首相、米ファイザー社にワクチン追加供給要請へ 【イブニングスクープ】https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1643V0W1A410C2000000/
『【ワシントン=重田俊介】米国訪問中の菅義偉首相は米製薬大手のファイザーに新型コロナウイルスワクチンの追加供給を要請する調整に入った。17日、ファイザー幹部と電話協議する。日本が確保するワクチン量を増やす。
複数の同行筋が明らかにした。政府はファイザーと1億4400万回(7200万人)分、英アストラゼネカと1億2000万回(6000万人)分、米モデルナと5000万回(2500万人)分の契約を結んでい…
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1643V0W1A410C2000000/ 』
政府はファイザーと1億4400万回(7200万人)分、英アストラゼネカと1億2000万回(6000万人)分、米モデルナと5000万回(2500万人)分の契約を結んでいる。
このうち現時点で承認を終えたのはファイザー製だけだ。同社製以外は接種開始の時期のメドはたっていない。田村憲久厚生労働相は3月、アストラ、モデルナの両社のワクチンについて「早ければ5月、6月に薬事承認が出る可能性がある」との見方を示した。
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アストラのワクチンは欧州で接種後に血栓ができる事例が報告されている。ドイツ政府が原則として60歳以上に使用を限定する方針を示すなど、日本への供給日程も見通せなくなってきた。
首相は6月までに全国民分のワクチンを確保すると約束している。アストラやモデルナの承認が遅れれば計画に狂いが生じるとの懸念が広がる。
首相はワクチン担当に河野太郎規制改革相を指名した。首相が民間企業に直接働きかけることには政府内で慎重論もあったものの、訪米の機会をいかすべきだと判断した。
これまではファイザーから6月末までに1億回(5000万人)分を供与される予定だった。65歳以上の全ての高齢者が2回接種できる量を6月までにまかなえる算段がついた。その後に控える一般向け接種の確実な道筋は描けていない。
ファイザーが日本への追加供給を認めれば、基礎疾患者や一般の人への接種開始の時期が早まる可能性がある。
新型コロナに関し、変異ウイルスの拡大などで収束の兆しが見えていない。首相は訪米前も愛知県などにまん延防止等重点措置の適用方針を決めた。ワクチンの早期普及を収束の「切り札」と期待している。
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鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
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分析・考察
ワクチンに関しては、政府から、うまくいっているという情報しか出てこないが、そのどれもが不確定な情報であり、本当のところどうなっているのか皆目わからない。しかし、渡米した首相が、バイデン大統領に会うと同時にファイザー製薬に直談判しなければならない状態では、とても順調だとは思われない。
アストラゼネカやモデルナのワクチンについて、厚労省の承認手続きがうまく進まないのであれば、「緊急使用許可」を政治決断するべきではないか。他国では既に使用されているわけであるから、緊急事態として時限的に承認すればよい。ただ、厚労省が後で責任を取らされるのでは役人たちは動かなくなるので、政治が決断する必要がある。
2021年4月16日 19:06 (2021年4月16日 22:46更新)