トランプ大統領の姪による暴露本、書かれている5つの驚きの主張とは?
https://www.huffingtonpost.jp/entry/5-things-mary-trump-s-new-book-about-president_jp_5f066c28c5b63a72c33cdea0
※ あえて、引用はしない…。内容が知りたければ、リンクで飛んでくれ…。「おっ…」関係の話しも、あるようだ…。
トランプ大統領の姪による暴露本、書かれている5つの驚きの主張とは?
https://www.huffingtonpost.jp/entry/5-things-mary-trump-s-new-book-about-president_jp_5f066c28c5b63a72c33cdea0
※ あえて、引用はしない…。内容が知りたければ、リンクで飛んでくれ…。「おっ…」関係の話しも、あるようだ…。
そもそも、なぜ中国共産党は香港に手をだしたか? : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23037924.html
※ いつもながら、鋭い分析をなされておられる…。
実態は、十分に「支配下」においたはず(実体)なのに、なぜ今、このタイミングで「形式」をも、変えようと乗り出したのか…、という視点だ…。
それには、このタイミングで行動しなければならなかった「理由」があるはずだ…、と論を進めておられる…。
その鋭い論考に敬意を示しつつ、全文を引用させていただきます…。
『香港はイギリスとの阿片戦争の結果として、講和条約で清王朝から99年間のイギリスへの租借が決まった地域です。そして、条約の通り1997年に、その時の主権国家である中華人民共和国へ返還されました。当時、当然ながら市民や資産の海外流出が起きたのですが、まだまだ発展途上だった中国は、それを留める目的もあり、一国二制度を世界に対して約束しました。期間は50年間。今年の7月1日は、23年目にあたります。つまり、約束の半分も時間が経過していません。
結果として、これは海外にとっても中国にとっても、緩衝地帯として有利に働きました。世界が中国に対して制裁的処置をしても、香港だけは制度が違う特別行政区なので、対象になりませんでした。その為、実際には、ここを経由して、制限されている軍事転用可能な物資も輸入できていましたし、建前上禁輸になっている物品も輸出できていました。また、中国共産党が直接介入できない為、投資先としてルールの点で信用ができると考えられていて、海外の投資家も香港を経由させて投資ができました。
ただし、実際には長い時間をかけた切り崩しで、香港の行政長官には中国共産党に忠誠を誓った人間しか着任できませんし、議会の過半数が必ず中国共産党寄りの人間で固められるように、既に選挙の立候補枠で制限がかけられています。実質的に、民主派が勝って、行政権を握る事が無い仕組みになっています。司法も中国とは別になっているので、今までは勝手に中国本土の警官が、香港にいる人間を逮捕する事はできませんでした。しかし、実際には、香港でホテル住まいをしていた中国人や、香港で民主活動をしていた出版社の社長などが、拉致されていて、あきらかな主権侵害ですが、結局はウヤムヤに処理されています。つまり、実質的に統治下に置いていたという事です。
つまり、何が言いたいかと言うと、あと27年ほど我慢していれば、世界に非難される事も無く、自動的に香港は中国共産党の手に落ちる運命だったという事です。民主派の抵抗はあるでしょうが、世界に対して結んだ約束は、守っているので、恐らく強くは非難されません。また、香港が機能している事は、中国にとっても都合が良いのです。特にアメリカと揉めている時には。一国二制度を盾にして、制裁対象になっている品目でも、香港経由で輸入できますし、輸出もできます。よりによって米中貿易紛争が起きているタイミングで、事を荒立てる必要は、どう考えてもありません。
つまり、何かしら、表に出ている理由とは別に、香港で国家安全維持法を成立させなくてはならない理由が発生したと考えるのが自然です。ただ、単に50年が待てなかったという事は、中国に限ってはありません。そもそも、そういう単位で戦略を立てる国家なので、50年程度が待てないはずがないのです。
その理由は、政治的な理由と経済的な理由と2通りが考えられます。
一つには、反習近平派。はっきり言えば、江沢民派が、米国と揉めているタイミングで、わざと香港で騒動を起こしたと見る考え方です。民主主義にかかわる問題になると、アメリカは反応せざるを得ません。そういう錦の御旗を掲げているからです。香港にかかわる騒動の発端は、逃亡犯条例という、今から考えれば、限定された香港の主権の侵害でした。もしかしたら、観測アドバルーンとして、始めたのかも知れませんが、それがあっという間に武力制圧に発展する事になります。ここまでの展開を予想していたかどうかは不明です。
香港・マカオを担当する責任者は、共産党のエリート・コースの一つで、かつては登り詰める過程で、習近平氏も担当していた時期があります。基礎を築いたのは、江沢民派の曽慶紅元国家副主席、張徳江氏、韓正氏という系列です。習近平氏が牙を剝いて、江沢民派の幹部を粛清し始めてからは、習近平氏にとって、暗殺を警戒する程の危険な地域になっています。その為、習近平氏を失脚させる目的で、内乱状態を作ったとしても、まったく不思議では無い情勢です。敢えて習近平氏サイドから政治的な理由を探すと、色々と内政がヤバイ状態で、共産党幹部の資産の流出窓口になっている香港の蛇口を締める目的があったかも知れません。共産党幹部による資産の海外持ち出しというのは、かなりシャレにならないレベルになっていて、看過できないのも事実です。
もう一つの理由が、外貨準備資金の枯渇から、香港の4000億ドルの外貨準備資金の強奪を狙ったと見る向きです。中国は公式発表では、2兆ドル超えの米国ドルを所有している事になっていて、世界一の外貨準備高を誇っています。ただし、中国の発表です。そのまま信じるのは、日本のメディアくらいです。中国は今までに、20兆ドルを貿易で稼いだと推察されています。それが、そのまま利益ではないですから、製品を作る為の原材料費として、10兆ドルがかかっていて、粗利が10兆ドルと言われています。すごい金額ですが、その大部分が共産党の上級幹部に流れていて、動員できる外貨準備高は、2000億ドルとも言われています。つまり、十分な外貨準備高を確保していないのです。
さて、借金で困窮した人が行う行動の一つが、強盗とか詐欺です。個人が国になっても、やはりそうなります。戦争の原因の一つである経済は、だいたい内政が崩壊して、金欠になったあげく、周囲の国の資産を強奪するのが目的である事が大部分です。好き勝手に強奪し放題なので、濡れ手に泡で財政が潤うわけです。戦争の原因なんて、結局はこんなもんです。立派な理由は、後で周りから非難されないように、他に準備するわけです。
金欠が原因と見ると、50年待っていられない理由も、実にスッキリと理解できます。また、金が原因と考えると、内政の混乱から香港を通じて共産党幹部が海外へ流出させている資産の流れを、止める意味合いも強いのかも知れません。同時に、幹部の海外逃亡の抑制ですね。ちょっと前まで、愛人にカナダ国籍を取得させて、カナダで購入した土地と屋敷の管理をさせておき、いざとなったら、いつでも逃亡できる準備をしておくのが流行りでした。今は、中国で担当していた職務によっては、制裁対象として資産没収される可能性があるので、さほど盛んではないようです。
香港を通じて、海外勢力が民主化運動へ加担しており、それをニガニガしく思っていたのは事実ですが、行政を実質的に支配していたので、何も、このタイミングで事を荒立てる必要というのは、感じません。時間的に待てない理由があったと考えられます。』
※ こちらの記事も、オススメです。
デジタル共産主義というパワーワード : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23029297.html
「トランプがレース離脱」の噂にいら立つホワイトハウスの苦悩
斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20157
『今のところ、トランプ氏は「レース脱落」観測などについて、ツイート書き込み含め、珍しくコメントしていない。
しかし、今月2日付の「Vanity Fair」誌は、最近、大統領と言葉を交わした「共和党関係者たち」の話として、以下のように報じている:
「取り巻きたちによると、彼はかなり落ち込んだ状態であり(depressed and down in the dumps)、心ここにあらず、といっていい。政治的な袋小路にはまりこみ、そこから抜け出せずにぼやいている。先週も、親友のタッカー・カールソンに電話し『自分はどうすればいいんだ、どうすればいいんだ What do I do? What do I do?』と愚痴っていたという。共和党議員たちの間では、このままでは大統領選のみならず、上院選でも敗北しかねないとして、いつの時点で大統領と手を切るか、そのタイミングについて意見交換が始まっている。マコーネル院内総務の側近の一人は、レーバーデーあたりがひとつの目安になるだろうとしている」』
『これと関連し、8月24日から4日間にわたりフロリダ州ジャクソンビルで開催予定の共和党全国大会に、チャールズ・グラスリー、ラマー・アレキサンダー氏ら共和党重鎮上院議員5人が出席しないことが6日までに明らかになった。同大会では、全米から集まった共和党代議員1万人以上が一同に会し、トランプ氏を正式に共和党大統領候補として指名、最終日に再選に向けた「指名受諾演説」を口火に本格的な選挙戦を大々的にアピールすることになっていた。
しかし、大統領選最中の全国党大会に5人もの大物議員たちが欠席するのは、近年では両党通じ極めて異例の事態であり、大会ムードに水をさすことが懸念されるという。』
※ この話しが本当なら、非常にマズい事態となっている…。
コロナを契機に、アメリカは「漂流」し、世界は「液状化」して行くのか…。
こういう時こそ、しっかり舵取りしないとな…。
縦軸に「変わらないこと」「変わる可能性のあること」「変わる可能性が高いこと」をプロットし、横軸に「長期」「中期」「短期」の時間軸をプロットし、マトリックスを作って検討するか…。
あなたは、「アメリカの覇権」の要件を抽出し、その「要素間の重要度」を考量し、それが変わる可能性を考察したことがありますか?
パックス・ブリタニカ(英国による覇権)とパックス・アメリカーナ(米国による覇権)を比較し、その共通点と相違点を考察したことがありますか?
覇権国でない「周辺国」の生き残りの戦略は、そういう「考察」から生じます…。
米中経済の断裂不可避 中国が最悪想定あえて暴露
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61241030X00C20A7I10000/

『南シナ海で米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」の2隻が軍事演習を実施し、同じ頃、中国海軍も南シナ海、東シナ海と黄海で実戦演習をした。米中が同じ海で軍事的に張り合う異例の事態である。
そんな緊張の中、中国国内で大きな話題になっている論文がある。中国内と世界が長期にわたり新型コロナウイルス感染症から抜け出せない事態を前提にした内容は衝撃的だ。産業サプライチェーン(供給網)の断裂、人民元圏と米ドル圏の分断が招く米中経済の事実上のブロック化。そんな最悪のシナリオに備える覚悟を中国国民に迫っている。
■危うい習近平政権の将来設計
論文の書き手は中国共産党の政党外交を担う対外連絡部の元副部長、周力(65)。閣僚級に相当する立場にいた高級党官僚である。その警告は、目下の中国政府の公式見解と大きく異なり、極めて先鋭的だ。ポイントは以下の6点である。(※ 番号は、オレがつけた)
1、「対米関係悪化の加速に備え、闘争レベルが全ての面で上がる事態に備えよ」
2、「外部の需要の萎縮に対応し、サプライチェーン断裂への準備を怠るな」
3、「新型コロナウイルス感染症の常態化、ウイルスと人類の長期的な共存に備えよ」
4、「米ドルの覇権から脱するため、一歩一歩、人民元と米ドルのデカップリングを実現する準備をしよう」
5、「地球規模の食糧危機の爆発に備えよ」
6、「国際的なテロ勢力の復活に備えよ」
冒頭で紹介した軍事的対峙がエスカレートする実際の戦闘を回避できたとしても、中国経済は当面、かなり苦しい我慢を強いられる。その表現は役所の作文と異なり、かなり直接的だ。
「国際組織による今年の世界経済成長予想はマイナス4.9%程度に下方修正され、1930年代の世界恐慌以来、最もひどい経済衰退が進む。我が中国の輸出企業の受注は大きく減り、企業の生産は停滞し、国際的な物流は滞る。原料が供給されず、製品は運び出せない現象が激増し、我々の安定的な成長や雇用確保に巨大な圧力になる」
そう言い切っている。さすがに直接の言及はないが、中国経済もゼロ成長、マイナス成長さえありうる厳しさが浮き彫りになっている。まさに想定外の事態を指す「黒い白鳥」の到来である。
しかも中国、ロシア、イランの企業による国際決済までも大半の情報は、国際銀行間通信協会(SWIFT)が関与する米ドル中心のシステムを通じて米当局に握られているとして、人民元圏の劣勢をにじませた。今後、サプライチェーン分断が進めば、中国の通信機器最大手、ファーウェイ(華為技術)の5G戦略などにも大きな圧力になりうる。
周力の予測が正しいならば、国家主席で共産党総書記である習近平(シー・ジンピン)の政権がこれまで思い描いてきた様々な将来設計も大きく崩れてしまう。それどころではない。こうした「経済ブロック化」から「鎖国システム」にまで突っ込んでいくなら、中国は高度成長の足掛かりとなった2001年末の世界貿易機関(WTO)加盟以前の世界に確実に戻ってしまう。
いや、もしかしたら1979年の米中国交樹立の前にまでタイムスリップしかねない危機に陥る。その少し前は、毛沢東が発動した政治運動である「文化大革命」で多くの無実の人々が反革命の汚名を着せられ、さらに前の「大躍進」では膨大な数の餓死者が出ているのだ。
確かに習近平は最近、「ボトムライン思考」という表現で対米関係を含む最悪の事態に備えるよう号令を発してきた。しかし、どこまで中国を巡る情勢が悪化するのかという「新冷戦」の具体的な水準への言及はタブーだった。
周力は、対米関係悪化に関して、米トランプ政権と米議会による対中圧力の継続的な強化を指摘し、香港国家安全法に絡む香港への優遇の取り消し、米艦船の台湾海峡への派遣、南シナ海での挑発を挙げた。
新型コロナウイルスに「中国ウイルス」という汚名をかぶせて国連安保理決議に盛り込もうとするばかりではなく、中国が保有する米国債を差し押さえて賠償金に充てる形でアフター・コロナの清算をしようとしている。そう批判している。
■共産党独特の特殊な諫言か
唱えたのは単なる学者ではなく、共産党外交の中枢にいた人物である。しかも論文が掲載されたのは、中国政府のシンクタンクである社会科学院が発行する新聞が組んだ「人類運命共同体」特集の一部だ。新聞には簡略版だけが掲載され、全文は他の中国内のインターネットメディアなどを通じて流布された。
新聞紙面は、習近平が唱える国際政治上のスローガンである「人類運命共同体」を持ち上げる宣伝が趣旨なのに、周力論文の内容だけが浮いている。これでは人類運命共同体が、米国にケンカを売る「ブロック経済」的な枠組みであることが浮き彫りになってしまう。
いかにも不可思議な状況だけに、絶望的に見えるシナリオをあえて暴露した意図を巡って様々な解釈、臆測が広がった。
万一、いきなり米中分断に突っ込んでいけば中国国民が動揺し、社会不安につながりかねない。その前に建前を排した本音を暴露し、いわば「ダメージコントロール」につなげる。素直な解釈だろう。「中国は決して負けない」「米国をやっつけろ」。中国国民の読後の感想として多い反応だ。
その一方で「米中分断なんて夢想だ。そんな手法でやっていけるはずがない」という冷ややかな声もかなり聞かれる。中でも気になるのは、共産党独特の意見表明の手法である「暗喩論」である。党の意志に忠実なように見せかけながら批判、諫言(かんげん)する伝統的なやりかただ。
論文後半では既に顕在化している食品価格高騰と、世界的な食糧危機の到来に触れている。中国の大豆輸入は世界最大で、そもそも工業化とともに食糧自給を放棄した歴史がある。グローバル経済が機能する良好な国際環境なしに、中国人の食卓は成り立たない。
論文の最後では国際テロ組織の復活という大胆な予想もしている。食糧危機と国際テロへの対処という2項目は、巨大な食糧輸出国で世界の警察でもある米国との良好な関係なしに解決するのは難しい。
「周力論文は特殊な形の諫言ではないのか」「食い止めにくい上層部の暴走に対し、形を変えて不満を表明している可能性がある」。共産党内の一部には、こうした見方さえある。
周力の経歴も興味深い。1989年のベルリンの壁崩壊から91年のソ連崩壊までの現代史を現地感覚で知り抜いている。外交官としてモスクワに駐在していたのだ。経済的に追い詰められたソ連の自壊を彼がどう分析しているのか大いに気になる。
■「男は一人もいなかったのか」
一方の習近平もソ連崩壊に思い入れが強い。その歴史を反面教師とする強烈な慨嘆の言葉を吐いているのだ。「最後はゴルバチョフの軽い一言でソ連共産党は解散した。党員の比率から見てもソ連は我々を超えていたのに。男は一人もいなかったのか。出てきて抗い戦うような……」。党のトップである総書記に就任したばかりの2012年12月、広東省で口にしたエピソードだ。
何としても共産党が統治する中国を守り抜く。「カラー革命」につながりかねない動きは断固、力で阻止する。そのための強硬手段の一つが、香港で突如、施行された香港国家安全法だった。米国をはじめとする自由主義諸国との関係が犠牲になったり、サプライチェーンの分断が起きたりしても致し方ない。そういう中国共産党独特の政治を優先する考え方である。
習近平の経済ブレーンとして米中貿易第1段階合意を取りまとめた副首相の劉鶴も最近、国内循環を主とした経済への転換に言及している。6月中旬のことだった。そこには、習が対米貿易戦争が勃発した初期に触れた毛沢東式の「自力更生」のにおいがする。
高級党官僚、周力による突然の最悪シナリオ暴露の真意はどこにあるのか。その言葉通り絶望的な米中経済圏の分断に突っ込んでいくのか。軍事的な衝突は本当に回避できるのか。世界中が今、注視している。(敬称略)』
中国の攻撃でナンバーワン企業破綻か、トップ継いだのはファーウェイ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-06/QCVGUTDWLU6F01?srnd=cojp-v2



『2004年当時、世界有数の大企業でカナダを代表する通信機器メーカーだったノーテル・ネットワークスから大量の書類がインターネット経由で中国に届き始めた。4月のある土曜日、午前8時48分のことだった。流出した800近い文書には顧客との会合での説明資料や米通信ネットワーク設計の詳細などに加え、最も厳重な扱いを要する情報であるソースコードも含まれていた。』
『急成長を遂げ光ファイバーデータ伝送システム市場で圧倒的な存在感を示していたノーテルは人材や話題を集める一方、ハッカーの標的にもなっていた。米中央情報局(CIA)のカナダ版、カナダ安全情報局(CSIS)は1990年代後半から「異常なトラフィック」を認識。中国を拠点とするハッカーがデータと文書を盗み出していると警戒を促していた。CSISのアジア太平洋部門を当時率いていたミシェル・ジュノーカツヤ氏は「オタワのノーテルを訪れハッカーたちが『知的財産を抜き取っている』と伝えたが、幹部らは何もしなかった」と語る。』
『2004年までにハッカーはノーテル最上級幹部のアカウントに侵入。当時の最高経営責任者(CEO)、フランク・ダン氏が中国に約800もの文書を送信した張本人に見えたが、犯人はもちろん同氏ではない。財務諸表の修正を余儀なくされた同社の会計不祥事でダン氏が解雇される4日前、何者かが同氏のログインで、上海ファシエン社(Shanghai Faxian Corp.)に登録されているIPアドレスにパワーポイントや機密性の高いファイルを転送した。同社はノーテルとの取引実態不明のダミー会社のようだった。』
『ハッカーはダン氏に加え、ノーテルが巨額投資を行っていた光学部門の6人のパスワードを盗んだ。「Il.browse」というスクリプトを用いて、製品・研究開発から設計文書・議事録に至る全てをノーテルのシステムから吸い取った。当時のシステムセキュリティー上級顧問でハッキングを調査した5人チームの1人だったブライアン・シールズ氏は、「掃除機のように、フォルダーのコンテンツ全体が吸い取られた」と振り返る。だがノーテルは適切な対策を怠り、単にパスワードを変更しただけだった。09年までに同社は破綻した。』
『誰がノーテルをハッキングしたのか、盗まれたデータが中国のどこに流れたかは誰にも分からない。だがシールズ氏やこの事件を調査した多くの関係者が、華為技術(ファーウェイ)を含む国内テクノロジー企業の育成を後押ししていた中国政府の関与を強く疑っている。ファーウェイは当時のノーテルに対するハッキングは知らなかったし、関与もしていないと説明。ノーテルから一切情報は受け取っていないとしている。 「ファーウェイにスパイ活動への認識ないし関与があったとの疑惑は完全に間違いだ」と同社はコメント。 不適切または不正な手段によって開発されたファーウェイの製品やテクノロジーは一切ない」と主張した。』
『確かなのは、衰退するノーテルからファーウェイが大口顧客を奪い、第5世代(5G)移動通信ネットワークでのリードをもたらした人材も引き抜いたということだ。 「明白で簡単なことだ。ノーテルで経済スパイ活動が行われたのだ」とシールズ氏は言う。 「世界のどの事業体がナンバーワンを引き継いだか、どれだけ急激にそうなったかを見たらよい」と話す。』
『日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によれば、中国の政策銀行、 国家開発銀行は05年、移動通信ネットワーク向けにファーウェイの設備を購入するナイジェリア政府に2億ドル(現在のレートで約215億円)を融資する際、1%という極めて低い金利を提示した(当時の指標金利は6%を超えていた)。1999年の国外売上高が5000万ドルだったファーウェイだが、2005年末までにはその100倍の50億ドルに急増。11年には当時のフレッド・ホックバーグ米国輸出入銀行総裁が主要7カ国(G7)の「どの国も国家開発銀行に近い水準の資金提供はしていない」と述べるなど、中国政府の支援を背景にファーウェイが世界中の重要な通信インフラの大半をいずれ保有するのではないかとの懸念が米国を中心に強まっていった。』
『サイバー攻撃は他にもよく知られたケースがあるものの、ノーテルへの攻撃は特にひどい部類に入るだろう。少なくとも2000年から09年まで長期間続き、シールズ氏によれば、その洗練された手口には民間企業ではなく国家の関与が明らかに認められた。
だが業績立て直しに精一杯だったノーテル幹部はほぼ無策だった。ハッキング発覚前に解雇されたダン氏には知らされず、後任CEOに就いたビル・オーウェンズ氏らノーテル側が行ったのはパスワード更新。そして、ファーウェイへの提案だった。オーウェンズ氏はファーウェイを創業した同社CEOの任正非氏と合併の可能性を巡って繰り返し会談。ノーテルのCEOをオーウェンズ氏から05年11月に引き継いだマイク・ザフィロフスキ氏は米モトローラ最高執行責任者(COO)時代、ファーウェイ買収合意に近づいた経緯もあり、同氏の下でノーテルとファーウェイはルーター・スイッチの合弁やイーサネット部門売却、さらには救済策の可能性さえ協議した。』
『これらはどれも実現しなかったが、ファーウェイにとって大した問題ではなかっただろう。破綻しつつあるノーテルで5Gテクノロジーの基盤を開発していた約20人をひっそりと採用したからだ。現在ファーウェイのワイヤレス事業最高技術責任者となっているウェン・トン氏もノーテルに14年間在籍。モントリールにあるコンコルディア大学で学んだ同氏はワイヤレス調査で100を超える特許に関与し、ノーテルの最も価値ある知財の幾つかを生み出した。
ファーウェイのリサーチ戦略・パートナーシップ担当幹部ソン・チャン氏はノーテル破綻までファーウェイは新たな技術を生み出す企業ではなく、改良と低価格を提供できる追随型の企業だったとの認識を示す。同氏もまた1990年代後半、ノーテルで働いていた。』
『次世代無線インフラの標準を定める2016年の業界会議では、ファーウェイが取り組んできた「ポーラ符号」が他のプロトコルと共に選ばれた。それまでこうした会議は欧米勢が牛耳っていたが、この時は全ての中国企業が米クアルコム開発の既存アプローチを支持する陣営に対抗。中国のレノボ・グループ(聯想集団)は当初、欧米案を支持していたが、最終的にファーウェイ側に回った。
この会議に参加していたシグナルズ・リサーチ・グループの創業者マイク・ザランダー氏は中国政府がファーウェイと足並みを乱さないよう自国企業に圧力をかけたのは明らかなようだったと指摘する。こうして、ファーウェイは5G開発の中心企業となった。』
『カナダでは18年12月、ファーウェイの孟晩舟最高財務責任者(CFO)が対イラン制裁違反に関係した銀行詐欺容疑を主張する米国の要請で逮捕された。創業者の長女である孟CFOの逮捕後すぐに中国でカナダ人2人が拘束されたが、これは中国による報復だと広く考えられている。カナダで保釈中の孟CFOは無実を主張。中国政府は企業のためにサイバースパイ活動を行っているとの疑惑を否定し続けている。ファーウェイは元中国人民解放軍エンジニアの任氏が香港に隣接する広東省深圳で1987年に設立した。
原題:Did a Chinese Hack Kill Canada’s Greatest Tech Company?(抜粋)
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61020530R00C20A7000000/


『これから世界は「梅雨」の季節に入るだろう――。アナリストを経て現在は東京理科大学大学院経営学研究科教授の若林秀樹氏は、米中対立が長期化すると予想する。現時点では平和的に対立を解消できる見込みが薄く、短期間に決着がつく様子もない。この対立は自由貿易などの基礎である「国際協調体制にショックを与える可能性がある」と同氏は言う。』
『英調査会社オムディアのコンサルティング・シニアディレクターの南川明氏も、かつての米ソ冷戦を引き合いに出して「第2の対共産圏輸出統制委員会(COCOM)規制の様相を呈する可能性がある」と述べた。その象徴が、ファーウェイやその子会社などが記載された「禁輸対象リスト(エンティティーリスト)」である。
米商務省は安全保障などに懸念がある企業を同リストに記しており、米企業は事実上、指定企業に製品提供・技術開示ができない。米国外の製品でも、米国由来の技術を一定の割合以上含めば抵触する。』
『特に5G基地局のシェアで世界トップ、スマートフォンでも世界2位のファーウェイに対しては、米国政府が本気で潰しに来ている姿勢がみえる。それが表れたのが、ファーウェイ傘下の半導体設計会社、海思半導体(ハイシリコン)の高性能な半導体チップを受託製造する台湾積体電路製造(TSMC)に対して、同社との取引をやめるように圧力をかけたことだ。』
『さらに、半導体設計支援ツール「EDA」大手の米シノプシス、米ケイデンス・デザイン・システムズなどにもエンティティーリストに記載された企業とは取引しないよう圧力をかけたもようである。半導体開発の最上流から息の根を止めようという算段だ。
さらに「現状は半導体を手掛けるファブレスメーカーがEDAツールを購入しているため、そこにハイシリコン社員が常駐すればツールを利用できてしまう。こうした抜け道も潰していくだろう」(南川氏)』
『米国政府の強硬姿勢は、2020年の大統領選挙で仮に民主党に政権が移行しても変わらない、と識者はみる。若林氏は「中国に対する圧力はオバマ前大統領の時代から続いている」、南川氏は「こうした動きは米通商代表部が主導している。かつての日米貿易摩擦の際は、政党が変わっても10年続いた」としている。』
『それでも、米国政府がもくろむようにファーウェイを弱体化させられるかといえば、話はそう単純ではない。若林氏は、5G関連技術については「ファーウェイ抜きでは標準化などの話が進まないのではないだろうか」と指摘する。
実際、ファーウェイは多くの標準化団体や業界アライアンスなどに所属しており、「(5G関連以外も含めて)その数は360以上、要職に就いている団体が300以上ある」(若林氏)
特許については、「19年3月時点で、5G標準必須特許を15.1%握る」(ニッセイ基礎研究所経済研究部上席研究員の三尾幸吉郎氏)』
『その力の源泉は研究開発(R&D)にある。「(5G関連技術以外を含むが)全従業員の45%、約8万人がR&Dに従事している。基礎研究に1.5万人、うち博士が6000人近くいる。19年は売上高の15%の約2兆500億円をR&D費用に回した」(若林氏)
つまり、ファーウェイを業界から排除し過ぎると、米国の5G、そして次世代の6Gの開発に遅れが生じてしまう可能性がある。
そこで米国ではファーウェイに対して制限をかけるだけでなく、一部で協調しようとする動きもみられる。例えば6月15日、標準化活動に限った米国企業とファーウェイの協業許可を発表している。米国は先端技術の開発競争のために、「制限と協調」を使い分けている。』
『それでは米中対立が長期化し、「国際協調」が揺らぐと、どのような問題が世界経済に発生するのだろうか。まず影響を受けるのが、製造業のサプライチェーンである。
南川氏は「(米国やその同盟国を中心に)中国にある工場の2~3割を自国に戻そうとするのではないか。『世界の工場』である中国に安価な賃金を求めた時代から変化の兆しがみられる」とする。』
『こうした「水平分業(生産地)の見直し」の動きは、結果的にコスト上昇を招く。モルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・アラン・フェルドマン氏はこの影響として「さまざまな製品でインフレが発生するだろう」と話す。
一例として、トランプ米大統領の支持者向けに生産された帽子を引き合いに出した。「製品の価格は米国製が25ドル、中国製が20ドルだった。この帽子のように自国生産することで価格が25%も上昇するかは分からないが、対立が続けば、あらゆる製品の価格が上がる可能性もある」(同氏)
もうすでに、企業活動で変化していることがあるという。各企業が保有する在庫量だ。「(米中対立と新型コロナウイルス禍を通して)完成品メーカー、部品メーカー、商社などが製品・部品などの在庫を抱えるようになった」(若林氏)。これまでは在庫を減らしてコスト効率を高めるのが是だったが、その常識が変わり、企業は難しいかじ取りを強いられている。』
『米中対立の日本企業への影響はどうか。複数の識者がソニーの名前を挙げた。最先端技術を詰め込み、世界で5割超のシェアを握るCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを開発・製造しているためだ。複数の識者が「ファーウェイのスマホの出荷台数が減少すれば、業績に悪影響が出る」と指摘する。
さらに懸念されるのが、米国がエンティティーリストと別に、政府機関における調達に関して、一部の中国企業を指定して排除している点だ。18年8月13日に米議員の賛成と、トランプ大統領の署名で「国防権限法」が成立した。
同第889条を基に2019年8月13日から中国企業の取引を規制している。指定を受けているのが、ファーウェイ、通信機器を手掛ける中興通訊(ZTE)、世界最大シェアの監視カメラメーカーである杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、世界シェア2位の監視カメラメーカーの浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、無線機器を手掛ける海能達通信(ハイテラ)の5社である。
さらに米国は今年8月13日から、この中国5社の製品・サービスを主要なシステム・重要な技術として利用するあらゆる企業も政府機関の調達先から排除する。
当然、日本企業も対象になる。19年の規制と比較すると対象範囲が格段に広くなるため、同法の影響を受ける企業も出てくるかもしれない。』
『これまで米国に一方的に攻められているようにみえる中国だが、何らかの反撃に出る可能性はないのか。例えば、フッ化水素の原料となる蛍石の輸出制限など、資源をネタに揺さぶりをかける方法だ。フッ化水素は半導体製造に必要な材料の1つで、中国は蛍石の産出量で約60%の世界シェアを持つとみられる。
この仮説に対しては、「中国は5G技術で先行しているものの、他の多くの研究分野は米国が優勢だ。強硬路線は取りづらいのではないか」(三尾氏)、「中国も米国も共倒れになるような方針は取れないだろう」(南川氏)という意見が出た。』
『一方で、中国が米国と同盟国の市場から締め出しを食らった場合、独自の広域経済圏構想「一帯一路」で友好国を確保して米国に対抗できるのか。これに対してフェルドマン氏は、「中国が他国と友好な関係を築けたかというと必ずしもそうとはいえない。セメントや鉄鋼を輸出したいという中国側の都合が目立つからだ」と述べる。』
『いずれにせよ、こうした対立は消費者に不利益しかもたらさない。フェルドマン氏は「米国であれ、中国であれ、国家が消費者のニーズを無視して製品・技術をコントロールすべきではない。市場の独占など新たな問題も発生する。お互いにより良い技術の開発を目指すべきだ」と主張する。
同氏は日本の姿勢にも注文をつけた。対立を傍観しているだけでなく、これを機に自らの競争力を高めるべきだという。「日本も『STEM(科学・技術・工学・数学)教育』などに積極的に投資し、IT(情報技術)技術などに造詣が深い人材を生み出してほしい」(同氏)と述べた。
(日経クロステック/日経エレクトロニクス 野々村洸)
[日経クロステック2020年6月30日付の記事を再構成]』
※ 「机上空間」さんが、読んでおくべきと思われる記事を、最近次々と上げている…。
3本、紹介しておく…。
最近の中国巡視船による尖閣諸島付近の活動は、日本社会への踏み絵 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23017977.html
立ち枯れる一帯一路 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23013412.html
序列で全てが決まる共産国家 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23008110.html
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200707-00186925/
※ このところ、遠藤誉氏の記事は、参考になるものが殆んど無いように感じていたので、あまり重視して来なかった…。
この記事は、久々で参考になった…。
『これらは全て、習近平の父・習忠勲が残した負の遺産からの脱却であることも見えてくる。6月18日付のダイヤモンド・オンライン「中国コロナ批判の逆風下、習近平が香港統治をゴリ押しする隠された理由」でも詳述したが、香港返還に当たり、コモンローを受け入れると最初に言ったのは習近平の父・習忠勲だ。1983年のことである。
習近平にはその負い目があり、自分が国家主席である間にコモンローであるが故の司法の問題を何としても解決したいと思っている。次期指導者の政権まで未解決のまま残すと、今は亡き父親が又もや批判の対象となるかもしれないと恐れている。何と言っても父親は毛沢東によって反党分子のレッテルを貼られ、16年間も牢獄生活を送った歴史(冤罪ではあっても「前科」)を持っている。』という話しは、知らんかった…。
「資本主義」ということが言われているので、オレの理解を語っておく…。
「資本主義」とは、「資本自由主義」ということで、「生産手段」「利益を産出するもの」である「資本」の、自由な活動を「国家として」「法秩序」として「認める」ものだと、考える。平たく言えば、「自由に利益を獲得すること」を認める、「獲得した利益を、自分のものにする(私有する)こと」を、国家として、法秩序として認めるという制度だ、と考える。
その前提として、人間の生存・生活にとって、「私有財産(自分のものである財産)」は、必要欠くべからざるものだ…、という認識がある…。
そのさらに前提として、そういう「私有財産」は、「人間としての尊厳」には、必要欠くべからざるものだ…、という認識が横たわっている、と考える。
しかし、現実社会においては、こういう「自由」を制度として肯定すると、「格差」が拡大してしまう…。「自由競争」の名の下に、「利益を獲得していく」能力に差異がある以上、それに長けている者とそうでない者の差異が生じてしまうからだ…。
その「弊害」「問題点」を鋭く抉り出したのが、カール・マルクスの「資本論」なんだろう(全部を読んではいない)…。
「人間としての尊厳」に資するものだったはずの制度が、結局は「人間としての尊厳」を破壊してしまうことになるという、大矛盾だ…。
さりとて、この「私有財産」を否定して、「共産革命」なるものを起こして、資本家・大地主を打倒し、彼らからその「私有財産」を実力で奪取したところで、次の問題が生じる…。その「財産」を、どう「管理」していくのか、「誰が」管理していくのか、という問題だ…。「国有財産」「公有財産」「共有財産」と呼称を変えたところで、「どのように・誰が管理していくのか」という問題は、消えて無くなるわけじゃない…。
「財産」というものが、「人間の生存」にとって必要不可欠であるということは、消えて無くならないし、数が限られている以上、それの争奪戦、あるいは、「その管理権」の争奪戦は、消えて無くなるものじゃない…。
人は、永遠にそういうことを、争っていく存在なんだろう…。
モディ首相、中国SNSでのアカウント削除 習主席との写真も
https://www.epochtimes.jp/p/2020/07/58699.html
西岸併合に踏み切れない5つの理由、焦り深まるネタニヤフ首相(佐々木伸 (星槎大学大学院教授))
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20125
『ネタニヤフ首相は1年間で3回も繰り返された総選挙の中などで、西岸や東エルサレム周辺のユダヤ人入植地を併合するとの公約を訴えてきた。入植地は現在、130カ所以上に及び、約60万人のユダヤ人が居住、パレスチナ和平交渉の大きな障害になってきた。
このため歴代の米政府は入植地の拡大を凍結するようイスラエルに求めてきたが、トランプ政権は今年1月、入植地を中心に西岸の30%をイスラエル領に併合し、係争の聖地エルサレムをイスラエルの永遠の首都と認める代わりに、残りの70%に「パレスチナ国家」を樹立するという和平案を提示した。しかし、パレスチナ側はイスラエル寄りの案だとして即座に拒否、和平交渉は完全にストップした。』
『この提案を受けたネタニヤフ首相は「歴史的な機会」と歓迎し、トランプ政権の同意を得た上で、7月1日にも併合の決定を発表する意向を示した。しかし、当初は併合に青信号を与えていた同政権が途中から急ブレーキを踏んだ。米国の中東和平チームはトランプ大統領の娘婿でユダヤ人のクシュナー上級顧問が率い、フリードマン駐イスラエル大使が支えてきた。』
『併合に前のめりのフリードマン大使に対し、ブレーキを踏んで「待った」を掛けたのはクシュナー氏だ。同氏はトランプ氏の事実上の選対本部長を務めており、併合が再選にとってプラスになるかを慎重に見極める必要があるためだ。トランプ氏の最大の支持基盤であるキリスト教福音派はイスラエルを支持しており、和平政策も同派の意向に大きく左右される。』
『しかし、同派筋によると、「福音派の大部分は併合に関心がない」。つまり併合は大統領にとって限定的な効果しか見込めず、逆に併合でパレスチナ人が蜂起するなどして現地情勢が混乱すれば、同派に支持離れが起きる恐れがあるという。クシュナー氏が「待った」を掛けたのはこうした事情による。首相が併合に踏み切れない理由の1番目がこの米国のブレーキだ。
米国や現地メディアなどによると、クシュナー氏はまた、パレスチナ人を米提案に基づく交渉に参加させるため、「併合カード」を“テコ”に利用しようとしており、首相が併合の発表をしてしまえば、このカードを使うことができなくなることも慎重になっている要因の1つだ。』
『だが、ネタニヤフ首相がトランプ政権のこうした姿勢にヤキモキしているのは想像に難くない。米選挙情勢は民主党のバイデン前副大統領がトランプ大統領に対し優位にある。バイデン氏は併合に反対しており、トランプ氏が敗れるようなことになれば、首相は併合の機会を失ってしまうかもしれない。』
『理由の第2番目は、連立政権を組む「青と白」率いるガンツ副首相兼国防相が「新型コロナウイルス対策を優先すべきだ」などとして一方的な併合に反対していることだ。ネタニヤフ首相とガンツ氏は連立協議で、1年半ずつ首相を務めることに合意しており、汚職裁判中の首相の任期は21年の9月までだ。
ガンツ氏は米国の和平提案の一括受け入れを主張。「西岸の30%の併合」だけに同意して、「パレスチナ国家樹立や入植地の凍結」は拒否するという“いいとこ取り”は認められないとの立場だ。しかも同氏は隣国ヨルダンのアブドラ国王が併合に同意することを条件に付けている。この国王の同意問題が3番目の理由だ。
西岸は元々、1967年の第3次中東戦争でイスラエルに占領される前はヨルダン領だったが、その後ヨルダンがパレスチナ人のために領有権を放棄し、イスラエルとも国交を結んだ。しかし、国王は今回、米和平案やネタニヤフ首相の併合方針には強く反対、首相が電話を掛けても話すことを拒絶するなど関係が急激に悪化している。
このため、国王を説得できなければ、ガンツ氏の条件を満たすのは難しく、首相が併合方針を推進すれば、連立政権が崩壊する恐れさえある。首相にとって頭が痛いのはこれだけではない。軍や治安関係の元指導者らが併合に反対している点だ。これが第4の理由だ。
軍や治安関係者の見解は敵対国に囲まれているイスラエルにとって、首相とはいえ無視できないものだ。彼らの反対の理由は、併合により自治政府と対立してパレスチナ側の治安機関の協力がなくなれば、イスラエルの治安が一気に悪化するというものだ。イスラエル治安当局がパレスチナ内部の過激派をすべて監視することは不可能だからだ。』
『だが、ネタニヤフ首相にとっては意表を突かれた反発もある。それは他でもない入植者の反対だ。これが第5の理由だ。入植者の大半は当初、米国の和平提案と首相の併合方針に諸手を挙げて賛成した。しかし、提案が入植地の併合と引き換えに、パレスチナ国家を樹立するという「2国家共存」を盛り込んでいることに拒否感が広がった。
入植者らの懸念は、米国の提案ではこれ以上の入植地の拡大はできないこと、パレスチナ国家が樹立された場合、入植地はその中で孤立し、いわば「パレスチナ人の海」に取り残されてしまうことだ。首相は入植者らを説得しているが、辛うじて入植者の約半数の賛同を得られただけだとされる。だが、公約が入植者の反対で実現できなければ、首相のメンツは丸つぶれとなる。』
『このため現在首相周辺で浮上しているのが「公約通り併合はするが、米国やヨルダン、ガンツ氏を刺激しないよう、併合対象をエルサレム周辺の入植地だけにとどめ、これを併合第一弾として公表する」案だ。首相は公約を実施したとしてメンツを保ち、今後順次併合していくという姿勢を見せて、八方ふさがりの状況を乗り切るという思惑だ。』
『しかし、首相に対しては基本的に併合に賛同するイスラエルの保守派からも「なぜ寝た子を起こすのか」(米紙)と批判が噴出している。西岸をイスラエルが実質的に支配する現状は同国にとって悪いものではない。西岸の治安はパレスチナ側の取り締まりによって安定しており、和平交渉がストップしていてもパレスチナ人の抵抗は小さい。しかも国際社会はイスラエル支配を黙認し、アラブ諸国との関係改善も徐々に進んでいるからだ。
「イスラエルにとって現状は最も望ましい状態ではないか。パレスチナ独立国家樹立が絶望的になる一方で、パレスチナ側からの反発も暴力的なものではなく、国際的にも和平の推進について圧力がない。なぜ、併合という形式にこだわり、“平時に乱を起こす”ようなことをあえてやるのか。ネタニヤフには戦略がない」(ベイルート筋)。ネタニヤフ首相の決断はイスラエルに大きな危機をもたらすかもしれない。』
中国、東シナ海でも軍事演習 3海域同時で影響力誇示
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61179680V00C20A7PE8000/

『【北京=羽田野主】中国国営中央テレビ(CCTV)は5日までに、人民解放軍が南シナ海だけでなく東シナ海と黄海でも軍事演習をしたと伝えた。3海域同時の演習は異例だ。米国との対立の深まりを受け、同海域での影響力を誇示する狙いがあるとみられる。
CCTVは東シナ海を所管する東部戦区の海軍がミサイル駆逐艦を投入し、軍用ヘリコプター2機と連携して正体不明の船舶を拿捕(だほ)する様子を伝えた。台湾や沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)を意識している可能性がある。
黄海を所管する北部戦区では護衛艦が海上の目標に向かって実弾射撃訓練する場面を伝えた。南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島の海域でも1~5日まで船舶の航行を禁止し海上の射撃訓練をすると通告している。
国営メディアは「三大戦区で大演習だ」と誇示した。中国の軍事関係筋は「米国やインドなどと緊張が高まり、国内で不安視する声が広がっている」と話す。』
『南シナ海では中国の演習と同時期に米軍が原子力空母2隻を派遣し、大規模な軍事演習を実施している。
米中が同時期にそれぞれ実施するのは異例で、同海域での緊張拡大が鮮明になった。中国としては対外的に強い態度を示して国内の不満をそらす狙いも透ける。
対米外交を巡っては6月に中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員がハワイの米軍基地を訪れた。ポンペオ米国務長官との緊張緩和を巡る協議は平行線に終わったとみられている。』
『中国の香港への統制を強める香港国家安全維持法の制定を受け、日米欧は反発を強めた。
米上院本会議は7月2日、香港の自治の侵害に関わった中国共産党員や金融機関への制裁を可能にする「香港自治法案」を全会一致で可決した。
自民党の外交部会などは3日、延期している習近平(シー・ジンピン)国家主席の国賓来日を中止するよう政府に求める決議案をまとめた。』
『習指導部は中国で新型コロナウイルスのまん延がピークを越えた3月以降、海洋進出を活発化させてきた。
海上保安庁は7月5日、尖閣周辺で4日に領海侵入した中国海警局の船2隻が5日夕まで領海内にとどまっていたと明らかにした。3日に記録した30時間17分を超え、2012年の尖閣国有化以降で最長を更新した。
中国外務省の報道官らはオーストラリアやカナダなどに対しても挑発的な言動をする「戦狼外交」を繰り広げる。
北京の外交筋は「中国が緊張をつくり出し他国の反発を受けてさらに強硬になるという悪循環だ」と指摘する。』