※CNNによると、インドネシアでキリスト教に対する悪口を発信し続けていたインフルエンサーが、…。
https://st2019.site/?p=22923
『※CNNによると、インドネシアでキリスト教に対する悪口を発信し続けていたインフルエンサーが、懲役2年10ヵ月の量刑を言い渡された。
そうした活動の背後で、特定国内の分断、特定同盟の分断を推し進めている黒幕が誰なのか、アタマを使って考えることだ。
「F-35にはキルスイッチがある」という都市伝説も、とつぜん、各国一斉に湧いて出てきた。』
※CNNによると、インドネシアでキリスト教に対する悪口を発信し続けていたインフルエンサーが、…。
https://st2019.site/?p=22923
『※CNNによると、インドネシアでキリスト教に対する悪口を発信し続けていたインフルエンサーが、懲役2年10ヵ月の量刑を言い渡された。
そうした活動の背後で、特定国内の分断、特定同盟の分断を推し進めている黒幕が誰なのか、アタマを使って考えることだ。
「F-35にはキルスイッチがある」という都市伝説も、とつぜん、各国一斉に湧いて出てきた。』
局地戦闘機の僚機間で、データを共有する達人は、スウェーデン空軍だ。
https://st2019.site/?p=22923
『Bill Sweetman 記者による記事「More Than Ever, Airpower Will Depend on Sharing Data」。
有人機と無人機の統合運用が、重い課題になっている。これが近未来の航空作戦の運命だからだ。
無人機は、数が多くなり、しかも1機が重武装するようになる。それらを安価に大量生産できなくてはならない。やたらに消耗するものだからだ。
前線ではそれらが戦う。有人機は、後方からそれらを操るのである。
操る人には、リアルタイムで、「全体像」が見えていなければならない。さもないとチーム戦力が発揮されないので。
同僚がどこでなにをしているか。それが同時に把握されていないと、協働などできない。
局地戦闘機の僚機間で、データを共有する達人は、スウェーデン空軍だ。彼らは30年も前からそれをやっている。
2機の戦闘機が、前後に数十km離隔して、コンビとして飛ぶ。後方の戦闘機がレーダー波を出し、前方の戦闘機はレーダー波を出さずに受信だけする。
編隊は、4機である。空中の4機のあいだでは、かんぜんにデータが共有されている。特定の1機が、あと燃料をどのくらい余しているか、そんなことも、残りの3機には、わかる。
サーブ社で、「ロー・プロファイル」な未来空戦を研究している男は、元「ビゲン」パイロットのペーター・ニルソン。
スウェーデンの調達庁はFMVというのだが、そこが資金援助している。
知られていないが「グリペン」は高度なステルス設計なんである。それは一朝に獲得されたノウハウではない。
1963年にビル・バーレット(米空軍でステルスを最初に唱道した先覚者)がスウェーデンを訪れて、「ビゲン」を敵レーダーに映り難くする方法を力説した。それいらい、サーブ社内で研究が続けられてきたのだ。
これまた知られていないが、世界で最初に、集積回路ベースの「セントラル・ミッション・コンピュータ」を機載した戦闘機は、「ビゲン」なのだ。1967初飛行の。
その40年後、サーブ社は、飛行制御系と、ミッション・コンピュータを、分離することにした。そうすることで、ミッション・コンピュータのソフトウェア・アップデートを迅速化できるからだ。
いまや、ノースロップグラマンの「B-21」や、ラファールの「F4」も、サーブ社に続くようになった。他者から模倣されることこそ、最高の賞讃だと思うべし。
データリンクの実用化でも、スウェーデン空軍が世界にさきがけた。1950年代、400km先から輻射されるソ連の妨害電波は強力で、軍用機のボイス通信はほとんど不可能であった。
そこで「ドラケン」には、黎明期の「空地間データリンク」が実装された。この事実は厳秘にされ、ソ連は知らなかった。
コクピットの表示も偽装され、見掛けは、別なバックアップ計器であるかのようになっていた。したがって、西側友好国空軍からの客人にも、それは分からなかったのである。
ドラケンを1979に更新したビゲンには、4機編隊間でのデータリンク・システムが搭載されていた。これに米空軍がやっと追いついたのが、2005年の「F-22」である。それはNATO共用の「リンク16」よりも、やりとりが高速にできる。
高度なデータ・リンクは、最も前方に出る味方機が、みずからはレーダー波を出さなくても、敵機の未来位置を承知できるようにできる。その未来位置に向けて空対空ミサイルを発射すれば、敵機は、わけもわからないうちに、虚空からの奇襲を喰らって散るのである。
グリペンの編隊内データ・リンクは、僚機の残燃料と残兵装を、他の3機に知らせてくれるようにもなった。「F-35」よりも20年早く、それを実現したのだ。
最新のグリペンは、1機に40個の異なるアンテナが装置されていて、テラバイト・サイズの情報を集める。それが4機編隊になってデータを交換すれば、シチュエーション・アウェアネスに不安は無い。
できればアクティヴ・レーダーを一度も使わずに空戦したい。使うとしても編隊の中の1機だけが、ここぞという一瞬だけ使うようにしたい。その理想を、スウェーデン空軍は、近未来の無人機で、実現するつもりだ。
たとえば、空対空の長射程ミサイルには、データリンクが必要である。しかし、そいつにデータを送る機体は、発射母機である必要はないのだ。』



『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
政党政治
政治的スペクトル
政党制
一覧
Portal:政治学
表話編歴
政治的スペクトル(せいじてきスペクトル、英: political spectrum)また政治光譜(せいじこうふ)とは、異なった政治的立場の分布をモデル化した方法の一つで、1つまたは複数の幾何学上の座標軸にそれらを配置することによって、個別の政治的な側面を明確にするものである。学者や視点によって多数の軸や分布図が存在する。
左翼と右翼
→詳細は「左翼・右翼」を参照
従来からの分布には左翼と右翼があり、これは18世紀のフランス革命後の国民議会の座席位置を由来とする。この最も単純な「左翼-右翼」の軸では、共産主義や社会主義は通常は左に、ファシズムや保守主義は反対に右に位置する。リベラリズムは異なった思想や内容を意味するため、時には左に、時には右に配置された。
文化と経済
政治的スペクトルを2軸で表現した例。ノーラン・チャートの一種。
しかし上記の単純な「左翼-右翼」軸だけでは、現実の多様な政治的信条を記述するには不十分なため、学者により他の軸を追加した。複数軸に使用できる一般的な対立軸の用語は色々あるが、文化的(政治的、個人的)な視点と経済的な視点が広く使われている。
右の図の例では、縦軸が個人的(政治的・文化的)な自由度で、横軸が経済的な自由度を表している。ここでは左翼(リベラル)は政治的な自由度が高いが経済的な自由度は低く、反対に右翼(保守主義、資本主義)は政治的な自由度は低いが経済的な自由度は高く、そして両方の自由度が高いのはリバタリアニズム、両方の自由度が低いのはポピュリズム(全体主義)としている。
自由主義と全体主義
Hans Slompによるヨーロッパの政治的スペクトル[1]。各項目はクリック可能。
「左翼 – 右翼」軸に、「自由主義 – 全体主義」の軸を追加した図も、多くの学者により使われている。右の図の例では、上が自由主義(革新)、下が権威主義(保守)である。
この視点では、一般には「極左と極右であり、対極の思想」とされる共産主義(特にスターリニズムやマルクス・レーニン主義)とファシズムは、全体主義(政治的には中央集権・国家主義、経済的には集産主義)の傾向が強いという側面では、共通している。同様に、一般には「極左」とされるアナキズムは、右翼的とも言われる新自由主義と自由主義の傾向が強いという側面では共通している。またアナキズムを社会的無政府主義と個人主義的無政府主義の分類に大別した場合は、それぞれ「極左」と「右翼」に分かれる。
脚注
[脚注の使い方]
^ Slomp, Hans (2000). European Politics Into the Twenty-First Century: Integration and Division. Westport: Praeger. ISBN 0275968146
関連項目
政治イデオロギーの一覧
政治的スペクトルの三角関係(英語版)
表話編歴
政治的スペクトル
表話編歴
政治思想
カテゴリ: 政治的スペクトル
最終更新 2025年2月24日 (月) 07:23 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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【全体主義とは】生まれた理由からアーレントの主張までわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/totalitarianism/





























『2019年6月15日 / 2020年10月14日
全体主義(totalitarianism)とは、個人の利益より全体の利益を優先し、個人が全体のために従属しなければならないとする思想。また、カリスマ的指導者が世界を一貫した世界観で語ろうとするのが特徴のことです。
特に哲学者ハンナ・アーレントの『全体主義の起源』で広く知られるようになりました。
全体主義は、イタリアのファシズムやドイツのナチズム、冷戦中のロシアなどの国家を指す時に使われた言葉ですが、実は「何十年も昔にあった歴史的出来事」で割り切って良い概念ではありません。
全体主義の本質を知ると、それは今でも別の形で起こりうるものだということが分かるはずです。
そのため、全体主義について知ることは、日本という平和な国家で暮らす私たちにとっても、とても重要なことなのです。
そこでこの記事では、
全体主義の意味や特徴、権威主義との違い
全体主義がなぜ、どのようにして生まれたのか?
全体主義について学べる書籍リスト
について解説します。
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1章:全体主義とは何か?
1章では全体主義の意味や特徴など、基本的なことを説明します。
2章では、全体主義が生まれた時代背景について説明しますので、より詳しいことを知りたい場合は2章からお読みください。
1-1:全体主義の意味
もう一度意味を確認しますが、
全体主義とは、個人の利益より全体の利益を優先し、個人が全体のために従属しなければならないとする思想
のことです。
「全体主義」という言葉を使い始めたのは、イタリアのファシズム政権やドイツのナチス寄り知識人達だったそうです。
そして、全体主義的国家として代表的なのも、そのファシズム、ナチズムや戦時の日本のような国です。
また、米ソ冷戦時にはロシアなどの社会主義国も全体主義国家と言われました。
これらの国家は、「全体」の目的達成のために国民の自由や行動が制限され、国民は「全体」つまり国家のために力を尽くすことが求められたのです。
そして、個人の利益は「全体」の目的を達成することでしか得られないとされました。
1-2:全体主義の特徴
全体主義的思想を持つ国家の特徴としては、以下のようなものがあります。
1-2-1:恣意的に作られた世界観・イデオロギー
全体主義の特徴の一つは、権力によって恣意的に作られた「世界観」「物語」「イデオロギー」が国民に共有されているということです。
具体的に言うと、たとえばナチスドイツでは、
ユダヤ人や世界の経済を牛耳っており、彼らのせいで我々ドイツ人は不利益を被っている
ユダヤ人は異分子であり、彼らを絶滅させることでドイツは逼迫した現状を打開できる
と考えられました。
確かに、当時からユダヤ資本は世界経済で大きな役割を持っており、エリートのユダヤ人も多くいました。
しかし、彼らによって世界経済が牛耳られているというのは陰謀論ですし、それを理由に彼らを絶滅させようとするのは反ユダヤ主義であり、いずれも合理的な発想ではありません。
しかし、当時のドイツでは、このような世界観・イデオロギーに国民が飛びつき、頼ってしまうような状況が生まれていました。
そのため、こうした世界観・イデオロギーによってホロコーストのような悲劇が起こってしまったのです。
恣意的に作られた世界観・イデオロギーは全体主義国家の特徴の一つです。
1-2-2:権力を独占する政府やカリスマ指導者
イタリア・ファシズムにはムッソリーニ、ナチスドイツにはヒトラーというカリスマ指導者がおり、戦時日本には権力を独占した軍部がありました。
全体主義国家は、国家権力を掌握しなければ成立しません。
権力を独占しなければ、全体の目的のために国民を動員することなどできないからです。
そのため、必然的に全体主義国家には権力を独占する強力な政府やカリスマ指導者が存在することになるのです。
全体主義国家では、権威主義的政府・指導者が国家を支配します。そのため、民主主義と対立的です。民主主義について詳しくは以下の記事で解説しています。
【民主主義とは】基礎知識・歴史・重要用語をわかりやすく解説
1-2-3:国民の思想・行動のコントロール
全体主義国家は、異分子を徹底して排除する必要があります。
なぜなら、国家に対して異を唱える勢力が大きな力を持ってしまうと、国民に世界観・イデオロギーを共有させることができず、権力を独占できなくなるからです。
そのため、全体主義国家は、
プロパガンダ(マスメディアなどを通じて特定の思想に誘導すること)
言論統制(国家への批判や敵国を肯定することなど、特定の言論を禁止すること)
暴力による支配(国家に刃向かう人間を捕らえ罰を与えるなど)
といった手段を使う傾向があります。
1-2-4:計画経済
全体主義国家は、国家の目的(たとえば隣国の支配、植民地化など)を行うために、膨大な軍事予算が必要とされます。
そのため、全体主義国家では計画経済が実践される傾向があります。
計画経済とは、国家が自国の経済活動を計画・統制することです。戦時の日本でも、民間企業の多くが軍事産業のために利用されたり、国民の生活のための配給が行われたりしました。
1-3:全体主義と権威主義との違い
ここまで全体主義の特徴を解説しましたが、
「全体主義と権威主義って同じもの?」
と思われた方も多いかも知れません。
確かに、全体主義も権威主義も、権力を独占した支配者によって個人が抑圧される点は共通しています。
しかし、全体主義と権威主義には以下のような違いがあります。
イデオロギー:全体主義にはあるが、権威主義では弱い
国家の目的:全体主義にはあるが、権威主義では弱い(目的は支配者の私的利益の追求にある)
汚職:全体主義にはないが、権威主義にはある(支配者などの権力者が私的利益追求のために国家を利用するため)
つまり、権威主義は支配者が個人的な目的(利益追求など)のために、国家を支配し国民を抑圧するのですが、全体主義は国家がイデオロギーを持ち、国民も共有し、個人ではなく「全体」の目的のために行動する、という点に違いがあるのです。
※全体主義について以下の本で分かりやすく説明されているので、入門書として最適です。
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ここまでをまとめます。
1章のまとめ
全体主義は、ナチスドイツやイタリアファシズム、戦時日本などに見られた、全体の目的のために国民が動員される思想
全体主義には、一貫した世界観が共有されることや、計画経済、言論統制などの特徴がある
権威主義が個人の利益追求を目的としているのに対し、全体主義は「全体」の目的達成の思想
ここまで読んで、
「なんで『全体主義』のような思想が突然生まれてしまったんだろう?」
と思いませんでしたか?
この点について、ハンナ・アーレントは『全体主義の起源』で様々な要因から解説しました。
これから、全体主義がなぜ、どのように生まれたのか詳しく説明します。
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2章:全体主義はなぜ・どのように生まれたのか?
自らもユダヤ人として迫害され、学者として、そして当事者として全体主義について研究したハンナ・アーレント(Hannah Arendt)は、その経験と研究の集大成として『全体主義の起源』を執筆しました。
『全体主義の起源』は、現代人にとっても読むべき名著です。
そこから分かる全体主義形成の流れを見てみましょう。
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2-1:全体主義の起源①反ユダヤ主義
アーレントは、ナチスドイツの全体主義形成の要因の一つとして、国民国家形成に伴う「反ユダヤ主義」があると考えました。
2-1-1:国民国家とは
国民国家というのは、簡単に言えば「私たちは〇〇人だ」という認識を共有した人々によって構成された国家のことです。
たとえば、日本に住む私たちは、自分たちのことを「日本人だ」そして日本を「日本人の国だ」と考えるのが当然だと思います。
しかし、こうした認識は国民国家が形成される以前は、存在しないものでした。
たとえば、日本なら江戸時代やもっと昔の人々にとって、自分は〇〇藩や〇〇村の人間という意識はあっても、「日本人」という意識は希薄でした。
なぜなら、
国家というまとまりを認識させてくれる媒体(たとえば新聞などのマスメディア)
統一された教育
国家を脅かす海外の勢力の存在
などがないと、私たちは「自分が〇〇人」という意識を持つことができないからです。
ヨーロッパでは、19世紀初頭以降になってようやく国民意識が広がり、統一された国家の必要性が認識されるようになりました。
国民国家の形成は、主権国家体制が作られたことに起因します。主権国家体制について詳しくいは以下の記事をご覧ください。
【主権国家体制とは】成立の経緯から現代の問題点までわかりやすく解説
2-1-2:異分子と考えられたユダヤ人の差別
「国民国家と『反ユダヤ主義』に何の関係があるの?」
と疑問に思われたかもしれませんが、実は重要な関係があります。
国民国家というのは、「私たち〇〇人」という意識を、国民みなが共有した国家です。
逆を言えば「彼らは△△人」と、国民ではない人たちとの間に明確な境界を作り、「われわれ意識」を作るということでもあります。
「私たち○○人」という我々意識を「ナショナリズム」と言います。ナショナリズムにについて詳しくは以下の記事で解説しています。
【ナショナリズム・国民国家とは】成立過程から問題までわかりやすく解説
当時、ドイツは国民国家として成立して日が浅く、まだ「われわれ意識」が希薄でしたが、国民国家として統一しなければ安定せず、海外からの驚異にも対処できません。
そこで、強い「われわれ意識」を作るために、国内に多数存在し、しかもドイツ人ではないユダヤ人を異分子として認識するようになったのです。
私たちの身近な世界を見ても、「仲間はずれ」を作って自分たちの団結を高める、ということは良く見られますよね。つまり、いじめと同じ論理です。
彼らが異分子として認識されたのは、
ユダヤ人が国家を持たず、ドイツ国内にも多数存在していたため
ユダヤ人は、エリート・知識人の多くの割合を占め、ユダヤ資本として世界経済にも影響力を持っている異質な存在だった
ユダヤ人は親族やユダヤ人同士の繋がりを大事にして、それ以外の人々との交流に消極的だった
などの理由がありました。
上記のような認識は、ドイツの経済が逼迫してくると「原因は、世界経済を牛耳っているユダヤ人にある」という陰謀論に繋がり、迫害が正当化されることになります。
こうして生まれた反ユダヤ主義は、ナチスの全体主義を形作る一つの要因になりました。
2-2:全体主義の起源②帝国主義
国民国家の成立と共に、資本主義経済も成長し、各国はさらなる富を求めて他国を侵略し、植民地化していくようになりました。これが帝国主義です。
帝国主義を通じて、支配国は、
人種主義
ナショナリズム
を強化することになり、それが全体主義にも繋がりました。
2-2-1:人種主義
繰り返しになりますが、国民国家は「われわれ意識」を共有する国民による国家です。
しかし、帝国主義的国家は植民地を支配しても、まったく異なる文化を持つ現地人と「われわれ意識」を共有することはできません。
そこで、彼らは人種を強く意識し、支配を正当化するために人種に優劣の思想を持ち込みました。つまり、「劣等な彼らを支配するには暴力しかない」「劣等な社会を文明化させるために支配しているのだ」とういことです。
このような人種によって優劣があるという思想は、優生思想と言われました。
こうして生まれた人種主義は、さらにナショナリズムと結びつきます。
2-2-2:ナショナリズム
ドイツやロシアのような植民地の争奪戦に遅れた国家では、人種主義がナショナリズムを生みました。
当時、ドイツの国外にもドイツに出自を持つ人々が住んでいたため、彼らは「同じ『血』を持つ人々はみなドイツ人だ」と考えました。
そして、「国外で大変な思いをしている同胞たちのために、彼らも同じ国境の中に入れてあげよう」というナショナリズム的な思想が生まれます。
しかし、国境を広げようとした先には、ユダヤ人など他の民族が住んでいます。
そこで、ナショナリズムと反ユダヤ主義から、「ユダヤ人は劣っているから追い出してしまおう」という思想が生まれたのです。
これが、ナチスドイツの全体主義の要素となったのです。
2-3:全体主義の実践
ナチスドイツの全体主義の背景に、反ユダヤ主義や帝国主義があったことが分かったと思います。
しかし、それがさらに全体主義に繋がったことについて、アーレントは「大衆のアトム化」という言葉で説明しました。
2-3-1:大衆のアトム化
国民国家を支えた「われわれ意識」というナショナリズムは、階級社会や資本主義経済の発展によって、崩れてしまいました。
こうして生まれたのが「大衆」です。
全体主義とアトム化
アーレントは、国民国家にいた「市民」が、全体主義が勃興する前には「大衆」になっていたと考えました。
市民・・・特定の階級や集団に属しているため、自らの利益を自分で認識している人々
大衆・・・自分の利益が分からなくなった人々
つまり、どこにも所属しない人々が増えたことを、アーレントは「アトム化」と呼び、これが全体主義を準備したと考えます。
2-3-2:全体主義が持つ世界観への共感
大衆がアトム化と合わせて、対一次世界大戦後のドイツは「国土の明け渡し」「多額の賠償金」「世界恐慌によってあふれかえる失業者」など、多くの問題を抱えていました。
不安になった大衆に手を差しのばしたのが、明快な世界観、物語を提示してくれたナチスです。
ナチスが提示した世界観は、反ユダヤ主義に基づいた、ユダヤ人による世界経済の支配という陰謀論です。
ヒトラーは、この都合の良い物語とカリスマ的指導力で大衆を動員し、さらにその物語をそのまま国家の目的に据えて、全体主義国家を作り上げたのでした。
アトム化し不安を抱えていた大衆は、この分かりやすい物語を受け入れ、徐々に過激になっていったのです。
2-2-3:全体主義的支配
その後ナチスは、
秘密結社的な組織形態をつくり、全体主義国家として過激化していった
ユダヤ人を段階的に社会から切り離し、隔離し、人格すらも抹消した
人格すら抹消することで、ドイツ人はユダヤ人を虐殺することに良心の呵責を覚えないようにした
など巧みな国家運営で、ユダヤ人を大量虐殺するほどまでに突き進んでいったことは、皆さんも知ることだと思います。
このように、全体主義の背景には「反ユダヤ主義」「帝国主義」「アトム化」などの要因があったわけです。
アーレントの思想は「公共哲学」という領域でも議論されています。公共哲学について以下の記事で詳しく解説します。
【公共哲学とは】ハーバーマス・アーレント・サンデルの議論などを詳しく解説
2章の内容をまとめます。
2章のまとめ
ナチスドイツの全体主義の背景には、ユダヤ人を異分子とみなす反ユダヤ主義や陰謀論、人種主義、帝国主義と結びついたナショナリズムがあった
大衆が繋がりを失った「アトム化」した社会では、分かりやすい世界観が受け入れられやすく、全体主義が生まれやすい
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3章:全体主義について学べる書籍リスト
ここまで読んで、「やっぱり全体主義なんて現代人の自分にとっては、歴史上の出来事に過ぎない」と思われましたか?
確かに「反ユダヤ主義」「帝国主義」などを、文字通りに解釈すれば私たちには無縁に思えるかもしれません。
しかし、現在の日本は、将来の見通しが立たず、多くの人が漠然とした未来への不安を抱えていて、「つながり」を感じない「アトム化」した大衆が多いとは思いませんか?
このような社会で、「とても分かりやすい世界観」を提示してくれる権力者が現れたら、私たちも絶対に影響を受けないとは言えないでしょう。
少なくとも、「そんなこともあるかもしれない」という意識は持っておいた方が良いと思います。
そこで、そんなことを避けるためにも、以下の書籍を読んでみることをおすすめします。
オススメ度★★仲正昌樹『悪と全体主義-ハンナ・アーレントから考える-』(NHK出版新書)
この本は、ハンナ・アーレントが語った全体主義についてとても分かりやすく解説した本です。まったく前提知識を持っていなくても理解できるように書かれていて、全体主義の入門書として最高の良書です。
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オススメ度★★ハンナ・アーレント『全体主義の起源』(みすず書房)
ハンナ・アーレントの『全体主義の起源』の原著も読んでみることをおすすめします。原著は難しいですが、政治学や哲学をしっかり学びたい方は必読です。
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オススメ度★★ジョージ・オーウェル『一九八四年[新訳版] 』(ハヤカワepi文庫)
「ビッグ・ブラザー」が支配する全体主義国家をテーマにしたSF小説の金字塔です。全体主義についてイメージを膨らませることができるだけでなく、単にエンターテインメントとしてもとても面白い小説です。ぜひ読んでみてください。
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一部の書籍は「耳で読む」こともできます。通勤・通学中の時間も勉強に使えるようになるため、おすすめです。
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また、書籍を電子版で読むこともオススメします。
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などの特典もあります。学術的感性は読書や映画鑑賞などの幅広い経験から鍛えられますので、ぜひお試しください。
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
この記事のまとめ
全体主義の背景には、反ユダヤ主義や帝国主義、ナショナリズム、人種主義など様々な思想があり、全体主義の正当化に利用された
全体主義は、大衆のアトム化により「分かりやすい世界観」が受け入れられやすい社会で生まれ、強化された
全体主義は過去のことと割り切ることは出来ず、将来生まれる可能性は0ではない
このサイトでは、他にもさまざまな政治思想や社会思想を解説していますので、ぜひ他の記事も読んでみてください。』
権威主義、91カ国・地域に増 民主主義を22年ぶりに超す
編集委員 瀬能繁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD11CTN0R10C25A3000000/





『2025年3月13日 5:00 [会員限定記事]
世界の自由民主主義が危機にさらされている。2024年時点で権威主義陣営にある国・地域の数は91となり、民主主義陣営にある国・地域(88)を22年ぶりに上回った。アジアや東欧に加え、25年以降はトランプ米大統領が就任した米国でも自由民主主義の度合いが一段と後退するのは確実だ。
スウェーデンの独立調査機関V-Dem研究所が13日付で年次報告書「民主主義リポート2025」を発表した。それによると、24…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
中学生でもわかる!『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』要約を13枚の図解で解説!
https://www.diagram-wolf.com/sapiens/
※ そもそも、この人が言っている「認知革命」とか、「虚構を共有する能力の獲得」などということは、どの程度の「信憑性」がある話しなんだ…。
※ 「大ベストセラー!」「権威に従え!」は、単なる「思考停止」に過ぎない…。






















『2019-08-19 / 2022-01-03
お会いできて光栄です!図解師★ウルフです!
このブログを御覧の方は、『サピエンス全史』『ホモ・デウス』に興味がお有りの方だと思います。
2016年に『サピエンス全史』、2018年に『ホモ・デウス』が発刊され、多くの著名人の方がこの本を紹介されていたので、私も以前からかなり興味があったのですが、なかなか読み始めることができませんでした…。
理由は単純…ページ数が多いからです!
それぞれに上下版があるため、太い本が全部で4冊。
何度か中身をみて「難しそう…」と感じて本を閉じていました…。
でも実際に読み始めると非常に読みやすいくて、面白い中身にドンドンのめり込んでいきました!
さすが、多くの著名人がオススメされる本です!
あなたもこの本に興味を持ちながら、なかなか読み始められないのではないですか?
もしそうなら…まずはこの13枚の図解をご覧ください!
中学生にもわかるように、できるだけわかりやすく書籍の内容を要約しています!
少しでもあらすじを理解しておけば、途中で難しい箇所や興味のない箇所は飛ばして、読み進めていけるから、途中脱落も少なくなります。
そして読み終えたとき、今まで知らなかった「マクロ視点での人類の過去と未来」があなたの頭にインプットされることでしょう!
ぜひこの要約図解を見ながら、世界的ベストセラーである『サピエンス全史』『ホモ・デウス』を読み切ることにチャレンジしてみて下さい。
目次 [非表示]
『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』を読み始める前に…
『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』の内容を図解化!
『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』図解後記
『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』を読み始める前に…
さらにこの長い本を読み始める前に、もう一つ朗報です!
私の図解だけだとわかりにくいようであれば、下のURLから、あらすじの音声コンテンツを聞いてみてください!
Voicy風呂敷「畳み人」ラジオ
「このコンテンツがすごい#1 ホモ・デウスをしっかり読んでみた」
これは”Voicy”という音声コンテンツの中でNewsPicksの編集者である野村高文さんが、『ホモデウス』『サピエンス全史』のあらすじを約20分で紹介しています。
この野村さんは、著者ユヴァル・ノア・ハラリさんに直接インタビューしたこともあり、本書の内容を的確に理解しわかりやすく説明されております。
それに音声コンテンツはスマホで家事をしたり歩きながらでも聞くことができるので、非常に便利!
実は今回の図解化においても、このあらすじをすごく参考にさせていただきました!
(野村高文さん、本当にありがとうございました🙇♂️)
図解+音声で本の内容を理解してから読み始めると、本の内容がスムーズに頭に入ってくると思います。
ぜひお試し下さい!
それでは説明はこれくらいにして…
図解『サピエンス全史』『ホモ・デウス』スタートです!!
『サピエンス全史』『ホモ・デウス』この機会にぜひ読んでみよう!
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『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』の内容を図解化!
著者のユヴァル・ノア・ハラリさんはイスラエルの歴史学者です。歴史学者であるが故に、これほど壮大なマクロ視点で「人類の”いままで”と”これから”」を描けたのだと思います。
『サピエンス全史』『ホモ・デウス』…読み物としては長いですが、あなたにとって必ず価値のある本になると思います!
宇宙誕生の「ビッグバン」から135億年、地球誕生から45億年…それから比較すると、人間の祖先であるホモ・サピエンスの誕生からまだ20万年しか経過していません。
地球の歴史を1年とした場合、実は人類の歴史は12/31の夜23時37分から始まります。
もう少しでお正月というときに人類が生まれ、最後の23分の間にこれだけの激しい進化が起こったのです。
参考になる記事と動画を貼っておきますので、ご参照ください。
👉地球カレンダー
実はあまり知られていないことですが、人類種というのは、我々の祖先であるホモ・サピエンスだけではなく、他にも様々な人類種(ホモ属)が存在していました。
たとえば、ホモ・ルデルフェンシスと呼ばれたホモ属は、240万年前から約100万年間存在していたといわれていますし、他にも200万年以上生きたといわれる種族もいます。
われわれホモ・サピエンスは誕生してまだ25万年ですので、別の人類種(ホモ属)はそれよりも何倍もの長い期間地球上に存在していたんです。
では他の種族はすべて死に絶えたにも関わらず、なぜ我々の祖先だけが生き残り、地球上を席巻するほどの発展を遂げることができたのでしょうか?
それを解く鍵が「3つの革命」になります。
ホモ・サピエンスの発展の鍵である”3つの革命”、まず1つ目は「認知革命」です。
実は、どんな動物でも言語は持っていて、危機感や特定の単語を周囲の同種族に伝えることは可能なのです。
では、それらの動物とホモサピエンスは何が違ったのか?
ホモ・サピエンスには「フィクションを伝え、それを信じ込むことができる力」がありました。
フィクションとは「愛・家族・宗教・お金」といった想像力の産物であり、それを共同でもつことで、共通の物語を信じ込むことができたのです。
他の人類種が「やつら、危険、戦う」というレベルの意思疎通を図っていたのに対し、ホモ・サピエンスだけが、「神様のためにやつらと戦う」という”フィクションを信じ込む力”を持ってました。
この”信じ込む力”で種族内での団結力を形成し、他の人類種を駆逐していったのです。
人類種(ホモ・サピエンス)の”3つの革命”…2つ目は「農業革命」です!
狩猟は攻め、農業は守りという印象がありますが、狩りはいつも成功するとは限りません。
そんな不安定な環境を脱却できたのは、農業が発展したからこそ!
農業が発展することで安定した収穫が見込め、生活が安定したからこそ、大集団で定住化することができたのです。
結果、生活の基盤ができ人口が急激に増加することで、国や宗教、お金といったフィクションを信じ込むことができる土壌がさらに出来上がっていきました。
これがホモ・サピエンス発展の2つ目の鍵です。
3つ目の革命は、「科学革命」です!
”無知の知”というソクラテスの名言があります。これは「知らないことを自覚する」という哲学の出発点に向かう姿勢のことを指します。
そしてこれこそがホモサピエンスが発展する第3の鍵…すなわち知識科学を求めていくことにつながりました。
無知を自覚するまでは、「すべては神の思し召し」と考えられており、疫病が流行って多くの家族や仲間が亡くなっても「自分たち人間にはどうすることもできない…」と考えられていました。
ただ人類が急激な発展を遂げる中で、この考え方にも変化が生じます。すなわち自分たちが「知らない」ということを自覚することで、「知らないことが当たり前」という考え方から「今の自分たちが知らないだけ=知ることができるはず」という考え方に変化しました。
現代に生きるあなたは、周りで起きている事象にはすべて原因がある…と考えているはずです。
たとえ今のあなたにはわからないとしても、「大学の偉い教授なら知っているはず…」、もし今人類の誰も知らなくても、「分析して解明すれば未来にはわかるはず…」こういう考え方が自然にできるのではないでしょうか。
これこそが、知らないことを自覚することであり、これにより、世界で起きることのすべてを解明できるはず…と考え始めたのです。
その結果、人類は急激に発展し今のテクノロジー社会が出来上がったのです。
さて、ホモ・サピエンスが誕生して25万年が経過した現代、3つの革命により人類は大きな発展を遂げました。
それは人類史上三大苦悩である”飢餓・疫病・戦争”を克服させるほどの発展でした。
そしていまや…進化したテクノロジーにより、本来避けることのできない「死」からも徐々に遠ざかることができるようになってきています。
その状態は「ホモ・サピエンス=賢い人類」から、「ホモ・デウス=神のような人類」として地球に君臨している状態になりつつあります。
これは人類にとって”ハッピーエンドへの導線”なのでしょうか…。
著者のハラリさんはそうは考えていません。
”神のような人類”と呼べるまでに発展した人類…それは次なる悩みへの序章なのです。
さて、ここから『ホモ・デウス』の内容へと移行します。
今まで見てきた人類発展の歴史…その結果”神に近づいた人間”ですが、その「人間が他の生き物と比べて尊い所以(ゆえん)」とは、はたしてなんなのでしょうか?
それぞれの人間がもつ唯一無二のもの…それは「感情」だと言われています。
個々の人間が尊ばれるべき理由…それは、同じものを見たときの「あなたの感情と私の感情が違うから」であり、それが個々人を唯一絶対的なものとして尊ぶ考えのベースになるのです。
でも、果たして本当にそうなのでしょうか。
実は現在「感情はプログラムの結果によるもの…」という仮説が、有力なものとなりつつあるのです。
2045年に起こるとされる”シンギュラリティ”…
人工知能(AI)が人間を超え、人間に及ばぬスピードで進化するとしたら、多くの人は「Useless Class=役立たず階級」になってしまう…
実はそんな未来がもうすぐそこにまで来ているのかもしれません…。
20世紀の産業革命では、余った労働力を振り向ける先があったので、完全な「役立たず階級」にはなりませんでした。
ではこれからの時代はどうなるのでしょうか…
人工知能(AI)やロボットで、すべての労働力が完結する社会。
そうなると余った労働力を持っていく先がなく、”完全な役立たず”になるかもしれません。
「人間の感情がアルゴリズム」だとすると、その仕組がわかれば感情をコントロールできることになります。
そうなると、心は尊いものではなく、人間至上主義は崩壊します。
次に来るのは…データ至上主義の時代。
人の行動や感情がアルゴリズムの結果だとすると…
人の歴史はそのアルゴリズムの膨大な処理の結果ということになります。
これはサイバー空間上のデータと何も変わらない…
”シムシティ”や”シムアース”と同じだと言えるのではないでしょうか?
ただし、今までお話した「人の感情=アルゴリズム…」はまだ仮説の段階です。(有力な仮説ではありますが。)
これからの科学の進歩で、人間独自のものが見つかる可能性もまだ残っています。
たとえ、人間の感情はアルゴリズムであったとしても…
たとえ、大多数の人が「役立たず階級」になる未来が見えていたとしても…
人間の力で、望ましい歴史に導くことができるはずです!
この警鐘を糧に、歴史を学び、検証し、望む未来にむかってわれわれが未来を作りましょう!
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ベネズエラ、米国から送還の移民受け入れ停止へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11DF30R10C25A3000000/
『2025年3月12日 4:44 [会員限定記事]
【サンパウロ=水口二季】ベネズエラ政府は米国から送還されるベネズエラ人移民の受け入れを停止すると明らかにした。米国が米石油大手シェブロンに与えていたベネズエラでの事業許可を取り消したことに、ベネズエラ側が反発した。
地元メディアによると、ベネズエラ与党の実力者、ディオスダド・カベジョ氏が10日、国営テレビで、マドゥロ大統領が米国からの移民受け入れの停止を命じたと述べた。ボリビアなど、他国からの自…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
フィリピンのドゥテルテ前大統領、逮捕されハーグへ移送 麻薬対策の殺人に絡み国際刑事裁が令状
https://www.bbc.com/japanese/articles/ceqj1jvxv5do
『2025年3月11日
更新 3時間前
ジョエル・ギント記者(シンガポール)、ジョナサン・ヘッド東南アジア特派員(マニラ)
フィリピンの警察は11日、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(79)を逮捕した。前大統領が推し進め、多数の死者を出した「麻薬戦争」での人道に対する犯罪の疑いで、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出していた。ドゥテルテ氏はマニラからICCの本部があるオランダ・ハーグへ、航空機で身柄を移送された。
ドゥテルテ氏はこの日午前、香港からマニラ空港に到着した直後に警察に拘束された。
現地テレビは、つえをついて空港を歩いて出て行く同氏の姿を映像で伝えた。当局は、同氏が「健康」で、政府の医師が世話をしているとしている。
ドゥテルテ氏は2016~2022年の大統領在任中、厳しい麻薬撲滅対策を実施。何千人もの死者が出た。
同氏はそのことについて、謝罪していない。
逮捕の際、ドゥテルテ氏は逮捕状の内容を問いただし、「私がどんな犯罪を犯したというのか」と述べた。
フェルディナンド・マルコス大統領は記者会見で、ドゥテルテ氏がこれから、同氏の「血まみれの麻薬戦争」に絡む犯罪容疑に直面することになるとコメント。「インターポール(国際刑事警察機構)が支援を求めてきて、私たちはそれに応えた」、「これは国際社会が私たちに期待していることだ」と述べた。
ドゥテルテ氏の娘のサラ・ドゥテルテ副大統領は、オランダ・ハーグまで父親に付き添うと表明。今回の逮捕は迫害に等しいとしている。
ドゥテルテ氏の報道官を務めたサルバヴァドール・パネロ氏は、フィリピンが2019年にICCを脱退していることから、逮捕は「違法」だと非難した。
ICCは先に、フィリピンが脱退する前にあったとされる犯罪行為については、ICCに司法権があるとしていた。
フィリピン人権国際連合(ICHRP)のピーター・マーフィー会長は、ドゥテルテ氏の逮捕を「歴史的瞬間」と評価。「彼の残忍な支配を特徴づけた集団殺害に対する責任追及の始まりだ」と述べた。
ドゥテルテ氏は、5月12日に予定されている中間選挙でダヴァオ市長への立候補を予定しており、その運動のため香港を訪れていた。
香港を去る前には、歓声を上げるフィリピン出身者らに向かい、「私の罪は何なのか。 私は平和とフィリピン国民の平和な生活のために、できる限りのことをした」と語った。
娘のヴェロニカ・ドゥテルテ氏は、マニラのヴィラモール空軍基地のラウンジで拘束されているドゥテルテ前大統領の動画を投稿した。その中で前大統領は、逮捕の理由について、こう問いかけた。
「どの法律で、私が犯した罪は何なのか。 私がここに連れてこられたのは自分の意志ではなく、誰かの意志だ。 あなたは今、自由を奪っていることについて答えなければならない」
「麻薬戦争」
Contains some upsetting scenes and flashing images.
動画説明, マニラ麻薬戦争 毎晩現場に走るカメラマン(2016年12月動画)
ドゥテルテ氏は、南部の拡大を続ける大都市ダヴァオの市長を22年間務め、同市を国内有数の安全な街に変えた。
その実績を前面に押し出し、強さを感じさせる反体制派の政治家のイメージをつくり出して、2016年大統領選で圧勝した。
激しい言葉を用い、麻薬犯罪の容疑者らを治安部隊に射殺させた。この取り組みでは、容疑者6000人以上が警察や正体不明の襲撃者によって射殺された。人権団体は、この人数はもっと多い可能性があるとしている。
過去の国連報告書によると、殺された人の多くは都市部の若い貧困層の男性だった。警察は、捜査令状や逮捕令状なしに家宅捜索が可能で、容疑者に無理やり犯罪を認めさせた。従わない容疑者には、殺傷力の行使もちらつかせた。
ドゥテルテ氏に批判的な人たちは、この麻薬対策について、都市部の貧困層の売人をターゲットにし、大物の逮捕にはつながらなかったとしている。家族を殺された多くの人々は、自分たちの息子や兄弟、夫は、単に悪いタイミングで悪い場所にいただけだと主張している。
議会の調査では、賞金目当てに麻薬犯罪容疑者を狙う、影の「暗殺隊」の存在が指摘された。
ドゥテルテ氏は昨年10月の議会調査で、「私の政策について問うべきではない。私は謝罪も言い訳もしないからだ。 私はやるべきことをやった。信じるかどうかは別にして(中略)私は国のためにやったのだ」と述べた。
また、「私は麻薬が大嫌いだ。それははっきりさせておく」とした。
ICCは2016年に初めて、不正疑惑に注目し、2021年に調べを開始した。対象期間は、ドゥテルテ氏がダヴァオ市長だった2011年11月から、フィリピンがICCを脱退する前の2019年3月までとした。
「東洋のトランプ」
ドゥテルテ氏は、首都マニラの南に位置するミンダナオ島出身の初の大統領で、依然として人気が高い。ミンダナオ島では多くの人が、マニラの政界から疎外されていると感じている。
ドゥテルテ氏は、マニラや北部地域で広く使われるタガログ語ではなく、ミンダナオ島などで話されるセブアノ語で話すことが多い。
大衆受けする発言やぶっきらぼうな物言いから、「東洋のドナルド・トランプ」とも呼ばれる。ロシアのウラジミール・プーチン大統領が自分の「アイドル」だとして、大統領就任中にはフィリピンの外交政策の軸足を、長年の同盟国のアメリカから中国へと移した。
娘のサラ・ドゥテルテ副大統領は、2028年大統領選の候補として名前が挙がっている。
2022年の選挙では、サラ・ドゥテルテ氏と、フェルディナンド・マルコス現大統領が、ともに圧勝した。しかしここ数カ月で、ドゥテルテ一族とマルコス氏の同盟関係は、世間の目の前で派手に崩れた。
マルコス氏は当初、ICCの捜査への協力を拒否していた。だが、ドゥテルテ一族との関係が悪化するにつれ、態度を変え、協力を示唆していた。
追加取材:ヴァーマ・シモネット(マニラ)、ケリー・アン(シンガポール)
(英語記事 Philippines ex-leader Duterte on plane to The Hague after arrest)』
フィリピン、ドゥテルテ氏をオランダに移送 ICCが令状
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM11D040R10C25A3000000/
『2025年3月12日 1:43 [会員限定記事]
【マニラ=藤田祐樹】フィリピンのマルコス大統領は11日夜、大統領府で記者会見し同日逮捕したドゥテルテ前大統領を国際刑事裁判所(ICC)の本部があるオランダ・ハーグに移送したと発表した。前大統領の逮捕について「適切で正しく、必要な法的手続きをすべて踏んだと確信している」と強調した。
ICCはドゥテルテ氏が大統領在任中に進めた超法規的な違法薬物対策が人道に対する罪に当たるとして逮捕状を出した。同氏は…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokusaianzenhosho/50/1/50_115/_pdf/-char/ja
国際安全保障第50巻第1号
115
【書評】
岩間陽子著
『核の一九六八年体制と西ドイツ』
(有斐閣、2021年8月)400頁
田中慎吾
序章によれば本書は、冷戦下において常に存亡の危機にあった西ドイツが、
いかなる目的・経緯によって1968年の核不拡散条約(NPT)を基底とする、核
に関する世界的な不拡散秩序(「核の1968年体制」)に参加したのかを問うもの
である。
第1章「核戦略の誕生」では、原子爆弾や戦略爆撃の誕生過程を概観した後、
アメリカのアイゼンハワー (Dwight Eisenhower)政権が核兵器を使用しうる兵
器として「大量報復戦略」を採用した経緯が記される。
第2章「大量報復戦略と西ドイツ」では、アイゼンハワー政権は次の二つの
方法で欧州に大量の戦術核を搬入したことが記される。
第1に在欧米軍への配
備であり、第2に後に「核共有」という呼び名で総称されることとなる、核弾
頭を平時は米軍が管理し、同盟国は運搬手段を保有する方法であった。
西ドイ
ツには1955年5月の主権回復とNATO加盟以前より、前者の方法で多種多様な
戦術核が大量に搬入されたことが紹介されている。
同年11月、NATOが正式に
大量報復戦略を採用し、核兵器の使用を前提とした防衛計画に移行したことに
対し、当時の西ドイツ首相アデナウアー(KonradAdenauer)は否定的であっ
たという。
彼は核兵器への道徳的嫌悪から核軍縮を優先し、その後に通常兵器
を削減するべきだと主張していたのであるが、ハンガリー動乱とスエズ危機を
経てNATOの方針を受容するに至ったことが記されている。
第3章「米英「核同盟」と危機の季節」では、アイゼンハワー政権が1957年
10月4日のスブート二ク・ショック以前より、アメリカの核兵器をNATOの管
理下に置く「核備蓄」制度の検討を始めており、同年12月のNATOサミットに
て同制度が正式に提案されたことが先ずは指摘される。
しかし1958年に米英間
で相互防衛協定が締結され、核分野における「特別な二国間関係」が構築され
116
2022年6月
た結果、NATO内に亀裂が入ったことが記されている。
また、同年11月の第2
次ベルリン危機からキューバ危機を経て、アイゼンハワー政権末期に策定され
た初めての核戦争計画「単一統合作戦計画(SIOP)62」の非人道性と非現実性
が明らかとなり、続くケネディ(JohnKennedy)政権下において「柔軟反応戦略」
への移行が加速されたことが示されている。
第4章「「N番目」の核保有国」は、評者が最も面白いと感じた章であった。
スプートニク•ショックによって生じたアメリカの抑止力に対する欧州同盟国
の懸念を打ち消すべく、アメリカが欧州へ核兵器を搬入し始めたことは良く知
られているが、筆者によればイギリスへの搬入は、米英双方がまさに物理的な
鍵を所有する「二重鍵(double-key)」システムを採用する例外的な事例であっ
たという。
また、イギリスへの配備が二国間の枠組みであったのに対し、トル
コとイタリアへの配備はNATOの枠組みによるものであり、欧州連合軍最高司
令官が受入国とアメリカ政府と合意の上で使用の判断を下すことになっていた
と筆者は指摘する。
さらには西ドイツも自国への中距離核ミサイルの配備を望
んでいたが前線に近過ぎるとして見送られ、フランスは自国のみで使用を決定
できないことに不満を持ち配備を辞退したことも紹介されている。
ただ、こうしたヨーロッパに配備された中距離核は脆弱性の高さから暫定的
措置であり、アイゼンハワー政権内にはNATOとしての核抑止力を創設するべ
く、「NATO核戦力(NNF)Jや多国籍乗組員から構成されるポラリス潜水艦に
よる「NATOの抑止カ(NADET) J計画などが存在していたとの指摘は興味深
いものであった。
同章後半においては、ケネディ政権があくまでも欧州通常兵力の増強を優先
し、NATOの「多角的核戦力」(MLF)構想には消極的であり、MLFの構成を
潜水艦から水上艦へと変更していたことが指摘される。こうしたケネディ政権
の姿勢に対して西ドイツが反発し、最終的に1963年1月22日の独仏友好条約(エ
リゼー条約)の調印に至ったことが描かれている。
第5章「核の一九六八年体制への道」では、NATOが1963年10月から正式に
MLFの検討を始めた一方で、ケネディ暗殺に伴い急遽登板したアメリカのジョ
ンソン(Lyndon Johnson)政権は前政権同様にMLFに否定的となり、ソ連との
NPT締結に関心を移していったと筆者は指摘する。
ジョンソン政権は1964年10
月の中国による核実験を契機としてNPT交渉を本格化させ、その過程において
核兵器そのものの共有を目指すMLFではなく、核戦略の協議制度の構築を目
指したことが指摘されている。これを受けてNATOは1966年から67年にかけて、
国際安全保障第50巻第1号
117
フランスがMLFを拒否してNATO軍事機構から離脱したこともあり、MLFを棚
上げして核共有計画グループ(NPG)なる協議制度を創設したことが記されて
いる。
第6章では章題「西ドイツと一九六八年体制の受容」が示すとおり、西ドイ
ツ内の政治過程が描かれる。
筆者によれば1966年12月誕生のキージンガー(Kurt
Kiesinger)大連立政権はNPT交渉の詳細を知らされておらず、米独関係は悪化
していたという。
アメリカはNPTの対ソ交渉において、NATOの二国間核共有
制度が影響を受けないこと、統一ヨーロッパが将来に核保有国となる権利を排
除しないこと、核運搬主段やシステムの保有またはコントロールの移譲は規制
の対象としないことを主張した結果、ソ連はアメリカがそのような発言をする
権利に異議を唱えないことで妥協したことが示される。
こうして成立に至った
NPTは、西ドイツ内では反対論が根強く署名の見込みが立たなかったものの、
ブラント(Willy Brandt)外相は、西ドイツとソ連間の関係改善を皮切りにヨー
ロッパの緊張緩和を目指すという自らの東方政策、自らのヨーロッパ外交を展
開する前提条件として、NPT署名の必要性を明確に認識していたと筆者は指摘
する。
実際、ブラントが1969年10月に政権を獲得すると、1969年11月28日に署
名を行ったのであった。
以上を踏まえて終章では、「核の1968年体制」とは何かを改めて概説した後、
NATOの核共有はあくまでも政治的シンボルであったとし、NPGのような協議
制度も戦術核使用において何ら合意に達していなかったと指摘する。
最後に筆
者は、こうした核の秩序体制が今後も生き延びられるかの大きな曲がり角に現
在さしかかっていると警鐘を鳴らす。
特にロシアが核大国であることの責任を
果たし続けるのか、それとも矮小な国益のために、これまで半世紀にわたって
維持してきた体制にダメージを与えるような行動に走るのかとの筆者の懸念
は、まさに正鵠を射ていたものといえよう。
さて、これまでにもNPT体制の成立過程を論じた学術書は国内外に多く存在
してきたものの、それら大半はアメリカの核兵器不拡散外交の変遷を論じるも
のや、軍縮委員会の議論に焦点を置いたものが大半であった。
それら類書と
大きく異なり本書は、西ドイツが自国の外交•防衛政策として、いかにNPT体
制を位置付け、いかなる目的をもって受容したのかの解明を主目的としつつ
も、ベルリン危機といった冷戦の推移にも目を配り、それらがいかに絡み合っ
て核共有制度や核不拡散制度の形成に至ったのかをも論じる大変意欲的な構成
となっている。
こうした本書は、ドイツの外交•安全保障政策を長年研究して
118
2022年6月
きた筆者にしか書くことが出来ないものであり、学術的に極めて大きな意義を
もっている。
以上を踏まえた上で本書の問題点を挙げるのならば、それは読み難さである。
この読み難さの要因は主に、章や節で時代が前後し、また、説明も前後ないし
重複している箇所が多いことに求められる。
さらに本書の読み難さには、以下二つの要因も関係しているように思われる。
第1に、特定の経緯の説明を省略していることである。
例えば189頁において筆
者は、MLFの構成を潜水艦から水上艦へと変更したことについて、複数の理
由からアメリカが修正したとするのみで、その説明を省いている。
また、238
頁においては、イギリスのウィルソン(Harold Wilson)政権がアメリカのMLF
案を修正して大西洋核戦略(ANF)構想を提案したと紹介されているが、脚注
においても文献紹介にとどまっており、ANF構想に具体的説明がないままに以
降はMLF/ANFと併記されていく。
評者はこれらの点を疑問に感じたまま本書
を読み進めなければならず、これが読み難さにつながっているように思われた。
第2に、核関連用語に対する説明の不十分さである。
本書には核兵器、原子
爆弾、水爆、熱核兵器や熱核物質といった各種の用語が登場するが、本書はこ
れらを十分に説明せぬまま、そして相互に関連づけぬまま使用しているのであ
る。
おそらく筆者は、核兵器とは一般的に原子爆弾と水素爆弾に大別され、前者
はウランやプルトニウムなどの重い原子核を分裂させた際に生ずるエネルギー
を利用したものであること、後者が重水素や三重水素による軽い原子核を融合
させた際に生ずるエネルギーを利用したものであること、さらには、後者が核
融合は分裂よりも高熱を発することから熱核爆弾との別名が存在することにつ
いては、核問題の専門家にとっては常識の範疇と判断し、説明を省いたのであ
ろう。
しかし本書は、冷戦史やヨーロッパ政治史など多くの専門家に読まれる
であろうから、これら用語についても丁寧な説明が必要であったと評者は考え
る。
とりわけ評者は、「放射能」の使用方法が気にかかった。
例えば58頁におい
て筆者は、「放射能に対する防御」や「放射能からの保護」と記述する。
こう
した用法でも日本語的に意味は通じるように思われるが、本来「放射能」とは、
原子核が崩壊する際に放射されるヘリウム(α粒子)や電子(0粒子)などの粒
子や電磁波といった各種の放射線を出す能力を指し示す用語のはずである。っ
まり厳密には放射能ではなく「放射線に対する防御」や、「放射線からの保護」
国際安全保障第50巻第1号
119
と表記すべきではなかったのだろうか、。
もちろん日本では、「放射能」が何か恐ろしいものという意味合いで広く用
いられていることは事実である。
それゆえ、もし本書がドイツ外交史として核
不拡散体制の受容過程を描くだけの内容であったのならば、問題にすべきで点
は無かったのかもしれない。
しかし本書は、国際政治における核兵器を真正面
から取り上げ、その秩序の形成と受容を捉える意欲的なものである。
そうであ
るならば本書の信憑性に要らぬ疑義を生じさせないためにも、核関連の用語に
ついては曖昧な用法を避けるべきであったと評者は考える。
また、確認できる限り序章から第4章までは、各章に最低一つは誤字脱字が
存在していることも極めて残念な点であると言わざるを得ず、これも読み難さ
につながっているように思われた。
以上、長年に渡る筆者の研究成果を多く詰め込んだ本書から得られる知識の
量は膨大であり、それら一つ一つは極めて重要なものである。
ただ、読みやす
さの観点からすると評者は、国や時代、あるいは核共有やNPT体制といった卜
ピックにおいて、もう少し視野を絞るなどの工夫があっても良かったように思
う。
その点、あくまでも評者の個人的所見としては、第2次世界大戦下のドイ
ツ内での核研究が戦後のドイツの(非)核政策にいかなる影響を及ぼしたのか
についての言及が本書前半にあると、本書が(西)ドイツの視点から一貫して
記述しているとの印象を読者に与え好ましかったように感じた。
(たなかしんご 大阪経済法科大学特別専任准教授)