プーチン大統領に必要なもの、歴史ではなく国民を団結させる記憶の構築
https://grandfleet.info/russia-related/what-putin-needs-building-a-memory-that-unites-the-people-not-history/
『Kyiv Independentの取材に応じたジェイド・マクグリン博士は「プーチン大統領は国民を団結させる記憶の構築にしか興味がない」「政権関係者は修正された歴史やウクライナ人に対する見方を疑わず、ロシア人は解放者や英雄として迎えられると本気で信じていた」と指摘した。
参考:Historian Jade McGlynn: Putin 100% believes Russia’s distorted history
プーチンの見解によればロシアは大国なのでウクライナは「ロシアの植民地」になるか「西側の植民地」になるかのどちらか
プーチン政権の歴史修正について何年も研究・分析を行ってきたジェイド・マクグリン博士は「ロシア人の国家に対する根本的な考え方は『国民』ではなく『国家』で、この国が暮らしていくのに素晴らしい国ではないとも理解しているが、ロシアにおける権力や力はそういった点で評価を受けない」「この戦争はロシアの概念で問題が解決されるまで続く」など興味深い見解を披露しており、これを要約すると以下のようになる。
出典:Президента России
Kyiv Independent:プーチン大統領とカールソン氏のインタビューについてどう感じたか?
殆どの歴史家とってフラストレーションが溜まるものだったに違いない。
私はロシアが専門なので特に驚くような内容とは思わなかった。このインタビューでプーチンが語ったのは政治的な歴史であり「公的な国家の記憶」だが、私が話をしている歴史とは「文化的記憶」だ。
歴史とは「何が起こったのかを正確に解明すること」を意味するが、プーチンは自身の政権を正当化するため「他国に対して国民を団結させる記憶の構築に過去を利用すること」ということにしか興味がない。
Kyiv Independent:プーチン大統領はロシアの歴史について1000年以上前、現在のウクライナ、ロシア、ベラルーシの一部に勢力を持っていたヴァイキングのキエフ・ルーシから始まったと主張している。これらの領土に対してロシアは領有権を主張しているのだろうか?
仮にロシアがキエフ・ルーシの後継者だったとしても国際法、領土主権、国際的に認められた国境など「不都合なもの」が存在するため、ウクライナやベラルーシに対して何らかの権利を有しているということはない。
但し、ロシアがキエフ・ルーシの後継者であるという考え方はプーチンにとって非常に重要だ。
これは2022年に憲法にも書き込まれており、もはやプーチン個人ではなく政権全体におけるイデオロギーのコアになっている。
出典:Post of Russia
ロシアが本質的に大国で優れた文明を持つ国であるという考え方は、ロシアがキエフ・ルーシの後継者であるという考え方に繋がり、その源流はビュザンティオンとの繋がりにまで遡ることができる。
何故ならウクライナ人、ベラルーシ人、ロシア人が本質的に一つの民族だったということになり、このアイデアが我々を何処に導いたのかも知っている。
これは「ロシアの存在が非常に独特で歴史的本質に由来する代替文化である」という考え方に導かれ、これらの要素をプーチンが発明したわけではないという点が興味深い。
例えばイヴァン4世はツァーリに即位中、モンゴル帽(恐らくモノマフの冠のこと)を被ることでキエフ・ルーシの正当な後継者であると主張していた。
動乱後のロマノフ朝でも「リューリクの子孫である」という考え方は、彼らが皇位につく正当性を担保する上で非常に重要だった。
ソ連時代を除くロシアの指導者達は一貫してウラジーミル、デンマーク人に言わせればヴァルデマーを支配の正当性のため利用してきたのだ。
重要なのは「なぜロシアは自らをキエフ・ルーシの後継者」と示す必要があるのかで、ロシアがヴァイキングの後継者として振る舞いたいだけなら「歴史的に不正確」と片付けることが出来る。問題はキエフ・ルーシの後継者と示すことで何がしたいかだ。
出典:Public Domain
Kyiv Independent:では、ロシアの歴史はいつから始まったのか?
非常に難しい問題だが、現在のロシアについて語るのなら「1991年」と答えるのが一番簡単だ。
もっと概念的な話がしたいのならモンゴル帝国時代のモスクワ大公国の台頭まで遡って、国家としての歴史的起源を見るけるほうが簡単だと思う。
そうすればモスクワ大公国から歴史的に微かな繋がりをもつキエフ・ルーシまで遡ることができる。
ロシアが1000年もの歴史をもつ国だという考え方は、多くのロシア人に「魅力的な不変性」と「歴史的本質主義」をもたらす。
なぜならロシアは100年間の間に自由であったはずの国家崩壊(2月革命などのこと?)を2回も目撃しているためだ。
そのため永続的に続くものがロシアにあると示す必要があり、プーチンはそのロシアにとって最も新しい指導者に過ぎない。
Kyiv Independent:プーチンの主な主張の1つに「ウクライナは人工的に作られた国家」とあるが、人工的ではない国家は存在するのか?
全ての国家は人工的なものだ。
ベネディクト・アンダーソンの著書(想像の共同体)によれば「国家は想像の産物」に過ぎないが、それでも国家という現実味が失われる訳では無い。
人々は一定以上の要素によって団結することが出来るものの、その要素は国によって様々だ。
出典:Президента России
英国では伝統や歴史によって人々が結びついているのかもしれない。
米国はもっと思想的なもので、ドイツのように伝統的な民族性を重視する国もある。
ロシアにとって問題なのは、このような想像上の共同体が存在しないことだ。
ウクライナは19世紀に中東欧で見られた一般的なナショナリズムを経験したがロシアにはそれがない。
つまりロシア人の国家に対する根本的な考え方は「国民」ではなく「国家」なのだ。
多くの人が「本当に多くロシア人が犠牲になっている。この事は『ロシアが偉大な国家である』いう考え方に何の影響も与えないのか」と尋ねるが、偉大な国家が必ずしも住みやすい国であるとは限らない。
ロシア人は馬鹿でないため「この国が暮らしていくのに素晴らしい国ではない」と理解しており、ロシアにおける権力や力はそういった点で評価を受けることもないのだ。
Kyiv Independent:プーチンがウクライナの人工性を語る際、ウクライナ人の意思や意見は決して取り上げられない。
では、彼の歴史修正にはウクライナ国民は勿論、ロシア国民も無関係なのか?
正直に言えば大きな影響を及ぼさない。
ロシアでは歴史を書き換えることで大衆文化を作り変える大規模な取り組みがあった。
ロシア人が放送する戦争映画で描かれるウクライナ人はとても興味深い。
自分たちの立場を弁えている兄弟は「善良なウクライナ人」として、ヴィシヴァンカを着てウクライナ語を話し、伝統的なオセレーデツィの髭を生やすウクライナ人は「ナチの協力者」として描かれ、ロシアは2014年以降、一貫してウクライナ人を善と悪に分けて描写してきた。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
そのため政権内部や治安当局者の多くは「善良なウクライナ人」が「西側諸国から資金援助を受ける過激派の悪いウクライナ人」によって苦しめられており、ロシア人は解放者や英雄として迎えられると本気で信じていた。
つまり歴史の活用は単なる正当化要素や説明要素ではなく、現実に影響を及ぼす要素なのだ。
この手のプロパガンダが過激になればなるほど国際社会におけるロシアの立場、あるいは欧州に対するロシアの立場が不安定になり、歴史的優劣におけるコンプレックスも強くなり、人々はそれにしがみつくようになるだろう。
Kyiv Independent:プーチンは自身の言っていることを信じていると思うか?本当の歴史というものがあるのなら、プーチンはロシアやウクライナの本当の歴史を知らないのか?
彼は自分の言っていることを100%信じているだろう。
欧米の指導者が犯した過ちの1つは「プーチンは本気で言っている訳では無い」と受け取ったことだ。
ロシアの政治体制は米国と同じ合理性の尺度に従っておらず、例えばロシアの安全保障戦略を見ると歴史的記憶について38回、文化について40回も言及している。
一方の米国の戦略には歴史的記憶について言及がなく文化への言及は1回だけだ。
出典:93-тя ОМБр Холодний Яр
この事は安全保障に対する考え方の違い、こういった歴史的物語がロシアの存在にとって如何に重要であるかを示唆している。
だからと言ってロシアの考え方を尊重する必要はないが、これを理解すればウクライナにおけるロシアの動機解明に役立つだろう。
プーチンがウクライナに関して発言した内容を見れば、2014年にウクライナの土地をもっと与えていたとしても問題は解決しないという証拠が沢山見つかる。
ウクライナとの戦争は世界秩序を再構築するためもので、ロシアにはそれを行う権利も必要性もあり、ロシアは大国でウクライナは植民地なので「ロシアの植民地」になるか「西側の植民地」になるかのどちらかしかないというのがプーチンの見解だ。
Kyiv Independent:多くの独裁者が歴史修正を試みて武器化したが、ロシアの歴史修正はどのような特徴があるのか?
1つ目は歴史修正の激しさで単純に激しいだけだ。
2つ目は私が歴史的枠組みと呼ぶもので、これは歴史の類似性を利用して過去から現在を理解することを意味する。
これ自体は我々も使用するが、ロシア人はこれをアンカーとして打ち込んでくるためプロパガンダとして非常に効果的だ。
出典:Seencleyr/CC BY-SA 4.0
Kyiv Independent:プーチンの歴史修正は成功していると思うか?
残念ながら一部の歴史修正は成功している。
この効果は国によって異なるが、米国では「ロシアは大国なのでウクライナを支配する権利がある」という考え方に共感が集まっている。
英国では「キーウやクリミアがロシアの最初の首都だった」という考え方が存在する。
Kyiv Independent:国家のアイデンティティを構築するため、多くの国でも神話化された歴史を利用していると思う。
しかしロシアの歴史に対する執着はいつから暴力や侵略に変化したのか?
これはウクライナがロシアの一部ではなくウクライナとして存在したと考え始めた時点で始まっていた。
この酷い戦争は「誰がキエフ・ルーシの後継者なのか」という議論では解決せず、ロシアの概念で自国と世界における役割を解決するまで続くだろう。
それまではロシアが欲望のまま行動するのを阻止する努力が必要だ。
関連記事:旧ソ連諸国、西側諸国の多くはロシア人のメンタリティーを理解していない
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※アイキャッチ画像の出典:Президента России
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ロシア関連 コメント: 42 』
『 金 国鎮
2024年 3月 12日
プーチンはロシアの政治家では例外的に文化・経済そして政治と講演会で良く話をする。
これに対抗できるNATOとアメリカの指導者はいない。
ウラジオストックの東方経済フォーラムの講演内容はプーチンの努力を示す内容だった。
これからは休戦に向けての努力だろう。
プーチンが今北朝鮮に理由は何であれ大量の食糧援助を開始した。
正確にはプーチンのロシアは北に食糧援助を送ることに成功したと言っていい。
金正恩が初めてプーチンには心を開いた。
北とはそういう体制の国でしかない。
多くの北の住民が救われるだろう。
これはいずれ東アジアに大きな変化をもたらすだろう。
11 』
『 kitty
2024年 3月 12日
ロシア人の行動原理の「タタールのくびき」の影響には触れられていないのですね。
17
2024年 3月 12日
返信 引用
そこに触れると、ポーランド支配が続いたヨーロッパ側のウクライナ。
モンゴルに支配され、トルコに支配されてたアジア臭がするウクライナ。
ウクライナの2面性、ウクライナの一体性のなさを直撃するからね。
個人的には歴史を理由にして、ドイツとオーストラリア、スイスが別の国なんだから。ウクライナも別の国で良いような気もするが。
ウクライナが分裂したら緩衝地帯を無くしたいNATOの戦略と合わないからね。
8 』
『
理想はこの翼では届かない
2024年 3月 12日
正直、素人がアカデミックな議論に首を突っ込むべきでは無いと思いますし、この学者先生の主張も理解できます
しかし、本質的にはウクライナ紛争は「弱小国が自身の立場を忘れて無謀な外交・内政を行った結果」だと言えるので、歴史的正当性を主張されても「それがどうしました?」としか感じません
理想論かつ結果論ですが、ゼレンスキー大統領はひたすら面従腹背の姿勢を取り、時間を掛けて水面下でNATO加盟国と協議して電撃的なNATO加盟を果たすぐらいの事をすべきだったと思います
26
ibtpm3
2024年 3月 12日
返信 引用
>本質的にはウクライナ紛争は「弱小国が自身の立場を忘れて無謀な外交・内政を行った結果」
弱小国は強国に叩頭し続けなければならない、という意見は弱小国の主権を無視していると思います。
ドンバス戦争が続いている間はNATOに加盟ができませんし、面従腹背の姿勢を取り続けていても何も変わらないでしょう。
本当に理想論かつ結果論な意見です。
また台湾は日米と関係を深化させていますが、台湾(弱小国)も自身の立場を忘れて無謀な外交・内政を行っているのでしょうか。
20
Easy
2024年 3月 12日
返信 引用
我々日本は弱小国としてアメリカに叩頭し続けておりますよ,戦後70年ぐらい連続で。
主権国家として在日米軍を叩き出したいのは山々ですが、それをやってしまうとウクライナのような目に遭うわけです。
弱小国の悲哀ですね。
8
774
2024年 3月 12日
返信 引用
>弱小国は強国に叩頭し続けなければならない、という意見は弱小国の主権を無視していると思います。
「立場を弁えた外交内政=弱小国は強国に叩頭し続ける事」ではないですが場合によってはそれも必要でしょう?
少なくとも我が国も米中露の顔色を伺っている立場にあるわけですし、それら3国を相手取って独自路線を貫く力も無い。
侵略をしたのはロシアですが、それを招いたのはゼレンスキーと言われてもおかしくはないです。
16
あああ
2024年 3月 12日
返信 引用
弱小国の主権は大国から見てそれを踏みにじるための政治的、経済的、軍事的コストがそうしないコストより大きいから表向き尊重されているだけに過ぎない、
そんなにウクライナの主権が重要なら戦時中だろうが何だろうがNATOへの加盟を即時承認して核戦争のリスクも冒して直接参戦すればいいだけのこと。
そうしない時点ですでにウクライナの主権と直接参戦のコストを天秤にかけて後者の方が重いという判断を下してしまっている。
西側は口だけ「主権を尊重」とはいうが、イスタンブール交渉を邪魔した挙句に兵器もロクに送らずウクライナ人を無駄死にさせている(建前はウクライナ人の決断ということにしている)。ロシアが強盗なら西側は詐欺師。どちらにせよウクライナは財産を奪われていることに変わりはないわけで、どちらの犯罪が高尚なのかという議論は無意味。
台湾にせよウクライナにせよ緩衝国家はどちらにもつかないか、どちらかにつくならケツ持ちをしっかりしてから旗幟鮮明にしないといけない。ウクライナはそれに失敗した(詐欺師の口車に乗ってしまい強盗に押し入られた)ということ。
6
2024年 3月 12日
返信 引用
子供の頃から何で大国に潰されず弱小国が存在し続けるかが不思議だった。
現時点での私の答え。
・外交
大国の間のバランス外交か、大国の子分になるか。
大国無視外交、単独での完全自立は非常に難しい。
・軍事
攻撃3倍の法則じゃないけど、要塞化、地形や補給などで守備側が有利だったりする。
流石に10分の1とかだと苦しいけど。
スイスとかは、ドイツ、イタリア、フランス、オーストリアの緩衝国で永世中立。戦略・戦術的に価値がなかったわけではなく、バランス外交の産物と思っています。
>また台湾は日米と関係を深化させていますが、台湾(弱小国)も自身の立場を忘れて無謀な外交・内政を行っているのでしょうか。
現状だと、15年前とそんなに変わらないと思う。
30年前?だと台湾・中国直通便はなかったけど、今ですら普通にあるからね。
独立、米軍基地設置、米軍と同盟だと、戦争まっしぐらだけど。
中国・台湾の外交が変化したというよりも、アメリカ・日本の国民・外交が変化してしまって、台湾外交がその影響を受けている可能性もある。
8 』
『 2024年 3月 12日
戦争前、ウクライナ国民は東部南部を中心に親欧米親ロシアのバランス派が多数派だと思う。
ゼレンスキーの対立候補は親欧米反ロシアのマイダン革命を起こした勢力。ゼレンスキー当初支持したのはバランス派。
でもマイダン体制は欧米とウクライナ民族主義者と親欧米派が作った親欧米反ロシア体制なので、それ以外の選択肢が取れない。
ゼレンスキーは裏切った。
NATO加盟志向こそが自殺行為。
12
general
2024年 3月 12日
返信 引用
同じ東スラヴ語圏のベラルーシと同様に中立政策を続けて緩衝国やってる方が西欧にとってもロシアにとってもすみわけが出来て幸せだったのは確かでしょうね
ウクライナ国内の親EUと親露の比率考えてもそうとしか思えない
9
犬の〆
2024年 3月 12日
返信 引用
ほんとうに。
せめてプーチンが死ぬか、ロシア周辺の状況が変わるまで日和見を続けていればこんなことにはなっていなかったかもしれません。
まあ、焚きつけた誰かがいたんでしょうが、今となってはそれが誰だったとしても(真実は知る由もない)、この戦争の結果は皆が等しく受け入れるしかないでしょうね。
5 』
『 Active Present
2024年 3月 12日
ロシアとロシア国民のアイデンティティはスラブ主義と正教会抜きには成り立たないんだからそんなこと言ってもねという感じがする。歴史修正とか文化的記憶といった概念自体が西ヨーロッパ的だし。
プーチンが語っているのは「公的な国家の記憶」ではなく「ロシアの大地の記憶」なのだから、(あくまでも)彼らに言わせれば、それこそが文化を支えてるものに他ならない。
ロシア内の右であれ左であれ(ドストエフスキーであれトルストイであれ)、彼らはスラヴ精神に基づいて生きているのだから、そこへの理解がないと話は平行線にしかならない。
ロシアも西の精神には耳を傾けないし、まあだから挟まれてるウクライナを舞台に戦争になってしまったのは自然な流れではあると思ってしまうけど。
20
Active Present
2024年 3月 12日
返信 引用
自己レス
これはつまりロシア大地と国家と神と人間が切り離せないということ。
カールソン氏とのインタビューで面白かったところだけど、プーチン大統領が「実用性を重視する西洋に対してロシアは道徳的なものや永遠的なものについてもっと考えてる」といった時、この言葉を欧米精神で捉えてしまうカールソン氏は「超自然的なものがそこに働いているということですか?」なんていう神秘主義を念頭にして返答をしてしまう。
ロシアからすれば、それらは自然を超えているところにあるのではなくて、自然の根本にあるのだから全く話が合わない。
13
犬の〆
2024年 3月 12日
返信 引用
ご意見、大変参考になりました。私も同感です。
私見ですが、プーチンにはロシアが憑依しているっていってもいいのかもしれませんね。習近平にも同じようなものを感じます。
そのため、彼らの言動は西欧文明のロジックからみれば「理解できないゲームをする人」という評価に繋がるのかと。
しかし、中央アジア的なロジックから見れば、強制力を伴う力の行使は至極当然で、それを理解しない西欧は、彼らの目には文化的な脅威と映っていたとしてもおかしくはないでしょうね。。
7 』
『 ぱんぱーす
2024年 3月 12日
カールソンのインタビューでもプーチンはまずロシアの歴史を説明する長い話から入っていましたね。
カールソンがそれは重要なのですか?と聞き返していたのが印象的です。
プーチンが自らのロシア史観を重要なものだと位置づけて居て、それを構築しようとしてるのはその通りだと思うんですがロシアにナショナリズムが無いというのはどうなんでしょう。
ロシア正教等の宗教文化もありますし、独自の食文化や民族文化もあり「想像の共同体」を持つに至るには十分な蓄積があると思います。
ウクライナにはあって、ロシアにはそれが無いと言われても首を傾げてしまいますね。
4 』
『 名無し
2024年 3月 12日
まあキエフ大公国からロシア、ウクライナ、ベラルーシが誕生し何れもリューリク朝の人間が君主を務めていたのでこの三国ともキエフ・ルーシが祖であること自体は間違いなく、これを含めるとロシアの歴史は1000年以上というのも正直間違いではありませんからね(イギリスでウェセックス王国やフランスでフランク王国が自分たちの歴史の一部であると共に起源と見なしていたり、王朝や国名が変化しても同様に同じ国であり、歴史を共有していると認識しているように)
とはいえ、プーチンがウクライナに望んでいるのは完全な植民地化ではなく、恐らくベラルーシのようにロシア寄りの親露派政権を維持した状態での中立化(西側との緩衝地帯化)という感じなのではないかと個人的には思っていますな
5 』
『 gepard
2024年 3月 12日
社会主義イデオロギーはソビエトの崩壊と共に消滅し心の拠り所を喪失した。
西側への淡い期待も資本主義経済化の混乱の中で不信へと変わった。
失業者はアルコールに逃避し自殺率は急上昇した。犯罪組織が国中を買い物にし、軍はチェチェンゲリラの掃討すら出来ず、モラルなきオリガルヒが隆盛を極めた。ソ連時代の科学も死んだ。
僅か30年前のことである。
ソ連崩壊を知らない若い世代はプーチンのナラティブに同調しづらいが、中高年の記憶に刻まれた「混乱の時代を立て直したプーチン」という物語は強固である。
7 』
『 ホテルラウンジ
2024年 3月 12日
第二次世界大戦でナチスドイツから最も大きな被害を受けたロシアとユダヤ人という2者が70年後にそれぞれ侵略と虐殺というドイツが彼らに行った加害行為と内容が同じ行為を行ってるという安っぽい小説みたいな展開が凄いですよね。
で、ロシアは侵略先を「ナチスだ」と言い、イスラエルはパレスチナ人はハマスのテロ行為を「ホロコーストだ」とナチスに引っ掛けて国際社会にアピールしている。
そして両者の国際社会へのアピールは効いていません。
特にプーチンの場合、ソ連崩壊でKGB職員からタクシー運転手まで落ちぶれて、偉大なロシアの復興を妄想してルシズムに引っ掛けて今に至るという流れが、ヒトラーが第一次世界大戦で負けて混乱するドイツを目の当たりにしてから偉大なドイツの復興を妄想してゲルマン民族を肴に暴走するという流れに良く似ていると感じます。
記事ではプーチンの歴史観について色々分析していますが、分析についてはプーチンの他に比類のない独特な個性ではなく、ヒトラーやローマ帝国の復活を国民に夢見させたムッソリーニ、更に過去の歴史上の独裁者でも多数居たであろう「独裁者あるあるの歴史観の持ち方」で、こういうタイプの人間、又は独裁的なポジションに就いた人間の多くが至る思考偏りの分析という見方をした方が良いでしょう。
また、今の事態を俯瞰的に見ると、これは第二次世界大戦で得たロシア・イスラエルが得た外交カードの賞味期限が切れる瞬間を見てるのかもしれません。
逆に我々旧枢軸側から見ると、贖罪外交をしなければならない不利な外交カードも賞味期限が切れるという事になりますので、政府な省庁内に居る贖罪外交しか知らないし、何ならそれでキャリアパス等々で利得を得てる外交スタッフを入れ替えて国益に繋げる事が出来る有能な人間を外交スタッフに交代させていかないといけないと思いますね。
5
犬の〆
2024年 3月 12日
返信 引用
>ロシアは侵略先を「ナチスだ」と言い、イスラエルはパレスチナ人はハマスのテロ行為を「ホロコーストだ」と
言い方は悪いですが、もはや喜劇ですよね。
>贖罪外交をしなければならない不利な外交カードも賞味期限が切れる
しかし、こちらのほうはまだまだ賞味期限が切れるには時間がかかるかもしれませんね。朝鮮半島や中国の人は、、、白目
5 』
『 みけ
2024年 3月 12日
ヒトラー「ナチズムは壊滅した、もう終わりだ。その思想は私と共に消滅する。だが100年後には新たな思想が生まれるだろう。宗教のように新たなナチズムが誕生するだろう。」
100年後の2045年って中華人民共和国建国100周年近くなんですよね不吉だ。
ナチスは強権国家の統治のテンプレのようなものだからいつの時代もあるんでしょうね。ロシア中国イスラエルインドトルコイランがナチス予備軍だと思う。
1 』