に政治的・外交的な意味合いしかもっていない
日本の横須賀に司令部がある米海軍の第7艦隊は日付変更線からインド洋までの広大な海域を管轄しており、中国の海洋進出に伴い第7艦隊の重要性は高まり続けている。この負担を軽減するため米海軍の潜水艦リーグ(※)年次総会に出席したブレイスウェイト海軍長官は17日、47年前に廃止した第1艦隊の再設置に言及した。
※補足:米海軍潜水艦リーグとは主に潜水艦勤務経験をもつ者で構成され「潜水艦の重要性」と訴える非営利組織
ブレイスウェイト海軍長官はインド洋を管轄する新しい司令部の設置を検討中で、この組織を「第1艦隊」と指定することを考えているらしい。
本当にインド洋を管轄する第1艦隊が設置されるのかは謎だが、この案の検討は数ヶ月前から始まっており、先週にトランプ大統領によって解雇されたエスパー元国防長官とブレイスウェイト海軍長官は第1艦隊設置について話し合っていたと報じられている。
出典:public domain 米海軍の各艦隊担当地域
ただ第1艦隊が再設置されてもブレイスウェイト海軍長官が言及したような「第7艦隊の負担軽減」に繋がるかは謎だ。
多くの軍事アナリストは第1艦隊を設置するなら担当地域のインド洋に近いシンガポールかオーストラリアになるだろうと予想したが、新たな艦隊に艦艇を割く余裕は現在の米海軍にはないので第1艦隊はインド洋を管轄する司令部機能のみになるだろうと言っており、海洋安全保障の専門家でインド太平洋問題に詳しいブレイク・ヘルジンガー氏は海軍長官の提案について「行き当たりばったりで協調性のない現政権に第1艦隊を実現させるだけの力はない」と指摘している。
ヘルジンガー氏は「行き当たりばったりで協調性のない現政権の残り寿命は2ヶ月しかないのに、このような爆弾(=中国を標的にしたという意味)を投下したところで関係国が公に賛同することはない」と指摘した。
出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Nathan Burke/Released
ただし次期大統領のバイデン氏が国防長官に任命すると噂されているミシェル・フロノイ氏(元国防次官)は中国海軍に対する強行姿勢を支持しているため、もしかしたら第1艦隊設置は次期政権で実現するかもしれないが、どちらしても米海軍には艦艇の余裕がないので第1艦隊は第7艦隊のように固有の戦力をもった組織ではなく、アラビア海を担当する第5艦隊や西太平洋からインド洋を担当する第7艦隊から移動してきた空母打撃群がインド洋で活動する際に運用計画や運用指示を引き継ぐ組織になる可能性が高いので、第1艦隊が設置されても第7艦隊の負担軽減=第7艦隊司令部の負担軽減と覚えておく必要がある。
つまり第1艦隊設置といえば聞こえは良いが、実質的な固有戦力をもった艦隊の増強ではないので今回の海軍長官のアクションは政治的・外交的意味合いが強いと見るべきだろう。』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0801F0Y1A400C2000000/

『【ワシントン=共同】ブリンケン米国務長官は7日、声明を出し、トランプ前政権が大幅に削減したパレスチナ支援を復活させるため、計2億3500万ドル(約260億円)の経済開発援助や人道支援を実施すると表明した。イスラエル寄りの前政権が中止した国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出再開も含まれる。
バイデン政権はこれまでパレスチナへの支援を再開すると明言してきたが、今回の発表で具体化された。ブリンケン氏は支援再開がパレスチナとイスラエルの「2国家共存」による解決にも役立つと強調した。
声明によると、UNRWAを通じ1億5千万ドルを提供。ほかに、ヨルダン川西岸とガザ地区の経済開発に7500万ドル、平和構築プログラムに1千万ドルを支援する。
UNRWAはパレスチナ難民に対する教育や医療、食料支援などの事業を担っているが、最大の資金拠出国だった米国が18年に拠出を中止し、資金難が続いてきた。
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米の信用、憎悪犯罪で揺らぐ フィリピンや韓国から非難
アジア系へ暴力相次ぐ 中国「二重基準」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB072HY0X00C21A4000000/

『【ニューヨーク=周夢媛、マニラ=クリフ・ベンゾン】アジア系住民を標的にするヘイトクライム(憎悪犯罪)の増加が、米国の信用を揺るがしている。暴力の映像がSNS(交流サイト)などを通じて世界に拡散し、フィリピンや韓国から非難が飛び出す。以前から米国の姿勢を、国内の人種差別を看過して他国を批判する「二重基準」だと批判してきた中国も舌鋒(ぜっぽう)を強めている。
ニューヨークに住むフィリピン系の女性、ビル…
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ニューヨークに住むフィリピン系の女性、ビルマ・カリさん(65)は3月29日、教会に向かう途中で暴行を受けた。38歳のホームレスの男が「おまえはここにいるべきでない」と叫び、カリさんの顔を殴ったり蹴ったりした。
フィリピンのメディアで流れた映像をみた有名プロボクサーのマニー・パッキャオ上院議員は「自衛できないアジア系に暴力を振るうな。俺が相手になる」とすごんだ。
フィリピンのロブレド副大統領も「ぞっとする事件だ」と非難した。ロクシン外相はツイッターで「人種差別に対処するには(相互)理解でなく、警察や軍隊が必要だ」「人種差別をする人間は暴力しか理解しない」などと指摘した。
トランプ前米大統領が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と頻繁に呼んだことがアジア系へのヘイトクライムが増える一因だと指摘する声が目立つ。トランプ氏は(白人の優位を強調する)白人ナショナリズムを公然とたきつけ、米国の内外で反中感情をあおった。
カリフォルニア州立大の「憎悪・過激主義研究センター」の調査によると、ニューヨークやロサンゼルスなど全米16都市で2020年に起きたアジア系へのヘイトクライムは計120件で、前年の2.4倍に急増した。
バイデン政権になっても米国でのアジア系へのヘイトクライム発生率が低下しているわけではない。3月16日にジョージア州アトランタとその近郊で、アジア系女性6人を含む8人が殺害された事件は全米の主要都市での抗議行動につながった。アジア諸国には衝撃が広がった。
被害にあった女性の一部は韓国系だった。アトランタの事件を巡り、韓国の毎日経済新聞は社説で、北朝鮮、中国、ミャンマーの人権状況を批判する米国の姿勢を疑問視した。「米国にはまず国内のヘイトクライムを防ぐ努力が必要だ」と主張した。
人権問題を巡る米国と中国の対立は一段と深刻になっている。3月中旬、米アラスカ州でブリンケン米国務長官らと会談した中国の外交トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は「中国には中国の民主主義がある」と言い切った。中国政府による少数民族、ウイグル族への迫害などを非難する米側に強く反発した。
中国は20年版の「米国における人権侵害の報告書」で、米国を「(黒人やアジア系などへの差別を)反省しない一方、他国のことはあれこれと批判し、二重基準だ」と指摘した。黒人への差別を告発する「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大事だ)」を合言葉にした全米での抗議デモのきっかけになった20年5月の白人警官の暴行による黒人男性の死亡事件などを取り上げた。
米ミシガン大で政治学を研究するユエン・ユエン・アン氏は「米中関係は『文明の衝突』と説明されがちだが、誤解を招きかねない」と話す。「米国人が中国人を奇妙だと考えて脅威を感じるのならば、中国人も米国人に脅威を感じるのだ」と指摘する。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/The-Big-Story/Anti-Asian-attacks-erode-US-image-as-Biden-rebuilds-Pacific-ties
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300FC0Q1A330C2000000/

『国内の不満の原因は外国にあると国民に訴えて国際協調から背を向ける。今の保護主義の台頭とよく似た構図が1930年代にもあった。コロナ禍という危機への対処で過去から何を学ぶべきか。米ブランダイス大教授のポール・ヤンコフスキ教授に聞いた。
【関連記事】
酷似する危機の予兆 豊かさ90年ぶり低迷
――なぜ1932~33年に注目するのでしょうか。
「ドイツでヒトラーが政権を握り、日本は国際連盟を脱退し、米国でルーズベルトが大統領に就任した。一見すると関連のない出来事だが共通点はある。世界を潜在的な脅威とみなし、単独行動を是とし、国際協力に背…
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世界を潜在的な脅威とみなし、単独行動を是とし、国際協力に背を向ける姿勢だ」
「1930年代と今ではもちろん状況は大きく異なる。当時は第1次世界大戦の記憶と世界恐慌が各国で危機感を募らせた。今は公に議論ができる国際機関が多くある点でも異なる」
「ただ英国の欧州連合(EU)離脱や米国におけるトランプ現象などには『一人でやる』という感情があり、パンデミック(世界的大流行)はその流れを強めた。過去と今との比較には注意深くあるべきだが、気がかりな兆候はみられる」
――世界を敵視するような感情はどうやって生じたのでしょうか。
「総力戦だった第1次大戦で欧州は広く戦地となり、あらゆる国が犠牲者意識を持った。戦勝国も犠牲に値するものは得られなかったと感じた」
「指導者も国民それぞれの個人的な被害者意識を国全体の意識にひもづけた。抱えた不幸や貧しさは外国の陰謀や世界的な不正のせいだと説いた。すべては虚偽だが、人々は信じた」
――今も同じような構図でしょうか。
「国民の抱える不安について、例えば移民やEUなどの国際機関のせいにして非難することで説明すると、不幸なことに大概うまくいく」
「格差の真の要因は別にあっても国内のマイノリティーに矛先を向ける。時代や状況は全く異なるが、国際社会から自分たちの国が攻撃されているとの訴え方には過去と同じようなメカニズムが働いている」
――我々はどう対処すべきでしょうか。
「人々を教育し、意見を伝え合い、理性の声を拾うことが助けになる。産業化が遅れた地域での労働者の再教育は一例だ。国が費用を負担し、新たな資格や技能を身につけてもらう。真の解決策があると示すのは効果がある」
「バイデン米政権の施策には希望が持てる。パリ協定に復帰する一方で、ロシアに報復的な対応もするなど常識と現実の間をとる。人々はバイデン氏に世界への展望を求め始めるだろうが、急ぐべきではない」
「成功する未来像は時間をかけて現実的な問題に対処して初めて生まれる。米国の歴史において真の展望と呼べるものの多くは大統領任期の後半に出てきた」
(聞き手はニューヨーク=大島有美子)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC051X50V00C21A4000000/

『米フェイスブックの利用者5億人以上の個人情報がインターネット上で閲覧可能となっていたことが5日までに分かった。同社は2019年に大規模な情報流出を起こしており、これらデータが再拡散したとみられる。新規の情報流出ではないため、専門家の多くは「フェイスブックの法的責任を問うのは難しい」と見る。保存や複製が容易なデータが中長期で悪用されるリスクがあらわになっている。
フェイスブックは「(今回ネット上で閲…
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フェイスブックは「(今回ネット上で閲覧可能になった)当該データは19年に報道された古いものであり、19年8月に既に問題は修復済みだ」と説明している。フェイスブックとしては情報が漏れないよう穴は塞いだとの立場。米連邦取引委員会(FTC)にも個人情報の管理不備で50億㌦(約5400億円)の制裁金を支払った。今回は漏れたあとのデータを同社の関与が及ばないハッカーがネットに上げたとの主張だ。
とはいえデータ再拡散により、メールアドレスなどがサイバー犯罪に悪用されるなど被害が広がる可能性がある。セキュリティー対策に詳しいS&J(東京・港)の三輪信雄社長によると、日本のユーザーと見られるデータは約43万件が流出しているもようだ。利用者のIDや氏名、所属先のほか、一部には住所情報も含まれているという。
一方で今回の問題でフェイスブックの責任を問うのは容易ではない。個人データに詳しい弁護士は「一度漏れてしまったものについて、食い止めるのは現実的に難しい。再拡散を理由に(フェイスブック)の責任を問うのは困難だ」と話す。
15年に発覚した利用者の同意がないまま顔写真などの生体データを利用した問題では、米国で約160万人の利用者を対象とした集団訴訟に発展した。21年2月に、約6億5千万㌦を支払うことで和解が成立した。ユーザー1人あたり345ドルを受け取ることになる計算だ。
ただ今回について海外の個人情報保護ルールに詳しい杉本武重弁護士は「生体データのような重要な個人情報を含んでいないため、同様の高額賠償を伴う集団訴訟になる可能性は低い」とみる。訴えが起こされた場合も、「データ流出によって具体的にいくらの損害が発生したか」という因果関係の証明が難しい。米国はカリフォルニア州などで厳しい個人情報保護ルールはあるものの、連邦法で個人情報保護を包括的に定める法令がなく、データ漏洩そのものの責任を問うハードルが高い。
裁判などで賠償を求める道が険しい以上、利用者はデータ漏洩の被害を最小限に防ぐ自衛を余儀なくされる。
フェイスブックは過去のデータ流出の度に、利用者にパスワードの変更などを呼びかけてきた。万が一、本人が変更しなかったために自分のパソコンなどに侵入され、サイバー犯罪の被害に遭った場合について、大井哲也弁護士は「全てが利用者の自己責任になるわけではなく、フェイスブックの損害賠償責任と利用者の過失が相殺されるのが法律上の考え方だ」と話す。ただ、そもそもフェイスブックの損害賠償責任が裁判所などで認められなければ、利用者は被害にあっても泣き寝入りしなければならないのが実情だ。
一方で当局が動いた場合はフェイスブックが再び責任を問われるとの見方もある。杉本弁護士は「(今回の再拡散で)被害が拡大したとしてFTCの追加調査が始まれば、19年よりも高額の制裁金が命じられる可能性がある」と指摘する。
日本の場合、個人情報保護法で個人情報を扱う事業者に安全管理の義務を定めている。今回の問題でフェイスブックが義務違反に問われる可能性があるが、罰金は軽微だ。日本の被害者が、自分のデータ流出に伴う損害賠償を求めて同社を訴えることもできるが、米国での裁判同様、因果関係の立証が大きな壁となる。「必要な資料を集めるなどの作業を、利用者ひとりひとりの力で行うのは相当難しい」(杉本弁護士)。
今回の問題は、容易に複製可能でいったん流出したら被害が終わらないデータ流出特有の問題を改めて印象づけた。日本プルーフポイントの増田幸美氏は「一度やられると何度でもやられる。 IDやパスワードは使いまわされることが多いため、こういったデータのリークが他の情報窃取事件へとつながることがある」と指摘する。「パスワード管理ツールを使うなどして使い回しを避け、セキュリティを維持しながらネットサービスを使うことが重要だ」と強調している。
(渋谷江里子)
【関連記事】
Facebook、流出の5億人情報が再び閲覧可能に 米報道
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/post-95958_1.php
※ バイデン政権の「対中国政策」についての、論考だ…。
※ これからの、世界情勢全体、ひいては、日本国の国家戦略を考える上で、非常に参考になる内容だ…。
※ しかし、何分長い(6ページもある)…。
※ それで、オレがところどころ抽出して、まとめを付けてみた…。
※ そういうものも参考にして、自分で読んで、解析・分析してみてくれ…。
《バイデン政権の政策の切り口》
大口献金者に報いる⇔前任者ドナルド・トランプの路線を引き継ぐ
→ 前任者の政策を基本的に踏襲するつもり
《これまでの米国の対中国政策》
1972年、国交樹立以来の外交方針:
→ 第2次大戦後に自国の主導した国際秩序に中国を組み入れる
とにかく「普通の国」になってもらう
1978年、鄧小平の改革開放以降の外交方針:
→ 中国を「責任ある利害関係者」とする
貿易と投資を拡大
まとめ: アメリカは中国に「関与」する(※ いわゆる、「エンゲージ」政策)
= 中国が、経済的に成長することに「関与(≒援助)」する
→ そうして、経済的に豊かになれば
→ 徐々に、「民主化」していくだろうと期待した
《前任のトランプ政権の対中国政策》
中国との「自由貿易的な政策」の結果
→ 安価な中国製品によって
→ 中西部の工業地帯:大打撃を受ける
→ ・ 関税の大幅引き上げ
・中国による米ハイテク産業への投資を制限
・中国系有力企業のアメリカ市場及び主要同盟国の市場からの、締め出し
《冷戦期のソ連よりも、手強いと思われる点》
・経済力が、巨大
・技術力も、高い
・20年後には、「世界最大の経済大国」になる可能性がある
・人工知能(AI)から量子コンピューターに至るまでの主要技術セクターで世界をリードする意思を公然と表明している
・中国は人民解放軍の拡大・現代化を進め、国防総省によれば、インド太平洋地域では「(アメリカと)ほぼ拮抗する」までになっている。
《バイデン政権の基本大方針》
・アメリカは「(中国と)究極の競争をするが、
・紛争をやる必要はない」。
・「国際社会のルールにのっとる」とも述べ、トランプ流の手法からは距離を置いた。
《バイデン政権の難しい点》
・前政権の姿勢を原則として踏襲しつつ、選挙で支持してくれた大口献金者にも配慮しなければならない
・民主党支持者には、過去4年間を帳消しにしたい人もいる。彼らは政府が中国の「平和な台頭」を語った日々を懐かしがる。米中で閣僚レベルの懇談会を年2回開くというジョージ・W・ブッシュ政権で始まった米中戦略経済対話のような関係を回復したい。オバマ政権も、その対話路線を継続した。それは共和党も民主党もそろってバラ色のレンズで中国を見つめていた時代だ。
・バイデン陣営への大口献金者といえばウォール街、多国籍企業の経営幹部、IT大手、ハリウッドの映画界などだろう。例えば、JPモルガンとバンク・オブ・アメリカでは合計7000人以上が大統領選で寄付をしているが、その8割以上がバイデン支持で、総額20万ドルを超えた。グーグルでは6900人、うち97%がバイデン支持だった。アマゾンは1万人で80%、ディズニーは4100人で84%という具合だ。
《大口献金者及びその思惑》
・ ウォール街
・ 多国籍企業の経営幹部
・ IT大手
・ ハリウッドの映画界
→ これらの業界は、みんな「巨大な中国市場」の恩恵を受ける立場にある…。
「 米中で閣僚レベルの懇談会を年2回開くというジョージ・W・ブッシュ政権で始まった米中戦略経済対話のような関係を回復したい」と思っている…。
『以前から中国進出に強い関心を抱いてきた各社は、「究極の競争」なるものがどう定義されるかに注目している。「誰も穏和な戦略的関与の時期に戻れるなんて甘いことは考えていない」と指摘するのはランド研究所の東アジアを専門とする政治学者スコット・ハロルドだ。「しかしトランプよりは対決的でなくなるよう、圧力が確かにかかる」』
ということで、
・ 「トランプよりは対決的でなくなるよう、圧力が確かにかか」り続けると予想される…。
《トランプ政権末期の置きみやげの問題》
その1:ウイグル問題は、「ジェノサイド」に該当するのか
『トランプ政権は末期に厄介な問題の火に油を注いだ。バイデンの就任前日の1月19日、当時のマイク・ポンペオ国務長官は中国のウイグル人弾圧を「ジェノサイド(集団虐殺)と人道に対する罪」と断言している。』
『これで米中関係は天安門事件以来で最悪の事態となった。バイデンの外交チームを支えるジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、カート・キャンベル国家安全保障委員会(NSC)インド太平洋調整官、および国務長官のブリンケンは、あのタイミングでのポンペオの発言に激怒したと伝えられる。』
『ウイグル人の強制収容が国際法上のジェノサイドに相当するか否かについては、国際社会でも意見が割れている。バイデン政権は独自の判断を下すつもりでいたが、ポンペオに先を越された。これをすぐにひっくり返せば、中国に対し「弱腰」だと非難されかねない。それでブリンケンは就任早々、やむなくポンペオ発言に同意する旨を述べた。』
『その発言は民主党の主要な支持層の一部で微妙な反応を招いた。数十年前から親中国の企業各社は歴代の米政権に対して、人権問題を棚上げするようにとロビー活動を続けてきた。人権に敏感なオバマ政権になっても、当時のヒラリー・クリントン国務長官は、中国との緊急性の高い問題を考慮するに当たって「人権問題が障害となることはない」と公言していた。
だが時代は変わった。あるウォール街の大手投資銀行のロビイストは本誌にこう語った。「(バイデンが)どの程度まで人権を重視するつもりかは不明だが、以前より重く見るだろうということは誰の目にも明らかになってきた」。ちなみにサリバンやブリンケン、キャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表など、対中政策の要となる人物の多くはオバマ政権でも働いた経験がある。
あのポンペオ発言を撤回しない限り、バイデン政権は「ジェノサイド」という語に縛られる。ウォール街のあるロビイストは匿名を条件にこう言った。「他国の政府を『ジェノサイド』で告発した以上、何もしないではいられない。追加の経済制裁を科すのか? それでも中国の報復はないと思うのか? それではトランプ時代と同じではないか?」』
・「ジェノサイド」と認定するかどうかは、「微妙な」「機微に触れる」問題…。
・実は、米国内でも、「固まっている」わけではない状態…。
・バイデン政権は、「弱腰」批判を恐れて、一応、前政権の方針を引き継ぐ姿勢は見せた…。
・しかし、大口献金者陣営は、「数十年前から」 人権問題を棚上げするようにとロビー活動を続けてきたし、これからも続けるだろう…。
(※ ここは、日本の国家戦略にとっても重要…。
下手に「ジェノサイド認定」に乗っかると、梯子を外される危険がある…。外されないまでも、微妙に「人権棚上げの方向に、修正される」危険が常にある…。)
『新型コロナウイルスはどこから来たかという問題も、トランプ政権の残した厄介な置き土産の1つだ。ポンペオはやはり退任間際に、あれが武漢ウイルス研究所から流出した可能性に改めて言及し、19年秋の段階で同研究所職員の数名がよく似た症状を示していたと語っている。
WHO(世界保健機関)の調査団が武漢に入ったのは今年1月14日のこと。周知のとおり、トランプはWHOの「中国びいき」に反発して脱退を通告したが、バイデンは就任直後に脱退を撤回している。アメリカが国際機関に復帰する姿勢を示す象徴的な動きの1つだった。
ところがその後、WHOは醜態をさらし、バイデン政権を困らせた。WHOの調査団は重要なデータを目にすることもできずに「調査」を終え、ウイルスが武漢研究所から流出した可能性を否定し、一方で輸入品の冷凍食品を介してウイルスが輸入された可能性も否定した。
WHOの拙速な調査と、その後の記者会見は大失敗だった。サリバンは、バイデン政権がWHOの結論を疑問視しており、感染発生の経緯に関するさらなるデータの提供を中国側に求めるとの声明を出した。これではポンペオ時代と変わらない。バイデン自身も、WHOの調査について問われた時は素っ気なく「必要なのは事実だ」と答えている。』
《その2:新型コロナウイルスは、どこから来たのか問題》
・WHOの発表は、合理性を欠いており、この問題に決着がついたとは言えない。
・そうだとすると、何らかの「手打ち」を行うことの、「妨げ」であり続ける…。
『今はこの2つの論争の陰に隠れているが、もっと深刻な問題がある。まずは中国とのデカップリング(経済関係の切り離し)をどこまで続けるかという問題だ。
トランプは在任中、経済面の中国離れを進めていた。新型コロナの流行をきっかけに、マスクのような個人用防護具を中国で製造せず、国内生産に戻すよう(3M社などの)米企業に要求した。だが多国籍企業を中国から引き離す取り組みはほとんど実を結ばず、効果もなかった。
厳しい対中姿勢を維持
連邦議会は19年に、中国製の機器やソフトウエアを調達網から排除するようアメリカの軍事・通信会社に求める法律を成立させた。しかし中国製機器の除外は政府の想定した以上に困難で、思惑どおりには進んでいない。また、中国排除はさまざまな重要産業に損失をもたらす。米コンサルティング会社ローディアム・グループの最近の調査では、中国市場を失えば、アメリカの半導体産業の年間売り上げは少なくとも540億ドルも減少すると推定されている。』
『多くの企業は、中国におけるサプライチェーンの構築に何年も費やしており、それを放棄することにはかなりの抵抗感がある。匿名で取材に応じた通信業界のある幹部は、「これらの中国製部品や機器がアメリカの企業にどこまで浸透しているかを十分に理解できるほど事態を観察していた人はいない」とぼやく。
多国籍企業の間には、民主党政権による路線修正に期待する向きもあるが、それは甘い。バイデンは2月24日に、半導体や高性能充電池などを含む基幹産業におけるサプライチェーンの見直しを求める大統領令に署名している。その発表に当たり、日本や韓国と足並みをそろえ、調達先を中国以外の国へ移すよう関連企業を説得すると述べている。
中国からのデカップリングに関して、トランプ政権が同盟国に協力を求めたことはない。だがバイデン政権が協力を求めれば、日韓両国の政府は応じる。しかし両国の産業界が応じる保証はない。両国経済はアメリカ以上に、中国市場と密接に絡み合っているからだ。米企業の撤退は外国のライバル企業を利するだけだとの指摘もある。しかし少なくとも今のところ、バイデン政権が米企業への圧力を緩める兆しはない。
トランプが課した2500億ドル相当の中国製品に対する追加関税も、当面は維持される。トランプは20年1月に中国政府と包括的な貿易協定の第1段階に合意し、中国が米国産品の輸入を増やすという条件で、関税引き下げか撤廃を約束した。あれから1年、アメリカの対中輸出が目立って増えた証拠はない。バイデン政権は中国に合意を遵守させる方法を検討中で、関税の撤廃は議題にも上らない。「何の見返りもなしで関税撤廃はできない」と、前出のNSC高官は言っていた。』
《さらなる難題》
難題(その1):
・中国との「デカップリング」(経済関係の切り離し)をどこまで続けるか
・マスクのような個人用防護具
・中国製の機器やソフトウエア
・中国製部品や機器
→ 半導体や高性能充電池などを含む基幹産業におけるサプライチェーンの見直しを求める
難題(その2):
・死活的に重要なのは国防・安全保障政策の見直し
・中国はアメリカを西太平洋から追い出し、南シナ海を実力で支配しようとしている
・アジア太平洋地域に配置する兵力を増やさねばならない
・中国の軍事力に対抗する技術(極超音速ミサイルを撃ち落とす防衛システムなど)への投資も増やす必要がある
・トランプはその両方を議会に求めたが、実際にはどちらも実現しなかった。
・新型コロナ対策で巨額の支出を迫られるなか、アメリカの財政赤字が空前のレベルに達するのは必至だ。
・事情通の関係者によると、国防当局が恐れているのは、今後2、3年にわたって予算削減の圧力がかかる事態だ。
・この関係者は冗談めかして、バイデンによる「アジアへの旋回(ピボット)」も(オバマ時代と同様)掛け声倒れに終わるのではないかと心配していると語った。
・オバマの「ピボット」は大々的に宣伝されたが、結局アジアに再配置された部隊はほんの一握りだった(しかもその大部分はオーストラリアに派遣された)。
(※ ここら辺も、日本の国家戦略に関係してくるだろう…。
誰が考えても、政策の方向性は、「同盟国」、しかも「最も利害関係を有する国家」の安全保障関係予算の増大を「要請」する…、というものになる他ないだろう…。
トランプ政権下で、NATO諸国が「GDPの2%までの支出」を迫られたことが、想起される…。)



『2021年3月31日(水)19時30分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)
<バイデンを支持する業界は米中関係の改善に期待するが、政権内には早くもトランプ路線を踏襲する兆候が>
民主党の政権奪還に貢献してくれた大口献金者に報いるべきか、それとも前任者ドナルド・トランプの路線を引き継ぐべきか。そんな選択を迫られたら、ジョー・バイデン新米大統領はどう出るか。答えは明白……と言いたいところだが、さにあらず。少なくとも外交上の最重要課題である対中政策に関して、バイデンは前任者の政策を基本的に踏襲するつもりのようだ。
新国務長官のアントニー・ブリンケンは1月に行われた上院外交委員会の指名承認公聴会で、「中国に対して強硬姿勢を取った点では、トランプ大統領は正しかったと考える」と明言した。衝撃的な発言だが、彼はすぐにこう付け加えた。「トランプが多くの分野で採用した手法には全く同意できないが、原理原則は正しかったし、わが国の外交政策に有益だったと私は思っている」
この4年間でアメリカの外交政策が大きく転換したのは事実であり、それを牽引したのがトランプであることも事実だ。
1972年にリチャード・ニクソン大統領(当時)が中国との外交関係を樹立して以来、アメリカは一貫して、第2次大戦後に自国の主導した国際秩序に中国を組み入れ、とにかく「普通の国」になってもらうことを目指してきた。中国の最高実力者だった鄧小平が78年に中国経済の開放に舵を切ると、アメリカは中国を(元国務副長官ロバート・ゼーリックの言葉を借りるなら)「責任ある利害関係者」としたい一心で、貿易と投資を拡大してきた。
そうしてロナルド・レーガンからバラク・オバマまで、歴代政権は実質的に同じ路線を歩んできた。アメリカは中国に「関与」する。それが基本で、その要が経済だった。
そこへ登場したのがトランプだ。アメリカ中西部の工業地帯が中国からの安価な輸入品によって大打撃を受けていたことも追い風となって大統領選に勝利したトランプは、中国が「わが国の雇用を奪う」ことはもう許さないと宣言した。そして外交関係者や多国籍企業の願いもむなしく、中国政府との自由貿易という現状をぶち壊し、中国からの輸入品への関税を大幅に引き上げ、中国による米ハイテク産業への投資を制限し、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などの中国系有力企業を国内市場だけでなく、主要な同盟国の市場からも締め出そうとした。
バイデンを支持する多くの業界は今、時計の針をトランプ政権前に戻したいと願っている。ウォール街もシリコンバレーもハリウッドも、拡大を続ける巨大な中国市場と縁を切りたくはない。だが現時点で、彼らの祈りが通じる可能性は高くない。
かつてのソ連よりずっと難敵
ブリンケンは指名承認公聴会で、中国との関係を「今世紀で最大の外交上の難題」だと率直に認めた。ではブリンケンは、そしてバイデン政権はその難題にどう取り組んでいくつもりなのだろうか。』
『政権内外の多くの関係者への取材で明らかになったのは、現時点では決まっていないという事実だ。ある国防総省高官の言葉を借りれば、まだ「この作業は進行中」なのだ。
無理もない。今の中国に立ち向かうことを考えれば、旧ソ連と対峙した冷戦などは楽なものだったと思えてくる。中国の経済力は当時のソ連とは比較にならないほど巨大だし、技術力も高い。EUは昨年12月、バイデン政権移行チームの制止を振り切って、中国政府との投資協定の大筋合意を取りまとめた。なぜなら中国はあと20年もすれば世界最大の経済大国となるだろうし、人工知能(AI)から量子コンピューターに至るまでの主要技術セクターで世界をリードする意思を公然と表明しているからだ。
一方で中国は人民解放軍の拡大・現代化を進め、国防総省によれば、インド太平洋地域では「(アメリカと)ほぼ拮抗する」までになっている。冷戦絶頂期のソ連に比べると中国の持つ核弾頭数ははるかに少なく、核の脅威はそれほど深刻ではないだろう。だが経済的に成功し、技術面でも優れ、世界制覇の野心を抱いている中国はかつてのソ連以上に手ごわい相手だ。
国防総省は既に、アメリカが軍事力で中国の後塵を拝する事態を懸念している。前統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォードは在任時、議会で「軌道修正しなければ、あと数年で中国に対するわが国の優位性は質的にも量的にも失われる」と述べた。オバマ政権で国防次官を務めたミシェル・フロノイも、「米軍がまだ備えていない新しい技術や能力に多額の投資を行っていく必要がある」と指摘している。
極超音速ミサイルに対する防衛網(もしも台湾をめぐる紛争が起きれば死活的に重要だ)の構築や、AI兵器の戦闘能力をどこまで向上させるかなど、問題は多々ある。上院軍事委員会のスタッフディレクターを務めた軍事評論家クリスチャン・ブローズによれば、これからのインテリジェント・マシン(AIなどの技術を搭載した機械)には戦場での敵味方識別能力を含め、殺人以外のほとんどの行為が求められる。
バイデン自身の言を借りれば、アメリカは「(中国と)究極の競争をするが、紛争をやる必要はない」。バイデンは「国際社会のルールにのっとる」とも述べ、トランプ流の手法からは距離を置いた。しかし新大統領は、こと対中政策に関しては難しい立場にある。前政権の姿勢を原則として踏襲しつつ、選挙で支持してくれた大口献金者にも配慮しなければならないからだ。
民主党支持者には、過去4年間を帳消しにしたい人もいる。彼らは政府が中国の「平和な台頭」を語った日々を懐かしがる。米中で閣僚レベルの懇談会を年2回開くというジョージ・W・ブッシュ政権で始まった米中戦略経済対話のような関係を回復したい。オバマ政権も、その対話路線を継続した。それは共和党も民主党もそろってバラ色のレンズで中国を見つめていた時代だ。
民意に応える政権運営とは
バイデン陣営への大口献金者といえばウォール街、多国籍企業の経営幹部、IT大手、ハリウッドの映画界などだろう。例えば、JPモルガンとバンク・オブ・アメリカでは合計7000人以上が大統領選で寄付をしているが、その8割以上がバイデン支持で、総額20万ドルを超えた。グーグルでは6900人、うち97%がバイデン支持だった。アマゾンは1万人で80%、ディズニーは4100人で84%という具合だ。』
『「民意を反映する政治センター」によると、テレビ、音楽、映画業界はバイデン陣営に合計1900万ドルを寄付したが、トランプ陣営への献金は1000万ドルにとどまったという。
以前から中国進出に強い関心を抱いてきた各社は、「究極の競争」なるものがどう定義されるかに注目している。「誰も穏和な戦略的関与の時期に戻れるなんて甘いことは考えていない」と指摘するのはランド研究所の東アジアを専門とする政治学者スコット・ハロルドだ。「しかしトランプよりは対決的でなくなるよう、圧力が確かにかかる」
調整努力は容易でないということは既に明白だ。トランプ政権は末期に厄介な問題の火に油を注いだ。バイデンの就任前日の1月19日、当時のマイク・ポンペオ国務長官は中国のウイグル人弾圧を「ジェノサイド(集団虐殺)と人道に対する罪」と断言している。
、2017年に北京で歓迎セレモニーに参加するトランプと習近平 THOMAS PETERーREUTERS
これで米中関係は天安門事件以来で最悪の事態となった。バイデンの外交チームを支えるジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、カート・キャンベル国家安全保障委員会(NSC)インド太平洋調整官、および国務長官のブリンケンは、あのタイミングでのポンペオの発言に激怒したと伝えられる。
ウイグル人の強制収容が国際法上のジェノサイドに相当するか否かについては、国際社会でも意見が割れている。バイデン政権は独自の判断を下すつもりでいたが、ポンペオに先を越された。これをすぐにひっくり返せば、中国に対し「弱腰」だと非難されかねない。それでブリンケンは就任早々、やむなくポンペオ発言に同意する旨を述べた。
脱中国化のハードルは高い
その発言は民主党の主要な支持層の一部で微妙な反応を招いた。数十年前から親中国の企業各社は歴代の米政権に対して、人権問題を棚上げするようにとロビー活動を続けてきた。人権に敏感なオバマ政権になっても、当時のヒラリー・クリントン国務長官は、中国との緊急性の高い問題を考慮するに当たって「人権問題が障害となることはない」と公言していた。
だが時代は変わった。あるウォール街の大手投資銀行のロビイストは本誌にこう語った。「(バイデンが)どの程度まで人権を重視するつもりかは不明だが、以前より重く見るだろうということは誰の目にも明らかになってきた」。ちなみにサリバンやブリンケン、キャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表など、対中政策の要となる人物の多くはオバマ政権でも働いた経験がある。
あのポンペオ発言を撤回しない限り、バイデン政権は「ジェノサイド」という語に縛られる。ウォール街のあるロビイストは匿名を条件にこう言った。「他国の政府を『ジェノサイド』で告発した以上、何もしないではいられない。追加の経済制裁を科すのか? それでも中国の報復はないと思うのか? それではトランプ時代と同じではないか?」』
『この疑問をぶつけると、バイデン政権のNSC高官は言ったものだ。「そんなことは全て、こちらも考慮に入れている」と。
新型コロナウイルスはどこから来たかという問題も、トランプ政権の残した厄介な置き土産の1つだ。ポンペオはやはり退任間際に、あれが武漢ウイルス研究所から流出した可能性に改めて言及し、19年秋の段階で同研究所職員の数名がよく似た症状を示していたと語っている。
WHO(世界保健機関)の調査団が武漢に入ったのは今年1月14日のこと。周知のとおり、トランプはWHOの「中国びいき」に反発して脱退を通告したが、バイデンは就任直後に脱退を撤回している。アメリカが国際機関に復帰する姿勢を示す象徴的な動きの1つだった。
ところがその後、WHOは醜態をさらし、バイデン政権を困らせた。WHOの調査団は重要なデータを目にすることもできずに「調査」を終え、ウイルスが武漢研究所から流出した可能性を否定し、一方で輸入品の冷凍食品を介してウイルスが輸入された可能性も否定した。
WHOの拙速な調査と、その後の記者会見は大失敗だった。サリバンは、バイデン政権がWHOの結論を疑問視しており、感染発生の経緯に関するさらなるデータの提供を中国側に求めるとの声明を出した。これではポンペオ時代と変わらない。バイデン自身も、WHOの調査について問われた時は素っ気なく「必要なのは事実だ」と答えている。
今はこの2つの論争の陰に隠れているが、もっと深刻な問題がある。まずは中国とのデカップリング(経済関係の切り離し)をどこまで続けるかという問題だ。
トランプは在任中、経済面の中国離れを進めていた。新型コロナの流行をきっかけに、マスクのような個人用防護具を中国で製造せず、国内生産に戻すよう(3M社などの)米企業に要求した。だが多国籍企業を中国から引き離す取り組みはほとんど実を結ばず、効果もなかった。
厳しい対中姿勢を維持
連邦議会は19年に、中国製の機器やソフトウエアを調達網から排除するようアメリカの軍事・通信会社に求める法律を成立させた。しかし中国製機器の除外は政府の想定した以上に困難で、思惑どおりには進んでいない。また、中国排除はさまざまな重要産業に損失をもたらす。米コンサルティング会社ローディアム・グループの最近の調査では、中国市場を失えば、アメリカの半導体産業の年間売り上げは少なくとも540億ドルも減少すると推定されている。』
『多くの企業は、中国におけるサプライチェーンの構築に何年も費やしており、それを放棄することにはかなりの抵抗感がある。匿名で取材に応じた通信業界のある幹部は、「これらの中国製部品や機器がアメリカの企業にどこまで浸透しているかを十分に理解できるほど事態を観察していた人はいない」とぼやく。
多国籍企業の間には、民主党政権による路線修正に期待する向きもあるが、それは甘い。バイデンは2月24日に、半導体や高性能充電池などを含む基幹産業におけるサプライチェーンの見直しを求める大統領令に署名している。その発表に当たり、日本や韓国と足並みをそろえ、調達先を中国以外の国へ移すよう関連企業を説得すると述べている。
中国からのデカップリングに関して、トランプ政権が同盟国に協力を求めたことはない。だがバイデン政権が協力を求めれば、日韓両国の政府は応じる。しかし両国の産業界が応じる保証はない。両国経済はアメリカ以上に、中国市場と密接に絡み合っているからだ。米企業の撤退は外国のライバル企業を利するだけだとの指摘もある。しかし少なくとも今のところ、バイデン政権が米企業への圧力を緩める兆しはない。
トランプが課した2500億ドル相当の中国製品に対する追加関税も、当面は維持される。トランプは20年1月に中国政府と包括的な貿易協定の第1段階に合意し、中国が米国産品の輸入を増やすという条件で、関税引き下げか撤廃を約束した。あれから1年、アメリカの対中輸出が目立って増えた証拠はない。バイデン政権は中国に合意を遵守させる方法を検討中で、関税の撤廃は議題にも上らない。「何の見返りもなしで関税撤廃はできない」と、前出のNSC高官は言っていた。
もう1つ、バイデン政権の中国政策で死活的に重要なのは国防・安全保障政策の見直しだが、現時点で目新しい展開はない。
軍人出身のロイド・オースティン国防長官は、バイデン政権も前政権と同様に、中国をアメリカにとって軍事的・地政学的に最大の脅威と見なす方向だと語っている。中国はアメリカを西太平洋から追い出し、南シナ海を実力で支配しようとしているという前政権の見方を、バイデン政権も共有しているようだ。
中国軍による台湾侵攻を未然に防ぐため、この地域に十分な戦闘力と人員を配置しておくこともアメリカ政府の既定方針だ。匿名を条件に取材に応じたホワイトハウスのある関係者も、先日バイデンが中国の習近平(シー・チンピン)国家主席と2時間にわたる電話会談を行った際、「台湾問題にかなりの時間を費やしており、台湾が本当の火種であることを大統領はよく理解している」と述べている。
そうであれば、アジア太平洋地域に配置する兵力を増やさねばならないし、中国の軍事力に対抗する技術(極超音速ミサイルを撃ち落とす防衛システムなど)への投資も増やす必要がある。トランプはその両方を議会に求めたが、実際にはどちらも実現しなかった。』
『新大統領も頭が痛い。新型コロナ対策で巨額の支出を迫られるなか、アメリカの財政赤字が空前のレベルに達するのは必至だ。事情通の関係者によると、国防当局が恐れているのは、今後2、3年にわたって予算削減の圧力がかかる事態だ。この関係者は冗談めかして、バイデンによる「アジアへの旋回(ピボット)」も(オバマ時代と同様)掛け声倒れに終わるのではないかと心配していると語った。オバマの「ピボット」は大々的に宣伝されたが、結局アジアに再配置された部隊はほんの一握りだった(しかもその大部分はオーストラリアに派遣された)。
どうやら、トランプ政権の中国に対する厳しい姿勢は正しかったというブリンケンの発言は本気だったらしい。貿易面でも軍事面でも、バイデンのアプローチは今のところ前政権と変わりない。
気候変動問題への協力の代償として、中国が何を求めてくるかは未知数だ JASON LEEーREUTERS
中国政策を見定めるシグナル
テクニカルな問題を別にすれば、新政権がトランプ政権と異なる点は2つ。まずは中国と貿易面で対峙する上でも軍事面で有効な抑止力を維持する上でも、同盟諸国との協力を重視すること。もう1つは、他のあらゆる分野で関係が緊張していても、気候変動に関しては中国との協力を進めるという点だ。
世界で最も多くの二酸化炭素を排出している中国を口説き落とすという目標は悪くない。しかし、中国が説得に応じると信ずる根拠は何もない。気候変動問題担当大統領特使のジョン・ケリーは、世界はこの問題でアメリカがリーダーシップを発揮することを渇望していると述べた。しかし実際のところ、中国は気候変動に関するアメリカの「リーダーシップ」など少しも期待していない。
だが民主党内では、この問題が非常に重要な意味を持っている。バイデンは支持者を満足させるために、カナダの油田と米メキシコ湾岸の製油所を結ぶキーストーンXLパイプラインの建設認可を取り消し、労働組合員の怒りを買うこともいとわなかった。それを考えると、中国はこの問題を利用して欲しいものを手に入れようとするかもしれない。あちこちで排出量の削減を約束したり、「グリーン」エネルギーの研究プロジェクトに加わる代わりに、関税の撤廃や経済戦争の段階的緩和を求めてくる可能性も否定できない。
では、バイデンの中国政策を見定める重要なシグナルは何か? まずは、中国がアメリカ製品やサービスの輸入を増やさなかった場合に、トランプ時代の高関税を無期限に維持するかどうか。また現在進行中の国防計画見直しによってアメリカの東アジアにおける兵力の配置等がどのように変化するか。脱退したTPP(環太平洋経済連携協定)への復帰を試みるかどうかも焦点となる。
こと中国に関する限り、バイデンは夢を追うよりも現実を直視する覚悟だ。たとえ、その現実がトランプ色に染まっているとしても。
【関連記事】
バイデンが中国とロシアにケンカ外交をふっかけた理由
中国は「第三次大戦を準備している」 』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR02C9G0S1A400C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】イラン核合意の当事国高官らは2日、オンラインで合同委員会を開き、米国の復帰に向けた新提案を協議した。イラン国営メディアによると、協議は6日にウィーンで再開する。
議長役を務めた欧州連合(EU)は会合後の声明で、ウィーンでは米国とも個別に協議を行うと明らかにした。ロイター通信によると、イランのアラグチ外務次官は米国が全体の会合に加わる可能性は否定した。
2日の会合は、仲介役のEUのほか、核合意に残った英国、ドイツ、フランス、ロシア、中国の5カ国とイランの外務次官級が出席した。ロシアの高官は終了後、ツイッターで「議論は良い方向に進んでいるが、この先は簡単ではなく、非常な努力が必要という印象だ」と語った。
米国はトランプ前政権時代の2018年、一方的に核合意から離脱し、対イラン制裁を復活させた。これに対し、イランは合意で定めた範囲を逸脱してウラン濃縮を進めるなど核活動を拡大した。バイデン政権は核合意への復帰意欲をみせているが、制裁の解除と核活動の縮小のどちらを先に履行するかなどで平行線が続いている。
米国務省のプライス報道官は1日、2日の会合開催を歓迎する姿勢を示したうえ、「(核合意の)約束をイランが守れば、我々も復帰しようとする用意がある」と述べていた。』