



スーダン 準軍事組織 “72時間停戦に合意” 日本時間13:00から
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230421/k10014044831000.html
※ 今日は、こんな所で…。
『アフリカのスーダンで軍との間で戦闘を続けている準軍事組織のRSF=即応支援部隊は、イスラム教の断食月、ラマダン明けの祝日に合わせて、72時間の停戦に合意したと21日、SNSで発表しました。
停戦期間は、現地時間の21日午前6時、日本時間の午後1時からで、市民の避難を可能にするためだとしています。
一方、スーダン軍は停戦についてまだ発表をしていません。スーダン情勢をめぐっては国連のグテーレス事務総長も20日、「市民が脱出できるよう、少なくとも3日間の停戦を求める」と述べ、ラマダン明けの祝日にあわせて停戦するよう呼びかけていました。』
ゾルゲ事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BE%E3%83%AB%E3%82%B2%E4%BA%8B%E4%BB%B6
『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゾルゲ事件(ゾルゲじけん)は、来日したリヒャルト・ゾルゲを頂点とするソ連のスパイ組織が日本国内で諜報活動および謀略活動を行っていたとして、1941年9月から1942年4月にかけて[1]その構成員が逮捕された事件[2]。
この組織の中には、近衛内閣のブレーンとして日中戦争を推進した元朝日新聞記者の尾崎秀実や、この事件で有罪となり廃嫡となった西園寺公一らもいた。
経緯
ゾルゲらの諜報活動
詳細は「リヒャルト・ゾルゲ#日本でのスパイ活動」、「マックス・クラウゼン#日本」、「尾崎秀実#諜報活動」、および「ゾルゲ諜報団」を参照
捜査
ゾルゲの外国通信員身分証明票
特別高等警察は1930年代より、日本での共産党関係者の検挙者の情報や、アメリカ連邦捜査局(FBI)の資料などからアメリカ共産党の日本人党員の情報を収集し、アメリカ共産党党員である宮城与徳やその周辺に内偵をかけていた。宮城や、同じアメリカ共産党員で1939年に帰国した北林トモなどがその対象であった。これらの共産党関係者に内偵をかける中でスパイ網が発覚し、その後の捜査開始につながったとされている。
また、無線電波が都内からソ連方面に送られていることを察知していた日本の特別高等警察は、スパイの内偵を進めていた。なお、満州国の憲兵隊からソ連が押収してロシア国内で保管されていた内務省警保局の「特高捜査員褒賞上申書」には、ゾルゲ事件の捜査開始は「1940年6月27日」であったと記されている[3]。1941年4月にはソビエト連邦と大日本帝国との間で日ソ中立条約の締結が成功したが、ドイツはそれでもソ連に進攻し独ソ戦が勃発した。
逮捕
その後、大東亜戦争(太平洋戦争)開戦直前の1941年9月27日の北林の逮捕を皮切りに、特別高等警察に事件関係者が順次拘束・逮捕された[注釈 1]。10月10日には、ゾルゲの自宅には日本語教師という名目で、また、大阪朝日新聞の元社員で近衛内閣嘱託の尾崎秀実の自宅には娘の絵の教師として出入りし、両者の連絡役をおこなっていた[5]宮城が麻布区龍土町の下宿先で逮捕され、築地警察署に連行される。この際に行われた家宅捜査で数多くの証拠品が見つかり、事件の重要性が認識された。
さらに、宮城宅を視察することによって10月13日には九津見房子、秋山幸治が逮捕された。宮城は特別高等警察の取り調べ中に2階の取調室の窓から飛び降りて自殺を図ったが、聖路加病院に搬送されて手当を受け、逮捕3日目に取り調べは再開された。以後は陳述を始め、この陳述から尾崎や、ドイツの「フランクフルター・ツァイトゥング」紙の寄稿記者[6]をカバーとして、東京府に在住していたゾルゲなどがスパイであることが判明した。
このとき、在日ロシア人のアレクサンドル・モギレフスキー(ヴァイオリニスト)、同じくレオ・シロタ(ピアニスト)、その娘ベアテ・シロタ・ゴードン(のちの日本国憲法の起草者の一人)、クラウス・プリングスハイム(指揮者)の次男クラウス・フーベルト・プリングスハイム、関屋敏子(声楽家)などの音楽関係者もスパイ容疑をかけられた[7]。
捜査対象に外国人がいることが判明した時点で、警視庁特高部では、特高第1課に加え外事課が捜査に投入された。尾崎とゾルゲらの外国人容疑者を同時に検挙しなければ、外国人容疑者の国外逃亡や大使館への避難、あるいは自殺などによる逃亡、証拠隠滅が予想されるため、警視庁は一斉検挙の承認を検事に求めた。しかし、大審院検事局が日独の外交関係を考慮し、まず、総理退陣が間近な近衛文麿と近い尾崎と同じく近衛内閣嘱託であった西園寺公一の検挙により確信を得てから外国人容疑者を検挙すべきである、と警視庁の主張を認めなかった。
このため、10月14日に尾崎の検挙が先行して行われ、東条英機陸相が首相に就任した同10月18日、ゾルゲら外国人メンバーが一斉に逮捕された。10月18日に外事課は検挙班を分けてゾルゲ、マックス・クラウゼン、ブランコ・ド・ヴーケリッチの3外国人容疑者を同時に検挙した。この際、クラウゼン宅からは証拠として無線機が発見されている[8]。翌1942年(昭和17年)には、尾崎の同僚であった朝日新聞東京本社政治経済部長田中慎次郎(3月15日)、同部員磯野清(4月28日)が検挙された。
尾崎秀実
尾崎秀実
西園寺公一
西園寺公一
リヒャルト・ゾルゲ
リヒャルト・ゾルゲ
マックス・クラウゼン
マックス・クラウゼン
ブランコ・ド・ヴーケリッチ
ブランコ・ド・ヴーケリッチ
逮捕後
グループの逮捕後、尾崎の友人で衆議院議員かつ汪兆銘・南京国民政府の顧問も務める犬養健、ゾルゲの記者仲間でヴーケリッチのアヴァス通信社の同僚であったフランス人特派員のロベール・ギランなど、数百人の関係者も参考人として取調べを受けた。なお当然ながら近衛の関与も疑われたが、その後の辞職と英米開戦で不問となった。
なお、ゾルゲが当時の同盟国であるドイツ人であり、しかもオイゲン・オット大使や大使館付警察武官兼国家保安本部将校のヨーゼフ・マイジンガーと親しいことや、前年にイギリスのスパイの疑惑で逮捕されたイギリスのロイター通信社の特派員のM・J・コックスが、特高による取調べ中に飛び降り自殺したこと(コックス事件)もあり、特に外国人に対する取調べは慎重に行われたという。
ドイツ大使館
ゾルゲの逮捕を受けてマイジンガーは、ベルリンの国家保安本部に対して「日本当局によるゾルゲに対する嫌疑は、全く信用するに値しない」と報告している[9]。さらにゾルゲの個人的な友人であり、ゾルゲにドイツ大使館付の私設情報官という地位まで与えていたオット大使や、国家社会主義ドイツ労働者党東京支部、在日ドイツ人特派員一同もゾルゲの逮捕容疑が不当なものであると抗議する声明文を出した[10]。
またオット大使やマイジンガーは、ゾルゲが逮捕された直後から、「友邦国民に対する不当逮捕」だとして様々な外交ルートを使ってゾルゲを釈放するよう日本政府に対して強く求めていた。しかし、間もなく特別面会を許されたオットは、ゾルゲ本人からスパイであることを聞かされる。
これを受けてオット大使は、ヨアヒム・フォン・リッベントロップ外務大臣に辞表を提出したが拒否された。さらにその後1941年12月に日本がイギリスやアメリカなどの連合国と開戦し、ドイツもアメリカとの間に開戦したこともあり、帰国ルートが閉ざされたことから(ドイツはすでにソ連との間で開戦していたため、シベリア鉄道経由の帰国も不可能であった)繁忙の中で大使職に留まり続け、ようやく1942年11月になりフォン・リッベントロップ外務大臣より駐日大使を解任された、その後南京国民政府の北京へと家族とともに向かい、そこで終戦までの間を暮らした。
なおマイジンガーは、その後も本国政府から罪を問われることはなく、1945年5月のドイツの敗戦まで大使館付警察武官兼国家保安本部将校として勤務し、その後の同8月の日本の敗戦に至るまでは日本当局により河口湖のホテルに軟禁されていた。しかし、終戦直後にアメリカ軍に逮捕され、その後ワルシャワ駐在時代に起こした虐殺事件の首謀者として死刑に処されている。
裁判
ゾルゲらは1942年に国防保安法、軍機保護法、軍用資源秘密保護法、治安維持法違反[11]などにより起訴された。1審は1943年9月から翌44年3月にかけて東京刑事地方裁判所第九部で行われ(裁判長判事 – 高田正、判事 – 樋口勝・満田文彦)、以下の判決が下された。ゾルゲ・尾崎ら被告の大部分は大審院へ上告したが、全て棄却され刑が確定した[12]。
リヒャルト・ゾルゲ 死刑(1944年11月7日執行)
ブランコ・ド・ヴーケリッチ 無期懲役(1945年1月13日獄死)
マックス・クラウゼン 無期禁錮(1945年10月9日釈放)
アンナ・クラウゼン 懲役3年(1945年10月7日釈放)
尾崎秀実 死刑(1944年11月7日執行)
宮城与徳 未決勾留中、1943年8月2日獄死
小代好信 懲役15年(1945年10月8日釈放)
田口右源太 懲役13年(1945年10月6日釈放)
水野成 懲役13年(1945年3月22日獄死)
山名正実 懲役12年(1945年10月7日釈放)
船越寿雄 懲役10年(1945年2月27日獄死)
川合貞吉 懲役10年(1945年10月10日釈放)
河村好雄 未決勾留中、1942年12月15日獄死
九津見房子 懲役8年(1945年10月8日釈放)
秋山幸治 懲役7年(1945年10月10日釈放)
北林トモ 懲役5年(1945年1月服役中危篤となり、仮釈放2日後の2月9日病死)
菊池八郎 懲役2年(釈放日不明)
安田徳太郎 懲役2年(執行猶予5年)
西園寺公一 懲役1年6月(執行猶予2年)
犬養健 無罪
近衛総理の関与
近衛首相(1941年10月)
尾崎と特別の関係にあった陸軍軍務局関係者は尾崎の検挙に反対であり、特に新聞記者として駐日ドイツ大使オイゲン・オットの信頼を得ることに成功していたゾルゲとの関係において、陸軍は捜査打ち切りを要求したが、第3次近衛内閣の総辞職後に首相に就任した東条英機は、尾崎の取り調べによって彼と近衞との密接な関係が浮かび出てきたことを知り、この事件によって一挙に近衞を抹殺することを考え、逆に徹底的な調査を命じた。
しかしその時点は日英米開戦直後で、日本政治最上層部の責任者として重要な立場にあった近衞及びその周辺の人物をこの事件によって葬り去ることがいかに巨大な影響を国政に与えるかを考慮した検察当局は、その捜査の範囲を国防保安法の線のみに限定せざるを得ず、彼等の謀略活動をできる限り回避すべく苦心したという[13]。
1942年(昭和17年)11月18日、近衞は予審判事・中村光三から僅かな形式的訊問を受け、「記憶しません」を連発し尾崎との親密な関係を隠蔽したが[14]、元アメリカ共産党員の宮城与徳は検事訊問(1942年3月17日)に対して、「近衛首相は防共連盟の顧問であるから反ソ的な人だと思って居たところ、支那問題解決の為寧ろソ連と手を握ってもよいと考える程ソ連的であることが判りました」と証言した[15]。
国家総動員法や大政翼賛会による立憲自由主義議会制デモクラシー破壊に猛反対した鳩山一郎は、これより前に日記(昭和十五年十一月一日の条)に、「近衛時代に於ける政府の施設凡てコミンテルンのテーゼに基く。寔に怖るべし。一身を犠牲にして御奉公すべき時期の近づくを痛感す」と書いていた[要出典]。
処刑
刑が確定したゾルゲらは巣鴨拘置所に拘留された。その後刑が執行されないまま同拘置所に拘留され続けたが、1944年11月7日のロシア革命記念日に、ゾルゲと尾崎の死刑が執行された。
死刑執行直前のゾルゲの最後の言葉は、日本語で「これは私の最後の言葉です。ソビエト赤軍、国際共産主義万歳」であったと言われている。翌1945年1月にはヴーケリッチも北海道の網走刑務所で獄死したが、マックス・クラウゼンは戦後夫婦ともども連合国軍によって釈放され、生きて故郷の東ドイツに戻ることができた。
その後
ロシア大使館
ゾルゲ事件に関してヨシフ・スターリンは無視をつづけたが、ニキータ・フルシチョフ時代が終焉した1964年11月5日になってソ連政府から名誉回復が行われ、「ソ連邦英雄」となっている。ソ連崩壊後もロシア駐日大使が東京都郊外の多磨霊園にあるゾルゲの墓に墓参するのが慣行となっている。これはゾルゲの功績をソ連、ロシア政府が高く評価していることを示している。
2022年1月26日、ロシアセルゲイ・ラブロフ外相はゾルゲの遺骨をサハリン州南部やクリール諸島南部に改葬する構想を表明し日本側と協議していると発表した[16]。しかし、日本側の松野博一官房長官は翌日の記者会見でこのような提案は受けていないとした[16]。
ロシア連邦大統領であるウラジーミル・プーチンはフランスが製作したゾルゲの映画を少年時代に見てKGBのスパイを志したともされる[17]。
宮城には1965年1月19日、当時のソ連政府から大祖国戦争第二等勲章が授与される事が決定した(尾崎も同様に叙勲されている)が、宮城は1943年に獄死し遺族の消息も不明であったため、2010年1月にようやく姪の所在が確認されロシアから伝達された[18]。
資料
ゾルゲ事件の取り調べを行った大橋秀雄(元警視庁警部補)が保管していた調書、ノート、ゾルゲから大橋への書簡ほか数千点の資料が遺族から沖縄国際大学へ寄贈され、保管・公開される予定である[19]。
研究書・資料文献
※ゾルゲの著書はリヒャルト・ゾルゲ#著書・回想を参照。
チャールズ・ウィロビー『赤色スパイ団の全貌 : ゾルゲ事件』 福田太郎訳、東西南北社刊、1953年。
大橋秀雄・松橋忠光『ゾルゲとの約束を果たす』オリジン出版センター、1988年1月
尾崎秀樹『生きているユダ』 角川文庫(新版)、2003年。ISBN 4041390028
尾崎秀樹『越境者たち ゾルゲ事件の人々』文藝春秋社、1977年。
尾崎秀実『ゾルゲ事件 上申書』 岩波現代文庫、2003年。ISBN 4006030754
片島紀男『ゾルゲ事件・ヴケリッチの妻・淑子―愛は国境を越えて』 同時代社、2006年。ISBN 4886835945
加藤哲郎『ゾルゲ事件 覆された神話』平凡社新書、2014年。ISBN 978-4582857252
加藤哲郎(編集・解説)『ゾルゲ事件史料集成――太田耐造関係文書』(全10巻)不二出版、2019-20年
ロベール・ギラン『ゾルゲの時代』三保元訳、中央公論社、1980年
マリヤ・コレスニコワ/ミハエル・コレスニコワ『リヒアルト・ゾルゲ 悲劇の諜報員』中山一郎訳、朝日新聞社、1973年
齋藤充功『昭和史発掘 幻の特務機関「ヤマ」』 新潮新書、2003年、ISBN 4106100266
「ヤマ」- ゾルゲの無線通信の解読を試みていた陸軍省軍事資料部の無線傍受機関
斎藤恵子『九津見房子、声だけを残し』みすず書房、2020年、ISBN 978-4-622-08925-4
下斗米伸夫・NHK取材班 『国際スパイ ゾルゲの真実』- 1991年放送のドキュメント番組を書籍化
角川書店、1992年、ISBN 4048210432/角川文庫、1995年、ISBN 4041954010
チャルマーズ・ジョンソン『尾崎・ゾルゲ事件 - その政治学的研究』 荻原実訳、弘文堂、1966年。
増訂新訳版 チャルマーズ・ジョンソン『ゾルゲ事件とは何か』篠崎務訳、加藤哲郎解説、岩波書店〈岩波現代文庫〉、2013年。ISBN 978-4-00-603263-0。
白井久也・小林俊一 編『ゾルゲはなぜ死刑にされたのか 「国際スパイ事件」の深層』社会評論社、2000年、ISBN 4784505520
白井久也 編『国際スパイゾルゲの世界戦争と革命』社会評論社、2003年、ISBN 4784505555
白井久也 編『【米国公文書】ゾルゲ事件資料集』社会評論社、2007年、ISBN 978-4784505609
白井久也『ゾルゲ事件の謎を解く 国際諜報団の内幕』社会評論社、2008年、ISBN 4784505822
F.W. ディーキン/G.R. ストーリィ『ゾルゲ追跡 リヒアルト・ゾルゲの時代と生涯』河合秀和訳
筑摩書房、1967年/筑摩叢書、1980年/岩波現代文庫(上・下) 2003年、ISBN 4006030738・ISBN 4006030746
ジョセフ・ニューマン『グッバイ・ジャパン - 50年目の真実』篠原成子訳、朝日新聞社、1993年
平澤是曠『汚名 ゾルゲ事件と北海道人』北海道新聞社<道新選書>、1987年
松橋忠光・大橋秀雄『ゾルゲとの約束を果たす - 真相ゾルゲ事件』オリジン出版センター、1988年
みすず書房編集部 編『現代史資料 ゾルゲ事件』(全4巻)、みすず書房、1962年 - 1971年。
ユリウス・マーダー『ゾルゲ事件の真相 スパイ戦史シリーズ12』植田敏郎訳、朝日ソノラマ文庫、1986年
宮下弘『特高の回想 - ある時代の証言』田畑書店、1978年
安田一郎(著)安田宏(編)『ゾルゲを助けた医者 ―安田徳太郎と<悪人>たち―』青土社、2020年
山崎洋 編『ブランコ・ヴケリッチ日本からの手紙―ポリティカ紙掲載記事(一九三三~一九四〇)』 未知谷、2007年。ISBN 4896422066
山崎淑子 編『ブランコ・ヴケリッチ 獄中からの手紙』 未知谷、2005年 ISBN 4896421205
山村八郎(中村絹次郎)『ソ連はすべてを知つていた』 紅林社、1949年。
ロバート・ワイマント『ゾルゲ 引裂かれたスパイ』 西木正明訳、新潮社、1996年。ISBN 4105329014
新潮文庫(上・下)、2003年、ISBN 4102003118・ISBN 4102003126
渡部富哉『偽りの烙印―伊藤律・スパイ説の崩壊』 五月書房、1993年、新装版1998年
関連作品
歴史小説
太田尚樹『赤い諜報員 ゾルゲ、尾崎秀実、そしてスメドレー』講談社、2007年。ドキュメント・ノベル
太田尚樹『尾崎秀実とゾルゲ事件 近衛文麿の影で暗躍した男』吉川弘文館、2016年
モルガン・スポルテス 『ゾルゲ 破滅のフーガ』 吉田恒雄訳、岩波書店、2005年。ISBN 4000237101
戯曲
『オットーと呼ばれる日本人―他一篇 木下順二戯曲選Ⅲ』 岩波文庫、1982年。
表題作は木下がこの事件を題材として書き下ろした戯曲で、度々舞台化
映画
『わが青春に悔なし』(1946年、東宝/監督:黒澤明/出演:原節子、大河内傳次郎、藤田進)
架空の物語だが、滝川事件とゾルゲ事件をモデルとしている。
『愛は降る星のかなたに』(1956年、日活/監督:斎藤武市/出演:森雅之、山根寿子、浅丘ルリ子)
『スパイ・ゾルゲ/真珠湾前夜』(1961年、フランス&日本合作/監督:イブ・シャンピ/出演:トーマス・ホルツマン、岸惠子)
『スパイ・ゾルゲ』(2003年、日本/監督:篠田正浩/出演:イアン・グレン、本木雅弘)
テレビドラマ
『ゾルゲ(ロシア語版)』(ロシア国営テレビ [ロシア1]、2019年/ 出演:アレクサンドル・ドモガロフ(英語版)、中丸シオン[20][21])
漫画
手塚治虫『アドルフに告ぐ』文藝春秋、1985年(第4巻 第21章~第25章 収録)。のち「手塚治虫漫画全集」講談社 』
【書評】「伝説のスパイ」が東京から送信した文面が明らかに:A・フェシュン編、名越健郎・陽子訳『ゾルゲ・ファイル1941-1945赤軍情報本部機密文書』
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900461/


『ル1941-1945赤軍情報本部機密文書』
Books 政治・外交 国際・海外 歴史 安保・防衛 2023.03.24
斉藤 勝久 【Profile】
「20世紀最大のスパイ」とも言われる旧ソ連赤軍情報本部の諜報員、リヒアルト・ゾルゲ。大戦間際の東京での8年間、ゾルゲは「独ソ開戦」「日本軍の南進(ソ連とは戦わず南方へ)」などの極秘情報を正確につかみ、モスクワに送っていた。ゾルゲ関係文書は長い間、機密扱いとなっていたが、近年、ロシアで解禁となり、開戦前から終戦の年までのものをまとめたのが本書である。収録の218点の大半が日本では初公開で、史料的価値が高い。
ゾルゲからの情報を信用しないモスクワ
ゾルゲを中心とした諜報団の研究はこれまで、ゾルゲたちが逮捕された後、警察・検察の取調べでの供述調書や獄中記などを中心に行われていた。本書の登場で、ゾルゲがどんな報告をモスクワ(赤軍情報本部)にしていたか、またモスクワがゾルゲをどう評価していたか、その生の文面を読むことができるようになった。最初の文書から驚かされる。ゾルゲは1940年12月28日、日本国内でドイツ人から得たこんな情報をモスクワに送っている。
「もしソ連が、既にバルト地方で起きているように(ソ連によるバルト3国併合=筆者注)、ドイツの利益に反するような活動を積極的に展開するなら、ドイツはハリコフ、モスクワ、レニングラード方面の領土を占領し得るとしている」
ソ連とドイツは前年に不可侵条約を結んだばかりだが、ゾルゲは早くもヒットラー率いる独軍のソ連攻撃の可能性をモスクワに警告していたのだ。これを読んだ赤軍情報本部長の書き込みがあり、「疑わしい電報」「スターリン同志に参考のため送付すること」と記されている。ゾルゲ電はソ連の独裁者にも届けられていた。しかし、ゾルゲからの情報はモスクワに信用されていなかった。
筒抜けだった日本政治の中枢
ゾルゲは表向きドイツの有力新聞の特派員として来日。日本と同盟関係のドイツの駐日大使オットと親しくなり、さらに当時の近衛文麿首相のブレーンだった尾崎秀実(元朝日新聞記者)を「ゾルゲ諜報団」日本人グループの最も重視した情報源にして、日本の政治の中枢から重要情報を入手していた。
ゾルゲは記者らしい情景描写で、こんな場面をモスクワに送っていた。41年4月18日、その5日前に調印された日ソ中立条約についてである。
「オットー(尾崎のコードネーム)が近衛(首相)のもとを訪ねたちょうどその時、近衛は日ソ中立条約締結に関する松岡(外相)の電報を受け取った。近衛とそこにいた面々は皆、条約締結に歓喜の声を挙げた。近衛はすぐにこのことを東条陸軍大臣に電話で知らせた。東条は驚きも、喜びも、怒りの言葉も発しなかったが、(以下略)」
独ソ戦について、ゾルゲは同5月30日、「ベルリンは、ドイツのソ連侵攻が6月後半に始まると、オット(駐日独大使)に通知した。95パーセントの確率で戦争が勃発すると、オットは確信している」と具体的な報告を打電した。その後もゾルゲは警告するが、モスクワはデマ報告リストに入れてしまい、6月22日に独軍の攻撃が始まると、ソ連は大混乱に陥った。
独ソ戦の開始でソ連が心配したのは、日本が戦争を仕掛けてくるか、だった。ドイツは日本の参戦を希望していたが、ゾルゲは意外なことで日本軍が南進することを見抜いた。同8月23日のゾルゲ電にはこうある。
「多くの(日本軍)兵士は半ズボン、すなわち熱帯地方用の短いズボンを支給されており、相当の部隊が南方に派遣されると想定される」
日独の連携を阻止したゾルゲ逮捕
この2カ月後、ゾルゲたちは逮捕された。慌てた在京ソ連大使館軍情報部から、「インソン(ゾルゲのコードネーム)が拘置所でピストル自殺した。これは、尋問中に射殺されたと考えるべきだ」「いや、ゾルゲは生きている。ゾルゲらはソ連のためにスパイ行為をしたとして終身刑を宣告された」などと不確かな報告が乱れ飛んだ。今から80年前の1943年、判決が下り、翌44年11月、ゾルゲは尾崎とともに死刑となった。
ゾルゲ文書にはこのほか、彼が毎月、モスクワに提出していた会計報告で、諜報団の資金不足をモスクワに訴えていたこと、彼がソ連の妻にプレゼントを贈っていたこと、また、諜報団の無線技士が活動に意欲を失い、ゾルゲの原文を適当に削除して、ゾルゲ報告がモスクワには正確に届かなくなっていたことなど、興味深いエピソードも含まれている。さらに、東京にはゾルゲ以外に数人のスパイがおり、女性のスパイが独、米大使館にいたことも明らかになった。
本書の構成は、真ん中に300ページを超えるゾルゲ・ファイルの文面が載っているだけなので、難しく感じる読者もいるだろう。しかし、各文書の注の説明が実に丁寧で、本書訳者の名越健郎・拓殖大学特任教授(元時事通信記者)による前書き解説と、本書の編者で、公開された機密文書を解読したフェシュン・モスクワ国立大学東洋学部准教授のあとがき解説が充実しているので、とても参考になる。
ゾルゲ諜報団の摘発で、日独間の信頼関係が失墜したことにより、「ゾルゲは自らの逮捕によって、日独の連携を阻止し、(両国に挟み撃ちされたかもしれない)ソ連の危機を未然に防いだとみることも出来る」とのフェシュン氏の分析は注目に値する。
ロシアのプーチン大統領が「高校生の頃、ゾルゲのようなスパイになりたかった」と語ったことがある。ゾルゲはソ連を「侵略国家」ではないと獄中手記で述べているが、自分にあこがれた大統領をどう思っているのだろうか。
『ゾルゲ・ファイル1941-1945赤軍情報本部機密文書』
みすず書房
発行日:2022年10月17日
四六判389ページ
価格:7040円(税込み)
ISBN:978-4-622-09514-9
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書評 本・書籍 プーチン 独ソ不可侵条約 日本軍 ゾルゲ
斉藤 勝久SAITŌ Katsuhisa 経歴・執筆一覧を見る
ジャーナリスト。1951年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。読売新聞社の社会部で司法を担当したほか、86年から89年まで宮内庁担当として「昭和の最後の日」や平成への代替わりを取材。医療部にも在籍。2016年夏からフリーに。ニッポンドットコムで18年5月から「スパイ・ゾルゲ」の連載6回。同年9月から皇室の「2回のお代替わりを見つめて」を長期連載。主に近現代史の取材・執筆を続けている。 』
複数のドメインにおける火星の音楽家 -21世紀における諸兵種連合の拡大- (Military Review)
https://milterm.com/archives/3114





『3月23日掲載の「マルチドメイン作戦を維持するために」に続いて、Military Review 2023年3-4月号に掲載の2022年10月に公表された「FM 3-0 Operations」に関する投稿記事を紹介する。この記事は、「FM 3-0 Operations」で記述されるマルチドメイン作戦の内容について、「Combined arms」の観点から概説したものになっている。「FM 3-0 Operations」の要点を取ってばやく抑える際の一助となるのかもしれない。(軍治)
複数のドメインにおける火星の音楽家
21世紀における諸兵種連合の拡大
Musicians of Mars in Multiple Domains
Expanding Combined arms in the Twenty-First Century
Lt. Gen. Milford Beagle Jr., U.S. Army
Col. Richard Creed, U.S. Army, Retired
Lt. Col. Matt Farmer, U.S. Army, Retired
March-April 2023 Military Review
ミルフォード・ビーグルJr(Milford Beagle Jr)米陸軍中将は、カンザス州フォート・レベンワースの米陸軍複合兵器センターの司令官として、ドクトリン、組織、訓練、資材、リーダーシップ、人事、施設、政策など、実戦部隊の近代化を一体化する責任を負っている。小隊から師団レベルまで複数のリーダーシップの立場にあり、ハワイから大韓民国まで世界中に派遣された経歴を持つ。以前は第10山岳師団(ライト)の司令官を務めていた。サウスカロライナ州立大学から学士(BS)、カンザス州立大学から修士(MS)、陸軍高等軍事研究学校から(MS)、陸軍士官学校から修士(MS)を取得している。
リチャード・クリード(Richard Creed)米陸軍大佐(退役)は、カンザス州フォート・レブンワースのCombined arms Doctrine Directorateのディレクターであり、Field Manual 3-0「Operations」の2017年と2022年版の両方の著者と編集者の1人である。米陸軍士官学校から理学士、高等軍事研究学校から理学修士、陸軍士官学校から修士を取得している。第2歩兵師団のG-3などを歴任し、ドイツ、韓国、ボスニア、イラク、アフガニスタンに派遣された経験を持つ。中隊、大隊、旅団の各レベルで指揮を執る。
マット・ファーマー(Matt Farmer)米陸軍中佐(退役)は、カンザス州フォート・レブンワースのCombined arms Doctrine Directorateのドクトリン開発者であり、Field Manual 3-0, Operationsの2022年版の著者の一人である。米国陸軍士官学校で理学士号、国防情報大学で修士号、高等軍事研究大学院で修士号を取得した。彼の経歴にはヨーロッパ、エジプト、イラク、アフガニスタン、韓国での任務がある。
(Image by Spencer Bowers)
会戦で調和を取るには、それぞれの兵器が他の兵器を支援する必要がある。チームプレイが勝利するのだ。火星の音楽家たちよ……適切な場所、適切なタイミングでコンサートに臨まなければならない。
-ジョージS.パットン
80年以上前の第二次世界大戦の開戦時、当時のジョージ・S・パットン将軍は、第2機甲師団に音楽の比喩を使って戦い方を説明した。この選択は、将軍がしばしば深い話と不敬な話を簡単に組み合わせていたことを反映している奇妙なものだった。
今日、戦いの手段は異なり、作戦環境も異なるが、この比喩は今も真実である。新版のフィールド・マニュアル(FM)3-0「作戦(Operations)」は、中国やロシアのような脅威がもたらす今日の課題に対応するために拡張された、作戦への実績のある諸兵科連合アプローチ(combined arms approach)を強調している[1]。
両敵対者(adversaries)は、陸・空・海・宇宙・サイバースペースを通じて米統合部隊(U.S. joint force)と争うことができる大規模で近代的な軍隊を保有しており、米軍が数十年間闘ってこなかった環境である。米陸軍部隊(Army forces)は、新しいFM 3-0で説明されている作戦コンセプトであるマルチドメイン作戦を通じてこの課題に対処する。
マルチドメイン作戦とは、統合部隊指揮官(joint force commanders)に代わって、目標を達成し、敵部隊(enemy forces)を撃破し、獲得した成果を集約・強化する(consolidate gains)ために、相対的な優位性を生み出し、それを利用するために、統合と米陸軍の能力を諸兵種連合(combined arms)で運用することである[2]。
マルチドメイン作戦の核心は、伝統的な1ドメイン、2ドメインのアプローチを超えて、陸、空、海、宇宙、サイバースペースのすべてのドメインを含む諸兵種連合(combined arms)の拡大である。マルチドメイン・アプローチは、米陸軍指揮官(Army commander)および統合部隊指揮官(joint force commanders)が、対等な能力(peer capabilities)を持つ敵部隊(enemy forces)に対して利用可能な優位性を作り出すための選択肢を増やすものである。
利用可能なすべての能力と方法を効果的に一体化するためには、ドクトリンを理解し、その技巧(craft)を習得したリーダーが必要である。FM 3-0やその他のドクトリンを読むことは不可欠であるが、その習得には、本国や戦闘訓練センターでのリーダー育成や訓練で応用することが必要である。
2021年8月13日に中国の寧夏回族自治区で行われたロシアと中国の統合軍事演習を見学するロシアのセルゲイ・ショイグ国防相(左)と中国の魏鳳和国防相。(写真:Savitskiy Vadim、ロシア国防省 via Associated Press)
2016年の発足当初から、マルチドメイン作戦は脅威を知らせていた。したがって、マルチドメイン作戦を理解するための入り口は、中国とロシアの脅威に対する理解である。
中国とロシアによって課される課題:Challenges Posed by China and Russia
中国とロシアの軍事的近代化と、軍事的応用が可能な宇宙、サイバースペース、核能力の拡散は、安全保障政策とドクトリンの変化を促す主要な要因である。複数の敵対者(adversaries)が複数のドメインで統合部隊(joint force)と争うことができるが、中国とロシアが最も危険であることに変わりはない。
両者は作戦上永続性ある編成と能力を有し、復元性があり順応性がある。単一の決定的な取組みでこのどちらかを迅速に撃破することは不可能である。したがって、米陸軍部隊(Army forces)は、有利な戦力比を作り出し、それを利用することによって、複数の決定的なポイントに対して戦闘力を集中させ、時間をかけて優位性を獲得し、敵部隊(enemy forces)を詳細に撃破することができなければならない[3]。
戦略レベルでは、中国とロシアは異なる脅威を、異なるスケールで提供している。しかし、両敵対者(adversaries)ともスタンドオフ・アプローチを採用しており、ネットワーク化されたセンサーと長距離火力能力を活用して、米国本土からの戦力投射とグローバル対応に必要な戦略的に価値のある地域への米統合部隊(U.S. joint force)のアクセスを拒否している。
両国とも、イラクとアフガニスタンに対する米国の作戦から、自国を防衛する最善の方法は、敵が国境近くで戦闘力を増強するのを防ぐことだと結論付けた[4]。統合ドクトリンでは、こうしたスタンドオフのアプローチを接近阻止(antiaccess)と領域拒否(area denial)と表現している。接近阻止(antiaccess)とは、通常、統合部隊(joint force)がある地域に進入するのを阻止する長距離能力を指す。
領域拒否(area denial)とは、一般に、ある地域に進入した部隊の行動の自由を制限する中距離および短距離の能力を指す。このようなスタンドオフ・アプローチは、冷戦終結後、中国やロシアが米統合部隊(U.S. joint force)に対して行ってきたことを、平然と行えるようにするものである。
対等な脅威のスタンドオフ・アプローチの戦略的影響の1つは、武力紛争の際に統合部隊(joint force)と同盟国にとって金銭、時間、人命の面で潜在的コストが増加し、米国が挑発に武力で対応する可能性がある閾値を事実上高めることである。
従来型の抑止力の効果を薄めることで、敵対者(adversaries)は侵略を拡大し、情報戦を含む悪意ある活動を行うための行動の自由を高めている。中国とロシアは、米軍部隊と近接戦闘(close combat)に持ち込むリスクを限定した上で、自国の利益を増進し続ける。マルチドメイン作戦の開発は、こうした戦略的考察を考慮したものであった[5]。
作戦レベルでは、米陸軍部隊(Army forces)に関連する2つの基本的な闘いがある: (1) 陸軍の能力によって可能となる、敵の接近阻止(antiaccess)と領域拒否(area denial)アプローチを撃破するための統合の闘い(joint fight)、および (2) 統合能力によって可能となる、敵部隊(enemy forces)を撃破し、重要な地形と人口を支配し、統合部隊指揮官(joint force commanders)の国家目標を達成するための地上の闘い(land fight)。
両方の闘いにおいて重要なのは、敵の一体化された防空システム(integrated air defense system)および全体的な一体化された火力指揮(integrated fires command)の構成要素を撃破するために、編成として闘う米陸軍軍団(Army corps)の役割である。
また、戦術的な課題には2つの構成要素がある。第一は、前方に配置された部隊が、通知なしの敵の侵略や攻撃行動から危険にさらされる重要な地形や統合インフラをどのように防衛するかということである。第二は、グローバルなインテリジェンス・監視・偵察能力によって可能となるレイヤー化された意図的防御を採用して、米陸軍部隊(Army forces)が対等な脅威(peer threats)に対してどのように遠征攻勢作戦を実施するかである。
脅威防衛は、準備期間、国境に近い後方連絡線、地形や人口に対する理解、利用可能な兵力、大量の火を迅速に処理する能力など、初期に多くの優位性がある。
防勢的、攻勢的な友軍の作戦中、敵部隊(enemy forces)は友軍の兵站や指揮・統制(C2)ノードを狙い、電磁波戦(electromagnetic warfare)によって友軍の通信を低下させ、情報戦によって我々の闘う意志(will to fight)をターゲットにする。
抑止が失敗した場合、米陸軍の戦術編成は、多勢に無勢で残りの米統合部隊(U.S. joint force)の他のから孤立した状態で同盟国と闘い、勝利する必要がある可能性が高い。
課題に応える:マルチドメイン作戦:Meeting the Challenge: Multidomain Operations
マルチドメイン作戦は、持続可能な政策成果を達成する統合戦役(joint campaigns)に対する米陸軍の貢献である。すべての作戦は、何らかの形で、複数のドメインを通じた能力および作戦に依存している。マルチドメイン作戦は、方法は違うが、あらゆる部隊階層で適用される。軍団以上の部隊は通常、本来マルチドメインである統合および陸軍の能力を、その下部組織に割り当てたり一体化したりする上で、主導的な役割を担っている。
師団は、場合によっては一体化する役割を果たすこともある。しかし、編隊に統合能力が割り当てられていない場合でも、あらゆるドメインからの敵の能力がもたらす脅威を認識し、それを軽減するための適切な手段を講じなければならない。戦闘力を維持するためには、FM 3-0 で必須とされている高水準の状況認識(situational awareness)と物理的努力(physical exertion)が必要である。
図. 作戦環境のドメインとディメンジョン
(図:フィールドマニュアル3-0, 「作戦(Operations)」より)
マルチドメイン作戦は、連合環境における作戦のための統合と諸兵科連合アプローチ(combined arms approach)という基盤の上に成り立っている。作戦コンセプトは、利用可能なすべての能力を運用するための効果とプロセスを理解する必要性を強調する。
FM 3-0は、物理、情報、人間の3つの次元で理解される5つのドメインを通して、リーダーが作戦環境を見るのに役立つモデルを提供している(図参照)。マルチドメイン作戦は大規模戦闘作戦(large-scale combat operations)に焦点を当てるが、競争、危機、武力紛争時の統合戦役(joint campaigns)の一部として、米陸軍部隊(Army forces)がどのように補完的かつ補強的な方法で作戦を一体化するかを記述する。
4つの信条(tenets)と9つの義務(imperatives)が作戦の遂行の指針であり、対等な脅威(peer threats)によって課される特定の課題に対して、リーダーがどのように戦闘力を適用し、維持するかについての選択肢を提供する。マルチドメイン作戦は、友軍の作戦の結束を維持しながら、撃破メカニズムの使用と敵部隊(enemy forces)を詳細に撃破することを強調する。
FM 3-0 は、米陸軍部隊(Army forces)が戦闘力を生み出し、敵部隊(enemy forces)に対して最大限の効果を発揮するために、各階層内および階層間で縦深作戦(deep operation)、近接作戦(close operation)、支援作戦(support operation)、後方作戦(rear operations)をどのように一体化するかを説明している。
諸兵種連合:Combined arms
諸兵種連合(combined arms)の拡大は、マルチドメイン作戦を一歩前進させる中核となるものである。異なるドメインの能力を諸兵種連合(combined arms)で活用することで生まれる補完・補強効果は、作戦プロセスで生じる一体化(integration)と同期化(synchronization)によって鍵が開けられるのである。
一体化(integration)とは、与えられた目標を達成するために、どの編成のどの部隊階層にどの能力が必要かを決定し、その能力を割り当てることである。同期化(synchronization)とは、これらの能力を時間的・空間的に組み合わせて適用し、敵に良い解決策がないようなジレンマを作り出すことである。リーダーは、通常戦力、多国籍軍、特殊作戦部隊、非正規軍、および利用可能なすべての統一された行動パートナーを一体化し、同期させる。
拡大した諸兵種連合チーム(combined arms team)の各メンバーは、他のメンバーが補強できる強みと、他のメンバーが軽減できる限界を持っている。異なるタイプの能力がどのように組み合わされるかを理解し、敵が予想しない方法でそれらを使用することは、我々が予測可能であることを期待する相手に対して成功するために不可欠である。
リーダーは、自軍の編成と能力が、上位司令部、隣接部隊、および統合戦役(joint campaign)をどのように可能にするかを理解しなければならない。また、自分たちがコントロールできない能力や編成が、どのように自分たちの作戦を可能にするかも理解しなければならない。
成功のためには、兵科や職業的専門性を超えた最高レベルの主題専門知識を持つリーダーのコミットメントが必要である。リーダーはさらに、陸軍の部隊階層間で能力を一体化または配分する際に、リスク情報に基づいた方法で有効性と効率性のバランスを取る方法を理解しなければならない。
この現実は、どの部隊階層に配属されたとしても、出発点は、友軍と敵対者(adversary)の担当地域とその影響地域という観点から、作戦環境を明確に理解することであることを意味する。
作戦環境の理解:ドメインと次元:Understanding the Operational Environment: Domains and Dimensions
マルチドメイン作戦は、リーダーが5つのドメインとその物理的、情報的、人的側面を通して作戦環境を理解することを要求する。「ドメイン(domain)とは、作戦環境の物理的に定義された部分であり、独自の用兵能力(warfighting capabilities)と用兵技能(warfighting skills)を必要とする[6]。
リーダーは、統合能力や陸軍能力の技術的側面をすべて理解する必要はないが、それらが相互に有益な方法でどのように採用できるのか、また、地上での作戦を支援するためにそれらの能力をどのように要請するのかを理解する必要がある。同様に、旅団より上の階層にいる米陸軍のリーダーは、米陸軍の能力の採用を提唱して、統合部隊(joint force)の他の軍種構成部隊の行動の自由を創出する必要がある。
物理的な性質はドメインを定義するが、マルチドメイン作戦では物理的な要素を超えた要因の重要性が強調される。FM 3-0 は、「各ドメインの物理的、情報的、人的側面を理解することは、指揮官や参謀が作戦の影響を評価し予測するのに役立つ」と記している[7]。
米陸軍の作戦の多くは物理的な次元を通じて行動を開始するが、敵対者(adversary)の意志(人間の次元)に影響を与えるためには、最終的には(情報の次元を通じて)影響を与えなければならない。FM 3-0はまた、リーダーシップや指揮・統制(C2)へのミッション・コマンド・アプローチのような、友軍にとって無形の要素が引き続き重要であることを強調している。
己を知る:戦闘力の生成と適用:See Yourself: Generating and Applying Combat Power
用兵機能(warfighting functions)と用兵の力学(warfighting dynamics)は、リーダーが自分の部隊を見渡し、敵に対してどのように能力を用いれば最も効果的かを理解する上で、重要な役割を果たす。FM 3-0は、6つの用兵機能(warfighting functions)を特定している:
・ 指揮・統制
・ 移動と機動
・ インテリジェンス
・ 火力
・ 後方支援
・ 防護[8]
FM 3-0は、戦闘力モデルを修正する。それは、戦闘力の定義を統合の定義に合わせ、敵に対してどのような致死性、破壊的手段を適用できるかを強調するものである。また、戦闘力の構成要素を「要素(elements)」から「力学(dynamics)」に変更し、戦闘力は相互に作用し、環境の変化を受ける変数で構成されているという考えを強化している。
FM 3-0 は、戦闘力の力学(dynamics of combat power)を用兵機能(warfighting functions)から意図的に区別している。同書は、戦闘力を「軍事部隊/編成がある時点で敵に対して適用できる破壊的・破壊的な力の総手段(JP 3-0)」と定義し、戦闘力の力学(dynamics of combat power)を次のように特定する:
・ リーダーシップ
・ 火力
・ 情報
・ 移動性
・ 残存性[9]
敵を知る:脅威と敵の手法:See the Enemy: Threats and Their Methods
米陸軍部隊(Army forces)は、脅威に志向した作戦を展開する。脅威は常に考え、適応しているため、脅威を理解することは作戦中の継続的な要件である。FM 3-0 は、「米陸軍部隊(Army forces)が直面する脅威は、その本質上、ハイブリッドである」と述べている。脅威には、個人、個人のグループ、準軍事組織または軍事組織、犯罪組織、国家、または国家連合が含まれる」[10]。
2018年9月13日、ロシアの中国やモンゴルとの国境に近いシベリアのツゴル訓練場で行われた「ボストーク2018」軍事訓練で、中国軍がパレードを行った。(写真:ムラデン・アントノフ、Agence France-Presse)
中国とロシアは、競争・危機・紛争の間に目標を達成するために、大きく5つの手法を組み合わせている:
– 情報戦(Information warfare)とは、目標を達成するための、サイバースペース作戦、電子戦、心理作戦(psychological operations)、偽情報戦役(disinformation campaigns)、その他の欺瞞作戦(deception operations)などの情報活動の使用(use of information activities)である。
– システム戦(Systems warfare)とは、目標を達成するための、一体化した防空システム(Integrated Air Defense Systems)や一体化した複合火力(Integrated Fire Complexes)のような、ネットワーク化された相互支援システムの使用である。脅威は自国のシステムを防護しながら、相手のシステムを崩壊させる。
– 阻止(Preclusion)とは、戦略的に重要な地域への統合部隊(joint force)のアクセスを拒否するためのスタンドオフ・アプローチの使用(use of standoff approaches)である。
– 孤立(Isolation)とは、連合パートナー、統合部隊(joint force)の構成部隊、または前方に配置された部隊を外部の支援から切り離すために、国力の道具の使用(use of national instruments of power)である。
– 聖域(Sanctuary)とは、友軍部隊の手の届かないところに脅威となる部隊を配置することである[11]。
中国とロシアは、作戦・戦術レベルでは異なる方法で脅威の手法を適用している。リーダーは敵の戦術をよりよく理解し、敵の行動を予測し、味方の行動方針(courses of action)を評価するために脅威の手法を用いる。
競争、危機、武力紛争の間の作戦:Operations During Competition, Crisis, and Armed Conflict
マルチドメイン作戦は、米陸軍部隊(Army forces)が統合作戦に貢献するもので、通常、同盟国やパートナーを巻き込む。統合部隊(joint force)と多国籍パートナーが提供する優位性を活用することは、あらゆる状況において重要な検討事項である。
戦略的文脈-競争、危機、武力紛争-は、指揮官が統合戦役(joint campaign)の文脈における自らの役割を理解し、任務に備えるのに役立つ。
競争の間は、米陸軍部隊(Army forces)は敵対者(adversary)の活動に対抗し、同盟国やパートナーとの訓練や相互運用性を通じて、用兵の信頼性(warfighting credibility)を示す。この活動は、紛争に備えるための余分な時間がないことを認識し、戦闘作戦を成功させるための条件を整えるものである。米陸軍部隊(Army forces)、継続的に紛争に備えることで紛争を抑止する。
危機の間は、米陸軍部隊(Army forces)は、さらなる侵略を抑止し、国益を守るために、統合部隊指揮官(joint force commanders)に選択肢を提供する。
武力紛争の間、米陸軍部隊(Army forces)は敵部隊(enemy forces)を撃破し、緊要地形(key terrain)と人口を統制する。戦略的文脈にかかわらず、米陸軍部隊(Army forces)は、統合部隊(joint force)が持続可能な政治的成果を達成できるよう、統合部隊(joint force)を支援するために継続的に獲得した成果を集約・強化する[12]。
作戦の根本的事項:信条と義務:Fundamentals of Multidomain Operations: Tenets and Imperatives
信条(tenets)と義務(imperatives)は、効果的な作戦を特徴づけるものであり、作戦プロセスを通じてリーダーの指針となるものである。
信条(Tenets).機敏性(agility)、収束(convergence)、耐久性(endurance)、縦深(depth)という4つの信条は、作戦の望ましい品質を特徴づけるものである。これらはすべて、複数のドメインから利用可能なすべての戦闘力を投入して優位性を生み出し、それを活用するという諸兵種連合運用(combined arms employment)の中核となる考え方につながる。
機敏性(Agility)には、多くの考慮事項が含まれる。機敏な指揮(agile commands)は、作戦段階(phases)、作戦の文脈(contexts)、タスク組織の間を迅速に移行する。機敏なリーダー( agile leaders)は、一瞬の機会の窓(fleeting windows of opportunity)を逃さないようデザインされた作戦アプローチを考案する。俊敏な部隊(agile forces)は、敵のターゲッティングを妨げるために迅速に分散し、必要なときに迅速に集中し、条件の変化に応じて敵よりも迅速に適応する。
収束(Convergence)は、旅団より上位の部隊階層が、利用可能なすべての米陸軍能力および統合能力を用いて、相対的な戦闘力を最大化し、有能な敵部隊(enemy forces)を撃破する機会を創出するようにする。収束(convergence)は、機動と近接作戦の機会を創出するが、その機会を迅速に利用するために、機敏な米陸軍部隊(Army forces)を必要とする。
耐久性(Endurance)とは、敵の攻撃を吸収し、任務達成に必要な時間と空間の中で闘いを押し進める能力のことである。これは、防護、後方支援、テンポの管理の機能である。
縦深(Depth)は、敵の編成と作戦環境全体に戦闘力を適用し、連続する作戦目標を確実にし、統合部隊(joint force)の獲得した成果を集約・強化する。縦深における作戦は、敵の好むアプローチを破壊し、敵システムの相互依存的な要素を崩壊させ、敵部隊(enemy forces)を詳細に撃破するために脆弱な状態にする[13]。
義務(Imperatives).9つの義務(imperatives)は、現代の戦場で許容できるコストで勝利するために、部隊が何をしなければならないかを説明している。これらは戦争の原則(principles of war)から導き出されたものであるが、現在の課題に合わせたものである。21世紀の大規模戦闘作戦(large-scale combat operations)で勝利するために必要な文化的変化を推進しなければならないため、リーダーの育成と部隊編成の訓練方法に大きく影響するはずだ。9つの義務(imperatives)は以下の通り。
・ 自分自身を見、敵を見、作戦環境を理解する。
・ 常に監視され、あらゆる形で敵と接触することを考慮する。
・ 物理的、情報的、人的な相対的優位性を作り出し、それを利用して決心の優越性(decision dominance)を追求する。
・ 可能な限り最小の部隊で初期接触を行う。
・ 敵に複数のジレンマを与える。
・ 移行を予測し、計画し、実行する。
・ 主たる取組み(main effort)を定め、重点を置き、維持する。
・ 継続的に獲得した成果を集約・強化する。
・ 作戦が部隊や兵士に及ぼす影響を理解し、管理する[14]。
第二の義務(imperatives)は、常に敵の監視とあらゆる形態の接触に注意することで、我が米陸軍のあらゆる階級と軍事の職業的専門性に影響するものである。これは、敵の火力に有利なターゲットを提示しないことの重要性に対処するものである。FM 3-0が簡潔に述べているように、「検出できるものは攻撃のターゲットとなり、殺すことができる」[15]。
部隊は、分散(dispersion)、掩蔽(cover)、隠蔽(concealment)、偽装(camouflage)、電磁波シグネチャーの遮蔽(masking)、作戦保全(operations security)、および欺瞞(deception)を確実にするために、能力と技法を組み合わせて使用する必要がある。敵の継続的な観測(observation)を考慮することは、防護を作戦化することになるが、これは最終的に、ますます透明化する作戦環境の現実にリーダーが絶えず注意を払うことを必要とする結果である[16]。
敵部隊を撃破する:Defeating Enemy forces
詳細に撃破するとは、全部隊(entire force)を一度に撃破するのではなく、部隊の一部に対して圧倒的な戦闘力を集中させることである[17]。
複雑な能力と編成で作戦する互角の適応力のある敵を、一度の決定的な取組みで撃破することは、非常に困難である。したがって、FM 3-0は、敵部隊(enemy forces)を詳細に撃破するためのアプローチを提供する。敵部隊(enemy forces)を詳細に撃破することにより、指揮官は潜在的に優勢な敵部隊(enemy force)の一部とそれを可能にするシステム(一体化した火力コマンドや一体化した防空システムなど)に対して、優越した戦闘力を発揮することができる。
指揮官は、そのために撃破メカニズムの組み合わせを適用する。FM 3-0が記述しているように、「マルチドメイン作戦は、脅威の相互依存的なシステムや編成を繰り返し破壊、混乱、孤立、崩壊させ、その機会を利用して敵部隊(enemy forces)を詳細に撃破することにより、脅威の作戦アプローチの一貫性を破壊する」[18]。
作戦的フレームワーク:Operational Framework
戦場は混沌とした環境である。敵部隊と友軍部隊が入り乱れ、友軍の部隊は長い距離を隔てたり、異なる指揮下で行動することが多い。指揮官は作戦的フレームワークを利用して、支配する部隊に秩序と集中力を与え、暴力の行使を管理する。
FM 3-0 では、作戦的フレームワークについて、「指揮官や参謀が作戦コンセプトの時間、空間、目的、資源における戦闘力の適用を明確に視覚化し、記述するのを支援するために用いられる認知ツール(cognitive tool)(ADP 1-01)」[19]と説明している。作戦的フレームワークの構築によく使われるのは、担当地域(assigned areas);縦深作戦(deep operation)、近接作戦(close operation)、後方作戦(rear operations);主たる取組み(main effort)・支援の取組み(supporting effort)・予備(reserve)の3モデルである[20]。
リーダーは、作戦的フレームワークに対して、過度に硬直的なアプローチをとるべきではない。リーダーは、適用できる場合にのみモデルを使用し、状況特有の要件に合わせて自由にモデルを適応させるべきである。もし、全く別のモデルの方がニーズに合っているのであれば、各部隊階層が同じアプローチを理解し、それに従うように、上位と下位を調整する必要がある。モデルを適応させる場合、リーダーは、自分のフレームワークが上位の部隊階層のフレームワークの入れ子になっていることを確認しなければならない。
指揮官は、区域を割り当てる際に、下位の部隊間の相互支援(mutual support)を考慮する。相互支援(mutual support)には、兵器や能力間の支援範囲を含めることができる。また、部隊間の支援距離の考慮も含まれる。複数の軸に沿って行動する軍団や師団は、非連続の従属編成(noncontiguous subordinate formations)を持つ。
上位部隊階層が非連続の割当区域を割り当てた場合、その部隊階層は、責任を割り当てなかった区域に関連するリスクに対する責任を維持する。担当区域は、作戦の種類と上位部隊が要求する統制のレベルに応じて、作戦区域、ゾーン、またはセクタ ーとなる。担当区域は、敵のターゲッティングの影響を軽減するために部隊を分散させる部下の機動とその能力を支援するのに十分な広さでなければならない。
しかし、部隊階層は、従属編成に不確実または過剰なレベルのリスクを課すことになるような、従属編成の影響力のある地域を越えて広がりすぎてはならない。部隊階層が地域を保持する場合、その地域に関連するリスクも保持する。非連続的な作戦中、リーダーは、特に 指揮・統制(C2)と後方支援ノードに関して、保持した地域のリスクを継続的に評価する必要がある。
指揮官は、与えられた地域内で、縦深作戦(deep operation)、近接作戦(close operation)、支援作戦(support operation)、後方作戦(rear operations)を同期させることにより、時間、空間、目的の観点から作戦を組織化する。また、師団以上の部隊は、大規模戦闘間の作戦の規模が大きいため、縦深地域(deep area)、近接地域(close area)、支援地域(support area)、後方地域(rear area)に従って編隊を編成することもある。
このバージョンのFM 3-0では、「作戦(operations)」に焦点を当てることで、目的から見た部隊の役割を明確にしている-地域は部隊の位置を定義し、作戦は部隊の目的を定義する。
争われた地上の地域の占領と防衛には近接作戦(close operations)が必要であり、通常、近接戦闘(close combat)または近接戦闘の脅威(threat of close combat)を伴う。近接戦闘(close combat)は、通常兵力にとって最もリスクの高い活動である。縦深作戦(deep operation)および後方作戦(rear operations)は、一般に、近接作戦(close operation)での成功を可能にし、近接戦闘(close combat)での機動に有利な条件を確立するために行われる。
「縦深作戦(Deep operations)は、敵部隊(enemy forces)に対する戦術的行動であり、通常、友軍と直接接触しない場所で、将来の近接作戦(close operations)を形成し、後方作戦(rear operations)を防護することを意図する。近接作戦(Close operations)は、下位の機動部隊とそれを支援する部隊の戦術的行動であり、その目的は、敵部隊(enemy forces)に接近し破壊するために機動と火力(maneuver and fires)を用いることである。後方作戦(Rear operations)は、主要な下位機動部隊の後方で、移動を容易にし、作戦範囲を拡大し、所望のテンポを維持する戦術的行動である」[21]。
米陸軍部隊(Army forces)は、争われた通信環境で闘うことになるため、指揮・統制に対するミッション・コマンド・アプローチは、これまで以上に不可欠である。指揮官が規律ある主導性とリスクを引き受ける能力を可能にする方法の1つは、時間、空間、および目的における各部隊階層の役割を説明することである。FM 3-0では、以下のような一般的な考慮事項を提供している。
大規模戦闘作戦(large-scale combat operations)の間、旅団戦闘チーム(BCT)と師団は、一般に敵の機動編成の撃破に重点を置く。軍団とそれ以上の組織は、一般に、統合部隊指揮官(joint force commander:JFC)の計画と優先順位に従って、敵の一体化した防空システムおよび敵の一体化した火力コマンドの一部の撃破に焦点を当てる[22]。
軍団は師団と闘い、師団は旅団と闘い、旅団は大隊と闘う。各上位の部隊階層は、下位の編隊が与えられた目標を達成するための条件を整え、そのための資源、指針、および状況認識を提供することを目指す。軍団と師団は編隊として闘うため、縦深作戦、近接作戦、支援作戦、後方作戦に対する一体化したアプローチが必要であり、どの部隊階層も戦場の一部分に近視眼的に焦点を当てる余裕はない。
獲得した成果を集約・強化すること:Consolidating gains
2017年のFM 3-0では、獲得した成果を集約・強化するという考え方が導入され、2019年の米陸軍ドクトリン公刊物(ADP)3-0「作戦(Operations)」では、その必要性が引き続き明確にされた。2022年版のFM 3-0では、競争、危機、武力紛争の間の作戦における必須事項であり重要な考慮事項として、獲得した成果を集約・強化の重要性を確認している。
獲得した成果を集約・強化することは、米陸軍部隊(Army forces)が行う作戦の最終的な目的を達成することである。それは段階的なものではなく、戦略的な成果を得るための戦術的な目標の利用である。獲得した成果を集約・強化するには、リーダーが最終状態を念頭に置いて作戦を遂行し、その全体的な最終状態を可能な限り迅速に達成するために必要な行動を取ることが必要である。
獲得した成果を集約・強化するには、作戦の目的を明確に説明し、それを達成する方法について理解を共有することから始まる。そして、部隊が目標を達成し、敵部隊(enemy forces)を撃破すると、その成果をより永続的なものにするために行動を起こす。
獲得した成果を集約・強化することは、最初は小部隊が目標を集約することから始まるかもしれない。また、師団が旅団に迂回した敵軍を撃破する任務を与え、安定化作戦のための条件を整えることもできる。同盟国やパートナーに都市部での重要な安定したタスクを依頼することも、獲得した成果を集約・強化するための効果的な手段となり得る。
上位の部隊階層は、獲得した成果を集約・強化するために、規模を拡大し、テンポを速めるための資源を要求する。ホスト国部隊、統合火力、安全保障部隊支援能力、特殊作戦部隊、民事、広報、工兵、宇宙・サイバースペース能力へのアクセスは、下位部隊の成功を結集し拡大する機会を提供する。
主要な戦役や作戦では、獲得した成果を集約・強化することが、地域や集団に対する責任を他の合法的な当局に移行させ、最終的には持続可能な政策成果を得るための原動力となる。紛争後の競争では、米陸軍部隊(Army forces)は統合部隊(joint force)のために獲得した成果を集約・強化を続け、望ましい条件の安定を拡大または維持する。
海洋環境:Maritime Environments
太平洋ピボット(Pacific Pivot)から10年が経過した今、米陸軍のドクトリンがインド太平洋戦域のような海洋環境での作戦に関する固有の考慮事項を説明し始めることは極めて重要である[23]。第7章では、こうした考慮事項の多くを取り上げ、同様に、海洋環境の影響を大きく受ける北極圏での活動の側面についても説明している。
海洋環境での作戦には、統合の能力と米陸軍の能力を相互に支援する形で活用することが必要である。後方支援、通信、防護、移動性は、海洋環境における地上部隊にとって困難であり、統合部隊(joint force)とのより高いレベルの一体化を必要とする。地上部隊は、しばしば航空構成部隊や海上構成部隊を支援することがあるが、これはここ数十年の米陸軍部隊(Army forces)が慣れ親しんできたものとは異なるものである。
海上作戦は、基地、港湾、海上交通の要衝を確保するために地上部隊に依存している。地上部隊は、地対地および地対空射撃によって航空作戦および海上作戦を可能にし、同時に統合部隊(joint force)が重要な地形やインフラを保持または奪取することを可能にする[24]。
争われた中での展開:Contested Deployments
米陸軍部隊(Army forces)は、本国から海外の集結地域まで、脅威による挑戦を受けることを予期しなければならない。第二次世界大戦以降、「米軍は、本属の駐屯地(home stations)から作戦戦域まで、争うことなく、概ね予測可能な展開を行った。敵は、本国や作戦地域までの移動中に、展開部隊に大きな影響を与える能力がなかったからである。これは、もはや事実ではない」[25]。
FM 3-0の付録Cには、米国内や海外の本属の駐屯地(home stations)にいるときを含め、戦力投射のどの段階でも米軍を観察、混乱、遅延、攻撃することができる対等な脅威に対処するための計画が書かれている。「したがって、指揮官と参謀は、友軍が常に監視され、接触しているという前提で、展開を計画し、実行しなければならない」-これはマルチドメイン作戦の必須事項である[26]。
将来へのマルチドメイン作戦:Multidomain Operations into the Future
FM 3-0は陸軍全体の変革のきっかけとなるものである。マルチドメイン作戦ドクトリンは、他の米陸軍ドクトリンの更新を促し、将来の戦力デザインに影響を与えるだろう。専門的な軍事教育は、その信条(tenets)、義務(imperatives)、および作戦環境に対するアプローチを考慮しなければならない。
マルチドメイン作戦は、部隊の本属の駐屯地(home stations)や戦闘訓練センターでの集団訓練に変化をもたらすだろう。同盟国やパートナーとの相互運用性は、これまで以上に重要であり、技術的、人的、手続き的な要件に対処する必要がある。我々の焦点は、同盟国やパートナーを持つことだけでなく、良き同盟国やパートナーとなることであるべきだ。
エアランド・バトル(AirLand Battle)のドクトリンが統合部隊(joint force)による空と地の一体化をより深いレベルに押し上げたように、マルチドメイン作戦は、地上での作戦を支援するために海上、宇宙、サイバースペースの能力を一体化する戦術、技法、手順(tactics, techniques, and procedures)の開発を継続的に推進することになるだろう。マルチドメイン・タスク部隊(multidomain task force)や戦域火力コマンドのような組織は、最初のステップである。
部隊は、新しい能力を既存の米陸軍および統合の構造およびプロセスと一体化する方法についての解決策を開発し、実験する必要がある。この実験の結果、陸米軍および統合のプロセスが新しくなったり、既存の組織が調整されたりする可能性がある。しかし、米陸軍および統合部隊(joint force)としてどのような変更を行うにしても、我々がどのように闘うかについての共有された理解(shared understanding)によって知らされなければならない。その共有された理解(shared understanding)は、我々のドクトリンから始まる。
このマルチドメイン作戦の版は、「ドクトリンの最終目的(end of doctrine)」ではない。米陸軍部隊(Army forces)が2030年の陸軍に到達するために、FM 3-0の考えを学び、訓練し、改良していく中で、進化を続けていくことになる。マルチドメイン作戦の将来の版は、部隊の経験に基づいて、主要な考えを更新し、新しい能力を考慮し続けることになる。
パットン(Patton)は「火星からの音楽隊」の演説で、オーケストラと各楽器の役割に喩えて、自分が望む闘い方のための諸兵科連合アプローチ(combined arms approach)を説明した。その2千年前、孫子(Sun Tzu)は音楽、色彩、味覚に関する公理で、組み合わせの優位性を明らかにしている。
音は5つしかないのに、この5つの組み合わせによって、聴くことのできないほどのメロディが生まれる。
色彩は5色もないのに、組み合わせると、見たこともないような色相になる。
味覚は5種類以上あるわけではないが、それらを組み合わせることで、味わい尽くせないほどの風味が生まれる[27]。
我々は、軍事思想の象徴であるこれらの人々の観察が、戦争に勝つための魔法の弾丸を提供するものでないことを知っている。しかし、長い間、これらの見解は、敵部隊(enemy forces)を驚かせ、圧倒するような方法で戦争中に組み合わせを用いるという考え方が、単なる一過性の流行ではないことを示唆している。実際、それは軍事組織を成功させるための基盤の一部なのである。
敵部隊(enemy forces)を奇襲し、圧倒するような方法で、利用可能なすべての能力を取り入れることができる技巧(craft)の達人であるリーダーは、ドクトリンのささやかな更新を、米陸軍部隊(Army forces)が統合部隊(joint force)に提供する圧倒的な優位性に変えることができる。
ノート(※ 省略する)』
陸上自衛隊地対艦ミサイル連隊 -米海兵隊の対艦火力のモデル-
https://milterm.com/archives/3169



『 陸上自衛隊地対艦ミサイル連隊 -米海兵隊の対艦火力のモデル- (Marine Corps Gazette)
+1
日本列島の南西域の米海兵隊の対艦能力のあり方を、陸自の地対艦ミサイル連隊の最近の取組みを例に挙げながら論じた米海兵隊機関誌Gazetteに投稿の米海軍中尉の記事を紹介する。(軍治)
陸上自衛隊地対艦ミサイル連隊 -米海兵隊の対艦火力のモデル-
The JGSDF’s Surface-to-Ship Missile Regiment – A model for Marine Corps anti-ship fires –
Marine Corps Gazette • May 2023
by LTJG Jeong Soo Kim
キム・ジョンス(Jeong Soo Kim)米海軍中尉は、海軍工兵団将校で、現在、佐世保の艦隊活動司令部の公共事業担当補佐官を務めている。以前はシービー大隊、第5海軍移動建設大隊でハイブリッド・シービー米海兵工兵分遣隊の担当官として勤務していた。米海軍研究所主催の2021年米海兵隊エッセイ・コンテストの優勝者である。
フォース・デザイン2030の対艦戦への注目点:Force Design 2030’s Focus on Anti-Ship Warfare
フォース・デザイン2030で米海兵隊に導入される最も重要な能力の1つは、対艦ミサイル能力である。これは、米海兵隊の部隊の性格を、米海軍の海上支配力を利用するものから、能力が高まる競争者の海上戦力に対して必要な海上の致死性を付加するものへと根本的に変化させるものである。
この到達目標を達成するために、米海軍打撃ミサイル(naval strike missile :NSM)搭載の無人の統合軽戦術車両(joint light tactical vehicle)である米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(Navy-Marine Expeditionary Ship Interdiction System :NMESIS)が、この作戦コンセプト変更の目玉として歓迎されている。
米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)が大量に実戦投入されれば、致死的で、残存可能で、リスクに見合うアセットとなる。分散して配置されることで、敵対者は身近な海域でも慎重に行動せざるを得なくなる。しかし、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)のように先進的でリスクに見合うシステムであっても、そのデザインと開発にはリスクが内在している。
米海兵隊は、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS) の限界を緩和し、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS) の開発・配備が遅れた場合に対艦火力が不足するリスクを低減するために、ヘッジを行う必要がある。効果的なヘッジは、レガシー・システムを大量に配備して 米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS) への移行を橋渡しし、その弱点を補うことである。
米海兵隊のこのリスク軽減戦略(risk-mitigation strategy)の手頃な構成要素は、敵対的な海上戦闘機から重要な水路を守るために地上配備型の対艦ミサイル(groundbased anti-ship missiles)を利用した同盟国軍に学ぶことである。陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊(Surface-to-Surface Missile Regiments :SSMR)は、比較的少ない人員で巨大な対艦火力を発揮する。
船舶や航空機に配備された対艦ミサイルと組み合わせれば、レガシーな地上配備型のミサイル発射装置(groundbased missile launchers)でも、戦力増強のために現在逼迫している海事・航空宇宙産業基盤への負担を最小限に抑えながら、ミサイルの一斉発射サイズ(salvo sizes)を大幅に増やすことができる。
さらに、レガシー・ミサイルを搭載した地対艦ミサイル(SSM)部隊を立ち上げることで、対艦戦(anti-ship warfare)の訓練を受けた米海兵隊の幹部が、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)プラットフォームの完全導入時に、最先端の対艦の戦術、技法、手順(tactics, techniques, and procedures:TTP)をより効果的に用いることができるようになる。
米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)のリスクと限界:Risks and Limitations of NMESIS
米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)プラットフォームは、米海兵隊の対艦ミサイル計画の将来を担うものであるが、補完的なミサイル・プラットフォームやそれを採用する部隊と意識的に緩和しなければならないリスクと限界を持っている。現在、米海兵隊が対艦戦(anti-ship warfare)をタスクとする主要プラットフォームは、M142 高機動ロケット砲システム(HIMARS)を搭載したロケット砲兵部隊である。
高機動ロケット砲システム(HIMARS)は優れた兵器プラットフォームだが、ストライカー旅団戦闘チームのような米陸軍の戦略的移動部隊に、空中移動型多連装ロケットシステム能力を提供するためにデザインされている。M26ロケットと陸軍戦術ミサイル・システムの地対地ミサイル(surface-to-surface missiles)を発射するが、本質的に対艦プラットフォームではなく、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)プラットフォームが装備化されるまでは最適な解決策ではない。
野戦砲大隊(tube artillery battalions)のロケット・ミサイル砲への転換は重要なドクトリン上の転換であるが、人民解放軍海軍(PLA-N)が太平洋に展開するわが国の海軍部隊に対して量的にも質的にも同等であるという事実を大きく変えるものではない。米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)対艦プラットフォームはまだ試験・評価中で、戦力構造への配備・統合が進んでいないため、キャッチアップしているのは米国の同盟海上部隊である。
米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)の導入が2023年と楽観的に計画されており、その本格的な配備は数年先となるため、存在する重大かつ持続的な対艦能力のギャップを埋めるために、十分な量の対艦プラットフォームを迅速に配備する必要がある。現在の米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)のデザインは、ステルス、隠蔽、そして敵艦にステルス性のミサイル(stealthy missile)を発射する奇襲の要素に依存している。
比較的小規模な統合軽戦術車両(joint light tactical vehicle)基地では、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)プラットフォームあたり2発の海軍打撃ミサイル(NSM)ミサイルが限界であり、8発の発射台(launcher battery)でも16発のミサイルの同時斉射が限界となる。高度な海軍打撃ミサイル(NSM)を無防備な敵艦に向けて発射するというステルスに特化したこの戦術は致命的ではあるが、固有のデザイン上の欠陥がある。
最初の「奇襲(surprise)」一斉射撃は有効かもしれないが、高度な対空システムとよく訓練された乗組員であれば、フリゲート級の海上戦闘艦であっても後続の攻撃を防御することが可能であろう。理想的な戦術は、できるだけ少ないミサイルで敵艦を倒すことであるが、対艦ミサイルの飽和攻撃で敵の防空システムを圧倒する能力は絶対に必要であり、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)はそのためのデザインがなされていない任務である。
レガシー・ミサイル・システムはステルス性に欠けるが、米海軍指揮官が敵対する海軍タスク部隊(naval task force)に対して飽和攻撃を仕掛けることができるため、米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)プラットフォームを補完することができる。
陸上自衛隊地対地ミサイル連隊:JGSDF’s Surface-to-Surface Missile Regiment
冷戦時代、日本の安全保障上の最大のリスクは、ソ連海軍の太平洋への進出であった。しかも、冷戦時代の日本は、ソ連太平洋艦隊に対抗するための大規模で高性能な艦隊を配備できる経済力をまだ持っていなかった。
そこで、北海道に対艦ミサイル連隊を配備し、本州を経由して太平洋に出ようとするソ連海軍の艦艇を威嚇することになった。西太平洋で中国軍と対峙する米海軍の前線部隊と同様に、日本はより優れた海軍部隊の軍事行動(breakout)を防ぐ必要があり、この問題を解決するために地上配備型の対艦ミサイル(groundbased anti-ship missiles)に目をつけた。
3個中隊の対艦ミサイル連隊の主な装備(図:著者作成)
この任務を遂行するタスクを担う主要な部隊が地対艦ミサイル連隊(SSMR)である。米国のハープーン・ミサイルとほぼ同等の88式地対地ミサイルを発射するために主に装備された大隊規模の部隊である。連隊は、6発のミサイルを搭載した4基の発射台と再装填車からなる3〜4基の発射台で構成されている。
本部中隊は、敵艦のおおよその位置を発見できるレーダー車と、発射部隊に情報を伝達できる無線中継部隊で構成されている。88式ミサイルには追尾レーダーが搭載されており、外部からのターゲティング・データに依存することなく海上ターゲットを探索し、誘導することができる。
戦術的に展開する場合、発射中隊(launching batteries)は海岸線から離れた隠れた射撃場から展開され、海岸線には小型レーダー車だけが哨所(picket)を形成する。
発射後、各中隊(batteries)は代替の隠れた補給地点に移動し、再装填を受けることができる。それぞれの中隊本部(battery headquarters)は、連隊の地表レーダー車や海上自衛隊の哨戒機からセンサー・データを受信できる火力指示センター車(fire direction center vehicle)1台で構成されている。データ・リンクは国内だが、火力解決のための質の高いデータを供給するわけではない。データは単に敵艦の大まかな範囲を知らせるだけで、88式ミサイルに搭載されたセンサーが終末誘導を実行する。
地対艦ミサイル連隊(SSMR)は海軍のターゲットに対して使用され、敵艦からの探知から射撃中隊(firing batteries)を保護する。(図:著者作成)
重要なチョークポイントに配置される:Stationed at Vital Chokepoints
陸上自衛隊には、合計5個の地対艦ミサイル連隊(SSMR)が配備されている。そのうち3個(第1、第2、第3)は北海道に配備され、北部方面隊第1特科団(1st Artillery Brigade)に所属している。これらの部隊は、冷戦時代、日本にとって最大の脅威は、北海道周辺でのソ連海軍の軍事行動(breakout)とサハリン諸島への侵攻であったという歴史を持つ。
本州の北半分に位置する八戸には、1つの(第4)地対艦ミサイル連隊(SSMR)が配備されている。本州と北海道を隔てる津軽海峡(50マイル)の防衛・防御をタスクとする。この海域は、最近、中露の海軍タスク部隊(naval task force)が太平洋上で演習するために航行したことでも話題になった。
連隊の中で最後にして最も強固なのが、南九州の熊本に駐屯する第5地対艦ミサイル連隊(SSMR)である。本土には4つの中隊(batteries)が、琉球列島の離島には地理的に独立した3つの中隊(batteries)が駐留している。2021年に宮古島に1個、2022年には石垣島に1個、沖縄と台湾の間に位置する戦略的な場所に1個の中隊(battery)を設置する予定である。
これらの地対艦ミサイル連隊(SSMR)、特に第5地対艦ミサイル連隊(SSMR)の配備は、敵対者に戦術的な難問を突きつけるものである。これらのミサイル連隊は、自衛隊が船舶や航空機の整備状況に左右されることなく、重要な海上交通の要衝に致死性の火力を持続的に投射し、あらゆる海軍の侵入に対して常に警戒することを可能にする。
レガシー・ミサイルは命取り:Legacy Missiles are Deadly
先日、ウクライナの対艦ミサイル砲により、ロシアの巡洋艦モスクワ(Cruiser Moskva)とスネーク島への補給に派遣された貨物船が沈没したことで、地上から発射されるレガシー対艦ミサイルでも有効であることが示された。
報告書によれば、巡洋艦モスクワ(Cruiser Moskva)に発射されたミサイルはわずか2発で、巡洋艦モスクワ(Cruiser Moskva)のような防御力の高い巡洋艦を沈めるために必要だと一般的に考えられている飽和攻撃(saturation strike)には程遠いものである。ウクライナ軍の戦術的な偉業もさることながら、陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR) は、多くの発射装置を備えているため、海軍のターゲットに対してはるかに大きな損害を与えることができる。
3個の地対艦ミサイル連隊(SSMR)は連隊レベルで最大72発のミサイルを発射する能力を持ち、琉球列島に配備された独立した中隊(batteries)は最大24~36発のミサイル一斉射撃(missile salvos)を発射することができる。88式ミサイルはAGM-84ハープーンと同世代のもので、現在は長距離対艦ミサイルや海軍打撃ミサイル(NSM)に移行しているが、それでも最先端の対空戦艦以外には極めて致死性で、高度な対空防衛システムを打ち破る上で重要な戦術的役割を果たすことになる。
88 式やハープーンなどの従来の対艦ミサイルがステルスでも超音速でもないとはいえ、敵艦に誘導できる以上、敵対者はミサイルや対抗策を消費して迎撃・破壊しなければならない。例えば、対艦ミサイルがいかに亜音速でステルス性がないとしても、8セルのRAM型短距離ミサイル・ランチャーと近接兵器システム(close-in weapon system)を備えた56型コルベット艦は、12発または24発のミサイルの一斉射撃から物理的に防御できない。
複数の発射台、中隊(batteries)、連隊が連携して発射すれば、レガシー・ミサイルを搭載した部隊は、より堅牢な54A型フリゲート艦(空対空ミサイルと近接兵器システムの32個の垂直発射システムセルで武装していたとしても)をも圧倒することができる。52D型と54A型の主力海上戦闘艦からなる全海上行動集団(full surface action group)でさえ、96発のミサイルを同時に発射する4つの中隊(batteries)による連隊規模の一斉射撃から防御するのは困難であろう。
仮に人民解放軍海軍(PLA-N)の先進的な海上行動集団(surface action group)がこのような攻撃からうまく防御できたとしても、最初の攻撃で艦隊の防御ミサイル弾倉が枯渇することは避けられない。第一列島線に配備された地上配備型レガシー・ミサイル中隊(batteries)は、実質的にブルント層(blunting layer)※を形成し、敵対者の艦隊の盾とするミサイル(shield missiles)の弾倉を削り取っていく。
※ブルント層とは、2018年の米国防戦略文書で触れられている「Global Operating Model」の中の4つの層の一つで、敵対者の攻撃を遅らせたり、劣化させたり、拒否したりする層を言う。
防衛ミサイルを枯渇させた人民解放軍海軍(PLA-N)海軍タスク部隊(naval task force)は、新鮮なミサイルの弾倉で武装した第一列島の外側に潜む戦術機、海上行動、空母打撃群に対して著しく脆弱になるであろう。有能な人民解放軍海軍(PLA-N)提督なら、弾倉が枯渇した状態で海軍の軍事行動(breakout)を試みることを拒否し、海軍の軍事行動(breakout)を試みないだろうし、それを試みる無能な人民解放軍海軍(PLA-N)提督は、その戦術的失策のために大きな代償を払うだろう。
したがって、地上配備型のレガシー・ミサイル・システムであっても、第一列島線の内側では人民解放軍海軍(PLA-N)に一分の隙もない戦いを強い、第一列島線の外側では米軍と同盟した部隊が支配することができるようになる。
レガシー対艦ミサイル・システムを活用するもう一つの効果的な戦術は、囮(decoys)の役割を果たし、よりステルス性が高く高価なミサイル・システムが協調攻撃で隠れることができるようにすることである。米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)のような軽量で無人なプラットフォームは無人島に、より伝統的な地対艦ミサイル連隊(SSMR)のようなバッテリーや連隊はより確立された駐屯地に配備することができる。
レガシー・ミサイルの大規模な攻撃というベールに包まれた海軍打撃ミサイル(NSM)の発射は、これらの最新ミサイルの残存性と致死性を高め、より高価でステルス性の高いミサイル(more expensive and stealthy missile)の迎撃から高度な電子戦や対空ミサイルのリソースを逸らす可能性があるだけだ。
現在配備されている 88 型、12 型ミサイルの射程距離(200km)が 人民解放軍海軍(PLA-N) のそれ(4~500km)に劣るのは事実である。しかし、だからといって、陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)が戦術的に陳腐化するわけではない。200kmの射程であれば、琉球列島周辺に集結する海軍タスク部隊(naval task force)を抑止するための堅い防御殻を形成することができる。
紛争時には、琉球諸島の守備隊からの射程が200kmと比較的短くても、最も殺傷力の高い海軍タスク部隊(naval task force)以外には、人民解放軍海軍(PLA-N)が東シナ海の20%近くを占領できないようにすることができる。さらに重要なことは、レガシーな地上配備型の88式ミサイルでさえ、射程が200kmと比較的短いため、東シナ海に沿った潜在的な脱出経路を致命的な対艦ミサイルでカバーすることができることである。
新型ミサイルの登場で、より致死性の高いサイトへ:Emerging Missiles Will Make These Sites Even More Lethal
これらの島嶼部ミサイル基地と最新のミサイルおよび追加の防衛能力を組み合わせることは、海上戦闘におけるゲーム・チェンジャーとなる可能性がある。陸上自衛隊は現在、2025年までに12式ミサイル(改良型)を導入する構えで、対艦ミサイルの射程を900kmに向上させ、琉球駐屯地から東シナ海全域に射程を拡大させる。
この開発により、第一列島線内は実質的にミサイルのデッド・マンズ・ゾーン(dead man’s zone)となり、人民解放軍海軍(PLA-N)の艦船が母港から領海外に出た瞬間に、致命的な対艦ミサイルの攻撃を受ける危険性がある。
陸上自
200kmの射程は、東シナ海からの主要な侵入経路を遮断することができる。(図:著者作成)
ただし、これらの島嶼ミサイル基地は、従来の海軍艦隊のアセットと同じ戦略的移動、機動性、柔軟性を有していない。しかし、地上配備型の対艦ミサイル(groundbased anti-ship missiles)は、海軍の「鉄槌と鉄床(hammer and anvil)」※作戦を促進するのに役立ち、従来の海軍の航空、潜水艦、海上戦闘機の要素が鉄槌(hammer)として決定的な打撃力を提供する一方で、鈍い金床(anvil)力になることができる。
※鉄床戦術(かなとこせんじゅつ、英語: Hammer and Anvil tactic、鎚と鉄床戦術とも)とは、複数兵科を使った戦術の一つ。(引用:https://ejje.weblio.jp/content/hammer+and+anvil)
陸上自衛隊地対艦ミサイル連隊(SSMR)をモデルとした米海兵隊部隊の実行可能性:Viability of Marine Corps Units Modeled after the JGSDF SSMR
陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)は、米海兵隊が海に向かって火力を投射する地上部隊を確立し、展開するためにさらに改良を加えることができる優れたモデルを提供する。米海兵隊はそれを認識しているようで、2021年12月、米第3騎兵遠征部隊(III MEF)の高機動ロケット砲システム(HIMARS)部隊が、演習「レゾリュート・ドラゴン(RESOLUTE DRAGON)」の一環として、八戸に拠点を置く第4地対艦ミサイル連隊(SSMR)と訓練を行い、戦術、技法、手順(TTP)の交換をした。
演習は戦術、技法、手順(TTP)を交換する絶好の機会であるが、特に米海兵隊が船舶殺傷(ship-killing business)に参入する際には、陸上自衛隊の対艦ミサイル・コミュニティとより恒久的な関係を構築しなければならない。
対艦ミサイル部隊のもう一つの優位性は、他の伝統的な米海兵隊作戦部隊と比較して、比較的軽い人員配置(light personnel footprint)であることである。
琉球列島に駐留する6個の発射装置の独立中隊(batteries)は60人足らずの人員で、有機レーダーと無線中継能力を持つ3個中隊の連隊(3-battery regiment)は250~300人のフル・メンバーで戦う(第4地対艦ミサイル連隊(SSMR)の幹部はフル・メンバーの数を公表せず、自分の部隊が通常配置されている人員数で公表した)。
米海兵隊が地対艦ミサイル連隊(SSMR)の1990年代の組織をそのままコピーしたとしても、3個以上の地対艦ミサイル連隊(SSMR)(200基以上のミサイル・チューブを配備)が、従来の900人以上の歩兵大隊1個分の人員レベルで配置できる。1990年代から今日にかけての自動化における大幅な改善を考慮すると、米海兵隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)はより少ない人員で同じ数のミサイルを配備できる可能性がある。
米海兵隊が致死性の海上火力を追加する一方で、最終兵力要件がマイナスになっている時代において、従来の歩兵大隊1個分の人件費で200以上の対艦ミサイル発射管を配備できる陸上自衛隊の部隊構成を無視することはできない。
最後に、米国防総省(DOD)と防衛産業の間では、このような部隊が配備される前に実行されなければならない研究、開発、統合が比較的少なくなっていることである。米国防総省(DOD)が老舗のハープーンから次世代の対艦ミサイルに移行する際、大量に備蓄されているハープーン・ミサイルを艦載機や空中戦から陸上戦に移行させることができる。
現在の米軍には配備されていないが、台湾へのハープーン沿岸防衛システム100台の対外有償軍事援助(FMS)やウクライナへの軍事援助に見られるように、こうした車両搭載型対艦ミサイル・システムは、国内の防衛企業が海外で使用するために製造するものである。さらに、ハープーンを車載型ランチャーに一体化したのは台湾が初めてではなく、デンマーク海軍はソ連海軍の侵攻からデンマーク海峡を守るために車載型ハープーン・ランチャーに依存している。
簡単に言えば、このようなハープーン・ベースのランチャーを実戦投入するための投資は、対外有償軍事援助(FMS)の要件を満たすためにすでに実施されており、米海兵隊は、大規模で既存の兵器備蓄を利用して、米海兵隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)を迅速に実戦投入することができる。
米海兵隊地対艦ミサイル連隊(SSMR)の配備に向けた課題:Challenges Ahead for Deploying Marine Corps SSMR
大量の弾薬備蓄と地上配備型ミサイルの製造に関する既存のノウハウは、米海兵隊が地対艦ミサイル連隊(SSMR)を配備するために行うべき重要な足掻きがないことを意味しない。軍事組織の中で全く新しい能力を立ち上げることは、米海兵隊員に装備や兵器を割り当てて式典を開くような単純なことではない。
若い米海兵隊員と経験のある米海兵隊員、そして指導者のための訓練パイプラインは、何十年も地上対艦作戦を実施してきた他の米国防総省(DOD)や外国の軍事組織の支援を得て、おそらく確立されなければならない。そして、部隊は互いに連携して訓練する必要がある。
米海兵隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)が米海軍の海上作戦や空母打撃群、米海軍、米空軍の戦術機、さらには米陸軍のマルチドメイン・タスク部隊(Multi-Domain Task Forces)と連携して攻撃する能力を実証し、リハーサルするための複合演習(composite exercises)を実施しなければならない。
第303独立対艦ミサイル中隊の設立。41名のフルメンバーで中隊(battery)を運用することに注目。(写真:著者提供)
米海兵隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)が習得すべき技能は、圧倒的な調整されたミサイルの一斉射撃(missile salvos)だけではない。そのような部隊は、敵対者のキル・チェーンを断ち切ることができるシュート・アンド・スクート戦術※、説得力のある囮(decoys)の展開、さらには後続の攻撃を可能にする弾薬の備蓄など、防衛に関する技術を習得する必要があるのである。
※シュート・アンド・スクート(fire-and-displace、fire-and-move)とは、砲兵の戦術の一つで、標的を撃った後、反撃の砲撃から逃れるために発射地点から直ちに離れることである。
地対艦ミサイル連隊(SSMR)の配備は最終の到達目標であってはならない。むしろ、米海兵隊における船舶殺傷事業(ship-killing enterprise)の確立というパズルの一片に過ぎないのである。先進的な米海軍戦闘艦の撃沈は、複数の支援システムが互いに連携して初めて成功することを、指導者は忘れてはならない。
また、作戦面でも、第一列島線の内側で持続的な対艦火力を確保することは、米海兵部隊指揮官に誤った安心感を与え、自己満足に陥り、この地域での大規模な統合海上展開の減少につながる恐れがある。
これらの強力な、しかし不動な地上ミサイル部隊は、地上、航空、地下の複雑なプラットフォームの網によって適切に支援されていない場合、海軍の包囲に対して脆弱である。西太平洋にこれらの部隊を配備することは、他の場所にコミットメントを移すための松葉杖であってはならない。
結局のところ、このような地上対艦プラットフォームは、人民解放軍(PLA)と比較して量的にも質的にも劣る前方展開の海上戦力を強化するための手段なのである。
米海軍は、地上配備型の対艦ミサイル(groundbased anti-ship missiles)部隊の固有の弱点を支援し、強化することに一歩を踏み出さなければならない。作戦上固定化したミサイル中隊(missile batteries)を配備する際の重大な懸念は、敵対者がこれらの部隊を探知し、ターゲットとすることが容易であることである。対艦ミサイルを基盤とする遠征前進基地(EAB)は、探知とターゲティングに対してより脆弱であるが、その作戦上の静的な性質は、部隊自体の組織ではなく、戦場によって大きく左右されるものである。
衛星画像の進歩と普及により、艦船や航空機の殺傷兵器を搭載した部隊があらゆる探知方法から隠れることは不可能になった。例えば、民間衛星会社は、ウクライナにおける戦術車両の位置と損失に関する戦場の最新情報を、機密扱いのないインターネットに毎日定期的に提供している。
中国のような軍事大国が採用する高度な衛星は、商業衛星と同等かそれ以上の情報を提供できることは間違いない。
地上からの対艦火力だけでは、監視や発見に対して本質的に脆弱であると述べるのは妥当である。しかし、陸上自衛隊が琉球諸島で行ったように、対艦火力を対空・電子戦部隊と一体化することで、その弱点を緩和することができる。
対空ミサイル中隊(anti-air missile batteries)は、無人機や戦術機、哨戒機が対艦ミサイル中隊(anti-ship missile batteries)に接近してターゲティングするのを防ぐことができるため、敵対者はこうしたターゲティング情報を提供するために高価な衛星偵察アセットを消費せざるを得なくなる。
電子戦部隊は、敵対者の指揮・統制ノードにターゲティング・データが到達するのを防ぎ、すでに地対艦ミサイル連隊(SSMR)に向かっている弾薬にソフト・キル能力を提供することもできる。複数の相互支援能力を一体化するというこのコンセプトは、米海兵隊の作戦の中核をなす諸兵種連合作戦と何ら変わるところはない。結局のところ、由緒ある米海兵隊の歩兵隊でさえも、諸兵種連合作戦を可能にする支援部隊の集まり(constellation)がなければ効果がないのである。
最後に、地上対艦火力は、パートナー国の軍隊が何十年にもわたって実施し、磨いてきた任務である。米軍がシニア・パートナーである典型的な国際軍事関係にもかかわらず、効果的な対艦火力能力を確立するために必要な関係では、米海兵隊はジュニア・パートナーであることを理解する必要がある。将来の対艦火力の指導者は、陸上自衛隊や対艦火力を展開する他のパートナー国が主催する基礎コースと上級コースの両方に参加するために派遣されるべきである。
結論:Conclusion
米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS) プラットフォームへの投資と部隊再編の間に、米海兵隊は西太平洋に重要な海上攻撃能力をもたらすことに真剣に取り組んでいる。しかし、高機動ロケット砲システム(HIMARS)から米海軍・米海兵隊遠征艦船阻止システム(NMESIS)に直接移行する現在の経路には、軽減しなければならない多くの脆弱性と課題が存在する。
陸上自衛隊は数十年にわたり地上配備型の対艦ミサイル(groundbased anti-ship missiles)の配備に成功しており、米海兵隊が迅速に学習して西太平洋の海上火力に貢献することを可能にすることができる。
陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊(SSMR)をモデルにしたハープーン搭載の対艦ミサイル部隊を立ち上げれば、西太平洋で大量の対艦火力を追加することができる。海上、潜水艦、航空プラットフォームと組み合わせることで、これらの部隊は、海上構成部隊指揮官(maritime component commander)が米海軍の脅威を抑止し、必要に応じて撃沈するために利用できる、持続的で弾力性のある戦闘プラットフォームとなる。
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用兵思想、米陸軍動向、自衛隊 』
陸自ヘリ事故 “フライトレコーダー 高水圧に耐える” 防衛省
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230420/k10014043751000.html
※ 今日は、こんな所で…。
『陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で、防衛省は、機体に取り付けられたフライトレコーダーは高い水圧に耐える機能を持っていることを明らかにしました。今後、回収して詳しく解析し事故原因を究明したい考えです。
陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で、陸上自衛隊は海底で見つかった機体について、早ければ今月末にも回収するための作業を始めることにしています。
これに関連して、防衛省統合幕僚監部の大和太郎総括官は参議院外交防衛委員会で機体に取り付けられたフライトレコーダーについて「機体内部の後方に設置されており、海上自衛隊などが保有する救難ヘリコプターとは異なり、機体が水没した際に自動で分離して浮上する機能はないが大きな水圧に耐える機能は有している」と明らかにしました。
防衛省・自衛隊は、フライトレコーダーを回収して詳しく解析し事故原因を究明したい考えです。』
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:ウクライナ高官ら 東日本大震災から復興の農業を視察
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5427314.html


『ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで農業などを担当している政府の高官ら6人が2023年4月18 日、仙台市を訪れ、東日本大震災から復興した農業の現場を視察した。
世界有数の小麦の産地であるウクライナでは、ロシアによる軍事侵攻で多くの農地や水利施設が攻撃されるなど、農業分野の復旧や復興も大きな課題となっている。
63211068_7視察団を率いるウクライナ農業食料省のドミトラセビッチ次官は、取材に対して、被災地では水利施設などの農業施設がどのように復旧したかに関心を持ったとしたうえで、「非常に高い技術で復興を成し遂げたという印象を受けた」と述べ、高い技術力を生かすとともに、行政と農業者が一体となって復興を進めた日本の取り組みを参考にしたいという考えを示した。参照記事 Mines-in-Ukraine、、、
今後の最大の懸念は、不発弾、地雷撤去で、すでに日本からの援助がおこなわれている。
左図は、危険地域を示している。 過去ブログ:2023年3月横浜市とオデーサ市、都市発展技術協力で覚書交わす:』
ロシア海軍太平洋艦隊の抜き打ち演習へ参加するロシア航空宇宙軍の超音速爆撃機Tu-22M3はオホーツク海と日本海北部の上空を飛行した | ロシア海軍情報供給部
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-8062.html

『『タス通信』より
2023年4月19日12時9分配信
【ロシア連邦航空宇宙軍の8機のTu-22M3は太平洋艦隊の査察中にオホーツク海及び日本海の上空飛行を実施した】
モスクワ、4月19日/タス通信
8機のロケット爆撃機Tu-22M3は太平洋艦隊の抜き打ち査察中にオホーツク海及び日本海北部エリアの中立水域上空で戦闘演習飛行を行なった。
水曜日にロシア国防省は発表した。
「太平洋艦隊、航空宇宙軍の一部と支援部隊の戦闘準備態勢の抜き打ち査察の枠組みにおいて、8機の遠距離爆撃機Tu-22M3は、オホーツク海及び日本海北部エリアの中立水域上の空域で戦闘演習飛行を実施しました。
査察中に遠距離爆撃機Tu-22M3の乗員は、太平洋艦隊の部隊の航空支援を行ないました」
声明では、こう述べられた。
当局は、遠距離航空隊の全ての飛行は、中立水域上での空域使用に関する国際規則に厳密に沿って行なわれ、他国の領空を侵犯していない事を強調した。
遠距離爆撃機Tu-22M3は、超音速誘導ミサイル及び爆弾により地上及び海上目標を攻撃する為に使用される。
実用飛行距離は7000キロメートルである。
核兵器の搭載機としても使用できる。
ロシア太平洋艦隊は4月14日に抜き打ち査察を行なう為、警報が発令され、完全な準備態勢へ入った。
船員は仮想敵のオホーツク海南
海外在留邦人数調査統計
(Annual Report of Statistics on Japanese Nationals Overseas)
令和4年(2022年)10月1日現在
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100436737.pdf
※ これで調べたところ、スーダンには84人が在留し、うち73人が「成人」だ。
つまり、未成年が11人(84-73=11)在留している勘定になる…。
※ 総数は、それほど多くはないが、未成年者は、けっこうな人数(小学校のクラスの2分の1くらい)だ…。
※ 未成年者が「巻き込まれて」「死者」「重傷者」が出たりすると、また「騒ぎ」になるんで、自衛隊機派遣して、「救出を急ぐ」ことにしたんだろう…。
※ 今日は、こんな所で…。