中国は2024年の国防予算に2,361億ドルを分配、日本の4倍、台湾の12倍https://grandfleet.info/china-related/china-will-allocate-236-1-billion-to-its-2024-defense-budget-four-times-more-than-japan-and-12-times-more-than-taiwan/
『2024.03.7
中国政府は5日に開幕した全国人民代表大会の中で「2024年度の国防予算を7.2%増額する」と発表、米Defense Newsは「中国の国防予算は約1兆7,000億元=2,361億ドルだ。これは日本の4倍、台湾の12倍で、3年連続で7%を超える伸び率を確保した」と報じた。
参考:China unveils new defense budget, with a 7.2% increase ストックホルム国際平和研究所は中国の軍事支出は発表される国防予算よりも多いと指摘 中国政府は5日に開幕した全国人民代表大会の中で「2024年度の国防予算を7.2%増額する」と発表、米国のDefense Newsは「中国の国防予算は約1兆7,000億元=2,361億ドルだ。これは日本の4倍、台湾の12倍で、3年連続で7%を超える伸び率を確保した」と報じたが、同時に「中国はGDPに占める国防予算の割合が米国やNATOよりも低いと強調している。しかし、中国の国防予算は軍が管理する宇宙開発計画、動員資金、地方基地の運営費用、軍人の年金や福利厚生、デュアルユース関連の開発、準軍事組織の予算が含まれていない」と指摘。
出典:中国中央電視台のスクリーンショット
ストックホルム国際平和研究所も「中国は2022年度の国防予算を1兆4,500億元と発表したが、この年の軍事支出の総額は発表額より27%多かった」と推定しており、この傾向を2024年度に当てはめると「実際の軍事支出」は3,000億ドル近くになり、日本の5倍、台湾の15倍となる。
因みにGlobalDataは2023年~2028年までの中国防衛産業に関する市場規模、市場動向、予算配分、主要な買収計画などを分析したレポートを昨年3月に発表、この中で「中国の国防予算は2023年に2,303億ドル、2024年から2028年までの年平均成長率は6%以上を記録すると予想され、南シナ海での領有権主張や米国との軍事的対立が軍事力強化に拍車をかけるだろう」と指摘、中国が2024年から2028年までの5年間に支出する国防予算は1.4兆ドルと予測した。
出典:中国中央電視台のスクリーンショット
巨額の国防支出はミサイル、ミサイル防衛システム、潜水艦、水上艦艇、固定翼の軍用機、戦術通信システム、レーダーシステム、EO/IRシステム、電子戦システム、水中戦システム、INS/GNSSといった中国防衛産業の主要セグメントに投資されることになり、Naval technologyも「強力なブルーウォーター・ネイビーを構築し、信頼できる核抑止力を確立するという中国の戦略的な動きは現在進められているプログラムを見れば一目瞭然で、ここには4隻目の空母、096型原子力潜水艦、054A型フリゲート、055型駆逐艦の取得が含まれる」と指摘。
GlobalDataのアナリストも「1.4兆ドルに達する巨額な国防投入は中国の戦略的なビジョンを明確に示すもので、このイニシアチブは数字上の問題だけではない。防衛産業への投資は将来技術に対するイノベーションの促進、人民解放軍の即応性向上、中国の影響力拡大に応じたグローバルな役割を演じるための計算された投資だ。これまでも中国は欧米が課す技術移転の制限や禁輸措置を巧みに利用してチャンスに変えてきた。自立した防衛産業を育成することで民需産業と軍需産業のギャップを埋めてきた」と述べている。
関連記事:GlobalData、中国が今後5年間に支出する国防予算は1.4兆ドル=202兆円と予測 関連記事:中国が2023年度の国防予算に2,247億ドルを配分、前年度から7.2%増
※アイキャッチ画像の出典:中国中央電視台のスクリーンショット シェアする ツイートする Twitter で Follow grandfleet_info
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投稿者: 航空万能論GF管理人 中国関連 コメント: 35 』
『 スコーピオンコバートX 2024年 3月 07日
こんなに国防費増やして、習近平は軍事クーデターとか怖くないのかね?全部が全部自分の思い通り動くと思っているのだろうか…
サウジが米国やらヨーロッパから最新鋭の強力な兵器沢山買ってるのに、なんであんなにクソ弱いのか?って話であの国、王政だから軍人に力を付けさせるとクーデター起こされるから、付かず離れずくらいの距離感で力を付けさせすぎないようにさせてるとか聞いたことがある、実際ってサウジの基地って首都から離れた場所ばかりで、王都には軍人をあまり近づけさせないようにして国家警備隊とかいう近衛兵で固めてるとか。
あと、中国のことだから汚職とか中抜きとか大量にあるんだろうな。数値だけ見れば驚異的だが、実際その数字通りになってるとは到底思えない。そうとう盛った数字だと思う。だが、それを差し引いても凄い額だと思うが。 5
Whiskey Dick
2024年 3月 07日
返信 引用
サウジを含む中東の石油成金国家では国民は楽な仕事しかやらず、現場仕事は外国人労働者に頼っている。軍隊も同じで将校クラスはサウジ国民、兵隊は外国人傭兵である。「なんであんなにクソ弱いのか?」というといざ戦闘になった時、サウジ国民の将校が真っ先に逃げ出してしまい、兵隊は何をするのか分からず逃亡するか捕虜になってしまう。中東人は宗教のためなら命を惜しまないのに、国家や国王という世俗権力の前では砂粒の個人でしかない。連中が強い軍隊を作るためにはタリバン政権のような祭政一致の体制が必要だろう。
中国の人民解放軍は「党の私兵」つまりナチス親衛隊みたいなものなので、好待遇を維持できるなら共産党を裏切る可能性は低い。更に汚職の最高刑罰が死刑であるため(世界ランキングでは)汚職は少ない方である。
19 』
『 ぱんぱーす 2024年 3月 07日
習近平は国家主席1期目に人民解放軍に腐敗撲滅を掲げて大規模な粛清を行っており、この時に軍から反対派を一層して自らの後ろ盾としました。 習近平は毛沢東の片腕だった人物の子で、ライバル派閥だった共青団や上海閥よりも軍に近い立ち位置だったのも幸いしたようです。 人民解放軍そのものも七軍区から五戦区へ再編。 各戦区に陸海空を統合する本部を設立し権限を増やす代わりに自らの子飼の将軍を配しました。 その後は国家監察委員という組織を作って逆らう者が居ないか監視させています。 各戦区同士もお互いを監視しあっています。 残念ながら人民解放軍のクーデターという線は今のところ薄いと思われます。 7 』