習近平政権の外交政策
大国外交・周辺外交・地域構想の成果と矛盾
https://www2.jiia.or.jp/kokusaimondai_archive/2010/2015-04_005.pdf?noprint
※ 「2015年(成立後約2年経った、という時点)」での分析・考察した論稿のようだが、非常に参考になったんで、資料として貼っておく…。
※ 「習近平政権の外交政策」を、「大国外交・周辺外交・地域構想」という3つの斬り口から斬って、考察したものだ。



習近平政権の外交政策
大国外交・周辺外交・地域構想の成果と矛盾
https://www2.jiia.or.jp/kokusaimondai_archive/2010/2015-04_005.pdf?noprint
※ 「2015年(成立後約2年経った、という時点)」での分析・考察した論稿のようだが、非常に参考になったんで、資料として貼っておく…。
※ 「習近平政権の外交政策」を、「大国外交・周辺外交・地域構想」という3つの斬り口から斬って、考察したものだ。



G7貿易相は対中強硬で合意=独経済相
https://www.epochtimes.jp/2022/09/117944.html
※ どうも、「強制的に、技術移転を迫る。」なんて行為に対する、全世界的な「苦情・紛争処理機構」みたいなものを、立ち上げる…、というような話しのようだな…。
『主要7カ国(G7)貿易相会合は15日、2024年までに世界貿易機関(WTO)の全加盟国が利用可能な紛争処理システムを完全に機能させることを目指すと共同声明で発表した。ドイツのハベック経済相は「中国に対してより強硬な立場をとることで合意した」と会合後の会見で語った。
ベルリンで開かれた2日間のG7貿易相会合のなかで、ハベック氏は「高い国際貿易基準を確保することで、中国が経済力を背景に他国を圧迫することを防ぐ」と記者団に述べた。
(※ 無料は、ここまで。)』
中国新築物件価格、値下がり都市7割超に増加 8月
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15B820V10C22A9000000/

『【北京=川手伊織】中国国家統計局が16日発表した2022年8月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落したのは全体の71%にあたる50都市で、7月から10都市増えた。建設工事が止まったマンションで購入者が住宅ローンの返済を拒否する動きが相次ぎ、住宅市場が混乱している。新規購入を控える人も多く取引が低調だった。
前月比で上昇したのは19都市で、7月から11都市減った。横ばいは1都市だった。各都市平均の価格下落率は0.3%で、7月から拡大した。12カ月連続で前月を下回った。前年同月比では2.1%下落し、15年8月以来のマイナス幅となった。
都市の規模別で見ると、北京、上海、広州、深圳の「1級都市」のマンション価格は平均で前月を0.1%上回った。上昇幅は7月の0.3%から縮まった。省都クラスの「2級都市」は前月より0.2%低く、それ以下の「3級都市」も0.4%低下した。
取引価格が比較的自由で市場の需給を反映しやすい中古物件では、全体の8割に相当する56都市で価格が下落した。7月より5都市多かった。値上がりは13都市だった。価格変動を単純平均すると0.4%の下落で、13カ月連続で前月を下回った。前年同月比では3.3%下がった。
【関連記事】
・深まる中国の不動産危機 日本型バブル崩壊の懸念も
・中国、住宅融資50兆円に不払いリスク 債務依存のツケ
・中国に複合不況の足音 不動産苦境、金融・財政に波及
ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』
中国家電、在庫膨張2兆円 消費低迷で製販関係ひずみも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM272CG0X20C22A6000000/


『【広州=比奈田悠佑】中国の家電在庫が膨張している。主要メーカー5社系列の完成品在庫総額(6月末時点)は、前年同期比15%増の980億元(約2兆円)と3年間で2倍に上った。長年放置してきた過剰生産問題に、新型コロナウイルス禍に伴う消費低迷が重なった。メーカーと、販売を支えてきた小売り側との関係にきしみもみられ、業界の構造改革は先行きが見通せない。
中国家電業界を代表する総合メーカーの美的集団、冷蔵庫に強みを持つ海爾集団(ハイアール)、エアコンの珠海格力電器、テレビ大手のTCL電子、白物・黒物を手掛けるハイセンス系2社がそれぞれ提出した財務諸表をもとに、日本経済新聞が集計した。
在庫総額の伸び率は、総売上高の伸び率(2割)をはるかに上回る異常なペースとなっている。なかでも、格力は2022年1~6月期の売上高が前年同期比で5%増に対し、在庫額の伸び率は28%にふくらんでいる。
在庫のダブつきは小売り側も同じだ。家電量販2強の国美零售では、22年1~6月の在庫回転日数が約81日と3年前よりも50%拡大。蘇寧易購集団も21年時点で約50日と、20年から25%増えた。
中国の家電市場は10年ごろまで、旺盛な消費を背景に年2桁ペースの拡大が続いてきた。各社はシェア争いにしのぎを削るなかで過剰な生産能力を抱えるようになり、業界の問題となっていた。
それでも景気のいい時代は、値引きさえすれば在庫を一掃することができた。小売り側による値引きなどの努力に対し、メーカーは次に投入する新製品を割安で卸すといった手法で報いてきた。
だが、ここに来て家電業界の成長モデルが崩れてきた。
調査会社の北京奥維雲網大数据科技によると、22年1~6月の中国家電小売総額は3389億元と前年同期比9%減った。家電の売れ行きは不動産市況と連動性が高い。その不動産業界は当局による締め付けを受けて低迷する。
コロナの感染再拡大で上海などで都市封鎖(ロックダウン)が起き、消費全体が停滞していることも大きい。奥維雲網の郭梅徳・総裁は「中国の家電市場はあらゆるボーナスを使い果たした」と説明する。少子高齢化も重なり、業界は今後、縮小に進む可能性が高まる。
市場の変調は、業界の成長を二人三脚で支えてきた製販の関係も揺るがしつつある。
格力のビジネスはもうやらない――。8月下旬、河北省のホテルで徐自発氏がこう宣言したと、中国メディアが一斉に報じた。
徐氏とは、地元で「家電流通界のドン」とされる人物だ。過去には格力の幹部でもあり、現在は格力の重要な代理商(販売代理店)グループと間接的な資本関係にある。
直前の6月には、格力がこの代理商グループから保有している格力株の一部を売却する意向を受け取ったと公表していた。市場関係者には、格力と徐氏ら代理商側との間に溝が深まっているように映った。
格力だけではない。有力紙の新京報(電子版)は5月、美的従業員による情報として、同社が契約する代理商の3割を削減する計画だと報じた。美的はかねて投資家に対し「販路は転換期を迎えている。ネット以外のルートを削減する」と説明していた。
美的を巡っては、国美が4月、両社の担当者が販売方法などで意見の不一致があり、「身体的な衝突」に発展したと暴露した。その国美も中堅家電メーカーとの資金トラブルが明らかになった。足元では、家電業界の各所で隙間風が吹く。
ある家電アナリストは「家電メーカーは近年、ネット通販への販売強化を進めている。その分、代理商はパイを奪われている」と説明する。在庫リスクなどを押しつけられる一方で客を奪われ、代理商側の我慢が限界を迎えた、との分析だ。
中国の家電業界は、普及期の00年代にメーカー直営を中心とした販路の拡大が進められていた。量販店もその補完的役割を担った。10年代に成長に一服感が出始めると、リスク分散を目的に代理商などを経由するようになった。
そこに、京東集団(JDドットコム)などネット通販サービスが台頭。メーカーはネット大手との直接取引に力を入れるようになった。メーカー側の思惑で販路が複雑になるなか、代理商や量販店の不信が増幅。そこに急速な市場の冷え込みが決定打を放った格好だ。
市場が縮小期へと突入するなか、美的や格力は蓄電関連など再生可能エネルギー事業を強化。TCLやハイアールは海外市場の開拓で成長維持を模索する。
ただ市場の縮小ペースによっては、事業や人員、販路などのリストラが必要になる。積み上がった在庫も減損処理や廃棄を迫られれば、業績へのさらなる悪影響は避けられない。家電メーカーの構造改革は、社内外で大きな痛みを伴いそうだ。』
中国恒大トップ、住宅など工事再開指示 停止中の38件
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM132MM0T10C22A9000000/
『【広州=比奈田悠佑】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は12日、住宅などの工事が全国で38件停止しており、経営トップの許家印・董事局主席が再開を指示したと発表した。中国では恒大など不動産会社の資金繰りが悪化、予定を過ぎてもマンションが購入者へ引き渡されないケースが出ており、中国政府は対応を急いでいる。
恒大によると、購入者へ引き渡すべきプロジェクトは中国で706件あり、そのうち工事が停止しているものが38件。工事を再開していてもまだ「正常な施工過程に回復中」の案件があるという。許氏は30日までに正常に再開するよう指示した。
中国政府は最近、住宅市場の混乱を解消するため、工事が遅れたり停止したりしている物件への金融支援方針を打ち出すなどの対応を進めている。地方政府も不動産会社へ工事の再開と物件引き渡しを促している。
工事再開へ意欲を見せる恒大だが、経営の立て直しはなお不透明だ。7月末に暫定案をまとめるとしていた外貨建て債務の再編計画の公表は先送りしており、グループ会社の預金の不適切な流用に関わったとして複数の幹部を事実上更迭するなど企業統治面での問題も明るみとなっている。
8月には巨大サッカースタジアムの建設プロジェクトからの撤退を発表した。土地の使用権を当局に返上して得る資金を関連債務の返済に充てるという。全国で抱える開発プロジェクトの売却と債務の整理が焦点となっている。』
中国、2.9億人が封鎖・移動制限 大連や成都が対策延長
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM08DJD0Y2A900C2000000/
『【大連=渡辺伸】中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、地域の封鎖が広がっている。大連市や成都市も封鎖措置を延長した。民間調査によると、事実上の都市封鎖や移動制限の対象は約2億9100万人に達した。商業や娯楽施設の閉鎖が長引き、経済への悪影響が深刻になるなか、住民の不満も高まっている。
野村ホールディングスの野村国際(香港)による推計では、都市封鎖や移動制限の対象は49都市の約2億9170万人(9月6日時点)となった。中国の総人口の20.7%を占める。
東北部の遼寧省大連市はオフィスが集中する主要地域で住民に自宅待機を命じた。当初は8月30日~9月3日の予定だったが、10日に再延長が決まった。封鎖は17日ごろまで続く見通しで、市民からは「とにかく外を歩きたい」(30代女性会社員)との不満が漏れる。
四川省成都市は9月1~4日、約2100万人の全市民を原則的に自宅待機とした。だが感染は収まらず、現在も一部地域で自宅待機が続く。
北京市に近い天津市でも一部地域で封鎖が続く。8月下旬以降、約1370万人の全市民にPCR検査を複数回行った。チベット自治区でも区都ラサなど感染者が出た地域を封鎖中だ。
封鎖地区では、トラック輸送に対する制限などもあって、食料や生活物資が不足する問題も起きている。南部貴州省のメディアによると、同省貴陽市南明区で副区長が記者会見を開き、「経験が足りず供給不足を招いた」と謝罪した。
SNS(交流サイト)の微博(ウェイボ)では新疆ウイグル自治区伊寧市の複数の住民らが「食べ物がない」と不満を書き込んでいる。
国家衛生健康委員会によると、中国本土の感染者数(無症状含む、入国者を除く)は9月11~12日、900人台で推移している。中国共産党の幹部人事を決める党大会を10月に控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は「ゼロコロナ」政策を徹底する方針だ。
米ゴールドマン・サックスは8月に公表したリポートで「中国はコロナの感染拡大と猛暑による電力不足という2つの逆風に直面している」と指摘。2022年の実質経済成長率予想は3.0%と、従来の3.3%から引き下げた。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Nearly-300m-residents-caught-in-China-s-latest-lockdown-wave?n_cid=DSBNNAR 』
強権・習近平氏の「魔法の杖」、中国憲法も縛る新規約
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK123IU0S2A910C2000000/


『9600万人超の中国共産党員が守るべきおきてである党規約は、強権を手にした党総書記兼国家主席、習近平(シー・ジンピン)が操る「魔法の杖(つえ)」でもある。建国の父、毛沢東の命日だった9月9日に開かれた政治局会議は、10月16日から開催する第20回共産党大会で党規約を再び改正する方針を決めた。
改正案の全容は未公表だ。ただ、習近平外交思想、習近平法治思想、習近平生態文明(環境)思想、習近平経済思想など、あらゆる分野で個人名を冠した思想の研究センターが続々と立ち上がった以上、思想面で何らかの突破があるのは間違いない。
まず、党大会直前で緊迫するこの時期、規約改正の方向性を示す発表があったこと自体に意味がある。思い返すべきなのは、前回2017年10月の党大会から、18年3月にかけての経緯だ。
習近平思想、領袖、そして党主席
「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」という個人名を冒頭に置いた思想の明記は、元国家主席の江沢民(ジアン・ズォーミン)や前国家主席の胡錦濤(フー・ジンタオ)にはできなかった離れ業だった。
憲法改正案の投票結果が映し出された人民大会堂のモニター(2018年3月11日、北京)=三村幸作撮影
それでも17年10月段階で、最長2期10年までだった国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正にいきなり踏み込むという正確な予想は、内外ともほぼなかった。とはいえ毛沢東、鄧小平に続いて個人名を書き込んだ以上、習が主導する新時代が、簡単に終わるはずはない。22年党大会も超えて続くという強い予感はあった。
中国では「中国共産党がまずありき」だ。党が全てを決める。これが大原則である。その上で中国という国家が存在する。選挙という政権選択手段がある民主主義国家とは全く逆になる。
上下構造は、中国共産党員が守るべき党規約と、国家と国民のあり方を示す中国憲法の関係にも当てはまる。党規約がまずあり、その上で憲法が存在する。原則に関わる重大な党規約変更があったなら、憲法も必然的に改正される理屈になる。17年もそうだった。
では今回の党規約改正は、憲法の再改正まで伴う重大な内容なのか。論点は幅広い。まず中国語で16文字にもなる長たらしく、覚えにくい思想の表記について、個人の権威を明確にする「習近平思想」などと簡略化するのか。
党規約改正を予告した発表文には、わずかなヒントがある。「第20回党大会の(習による)報告で確立される重大な理論的な観点と、重大な戦略思想を党規約に書き入れる」としたのだ。これは党中央=習による指導強化と一体である。
既に新時代の思想が明記されているなかで、あえて新たな「重大な戦略思想」を盛り込むという。それは、習がトップとして3期目に入るために必要な思い切った措置を示唆している。
憲法再改正まであるのか
もうひとつは、習の党内呼称に関して、毛沢東を思わせる「領袖」と位置付けるのか、である。これは4月、広西チワン族自治区の会議報告で、習を指す「核心」への忠誠について「永遠に領袖をいただき、領袖を守り、領袖に従う」という表現をとって以来、大きな話題になった。
ただ、最近は新たな動きに乏しかった。21年11月の「第3の歴史決議」は、習時代の成果が、鄧小平の業績を超すような雰囲気さえ醸し出した。これを具体的な呼称で示すのかは大きな焦点だ。
現行中国憲法の前文には、党中央委員会主席(党主席)だった毛沢東を党の領袖と明記している。習の名を冠した思想も、毛沢東思想、鄧小平理論の後に並べた。もし、現トップを領袖に格上げし、その考え方を明確に習近平思想とするなら、憲法を再改正してもよい理屈になる。
習近平国家主席は、共産党規約に続き、憲法にも個人名を書き込む改正に成功した
もっとわかりやすいのは、習を毛沢東に倣う党主席に格上げした場合だ。党主席は毛の終身の地位だった。そのときは、強まった権威を何らかの形で憲法でも体現する必要がある。
廃止された党主席が復活すれば、総書記職は党主席の下で党内事務を統括する格下のポストとなる。その際、逆に問題化するのは、国家主席の任期制限を撤廃した18年の憲法改正部分だ。
この改正は、総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3ポストを「三位一体」で運用するところに本旨がある。想定していない党主席の復活で総書記の位置付けを下げるなら大前提が崩れる。
習が党主席と国家主席、中央軍事委主席を兼任すればひとまず問題は出ない。だが、あまりに権力が集中しすぎており、次世代の指導者らを本格的に育成すべきだとの党内世論に逆らうことになる。この声に応えるとすれば、23年以降のどこかの時点で国家主席を別の人物に譲る選択肢が出てくる。
憲法改正案の投票をする習近平国家主席(2018年3月、北京の人民大会堂)=三村幸作撮影
習ではない格下の人物が国家主席になるのに、任期制限がなく、終身さえ可能というのは論理矛盾だ。それなら18年の改正部分を白紙に戻し、再び任期を制限するのは理にかなう。しかし、党主席制度の復活は、党規約が厳しく禁止している個人崇拝につながり、大きな組織改正も伴う。ハードルは相当高い。
習の名を冠した指導思想は、既に21年9月から全国の小学校の教室で子どもらにたたきこまれている。教材は「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想 学生読本」だ。だが、5年前の党大会で突如、登場した政治的産物だけに、中身はいまも曖昧だ。
習には毛沢東のような自著、論文が豊富にあるわけでもない。乱立の感もある思想研究センターで、上からハッパをかけられて無理やりひねり出しているのが実態だ。毛沢東思想や、「黒猫・白猫論」に代表される鄧小平理論のように自然に確立されたものではなく、人工的なにおいがする。
思想研究センターの立ち上げが他分野より遅れた経済分野は、特に迷走が目立つ。今後の国民経済を左右する「習近平経済思想」は注目の的だ。今年6月には「習近平経済思想学習要綱」も出版された。
中国国務院(政府)系列で党中央宣伝部が管理する経済紙、経済日報の最新の論評も「習近平経済思想が中国経済をリードする」と持ち上げ、所得の格差解消に向けた「共同富裕」(皆が豊かに)という文字が躍っている。
一方で「共同富裕は一気に達成できるわけではない」と釘(くぎ)を刺している。実現の程度は場所によってデコボコがあってよいという。「『平均主義』に陥ってはならない」「長期的に実現すべき共同富裕というテーマの難しさ、複雑さを理解すべきだ」とも強調した。
「平均主義なら、共同貧困になりかねない」という党内からの批判に配慮しているのだ。習主導で一時強調された「資本の無秩序な拡張防止」という先鋭的な言葉も見当たらない。習近平経済思想の根幹は、ぼけてしまっている。
2年8カ月ぶりの国外で外交思想強調
そうしたマイナスを補う手段になるのが、本日14日からの外国訪問である。習が国外に出るのは、湖北省武漢で新型コロナウイルス感染症が発生・まん延して以来、実に2年8カ月ぶりだ。
目的は新時代10年の外交成果のアピールである。まず13年9月、広域経済圏構想「一帯一路」につながる新シルクロード経済圏を現地演説で打ち出したカザフスタンを国事訪問する。
2月4日、北京で会談した中ロ首脳=スプートニク・ロイター
その足で上海協力機構(SCO)首脳会議のためウズベキスタン入りし、ロシア大統領のプーチンやインド首相のモディとも会談する方向だ。習近平外交思想の中身を醸し出せれば、党大会に向けて弾みがつく。
習は、明確な形で自らの思想を示し、領袖という呼称を獲得できるのか。既に党規約の再改正確定まではたどり着いた。強権を固め、トップとして3期目を狙う手段として魔法の杖を握り、ふるおうとしているのだ。中国的な表現なら、手にしたいのは如意棒だろう。西遊記の主人公、孫悟空が持っていた何事も自由自在になる武器だ。
確かに習の魔法は、この10年間、政敵を排除する選択的な「反腐敗」という名の汚職追放運動で威力を増してきた。それでも、あくまで魔法である以上、いつかはとける。限界があるのだ。結果として「意のごとく自由自在に」となるのかは、最後まで予断を許さない。(敬称略)
中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』
中国主要銀行、「不良債権」急増 広がる恒大ショック
6月末27%増 不動産向け焦げ付きリスク
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM097Q70Z00C22A9000000/


『【香港=木原雄士】中国で不動産業界向けの不良債権が急増している。香港に上場する主要銀行の2022年6月末残高は21年末に比べて27%増えた。不動産大手、中国恒大集団などのデフォルト(債務不履行)や市場悪化が響いた。銀行から不良債権を買い取って処理を進める専門会社の業績も悪化している。
香港に上場する32行の22年1~6月期決算を集計した。6月末の不良債権比率は平均1.65%と21年末と変わらなかった。不動産業界に絞ると3.74%と21年末から0.76ポイント悪化した。
不動産関連の不良債権残高はデータを開示する29行のうち20行で増えた。不良債権比率が高いのは準大手の中国光大銀行(11%)のほか、地方を拠点とする晋商銀行(10.68%)や錦州銀行(10.37%)。開発業者の工事中断に抗議する住宅ローン返済拒否が頻発する河南省を地盤とする中原銀行は21年末の3%台から9.38%に大幅悪化した。
中国工商銀行など四大国有銀行の不良債権比率は平均1.39%と21年末(1.4%)に比べて低下した。一方、不動産業界に絞ると4.52%と21年末(3.77%)より悪化した。4行の不動産向け不良債権残高は1366億元(約2兆8000億円)と、半年前に比べて24%、1年前に比べて51%増えた。
中国農業銀行は関係する1112件の住宅プロジェクトに未完成のリスクがあり、12億3000万元の住宅ローンが延滞されていると明らかにした。ただし、全体に占める対象ローンの割合は0.02%程度で管理可能だと説明した。
格付け会社フィッチ・レーティングスは「大手銀は資産の劣化に耐えられるが、小規模な銀行は高リスクの貸し出しが多く、業績が大きく振れる可能性がある」と指摘する。
不動産市場の悪化はこれまで銀行の不良債権処理の受け皿になってきたAMCと呼ばれる資産管理会社の活動にも影を落とす。大手の中国華融資産管理は22年1~6月期の最終損益が赤字に転落。中国信達資産管理も純利益が33%減った。ともに保有資産のリスク評価を見直し、多額の減損損失を計上したのが主因だ。
AMCは銀行から不良債権を買い取り、再生して転売するのが基本。華融や信達が手掛ける案件の大半が不動産や建設業界に絡んでおり、市場悪化で再生が難しくなっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「資本の制約などでAMCの不動産業界への支援は限定的になる」とみる。
AMCの業績が悪化すれば、銀行の不良債権処理が滞る可能性がある。四大銀行の総資産は6月末時点で約133兆元と、日本の3メガバンクの3倍に上る。中国の金融システムが抱える潜在的なリスクは大きい。』
東亜銀行の中国法人幹部を拘束 収賄の疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM144030U2A910C2000000/
『【香港=木原雄士】香港の地場大手、東亜銀行の中国法人幹部が収賄の疑いで中国公安当局に拘束されたことが14日、分かった。東亜銀は「従業員個人の問題であり、銀行の融資事業に影響はない」とコメントした。東亜銀は三井住友フィナンシャルグループの持ち分法適用会社。
中国メディア財聯社によると、7月に拘束されたのは東亜銀の中国法人行長助理の陳智仁氏。北京支店長を務めた経験もある人物で、融資に絡み賄賂を受け取った疑いが持たれている。他の関係者も取り調べを受けているという。
東亜銀は中国本土で幅広く融資などを手掛けているが、ここ数年は中国事業の業績が悪化し、店舗や人員の削減を続けてきた。』
習近平氏、党大会直前に異例の外遊 政権安定を誇示か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM143MT0U2A910C2000000/
『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が新型コロナウイルスの世界的流行後に止めていた外遊を再開した。中国共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会を10月に控えた中での外国訪問は異例だ。3期目入りを固めた習氏が、内外に政権基盤の安定を誇示する狙いがあるとみられる。
習氏は14日に隣国カザフスタンに到着し、トカエフ大統領と会談した。ローマ教皇フランシスコも15日までカザフに滞在する予定で、習氏との会談の可能性に関心が集まっている。
15~16日はウズベキスタンで開く上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する。ロシアのプーチン大統領らと会談する。
習氏を含む共産党最高指導部は2020年1月に習氏がミャンマーを訪問して以来、海外訪問を止めていた。最高指導部内で新型コロナ感染が広がる事態を避けるためだったとみられる。外遊は2年8カ月ぶりとなる。
第20回党大会の開幕が10月16日に迫ったタイミングでの外遊は、中国内外で予想外と受け止められている。
党大会の約1カ月前に外遊したのは、02年に国家主席だった江沢民(ジアン・ズォーミン)氏が米国などを訪問して以来となる。当時は胡錦濤(フー・ジンタオ)氏への権力委譲がすでに決まり、党大会の準備も胡氏が取り仕切っていた。
習氏は党大会で、2期10年が原則とされる党総書記のポストの3期目入りを目指している。党内の調整に時間がかかり、党大会は11月になるとの観測もあった。本来いまの時期は党幹部の人事や習氏が読み上げる活動報告の内容を巡り、最終調整をする時期に当たる。
党幹部や長老らは8月上中旬に北京に近い河北省の北戴河に集まり、党大会の人事案などを話し合ったとされる。習氏の3期目が事実上固まり、外交の立て直しに動けるようになったとの指摘がある。
東京大の松田康博教授は「国内で後顧の憂いがあれば外遊はできない。習氏は党内で不満を持つ勢力の意見を聞き入れ、バランス型人事を敷いたのではないか」と予想する。
習氏は13日、カザフの新聞に寄稿し、経済圏構想「一帯一路」に基づいて貿易を拡大し、人工知能(AI)など先端分野でも協力を進める方針を示した。
13年に同国を訪問し、陸路で中央アジアを通り欧州に向かう「シルクロード経済ベルト」の建設を提唱した。一帯一路の根幹をなす構想だ。一帯一路を巡っては中国内でも途上国へのばらまき批判が出ている。習氏肝煎りの政策だけに、正統性を誇示して継続を訴える思惑もありそうだ。
中国人民大学国際関係学院の時殷弘教授は「新型コロナの流行やロシアとウクライナの戦争で一帯一路は大きな困難に直面している」と指摘する。中国がてこ入れに乗り出すとの見方を示した。
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説
第20回党大会の前の外遊は、確かに政権安定を誇示するという意味合いが強い。しかし、それだけではない。ウクライナ戦争でロシアが身動きの取れないなか、中国は中央アジアで影響力をじわじわと伸ばしている。中央アジアは今、中国の外交戦略で重要な位置を占めている。それだからこそ、習近平国家主席の外遊が実現した、ということでもある。
2022年9月14日 19:05 』